JP2014102963A - 導電積層体、パターン化導電積層体、その製造方法、および、それらを用いてなるタッチパネル - Google Patents

導電積層体、パターン化導電積層体、その製造方法、および、それらを用いてなるタッチパネル Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、パターンの非視認性の良好なパターン化導電積層体を提供せんとするものである。
【解決手段】基材の少なくとも片面に導電層を有する導電積層体であって、該導電層はネットワーク構造を持つ金属系線状構造体を含み、さらに該導電層体のいずれかの層に無機粒子を含んでいることを特徴とする導電積層体。
【選択図】図1

Description

本発明は、導電積層体および導電領域と非導電領域からなるパターン化導電積層体に関する。さらに詳しくは、導電領域と非導電領域からなるパターン部分の非視認性が高いパターン化導電積層体に関するものである。またさらに、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどのディスプレイ関連および太陽電池モジュールなどに用いられる電極部材にも使用されるパターン化導電積層体に関するものである。
近年、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどのディスプレイや太陽電池モジュールなどには電極用の導電部材に関し、導電部材の導電層に非導電領域を形成する加工処理によって導電領域と非導電領域からなる所望のパターンを形成して用いられている。
導電部材としては基材上に導電層を積層したものがあり、その導電層としてはITOや金属薄膜、等の従来の導電性薄膜を用いたものの他に、金属ナノワイヤーなどの線状の導電成分を用いたものが提案されている。例えば、金属ナノワイヤーを導電成分とした導電層上に樹脂層を積層した導電積層体が提案されている(特許文献1)。また、多官能成分を用いた高い硬化度のマトリックス内に金属ナノワイヤーを分散した導電積層体が提案されている(特許文献2)。さらに、金属ナノワイヤーを使用した導電積層体を、導電領域と金属ナノワイヤーを残した非導電領域とにパターン化したものも提案されている(特許文献3)。
また、これら導電部材をタッチパネル等へ適用する際には、配線パターンを形成する必要があるが、パターン形成方法としては、フォトレジストやエッチング液を用いたケミカルエッチング法が一般的に用いられている(特許文献4)。
特表2010−507199号公報 特開2011−29037号公報 特開2010−140859号公報 特開2001−307567号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている導電積層体は、導電領域と非導電領域からなるパターンを形成すると導電領域と非導電領域との間に導電成分の存在量に差異が生じる為、光学特性の差が発生し、パターンが見分けられる(すなわち非視認性が低い)という問題があった。このパターンの非視認性を改善する手段として、特許文献2に記載されている導電積層体は基材と導電層との屈折率差を小さくしており、特許文献3に記載されている導電積層体は、導電領域と非導電領域の導電成分の残存量差を小さくしているが、依然としてパターンの非視認性が低いという問題があった。また、導電積層体のパターン形成方法としては特許文献4に記載されるようなケミカルエッチング法が一般的に用いられており、該パターニング方法を採用してのパターン非視認性の改善が望まれている。
本発明は、かかる従来技術の問題に鑑み、パターン部分の非視認性が高いパターン化導電積層体を得ること、並びに、パターニング工程において、導電成分を速やかに除去でき、プロセスマージンを確保することにある。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような構成を採用する。すなわち、
(1)基材の少なくとも片面に導電層を有する導電積層体であって、該導電層はマトリックス中にネットワーク構造を持つ金属系線状構造体を含み、さらに導電積層体のいずれかの層に無機粒子を含み、下記(i)および(ii)を満たす導電積層体。
(i)マトリックスは重合反応に寄与する炭素―炭素二重結合を2個以上有する化合物が重合反応した構造を含む高分子で構成され、かつ、FT−IR−ATR法にて求めた炭素―炭素二重結合の伸縮振動のピーク強度ν1と炭素―水素単結合の伸縮振動のピーク強度ν2の関係が、ν1/ν2>0.35である。
(ii)無機粒子を含む層は重合反応に寄与する炭素―炭素二重結合を2個以上有する化合物が重合反応した構造を含む高分子で構成され、かつ、FT−IR−ATR法にて求めた炭素―炭素二重結合の伸縮振動のピーク強度ν1と炭素―水素単結合の伸縮振動のピーク強度ν2の関係が、ν1/ν2≦0.35である。
(2)基材の少なくとも片面にパターン化導電層を有するパターン化導電積層体の製造方法であって、(1)に記載の導電積層体の無機粒子を薬液処理で溶解することによりいずれかの層にボイドを形成することを特徴とするパターン化導電積層体の製造方法。
(3)(2)記載の製造方法により得られるパターン化導電積層体であって、基材の少なくとも片面にパターン化導電層を有し、該パターン化導電層は非導電領域と、ネットワーク構造を持つ金属系線状構造体が存在する導電領域を有し、さらに非導電領域の積層構成のいずれかの層にボイドが存在することを特徴とするパターン化導電積層体。
(4)導電領域よりも非導電領域に多くのボイドが存在することを特徴とする(3)に記載のパターン化導電積層体。
(5)薬液処理で、無機粒子を溶解することによりボイドを形成すると同時に、ネットワーク構造を持つ金属系線状構造体を除去し、非導電領域を形成することを特徴とする(2)に記載のパターン化導電積層体の製造方法。
(6)(2)または(5)に記載のパターン化導電積層体の製造方法で得られるパターン化導電積層体。
(7)金属系線状構造体が、銀ナノワイヤーである(1)に記載の導電積層体。
(8)無機粒子の平均粒子径が80nm以上、200nm以下であることを特徴とする(1)に記載の導電積層体。
(9)非導電領域に含まれるボイドの平均ボイド径が80nm以上、200nm以下であることを特徴とする(3)、(4)、(6)のいずれかに記載のパターン化導電積層体。
(10)(1)に記載の導電積層体、または、(3)、(4)、(6)のいずれかに記載のパターン化導電積層体を用いた表示体。
(11)(10)に記載の表示体を用いたタッチパネル。
(12)(10)に記載の表示体を用いた電子ペーパー。
本発明によれば、パターンを形成した後にパターン部分の非視認性が高くなる導電積層体、およびパターン部分の非視認性が高いパターン化導電積層体を提供することができる。
本発明のアンダーコート層に無機粒子を含んだ導電積層体の断面模式図である。 本発明のアンダーコート層にボイドを含んだパターン化導電積層体の断面模式図である。 ネットワーク構造を持つ金属系線状構造体の例を示す模式図である。 本発明の導電積層体を搭載してなるタッチパネルを示す模式図である。 本発明のエッチング時間評価に使用した評価用パターンの模式図である。
[導電積層体]
本発明の導電積層体は、基材の少なくとも片面に導電層を有する。導電層は、金属系線状構造体からなるネットワーク構造を有する導電成分が、架橋構造を有する高分子からなるマトリックス中に含有されてなるものである。金属系線状構造体からなるネットワーク構造を有する導電成分がランダムな配向であると、導電性および耐久性に加えて良好な光学特性を得ることができるので、本発明の導電積層体を用いた表示体は表示画像が鮮明なものとなるので好ましい。導電積層体には、必要に応じてハードコート層やアンダーコート層などの各種機能性層を付与することもできる。ハードコート層は導電積層体の導電層を形成している側の最表層、もしくは基材を挟んで反対側の最表層に設けることができる。ハードコート層は主に表面強度や防汚性、耐指紋性などを向上する為に設けられ、さらに表面に微細な凹凸を形成し防眩性を付与することもできる。ハードコート層としては、硬化した際の透明性、硬度などの特性が優れる点から熱硬化型、紫外線硬化型のアクリル系樹脂が好適に用いられる。アンダーコート層は例えば基材と導電層との間に設けられ、主に基材と導電層との密着性を向上する目的で設けられる。アンダーコート層は基材、導電層との密着性、透明性の点から熱硬化型あるいは紫外線硬化型のポリエステル系樹脂やアクリル系樹脂が好適に用いられる。
[基材]
本発明の導電積層体における基材の素材として、具体的には例えば透明な樹脂、ガラスなどを挙げることができる。樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系・メタクリル系樹脂、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合合成樹脂(ABS)、ポリ酢酸ビニル、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等の塩素原子(Cl原子)を含有する樹脂、フッ素原子(F原子)を含有する樹脂、シリコーン系樹脂及びこれら樹脂の混合および/または共重合したものが挙げられ、ガラスとしては、通常のソーダガラスを用いることができる。また、これらの複数の基材を組み合わせて用いることもできる。例えば、樹脂とガラスを組み合わせた基材、2種以上の樹脂を積層した基材などの複合基材であってもよい。
基材の形状については、厚み250μm以下で巻き取り可能なフィルムであっても、厚み250μmを超えるフィルムであっても後に述べる全光線透過率の範囲で有ればよい。コスト、生産性、取り扱い性等の観点からは20μmから250μmの樹脂フィルムが好ましく、より好ましくは20μmから190μm、さらに好ましくは20μmから150μm、特に好ましくは20μmから100μmの樹脂フィルムである。基材として樹脂フィルムを用いる場合、樹脂を未延伸、一軸延伸、二軸延伸してフィルムとしたものを使用することができる。これら樹脂フィルムのうち、基材への成形性、透明性等の光学特性、生産性等の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、またPENとの混合および/または共重合したPETフィルム、ポリプロピレンフィルムを好ましく使用することができる。
