JP2014104013A - 食器洗浄機 - Google Patents

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Abstract

【課題】洗浄運転中においては洗浄槽が外部に引き出されてしまわないようにロックされるとともに、故障や停電などが発生した場合には通常行う食器洗浄機の操作方法とは異なる操作によってロックを強制的に解除することが可能な食器洗浄機を提供する。
【解決手段】洗浄機本体1に対する洗浄槽2の位置を変化させて、ロック装置71の、洗浄機本体に配設された係止体42に対する相対的な位置を、ロック体(ロックピン)41の突出する方向(一の方向)と反対の他の方向に所定寸法だけ変化させたときには、ロック体41が突出状態にある場合においても、前面視においてロック体41と係止体42とが重なる領域に位置せず、洗浄槽2が第1引き出し位置を超えて引き出されることを許容するように構成する。
【選択図】図5B

Description

本発明は、食器洗浄機に関し、詳しくは、食器洗浄機本体の前面に設けられた開口部分を通じて洗浄槽を略水平方向に出し入れすることができるとともに、この洗浄槽の出し入れに連動して洗浄槽に設けられた食器類の出し入れ用の上面開口部を内蓋で開閉できるようにした引き出し式の食器洗浄機に関する。
食器洗浄機には、キッチンカウンタの下方に設置され、引き出し式の収納部などの他の複数の設置体と並ぶ状態で配設されて、皿や茶碗などの食器類を洗浄するのに使用されるものがある。
そして、このような食器洗浄機を用いて食器類の洗浄を行う場合、まず、洗浄槽を洗浄機本体から引き出した引き出し状態にして、皿や茶碗などの食器類を洗浄槽の内部に収容する。その後、洗浄槽を洗浄機本体の内部の収納位置に収納した収納状態にして、洗浄運転を行う。洗浄運転が終了した後においては、洗浄槽を洗浄機本体から引き出した引き出し状態にして、皿や茶碗など食器類を洗浄槽から取り出す。
このような食器洗浄機の従来例として、洗浄槽の前部の上方側部分に、操作パネルが設けられ、洗浄槽の前部における操作パネルの下方側部分に、扉体が装備されたものがある(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
そして、特許文献1においては、扉体の表面が、キッチンカウンタの下方に配置される複数の収納部や固定パネルなどの設置体の表面と同一の色調を有し、同一の図柄となるように構成された、色合い面において美麗なシステムキッチンを構成することが可能な食器洗浄機が開示されている。
特許文献1の食器洗浄機は、洗浄槽の前部の上方側部分に設けられている操作パネルを別の部位に移動し、洗浄槽の前部の全面をキッチンカウンタの下方に配置される複数の収納部や固定パネルなどの設置体の表面と、同一の色調で、同一の図柄とした扉体で覆うことにより、さらに色合い面において外観を美麗な状態にすることが可能である。
また、特許文献2には、洗浄運転や洗浄運転の開始前後の待機状態を含む定常時におけるロック機構の動作とは別に、前記定常時以外の非定常時に操作されて前記ロック機構を強制的に解除動作させる非定常ロック解除手段を備えている食器洗浄機が記載されており、故障や停電などが発生した場合にも、通常行う食器洗浄機の操作方法とは異なる操作によってロックを強制的に解除することを可能にした構成が記載されている。
ここで、たとえば、洗浄槽の前部の全面を扉体で覆った場合には、扉体の美観を損なわないようにしつつ、使用者が洗浄槽を不用意に引き出してしまうことがないように配慮する必要がある。そして、洗浄槽の前部の全面を扉体で覆った機器において、洗浄槽のロック機構を構成する場合、特許文献2に開示されるような非定常ロック解除手段を備えることが好ましいということができる。
この特許文献2の実施形態には、非定常ロック解除手段がロック解除操作用の解除操作部を備え、この解除操作部とロック機構の一部を構成する係止部材の一部との間が可とう性を有する線状部材で結合し、解除操作部を操作することにより、上記係止部材を係止位置から非係止位置に変位させるようにした構成が開示されているが、この構成においては、解除操作部と、ロック機構の一部を構成する係止部材の一部とを結合する線状部材などの結合部材を必要とすることから、非定常ロック解除手段の構成が複雑になるという問題点がある。
