JP2015082344A - 導電積層体及びそれを用いてなる表示体 - Google Patents

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昇三 増田
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Abstract

【課題】タッチパネル等に組み込んだ際の表示画像を鮮明にすることができる導電積層体の提供。
【解決手段】基材の少なくとも片面に導電層を有する下記(i)〜(v)を満たす導電積層体。(i)前記導電層がネットワーク構造を有する線状金属構造体を含む。(ii)前記導電層が金属塩及び/又は金属を含む。(iii)前記導電層の該ネットワーク構造により形成される開口面積の平均値Aが2μm2以上で、開口面積のバラツキ偏差σが9μm2以上である。(iv)前記導電層の表面抵抗値R0が100Ω/□以下である。(v)温度80℃湿度0%雰囲気下に24時間放置した際の前記導電層の表面抵抗値上昇率Bが100〜150%である。
【選択図】なし

Description

本発明は、線状金属構造体からなるネットワーク構造を有する導電成分と、マトリックスとからなる導電層を配置した導電積層体に関する。さらに詳しくは、タッチパネル等に組み込んだ際の表示画像を鮮明にすることができる導電積層体に関するものである。またさらに、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどのディスプレイ関連および太陽電池モジュールなどに使用される電極部材にも使用される導電積層体およびその製造方法に関するものである。
近年、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス、電子ペーパーなどのディスプレイ関連や太陽電池モジュールなどには電極用の導電部材が使用されている。
導電部材としては基材上に導電層を積層したものがあり、その導電層としては酸化インジウム錫(以下ITOと略す)や金属薄膜、等の従来の導電性薄膜を用いたものの他に、カーボンナノチューブ(以下CNTと略す)や金属系ナノワイヤーなどの線状の導電成分を用いたものが提案されている。例えば、CNTを導電成分とし紫外線硬化樹脂を混合した塗料を基材上に積層した導電積層体が提案されている(特許文献1)。また、金属系ナノワイヤーを導電成分とした導電層上に樹脂層を積層した導電積層体が提案されている(特許文献2)。さらに、透明導電膜の接点を接合することにより、導電性を向上させた導電積層体が提案されている(特許文献3、4)。
国際公開2005/104141号パンフレット 特表2009−505358号公報 特開2009−94033号公報 特開2011−210454号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている導電積層体は、低い表面抵抗値(すなわち高い導電性)を達成するためには、CNTの含有量を高くする必要があり、光の吸収が大きくなることから、画像の鮮明さが低く、一方、特許文献2に記載されている導電積層体は導電性の高い線状金属構造体を導電材料として使用しているため低い表面抵抗値(すなわち高い導電性)を有するものの、画像の鮮明さに欠けていた。特許文献3に記載されている導電積層体は金属粒子を添加し導電材料の接点部分を接合させることにより、導電材料の接点部分における抵抗が低下して表面抵抗値が低下しているものの、表面抵抗値低下に寄与していない金属粒子が多く、透明性が不十分であった。また、特許文献4に記載されている導電積層体は金属塩を導電材料を含む塗工液に予め添加し、金属塩を還元させることで導電材料に対して選択的に金属粒子を析出させているものの、導電材料の接点部分に選択的に析出させるには至っていない。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような構成を採用する。すなわち、
(1)基材の少なくとも片面に導電層を有する下記(i)〜(v)を満たす導電積層体。
(i)前記導電層がネットワーク構造を有する線状金属構造体を含む。
(ii)前記導電層が金属塩および/または金属を含む。
(iii)前記導電層の該ネットワーク構造により形成される開口部の開口面積のうち式(1)を満たす開口部について、開口面積の平均値Aが2μm以上で、かつ、式(2)で定義される開口面積のバラツキ偏差σが9μm以上である。
X<Xmax × 0.9 式(1)
(式中、Xは各開口面積、Xmaxは各開口面積の最大値を示す。)
σ={(Σ(X−A))/N}0.5 (ここで、Σはi=1〜N) 式(2)
(式中、Xは各開口面積、Aは開口面積Xの平均値、Nは開口部の総数を示す。)
(iv)前記導電層の表面抵抗値Rが100Ω/□以下である。
(v)温度80℃湿度0%雰囲気下に24時間放置した際の前記導電層の表面抵抗値上昇率Bが100%以上150%以下である。
(2)5%延伸させた際の表面抵抗値上昇率Cが100%以上150%以下であることを特徴とする(1)に記載の導電積層体。
(3)前記金属塩が銀塩であることを特徴とする(1)または(2)のいずれかに記載の導電積層体。
(4)前記金属が銀であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の導電積層体。
(5)前記導電層に還元剤を含むことを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の導電積層体。
(6)前記導電層に、高分子マトリックスを含む(1)〜(5)のいずれかに記載の導電積層体。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の導電積層体の製造方法であって、線状金属構造体を形成した後に金属塩および/または金属を含む液体を塗布し、乾燥させて前記線状金属構造体の交差部分に金属を析出させることを特徴とする導電積層体の製造方法。