[金属系線状構造体]
本発明における金属系線状構造体としては、例えば、繊維状導電体、ナノワイヤー、ウィスカーやナノロッドのような針状導電体等が挙げられる。なお、繊維状とは、アスペクト比=長軸の長さ(金属系線状構造体の長さ)/短軸の長さ(金属系線状構造体の直径)が10より大きいことをいう。形状については特に限定されず、直線状であっても曲線状であってもよく、その一部に直線部および/または曲線部を有する形状であってもよい。
ナノワイヤーとは、図3における符号13に例示するような、弧の形状をしている構造体であり、針状とは、例えば図3における符号14に例示するような、直線形状をしている構造体である。
なお、金属系線状構造体は、単独で存在する場合の他に、集合体を形成して存在する場合がある。集合体については、例えば金属系線状構造体の配置の方向性に規則性がなくランダムに集合した状態であってもよく、また金属系線状構造体の長軸方向の面同士が平行に集合した状態であってもよい。長軸方向の面同士が平行に集合した状態の例としては、バンドルという集合体となることが知られており、金属系線状構造体が類似のバンドル構造を有していてもよい。
本発明において好ましく用いられる金属系線状構造体は金属ナノワイヤーであり、金属ナノワイヤーの金属組成としては特に制限は無く、貴金属元素、貴金属酸化物や卑金属元素の1種または複数の金属から構成されることができるが、貴金属(例えば、金、白金、銀、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム等)及び鉄、コバルト、銅、錫からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属を含むことが好ましく、導電性の観点から少なくとも銀を含むことがより好ましい。金属系線状構造体として用いることができる貴金属や貴金属酸化物のナノワイヤーは、特表2009−505358号公報、特開2009−129607号公報、特開2009−070660号公報に記載されており、また金属酸化物のウィスカーや繊維状のような針状結晶としては、例えば、チタン酸カリウム繊維とスズ及びアンチモン系酸化物の複合酸化物であるデントールWKシリーズ(大塚化学(株)製)のWK200B、WK300R、WK500が市販されている。
これら金属系線状構造体のうち、本発明においては透明性等の光学特性や導電性等の観点から銀ナノワイヤーを特に好ましく使用することができる。
[ネットワーク構造]
本発明においてネットワーク構造とは、導電層内の個別の金属系線状構造体について見たとき、別の金属系線状構造体との接点の数の平均が少なくとも1を超えるような、分散構造を有することをいう。このとき接点は金属系線状構造体のいかなる部分間に形成されていてもよく、金属系線状構造体の末端部同士が接していたり、末端と金属系線状構造体の末端以外の部分が接していたり、金属系線状構造体の末端以外の部分同士が接していてもよい。ここで、接するとはその接点が接合していても、単に接触しているだけでもよい。なお、導電層中の金属系線状構造体のうち、ネットワークの形成に寄与していない(すなわち接点が0で、ネットワークとは独立して存在している)金属系線状構造体が一部存在していてもよい。
[マトリックス]
本発明における導電層には、前記金属系線状構造体を架橋構造を有する高分子からなるマトリックス中に含むことが好ましい。
マトリックスの成分としては、有機系または無機系の高分子などが挙げられる。
無機系高分子としては、無機系の酸化物等が挙げられ、例えば、トリアルコキシシラン類等から、加水分解・重合反応によって形成させる珪素酸化物や、スパッタ蒸着により形成される珪素酸化物が挙げられる。
かかる場合に用いられるトリアルコキシシラン類としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテトラアルコシシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が挙げられる。
有機系高分子としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などが挙げられ、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ナイロンやベンゾグアナミン等のポリアミド系樹脂、ABS樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等の塩素原子(Cl原子)を含有する樹脂、フッ素原子(F原子)を含有する樹脂、シリコーン系樹脂、セルロース系樹脂、等の有機系の高分子が挙げられ、これら高分子の構造内に架橋構造を有しているものや、これら高分子と架橋剤を反応させて架橋高分子としたものでもよい。
これら有機系高分子から要求する特性や生産性等を踏まえ少なくとも1種類を選択し、また、これらから2種以上混合して用いてもよい。これらの有機系高分子のうち、炭素−炭素二重結合を2個以上有する化合物が重合反応した構造を含む高分子からなるものであることが好ましい。かかる有機系高分子は、炭素−炭素二重結合を含む官能基を2個以上有するモノマー、オリゴマーおよびポリマーからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む組成物を原料とし、炭素−炭素二重結合を反応点として重合反応することで得ることができる。
炭素−炭素二重結合を含む官能基としては、例えば、ビニル基、イソプロペニル基、イソペンテニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、メタクリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、アリリデン基、アリリジン基、ビニルエーテル基や、これらの基の炭素−炭素二重結合を構成する炭素に結合する水素をフッ素や塩素等のハロゲン原子に置換したもの(例えば、フッ化ビニル基、フッ化ビニリデン基、塩化ビニル基、塩化ビニリデン基等)が挙げられる。これら以外にも、炭素−炭素二重結合の炭素にフェニル基やナフチル基等の芳香環を有する置換基が結合したもの(例えばスチリル基等)や、ブタジエニル基(例えば、CH=C(R1)−C(R2)=CH−、CH=C(R1)−C(=CH)−(R1、R2はHまたはCH))のように共役ポリエン構造を有する基を含むもの等が挙げられる。これらから要求する特性や生産性等を考慮して、1種類または2種以上を混合して使用すればよい。
重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合を2個以上有する化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールエトキシトリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシトリメタクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリメタクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパントリメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、グリセリンプロポキシトリメタクリレートや、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環等の環状骨格を分子内に有する化合物(例えば、トリアクリレート、トリメタクリレート、テトラアクリレート、テトラメタクリレート、ペンタアクリレート、ペンタメタクリレート、ヘキサアクリレート、ヘキサメタクリレート等)や、これら化合物の一部を変性した化合物(例えば2−ヒドロキシプロパン酸等で変性した2−ヒドロキシプロパン酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、2−ヒドロキシプロパン酸変性ペンタエリスリトールトリメタクリレート、2−ヒドロキシプロパン酸変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、2−ヒドロキシプロパン酸変性ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、また、シリコーン骨格を導入したシリコーントリアクリレート、シリコーントリメタクリレート、シリコーンテトラアクリレート、シリコーンテトラメタクリレート、シリコーンペンタアクリレート、シリコーンペンタメタクリレート、シリコーンヘキサアクリレート、シリコーンヘキサメタクリレート等)や、骨格内にビニル基および/またはビニリデン基と共にその他骨格を有する化合物(例えば、ウレタン骨格を有するウレタントリアクリレート、ウレタントリメタクリレート、ウレタンテトラアクリレート、ウレタンテトラメタクリレート、ウレタンペンタアクリレート、ウレタンペンタメタクリレート、ウレタンヘキサアクリレート、ウレタンヘキサメタクリレート、エーテル骨格を有するポリエーテルトリアクリレート、ポリエーテルトリメタクリレート、ポリエーテルテトラアクリレート、ポリエーテルテトラメタクリレート、ポリエーテルペンタアクリレート、ポリエーテルペンタメタクリレート、ポリエーテルヘキサアクリレート、ポリエーテルヘキサメタクリレート、エポキシ由来の骨格を有するエポキシトリアクリレート、エポキシトリメタクリレート、エポキシテトラアクリレート、エポキシテトラメタクリレート、エポキシペンタアクリレート、エポキシペンタメタクリレート、エポキシヘキサアクリレート、エポキシヘキサメタクリレート、エステル骨格を有するポリエステルトリアクリレート、ポリエステルトリメタクリレート、ポリエステルテトラアクリレート、ポリエステルテトラメタクリレート、ポリエステルペンタアクリレート、ポリエステルペンタメタクリレート、ポリエステルヘキサアクリレート、ポリエステルヘキサメタクリレート等)が挙げられる。
