JP2013230564A - 透明導電積層体およびそれを用いてなる表示体 - Google Patents

透明導電積層体およびそれを用いてなる表示体 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、耐久性の良好な導電積層体を提供せんとするものである。
【解決手段】基材の少なくとも片面に導電層を有する導電積層体であって、該導電層は金属系線状構造体からなるネットワーク構造を有する導電成分と、無機粒子とが、架橋構造を有する高分子からなるマトリックス中に含有されてなることを特徴とする導電積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐久性の良好な導電積層体に関する。さらに詳しくは、金属系線状構造体からなるネットワーク構造を有する導電層を有し、耐久性の良好な導電積層体に関するものである。またさらに、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどの表示体関連および太陽電池モジュールなどに使用される電極部材にも使用される導電積層体に関するものである。
近年、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどの表示体関連や太陽電池モジュールなどの電極用に透明導電部材が用いられている。
透明導電部材としては基材上に導電層を積層したものがあり、その導電層としては酸化インジウムスズ(ITO)や金属薄膜、等の従来の導電性薄膜を用いたものの他に、金属粒子や金属ナノワイヤーなどの線状の導電成分のネットワークを形成することで導電性を発現させたものが提案されている。例えば、銀微粒子と、銀とはイオン化傾向の異なる金属とを含む導電層を用いたものが提案されている(特許文献1)。また、導電性繊維と含窒素芳香族ヘテロ環からなる有機物を含む導電層を用いたものも提案されている(特許文献2)。また、メッシュ構造の導電層の上に、導電性高分子とマイグレーション防止剤からなる層を積層し用いたものも提案されている(特許文献3)。
特開2007−201142号公報 特開2011−54419号公報 特開2009−146678号公報
しかしながら、金属の導電成分は電極として使用した際、外部から導電層へ浸入する水と、電流が流れることによる電気ストレスによって導電層の金属が電極に析出する、いわゆるマイグレーションが発生し、電極間での短絡や導電不良が発生し耐久性が低いという問題があった。特許文献1のように金属微粒子を用いたものでは耐久性の良好な導電積層体を提供することが困難であるという問題があった。特許文献2のように導電層に有機化合物を含むものや、特許文献3のようにマイグレーション防止剤を有機高分子と共に含むものは水が容易に浸入してしまい、依然として高い耐久性を得るには至っていない。このように導電層に起因してマイグレーションが発生し十分な耐久性が得られないという問題があった。
本発明は、かかる従来技術の問題に鑑み、導電層を改良し良好な耐久性の導電積層体を得んとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような構成を採用する。すなわち、
(1)基材の少なくとも片面に導電層を有する導電積層体であって、該導電層は金属系線状構造体からなるネットワーク構造を有する導電成分と、無機粒子とが、架橋構造を有する高分子からなるマトリックス中に含有されてなることを特徴とする導電積層体。
(2)前記金属系線状構造体が、銀ナノワイヤーである前記(1)に記載の導電積層体。
(3)前記無機粒子の平均径aが前記金属系線状構造体の平均径r未満である前記(1)または(2)に記載の導電積層体。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の導電積層体の導電層に、導電領域と非導電領域を形成するパターン化導電積層体の製造方法。
(5)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の導電積層体、もしくは前記(4)に記載の製造方法により得たパターン化導電積層体、を用いてなる表示体。
(6)前記(5)に記載の表示体を用いたタッチパネル。
(7)前記(5)に記載の表示体を用いた電子ペーパー。
本発明によれば、耐久性の良好な導電積層体を提供できる。
本発明の導電積層体の一例を示す断面模式図である。 本発明の導電積層体に用いられる金属系線状構造体の一例を示す模式図である。 本発明のタッチパネルの一例を示す断面模式図である。 本発明における金属系線状構造体近傍の一例を示す断面模式図である。 本発明における耐久性評価用のパターンの一例である。 本発明における耐久性評価用モジュールの一例である。
[導電積層体]
本発明の導電積層体は、基材の少なくとも片面に導電層を有する。導電層は、金属系線状構造体からなるネットワーク構造を有する導電成分と、無機粒子とが、架橋構造を有する高分子からなるマトリックス中に含有されてなるものである。ネットワーク構造を有する金属系線状構造体は、いわゆる導電成分として働いて電気抵抗値を低くするので、導電層として必要な導電性が発現し、無機粒子を架橋構造を有する高分子からなるマトリックス中に同時に含有せしめることで耐久性が良好な導電積層体を提供できることを見いだしたものである。また、金属系線状構造体からなるネットワーク構造を有する導電成分がランダムな配向であると、導電性および耐久性に加えて良好な光学特性をも得ることができるので、本発明の導電積層体を用いた表示体は表示画像が鮮明なものとなるので好ましい。
[導電成分]
導電層に用いられる導電成分はネットワーク構造を有する金属系線状構造体である。かかる導電成分を適用することで含有量に比して導電性に優れた導電層を得ることができるので、低い表面抵抗値の導電積層体を得ることができる。ネットワーク構造を有していることで、導電層内の面方向への導電パスが形成され、低い表面抵抗値を得ることができる。本発明においてネットワーク構造とは、導電層内の個別の金属系線状構造体について見たとき、別の金属系線状構造体との接点の数の平均が少なくとも1を越える様な、分散構造を有することをいう。このとき接点は金属系線状構造体のいかなる部分間に形成されていてもよく、金属系線状構造体の末端部同士が接していたり、末端と金属系線状構造体の末端以外の部分が接していたり、金属系線状構造体の末端以外の部分同士が接していてもよい。ここで、接するとはその接点が接合していても、単に接触しているだけでもよい。なお、導電層中の金属系線状構造体のうち、ネットワークの形成に寄与していない(すなわち接点が0で、ネットワークとは独立して存在している。)金属系線状構造体が一部存在していてもよい。ネットワーク構造は、後述する方法にて観察することができる。
本発明の導電積層体の導電層を構成する導電成分がネットワーク構造を有する金属系線状構造体からなることから、導電層内にネットワーク構造を有する金属系線状構造体の含有比率が一定以下の場合には、面内において金属系線状構造体が存在しない領域が散在する場合があるが、かかる領域が存在しても任意の2点間で導電性を示しうる。