また、本発明は以下の表示体および表示体を用いたタッチパネル、電子ペーパーを提供する。
(8)(1)〜(6)のいずれかに記載の導電積層体または(7)に記載の製造方法を用いて製造した導電積層体を用いた表示体。
(9)(8)に記載の表示体を用いたタッチパネル。
(10)(8)に記載の表示体を用いた電子ペーパー。
本発明によれば、線状金属構造体の交差部分を選択的に接合することができ、高い透明性を保持しつつも、導電性に優れた導電積層体を提供できる。
本発明の導電積層体に用いられる線状金属構造体の一例を示す模式図である。 本発明における線状金属構造体のネットワーク構造により形成される開口部の一例を示す模式図である。 本発明の線状金属構造体の交差部分を撮影した表面FE−SEM画像の一例である。 本発明の一態様であるタッチパネルの一例を示す断面模式図である。 本発明の一態様である電子ペーパーの一例を示す断面模式図である。
[導電積層体]
本発明の導電積層体は、基材の少なくとも片面に導電層を有する。導電層は、ネットワーク構造を有する線状金属構造体を含む。さらに、導電層は金属塩および/または金属を含むものである。ネットワーク構造を有する線状金属構造体は、いわゆる導電成分として働いて抵抗値を低くする。また、金属は線状金属構造体の交差部分を接合し、接点での抵抗値を低くするので、導電層として必要な導電性が発現する。
[ネットワーク構造を有する線状金属構造体]
導電層の導電成分の一つはネットワーク構造を有する線状金属構造体である。導電成分を導電性の高いネットワーク構造を有する線状金属構造体とすることで線状金属構造体の配合量に比して導電性に優れた導電層を得ることができるので、高い透明性を維持しつつも低い表面抵抗値の導電積層体を得ることができる。
本発明において、線状金属構造体はネットワーク構造を有して存在している。ネットワーク構造を有していることで、導電層内の面方向への導電パスが形成され、低い表面抵抗値を得ることができる。本発明においてネットワーク構造とは、導電層内の個別の線状金属構造体について見たとき、別の線状金属構造体との接点の数の平均が少なくとも1を超えるような、分散構造を有することをいう。
また、本発明において、前記ネットワーク構造を有する線状金属構造体の交差部分は線状金属構造体同士が直接接して接合している部分もあれば、金属を介して線状金属構造体同士が接合している部分もある。金属を介して一部の線状金属構造体同士が接合されていることで、導電パスにおける交差部分の抵抗値を小さくすることができ、線状金属構造体の配合量に比して導電性に優れた導電層を得ることができるので、高い透明性を維持しつつも低い表面抵抗値の導電積層体を得ることができる。このとき接点は線状金属構造体のいかなる部分同士で形成されていてもよく、線状金属構造体の末端部同士が接していたり、末端と線状金属構造体の末端以外の部分が接していたり、線状金属構造体の末端以外の部分同士が接していてもよい。ここで、接するとはその接点が接合していても、単に接触しているだけでもよい。尚、導電層中の線状金属構造体のうち、ネットワークの形成に寄与していない(すなわち接点が0で、ネットワークとは独立して存在している)線状金属構造体が一部存在していてもよい。ネットワーク構造は、後述する方法にて観察することができる。
本発明の導電積層体の導電層を構成する導電成分がネットワーク構造を有する線状金属構造体を含むことから、導電層内にネットワーク構造を有する線状金属構造体の含有比率が一定以下の場合には、面内において線状金属構造体が存在しない領域が散在する場合があるが、かかる領域が存在しても任意の2点間で導電性を示しうる。
また、ネットワーク構造を有する線状金属構造体は、短軸の長さ(線状金属構造体の直径)および長軸の長さ(線状金属構造体の長さ)は、種々の範囲を採りうるが、短軸の長さはパターンよりも小さく1nm〜1,000nmが好ましく、また長軸の長さは短軸の長さに対し、アスペクト比(長軸の長さ/短軸の長さ)が10より大きくなるような長さであればよく、1μm〜100μmが好ましい。
線状金属構造体としては、例えば、繊維状導電体、ナノワイヤー、ウィスカーやナノロッドのような針状導電体等が挙げられる。尚、繊維状とは、前述のアスペクト比=長軸の長さ/短軸の長さが10より大きく、さらに図1における符号2、3に例示している通り、直線部および/または屈曲部を有する形状である。ナノワイヤーとは、図1における符号4に例示するような、弧の形状をしている構造体であり、針状とは、図1における符号5に例示するような、直線形状をしている構造体である。
尚、線状金属構造体は、単独で存在する場合の他に、集合体を形成して存在する場合がある。集合体とは、例えば線状金属構造体の配置の方向性に規則性がなくランダムに集合した状態であってもよく、また線状金属構造体の長軸方向の面同士が平行に集合した状態であってもよい。長軸方向の面同士が平行に集合した状態の例としては、バンドルという集合体となることが知られており、線状金属構造体がバンドル構造を有していてもよい。
本発明における線状金属構造体の平均径rは、前述の集合体を形成している場合であっても線状金属構造体の単独の径を径rとする。尚、線状金属構造体の径rは、以下の方法にて求める。
先ず、サンプルの観察したい部分近傍を氷で埋包し凍結固着後、日本ミクロトーム研究所(株)製ロータリー式ミクロトームを使用し、ナイフ傾斜角度3°にダイヤモンドナイフをセットして積層体平面に垂直な方向に切断する。次いで得られた積層体断面の導電領域(A)を、電界放射型走査電子顕微鏡(日本電子(株)製 JSM−6700−F)を用いて加速電圧3.0kVにて観察倍率10,000〜100,000倍にて、画像のコントラストを適宜調節して観察する。1検体につき、異なる部分から得た線状金属構造体の断面を含む画像を10視野分準備する。次いで、10視野内の全て線状金属構造体の断面の径を求め、その全平均値を平均径rとする。なお、本測定に当たっては、有効数字3桁が確保できる倍率を選択し、計算に当たっては、4桁目を四捨五入して値を求める。