これらを用途や要求する特性や生産性等を考慮して、単体で重合したものもしくは単体で重合したものを2種以上混合した組成物、また2種以上が共重合した2量体以上のオリゴマーから形成される組成物を使用することができるが、特にこれらに限定されるものではない。これら化合物のうち、重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合を4個以上、すなわち4官能以上の化合物をさらに好ましく用いることができる。4官能以上の化合物は、例えば、前記4官能のテトラアクリレート、テトラメタクリレート、5官能のペンタアクリレート、ペンタメタクリレート、6官能のヘキサアクリレート、ヘキサメタクリレート等が挙げられ、さらに7官能以上のものでもよい。
これら化合物は、具体的に市販されているものとして例えば、共栄社化学(株)製のライトアクリレートシリーズ、ライトエステルシリーズ、エポキシエステルシリーズ、ウレタンアクリレートAHシリーズ、ウレタンアクリレートATシリーズ、ウレタンアクリレートUAシリーズ、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ、PETIA、TMPTA、TMPEOTA、OTA 480、DPHA、PETA−K、綜研化学(株)製のフルキュアシリーズ、東洋インキ製造(株)製の“LIODURAS”(リオデュラス)(登録商標)シリーズ、中国塗料(株)製のフォルシードシリーズ、マツイカガク(株)製のEXPシリーズ、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYL1360、信越化学工業(株)製のX−12−2456シリーズ等が挙げられる。
マトリックスの硬化度はFT−IR−ATR法にて求めることができ、炭素―炭素二重結合の伸縮振動のピーク強度ν1と炭素―水素単結合の伸縮振動のピーク強度ν2の関係が、ν1/ν2>0.35となるように硬化していると、後述する薬液処理工程で金属系線状構造体を速やかに除去でき、加工速度の高速化やプロセスマージンの拡大といった効果を得ることができる。
[無機粒子]
本発明における導電積層体はそのいずれかの層に無機粒子を含むことが好ましい。層中の無機粒子が薬液処理により溶解してボイドを形成することにより光学特性が変化する効果を発揮する。
本発明における無機粒子は、各種炭酸塩や酸化亜鉛、酸化スズ、ITOなどの酸処理により溶解する無機化合物が使用できる。中でも酸との反応しやすさ、水やアルカリ性溶液、有機溶媒に対する安定性、酸との反応時に炭酸ガスを発生しボイドを形成しやすいという観点から炭酸塩が好適に使用され、特に入手しやすく安価である炭酸カルシウムがより好適に使用される。
無機粒子のサイズは、無機粒子を含む層を薄層化できることから平均粒子径500nm以下が好ましく、導電積層体の透過率低下、ヘイズ値上昇を抑制するために平均粒子径200nm以下がより好ましい。一方、無機粒子が小さすぎると、後に発生するボイドのサイズも小さくなり光学特性の変化が小さくなる場合がある。これは、ボイドのサイズが可視光波長よりも小さく、入射した光を効果的に拡散反射できないからであると考えられる。よって、効果的に光学特性の変化を得るために無機粒子は平均粒子径80nm以上であることが好ましい。上記理由より、本発明で使用される無機粒子は平均粒子径80nm以上、200nm以下の範囲が好ましく、さらに効率的に本発明の効果を得られ、透明性を損なわないという観点から100nm以上、160nm以下の範囲がより好ましい。
以上のように光学特性変化を効果的に得られる無機粒子のサイズは限定されており、無機粒子のサイズがばらついていると、存在している無機粒子の一部しか目的の効果を発揮しない場合がある。したがって、無機粒子のサイズは可能な限り均一にすることが望ましく、無機粒子は層内で一次粒子径にまで分散した単分散状態で存在することが粒子サイズのバラツキが小さくなり最適である。
ここで無機粒子の平均粒子径aとは、長径の数ベースでの分布曲線から得た最頻値と定義する。また長径とは個々の無機粒子毎に顕微鏡により撮影した画像上で認識できる最も長い直径とする。かかるデータを採るための方法としては、例えば、無機粒子を含む層の断面を電界放射型走査電子顕微鏡(SEM)(日本電子(株)製 JSM−6700−F)にて観察した画像を用いればよい。尚、本発明における無機粒子の平均粒子径は、単分散であれば該無機粒子の一次粒子径をいい、複数の一次粒子が凝集した凝集体であればその凝集体の粒子径をいう。粒子が凝集した状態の場合、その凝集体を顕微鏡により撮影し、画像上で認識できる最も長い直径を粒子の長径とみなし、前述の方法で平均粒子径aを算出する。
[無機粒子を含む層]
本発明では、ケミカルエッチング法を採用した際に導電層のパターン化と同時にパターンの非視認性が良好となる効果を発現するため、工程数の減少による製造コスト削減の観点から無機粒子を含む層は導電層側に配置することが望ましい。さらに、無機粒子を含む層を導電層よりも表層側に配置すると、ケミカルエッチング工程において導電成分の除去を阻害してしまう為、無機粒子を含む層は導電層よりも下層に配置することが望ましい。
また[無機粒子]の項に記載したように本発明の効果を得る為には無機粒子の平均粒子径には好ましい範囲があり、無機粒子を含む層は無機粒子を包埋するだけの十分な層厚みがあれば好ましい。具体的には200nm以上の層厚みとすることが望ましく、層厚みが200nm未満の場合、包埋できなかった無機粒子による凹凸が発生し透明性が低下する場合がある。また、無機粒子を溶解した際に層内にボイドを発生させることなく流出するため、本発明の効果である光学特性の変化が得られない場合がある。なお、層厚みの上限としては導電積層体の柔軟性、ハンドリング性等の観点から、1μm以下が好ましい。これらの観点から無機粒子を含む層は、導電層のエッチングを阻害せず、層厚みを任意に設定できるという点から基材と導電層との間に配置するアンダーコート層とすることが好ましい。
無機粒子を含む層の組成としては前述の[マトリックス]の項に記載と同様の架橋構造を有する高分子が好適に使用できる。また、無機粒子を含む層を構成する組成物の硬化度が低い場合、無機粒子を均一に分散した状態で保持することができない、薬液処理により無機粒子を溶解した際にボイドの形状を保持できないといった現象が発生し、本発明の効果である光学特性の変化が有効に得られない場合がある。従って、無機粒子を含む層は重合反応に寄与する炭素―炭素二重結合を2個以上有する化合物が重合反応した構造を含む高分子で構成され、かつ、FT−IR−ATR法にて求めた炭素―炭素二重結合の伸縮振動のピーク強度ν1と炭素―水素単結合の伸縮振動のピーク強度ν2の関係が、ν1/ν2≦0.35であることが好ましい。
硬化度はFT−IR−ATR法にて求めることができ、炭素―炭素二重結合の伸縮振動のピーク強度ν1と炭素―水素単結合の伸縮振動のピーク強度ν2の関係が、ν1/ν2≦0.35となるように硬化している場合に有効な光学特性の変化を得ることができる。また、有効な光学特性の変化を得るためにν1/ν2は、0.05以上、0.35以下が好ましく、0.10以上、0.30以下がより好ましく、0.10以上、0.25以下がさらに好ましい。よって、無機粒子を含む層の組成としては、架橋密度を高くでき、樹脂組成物を強固にできる点から、例えば4官能以上のアクリレートが好適に使用できる。
[ボイド]
本発明におけるパターン化導電積層体は非導電領域の積層構成のいずれかの層にボイドが存在することが好ましい。該ボイドは主に非導電領域において透過ヘイズ値の減少および拡散反射光を減少させる効果を発現するため、導電領域よりも非導電領域に多くのボイドが存在することが好ましい。なお、導電領域よりも非導電領域に多くのボイドが存在するとは、導電領域よりも非導電領域においてボイドの個数が多く存在することをいう。ボイド個数を測定する方法としては、パターン化導電積層体を切断し、断面を電界放射型走査電子顕微鏡(SEM)で観察し、断面面積1μmあたりに視認できるボイド個数をカウントする方法を採用すればよい。このとき、観察画像で確認できる長径10nm以上のボイドを本発明におけるボイドとした。
非導電領域においては導電領域よりも金属系線状構造体が少ないことに起因して透過ヘイズ値および拡散反射光が減少するが、本発明では前述のような光学特性の差異を小さくすることでパターンの非視認性が向上したパターン化導電積層体を得ることができる。
本発明におけるボイドのサイズはボイドを含む層を薄層化できることから平均ボイド径500nm以下が好ましく、パターン化導電積層体の非導電領域における透過率低下、透過ヘイズ値上昇を抑制するために200nm以下がより好ましい。また、前述の[無機粒子]の項記載の通り、効果的に光学特性の変化を得るためには平均ボイド径を80nm以上にすることが好ましい。従って、平均ボイド径は80nm以上、200nm以下が好ましい。平均ボイド径の測定方法は前述の[無機粒子]の項記載の無機粒子の平均粒子径と同様とする。このとき、SEM観察画像で確認できる長径10nm以上のボイドを本発明におけるボイドとする。
次いで、ボイドの形成方法について説明する。本発明におけるボイドは前述の無機粒子が溶解あるいは分解することで形成される。具体的には無機粒子を含む層へ酸やアルカリ性溶液を浸透させて化学反応により無機粒子を溶解してボイドを形成する方法や、加熱やレーザーなどによるエネルギーを外部から与えることで無機粒子を分解させてボイドを形成する方法が挙げられる。これらの方法のうち、微細なパターン化導電層に対応できる点と他の工程と同時に行うことができ、生産性が良好である点から無機粒子を薬液処理で溶解することによりボイドを形成する方法が好適に用いられる。本発明のボイドは無機粒子を溶解させて形成することから略球状をしている。
[パターン化導電積層体]
本発明のパターン化導電積層体は、基材の少なくとも片面に、パターン化導電層を有する。