特開2005−253824号公報 特開2009−142539号公報
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、特許文献2の食器洗浄機における、洗浄運転や洗浄運転の開始前後の待機状態を含む定常時の前記ロック機構の動作とは別に、定常時以外の非定常時に操作されてロック機構を強制的に解除動作させる非定常時ロック解除手段を備えており、故障や停電などが発生した場合にも、通常行う食器洗浄機の操作方法とは異なる操作によってロックを強制的に解除することが可能であり、しかも、解除操作部とロック機構とを結合する結合部材を必要とせず、低コストで構成することが可能な食器洗浄機を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の食器洗浄機にあっては、次の構成を採用している。
すなわち、請求項1記載の発明にかかる食器洗浄機は、
食器類が収容される洗浄槽と、
食器洗浄用の洗浄液を循環させるポンプと、
洗浄運転の開始や停止などの制御を行う制御手段と、
前記洗浄槽が出し入れされる前面開口部を有し、前記制御手段から前記ポンプに送出される運転指令により前記ポンプを運転させて洗浄運転を実行する洗浄機本体と、
前記洗浄槽の前面に配設され、前記洗浄機本体の前記前面開口部を開閉する扉体と、
前記洗浄槽が洗浄機本体内の所定収納位置まで収納されたときには前記洗浄槽に設けられた食器類の出し入れ用の上面開口部を封止し、前記洗浄槽が前記洗浄機本体から引き出されたときには前記洗浄槽の前記上面開口部から離間するように、前記洗浄槽の出し入れに連動して前記上面開口部を開閉する内蓋と、
前記洗浄運転の実行中に前記洗浄機本体内の前記所定収納位置にある前記洗浄槽を引き出そうとしたときに、前記洗浄槽の引き出しを牽制するロック機構と
を備えた食器洗浄機において、
(a)前記ロック機構は、
前記洗浄槽に配設され、前面視において前記扉体の左右方向のうち一の方向にロック体を突出させ、また、突出させた前記ロック体を後退させることができるように構成されたロック装置と、前記洗浄機本体に配設され、前記ロック体と当接して、前記洗浄槽の前記洗浄機本体からの引き出しを阻止する係止体とを備えているとともに、
前記ポンプを運転しているときには、前記ロック体が前記左右方向のうち一の方向に突出した突出状態となり、前記洗浄槽を第1引き出し位置まで引き出したときに、前記洗浄槽の引き出し方向を前方として、前記ロック体の前方の、前面視において前記ロック体に重なる領域に位置する前記係止体に、前記ロック体が当接することにより、前記洗浄槽が前記第1引き出し位置を超えて引き出されることを阻止し、
前記ポンプを運転しないときには、前記ロック体が後退し、前面視において前記ロック体と前記係止体とが重なる領域に位置せず、前記洗浄槽が前記第1引き出し位置を超えて引き出されることを許容するように構成されているとともに、
(b)前記洗浄槽と前記洗浄機本体とが、いずれか一方の位置を他方の位置に対して所定範囲で変化させることができるように構成されおり、
(c)前記洗浄機本体に対する前記洗浄槽の位置を変化させることにより、前記ロック装置の前記洗浄機本体に配設された前記係止体に対する相対的な位置を、前記一の方向と反対の他の方向に所定寸法だけ変化させることができるように構成されており、
(d)前記洗浄機本体に対する前記洗浄槽の位置を変化させて、前記ロック装置の、前記洗浄機本体に配設された前記係止体に対する相対的な位置を、前記一の方向と反対の他の方向に所定寸法だけ変化させたときには、前記ロック体が前記突出状態にある場合においても、前面視において前記ロック体と前記係止体とが重なる領域に位置せず、前記洗浄槽が前記第1引き出し位置を超えて引き出されることを許容するように構成されていること
を特徴としている。
また、本発明の食器洗浄機においては、前記係止体が前記洗浄機本体に弾性体により保持され、かつ、前記係止体の、前記他の方向側の面には、前記ロック体と当接する先端部から、前記前方側に向かうほど、その表面が前記他の方向側に位置するような傾斜部が設けられていることが好ましい。
また、本発明の食器洗浄機においては、前記洗浄槽を前記洗浄機本体の左右方向の中央に位置するように付勢する付勢手段を備えていることが好ましい。
また、本発明の食器洗浄機においては、
キッチンカウンタの下方に、他の設置体と隣り合って設置され、