本発明における線状金属構造体の材質は金属、合金、金属酸化物、金属窒化物、金属水酸化物、等の成分を含有するものである。金属としては、元素の短周期型周期律表におけるIIA属、IIIA属、IVA属、VA属、VIA属、VIIA属、VIII属、IB属、IIB属、IIIB属、IVB属またはVB属に属する元素が挙げられる。
具体的には、金、白金、銀、ニッケル、銅、アルミニウム、ガリウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、マンガン、アンチモン、パラジウム、ビスマス、テクネチウム、レニウム、鉄、オスミウム、コバルト、亜鉛、スカンジウム、ホウ素、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、テルル、錫、マグネシウムなどが挙げられる。合金としては、前記金属を含む合金(ステンレス鋼、黄銅、等)が挙げられる。金属酸化物としては、InO、SnO、ZnO、などが挙げられ、またこれらの金属酸化物複合体(InOSn、SnO−Sb、SnO−V、TiO(Sn/Sb)O、SiO(Sn/Sb)O、KO−nTiO−(Sn/Sb)O、KO−nTiO−Cなど)も挙げられる。またこれらは表面処理を施されていてもよい。
さらに、有機化合物(例えば、植物繊維、合成繊維等)や非金属材料(例えば、無機繊維等)の表面に前記金属や金属酸化物でコーティングまたは蒸着したものも線状金属構造体に含まれる。
これら線状金属構造体のうち、透明性等の光学特性や導電性等の観点から銀ナノワイヤーを特に好ましく使用することができる。これら金属系ナノワイヤーは例えば、特表2009−505358号公報、特開2009−146747号公報、特開2009−70660号公報に開示されている製法により得ることができる。
また、線状金属構造体を単独、または複数を組み合わせて混合して使用することもでき、さらに、必要に応じて他のマイクロ〜ナノサイズの導電性材料を添加してもよい。
[導電層のネットワーク構造]
本発明の導電層は、ネットワーク構造を有する前記線状金属構造体を含む。さらに、導電層は前記線状金属構造体とは異なる金属塩および/または金属を含む。線状金属構造体のネットワーク構造により形成される開口部の開口面積のうち式(1)を満たす開口部について求めた開口面積の平均値Aが2μm以上30μm以下で、且つ、式(2)で定義される開口面積のバラツキ偏差σが9μm以上85μm以下であることが好ましい。(以降、線状金属構造体のネットワーク構造により形成される開口部の開口面積のうち式(1)を満たす開口部について求めた開口面積の平均値Aを、平均値A、式(2)で定義される開口面積のバラツキ偏差σを、バラツキ偏差σ、と略記することもある)。
X<Xmax × 0.9 ・・・式(1)
(式中、Xは各開口面積、Xmaxは各開口面積の最大値を示す。)
σ={(Σ(X−A))/N}0.5 (ここで、Σはi=1〜N)
・・・式(2)
(式中、Xは式(1)を満たす開口部の各開口面積、Aは式(1)を満たす開口部の開口面積Xの平均値、Nは式(1)を満たす開口部の総数を示す)。
平均値Aが2μm以上かつ、バラツキ偏差σが9μm以上となることで線状金属構造体が疎になり透明性が向上する。また、開口面積の平均値Aの上限は30μm、バラツキ偏差σの上限は85μmが好ましい。平均値Aが30μm、バラツキ偏差σが85μmを超えると、ネットワーク構造として成立せず、導電性を示さなくなる場合がある。尚、本発明における開口部とは図2における符号11のように符号10の線状金属構造体によって分割された、閉じた領域の事であり、前記平均値Aは後述する実施例の「(3)平均値A及びバラツキ偏差σ」に記載の画像処理による方法にて求められる値と定義する。
図2において、線状金属構造体によって分割された領域には、線状金属構造体のみに囲まれた領域と線状金属構造体と視野の輪郭により囲まれた領域が存在する。前記式(1)は、後述する実施例の「(3)平均値A及びバラツキ偏差σ」における画像処理の2値化時に境界の線の濃度が低い部分で領域の結合が生じる場合、算出したデータの再現性が損なわれるため、そのような領域を計算の対象から除去する意味を持つ。
線状金属構造体と視野の輪郭により囲まれた領域は、画像処理において上記のような領域の結合が生じやすく、前記式(1)における係数の0.9は、かかる場合の領域の結合も除去できるように設定したものである。具体的には、前記係数を1〜0.7の数値範囲にて変更して平均値Aの算出をそれぞれ複数回行い、上記のような領域の結合の影響が出なくなる最大の値を採って設定したものである(最大の値としたのは、過度に小さくすると正常な領域を対象からはずす可能性が増大するためである)。すなわち、かかる係数が、1に近い場合には、平均値Aに結合が生じた領域の影響があるため、これらの値の再現性が損なわれるが、係数を小さくしていくに従い、これらの値の再現性が向上する。かかる値の再現性を基準として係数の0.9を採用した。
開口部の開口面積Aの平均値の下限は、好ましくは3.5μm以上、より好ましくは4.5μm以上、さらに好ましくは5.5μm以上である。また、バラツキ偏差σの下限は好ましくは9.5μm以上、より好ましくは12μm以上、さらに好ましくは15μm以上である。また、開口部の開口面積Aの平均値の上限は、好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下である。また、バラツキ偏差σの上限は好ましくは70μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましく30μm以下である。
[導電属に含まれる金属塩および/または金属]