パターン化導電層は、非導電領域と、ネットワーク構造を持つ金属系線状構造体が存在する導電領域を有する。導電領域は、マトリックス中にネットワーク構造を有する金属系線状構造体を含むものである。ネットワーク構造を有する金属系線状構造体は、いわゆる導電成分として機能して抵抗値を低くするので、導電領域として必要な導電性が発現する。非導電領域は金属系線状構造体が存在しないか、導電領域に比べて存在量が少なくネットワーク構造を有しない状態になっている為、導電性を発現しない。
次いで、パターン化導電層の製造方法について説明する。パターン化導電層の製造方法には、基材の一面全面に導電層を形成した後に一部の領域における金属系線状構造体を除去あるいは減少させて非導電領域を形成する方法とスクリーン印刷、オフセットグラビア印刷、インクジェットなどの手法で導電領域のパターンを直接形成する方法がある。
本発明は前者の全面に導電層を形成した後に非導電領域を形成する方法に好適に用いられる。全面に導電層を形成する方法として、前述のマトリックス中に金属系線状構造体を分散させて塗布する方法や、金属系線状構造体の分散液を塗布し乾燥した後にマトリックス溶液を塗布して含浸させて硬化させる方法などが挙げられる。
金属系線状構造体の分散液およびマトリックス溶液の塗布方法としてはキャスト、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレー、ブレードコート、スリットダイコート、グラビアコート、リバースコート、スクリーン印刷、鋳型塗布、印刷転写、インクジェットなどのウエットコート法等、の一般的な方法を挙げることができる。これらの塗布方法のなかでも、上記各方法において分散液を均一に塗布できかつ基材への傷が入りにくいスリットダイコート、もしくは導電層を均一にかつ生産性良く形成できるマイクログラビアを使用したウエットコート法が好ましい。
次に非導電領域の形成方法について説明する。非導電領域の形成すなわち金属系線状構造体の除去あるいは減少にはエッチング液、エッチングペーストを用いてマトリックス中の金属系線状構造体を断線、除去するケミカルエッチング法、レーザーアブレーションにより金属系線状構造体を断線、消失するなどの方法が挙げられる。本発明では、薬液処理で、無機粒子を溶解することによりボイドを形成すると同時に、ネットワーク構造を持つ金属系線状構造体を除去し、非導電領域を形成することが好ましい。従って、薬液処理の中でもケミカルエッチング法が好適に使用される。
本発明にかかる導電積層体は、前記導電層側から入射した際のJIS K7361−1(1997年)に基づいた全光線透過率が80%以上である導電積層体であることが好ましい。本発明の導電積層体として組み込んだタッチパネルは、優れた透明性を示し、この導電積層体を用いたタッチパネルの下層に設けたディスプレイの表示を鮮やかに認識することができる。本発明における透明性とは、前記導電層側から入射した際のJIS K7361−1(1997年)に基づいた全光線透過率が80%以上であることを意味し、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上である。なお、全光線透過率の上限は100%に近ければ近いほど好ましい。
また、本発明においては、基材に対し導電層側(本発明では導電層が積層されている側)とは反対の面に、耐摩耗性、高表面硬度、耐溶剤性、耐汚染性等を付与したハードコート処理が施されていてもよい。
本発明の導電積層体は、その導電層側の表面抵抗値が、1×10Ω/□以上、1×10Ω/□以下であることが好ましく、より好ましくは1×10Ω/□以上、1.5×10Ω/□以下である。この範囲にあることで、タッチパネル用の導電積層体として好ましく用いることができる。すなわち、1×10Ω/□以上であれば消費電力を少なくすることができ、1×10Ω/□以下であれば、タッチパネルの座標読みとりにおける誤差の影響を小さくすることができる。
本発明において用いる基材および/または導電層には、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、有機の微粒子、架橋剤、難燃剤、難燃助剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、レベリング剤、滑り賦活剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、核剤、染料、充填剤、分散剤およびカップリング剤などを用いることができる。
また、本発明のパターン化導電積層体は2層以上積層して使用することができる。2層以上積層する際には接合層によって接合され積層される。接合層としては接着剤や粘着剤を使用することができ、取り扱い性や柔軟性の観点から粘着剤が好適に使用される。本発明ではアクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤などが使用でき、特に粘着特性や色調の調整が容易であることからアクリル系粘着剤が好適に使用される。
本発明の導電積層体および/またはパターン化導電積層体は、表示体に好ましく用いることができ、中でも、タッチパネル及び電子ペーパーに好ましく使用することができる。そのうち、タッチパネルの一例を示した断面模式図を図4に示す。タッチパネルは、金属系線状構造体からなるネットワーク構造を有する導電層を積層した本発明の導電積層体(たとえば、図1)を単独もしくは複数枚、さらには他の部材と組み合わせて搭載したものであり、その例として抵抗膜式タッチパネルや静電容量式タッチパネル等が挙げられる。
本発明の導電積層体の導電層は、図3の符号11、12、13、14に示すような金属系線状構造体(の何れかあるいは複数)を含み、符号15、16、17に示すような接点(の何れかあるいは複数)を有するネットワーク構造を形成している。
本発明の導電積層体を搭載してなるタッチパネルは、たとえば図4に示すように導電積層体18を、接着剤や粘着剤等の接合層21によって接合して積層したものであり、さらに、タッチパネルの画面側の基材、タッチパネルの画面側の基材に積層したハードコート層23が設けられる。かかるタッチパネルは、例えば、リード線と駆動ユニット等を取り付け、液晶ディスプレイの前面に組み込んで用いられる。
[ケミカルエッチング法]
本発明のパターン化導電積層体の製造方法にはケミカルエッチング法が好適に用いられる。ケミカルエッチング法について具体的に説明する。まず、本発明の導電層上にエッチングレジストパターンを形成する。エッチングレジストパターンの形成方法は液状フォトレジストあるいはドライフィルムレジストを導電層上の全面にコーティングあるいはラミネートで形成した後、任意のパターンのフォトマスクを介して露光し、アルカリ性薬液にて現像してエッチングレジストパターンを形成するフォトリソ工法や、同様にフォトレジストを全面に形成した後、フォトマスクを介さずにレーザー光を使って直接パターンを描画感光し、アルカリ性薬液で現像する直描方式や、スクリーン印刷やグラビア印刷を用いてエッチングレジストをパターン印刷する方法が挙げられる。本発明ではエッチングレジストの形成方法は特に限定されず、目的とするパターンの形状や必要な解像度によって最適な工法を選択できる。
次にエッチングレジストを形成した導電層をエッチング液に浸積、シャワーなどの方法で接触させることにより、エッチングレジストから露出した導電層をエッチングする。ここで言うエッチングとは導電層内の導電成分を劣化あるいは溶解除去して導電性を失わせることであり、エッチングされた部分は非導電領域となる。エッチング液は金属系線状構造体を溶解する速度に優れることから酸性エッチング液が好適に使用される。具体的には塩化第二鉄や塩酸、硝酸、硫酸、リン酸などの水溶液や前記酸を混合した薬液を使用することができ、特に塩酸と硝酸を混合した王水系や硝酸と硫酸を混合した混酸系の溶液は酸化力が強く、導電成分を速やかに溶解できる為、エッチング液として好適に用いられる。
本発明ではケミカルエッチング処理にて非導電領域を形成する際に線状金属構造体を除去すると同時に、無機粒子が溶解してボイドを形成する。このとき非導電領域の無機粒子のみが溶解してボイドを形成すると、パターンの非視認性が改善する効果が得られる。しかし、エッチングを過剰に行うと非導電領域以外の領域にもボイドが発生してしまい本発明の効果が得られない場合がある。非導電領域以外にボイドが発生する原因には、エッチング液がエッチングレジストで被覆している領域の外周端部からエッチングレジスト下部に侵入することで、必要以上にエッチングされてしまうオーバーエッチングと言われる現象と、エッチング液がエッチングレジストを貫通してエッチングレジスト下部がエッチングされてしまう現象がある。これらの現象はエッチング液の反応性が高い場合に起こりやすい。これらの不要な領域がエッチングされる現象を回避するためにはエッチング条件を最適化する必要がある。具体的にはエッチング液濃度と温度、エッチング時間を制御することで最適化することができる。
本発明において、マトリックスの硬化度が低い場合、エッチング液がマトリックス内に進入しやすくなり、エッチング工程での導電成分の除去ならびに無機粒子の溶解を速やかに行うことができる。これにより、より低濃度、低温、短時間のエッチング条件で目的のエッチング処理を行うことができ、最適条件を設定しやすく、プロセスマージンを広くすることができるため有効である。
以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
まず、各実施例および比較例における評価方法を説明する。
(1)導電成分の形態
絶縁抵抗計(三和電気計器(株)製 DG6)を用いて、サンプルの各面に探針を当て、通電の有無からサンプルの導電面を特定する。
次いでサンプルの導電領域(A)及び非導電領域(B)の各々の表面を、走査透過電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製 日立走査透過電子顕微鏡HD−2700)もしくは電界放射型走査電子顕微鏡(日本電子(株)製 JSM−6700−F)を用いて加速電圧3.0kV、観察倍率と画像のコントラストを適宜調節して各倍率にて観察した。