前記洗浄槽が前記所定収納位置にあるときには、前記扉体と前記設置体の前面部との間に前記所定の寸法より小さい間隙しか存在せず、前記扉体と前記設置体の前記前面部とが干渉して、前記洗浄槽の位置を可能な範囲で前記洗浄機本体の位置に対して相対的に変化させても、前記ロック装置の、前記洗浄機本体に配設された前記係止体に対する相対的な位置を、前記他の方向に前記所定寸法だけ変化させることができずに、前記ロック体を前面視において前記係止体に重ならない領域にまで変位させることができないように構成され、
前記洗浄槽を前記第1引き出し位置まで引き出したときには、前記扉体と前記設置体の前面部とが干渉せず、前記ロック装置の、前記洗浄機本体に配設された前記係止体に対する相対的な位置を、前記他の方向に前記所定寸法だけ変化させることができ、前記ロック体を前面視において前記係止体に重ならない領域にまで変位させることができるように構成されていること
が好ましい。
本願の請求項1記載の発明にかかる食器洗浄機は、上述のように構成されており、洗浄運転や洗浄運転の開始前後の待機状態を含む定常時において洗浄槽が引き出されてしまうことを確実に防止することが可能で、かつ、故障などの非定常時において、容易に洗浄槽を引き出すことが可能なロックおよびロック解除機構を備えた食器洗浄機を提供することが可能になる。
すなわち、本発明によれば、洗浄機本体に対する洗浄槽の位置を所定量変化させることができるようにするだけの簡単な構成で非定常ロック解除機構を備えた食器洗浄機を提供することができる。
また、請求項2の食器洗浄機のように、係止体が洗浄機本体に弾性体により保持され、係止体の、他の方向(前記ロック体の突出する方向と逆の方向)側の面には、ロック体と当接する先端部から、前方側に向かうほど、その表面が他の方向側に位置するような傾斜部が設けられている構成とした場合、洗浄槽を意図せずに他の方向側に偏らせてしまったときにも、洗浄槽を引き出すためには、ロック体が傾斜部を乗り越えることが必要で、そのためには、弾性体を弾性変形させるだけの力が必要になることから、不用意に洗浄槽が引き出されてしまうことがなく、洗浄水の漏出を防止することが可能になる。
なお、「係止体が洗浄機本体に弾性体により保持され」とは、係止体と洗浄機本体を接続する部分が弾性を有している場合、弾性を有する別部材を介して係止体と洗浄機本体が接続されている場合、さらには、ロック体を当接する先端部より洗浄機本体に近い部分が、係止体と一体で、弾性を有する材料で形成されている場合などを含む広い概念である。
また、請求項3の食器洗浄機のように、洗浄槽を洗浄機本体の左右方向の中央に位置するように付勢する付勢手段を備えた構成とした場合、洗浄槽を意図せずに他の方向側に変位させてしまうことにより不用意に洗浄槽が引き出されてしまうことが防止できる。
また、請求項4の食器洗浄機のような構成とすることにより、キッチンカウンタの下方に、他の設置体と隣接して設置される場合において、洗浄槽を、意図せずに他の方向側に変位させたときにも、洗浄槽が不用意に引き出されてしまうことをより確実に防止することが可能になり、本発明をより実効あらしめることができる。
本発明の実施形態1にかかる食器洗浄機の全体構成を示す概略斜視図である。 同食器洗浄機の要部側面断面図である。 同食器洗浄機の、システムキッチンのキッチンカウンタの下方への設置態様を示す図である。 同食器洗浄機のロック機構の構成および動作を説明するための図(平面断面図)であって、ロック体が一の方向に突出した状態を示す図である。 同食器洗浄機のロック機構の構成および動作を説明するための図であって、ロック体と係止体とが当接し、洗浄槽の引き出しが阻止された状態を示す図である。 同食器洗浄機のロック機構の構成および動作を説明するための図であって、洗浄槽を食器洗浄機本体に対して左方向に所定量だけ移動させた状態を示す図である。 同食器洗浄機のロック機構の構成および動作を説明するための図であって、洗浄槽を食器洗浄機本体に対して左方向に所定量だけ移動させた状態で洗浄槽を引き出す工程を示す図である。 同食器洗浄機のロック機構の構成および動作を説明するための図であって、洗浄槽を食器洗浄機本体に対して左方向に所定量だけ移動させた状態で洗浄槽を引き出した状態を示す図である。 同食器洗浄機のロック機構の構成および動作を説明するための図であって、ロック体(ロックピン)が後退状態に保たれている非ロック状態を示す図である。 