本発明における導電積層体の導電層は金属塩および/または金属を含んでいる。具体的には導電積層体の導電層を積層する際に金属塩および/または金属を含む液体をコーティングし乾燥させて加熱し、乾燥が比較的遅くなる線状金属構造体の交差部分に液体を集め、金属塩および/または金属を析出させて線状金属構造体の交差部分を接合させるが、その際に未反応の金属塩および/または焼結不足の金属を含んでいても構わない。ここで、金属塩および/または金属を含む液体に含まれる金属は金属微粒子の形態をとっていてもよい。
金属としては金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケルが好ましく、銀、銅がより好ましく、銀が特に好ましい。金属塩としては水溶性であっても油溶性であってもよい。金属塩および/または金属を含む液体中の金属塩および/または金属は1種のみでもよいし、複数の金属塩および/または金属の混合物であってもよい。十分な溶解性を有する金属塩が安定性の観点から好ましい。
金属塩とした時の対塩としてはハロゲン化物(例えば塩化物イオン、臭化物イオン等)や炭酸などの無機イオン、カルボン酸(例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ペンタン酸、3-メチルブタン酸、ビバル酸、ヒドロアンゲリカ酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、2−メチルペンタン酸、3−メチルペンタン酸、4−メチルペンタン酸、2,2−ジメチルブタン酸、2,3−ジメチルブタン酸、3,3−ジメチルブタン酸、2−エチルブタン酸、パルミチン酸、ベヘン酸等)およびスルホン酸(メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等)等の有機酸イオン、アルキルアミンやアセチルアセトンのような有機配位子等が挙げられる。
そのような金属塩としては、金塩としては、例えば塩化金(III)酸、テトラクロロ金(III)酸カリウムなどが挙げられる。銀塩としては、例えば硝酸銀、過塩素酸銀(I)、酢酸銀(I)、トリフルオロ酢酸銀(I)、酸化銀、銀アセチルアセトナート、安息香酸銀、臭素酸銀、臭化銀、炭酸銀、塩化銀、クエン酸銀、フッ化銀、ヨウ素酸銀、ヨウ化銀、乳酸銀、亜硝酸銀、リン酸銀、硫酸銀、および硫化銀などが挙げられる。
銅塩としては、例えば塩化銅(I)、塩化銅(II)、臭化銅(I)、臭化銅(II)、よう化銅(I)、塩化銅(II)カリウム、過塩素酸銅(II)、硝酸銅(II)、硫酸銅(II)、硫酸銅(II)アンモニウム、炭酸銅(II)、ギ酸銅(II)、酢酸銅(II)、2−エチルヘキサン酸銅(II)、ステアリン酸銅(II)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)、シュウ酸銅(II)、酒石酸銅(II)、安息香酸銅(II)、ナフテン酸銅、クエン酸銅(II)、銅(II)アセチルアセトナート、銅(II)ヘキサフルオロアセチルアセトナート、銅(II)ベンゾイルアセトナート、エチレンジアミン四酢酸二銅、酸化銅(II)、水酸化銅などが挙げられる。
白金塩としては、例えば塩化白金、酸化白金、ジアミンジニトロ白金(II)、ジクロロジアミン白金(II)、ジクロロテトラアンミン白金(II)、テトラクロロ白金酸(II)アンモニウム、ヘキサクロロ白金(IV)酸等が挙げられる。パラジウム塩化合物としては、例えば塩化パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)アンモニウム、臭化パラジウム(II)、テトラクロロパラジウム酸(II)リチウム、ヘキサクロロパラジウム酸(IV)アンモニウム、硝酸パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、トリフルオロ酢酸パラジウム(II)、酸化パラジウム(II)などが挙げられる。
ニッケル塩としては、例えば安息香酸ニッケル(II)、フッ化ニッケル(II)、フッ化ニッケル(IV)カリウム、塩化ニッケル(II)、臭化ニッケル(II)、過塩素酸ニッケル(II)、硝酸ニッケル(II)、硫酸ニッケル(II)、硫酸ニッケル(II)アンモニウム、炭酸ニッケル、酢酸ニッケル(II)、ステアリン酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル(II)、シュウ酸ニッケル(II)、トリフルオロメタンスルホン酸ニッケル、ニッケル(II)アセチルアセトナート、水酸化ニッケル(II)などが挙げられる。金属塩化合物および/または金属の添加量としては特に制限はないが、金属塩および/または金属を含む液体100質量%に対して、例えば5〜50質量%の間が好ましい。
[還元剤]
本発明における導電積層体は還元剤を含んでいてもよい。導電層の形成の際に金属塩および/または金属を用いた場合、還元剤を含むことで、金属塩が還元反応し、金属が線状金属構造体の交差部分に析出する。還元剤としては世間一般で広く還元剤として用いられているものであれば、特に制限はない。また有機アミンやアルコールのような弱い還元力しか有さない還元剤も用いることができる。
好ましい還元剤としては、例えばヒドラジン、メチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、1,2−ジメチルヒドラジン、t−ブチルヒドラジン、ベンジルヒドラジン、2−ヒドラジノエタノール、1−n−ブチルー1−フェニルヒドラジン、フェニルヒドラジン、1−ナフチルヒドラジン、4−クロロフェニルヒドラジン、1,1−ジフェニルヒドラジン、p−ヒドラジノベンゼンスルホン酸、1,2−ジフェニルヒドラジン、アセチルヒドラジン、ベンゾイルヒドラジンなどのヒドラジンおよびその誘導体が挙げられる。
