JP2014106996A - 垂直磁気記録媒体、及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】磁気記録層の凸パターンを短時間に低コストで加工できる磁気記録媒体の製造方法を提供する。
【解決手段】磁気記録層上に粒子と粒界を持つ粒状マスク層を形成する。粒状マスク層は、アルミニウムと、ケイ素またはゲルマニウムとを含むターゲットを使用して、0.05Paないし0.3Paの圧力下でスパッタを行うことにより形成する。粒子はアルミニウムからなり、粒界はケイ素またはゲルマニウムからなる。得られた粒状マスク層の粒子は粒径分布の標準偏差σが15%以下であり、粒子の中心間距離の平均が5ないし10nmである。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、垂直磁気記録媒体、及びその製造方法に関する。
ハードディスクドライブ(HDD)に対する、高容量化のニーズは年々高まっている。現在、主流となっている磁気記録媒体は、記録媒体を構成する各層を、基板全面に一様に形成した構成となっているものである。しかしながら、500Gb/inを超える記録容量を達成する場合、隣り合うデータ信号同士が近接しすぎるために、そのデータ信号を記録再生する際に、本来、記録再生すべきでない近接データまで読み込んだり書き込んだりする現象が発生していた。
そこで近年、この様な現象を回避し、さらなる記録密度の向上を実現する技術として、パターンド媒体が盛んに研究されてきた。パターンド媒体とは、磁性膜をあらかじめ決められたパターンに加工し、パターンに応じて記録再生ヘッドで情報を記録再生するという特徴を持っている。加工パターンの形態に関しては、サーボ情報と記録トラックのみを加工し、従来と同じ方法で周方向に記録を行うディスクリートトラック媒体(DTM)と、サーボ情報だけでなく周方向にビット単位のパターンも加工する、いわゆるビットパターンド媒体(BPM)とが検討されている。
このようなディスクリート媒体(DTM)やビットパターンド媒体(BPM)は、トラック間または磁化反転単位間(ビット間)に磁性膜がなく、そこから発生するノイズがないため、信号品質(信号/ノイズ比:SNR)を向上させることができ、高密度の磁気記録媒体および磁気記録装置を作製できる。
DTMやBPMにおいては、磁性膜を微細なパターンに加工するため、パターンド媒体を作製する場合、微細な凹凸パターンを持つマスク層の形成方法として、電子線描画やポリマーを用いた自己組織化膜等が提案されている。しかし、スパッタリングのみで作製できる現行の媒体と比べ、いずれの方法でも多大な投資コストと作製時間を必要とし、現実的な大量生産は困難な状況である。
このようなことから、DTMやBPMにおいて、コストや作製時間を短縮し得るパターン加工方法が望まれている。
特開2010−272183号公報 特開2003−178431号公報
本発明の実施形態は、磁気記録層の凸パターンを短時間に低コストで加工できる磁気記録媒体の製造方法を提供することを目的とする。
実施形態によれば、基板上に磁気記録層を形成する工程、
該磁気記録層上に保護層を形成する工程、
該保護層上に、アルミニウムからなる第1成分と、ケイ素またはゲルマニウムからなる第2成分とを含むターゲットを使用して、0.05Paないし0.3Paの圧力下でスパッタを行い、第1成分の粒子と該第1成分の粒子間に設けられた第2成分の粒界とを有し、前記第1成分の粒子の粒径分布の標準偏差σが15%以下であり、かつ該第1成分の粒子の中心間距離の平均が5ないし10nmである粒状マスク層を形成する工程、
前記第2成分の粒界をエッチングし、第1成分の粒子の凸パターンを形成する工程、及び
前記第1成分の粒子の凸パターンを磁気記録層に転写する工程を具備することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法が提供される。
実施形態に係る磁気記録媒体の製造工程の一例を表す断面図である。 実施形態に係る磁気記録媒体の製造工程の一例を表す断面図である。 実施形態に係る磁気記録媒体の製造工程の一例を表す断面図である。 実施形態に係る磁気記録媒体の製造工程の一例を表す断面図である。 実施形態に係る磁気記録媒体の製造工程の一例を表す断面図である。 実施形態に係る磁気記録媒体の製造工程の一例を表す断面図である。 実施形態に係る磁気記録媒体の製造工程の一例を表す断面図である。 実施形態に係る磁気記録媒体の製造工程の一例を表す断面図である。 実施形態に係る磁気記録媒体の製造工程の他の一例を表す断面図である。 実施形態に係る磁気記録媒体の製造工程の他の一例を表す断面図である。 実施形態に係る磁気記録媒体の製造工程の他の一例を表す断面図である。 実施形態に係る磁気記録媒体の製造工程の他の一例を表す断面図である。 実施形態に係る磁気記録媒体の製造工程の他の一例を表す断面図である。 実施形態に係る磁気記録媒体の製造工程の他の一例を表す断面図である。 実施形態に係る磁気記録媒体の製造工程の他の一例を表す断面図である。