前記方法にて観察が困難な場合は、次いでカラー3D レーザー顕微鏡((株)キーエンス製 VK−9700/9710)、観察アプリケーション((株)キーエンス製 VK−H1V1)、形状解析アプリケーション((株)キーエンス製 VK−H1A1)を用いて、付属の標準対物レンズ10X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan 10X)、20X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan 20X)、50X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan Apo 50X)、150X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan Apo 150X)にて各倍率で導電面側の同位置を表面観察し、その画像データから画像解析した。
(2)導電成分、無機粒子の同定
サンプルから導電層を剥離し、溶解する溶剤に溶解させた。必要に応じ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、ゲル浸透クロマトグラフィー、液体高速クロマトグラフィー等に代表される一般的なクロマトグラフィー等を適用し、それぞれ単一物質に分離精製して、以下の定性分析に供した。その後、導電成分を適宜濃縮および希釈を行いサンプルを調製した。次いで、以下の評価方法を用いサンプル中に含まれる成分を特定した。分析手法は、以下の分析の手法を組み合わせて行い、より少ない組み合わせで測定できるものを優先して適用した。
核磁気共鳴分光法(H−NMR、13C−NMR、29Si−NMR、19F−NMR)、二次元核磁気共鳴分光法(2D−NMR)、赤外分光光度法(IR)、ラマン分光法、各種質量分析法(ガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC−MS)、熱分解ガスクロマトグラフィー−質量分析法(熱分解GC−MS)、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI−MS)、飛行時間型質量分析法(TOF−MS)、飛行時間型マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI−TOF−MS)、ダイナミック二次イオン質量分析法(Dynamic−SIMS)、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、その他スタティック二次イオン質量分析法(Static−SIMS)等)、X線回折法(XRD)、中性子回折法(ND)、低速電子線回折法(LEED)、高速反射電子線回折法(RHEED)、原子吸光分析法(AAS)、紫外光電子分光法(UPS)、オージェ電子分光法(AES)、X線光電子分光法(XPS)、蛍光X線元素分析法(XRF)、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP−AES)、電子線マイクロアナリシス法(EPMA)、荷電粒子励起X線分光法(PIXE)、低エネルギーイオン散乱分光法(RBSまたはLEIS)、中エネルギーイオン散乱分光法(MEIS)、高エネルギーイオン散乱分光法(ISSまたはHEIS)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透過電子顕微鏡−エネルギー分散X線分光分析(TEM−EDX)、走査電子顕微鏡−エネルギー分散X線分光分析(SEM−EDX)、ガスクロマトグラフィー(GC)その他元素分析。
(3)表面抵抗値R
導電積層体の導電層側の表面抵抗値を、非接触式抵抗率計(ナプソン(株)製 NC−10)を用い渦電流方式で100mm×50mmのサンプルの中央部分を測定した。3サンプルについて平均値を算出し、小数点第2位を四捨五入した上でこれを表面抵抗値R[Ω/□]とした。検出限界を超えて表面抵抗値が得られなかった場合は、次いで以下の方法にて測定した。
高抵抗率計(三菱化学(株)製 Hiresta−UP MCP−HT450)を用い、リングタイププローブ(三菱化学(株)製 URSプローブ MCP−HTP14)を接続して二重リング方式で100mm×100mmのサンプルの中央部分を測定した。3サンプルについて平均値を算出し、小数点第2位を四捨五入した上で表面抵抗値R[Ω/□]とした。
(4)全光線透過率、ヘイズ
サンプルの導電層側にハードコート層(中国塗料(株)製 フォルシード423C)が片面に形成された厚み188μmの光学PETフィルムのPETフィルム側を透明粘着剤(日東電工(株)製 LUCIACS CS9621T)で貼り合わせ、濁度計(曇り度計)NDH2000(日本電色工業(株)製)を用いてJIS K7361−1(1997年)に基づいて、導電積層体厚み方向の全光線透過率、ヘイズを導電層側から光を入射させて測定した。3サンプルについて測定し、3サンプルの平均値を算出し、これを各水準の全光線透過率、ヘイズとした。本測定に当たっては、平均値の小数点第3位を四捨五入して値を求めた。
(5)拡散反射光
サンプルの導電層側に、ハードコート層(中国塗料(株)製 フォルシード423C)が片面に形成された厚み188μmの光学PETフィルムのPETフィルム側を透明粘着剤(日東電工(株)製 LUCIACS CS9621T)で貼り合わせ、分光測色計CM−2600d(コニカミノルタセンシング(株)製)を用いて導電層側の反射光を測定した。拡散反射光の指標としてSCE方式でのL表色系のL値を採用した。測定は導電領域と非導電領域の両方でそれぞれ行い、導電領域のL値をL 、非導電領域のL値をLとし、L−L の値をΔL値とした。
(6)硬化度の測定
硬化度はFT−IR−ATR法にて測定した。測定にはFTS−55A(Bio−Rad Diglab 製 FT−IR)を使用した。Ge結晶にサンプルのアンダーコートを形成した側を圧着し、Ge結晶に転写した成分を入射角60°の条件で減衰全反射法にて測定した。得られたIRスペクトルから2954cm−1に現れるアクリル樹脂のCH伸縮振動のピーク(ν2)を基準ピークとして、1635cm−1に現れるビニル基のC=C伸縮振動のピーク(ν1)の硬化度(ν1/ν2)を算出した。算出にはそれぞれのピーク高さを使用した。
(7)ボイド個数の測定
ボイド個数を測定する方法として、パターン化導電積層体の異なる3箇所でパターン化導電積層体を切断し、ボイドを含む層またはボイドを含まない層それぞれの断面面積1μmあたりに視認できるボイド個数をカウントした。測定した異なる3箇所のボイド個数の平均値を算出し、小数点第1位を四捨五入して導電領域または非導電領域の単位面積あたりのボイド個数とした。かかるデータを採るための方法として、断面を電界放射型走査電子顕微鏡(SEM)(日本電子(株)製 JSM−6700−F)にて観察した画像を用いた。このとき、倍率は50,000倍で測定を行い、観察画像で確認できる長径10nm以上のボイドを本発明におけるボイドとしてカウントした。
(8)パターンの非視認性評価
パターンの非視認性は前述の拡散反射光にて評価した。パターンが視認される原因は主に金属系線状構造体による拡散反射光であり、金属系線状構造体の存在量が少ない非導電領域は拡散反射光が導電領域よりも低いことによる。すなわち、元々導電積層体に金属系線状構造体の存在量が多いと導電領域と非導電領域の拡散反射光の差も大きくなりパターンの非視認性は悪化する。よって、本発明ではパターン非視認性の改善を相対的に評価する為に導電領域と非導電領域における拡散反射光の差ΔLを導電領域の拡散反射光L で割った値ΔL/L を指標とする。ΔL/L が0.4以下となった場合、パターンの非視認性が良好で好ましい。一方、ΔL/L が負の値に大きくなることはパターン化導電積層体の透明性が低下することを示し、ΔL/L が−0.2以上であることが透明性の観点から好ましい。なお、ΔL/L は0に近ければ近いほど好ましい。以上より本発明ではパターンの非視認性を−0.2≦ΔL/L ≦0.4の場合、良好と判断し、−0.1≦ΔL/L ≦0.3の場合、特に良好と判断した。
(9)評価用パターン
本発明にて使用するエッチング時間評価用のパターンは、図5に示すように、櫛の歯の部分が、噛み合うように対向して配置されたものである。図5において、白の地が非導電領域、黒の塗りつぶし領域が導電領域を表している。独立した導電領域が2箇所配置されており、それぞれに10本の配線幅200μm、長さ20mmの直線配線が櫛の歯のように配置されている。そして、それぞれの櫛の歯は対向する各櫛の歯の間のスペースが200μm、配線の重なり長15mmとなるように向かい合って配置されている。さらに、それぞれの導電領域に15mm四方の正方形を設けており、テスターを用いた導通試験や光学特性評価に使用できる。
(10)エッチング時間評価
エッチング時間は前記(9)に示す評価用パターンを用いて評価した。各実施例、比較例における導電積層体から10cm四方のサンプルを切り出し、評価サンプルとして使用した。評価サンプルの導電層面にドライフィルムレジスト(旭化成イーマテリアルズ(株)製 サンフォートSPG−152)をロール温度100℃で熱ラミネートし、フォトマスクを介して露光量200mJ条件でUV露光し、前記(9)に記載の評価用のパターン形状がサンプル内に4ピース入るように感光させた。次に25℃の0.7質量%炭酸ナトリウム水溶液で現像しエッチングレジストパターンを得た。得られたエッチングレジストパターン付き導電積層体を評価パターン1ピースごとに切り分け、4ピースの評価サンプルを得た。次いで、36質量%塩酸:60質量%硝酸:水を20:3:17の質量比率で配合したエッチング液を45℃に加熱し、4ピースの評価サンプルを30秒、60秒、120秒、180秒間それぞれの条件で浸積させてエッチング処理を行った。次いで3.0質量%水酸化ナトリウム水溶液を50℃に加熱し、それぞれの評価サンプルを2分間浸漬させてドライフィルムレジストを剥離した。
続いて接触抵抗計(sanwa製 DG6)を用いて2つの向かい合った導電領域が絶縁されているか確認し、絶縁されていれば非導電領域が良好に形成されていると判断し、絶縁されていなければ非導電領域が形成されておらず、NGと判断した。さらに、レーザー顕微鏡((株)キーエンス製 VK−9700/9710)で導電領域を観察し、ボイドの有無を確認した。非導電領域が良好に形成されており、かつ、導電領域にボイドが発生していない場合を良好なエッチング状態とした。