同食器洗浄機のロック機構の構成および動作を説明するための図であって、非ロック状態において洗浄槽が引き出された状態を示す図である。 同食器洗浄機のロック機構の構成および動作を説明する要部拡大図(図4Cに示す状態の要部拡大図)である。 同る食器洗浄機のロック機構の構成および動作を説明する要部拡大図(図4Dに示す状態の要部拡大図)である。 同食器洗浄機を構成する洗浄槽位置センサを示す図であり、(イ)は洗浄槽が引き出されたときの状態を示す図、(ロ)洗浄槽を所定収納位置に収納されたときの状態を示す図である。 同食器洗浄機の非定常時におけるロック解除を行う場合の動作を説明する図であって、洗浄槽が所定収納位置に収納されている状態を示す図である。 同食器洗浄機の非定常時におけるロック解除を行う場合の動作を説明する図であって、洗浄槽をG(例えば20mm)だけ前方に引き出下常態を示す図である。 本発明の実施形態2にかかる食器洗浄機の要部構成を示す図(平面断面図)である。 同食器洗浄機の構成を模式的に示す平面概念図である。
以下、本発明の実施形態を示して、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
<実施形態1>
図1は本発明の実施形態にかかる食器洗浄機の全体構成を示す概略斜視図、図2は、同食器洗浄機の要部側面断面図、図3はシステムキッチンのキッチンカウンタの下方への同食器洗浄機の設置態様を示す図である。
[食器洗浄機の基本構成]
図1に示すように、実施形態1の食器洗浄機Sは、略箱状で、前面側に、洗浄槽2を出し入れするための前面開口部3が形成された洗浄機本体1を備えており、洗浄機本体1の内側の収納空間内には上述の洗浄槽2が、上記前面開口部3を通して略水平方向に出し入れすることができるような態様で収容されている。
そして、この洗浄槽2の上面側には、食器類5(図1)や洗浄かご(図示せず)を出し入れするための上面開口部4が設けられている。また、洗浄機本体1の内側の上部には、洗浄槽2の上面開口部4を開閉する内蓋10が略上下方向に昇降可能に保持された状態で配置されている。
さらに、洗浄機本体1内には、特に図示しないが、洗浄運転を実行するために、食器洗浄用の洗浄液を循環させるポンプが設けられている。
また、洗浄機本体1の内側には、洗浄槽2を出し入れする際のガイド用の左右一対のレール7が配設され、その左右一対のレール7を介して洗浄槽2が洗浄機本体1の収納空間に対して、矢印Aで示す収納移動方向と、矢印Bで示す引き出し移動方向へスライド移動することができるように構成されている。なお、洗浄槽2は、引き出し状態において、その大部分を洗浄機本体1の外方に露出させる状態に引き出すことができるように構成されている。
つまり、引き出し式の食器洗浄機Sは、洗浄槽2を洗浄機本体1から引き出した引き出し状態において、食器類などの洗浄対象物を洗浄槽2の内部に収納し、洗浄槽2を洗浄機本体1の収納位置に収納した収納状態において洗浄槽2の上面開口部4が、内蓋10にて閉塞され、食器類5を洗浄する洗浄運転を行うように構成されている。
なお、洗浄槽2の下方には、洗浄ポンプなどの機器類が、洗浄槽2に組付けられた状態で配設され、洗浄槽2の内部には、洗浄ノズルや加熱用ヒータなどが配設され、また、洗浄槽2の内部には、食器類などの洗浄対象物を収納する洗浄かごが、取り出し可能に収納されることになるが、それらの構成は周知であるので、説明を省略する。
図1に示すように、洗浄槽2の前部には、洗浄槽2の収納状態において、洗浄機本体1の洗浄槽挿脱用開口3を閉じる矩形板状の扉体9が設けられている。
具体的には、扉体9は、その横幅が洗浄機本体1の横幅よりも少し大きく、且つ、その上下幅が洗浄機本体1の上下幅と同じ大きさとなるように構成されている。
本実施形態の扉体9は、洗浄槽2の前部の上下幅方向の全体および横幅方向の全体を覆うように構成され、扉体9の上部側箇所には、引き出し操作用の把手部8が設けられている。
なお、洗浄槽2の前端部の上方箇所、つまり、扉体9の上部側部分の後方側箇所には、洗浄運転に関する種々の情報を指令する操作パネルP(図2参照)が装備されており、洗浄槽2を引き出し状態にして、操作パネルPにて洗浄運転に関する情報を入力し、その後、洗浄槽2を収納状態することによって、運転制御部(図示せず)が、洗浄槽位置センサ53(図7参照)によって洗浄槽2の洗浄機本体1への収納を検出し、操作パネルPにて入力された情報に基づいて、洗浄ポンプや加熱用ヒータなどを作動させて洗浄運転を実行するように構成されている。