また、ネットワーク構造を有する金属系線状構造体を構成する金属系線状構造体は、短軸の長さ(金属系線状構造体の直径)及び長軸の長さ(金属系線状構造体の長さ)は、種々の範囲を採りうるが、短軸の長さは1nm〜1000nm(1μm)が好ましく、また長軸の長さは短軸の長さに対し、アスペクト比(長軸の長さ/短軸の長さ)が10より大きくなるような長さであれば良く1μm〜100μm(0.1mm)が好ましい。金属系線状構造体としては、例えば、繊維状導電体、ナノワイヤー、ウィスカーやナノロッドのような針状導電体等が挙げられる。なお、繊維状とは、前述のアスペクト比=長軸の長さ/短軸の長さが10より大きいことをいう。形状については特に限定されず、直線状であっても曲線状であってもよく、その一部に直線部および/または曲線部を有する形状であってもよい。ナノワイヤーとは、図2における符号6に例示するような、弧の形状をしている構造体であり、針状とは、図2における符号7に例示するような、直線形状をしている構造体である。なお、金属系線状構造体は、単独で存在する場合の他に、集合体を形成して存在する場合がある。集合体については、例えば金属系線状構造体の配置の方向性に規則性がなくランダムに集合した状態であっても良く、また金属系線状構造体の長軸方向の面同士が平行に集合した状態であっても良い。長軸方向の面同士が平行に集合した状態の例としては、バンドルという集合体となることが知られており、金属系線状構造体が類似のバンドル構造を有していても良い。本発明における金属系線状構造体の平均径rは、前述の集合体を形成している場合であっても金属系線状構造体の単独の径の値を用いて平均径rを算出する。なお、金属系線状構造体の平均径rは、以下の方法にて求める。
先ず、サンプルの観察したい部分近傍を氷で埋包し凍結固着後、日本ミクロトーム研究所(株)製ロータリー式ミクロトームを使用し、ナイフ傾斜角度3°にダイヤモンドナイフをセットして積層体平面に垂直な方向に切断する。次いで得られた積層体断面の導電領域(A)を、電界放射型走査電子顕微鏡(日本電子(株)製 JSM−6700−F)を用いて加速電圧3.0kVにて観察倍率10000〜100000倍にて、画像のコントラストを適宜調節して観察する。1検体につき、異なる部分から得た金属系線状構造体の断面を含む画像を10視野分準備する。次いで、10視野内の全て金属系線状構造体の断面の径を求め、その全平均値を平均径rとする。なお、本測定に当たっては、有効数字3桁が確保できる倍率を選択し、計算に当たっては、4桁目を四捨五入して値を求める。
本発明における金属系線状構造体の材質は金属、合金、金属酸化物、金属窒化物、金属水酸化物、等の成分を含有するものである。金属としては、元素の短周期型周期律表におけるIIA属、IIIA属、IVA属、VA属、VIA属、VIIA属、VIII属、IB属、IIB属、IIIB属、IVB属またはVB属に属する元素が挙げられる。具体的には、金、白金、銀、ニッケル、銅、アルミニウム、ガリウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、マンガン、アンチモン、パラジウム、ビスマス、テクネチウム、レニウム、鉄、オスミウム、コバルト、亜鉛、スカンジウム、ホウ素、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、テルル、錫、マグネシウムなどが挙げられる。合金としては、前記金属を含む合金(ステンレス鋼、黄銅、等)が挙げられる。金属酸化物としては、InO、SnO、ZnO、などが挙げられ、またこれらの金属酸化物複合体(InOSn、SnO−Sb、SnO−V、TiO(Sn/Sb)O、SiO(Sn/Sb)O、KO−nTiO−(Sn/Sb)O、KO−nTiO−Cなど)も挙げられる。またこれらは表面処理を施されていてもよい。さらに、有機化合物(例えば、植物繊維、合成繊維等)や非金属材料(例えば、無機繊維等)の表面に前記金属や金属酸化物をコーティングまたは蒸着したものも金属系線状構造体に含まれる。これら金属系線状構造体のうち、透明性等の光学特性や導電性等の観点から銀ナノワイヤーを特に好ましく使用することができる。これら金属系ナノワイヤーは例えば、特表2009−505358号公報、特開2009−146747号公報、特開2009−70660号公報に開示されている製法により得ることができる。
また、金属系線状構造体を単独、又は複数を組み合わせて混合して使用することもでき、さらに、必要に応じて他のマイクロ〜ナノサイズの導電性材料を添加しても良い。
[無機粒子]
本発明における導電層は、金属系線状構造体からなるネットワーク構造を有する導電成分と共に無機粒子を架橋構造を有する高分子からなるマトリックス中に含む。無機粒子を架橋構造を有する高分子からなるマトリックス中に含むことで、金属系線状構造体のマイグレーションを抑制することができるので耐久性の良好な導電積層体とすることができる。
本発明における無機粒子に用いられる無機物質は、無機の元素を粒子中に含有する物質であり、例えば、金、白金、銀、ニッケル、銅、アルミニウム、ガリウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、マンガン、アンチモン、パラジウム、ビスマス、テクネチウム、レニウム、鉄、オスミウム、コバルト、亜鉛、スカンジウム、ホウ素、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、テルル、錫、マグネシウムなどの酸化物、窒化物、フッ化物、水酸化物、リン酸系誘導体の塩、無機アンモニウム塩、無機炭酸塩、無機硫酸塩等が挙げられる。また、無機粒子として前記金属を含む合金(ステンレス鋼、黄銅、等)からなる粒子もまた挙げることができる。これらの具体的な例としては、InO、SnO、ZnO、SiO、ZrO、TiO、CeO、MgO、SiO、Al、Sb、Sb、FeO、Fe、CoO、Co、Co、CrO、Cr、CrO、CrO、等の無機酸化物、CaCO、MgCO、ZnCO等の無機炭酸塩、MgSO、NaSO、CuSO、CaSO、BaSO、ZnSO等の無機硫酸塩、LiF、CaF等の無機フッ化物、Al(OH)、Mg(OH)、Ba(OH)、Ca(OH)、カルシウム・アルミネート水和物等の無機水酸化物、ホスホン酸アルミニウム、ホスフィン酸アルミニウム、ジホスフィン酸アルミニウム、ホスホン酸マグネシウム、ホスフィン酸マグネシウム、ジホスフィン酸マグネシウム、ホスホン酸カルシウム、ホスフィン酸カルシウム、ジホスフィン酸カルシウム、等の無機リン酸系誘導体の塩、またさらには、これらの無機複合体(InOSn、SnO−Sb、SnO−V、TiO(Sn/Sb)O、SiO(Sn/Sb)O、KO−nTiO−(Sn/Sb)O、KO−nTiO−C、MgSi10(OH)、AlSi(OH)、マイカ、雲母チタン、リン酸カルシウムを主成分としたハイドロキシアパタイトなど)が挙げられる。またこれらは表面処理を施されていてもよい。これら無機粒子を1種もしくは複数組み合わせて用いてもよい。本発明においては無機酸化物の粒子を用いることが好ましい。