以下、図面を参照し、実施形態をより詳細に説明する。
図1ないし図8は、各々、実施形態にかかる磁気記録媒体の製造工程を表す図を示す。
実施形態に係る磁気記録媒体10の製造方法は、図1に示すような基板1上に、図2に示すように磁気記録層5を形成する工程、図3に示すように磁気記録層5上に保護層6を形成する工程、図4に示すように保護層6上に、粒子7とその粒子7間に設けられた粒界8とを有する粒状マスク層9を形成する工程、図5に示すように粒界8をエッチングし、凸パターンを形成する工程、及び図7に示すように凸パターンを磁気記録層に転写する工程を含む。
粒状マスク層は、アルミニウムからなる第1成分と、ケイ素またはゲルマニウムからなる第2成分とを含むターゲットを使用して、0.05Paないし0.3Paの圧力下でスパッタを行うことにより形成される。
実施形態により得られた粒状マスク層の粒子は第1成分としてのアルミニウムから実質的になり、粒状マスク層の粒界はケイ素またはゲルマニウムからなる第2成分から実質的になる。
また、実施形態により得られた粒状マスク層の粒子は粒径分布の標準偏差σが15%以下であり、粒子の中心間距離の平均が5ないし10nmである。
実施形態によれば、スパッタリング方式を用いて粒子の粒径分布の標準偏差σが小さい、粒状のマスク層を形成することができる。また、粒状マスク層を形成する工程、粒界をエッチングし、凸パターンを形成する工程、及び凸パターンを磁気記録層に転写する工程は、全てドライプロセスで行うことが可能であり、ウェットプロセスを用いる場合と比べて、製造コストや処理時間を大幅に短縮することが可能である。さらに、これらの工程を真空から大気中へ出すことなくことなく連続して行うことにより、さらなる低コスト、高スループットが実現できる。
第2成分の粒界のエッチングは、必要に応じて種々のドライエッチングプロセスを使うことが好ましい。酸やアルカリ溶液を用いたウェットプロセスを用いても同様の特性を持つ媒体を作製することが可能であるが、作製コストが増加し、かつスループットが悪くなる傾向がある。
ドライエッチングガスの例として、実施例にあるように、SiまたはGe粒界は例えばCF、CF/O、CHF、SF等を使ったドライエッチングを用いることができる。
第2成分の粒界のエッチングはフッ素を含むガスを用いて行なうことが好ましい。
フッ素を含むガスにより、Al粒子を残したまま、SiまたはGe粒界を除去できる。またC保護層は侵されないため、磁気記録層を保護することができる。
また、任意に、図6に示すように、第1成分の粒子の凸パターンを磁気記録層に転写する工程の前に、第1成分の粒子7表面を酸化せしめる工程をさらに設けることができる。
粒子の凸パターンを磁気記録層に転写する前に、O、O等の酸素系ガスを用いてドライエッチングすることにより凸パターンをダイアモンドライクカーボン(DLC)保護層へ転写することができる。この時、媒体を100℃程度まで加熱することにより、Al粒子の表面を酸化させることができる。酸化したAlは酸化していない金属Alよりも、Arミリング耐性が向上し、ミリングレートが遅いため、以下の磁気記録層への転写時に、加工マージンを稼ぐことができる。また、万一初期層部や側壁部に粒界物質のSiやGeが残渣として残っていた場合、そのSiやGeを酸化物へと変化させる効果も併せ持っている。SiやGeの酸化物は、単体のSiやGeよりもミリングのレートが早いため、以下の磁気記録層への転写時のミリングの際に、残渣を容易に除去することができる。媒体の加熱については、通常のヒーターによる加熱の他、プロセス時間を意図的に長くすることで、プロセスの際に発生する熱を利用することもできる。
第1成分の粒子の平均粒径は4ないし9nmにすることができる。4nm未満であると、加工性が難しくなり量産性が下がるとともに、磁気記録層へ転写した際の記録ドットの体積が小さくなり過ぎて、記録ドットが室温で反転してしまう現象(熱揺らぎ)が起きやすくなる傾向があり、9nmを超えると、磁気記録層へ転写した際の記録ドットの体積が大きくなり過ぎて、充分な高密度記録ができない傾向がある。
なお、ここでは、第1成分の粒子の平均粒径は、粒子が円形であると見なした場合の直径を,平面TEM像から各粒子の面積を計算してこれを結晶粒径とした。具体的には、平面TEM像から粒子の外周の2点を結び、かつ重心を通る径を2度刻みに測定し、それらの平均値を測定して粒子の平均粒径として、平均粒径および標準偏差を求めた。また、粒界幅は粒子の重心と重心を結ぶ線上の粒界幅を測定し、それらの平均値を粒界幅とした。
スパッタはRFスパッタ方式で行なうことができる。RFスパッタ方式を用いることにより、粒径分布の標準偏差σが15%以下であり、中心間距離の平均が5ないし10nmである粒子を有する粒状マスク層が容易に得られる。