[材料]
<基材>
厚み125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 “ルミラー”(登録商標)U48)を使用した。
<金属系線状構造体>
金属系線状構造体「銀ナノワイヤー」
銀ナノワイヤー(短軸:50〜100nm、長軸:20〜40μm)。
<マトリックスおよびアンダーコート>
(1)アクリル系組成物A
アクリロイル基として重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合を3個以上有する化合物を含有するアクリル系組成物(綜研化学(株)製 フルキュアHC−6、固形分濃度51質量%)。硬化物は、架橋構造を有する。
(2)アクリル系組成物B
アクリロイル基として重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合を4個有するアクリル系組成物(共栄社化学(株)製 ライトアクリレートPE−4A、固形分濃度100質量%)。硬化物は、架橋構造を有する。
(3)アクリル系組成物C
アクリロイル基として重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合を6個有するアクリル系組成物(共栄社化学(株)製 ライトアクリレートDPE−6A、固形分濃度100質量%)。硬化物は、架橋構造を有する。
(4)光重合開始剤A
・光重合開始剤(チバ・ジャパン(株)製 Ciba IRGACURE(登録商標)907)
(5)光重合開始剤B
・光重合開始剤(チバ・ジャパン(株)製 Ciba IRGACURE(登録商標)369)
(6)光重合開始剤C
・光重合開始剤(チバ・ジャパン(株)製 Ciba IRGACURE(登録商標)184)
(7)ポリマーA
・疎水性ポリマー(綜研化学(株)製 CMX−1、固形分濃度36%)
(8)ポリマーB
・親水性ポリマー(綜研化学(株)製 LP−45M−30、固形分濃度30%)。
<無機粒子>
(1)無機粒子A
脂肪酸で表面処理した炭酸カルシウム微粒子粉末(ニューライム(株)製 カルフレックスC、一次平均粒子径40nm)
(2)無機粒子B
脂肪酸で表面処理した炭酸カルシウム微粒子粉末(ニューライム(株)製 カルフレックスPM、一次平均粒子径80nm)
(3)無機粒子C
脂肪酸で表面処理した炭酸カルシウム微粒子粉末(ニューライム(株)製 ヴィスカルPL、一次平均粒子径100nm)
(4)無機粒子D
脂肪酸で表面処理した炭酸カルシウム微粒子粉末(ニューライム(株)製 ヴィスカルP、一次平均粒子径150nm)。
(実施例1)
無機粒子D10.0g、酢酸エチル90.0g、平均粒子径0.4mmのジルコニアビーズ200.0gを混合し、振とう機SR−2DW(タイテック(株)製)で振とう回数300回/分の条件で2時間振とう分散させた後、ジルコニアビーズを濾過により除去し無機粒子Dの分散体を得た。
次いで、アクリル系組成物C13.0g、ポリマーA36.0g、光重合開始剤A1.2g、光重合開始剤B1.2g、光重合開始剤C1.2g、酢酸エチル897.3g、前記無機粒子Dの分散体51.8gを混合、撹拌し、アンダーコート材料を調製した。このアンダーコート材料を材質がsusのシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコートを使用して基材に塗布、120℃で2分間乾燥後、紫外線を80mJ/cm照射し硬化させ、厚みが400nmであるアンダーコート層を形成した。
このアンダーコート層におけるFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.22であった。
次に、金属系線状構造体を含む水分散液として、銀ナノワイヤー分散液(米国Cambrios社製 CleraOhm Ink−A AQ)を用意した。この銀ナノワイヤー分散液を、銀ナノワイヤーの濃度が0.054質量%となるように希釈して銀ナノワイヤー分散塗液を調製した。この銀ナノワイヤー分散塗液を、材質がsusのシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコートを使用して前記アンダーコート層の上に塗布、120℃で2分間乾燥し導電成分を積層形成した。
続いて、アクリル系組成物B10.7g、ポリマーB11.9g、光重合開始剤C0.7g、酢酸エチル976.7gを混合、撹拌し、マトリックス組成物を調製した。
調製したマトリックス組成物を、導電成分を積層した側に、材質がsusのシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコートを使用して塗布、120℃で2分間乾燥後、紫外線を80mJ/cm照射し硬化させ、マトリックス部分の厚みが120nmである導電層を形成し、導電積層体を得た。このマトリックスのFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.42であった。
この導電積層体はアンダーコート層に無機粒子を含む導電積層体であり、無機粒子は炭酸カルシウムで、アンダーコート材料に対して20質量%の量を含んでいる。無機粒子の平均粒子径は152nmであった。また、この導電積層体の表面抵抗値Rは50.8Ω/□であった。
次に得られた導電積層体を50mm×100mmサイズに3枚切り出しパターンの非視認性確認用のサンプルとして準備した。
次いで、36質量%塩酸:60質量%硝酸:水を20:3:17の質量比率で配合したエッチング液を45℃に加熱し、サンプルの半分の領域(50mm×50mmの範囲)のみを5分間浸漬させてエッチング処理を行った。これによりエッチング液に浸漬した領域が非導電領域となり、それ以外の領域が導電領域であるパターン化導電積層体サンプルを得た。このパターン化導電積層体の非導電領域は平均ボイド径155nmのボイドを含んでおり、パターンの非視認性は特に良好であった。
さらに、前述の(10)エッチング時間評価を実施した結果、エッチング時間30秒から120秒の間で良好なエッチング状態となり、エッチングマージンが十分確保できていることが確認できた。
(実施例2)
アクリル系組成物D14.1g、ポリマーA39.1g、光重合開始剤A0.3g、光重合開始剤B0.3g、光重合開始剤C1.4g、酢酸エチル916.7g、前記無機粒子Dの分散体28.1gを混合、撹拌し、アンダーコート材料を調製した。次いで、実施例1と同様の方法でアンダーコート層を形成した。このアンダーコート層におけるFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.21であった。
次に、金属系線状構造体を含む水分散液として、銀ナノワイヤー分散液(米国Cambrios社製 CleraOhm Ink−A AQ)を用意した。この銀ナノワイヤー分散液を、銀ナノワイヤーの濃度が0.054質量%となるように希釈して銀ナノワイヤー分散塗液を調製した。この銀ナノワイヤー分散塗液を、材質がsusのシム(シム厚み75μm)を装着したスリットダイコートを使用して前記アンダーコート層の上に塗布、120℃で2分間乾燥し導電成分を積層形成した。
次いで、実施例1と同様の材料と方法でマトリックス組成物を塗工し、導電積層体を得た。このマトリックスのFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.42であった。
この導電積層体はアンダーコート層に無機粒子を含む導電積層体であり、無機粒子は炭酸カルシウムで、アンダーコート材料に対して10質量%の量を含んでいる。無機粒子の平均粒子径は145nmであった。また、この導電積層体の表面抵抗値Rは156.0Ω/□であった。
続いて実施例1と同様の方法でパターン化導電積層体サンプルを得た。このパターン化導電積層体の非導電領域は平均ボイド径164nmのボイドを含んでおり、パターンの非視認性は特に良好であった。さらに、前述の(10)エッチング時間評価を実施した結果、エッチング時間30秒から120秒の間で良好なエッチング状態となり、エッチングマージンが十分確保できていることが確認できた。
(実施例3)
実施例1と同様の材料と方法で基材上に厚み400nmのアンダーコート層を形成した。このアンダーコート層におけるFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.22であった。
次いで、実施例1と同様の材料と方法で導電成分を形成し、アクリル系組成物C10.7g、ポリマーB11.9g、光重合開始剤C0.7g、酢酸エチル976.7gを混合、撹拌し、マトリックス組成物を調製し、実施例1と同様の方法でマトリックスを塗工形成し、導電積層体を得た。このマトリックスのFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.37であった。この導電積層体はアンダーコート層に無機粒子を含む導電積層体であり、無機粒子は炭酸カルシウムで、アンダーコート材料に対して20質量%の量を含んでいる。無機粒子の平均粒子径は149nmであった。また、この導電積層体の表面抵抗値Rは51.3Ω/□であった。
続いて実施例1と同様の方法でパターン化導電積層体サンプルを得た。このパターン化導電積層体の非導電領域は平均ボイド径151nmのボイドを含んでおり、パターンの非視認性は特に良好であった。さらに、前述の(10)エッチング時間評価を実施した結果、エッチング時間60秒から120秒の間で良好なエッチング状態となり、エッチングマージンが確保できていることが確認できた。
(実施例4)
実施例2と同様の材料と方法で基材上に厚み400nmのアンダーコート層を形成した。このアンダーコート層におけるFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.21であった。
次に、実施例2と同様の材料と方法で導電成分を形成し、実施例3と同様の材料と方法でマトリックスを塗工形成し、導電積層体を得た。このマトリックスのFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.37であった。