本発明において、無機粒子の平均径aが金属系線状構造体の平均径r未満であることが好ましい。無機粒子の平均径aが金属系線状構造体の平均径r未満であると、耐久性がさらに改善するとともに光学特性も良好な導電積層体となる。ここで無機粒子の平均径aとは、短径の数ベースでの分布曲線からえた最頻値と定義する。また短径とは個々の無機粒子毎に顕微鏡により撮影した画像上で認識できるもっとも短い直径とする。かかるデータを採るための方法としては、[ネットワーク構造を有する金属系線状構造体]に記載の金属系線状構造体の平均径rと同様の方法にて画像を取得して、求めるものとする。この際、金属系線状構造体の断面の径を無機粒子の短径と読み替えるものとする。無機粒子の平均径aの好ましい範囲は、金属系線状構造体の種類や平均径r、また、無機物質の種類にも依存するため一義的に限定することはできないが、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下、さらに好ましくは50nm以下、最も好ましくは30nm以下である。無機粒子の平均径aの下限値は特には限定されないが、1nm未満であると粒子の凝集が強くなり導電層内に均一に存在させることが困難になり、耐久性の向上効果が小さい場合がある。
[マトリックス]
本発明における導電層には、前記導電成分と無機粒子とを架橋構造を有する高分子からなるマトリックス中に含む。架橋構造を有する高分子からなるマトリックスを適用することで、マイグレーションの原因と推定される水が導電層内に浸入するのを遮断し、耐久性の良好な導電積積層体になるものと推定している。
マトリックスの成分としては、有機または無機系の高分子などが挙げられる。
無機系高分子としては、無機系の酸化物等が挙げられ、例えば、トリアルコキシシラン類等から、加水分解・重合反応によって形成させる珪素酸化物や、スパッタ蒸着により形成される珪素酸化物が挙げられる。かかる場合に用いられるトリアルコキシシラン類としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテトラアルコシシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が挙げられる。
有機系高分子としては、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などが挙げられ、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ナイロンやベンゾグアナミン等のポリアミド系樹脂、ABS樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等の塩素原子(Cl原子)を含有する樹脂、フッ素原子(F原子)を含有する樹脂、シリコーン系樹脂、セルロース系樹脂、等の有機系の高分子が挙げられ、これら高分子の構造内に架橋構造を有しているものや、これら高分子と架橋剤を反応させて架橋高分子としたものでもよい。これら有機系高分子から要求する特性や生産性等をふまえ少なくとも1種類を選択し、また、これらから2種以上混合して用いても良い。これらの有機系高分子のうち、炭素−炭素二重結合基を3個以上有する化合物が重合反応した構造を含む高分子からなるものであることが好ましい。かかる有機系高分子は、炭素−炭素二重結合を含む官能基を3個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマーからなる群より選ばれる1種以上を含む組成物を原料とし、炭素−炭素二重結合を反応点として重合反応することで得ることができる。
炭素−炭素二重結合を含む官能基としては、例えば、ビニル基、イソプロペニル基、イソペンテニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、メタクリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、アリリデン基、アリリジン基、ビニルエーテル基や、これらの基の炭素−炭素二重結合を構成する炭素に結合する水素をフッ素や塩素等のハロゲン原子に置換したもの(例えば、フッ化ビニル基、フッ化ビニリデン基、塩化ビニル基、塩化ビニリデン基等)が挙げられる。これら以外にも、炭素−炭素二重結合の炭素にフェニル基やナフチル基等の芳香環を有する置換基が結合したもの(例えばスチリル基等)や、ブタジエニル基(例えば、CH=C(R1)−C(R2)=CH−、CH=C(R1)−C(=CH)−(R1、R2はHまたはCH))のように共役ポリエン構造を有する基を含むもの等が挙げられる。これらから要求する特性や生産性等を考慮して、1種類または2種以上を混合して使用すればよい。
重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合を3個以上有する化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールエトキシトリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシトリメタクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリメタクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパントリメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、グリセリンプロポキシトリメタクリレートや、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環等の環状骨格を分子内に有する化合物(例えば、トリアクリレート、トリメタクリレート、テトラアクリレート、テトラメタクリレート、ペンタアクリレート、ペンタメタクリレート、ヘキサアクリレート、ヘキサメタクリレート等)や、これら化合物の一部を変性した化合物(例えば2−ヒドロキシプロパン酸等で変性した2−ヒドロキシプロパン酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、2−ヒドロキシプロパン酸変性ペンタエリスリトールトリメタクリレート、2−ヒドロキシプロパン酸変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、2−ヒドロキシプロパン酸変性ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、また、シリコーン骨格を導入したシリコーントリアクリレート、シリコーントリメタクリレート、シリコーンテトラアクリレート、シリコーンテトラメタクリレート、シリコーンペンタアクリレート、シリコーンペンタメタクリレート、シリコーンヘキサアクリレート、シリコーンヘキサメタクリレート等)や、骨格内にビニル基および/またはビニリデン基と共にその他骨格を有する化合物(例えば、ウレタン骨格を有するウレタントリアクリレート、ウレタントリメタクリレート、ウレタンテトラアクリレート、ウレタンテトラメタクリレート、ウレタンペンタアクリレート、ウレタンペンタメタクリレート、ウレタンヘキサアクリレート、ウレタンヘキサメタクリレート、エーテル骨格を有するポリエーテルトリアクリレート、ポリエーテルトリメタクリレート、ポリエーテルテトラアクリレート、ポリエーテルテトラメタクリレート、ポリエーテルペンタアクリレート、ポリエーテルペンタメタクリレート、ポリエーテルヘキサアクリレート、ポリエーテルヘキサメタクリレート、エポキシ由来の骨格を有するエポキシトリアクリレート、エポキシトリメタクリレート、エポキシテトラアクリレート、エポキシテトラメタクリレート、エポキシペンタアクリレート、エポキシペンタメタクリレート、エポキシヘキサアクリレート、エポキシヘキサメタクリレート、エステル骨格を有するポリエステルトリアクリレート、ポリエステルトリメタクリレート、ポリエステルテトラアクリレート、ポリエステルテトラメタクリレート、ポリエステルペンタアクリレート、ポリエステルペンタメタクリレート、ポリエステルヘキサアクリレート、ポリエステルヘキサメタクリレート等)が挙げられる。