その他のスパッタ方式例えばDCスパッタ方式を使用するとスパッタリングレート(堆積レート)が早くなり過ぎて、粒子の粒径分布の標準偏差を小さくできない傾向がある。
磁気記録層への転写は、イオンミリングによって、マスクされた部分以外をエッチングし記録層に凸パターンを作製する。イオンミリングにはHe、Ne、Ar、Kr、Xeなどの希ガスや、N等の不活性ガスを用いることができる。
磁気記録層に転写された凸パターンは、埋め込み材料で埋め込むことができる。この埋め込みには、埋め込み材料をターゲットとしたスパッタリング法が簡便なため使用されるが、他にもめっき、イオンビーム蒸着、化学気相成長(CVD)等の方法によっても良い。CVDを用いれば、高テーパーの磁気記録層の側壁に対し、高レートで製膜可能である。また、埋め込み時に基板にバイアスをかけることで、高アスペクトのパターンでも隙間なく埋め込むことができる。
磁気記録層の加工後に保護層を形成することができる。保護層は、凹凸へのカバレッジをよくするためにCVD法で製膜することが望ましいが、スパッタ法または真空蒸着法により製膜してもよい。CVD法によれば、sp結合炭素を多く含むDLC膜が形成される。膜厚は2nm以下だとカバレッジが悪くなり、10nm以上だと、記録再生ヘッドと媒体との磁気スペーシングが大きくなってSNRが低下するので好ましくない。保護膜上に潤滑剤を塗布することができる。潤滑剤としては、たとえばパーフルオロポリエーテル、フッ化アルコール、フッ素化カルボン酸などを用いることができる。
磁気記録層の凸パターン(記録部)の中心間距離(ドットピッチ)は、必要とする記録密度に応じて自由に選ぶことができる。具体的には、隣り合う記録部(記録ドット)間の中心間距離(ドットピッチ)は5nm以上10nm以下が望ましい。
記録部の各ドットの平均粒径は4ないし9nmにすることができる。4nm未満であると、加工性が難しくなり、量産性が下がるとともに、記録部(記録ドット)の熱揺らぎ耐性が悪化し、部分的に室温で信号が消えてしまう現象が発生する。9nmを超えると、加工性は良好になるものの垂直磁気記録媒体の高密度化が実現できない。
実施形態に使用可能な基板としては、たとえばガラス基板、Al系合金基板、セラミック基板、カーボン基板、酸化表面を有するSi単結晶基板などがあげられる。ガラス基板としては、アモルファスガラスおよび結晶化ガラスが挙げられる。アモルファスガラスとしては、汎用のソーダライムガラス、アルミノシリケートガラスが挙げられる。結晶化ガラスとしては、リチウム系結晶化ガラスが挙げられる。セラミック基板としては、汎用の酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、窒化珪素などを主成分とする焼結体や、これらの繊維強化物などが挙げられる。基板としては、上述した金属基板や非金属基板の表面にメッキ法やスパッタ法を用いてNiP層などの薄膜が形成されたものを用いることもできる。基板上への薄膜の形成方法としてスパッタリングのみならず、真空蒸着や電解メッキなどでも同様の効果を得ることができる。
非磁性基板と磁気記録層との間には、さらに、密着層や軟磁性下地層(SUL)、非磁性下地層を設けることができる。
密着層は、基板との密着性の向上のために設けられる。密着層の材料としては、非晶質構造を持つ、Ti、Ta、W、Cr、Ptやこれらを含む合金、またはこれらの酸化物もしくは窒化物を用いることができる。
密着層は例えば5ないし30nmの厚さを有し得る。
5nm未満では、充分な密着性を確保することができず膜が剥がれる現象が起きやすくなる傾向があり、30nmを越えると、プロセス時間が長くなりスループットが悪くなる傾向がある。
SULは、垂直磁磁気記録層を磁化するための単磁極ヘッドからの記録磁界を水平方向に通して、磁気ヘッド側へ還流させるという磁気ヘッドの機能の一部を担っており、磁界の記録層に急峻で充分な垂直磁界を印加させ、記録再生効率を向上させる作用を有する。軟磁性下地層には、Co,FeまたはNiを含む材料を用いることができる。このような材料として、Coと、Zr、Hf、Nb、Ta、Ti、及びYのうち少なくとも1種とを含有するCo合金を挙げることができる。Co合金は80原子%以上のCoが含むことができる。このようなCo合金は、スパッタ法により製膜した場合にアモルファス層が形成されやすい。アモルファス軟磁性材料は、結晶磁気異方性、結晶欠陥および粒界がないため、非常に優れた軟磁性を示すとともに、媒体の低ノイズ化を図ることができる。好適なアモルファス軟磁性材料としては、たとえばCoZr、CoZrNbおよびCoZrTa系合金などを挙げることができる。他の軟磁性下地層の材料として、CoFe系合金たとえばCoFe、CoFeVなど、FeNi系合金たとえばFeNi、FeNiMo、FeNiCr、FeNiSiなど、FeAl系合金、FeSi系合金たとえばFeAl、FeAlSi、FeAlSiCr、FeAlSiTiRu、FeAlOなど、FeTa系合金たとえばFeTa、FeTaC、FeTaNなど、FeZr系合金たとえばFeZrNなどを挙げることができる。また、Feを60原子%以上含有するFeAlO、FeMgO、FeTaN、FeZrNなどの微結晶構造または微細な結晶粒子がマトリクス中に分散されたグラニュラー構造を有する材料を用いることもできる。