また、洗浄槽2が収納状態であること検出する上述の洗浄槽位置センサ53に加え、洗浄槽2を収納状態にロックするロック装置71が装備されており、上記運転制御部が、洗浄槽2が収納状態であることを確認しながら、洗浄運転を実行するように構成されている。このロック装置71については後に詳述する。
図3に示すように、本実施形態の食器洗浄機Sは、システムキッチンのキッチンカウンタCの下方に、引き出し式の収納部や固定パネルなどの設置体Dと並べる状態で設置されるものであって、扉体9の表面が、設置体Dの前面部E(図8A参照)の表面と、同一の色調で、同一の図柄となるように構成されている。なお、図3においては、食器洗浄機Sの下方に、設置体Dとして、引き出し式の収納部が配置される場合を例示する。
[ロック機構の構成]
ロック機構40は、具体的には図4Aに示すように、
(a)洗浄槽(図4Aにおいてハッチングを付した部分)2に配設され、前面視において扉体9の左右方向のうち一の方向に係止片であるロック体(ロックピン)(図4Aにおいて他のハッチングを付した部分)41を突出させ、また、突出させたロック体41を突出させる前の位置に後退させる動作を自在に行うことができるように構成されたロック装置71(図4Aにおいてさらに他のハッチングを付した部分)と、
(b)洗浄機本体1に配設され、ロック体41と当接して、洗浄槽2の洗浄機本体1からの引き出しを阻止する係止体(係止部材)42とを備えている。
ロック体(ロックピン)41は、前述のように、ロック装置71から横外方向(実施形態1では右方向)に突出して突出状態となり、また、左方向に後退して、突出する前の状態(後退状態)に戻るように動作する。
また、係止体42は、洗浄機本体1の所定収納位置(この実施形態1では洗浄機本体1の最奥側の位置)に収納された洗浄槽2が、第1引き出し位置まで引き出されたときに、突出状態にあるロック体41と当接して、洗浄槽2がそこからさらに引き出されることを阻止する機能を果たす。
食器洗浄機Sにおいて洗浄運転を行う際には、ロック装置71は、ロック体(ロックピン)41を上記突出状態に保つ、ロック状態を維持することで、洗浄運転中に使用者が洗浄槽2を不用意に引き出すことによる洗浄槽2からの洗浄水の漏出を防止する。
つまり、洗浄槽2が上記第1引き出し位置まで引き出された状態では、洗浄槽2の上面開口部4を開閉する内蓋10は洗浄槽2の上面開口部4を閉塞はしないものの、内蓋10は洗浄槽2の上面開口部4を上方から覆って洗浄槽2の上面開口部4から洗浄水が漏出しないように構成されており、また、使用者が上記第1引き出し位置よりさらに洗浄槽2を引き出そうとしても、洗浄槽2がそれ以上引き出すことができず、洗浄槽2からの洗浄水の漏出が防止される。
なお、図4Aは、洗浄槽2が洗浄機本体1の最奥側に位置している(所定収納位置にある)場合における、ロック体(ロックピン)41と係止体(係止部材)42と位置関係を示しており、図4Bは、洗浄槽2が上記第1引き出し位置まで引き出されたときに、ロック体41と、係止体(係止部材)42の先端43とが当接(係合)した状態を示している。
このように、ロック装置71がロック状態にあるときは、洗浄槽2の引き出しが規制される。
洗浄運転が終了すると、図5Aに示すように、運転制御部(図示せず)によってロック装置71は、ロック体(ロックピン)41が上記後退状態に保たれる非ロック状態となる。
ロック装置71が非ロック状態にあるときには、ロック体(ロックピン)41が係止体42に係合しないことから、洗浄槽2を洗浄機本体1から引き出すことができる。
なお、図5Bは、ロック体41が上記後退状態に保たれた、ロック装置71の非ロック状態において、洗浄槽2を洗浄機本体1から引き出した状態を示している。
[定常時のロック解除]
実施形態1の食器洗浄機Sにおいては、洗浄槽2が洗浄機本体1の最奥側に押し込まれた、所定収納位置(最奥)にある場合に、ロックピン41と係止体42の間隔G(図4A参照)が20mmとなり、洗浄槽2がその所定収納位置から20mm引き出されて、ロックピン41が係止体42に当接した状態が、洗浄槽2が第1引き出し位置まで引き出された状態(図4Bに示す状態)となるように構成されている。