これらを用途や要求する特性や生産性等を考慮して、単体で重合したものもしくは単体で重合したものを2種以上混合した組成物、また2種以上が共重合した2量体以上のオリゴマーから形成される組成物を使用することができるが、特にこれらに限定されるものではない。これら化合物のうち、重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を4個以上、すなわち4官能以上の化合物を、さらに好ましく用いることができる。4官能以上の化合物は、例えば、前記4官能のテトラアクリレート、テトラメタクリレート、5官能のペンタアクリレート、ペンタメタクリレート、6官能のヘキサアクリレート、ヘキサメタクリレート等が挙げられ、さらに7官能以上のものでもよい。
これら化合物は、具体的に市販されているものとして例えば、共栄社化学(株)製のライトアクリレートシリーズ、ライトエステルシリーズ、エポキシエステルシリーズ、ウレタンアクリレートAHシリーズ、ウレタンアクリレートATシリーズ、ウレタンアクリレートUAシリーズ、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ、PETIA、TMPTA、TMPEOTA、OTA 480、DPHA、PETA−K、綜研化学(株)製のフルキュアシリーズ、東洋インキ製造(株)製の“LIODURAS”(リオデュラス)(登録商標)シリーズ、中国塗料(株)製のフォルシードシリーズ、マツイカガク(株)製のEXPシリーズ、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYL1360、信越化学(株)製のX−12−2456シリーズ等が挙げられる。
[基材]
本発明の導電積層体における基材の素材として、具体的には例えば透明な樹脂、ガラスなどを挙げることができる。樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系・メタクリル系樹脂、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース、ABS、ポリ酢酸ビニル、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等の塩素原子(Cl原子)を含有する樹脂、フッ素原子(F原子)を含有する樹脂、シリコーン系樹脂及びこれら樹脂の混合及び/又は共重合したものが挙げられ、ガラスとしては、通常のソーダガラスを用いることができる。また、これらの複数の基材を組み合わせて用いることもできる。例えば、樹脂とガラスを組み合わせた基材、2種以上の樹脂を積層した基材などの複合基材であってもよい。基材の形状については、厚み250μm以下で巻き取り可能なフィルムであっても、厚み250μmを超える基板であっても上記全光線透過率の範囲で有ればよい。コスト、生産性、取り扱い性等の観点からは250μm以下の樹脂フィルムが好ましく、より好ましくは190μm以下、さらに好ましくは150nm以下、特に好ましくは100μm以下の樹脂フィルムである。基材として樹脂フィルムを用いる場合、樹脂を未延伸、一軸延伸、二軸延伸してフィルムとしたものを適用することができる。これら樹脂フィルムのうち、基材への成形性、透明性等の光学特性、生産性等の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、またPENとの混合及び/又は共重合したPETフィルム、ポリプロピレンフィルムを好ましく使用することができる。
[導電積層体の製造方法]
本発明の導電積層体を製造する方法は、特には限定されず、(i)基材上に金属系線状構造体と無機粒子マトリックスを形成する原料とを混合したものを積層して導電層を形成しても良く、また、(ii)予め金属系線状構造体からなるネットワーク構造のみを基材上にまず形成した後に無機粒子とマトリックスを形成する原料との混合物を含浸することで導電層を形成しても良い。
上記(i)において基材上に金属系線状構造体と無機粒子マトリックスを形成する原料とを混合したものを積層する方法、(ii)において、(ii−1)金属系線状構造体からなるネットワーク構造のみを基材上にまず形成するための方法、および、(ii−2)その後無機粒子とマトリックスを形成する原料との混合物を含浸するための方法、に適用される塗布方法としては、前記各材料を含む分散液を調製し、キャスト、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレー、ブレードコート、スリットダイコート、グラビアコート、リバースコート、スクリーン印刷、鋳型塗布、印刷転写、インクジェットなどのウエットコート法等、の一般的な方法で塗布して形成する方法を挙げることができる。これらの塗布方法のなかでも、上記各方法において分散液を均一に塗布できかつ基材への傷が入りにくいスリットダイコート、もしくは導電層を均一にかつ生産性良く形成できるマイクログラビアを使用したウエットコート法が好ましい。
本発明における導電層のマトリックスは、前述のマトリックスの成分を含む原料を反応させて形成する(以降、マトリックスの成分を含む原料を反応させてマトリックスを形成することを「マトリックスを硬化する」と記す)。マトリックスを硬化する方法として、加熱による硬化(以降、加熱硬化と記す)や、紫外光、可視光、電子線等の照射による硬化(以降、光硬化と記す)が挙げられる。加熱硬化の場合は、硬化開始温度に系全体を加熱するのに時間を要する一方、光硬化の場合は、後述するような光硬化の開始剤(以降、光重合開始剤と記す)を含有させ、そこに紫外領域の光、可視領域の光、電子線等を照射することで系全体に同時に活性種を発生させることができるため、硬化開始に要する時間を短縮でき、硬化時間も短縮できることから光硬化がより好ましい。ここで、光重合開始剤とは、紫外領域の光、可視領域の光、電子線等を吸収し、反応の開始させる活性種であるラジカル種、カチオン種、アニオン種等の活性種を生成し、化学反応を開始させる物質である。使用可能な光重合開始剤としては例えば、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1などのα−ヒドロキシケトン系やα−アミノケトン系、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、メチルフェニルグリオキシレートなどが挙げられ、極大吸収波長の値、吸光度、色見、着色度合い等の観点から、これら光重合開始剤のうち1または2種以上を組み合わせて使用することができる。