軟磁性下地層は例えば10ないし100nmの厚さを有し得る。
10nm未満では、磁気ヘッドからの記録磁界を充分取り込めずに記録再生効率を向上させることができない傾向があり、100nmを越えると、プロセス時間が長くなりスループットが悪くなる傾向がある。
さらに、スパイクノイズ防止のために軟磁性下地層を複数の層に分け、0.5〜1.5nmの非磁性分断層を挿入することで反強磁性結合させてもよい。その場合、Ru、Ru合金、Pd、Cu、Ptなどを用いることができる。また、CoCrPt、SmCo、FePtなどの面内異方性を持つ硬磁性膜またはIrMn、PtMnなどの反強磁性体からなるピン層と軟磁性層とを交換結合させてもよい。交換結合力を制御するために、非磁性分断層の上下に磁性膜たとえばCoなど、または非磁性膜たとえばPtなどを積層することができる。
非磁性下地層は、その上に、磁気記録層が非磁性下地層と接触するように形成されることにより、磁気記録層の結晶配向性や結晶粒径を制御することができる。非磁性下地層としては、例えばRu合金、Ni合金、Pt合金、Pd合金、Ta合金、Cr合金、Si合金、Cu合金のいずれかを用いることができる。非磁性下地層の膜厚は、1nm以上20nm以下であることが望ましい。配向制御層の膜厚が1nm未満であると、非磁性下地層としての効果が不十分となり、結晶配向性が悪化する傾向がある。また、非磁性下地層の膜厚が20nmを超えると、スペーシングもロスする傾向がある。また、非磁性下地層は、一層ではなく複数の層から形成されても良い。
実施形態に使用可能な磁気記録層は、鉄またはコバルトから選ばれるいずれか一種とプラチナを主成分とすることができる。また、基板に対して垂直方向に磁気異方性を持った垂直磁気記録層を用いることが望ましい。垂直磁気記録層を用いると、高密度化した場合に、記録ドットから出る外部磁界が周囲の記録ドットの信号を保つ方向に働くため、熱揺らぎによって信号が消えにくく、高密度化を達成しやすいという傾向を持っている。
磁気記録層の厚さは、例えば3ないし30nm、さらには5ないし15nmにすることができる。この範囲であると、より高記録密度に適した磁気記録再生装置を作製することができる。磁気記録層の厚さが3nm未満であると、再生出力が低過ぎてノイズ成分の方が高くなる傾向がある。磁気記録層の厚さが30nmを超えると、再生出力が高過ぎて波形を歪ませる傾向がある。磁気記録層は二層以上の積層膜にすることもできるが、その際は、積層した合計を上述の範囲内にすることができる。磁気記録層の保磁力は、237000A/m(3000Oe)以上とすることができる。保磁力が237000A/m(3000Oe)未満であると、熱揺らぎ耐性が劣る傾向がある。磁気記録層の垂直角型比は、0.8以上であることが好ましい。垂直角型比が0.8未満であると、熱揺らぎ耐性に劣る傾向がある。
磁気記録層のPt含有量は、10原子%以上25原子%以下であることが好ましい。Pt含有量として上記範囲が好ましいのは、磁気記録層に必要な一軸結晶磁気異方性定数(Ku)が得られ、さらに磁性粒子の結晶配向性が良好であり、結果として高密度記録に適した熱揺らぎ特性、記録再生特性が得られるためである。Pt含有量が上記範囲を超えた場合も、上記範囲未満である場合も、どちらも高密度記録に適した熱揺らぎ特性に十分なKuが得られない傾向がある。
実施形態に使用可能な保護膜は、磁気記録層の腐食を防ぐとともに、磁気ヘッドが媒体に接触したときに媒体表面の損傷を防ぐ目的で設けられる。保護膜の材料としては、たとえばCを含むものが挙げられる。保護膜の厚さは1ないし10nmとすることが好ましい。これにより、ヘッドと媒体の距離を小さくできるので、高密度記録が可能である。カーボンは、sp結合炭素(グラファイト)とsp結合炭素(ダイヤモンド)に分類できる。耐久性、耐食性はsp結合炭素のほうが優れるが、結晶質であることから表面平滑性はグラファイトに劣る。通常、カーボンの製膜はグラファイトターゲットを用いたスパッタリング法で形成される。この方法では、sp結合炭素とsp結合炭素が混在したアモルファスカーボンが形成される。sp結合炭素の割合が大きいものはDLC(Diamond−like Carbon)と呼ばれ、耐久性、耐食性に優れ、アモルファスであることから表面平滑性にも優れるため、磁気記録媒体の表面保護膜として利用されている。CVD法によるDLCの製膜は、原料ガスをプラズマ中で励起、分解し、化学反応によってDLCを生成させるため、条件を合わせることで、よりsp結合炭素に富んだDLCを形成することができる。