洗浄槽位置センサ53は、図7(イ)、(ロ)に示すように、洗浄槽2の後端部には取付板52が設けられ、この取付板52に洗浄槽位置センサ53が固定されるとともに、この洗浄槽位置センサ53に近接してレバー54が揺動自在に取り付けられている。また、洗浄機本体1のレール7の取付板55にはレバー54に対向する位置にレバー押圧用の突起部56が形成されている。
この洗浄槽位置センサ53は、洗浄槽2が所定収納位置(最奥)にあるか否かを検出するものであって、例えば投光部53aと受光部53bとが対向配置されたフォトカプラからなる。
そして、図7(イ)に示すように、レバー54が突起部55から離間していて投光部53aと受光部53bとの間に位置するときには、受光部53bの出力がオフするので、洗浄槽2が所定収納位置(最奥)から前方に引き出されていることが検出され、また、図7(ロ)に示すように、レバー54が突起部55に押圧されて投光部53aと受光部53bとの間から離脱したときには、受光部53bの出力がオンするので、洗浄槽2が所定収納位置に収納されたことが検出されるように構成されている。
なお、実施形態1では、洗浄槽2が所定収納位置(最奥)から所定の検出引き出し量H(たとえば、3mm)以上前方に引き出された場合に、レバー54が突起部55から離間していて投光部53aと受光部53bとの間に位置し、受光部53bの出力がオフして、洗浄槽2が所定収納位置(最奥)から前方に引き出されたことが検出される。
洗浄槽2が所定収納位置(最奥)から所定の検出引き出し量H(たとえば、3mm)以上引き出されると運転制御部(図示せず)はポンプへの通電を停止する。なお、洗浄槽2が所定収納位置(最奥)から所定の検出引き出し量H(たとえば、3mm)だけ引き出された状態においては、洗浄槽2の上面開口部4は内蓋10によって閉塞されている。
さらに洗浄槽2が前方に引き出されると内蓋10は上昇して洗浄槽2の上面開口部4から離脱しているものの、内蓋10は洗浄槽2の上面開口部4を上方から覆って洗浄槽2の上面開口部4から洗浄水が漏出しないように構成されているから、洗浄槽2の上面開口部4から洗浄水が漏出することはない。
ポンプへの通電の停止により、内蓋10がない状態においても洗浄水が洗浄槽2の上面開口部4から漏出しない程度の回転数Nまでポンプの回転速度が低下したことを運転制御部が検出すると、運転制御部がロックピン41を後退させて、ロック装置71を非ロック状態とする。これにより、ロック装置71によるロック状態が解除され、図5Bに示すように、洗浄槽2を前方まで引き出すことが可能になる。
[非定常時のロック解除]
食器洗浄機Sは、ロック装置の故障や停電などにより、上述の定常時のロック解除ができない場合に備え、以下に説明する、非定常時ロック解除を行うことにより、ロックピン41をロック装置71から横外方向(本実施形態では右方向)に突出した突出状態においても、洗浄槽2を食器洗浄機本体1から引き出し可能に構成されている。
食器洗浄機Sは、図8Aに示すように、設置体Dの前面部Eと扉体9との間に隙間EG(例えば2mm)を存して設置されている。また、設置体Dの前面部Eの厚みEDは例えば18mmとされている。
食器洗浄機Sを構成する部材は多少弾性変形するものであるから、洗浄槽2は、レール7より上方位置においては、食器洗浄機本体1に対して水平方向に移動可能に構成され、ロックピン41が配設される高さ位置では、食器洗浄機本体1に対して洗浄槽2が左右方向(水平方向)に所定距離E21(例えば3mm)移動可能に構成されている。(図8B参照。)
図8Aに示す、洗浄槽2が所定収納位置(最奥)に収納された状態では、洗浄槽2を左方向にずらそうとしても、食器洗浄機Sの扉体9と設置体Dの前面部Eとが干渉するため洗浄槽2は、設置体Dの前面部Eと扉体9との隙間EG(例えば2mm)に相当する距離だけしか左にずらすことができない。
しかし、図4Aに示すように、洗浄槽2が所定収納位置(最奥)に収納された状態で、ロックピン41と係止体42との間にはG(例えば20mm)の間隙があるため、図8Bに示すように洗浄槽2をG(例えば20mm)だけ前方に引き出すことができる。
図8Bに示すように洗浄槽2をG(例えば20mm)だけ前方に引き出した状態では、食器洗浄機Sの扉体9と設置体Dの前面部Eとが干渉しないので、洗浄槽2を左方向に所定距離E21(例えば3mm)だけ移動させることが可能である。