かかる光重合開始剤の、市販品としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとしてCiba “IRGACURE”(登録商標)184(チバ・ジャパン(株)製)、2−メチル1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリフォリノプロパン−1−オンとしてCiba “IRGACURE”(登録商標)907(チバ・ジャパン(株)製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1としてCiba “IRGACURE”(登録商標)369(チバ・ジャパン(株)製)等が挙げられ、これらをマトリックスの種類や性質によって1種のみ単独もしくは吸収波長領域の異なる2種以上を含有させたり、前記紫外領域の光、可視領域の光、電子線等の照射量を調整させたり、さらには前記紫外領域の光、可視領域の光、電子線等を照射するにあたり、窒素やアルゴン等の不活性ガスにて置換した雰囲気下や酸素脱気した雰囲気下等の酸素濃度を低くした特定の雰囲気下とする方法も有効であり、これらを適宜組み合わせることで本発明の導電積層体を得ることができる。
本発明にかかる導電積層体は、前記導電層側から入射した際のJIS K7361−1(1997年)に基づいた全光線透過率が80%以上である透明導電積層体であることが好ましい。本発明の導電積層体として組み込んだタッチパネルは、優れた透明性を示し、この透明導電積層体を用いたタッチパネルの下層に設けたディスプレイの表示を鮮やかに認識することができる。本発明における透明性とは、前記導電層側から入射した際のJIS K7361−1(1997年)に基づいた全光線透過率が80%以上であることを意味し、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上である。
また、本発明においては、基材に対し導電側(本発明では導電層が積層されている側)とは反対の面に、耐摩耗性、高表面硬度、耐溶剤性、耐汚染性等を付与したハードコート処理が施されていてもよい。
本発明の導電積層体は、その導電層側の表面抵抗値が、1×10Ω/□以上、1×10Ω/□以下であることが好ましく、より好ましくは1×10Ω/□以上、1.5×10Ω/□以下である。この範囲にあることで、タッチパネル用の導電積層体として好ましく用いることができる。すなわち、1×10Ω/□以上であれば消費電力を少なくすることができ、1×10Ω/□以下であれば、タッチパネルの座標読みとりにおける誤差の影響を小さくすることができる。
本発明において用いる基材及び/或いは導電層には、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤を添加することができる。添加剤としては、例えば、有機の微粒子、架橋剤、難燃剤、難燃助剤、耐熱安定剤、耐酸化安定剤、レベリング剤、滑り賦活剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、核剤、染料、充填剤、分散剤およびカップリング剤などを用いることができる。
本発明の導電積層体は、導電層に所望のパターンをマスクした後、エッチングすることにより、非マスク部の線状金属構造体を切断することで、非導電領域を形成することができる。このようにすることで導電層に導電領域と非導電領域とを形成し、パターン化導電積層体を製造することができる。
本発明の導電積層体および/またはパターン化導電積層体は、表示体に好ましく用いることができ、中でも、タッチパネル及び電子ペーパーに好ましく使用することができる。そのうち、タッチパネルの一例を示した断面模式図を図3に示す。タッチパネルは、金属系線状構造体からなるネットワーク構造を有する導電層を積層した本発明の導電積層体(たとえば、図1)を単独もしくは複数枚、さらには他の部材と組み合わせて搭載したものであり、その例として抵抗膜式タッチパネルや静電容量式タッチパネル等が挙げられる。本発明の導電積層体の導電層は、図2に示すように符号4、5、6、7に示すような金属系線状構造体(の何れかあるいは複数)を含み、符号9、10、11に示すような接点(の何れかあるいは複数)を有するネットワーク構造を形成している。本発明の導電積層体を搭載してなるタッチパネルは、たとえば図3に示すように導電積層体13を、接着剤や粘着剤等の接合層16によって接合して積層したものであり、さらに、タッチパネルの画面側の基材17、タッチパネルの画面側の基材に積層したハードコート層18が設けられる。かかるタッチパネルは、例えば、リード線と駆動ユニット等を取り付け、液晶ディスプレイの前面に組み込んで用いられる。
以下、本発明を実施例に基づき、具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
まず、各実施例および比較例における評価方法を説明する。
(1)導電成分の形態
絶縁抵抗計(三和電気計器(株)製、DG6)を用いて、サンプルの各面に探針をあて、通電の有無からサンプルの導電面を特定する。
次いでサンプルの導電領域(A)及び非導電領域(B)の各々の表面を、走査透過電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製 日立走査透過電子顕微鏡HD−2700)もしくは電界放射型走査電子顕微鏡(日本電子(株)製 JSM−6700−F)を用いて加速電圧3.0kV、観察倍率と画像のコントラストを適宜調節して各倍率にて観察した。
前記方法にて観察が困難な場合は、次いでカラー3D レーザー顕微鏡((株)キーエンス製 VK−9700/9710)、観察アプリケーション((株)キーエンス製 VK−H1V1)、形状解析アプリケーション((株)キーエンス製 VK−H1A1)を用いて、付属の標準対物レンズ10X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan 10X)、20X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan 20X)、50X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan Apo 50X)、150X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan Apo 150X)にて各倍率で導電側の同位置を表面観察し、その画像データから画像解析した。
(2)導電成分、無機粒子の同定
サンプルから導電層を剥離し、溶解する溶剤に溶解させた。必要に応じ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、ゲル浸透クロマトグラフィー、液体高速クロマトグラフィー等に代表される一般的なクロマトグラフィー等を適用し、それぞれ単一物質に分離精製して、以下の定性分析に供した。
その後導電成分を適宜濃縮および希釈を行いサンプルを調製した。次いで、以下の評価方法を用いサンプル中に含まれる成分を特定した。
分析手法は、以下の分析の手法を組み合わせて行い、より少ない組み合わせで測定できるものを優先して適用した。