実施形態に使用可能な粒状マスク層は、磁気記録層の加工用のパターン膜として用いられる。例えば、通常の多結晶粒子の粒径分布の標準偏差は20%以上であるため、それ以下であることが望ましい。ここでは、粒径分布の標準偏差σが15%以下の膜を粒状マスク層と定義する。粒状マスク層としては、例えば、粒子としてAlを用い、かつ粒界としてSi,Geのいずれかを用いて、通常(0.7Pa程度)より低いAr圧(0.3Pa以下)で製膜することで、自己組織化的な粒径分布の標準偏差が低い膜を形成することができる。この時、Alが粒子となり、Si,Geのいずれかが粒界となる。なお、粒子として、Al2O3などのAl化合物や、粒界として、SiO2やGeO2などのSiやGeの化合物を用いることはできない。Alの代わりにAl2O3化合物などを粒子として用いたり、SiやGeの代わりに、SiO2やGeO2などのSi化合物またはGe化合物を用いても、目的とする粒子の粒径分布の標準偏差が15%以下と小さい、粒状マスク層を得ることはできない。粒子の平均粒径は4〜9nm程度で、粒界は1〜5nm程度、粒径分布の標準偏差は8〜15%の粒状マスク層となる。この粒状マスク層の特徴としては、膜厚を増加させても粒径が肥大化せず、同じ粒径のまま膜が成長する。よって、粒径と膜厚のアスペクト比を取ることが容易である。マスク層が厚くなると加工性が悪化するが、加工性に問題がなければマスク層の膜厚を厚くしてアスペクト比を増加させることで、磁気記録層の加工するための時間を稼ぐことができる。
以下、実施例を示し、実施の形態をより具体的に説明する。
図9ないし図15に、実施形態に係る磁気記録媒体の製造工程の他の一例を各々示す。
実施例
実施例1、2
図9に示すように、ガラス基板1(コニカミノルタ社製アモルファス基板MEL6、直径2.5インチ)を用意し、DCマグネトロンスパッタ装置(キヤノンアネルバ社製C−3010)の製膜チャンバー内に収容して、到達真空度1×10−5Paとなるまで製膜チャンバー内を排気した。次いで、製膜チャンバー内に、ガス圧が0.7PaとなるようにArガスを導入して、密着層2としてCrTiをDC1000Wで10nm形成した。
次いで、密着層2上に、軟磁性下地層としてCoFeTaZrを、DC1000Wで40nm製膜して軟磁性下地層3を形成した。
続いて、軟磁性下地層3上に、非磁性下地層4として、RuをDC1000Wで15nmした。その後、垂直異方性を持つ磁気記録層5として、Co−20at%Ptを非磁性下地層4上にDC1000Wで10nm形成した。
さらに、図10に示すように、CVD法により、磁気記録層5上に、5nmのDLC保護層6を形成し、磁気記録媒体本体を得た。
次いで、製膜チャンバー内に、ガス圧が0.1PaとなるようにArガスを導入して、図11に示すように、粒状マスク層9として、Al−50%Si膜をRF300Wで30nm形成した。ガス圧を通常の0.7Paより低い0.1Pa程度で製膜することで、粒径分布の標準偏差が10%程度の粒子をAl粒子7、Al粒子7間に設けられたSi粒界8を有する粒状マスク層9を得ることができる。
続いて、以下のようにパターンド媒体を作製した。
まず、図12に示すように、誘導結合プラズマ−リアクティブイオンエッチング装置(ICP−RIE)により、プロセスガスとしてCFを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、アンテナパワーおよびバイアスパワーをそれぞれ50Wおよび2Wとし、エッチング時間を60秒として、粒状マスク層9のSi粒界8のドライエッチングを行い、Si粒界8を除去して凹部でDLC保護層6の表面を露出させた。
次いで、図13に示すように、粒状マスク層9のAl粒子7の表面を酸化させつつ、同時にDLC保護層6の加工を行う。Al酸化物は、酸化していないAl粒子よりもミリングレートが遅い。よって、Al粒子7の酸化処理を行うことで、以下の磁気記録層の転写時に、プロセスの時間を稼ぐことができる。まず、媒体を100℃程度まで加熱した後、Al粒子7の凸パターンをマスクとして、ICP−RIE装置により、プロセスガスとしてOを使用し、チャンバー圧を0.1Paとし、アンテナパワーおよびバイアスパワーをそれぞれ50Wおよび2Wとし、エッチング時間を10秒として、図13に示すように、DLC保護層6のエッチングを行った。これにより、DLC保護層6へパターンを転写しつつ、Al粒子の表面を酸化することが可能となる。このプロセスにより、Si粒界部が除去された凹部に磁気記録層の表面を露出させた。