洗浄槽2をG(例えば20mm)だけ前方に引き出した状態で、洗浄槽2を左方向にE21(例えば3mm)だけ移動させたときのロック体(ロックピン)41と係止体42の位置関係を、図4C、図6Aに示す。
図4C、図6Aに示すように、洗浄槽2を食器洗浄機本体1に対して左方向にE21(例えば3mm)だけ移動させた状態においては、ロック体(ロックピン)41と係止体の先端43とは前面視において重ならない位置関係にあることから、洗浄槽2を前方に引き出すことができる。
また、図4C、図6Aに示す状態から洗浄槽2を前方に引き出すと、図4D、図6Bに示すように、ロック体(ロックピン)41は係止体42の傾斜部44(すなわち、図6A、図6Bにおける、係止体42の左側面側に形成された傾斜部44に当接するが、洗浄槽2をやや強い力で引っぱることによりロック体(ロックピン)41は係止体42を外方(右方)に弾性変形させながら傾斜部44を前方側(洗浄槽2の引き出し方向側)に乗り越えることができるため、図4Eに示すように洗浄槽2を洗浄槽本体1から引き出すことができる。
なお、係止体42に傾斜部44を備えることにより、洗浄槽1を引き出そうとした場合の抵抗が傾斜部44が存在している分だけ大きくなり、洗浄槽2を不用意に左側に偏らせてしまったときにも、洗浄槽2を引き出そうという意図を持って洗浄槽を手前側に移動させなければ、容易に洗浄槽2が引き出されてしまうようなことがなく、洗浄水の漏出防止に対する信頼性を確保することができる。
<実施形態2>
図9は本発明の他の実施形態(実施形態2)にかかる食器洗浄機Sの要部構成を示す平面断面図であり、図10は、実施形態2の食器洗浄機Sの構成を模式的に示す平面概念図である。
この実施形態2にかかる食器洗浄機Sは、洗浄槽2を不用意に左側に偏らせてしまうことがないようにするために、洗浄槽2を食器洗浄機本体1の左右方向の中央に位置するように付勢する付勢手段81を備えている(図10参照)。
すなわち、実施形態2にかかる食器洗浄機Sは、図9に示すように、実施形態1の食器洗浄機Sでは備えていた傾斜部44(図4A〜図5B)を備えず、上述のように、洗浄槽2を食器洗浄機本体1の左右方向の中央に位置するように付勢する付勢手段81(図10参照)を備えている点で、上述の実施形態1の食器洗浄機Sとは構成を異にしている。
なお、図9,10において、図1〜図6Bと同一符号を付した部分は、同一または相当部分を示している。
この実施形態2の食器洗浄機Sのように、洗浄槽2を食器洗浄機本体1の左右方向の中央に位置するように付勢する付勢手段81を備えた構成とした場合にも、上記実施形態1の場合と同様に、意図せずに容易に洗浄槽2が引き出されてしまうおそれを軽減して、信頼性を向上させることができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において種々の変形を加えることが可能である。
1 食器洗浄機本体
2 洗浄槽
3 前面開口部
4 上面開口部
5 食器類
7 レール
8 把手部
9 扉体
10 内蓋
40 ロック機構
41 ロック体(ロックピン)
42 係止体(係止部材)
43 係止体の先端
44 傾斜部
52 取付板
53 洗浄槽位置センサ
54 レバー
55 レールの取付板
56 突起部
71 ロック装置
81 付勢手段
A 収納移動方向
B 引き出し移動方向
C キッチンカウンタ
D 設置体
E 設置体前面部
ED 設置体前面部の厚み(例えば18mm)
EG 設置体前面部と扉体との隙間(例えば2mm)
E21 食器洗浄機本体に対する洗浄槽の水平方向移動可能寸法(例えば3mm)
G ロック体と係止体の間隙(例えば20mm)
H 洗浄槽位置センサの検出引き出し量(例えば3mm)
P 操作パネル
S 食器洗浄機

Claims (4)

  1. 食器類が収容される洗浄槽と、
    食器洗浄用の洗浄液を循環させるポンプと、
    洗浄運転の開始や停止などの制御を行う制御手段と、
    前記洗浄槽が出し入れされる前面開口部を有し、前記制御手段から前記ポンプに送出される運転指令により前記ポンプを運転させて洗浄運転を実行する洗浄機本体と、
    前記洗浄槽の前面に配設され、前記洗浄機本体の前記前面開口部を開閉する扉体と、