核磁気共鳴分光法(H−NMR、13C−NMR、29Si−NMR、19F−NMR)、二次元核磁気共鳴分光法(2D−NMR)、赤外分光光度法(IR)、ラマン分光法、各種質量分析法(ガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC−MS)、熱分解ガスクロマトグラフィー−質量分析法(熱分解GC−MS)、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI−MS)、飛行時間型質量分析法(TOF−MS)、飛行時間型マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI−TOF−MS)、ダイナミック二次イオン質量分析法(Dynamic−SIMS)、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、その他スタティック二次イオン質量分析法(Static−SIMS)等)、X線回折法(XRD)、中性子回折法(ND)、低速電子線回折法(LEED)、高速反射電子線回折法(RHEED)、原子吸光分析法(AAS)、紫外光電子分光法(UPS)、オージェ電子分光法(AES)、X線光電子分光法(XPS)、蛍光X線元素分析法(XRF)、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP−AES)、電子線マイクロアナリシス法(EPMA)、荷電粒子励起X線分光法(PIXE)、低エネルギーイオン散乱分光法(RBSまたはLEIS)、中エネルギーイオン散乱分光法(MEIS)、高エネルギーイオン散乱分光法(ISSまたはHEIS)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透過電子顕微鏡−エネルギー分散X線分光分析(TEM−EDX)、走査電子顕微鏡−エネルギー分散X線分光分析(SEM−EDX)、ガスクロマトグラフィー(GC)その他元素分析。
(3)表面抵抗値R
導電積層体の導電層側の表面抵抗値を、非接触式抵抗率計(ナプソン(株)製 NC−10)を用い渦電流方式で100mm×50mmのサンプルの中央部分を測定した。5サンプルについて平均値を算出し、これを表面抵抗値R[Ω/□]とした。検出限界を超えて表面抵抗値が得られなかった場合は、次いで以下の方法にて測定した。
高抵抗率計(三菱化学(株)製 Hiresta−UP MCP−HT450)を用い、リングタイププローブ(三菱化学(株)製 URSプローブ MCP−HTP14)を接続して二重リング方式で100mm×100mmのサンプルの中央部分を測定した。5サンプルについて平均値を算出し、これを表面抵抗値R[Ω/□]とした。
(4)全光線透過率、ヘイズ
濁度計(曇り度計)NDH2000(日本電色工業(株)製)を用いてJIS K7361−1(1997年)に基づいて、導電積層体厚み方向の全光線透過率、ヘイズを導電層側から光を入射させて測定した。5サンプルについて測定し、5サンプルの平均値を算出し、これを各水準の全光線透過率、ヘイズとした。本測定に当たっては、2桁目を四捨五入して値を求めた。
(5)耐久性評価用のパターン
各実施例および比較例にて使用した評価用のパターンは、図5に示すように、櫛の歯の部分が、噛み合うように対向して配置されたものである。図5において、白の地が非導電領域、黒の塗りつぶし領域が導電領域を表している。陽極側、陰極側にそれぞれ10本の配線幅500μm、長さ20mmの直線状の導電領域櫛の歯のように配置されている。そして陽極側、陰極側の櫛の歯は対向する各櫛の歯の間のスペースが200μm、配線の重なり長15mmとなるように向かい合って配置されている。
(6)耐久性評価用サンプル作製方法
各実施例および比較例の導電積層体の導電層側にドライフィルムレジスト(旭化成製サンフォートSPG−152)をロール温度100℃で熱ラミネートし、フォトマスクを介して露光量200mJ条件でUV露光し、前記(5)に記載の耐久性評価用のパターン形状に感光させた。次に25℃の0.7質量%炭酸ナトリウム水溶液で現像しパターン形成用のマスキングを行った。次いで36質量%塩酸:60質量%硝酸:水を20:3:17の質量比率で配合したエッチング液を45℃に加熱し、1〜5分間サンプルを浸漬させてエッチング処理を行った。次に3.0質量%水酸化ナトリウム水溶液を50℃に加熱し、2分間サンプルを浸漬させてパターン形成用のマスクを剥離した。作製したサンプルの端子への配線はそれぞれに銀ペースト(DW−117H−41東洋紡績(株)製)を塗布し、熱風オーブンで150℃、30分硬化させて耐久性の評価用に使用する電極とした。
(7)耐久性評価用モジュール作製方法
耐久性の評価に使用する評価用モジュールは、図6に示すように、青板ガラス25、前記(6)により作製した耐久性評価用フィルムサンプル26、ハードコート層付きフィルム27がそれぞれ透明粘着剤34を介して積層された構造で、さらに電気試験用のリード線28が備え付けられた状態で積層体の端部がエポキシ樹脂29で封止されたものである。以下に評価用モジュールの作製方法について記載する。まず、前記(6)により作製した耐久性評価用フィルムサンプル26の基材の導電層を設けていない側とハードコート層(中国塗料(株)製フォルシード423C)が片面に形成された厚み188μmの光学PETフィルムのPETフィルム側を透明粘着剤(日東電工(株)製LUCIACS CS9621T)で貼り合わせた。次いで、評価用サンプルの導電層側と厚み1.75mmの青板ガラスを透明粘着剤(日東電工(株)製LUCIACS CS9621T)で貼り合わせた。次に、積層したサンプルおよびハードコート付きフィルムの端部に2液硬化型エポキシ樹脂(主剤:チバスペシャルティケミカルズ(株)製XNR3101、硬化剤:同社製XNH3101)を塗布し、80℃の熱風オーブンで30分硬化させた。このとき、耐久性評価用サンプルの電極にリード線を取り付け、同時に固定させた。
(8)耐久性の評価
恒温恒湿槽(TABAI ESPEC EHS221MD)で槽内温湿度を60℃90%RH条件にし、信頼性評価システム(TABAI ESPEC AEI−020−P)を使用して評価用モジュールに電圧5Vを印加し、200時間の表面抵抗値を5分間隔で測定した。測定した表面抵抗値が2.00e+12Ωに達した時点で導通不良と判断し、それまでの試験時間を導通不良発生時間とした。また、抵抗値が1.00e+3Ωに達した時点でショートと判断し、それまでの試験時間をショート発生時間とした。これらの試験において導通不良発生時間とショート発生時間の何れもが200時間以上である場合良好とし、200時間未満の場合を不良とした。また、耐久性評価用サンプルでも同様の耐久性試験を実施し、導通不良発生時間、ショート発生時間を比較した。この場合の良好/不良の判断も同様とした。
なお、判定は耐久性評価用モジュール、耐久性評価用サンプルの何れにおいても良好となるものを合格1とし最も耐久性を有していることを示す。耐久性評価用モジュールでのみ良好となる場合を合格2とし合格1に次いで耐久性を有していることを示す。耐久性評価用サンプル及び耐久性評価用モジュールの両方法で不良となった場合、不合格とした。
[材料]
<基材>