次いで、酸化されたAl粒子7およびAl粒子7直下のDLC保護層6を凸とするパターン化されたマスクとして、イオンミリング装置により、Arガスを使用し、ガス圧を0.06Paとし、加速電圧400V、エッチング時間を30秒間として、図14に示すように、磁気記録層5をエッチングしてパターンを転写した。この時、Arイオンにより酸化されたAl粒子7もエッチングにより除去されるが、DLC保護層6のミリングレートが遅いために、DLC保護層6がストッパー層の役割も果たす。これにより、マスクであるAl粒子7の残渣が残らないように、オーバーエッチングの条件を用いることができる。同時に、磁気記録層5の記録ドット部(凸部)も保護することができる。次いで、図15に示すように、非磁性下地層4、パターン転写された磁気記録層5、及びパターン転写された保護層6の上に、CVD法によりDLC保護層6’を20nm形成し、続いて、平坦化処理を行い、さらに、ディッピング法により図示しない潤滑剤を塗布し、実施例1に係るパターンド型の垂直磁気記録媒体10を得た。
また、粒状マスク層9の第1成分(粒子)及び第2成分(粒界)の構成元素として、Al、Ti,Cr、Cu、Si、Geから選ばれる下記表1に記載の2種の組み合わせを用い、スパッタ条件を下記表1に記載のように変化させる以外は実施例1と同様にして、実施例2および比較例1〜13のパターンド型の垂直磁気記録媒体を得た。
各実施例および比較例において、図11に示す構造と同様にして粒状マスク層まで形成した段階の媒体を抜き取り、断面および平面方向の粒子構造、および各所の元素組成分布を調べた。
粒状マスク層の粒子構造、媒体の凸パターンの径の分布、及び元素組成分布は透過型電子顕微鏡(TEM)とエネルギー分散型X線分光(TEM−EDX)を用いて測定した。
まず、各実施例および比較例において、粒状マスク層まで形成した場合の媒体の凸パターンの径の分布と元素組成分布を調べた。
その結果、実施例1、2の媒体においては、粒状マスク層の粒子がAlからなり粒径が7nm程度で、粒界がSiまたはGeから形成され2nm程度の厚みを持っており、Al粒子の粒径分布の標準偏差は11〜12%であった。
一方、比較例1〜3の媒体においては、粒子と粒子が接するようないわゆる多結晶構造を取っており、粒界の厚みは薄くて計測不能であった。また、粒子は表1に示すようにAlとTi(またはCr、Cu)の両方が含まれていた。
比較例4〜9の媒体は、粒子が表1に示すようにAl,Ti,Cr,Cuのいずれかからなり、粒界がSiまたはGeから形成され、粒界の厚みは1nm程度であった。しかし、粒径分布の標準偏差が20%以上と大きかった。
比較例10〜13の媒体は、粒子がAlで粒界がSiまたはGeからなり、粒界の厚みは1nm程度であったが、粒径分布の標準偏差が20%以上と大きく、特に粒径分布の標準偏差が低いという特徴は見られなかった。
同様に、各実施例および比較例において、磁気記録層まで加工した場合の媒体の凸パターンの構造と元素組成分布も調べた。下記表1に磁気記録層の凸パターンの径の分布の標準偏差を示す。上述の粒状マスク層まで形成した場合の粒子構造の粒子の粒径分布の標準偏差と同等の特性を持つことが分かった。
これらのマスクを利用して、磁気記録層まで加工した実施例1、2にかかる媒体および比較例1〜13にかかる媒体について、断面および平面方向の凸パターンの径の分布、および記録再生特性を測定した。
記録再生特性の評価は、米国GUZIK社製リードライトアナライザRWA1632、およびスピンスタンドS1701MPを用いて、電磁変換特性を測定した。
記録再生特性の評価には、書き込みにシールド付(シールドは、磁気ヘッドから出る磁束を収束させる働きを持つ)のシングルポール磁極であるシールディットポール磁極、再生部にTMR素子を用いたヘッドを用いて、記録周波数の条件を記録ドットの周期に合わせて、そのSNRを測定した。
表1に示すように、実施例1、2の媒体は良好なSNRを示している。これは、磁気記録層の凸パターンの分布の標準偏差が低いことに起因していると考えられる。
一方、比較例1〜13の媒体は本願の実施例の媒体と比べて、特性が悪化していることが分かる。その原因として、比較例1〜3の媒体は、マスク層の段階で粒子と粒界の分離が不十分で、結果、転写後の記録ドットの粒径分布の標準偏差が大きくなったことが原因と考えられる。比較例4〜13の媒体は、マスク層の段階で明瞭な粒子・粒界構造ができているため、記録層への良好な転写はできているものの、粒径分布の標準偏差に特に改善が見られないため、記録再生特性の改善もみられなかったものと考えられる。
Figure 2014106996
比較例14〜21
粒状マスク層7からDLC保護層6への転写の際に、媒体を100℃程度まで加熱することを行わないことにより、粒状マスク層9のAl粒子7の表面を酸化させずに、DLC保護層6を加工する以外は、実施例1、2と同様にして、比較例14(Si粒界),比較例15(Ge粒界)の媒体を作製した。
また、DLC保護層6を用いないこと以外は実施例1、2と同様の方法を用いて、比較例16(Si粒界),比較例17(Ge粒界)の媒体を作製した。