また別の例としては、ヒドロキシルアミン、N−(t−ブチル)ヒドロキシルアミン、N,N−ジメチルヒドロキシルアミン、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N−メチルヒドロキシルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)ヒドロキシルアミン、N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルヒドロキシルアミン、ジスルホエチルヒドロキシルアミン、ジカルボキシエチルヒドロキシルアミンなどのヒドロキシルアミンおよびその誘導体が挙げられる。
さらにp−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、N,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−エチル−3−メチル−p−フェニレンジアミン等の芳香族ジアミン類も挙げられる。また他の例としては、例えばアスコルビン酸、エリソルビン酸、グリオキシル酸、ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルコース、ハイドロキノン、2−メチルハイドロキノン、没食子酸、シトラジン酸、等が挙げられる。
さらに還元力の弱い還元剤、例えばクエン酸、酒石酸等のヒドロキシカルボン酸、アセトイン等のヒドロキシケトン、ブチルアミン、ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、エチレンジアミン、トリエタノールアミン等のアルキルアミン、グリシン、アラニン等のアミノ酸、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールおよびその誘導体類、等が挙げられる。
これらの還元剤は無水物であっても、水和物であってもよい。また塩酸、硫酸、炭酸などの無機酸の塩であっても、あるいは酢酸、トルエンスルホン酸、酒石酸などの有機酸の塩であってもよい。また置換基として酸性基を有する場合、ナトリウム、カリウムなどの無機塩基、あるいはアンモニア、アルキルアミンなどの有機塩基の塩であってもよい。還元剤の含有量としては特に制限はないが、金属塩および/または金属に対してモル比で0.5〜5倍量が好ましい。
[溶媒]
導電層の形成の際に金属塩および/または金属を用いた場合、物性を安定化させる観点から、溶媒で希釈することが好ましい。溶媒としてはエチレングリコールなどのグリコール類およびその誘導体、窒素、酸素、硫黄などのヘテロ原子を含有する含ヘテロ複素環化合物およびその誘導体、等の水溶性有機溶媒が挙げられる。また溶媒の他の例としては、非水溶性のケトン、エステル、炭化水素(脂肪族、芳香族)などの溶媒も挙げることができる。
そのような溶媒の例として、例えばアルコール類(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、i−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、ドデシルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、グリセリン、ヘキサントリオール、チオジグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等)、エステル類(例えば、乳酸イソプロピル、乳酸ブチル等)、アミン類(例えば、アンモニア、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、モルホリン、N−エチルモルホリン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリエチレンイミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルプロピレンジアミン等)、アミド類(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキシルピロリドン、2−オキサゾリドン、1,3−ジメチル−2−ピロリドン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、尿素、アセトニトリル、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−メチルシクロヘキサノン等)が挙げられる。
このうち好ましい有機溶媒としては、アルコール類、多価アルコール類、多価アルコールエーテル類、エステル類、複素環類、ケトン類が挙げられる。これら溶媒の含有量としては、特に制限はない。以下溶媒を使用した金属塩および/または金属を含む液体を単に金属塩混合物をいう。
[添加剤]
金属塩混合物の物性を改良する目的で、種々の添加剤を含有してもよい。添加剤としては防かび剤、界面活性剤、平滑化剤、ラテックス、ポリマーなどが挙げられる。一般に金属イオンは抗菌作用を有していることが多く、防かび剤を必ずしも添加しなくとも細菌やカビの発生、繁殖を防止することができることが多い。さらに添加する場合には一般的に市販されている有機系の防かび剤を添加することが好ましく、例えばProxel(Arch Chemical社製)、Densil(同)、PreventolLanxess社製)、トップサイド(パーマケム社製)などの商品が挙げられる。
界面活性剤や平滑化剤は、金属塩混合物と基材との濡れ性を改善し、基材と金属パターンとの密着性を向上することができる。濡れ性は金属塩混合物の表面張力を指標として評価することができ、表面張力として20〜60mN/mの範囲にあることが好ましく、25〜50mN/mの範囲にあることが特に好ましい。表面張力の値が上記好ましい範囲よりも大きくなると、基材との密着性に劣る結果となる場合がある。一方、上記好ましい範囲よりも小さくなると金属塩混合物の流動性が上がりすぎ、基材表面を流れてしまい正確なパターン形成が困難となってくる場合がある。