厚み125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 “ルミラー”(登録商標)U48)を使用した。
<金属系線状構造体>
(1)金属系線状構造体A「銀ナノワイヤー」
銀ナノワイヤー(短軸:50〜100nm、長軸:20〜40μm)
(2)金属系線状構造体B「銅ナノワイヤー」
特開2002−266007号公報の製造例1、実施例2に記載の方法にて得た銅ナノワイヤー(短軸:10〜20nm、長軸:1〜100μm)。
<マトリックス>
(1)マトリックス材料A
アクリロイル基として重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を3個以上有する化合物を含有するアクリル系組成物(綜研化学(株)製 フルキュアHC−6、固形分濃度51質量%)。硬化物は、架橋構造を有する。
(2)マトリックス材料B
下記のように重合して得たメタクリル系重合体(固形分濃度100質量%)
メタクリロイル基として重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を1個有する化合物とMethyl Methacrylate(別名メタクリル酸メチル、2−メチル−2−プロペン酸メチル、略名MMA)の混合物に、開始剤として2,2’−Azobis(2−methylpropionitrile)(別名α,α’‐アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、略名AIBN)を使用して、脱気後55℃72時間加熱し、Poly(methyl methacrylate)(略名PMMA)を得た。硬化物は、架橋構造ではない。
(3)光重合開始剤A
・極大吸収波長300nmの光重合開始剤(チバ・ジャパン(株)製 Ciba IRGACURE(登録商標)907)。
(4)光重合開始剤B
・極大吸収波長320nmの光重合開始剤(チバ・ジャパン(株)製 Ciba IRGACURE(登録商標)369)。
<無機粒子>
(1)無機粒子A
ケイ素の酸化物であるSiO粒子を含有する分散液(扶桑化学工業(株)製 PL−30−IPA、固形分濃度35質量%、平均粒子径250nm)
(2)無機粒子B
ケイ素の酸化物であるSiO粒子を含有する分散液(扶桑化学工業(株)製 PL−13−MEK、固形分濃度24質量%、平均粒子径130nm)
(3)無機粒子C
ケイ素の酸化物であるSiO粒子を含有する分散液(日産化学工業(株)製 MEK−ST−ZL、固形分濃度30質量%、平均粒子径85nm)
(4)無機粒子D
バリウムの硫酸塩であるBaSO粒子(堺化学工業(株)製 BARIFINE(登録商標)BF−10、平均粒子径60nm)
(5)無機粒子E
セリウムの酸化物であるCeO粒子を含有する分散液(日産化学工業(株)製 ナノユース(登録商標)OC−T20K、固形分濃度20質量%、平均粒子径48nm)
(6)無機粒子F
ケイ素の酸化物であるSiO粒子を含有する分散液(扶桑化学工業(株)製 PL−2L−MEK、固形分濃度20質量%、平均粒子径16nm)
(7)無機粒子G
ジルコニウムの酸化物であるZrO粒子を含有する分散液(日産化学工業(株)製 ナノユース(登録商標)OZ−S20K−AC、固形分濃度32質量%、平均粒子径9nm)
(実施例1)
金属系線状構造体Aを含む水分散液として、銀ナノワイヤー分散液(米国Cambrios社製CleraOhm Ink−A AQ)を用意した。この銀ナノワイヤー分散液を、銀ナノワイヤーの濃度が0.054質量%となるように希釈して銀ナノワイヤー分散塗液を調製した。この銀ナノワイヤー分散塗液を、材質がsusのシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコートを使用して基材の片面に塗布、120℃で2分間乾燥し導電成分を積層形成した。
マトリックス材料A39.2g、光重合開始剤A0.24g、光重合開始剤B0.24g、無機粒子A5.7g、酢酸エチル1953.2gを混合、撹拌し、マトリックス組成物を調製した。
次いで、マトリックス組成物を、導電成分を積層した側に、材質がsusのシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコートを使用して塗布、120℃で2分間乾燥後、紫外線を80mJ/cm照射し硬化させ、マトリックス部分の厚みが120nmである導電層を形成した。
この導電層は、架橋構造を有するマトリックスと無機粒子であるSiO(マトリックスの固形成分に対し10質量%含有)とを含む導電層であり、導電積層体の耐久性は合格2となった。
(実施例2)
マトリックス組成物を、マトリックス材料A39.2g、光重合開始剤A0.24g、光重合開始剤B0.24g、無機粒子B8.3g、酢酸エチル1950.5gとしたこと以外は、実施例1と同様に導電層を形成し導電積層体を得た。
この導電層は、架橋構造を有するマトリックスと、実施例1よりも平均径aの小さい無機粒子であるSiO(マトリックスの固形成分に対し10質量%含有)とを含む導電層であり、導電積層体の耐久性は合格2となった。無機粒子の平均径aを実施例1よりも好ましいものとすることで実施例1と比較して光学特性が改善した。
(実施例3)
マトリックス組成物を、マトリックス材料A39.2g、光重合開始剤A0.24g、光重合開始剤B0.24g、無機粒子C6.6g、酢酸エチル1952.2gとしたこと以外は、実施例1と同様に導電層を形成し導電積層体を得た。
この導電層は、架橋構造を有するマトリックスと、実施例1、2よりも平均径aの小さい無機粒子であるSiO(マトリックスの固形成分に対し10質量%含有)とを含む導電層であり、導電積層体の耐久性は合格2となった。無機粒子の平均径aを実施例2よりも小さいものとすることで実施例2と比較して光学特性が改善した。
(実施例4)
マトリックス組成物を、マトリックス材料A39.2g、光重合開始剤A0.24g、光重合開始剤B0.24g、無機粒子D1.0g、酢酸エチル1868.9gとしたこと以外は、実施例1と同様に導電層を形成し導電積層体を得た。
この導電層は、架橋構造を有するマトリックスと、実施例1とは種類が異なる無機粒子であるBaSO(マトリックスの固形成分に対し5質量%含有)とを含む導電層であり、導電積層体の耐久性は合格2となった。無機粒子の種類と導電層内の含有量を変更することで実施例1に対して光学特性を調整することができた。
(実施例5)
マトリックス組成物を、マトリックス材料A39.2g、光重合開始剤A0.24g、光重合開始剤B0.24g、無機粒子E5.0g、酢酸エチル1864.9gとしたこと以外は、実施例1と同様に導電層を形成し導電積層体を得た。
この導電層は、架橋構造を有するマトリックスと、実施例4とは種類が異なりかつ金属系線状構造体の平均径rよりも小さい平均径aの無機粒子であるCeO(マトリックスの固形成分に対し5質量%含有)とを含む導電層であり、導電積層体の耐久性は合格2となった。無機粒子の種類を変更し、その平均径aを実施例4よりも小さいものとすることで実施例4と比較して光学特性が改善した。
(実施例6)