また、粒状マスク層の粒界を除去する際に、下記表2に示すようにフッ素系のガスであるCFの代わりに、酸素またはArを用いた以外は実施例1,2と同様にして、比較例18(Si粒界、O)、比較例19(Ge粒界、O)、比較例20(Si粒界、Ar)、及び比較例21(Ge粒界、Ar)の各媒体を作製した。
実施例1と同様に、比較例14〜21の媒体について、断面および平面方向の凸パターン構造及び凸パターン径の分布の標準偏差、および記録再生特性を測定した。
さらに、実施例1,2および比較例14,15,18〜21に対しては、図13に示す構成と同様にDLC保護層まで転写した段階の媒体を抜き取り、TEMを用いて断面および平面方向の粒子構造、およびTEM−EDXを用いて各所の元素組成分布を調べた。
さらに、実施例1,2および比較例14〜21の媒体に対して、図14に示す構造と同様に磁気記録層まで転写した段階の媒体を抜き取り、TEMを用いて断面および平面方向の粒子構造、およびTEM−EDXを用いて各所の元素組成分布を調べた。
まず、実施例1,2および比較例14、15,18〜21において、DLC保護層6まで転写した場合の媒体の保護層の凸パターン径の分布の標準偏差と元素組成分布を調べた。
その結果、実施例1、2の媒体においては、粒状マスク層の粒子7のパターンがDLC保護層6へ転写され、磁気記録層5の表面が露出していることが分かった。また、凸状のAl粒子の表面が1〜2nm程度の酸化アルミニウムで覆われていることが分かった。
一方、比較例14、15においては、実施例1,2と同様に、粒状マスク層の粒子のパターンがDLC保護層へ転写され、磁気記録層の表面が露出していることが分かった。しかし、凸状のAl粒子の表面に明瞭な酸化物層は観測できなかった。
また、比較例18,19の媒体については、粒界の物質が除去されておらず、粒状マスク層の粒子のパターンがDLC保護層へ転写できてないことが分かった。比較例18,19の媒体の粒界が除去できなかった理由は、Oと粒界物質と反応して酸化シリコンや酸化ゲルマニウムになっていたが、それぞれ揮発性ではないためにそのまま粒界に留まったためと考えられる。なお、Al粒子の表面には1〜2nm程度の酸化アルミニウム層になっていることが分かった。
同様に、比較例20,21の媒体についても粒界の物質が除去されておらず、粒状マスク層の構造がDLC保護層へ転写できてないことが分かった。比較例20,21の媒体の粒界が除去できなかった理由は、Arと粒界物質がそもそも反応しないために、そのまま粒界に留まったものと考えられる。
続いて、実施例1,2および比較例14〜21において、磁気記録層まで転写した場合の媒体の粒子構造と元素組成分布を調べた。結果、実施例1、2の媒体においては、凹部は部分的に1〜3nm程度Ru非磁性下地層まで加工されているところがあるものの、凸部の記録ドット上のDLC保護層は2〜3nm程度残っており、磁気記録層は10nmの凹凸構造に加工されていることが分かった。
一方、比較例14,15の媒体については、凹部は実施例1,2と同様に、部分的に1〜3nm程度Ru非磁性下地層まで加工されている箇所が観測された。一方、凸部の記録ドット部のDLC保護層が、部分的に消失し、記録部の厚みが8〜9nm程度に減少してしまっている部分が見られた。これはAl粒子がマスクとしての耐性が足りないために、磁気記録層のミリング加工時に消失してしまい、DLC保護層および磁気記録層の記録ドット部が削られてしまったものと考えられる。
次に、比較例16,17の媒体については、凹部は実施例1,2と同様に、部分的に1〜3nm程度Ru非磁性下地層まで加工されている箇所が観測された。一方、凸部の記録ドット部の厚みが5〜8nm程度に減少してしまっている部分が見られた。これはDLC保護層がないために、酸化したAl粒子マスクの消失時にストッパーとなる層がないために、磁気記録層の記録ドット部が削られてしまったものと考えられる。
比較例18〜21の媒体については、粒状マスク層の加工が十分にできていないために、DLC保護層や磁気記録層の加工ができておらず、磁気記録層へ構造を転写できていないことが分かった。
最後に、磁気記録層まで加工した実施例1、2および比較例14〜21の媒体について、実施例1と同様に記録再生特性の評価を行った。下記表2に示すように、比較例14〜21の媒体は本願の実施例の媒体と比べて、特性が悪化していることが分かる。その原因として、比較例14〜17の媒体は、記録ドットの厚みにバラつきがあるために、記録ドットの体積の分散が悪化し、シグナルにバラつきが生じて記録再生特性が悪化したものと考えられる。また、比較例18〜21の媒体は、磁気記録層が加工されていないために、正常な記録再生ができていないものと考えられる。