そのような界面活性剤や平滑化剤としては、一般的に市販されている製品を用いることができ、例えばジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤などが挙げられる。特にアニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤を好ましく用いることができる。中でも“サーフィノール”(登録商標)(エアープロダクツ・アンド・ケミカルズ社製)や“ダイノール”(登録商標)((同)などの商品は好ましく用いることができる。
本発明における金属塩混合物には、ラテックスを含有してもよい。本発明におけるラテックスとは媒質中に分散状態にあるポリマー粒子のことを指す。ポリマーの種類としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、シリコン−アクリル共重合体およびアクリル変性フッ素樹脂等があるが、中でもアクリル酸エステル、ポリウレタンおよびシリコン−アクリル共重合体が好ましい。
また本発明おける金属塩混合物には、ポリマーを溶解状態で含有してもよい。そのようなポリマーの種類としては、例えば、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩を挙げることができる。
[配位子]
本発明の金属塩混合物には、配位子を含有してもよい。配位子とは金属に配位する化合物を言い、金属イオンを錯体化し、混合物溶液中での安定性を増大することができる。配位子としては一般的に配位子として挙げられている化合物ならば用いることができるが、中でもピリジン、アンモニア、アルキルアミンなどの窒素原子を含有する単座配位子、エチレンジアミン、ビピリジン、フェナントロリン、グリシン、グリコール酸、酒石酸、クエン酸などの酸素原子あるいは窒素原子を含有する二座配位子、ターピリジン、エチレンジアミン四酢酸、クラウンエーテル類などの三座以上の多座配位子などが好ましく用いることができる。これら配位子の含有量に特に制限はない。
[表面抵抗値]
本発明における導電積層体の導電層の表面抵抗値は100Ω/□以下である。導電層の表面抵抗値が100Ω/□以下であると、タッチパネルなどの表示体とした時の電力消費が抑えられるだけでなく、操作性も良くなる。また、タブレットや、タブレット型PCなどの大画面のタッチパネル等の表示体にも用いることができる。表面抵抗値の好ましい範囲としては0.1Ω/□以上100Ω/□以下であり、より好ましい範囲としては0.1Ω/□以上80Ω/□以下、さらに好ましい範囲としては10Ω/□以上70Ω/□以下、特に好ましい範囲としては10Ω/□以上50Ω/□以下である。なお、表面抵抗値は後述する実施例の「(4)表面抵抗値R」に記載の方法を用いて測定を行う。
[表面抵抗値上昇率B]
本発明における導電積層体を温度80℃湿度0%雰囲気下に24時間放置した際の表面抵抗値上昇率Bは100%以上150%以下である。150%より大きくなると、タッチパネルや電子ペーパーに組み込んで電極として用いた場合に、経時で端子間抵抗値が変化し、指認性が低下する場合がある。また、導電層に後述するような高分子マトリックスを含む場合でも、高分子マトリックスを薄膜化した場合などで長期信頼性が低下する場合がある。よって、表面抵抗値上昇率は100%に近ければ近い程好ましく、好ましくは100%以上140%以下、より好ましくは100%以上130%以下、さらに好ましくは100%以上120%以下である。なお、表面抵抗値上昇率は後述する実施例の「表面抵抗値上昇率B」に記載の方法を用いて測定を行う。
[表面抵抗値上昇率C]
本発明における導電積層体を5%延伸した際の表面抵抗値上昇率Cは100%以上150%以下であることが好ましい。150%より大きくなると、タッチパネルや電子ペーパーに組み込んで電極として用いた場合、成型加工した時や、折り曲げたりした時に端子間抵抗値が変化し、指認性が低下する場合がある。よって、表面抵抗値上昇率Cは100%に近ければ近い程好ましく、好ましくは100%以上140%以下、より好ましくは100%以上130%以下、さらに好ましくは100%以上120%以下である。なお、表面抵抗値上昇率Cは後述する実施例の「表面抵抗値上昇率C」に記載の方法を用いて測定を行う。
[高分子マトリックス]
本発明において、前記導電層は、線状金属構造体と高分子マトリックスから形成されていることが好ましい。高分子マトリックスが存在することで、導電積層体に要求される、耐アルカリ性、耐酸性、耐擦過性などの要件を満たすことが容易となる。導電層の高分子マトリックスを形成する材料は、重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を2個以上有する化合物が重合反応した構造を含む高分子から構成される。かかる高分子は、重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマーからなる組成物を、該炭素−炭素二重結合を反応点としてビニル重合(ジエン重合を含む)することで得られる高分子化合物である。
高分子マトリックスの成分としては、有機または無機系の高分子化合物などが挙げられる。
無機系高分子化合物としては、無機系の酸化物等が挙げられ、例えば、珪素酸化物である、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシシランなどのテトラアルコシシラン類、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ペンチルトリエトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフロロプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のトリアルコキシシラン類、メチルトリアセチルオキシシラン、メチルトリフェノキシシランなどのオルガノアルコシシランのアルコール、水、酸などから、加水分解・重合反応によって形成させるゾル−ゲルコーティング膜、珪素酸化物のスパッタ蒸着膜などが使用できる。