この導電積層体はアンダーコート層に無機粒子を含む導電積層体であり、無機粒子は炭酸カルシウムで、アンダーコート材料に対して10質量%の量を含んでいる。無機粒子の平均粒子径は154nmであった。また、この導電積層体の表面抵抗値Rは150.3Ω/□であった。
続いて実施例1と同様の方法でパターン化導電積層体を得た。このパターン化導電積層体の非導電領域は平均ボイド径155nmのボイドを含んでおり、パターンの非視認性は特に良好であった。さらに、前述の(10)エッチング時間評価を実施した結果、エッチング時間30秒から120秒の間で良好なエッチング状態となり、エッチングマージンが十分確保できていることが確認できた。
(実施例5)
アクリル系組成物B12.9g、ポリマーA36.0g、光重合開始剤A0.3g、光重合開始剤B0.3g、光重合開始剤C1.3g、酢酸エチル897.3g、前記無機粒子Dの分散体51.8gを混合、撹拌し、アンダーコート材料を調製し、実施例1と同様の方法で基材上に厚み400nmのアンダーコート層を形成した。このアンダーコート層におけるFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.34であった。
次いで、実施例1と同様の材料と方法で導電成分とマトリックスを塗工形成し、導電積層体を得た。このマトリックスのFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.42であった。
この導電積層体はアンダーコート層に無機粒子を含む導電積層体であり、無機粒子は炭酸カルシウムで、アンダーコート材料に対して20質量%の量を含んでいる。無機粒子の平均粒子径は150nmであった。また、この導電積層体の表面抵抗値Rは55.1Ω/□であった。
続いて実施例1と同様の方法でパターン化導電積層体サンプルを得た。このパターン化導電積層体の非導電領域は平均ボイド径160nmのボイドを含んでおり、パターンの非視認性は良好であった。さらに、前述の(10)エッチング時間評価を実施した結果、エッチング時間30秒から120秒の間で良好なエッチング状態となり、エッチングマージンが十分確保できていることが確認できた。
(実施例6)
アクリル系組成物B14.1g、ポリマーA39.1g、光重合開始剤A0.3g、光重合開始剤B0.3g、光重合開始剤C1.4g、酢酸エチル916.7g、前記無機粒子Dの分散体28.1gを混合、撹拌し、アンダーコート材料を調製し、実施例1と同様の方法で基材上に厚み400nmのアンダーコート層を形成した。このアンダーコート層におけるFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.34であった。
次いで、実施例2と同様の材料と方法で導電成分とマトリックスを塗工形成し、導電積層体を得た。このマトリックスのFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.42であった。
この導電積層体はアンダーコート層に無機粒子を含む導電積層体であり、無機粒子は炭酸カルシウムで、アンダーコート材料に対して10質量%の量を含んでいる。無機粒子の平均粒子径は147nmであった。また、この導電積層体の表面抵抗値Rは155.2Ω/□であった。
続いて実施例1と同様の方法でパターン化導電積層体サンプルを得た。このパターン化導電積層体の非導電領域は平均ボイド径154nmのボイドを含んでおり、パターンの非視認性は良好であった。さらに、前述の(10)エッチング時間評価を実施した結果、エッチング時間30秒から120秒の間で良好なエッチング状態となり、エッチングマージンが十分確保できていることが確認できた。
(実施例7)
実施例5と同様の材料と方法で基材上に厚み400nmのアンダーコート層を形成した。このアンダーコート層におけるFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.31であった。
次いで、実施例3と同様の材料と方法で導電成分とマトリックスを塗工形成し、導電積層体を得た。このマトリックスのFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.37であった。
この導電積層体はアンダーコート層に無機粒子を含む導電積層体であり、無機粒子は炭酸カルシウムで、アンダーコート材料に対して20質量%の量を含んでいる。無機粒子の平均粒子径は144nmであった。また、この導電積層体の表面抵抗値Rは50.3Ω/□であった。
続いて実施例1と同様の方法でパターン化導電積層体サンプルを得た。このパターン化導電積層体の非導電領域は平均ボイド径151nmのボイドを含んでおり、パターンの非視認性は特に良好であった。さらに、前述の(10)エッチング時間評価を実施した結果、エッチング時間60秒から120秒の間で良好なエッチング状態となり、エッチングマージンが確保できていることが確認できた。
(実施例8)
実施例6と同様の材料と方法で基材上に厚み400nmのアンダーコート層を形成した。このアンダーコート層におけるFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.31であった。
次いで、実施例4と同様の材料と方法で導電成分とマトリックスを塗工形成し、導電積層体を得た。このマトリックスのFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.37であった。
この導電積層体はアンダーコート層に無機粒子を含む導電積層体であり、無機粒子は炭酸カルシウムで、アンダーコート材料に対して10質量%の量を含んでいる。無機粒子の平均粒子径は153nmであった。また、この導電積層体の表面抵抗値Rは151.1Ω/□であった。
続いて実施例1と同様の方法でパターン化導電積層体サンプルを得た。このパターン化導電積層体の非導電領域は平均ボイド径161nmのボイドを含んでおり、パターンの非視認性は特に良好であった。さらに、前述の(10)エッチング時間評価を実施した結果、エッチング時間30秒から120秒の間で良好なエッチング状態となり、エッチングマージンが十分確保できていることが確認できた。
(実施例9)
アクリル系組成物C11.2g、ポリマーA31.1g、光重合開始剤A0.3g、光重合開始剤B0.3g、光重合開始剤C1.1g、酢酸エチル866.5g、前記無機粒子Bの分散体89.6gを混合、撹拌し、アンダーコート材料を調製し、実施例1と同様の方法で基材上に厚み400nmのアンダーコート層を形成した。このアンダーコート層におけるFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.22であった。
次いで、実施例1と同様の材料と方法で導電成分とマトリックスを塗工形成し、導電積層体を得た。このマトリックスのFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.42であった。
この導電積層体はアンダーコート層に無機粒子を含む導電積層体であり、無機粒子は炭酸カルシウムで、アンダーコート材料に対して40質量%の量を含んでいる。無機粒子の平均粒子径は81nmであった。また、この導電積層体の表面抵抗値Rは51.2Ω/□であった。
続いて実施例1と同様の方法でパターン化導電積層体サンプルを得た。このパターン化導電積層体の非導電領域は平均ボイド径85nmのボイドを含んでおり、パターンの非視認性は良好であったが、実施例1と比較して無機粒子の添加量は2倍必要とした。さらに、前述の(10)エッチング時間評価を実施した結果、エッチング時間30秒から120秒の間で良好なエッチング状態となり、エッチングマージンが十分確保できていることが確認できた。
(実施例10)
アクリル系組成物C12.0g、ポリマーA33.4g、光重合開始剤A0.3g、光重合開始剤B0.3g、光重合開始剤C1.2g、酢酸エチル880.8g、前記無機粒子Cの分散体72.1gを混合、撹拌し、アンダーコート材料を調製し、実施例1と同様の方法で基材上に厚み400nmのアンダーコート層を形成した。このアンダーコート層におけるFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.22であった。
次いで、実施例1と同様の材料と方法で導電成分とマトリックスを塗工形成し、導電積層体を得た。このマトリックスのFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.42であった。
この導電積層体はアンダーコート層に無機粒子を含む導電積層体であり、無機粒子は炭酸カルシウムで、アンダーコート材料に対して30質量%の量を含んでいる。無機粒子の平均粒子径は101nmであった。また、この導電積層体の表面抵抗値Rは52.2Ω/□であった。
続いて実施例1と同様の方法でパターン化導電積層体サンプルを得た。このパターン化導電積層体の非導電領域は平均ボイド径107nmのボイドを含んでおり、パターンの非視認性は特に良好であったが、実施例1と比較して無機粒子の添加量は質量比で1.5倍必要とした。さらに、前述の(10)エッチング時間評価を実施した結果、エッチング時間30秒から120秒の間で良好なエッチング状態となり、エッチングマージンが十分確保できていることが確認できた。
(実施例11)
無機粒子A10.0g、酢酸エチル90.0g、平均粒子径0.4mmのジルコニアビーズ200.0gを混合し、振とう機SR−2DW(タイテック(株)製)で振とう回数300回/分の条件で15分間振とう分散させた後、ジルコニアビーズを濾過により除去し無機粒子Aの分散体を得た。
次いで、アクリル系組成物C13.0g、ポリマーA36.0g、光重合開始剤A0.3g、光重合開始剤B0.3g、光重合開始剤C1.3g、酢酸エチル897.3g、前記無機粒子Aの分散体51.8gを混合、撹拌し、アンダーコート材料を調製し、実施例1と同様の方法で基材上に厚み400nmのアンダーコート層を形成した。このアンダーコート層におけるFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.22であった。