また、今回の比較例14〜17のプロセス条件では、記録層を全て削り込むことを優先したために、記録ドットの表層部まで削られてしまった。一方で、記録ドットが削られないことを優先した場合、今度は記録層を全て削り込むことができず、磁気記録層の初期部で記録ドット同士がつながってしまい、やはり特性が悪化してしまう。
Figure 2014106996
実施例3,4および比較例22,23
粒状マスク層を作製する際の圧力を下記表3に示すように0.01Paないし1.0Paまで変更させて、粒状マスク層を形成した以外は、実施例1と同様にして、実施例3,4の媒体、および比較例22、23の媒体を得た。ただし、0.01Paでの結果は、Ar圧力が低すぎて放電せず、製膜することができなかったため記載していない。
実施例3,4の垂直磁気記録媒体および比較例22,23の媒体について、断面および平面方向の凸パターンの構造及び径、および記録再生特性を測定した。さらに、各実施例および比較例において、粒状マスク層まで形成した段階(図11に相当)の媒体を抜き取り、断面および平面方向の粒子構造、および各所の元素組成分布を調べた。
粒状マスク層まで形成した場合の媒体の粒子構造と元素組成分布は、実施例3,4の媒体においては、粒子がAlからなり粒径が7nm程度で、粒界がSiから形成され2nm程度の厚みを持っており、Al粒子の粒径分布の標準偏差σは11〜14%であった。
一方、比較例22,23の媒体は、粒子がAlで粒界がSiからなり、粒界の厚みは1nm程度であったが、粒径分布の標準偏差が20%以上と大きく、特に粒径分布の標準偏差が低くなるという特徴は見られなかった。
同様に、各実施例および比較例において、磁気記録層まで加工した場合の媒体の凸パターンの構造及び径と元素組成分布も調べた。凸パターン径の標準偏差を表3に示す。表3に示すように、上述の粒状マスク層まで形成した場合の粒子構造と同等の特性を持つことが分かった。
これらのマスクを利用して磁気記録層まで加工した実施例3,4および比較例22,23の媒体について、実施例1と同様に記録再生特性の評価を行った。
表3に示すように、実施例1および実施例3,実施例4の媒体は良好なSNRを示している。これは、磁気記録層の粒径分布の標準偏差散が低いことに起因していると考えられる。
一方、比較例10,22,23の媒体は、マスク層の段階で明瞭な粒子・粒界構造ができているため、磁気記録層への良好な転写はできているものの、粒径分布の標準偏差に特に改善が見られないため、記録再生特性の改善もみられなかったものと考えられる。
Figure 2014106996
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…基板、2…密着層、3…軟磁性下地層、4…非磁性下地層、5…磁気記録層、6…保護層、7…粒子、8…粒界、9…粒状マスク層、10,20…磁気記録媒体

Claims (8)

  1. 基板上に磁気記録層を形成する工程、
    該磁気記録層上に保護層を形成する工程、
    該保護層上に、アルミニウムからなる第1成分と、ケイ素またはゲルマニウムからなる第2成分とを含むターゲットを使用して、0.05Paないし0.3Paの圧力下でスパッタを行い、第1成分の粒子と該第1成分の粒子間に設けられた第2成分の粒界とを有し、前記第1成分の粒子の粒径分布の標準偏差σが15%以下であり、かつ該第1成分の粒子の中心間距離の平均が5ないし10nmである粒状マスク層を形成する工程、
    前記第2成分の粒界をエッチングし、第1成分の粒子の凸パターンを形成する工程、及び
    前記第1成分の粒子の凸パターンを磁気記録層に転写する工程を具備することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記第1成分の粒子の平均粒径は4ないし9nmである請求項1に記載の方法。
  3. 前記スパッタはRFスパッタ方式で行われる請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記第2成分の粒界のエッチングはフッ素を含むガスを用いて行われる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記第1成分の粒子の凸パターンを磁気記録層に転写する工程の前に、前記第1成分の粒子表面を酸化せしめる工程をさらに含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 全ての工程はドライプロセスで行われる請求項1ないし5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 全ての工程は真空を破ることなく連続して行われる請求項6に記載の方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法を用いて製造された垂直磁気記録媒体。
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