有機系高分子化合物としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などが挙げられ、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ナイロンやベンゾグアナミン等のポリアミド系樹脂、ABS樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等の塩素元素(Cl元素)を含有する樹脂、フッ素元素(F元素)を含有する樹脂、シリコーン系樹脂、セルロース系樹脂、等の有機系の高分子化合物が挙げられるが、これらを要求する特性や生産性等をふまえ少なくとも1種類を選択し、また、これらを2種以上混合してもよいが、好ましくは、重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を2個以上有する化合物が重合反応した構造を含む高分子から構成されるものであることが好ましい。かかる高分子は、重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を2個以上有するモノマー、オリゴマー、ポリマーからなる組成物を、該炭素−炭素二重結合基内の炭素−炭素二重結合を反応点として重合反応することで炭素−炭素単結合を形成して得ることができる。
炭素−炭素二重結合基を含む官能基としては、例えば、イソプロペニル基、イソペンテニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、メタクリル基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、アリリデン基、アリリジン基、ビニルエーテル基や、炭素−炭素二重結合基の炭素にフッ素や塩素等のハロゲン元素が結合したもの(例えば、フッ化ビニル基、フッ化ビニリデン基、塩化ビニル基、塩化ビニリデン基等)や、炭素−炭素二重結合基の炭素にフェニル基やナフチル基等の芳香環を有する置換基が結合したもの(例えばスチリル基等)や、ブタジエニル基(例えば、CH=C(R)−C(R)=CH−、CH=C(R)−C(=CH)−(R、RはHまたはCH))のように共役ポリエン構造を有する基、等が挙げられる。これらから要求する特性や生産性等を考慮して、1種類または2種以上混合して使用すればよい。
重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を2個以上有する化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールエトキシトリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシトリメタクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリメタクリレート、ジトリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパントリメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、グリセリンプロポキシトリアクリレート、グリセリンプロポキシトリメタクリレートや、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環等の環状骨格を分子内に有する化合物(例えば、トリアクリレート・トリメタクリレート・テトラアクリレート・テトラメタクリレート・ペンタアクリレート・ペンタメタクリレート・ヘキサアクリレート・ヘキサメタクリレート等)や、これら化合物の一部を変性した化合物(例えば2−ヒドロキシプロパン酸等で変性した2−ヒドロキシプロパン酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート、2−ヒドロキシプロパン酸変性ペンタエリスリトールトリメタクリレート、2−ヒドロキシプロパン酸変性ペンタエリスリトールテトラアクリレート、2−ヒドロキシプロパン酸変性ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、また、シリコーン骨格を導入したシリコーントリアクリレート、シリコーントリメタクリレート、シリコーンテトラアクリレート、シリコーンテトラメタクリレート、シリコーンペンタアクリレート、シリコーンペンタメタクリレート、シリコーンヘキサアクリレート、シリコーンヘキサメタクリレート等)や、骨格内にビニル基および/またはビニリデン基と共にその他骨格を有する化合物(例えば、ウレタン骨格を有するウレタントリアクリレート、ウレタントリメタクリレート、ウレタンテトラアクリレート、ウレタンテトラメタクリレート、ウレタンペンタアクリレート、ウレタンペンタメタクリレート、ウレタンヘキサアクリレート、ウレタンヘキサメタクリレート、エーテル骨格を有するポリエーテルトリアクリレート、ポリエーテルトリメタクリレート、ポリエーテルテトラアクリレート、ポリエーテルテトラメタクリレート、ポリエーテルペンタアクリレート、ポリエーテルペンタメタクリレート、ポリエーテルヘキサアクリレート、ポリエーテルヘキサメタクリレート、エポキシ由来の骨格を有するエポキシトリアクリレート、エポキシトリメタクリレート、エポキシテトラアクリレート、エポキシテトラメタクリレート、エポキシペンタアクリレート、エポキシペンタメタクリレート、エポキシヘキサアクリレート、エポキシヘキサメタクリレート、エステル骨格を有するポリエステルトリアクリレート、ポリエステルトリメタクリレート、ポリエステルテトラアクリレート、ポリエステルテトラメタクリレート、ポリエステルペンタアクリレート、ポリエステルペンタメタクリレート、ポリエステルヘキサアクリレート、ポリエステルヘキサメタクリレート等)が挙げられる。
これらを用途や要求する特性、生産性等を考慮して、単体で重合したものもしくは単体で重合したものを2種以上混合した組成物、また2種以上が共重合した2量体以上のオリゴマーから形成される組成物を使用することができるが、特にこれらに限定されるものではない。