    前記洗浄槽が洗浄機本体内の所定収納位置まで収納されたときには前記洗浄槽に設けられた食器類の出し入れ用の上面開口部を封止し、前記洗浄槽が前記洗浄機本体から引き出されたときには前記洗浄槽の前記上面開口部から離間するように、前記洗浄槽の出し入れに連動して前記上面開口部を開閉する内蓋と、
    前記洗浄運転の実行中に前記洗浄機本体内の前記所定収納位置にある前記洗浄槽を引き出そうとしたときに、前記洗浄槽の引き出しを牽制するロック機構と
    を備えた食器洗浄機において、
    (a)前記ロック機構は、
    前記洗浄槽に配設され、前面視において前記扉体の左右方向のうち一の方向にロック体を突出させ、また、突出させた前記ロック体を突出させる前の位置に後退させることができるように構成されたロック装置と、前記洗浄機本体に配設され、前記ロック体と当接して、前記洗浄槽の前記洗浄機本体からの引き出しを阻止する係止体とを備えているとともに、
    前記ポンプを運転しているときには、前記ロック体が前記左右方向のうち一の方向に突出した突出状態となり、前記洗浄槽を第1引き出し位置まで引き出したときに、前記洗浄槽の引き出し方向を前方として、前記ロック体の前方の、前面視において前記ロック体に重なる領域に位置する前記係止体に、前記ロック体が当接することにより、前記洗浄槽が前記第1引き出し位置を超えて引き出されることを阻止し、
    前記ポンプを運転しないときには、前記ロック体が後退し、前面視において前記ロック体と前記係止体とが重なる領域に位置せず、前記洗浄槽が前記第1引き出し位置を超えて引き出されることを許容するように構成されているとともに、
    (b)前記洗浄槽と前記洗浄機本体とが、いずれか一方の位置を他方の位置に対して所定範囲で変化させることができるように構成されおり、
    (c)前記洗浄機本体に対する前記洗浄槽の位置を変化させることにより、前記ロック装置の前記洗浄機本体に配設された前記係止体に対する相対的な位置を、前記一の方向と反対の他の方向に所定寸法だけ変化させることができるように構成されており、
    (d)前記洗浄機本体に対する前記洗浄槽の位置を変化させて、前記ロック装置の、前記洗浄機本体に配設された前記係止体に対する相対的な位置を、前記一の方向と反対の他の方向に所定寸法だけ変化させたときには、前記ロック体が前記突出状態にある場合においても、前面視において前記ロック体と前記係止体とが重なる領域に位置せず、前記洗浄槽が前記第1引き出し位置を超えて引き出されることを許容するように構成されていること
    を特徴とする食器洗浄機。
  2. 前記係止体が前記洗浄機本体に弾性体により保持され、かつ、前記係止体の、前記他の方向側の面には、前記ロック体と当接する先端部から、前記前方側に向かうほど、その表面が前記他の方向側に位置するような傾斜部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の食器洗浄機。
  3. 前記洗浄槽を前記洗浄機本体の左右方向の中央に位置するように付勢する付勢手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の食器洗浄機。
  4. キッチンカウンタの下方に、他の設置体と隣り合って設置され、
    前記洗浄槽が前記所定収納位置にあるときには、前記扉体と前記設置体の前面部との間に前記所定の寸法より小さい間隙しか存在せず、前記扉体と前記設置体の前記前面部とが干渉して、前記洗浄槽の位置を可能な範囲で前記洗浄機本体の位置に対して相対的に変化させても、前記ロック装置の、前記洗浄機本体に配設された前記係止体に対する相対的な位置を、前記他の方向に前記所定寸法だけ変化させることができずに、前記ロック体を前面視において前記係止体に重ならない領域にまで変位させることができないように構成され、
    前記洗浄槽を前記第1引き出し位置まで引き出したときには、前記扉体と前記設置体の前面部とが干渉せず、前記ロック装置の、前記洗浄機本体に配設された前記係止体に対する相対的な位置を、前記他の方向に前記所定寸法だけ変化させることができ、前記ロック体を前面視において前記係止体に重ならない領域にまで変位させることができるように構成されていること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の食器洗浄機。
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