マトリックス組成物を、マトリックス材料A39.2g、光重合開始剤A0.24g、光重合開始剤B0.24g、無機粒子F10.0g、酢酸エチル1948.9gとしたこと以外は、実施例1と同様に導電層を形成し導電積層体を得た。
この導電層は、架橋構造を有するマトリックスと、平均径aが金属系線状構造体の平均径rよりも小さくかつ実施例1〜5よりもさらに平均径aの小さい無機粒子であるSiO(マトリックスの固形成分に対し10質量%含有)とを含む導電層であり、導電積層体の耐久性は合格1となった。無機粒子の平均径aを実施例5よりもさらに小さいものとすることで耐久性と光学特性とが共に改善した。
(実施例7)
マトリックス組成物を、マトリックス材料A39.2g、光重合開始剤A0.24g、光重合開始剤B0.24g、無機粒子G6.3g、酢酸エチル1952.6gとしたこと以外は、実施例1と同様に導電層を形成し導電積層体を得た。
この導電層は、実施例6よりも平均径aの小さい無機粒子であるZrO(マトリックスの固形成分に対し10質量%含有)とを含む導電層であり、導電積層体の耐久性は合格1となった。
(実施例8)
マトリックス組成物を、マトリックス材料A39.2g、光重合開始剤A0.24g、光重合開始剤B0.24g、無機粒子F20.0g、酢酸エチル2116.8gとしたこと以外は、実施例1と同様に導電層を形成し導電積層体を得た。
この導電層は、実施例6よりも無機粒子であるSiO(マトリックスの固形成分に対し20質量%含有)を多く含む導電層であり、導電積層体の耐久性は合格1となった。実施例6と比較して無機粒子の導電層内の含有量を変更することでも光学特性を調整することができた。
(実施例9)
金属系線状構造体Bを用いた他は、実施例1と同様にして基材上に導電成分を積層形成した。
次いで、マトリックス組成物を、マトリックス材料A39.2g、光重合開始剤A0.24g、光重合開始剤B0.24g、無機粒子G6.3g、酢酸エチル3252.7gから調製したものを用い、マトリックス部分の厚みが120nmの導電層を形成したこと以外は実施例7と同様にして、導電成分として銅ナノワイヤーを含む導電層からなる導電積層体を得た。
この導電層は、実施例7から金属系線状構造体を変更することで、表面抵抗値と光学特性の調整が可能となった。
(比較例1)
金属系線状構造体Aを含む水分散液として、銀ナノワイヤー分散液(米国Cambrios社製CleraOhm Ink−A AQ)を用意した。この銀ナノワイヤー分散液に、銀ナノワイヤーの濃度が0.0054質量%(実施例1に対し、銀ナノワイヤーの量が1/10。)となるように銀ナノワイヤー分散塗液を調製し、実施例1と同様に基材上に金属系線状構造体を塗布後、乾燥した。
次いで、実施例1と同様にマトリックス部分の厚みが120nmである導電層を形成した(金属系線状構造体がネットワーク構造を有さず導電性を示さない場合も、便宜上、導電層と記す:以下同じ)。
本条件で得られた導電層中では、銀ナノワイヤーがネットワーク構造を形成しておらず、本比較例の積層体は導電性を示さなかったため、耐久性の評価及び全光線透過率とヘイズの評価は実施しなかった。
(比較例2)
実施例1と同様にして基材上に金属系線状構造体を塗布後、乾燥した。
次いで、無機粒子G100.0g、酢酸エチル1718.2gからなるマトリックスを含まない分散液を調製し、この分散液を用いて金属系線状構造体を塗布後、乾燥した側に実施例1と同様にして塗布、120℃で2分間乾燥後導電層を形成した。
この導電層は、金属系線状構造体からなるネットワーク構造を有する導電成分と無機粒子を含むが、マトリックスを含まないため耐久性評価用サンプル及び耐久性評価用モジュールが作製できなかったため、耐久性の評価は実施しなかった。
(比較例3)
マトリックス組成物を、マトリックス材料A39.2g、光重合開始剤A0.24g、光重合開始剤B0.24g、酢酸エチル1781.0gとしたこと以外は、実施例1と同様に導電層を形成し導電積層体を得た。
この導電層は、架橋構造を有するマトリックスを含むが無機粒子を含まないため耐久性が不合格となった。
(比較例4)
マトリックス組成物を、マトリックス材料B100.0g、無機粒子G10.0g、酢酸エチル1926.7gとしたこと以外は、実施例1と同様に導電層を形成し導電積層体を得た。
この導電層は、マトリックスと無機粒子であるSiO(マトリックスの固形成分に対し10質量%含有)とを含むが、マトリックスは架橋構造を有しないため耐久性が不合格となった。
Figure 2013230564
本発明の導電積層体は、耐久性が良好なことからタッチパネル、液晶ディスプレイ、電子ペーパーなどの表示体用途に好適に使用されるものである。さらに、本発明の導電積層体は、太陽電池モジュールなどにおいて用いられる電極部材にも好適に使用することができる。
1:基材
2:導電層
3:積層面に垂直な方向より観察した導電面
4:単一の繊維状導電体
5:繊維状導電体の集合体
6:ナノワイヤー
7:針状導電体
8:マトリックス
9:繊維状導電体の重なりによって形成した接点
10:ナノワイヤーの重なりによって形成した接点
11:針状導電体の重なりによって形成した接点
12:無機粒子
13:導電積層体
14:導電積層体の基材
15:導電積層体の導電層
16:導電積層体を積層するための接合層
17:画面側の基材
18:ハードコート層
19:導電層表面
20:単一の金属系線状構造体
21:集合体を形成する単一の金属系線状構造体
22:金属系線状構造体からなる集合体
23:単一の金属系線状構造体の径
24:金属系線状構造体からなる集合体の金属系線状構造体の径
25:青板ガラス
26:耐久性評価用フィルムサンプル
27:ハードコート層付きフィルム
28:リード線
29:エポキシ樹脂
30:PETフィルム
32:パターン化導電層
33:ハードコート層
34:透明粘着剤
35:銀ペースト

Claims (7)

  1. 基材の少なくとも片面に導電層を有する導電積層体であって、該導電層は金属系線状構造体からなるネットワーク構造を有する導電成分と、無機粒子とが、架橋構造を有する高分子からなるマトリックス中に含有されてなることを特徴とする導電積層体。
  2. 前記金属系線状構造体が、銀ナノワイヤーである請求項1に記載の導電積層体。
  3. 前記無機粒子の平均径aが前記金属系線状構造体の平均径r未満である請求項1または2に記載の導電積層体。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の導電積層体の導電層に、導電領域と非導電領域を形成するパターン化導電積層体の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の導電積層体、もしくは請求項4に記載の製造方法により得たパターン化導電積層体、を用いてなる表示体。
  6. 請求項5に記載の表示体を用いたタッチパネル。
  7. 請求項5に記載の表示体を用いた電子ペーパー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023090253A1 (ja) * 2021-11-22 2023-05-25 富士フイルム株式会社 積層体及びその製造方法、並びに電子デバイス

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