次いで、実施例1と同様の材料と方法で導電成分とマトリックスを塗工形成し、導電積層体を得た。このマトリックスのFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.42であった。
この導電積層体はアンダーコート層に無機粒子を含む導電積層体であり、無機粒子は炭酸カルシウムで、アンダーコート材料に対して20質量%の量を含んでいる。アンダーコート層中で無機粒子は複数が凝集した状態で存在し、凝集した状態での平均粒子径は189nmであった。また、この導電積層体の表面抵抗値Rは56.1Ω/□であった。
続いて実施例1と同様の方法でパターン化導電積層体サンプルを得た。このパターン化導電積層体の非導電領域は平均ボイド径198nmのボイドを含んでおり、パターンの非視認性は良好であった。さらに、前述の(10)エッチング時間評価を実施した結果、エッチング時間30秒から120秒の間で良好なエッチング状態となり、エッチングマージンが十分確保できていることが確認できた。
(比較例1)
アンダーコート材料組成をアクリル系組成物A53.5g、光重合開始剤A1.29g、光重合開始剤B1.29g、酢酸エチル943.9gとしたこと以外は実施例1と同様の方法で導電積層体を得た。このアンダーコート層におけるFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.21であり、マトリックスのFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.42であった。
この導電積層体はいずれの層にも無機粒子を含まない。この導電積層体の表面抵抗値Rは50.9Ω/□であった。
続いて実施例1と同様の方法でパターン化導電積層体を得た。このパターン化導電積層体の非導電領域はいずれの層にもボイドを含んでおらず、パターンの非視認性は低かった。(10)記載のエッチング時間評価を実施した結果はエッチング時間30秒から180秒の間で良好なエッチング状態となり、エッチングマージンは十分確保できていた。
(比較例2)
アクリル系組成物A52.5g、光重合開始剤A0.3g、光重合開始剤B0.3g、酢酸エチル892.9g、前記無機粒子Bの分散体28.1gを混合、撹拌し、アンダーコート材料を調製し、実施例1と同様の方法で基材上に厚み400nmのアンダーコート層を形成した。このアンダーコート層におけるFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.42であった。
続いて、実施例1と同様の方法で導電成分を形成し、アクリル系組成物C15.4g、ポリマーA42.7g、光重合開始剤A0.4g、光重合開始剤B0.4g、光重合開始剤C1.5g、酢酸エチル939.7gを混合、撹拌し、マトリックス組成物を調製し、実施例1と同様の方法でマトリックスを塗工形成し、導電積層体を得た。このマトリックスのFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.21であった。
この導電積層体はアンダーコート層に無機粒子を含む導電積層体であり、無機粒子は炭酸カルシウムで、アンダーコート材料に対して20質量%の量を含んでいる。無機粒子の平均粒子径は151nmであった。また、この導電積層体の表面抵抗値Rは54.0Ω/□であった。
続いて実施例1と同様の方法でパターン化導電積層体サンプルを得た。このパターン化導電積層体の非導電領域は平均ボイド径160nmのボイドを含んでいたが、ボイドの発生数が少なくパターンの非視認性は良好ではなかった。さらに、前述の(10)エッチング時間評価を実施した結果、エッチング時間120秒でのみ良好なエッチング状態となり、エッチングマージンは不十分であった。
(比較例3)
実施例1と同様の材料と方法で基材上に厚み400nmのアンダーコート層を形成した。このアンダーコート層におけるFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.21であった。
続いて、比較例2と同様の方法で導電成分とマトリックスを形成し導電積層体を得た。このマトリックスのFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.21であった。
この導電積層体はアンダーコート層に無機粒子を含む導電積層体であり、無機粒子は炭酸カルシウムで、アンダーコート材料に対して20質量%の量を含んでいる。無機粒子の平均粒子径は155nmであった。また、この導電積層体の表面抵抗値Rは53.8Ω/□であった。
続いて実施例1と同様の方法でパターン化導電積層体サンプルを得た。このパターン化導電積層体の非導電領域は平均ボイド径158nmのボイドを含んでおり、パターンの非視認性は特に良好であった。さらに、前述の(10)エッチング時間評価を実施した結果、エッチング時間120秒でのみ良好なエッチング状態となり、エッチングマージンは不十分であった。
(比較例4)
比較例2と同様の材料と方法で基材上に厚み400nmのアンダーコート層を形成した。このアンダーコート層におけるFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.42であった。
続いて、比較例1と同様の方法で導電成分とマトリックスを形成し導電積層体を得た。このマトリックスのFT−IR−ATR法による硬化度測定結果ν1/ν2は0.42であった。
この導電積層体はアンダーコート層に無機粒子を含む導電積層体であり、無機粒子は炭酸カルシウムで、アンダーコート材料に対して20質量%の量を含んでいる。無機粒子の平均粒子径は146nmであった。また、この導電積層体の表面抵抗値Rは50.6Ω/□であった。
続いて実施例1と同様の方法でパターン化導電積層体サンプルを得た。このパターン化導電積層体の非導電領域は平均ボイド径155nmのボイドを含んでいたが、ボイドの発生数が少なくパターンの非視認性は良好ではなかった。さらに、前述の(10)記載のエッチング時間評価を実施した結果はエッチング時間30秒から120秒の間で良好なエッチング状態となり、エッチングマージンは十分確保できていた。
Figure 2014102963
Figure 2014102963
本発明の導電積層体およびパターン化導電積層体は、パターン非視認性が良好なことからタッチパネル、液晶ディスプレイ、電子ペーパーなどの表示体用途に好適に使用されるものである。
1:基材
2:導電層
3:金属系線状構造体
4:無機粒子
5:ボイド
6:マトリックス
7:アンダーコート層
8:導電領域
9:非導電領域
10:積層面に垂直な方向より観察した導電面
11:単一の繊維状導電体
12:繊維状導電体の集合体
13:ナノワイヤー
14:針状導電体
15:繊維状導電体の重なりによって形成した接点
16:ナノワイヤーの重なりによって形成した接点
17:針状導電体の重なりによって形成した接点
18:導電積層体
19:導電積層体の基材
20:導電積層体の導電層
21:導電積層体を積層するための接合層
22:画面側の基材
23:ハードコート層

Claims (12)

  1. 基材の少なくとも片面に導電層を有する導電積層体であって、該導電層はマトリックス中にネットワーク構造を持つ金属系線状構造体を含み、さらに導電積層体のいずれかの層に無機粒子を含み、下記(i)および(ii)を満たす導電積層体。
    (i)マトリックスは重合反応に寄与する炭素―炭素二重結合を2個以上有する化合物が重合反応した構造を含む高分子で構成され、かつ、FT−IR−ATR法にて求めた炭素―炭素二重結合の伸縮振動のピーク強度ν1と炭素―水素単結合の伸縮振動のピーク強度ν2の関係が、ν1/ν2>0.35である。
    (ii)無機粒子を含む層は重合反応に寄与する炭素―炭素二重結合を2個以上有する化合物が重合反応した構造を含む高分子で構成され、かつ、FT−IR−ATR法にて求めた炭素―炭素二重結合の伸縮振動のピーク強度ν1と炭素―水素単結合の伸縮振動のピーク強度ν2の関係が、ν1/ν2≦0.35である。
  2. 基材の少なくとも片面にパターン化導電層を有するパターン化導電積層体の製造方法であって、請求項1に記載の導電積層体の無機粒子を薬液処理で溶解することによりいずれかの層にボイドを形成することを特徴とするパターン化導電積層体の製造方法。
  3. 請求項2記載の製造方法により得られるパターン化導電積層体であって、基材の少なくとも片面にパターン化導電層を有し、該パターン化導電層は非導電領域と、ネットワーク構造を持つ金属系線状構造体が存在する導電領域を有し、さらに非導電領域の積層構成のいずれかの層にボイドが存在することを特徴とするパターン化導電積層体。
  4. 導電領域よりも非導電領域に多くのボイドが存在することを特徴とする請求項3に記載のパターン化導電積層体。
  5. 薬液処理で、無機粒子を溶解することによりボイドを形成すると同時に、ネットワーク構造を持つ金属系線状構造体を除去し、非導電領域を形成することを特徴とする請求項2に記載のパターン化導電積層体の製造方法。
  6. 請求項2または5に記載のパターン化導電積層体の製造方法で得られるパターン化導電積層体。
  7. 金属系線状構造体が、銀ナノワイヤーである請求項1に記載の導電積層体。
  8. 無機粒子の平均粒子径が80nm以上、200nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電積層体。
  9. 非導電領域に含まれるボイドの平均ボイド径が80nm以上、200nm以下であることを特徴とする請求項3、4、6のいずれかに記載のパターン化導電積層体。
  10. 請求項1に記載の導電積層体、または、請求項3、4、6のいずれかに記載のパターン化導電積層体を用いた表示体。
  11. 請求項10に記載の表示体を用いたタッチパネル。
  12. 請求項10に記載の表示体を用いた電子ペーパー。
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