これら化合物のうち、重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を4個以上、すなわち4官能以上の化合物をさらに好ましく用いることができる。4官能以上の化合物は、例えば、前記4官能のテトラアクリレート、テトラメタクリレート、5官能のペンタアクリレート、ペンタメタクリレート、6官能のヘキサアクリレート、ヘキサメタクリレート等が挙げられ、さらに7官能以上のものでもよい。
これら化合物は、具体的に市販されているものとして例えば、共栄社化学(株)製のライトアクリレートシリーズ、ライトエステルシリーズ、エポキシエステルシリーズ、ウレタンアクリレートAHシリーズ、ウレタンアクリレートATシリーズ、ウレタンアクリレートUAシリーズ、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYLシリーズ、PETIA、TMPTA、TMPEOTA、OTA 480、DPHA、PETA−K、綜研化学(株)製のフルキュアシリーズ、東洋インキ製造(株)製の“リオデュラス”(登録商標)シリーズ、中国塗料(株)製のフォルシードシリーズ、マツイカガク(株)製のEXPシリーズ、ダイセル・サイテック(株)製のEBECRYL1360、信越化学工業(株)製のX−12−2456シリーズ等が挙げられる。
[架橋層]
本発明において前記導電積層体の基材に導電層を設けた反対面に架橋層を設けることが好ましい。かかる架橋層を形成する材料としてマトリックスを形成する材料を用いることができる。架橋層を設けることにより、導電層の反対面を平滑化して導電積層体表面での光の散乱を抑える効果があるので好ましい。
また前記以外にも、染料もしくは顔料、またはその両方を添加することで色味を適宜調節する効果、基材より析出する可能性のある低分子化合物の析出を抑制する効果を発揮すること、また、ハードコート層として機能することにより、耐摩耗性、高表面硬度、耐溶剤性、耐汚染性等の効果を発揮することなどが挙げられる。
[基材]
本発明の導電積層体における基材の素材として、具体的には例えば透明な樹脂、ガラスなどを挙げることができる。
樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド、アラミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル系・メタクリル系樹脂、脂環式アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、トリアセチルセルロース、ABS樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデン等の塩素元素(Cl元素)を含有する樹脂、フッ素元素(F元素)を含有する樹脂、シリコーン系樹脂およびこれら樹脂の混合および/または共重合したものが挙げられ、ガラスとしては、通常のソーダガラスを用いることができる。
また、これらの複数の基材を組み合わせて用いることもできる。例えば、樹脂とガラスを組み合わせた基材、2種以上の樹脂を積層した基材などの複合基材であってもよい。
基材の形状については、厚み250μm以下で巻き取り可能なフィルムであっても、厚み250μmを超える基板であってもよい。コスト、生産性、取り扱い性等の観点からは250μm以下の樹脂フィルムが好ましく、より好ましくは190μm以下、さらに好ましくは150μm以下、特に好ましくは100μm以下の樹脂フィルムである。また、塗工性、取り扱い性を考えた場合、20μm以上が好ましい。
基材として樹脂フィルムを用いる場合、樹脂を未延伸、一軸延伸、二軸延伸してフィルムとしたものを適用することができる。これら樹脂フィルムのうち、基材への成形性、透明性等の光学特性、生産性等の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステルフィルム、またPENとの混合および/または共重合したPETフィルム、ポリプロピレンフィルムを好ましく使用することができる。
本発明においては、これらの基材の少なくとも片面の最外層に親水基を有した化合物を積層した親水性基材であってもよい。親水基を有する化合物の例としては、前述した高分子マトリックスの成分や基材に使用する樹脂の構造内に親水基を有したものが挙げられるが、特に限定されるものではない。また、親水基としては例えば、ヒドロキシル基、カルボン酸基、リン酸基、アミノ基、4級アンモニウム塩基、スルホン酸基、またこれら親水基の一部がNa、K等のカウンターカチオンを有した状態(例えば、−ONa、−COONa、−SONaなど)が挙げられ、これらを1種類または2種以上混合していてもよい。これら官能基のうち、親水性を付与しやすいカルボン酸基、スルホン酸基、また各親水基の一部がNa、K等のカウンターカチオンを有した状態(−COONa、−SONa)を好ましく使用することができる。
[導電積層体の製造方法]
本発明の導電積層体を製造する方法は、特には限定されず、基材上に導電材(線状金属構造体)のみまたは導電材(線状金属構造体)と金属塩および/または金属と前述の高分子マトリックスとを混合したものを積層して導電層を形成してもよいが、金属を線状金属構造体の交差部分に析出させ、図3に示すように線状金属構造体同士を効果的に接合させるためには予め導電材(線状金属構造体)のみを基材上にまず形成した後に次いで金属塩および/または金属を含む塗工液を塗工し、さらに高分子マトリックスを形成する、または、予め導電材(線状金属構造体)のみを基材上にまず形成した後に次いで金属塩および/または金属と高分子マトリックスを含む塗工液を塗工する方が望ましい。上記のようにすることで、乾燥過程において金属を線状金属構造体の交差部分に集めることができる。また乾燥速度を遅くすることで、金属塩および/または金属の濃度を大きくすることで、より効果的に金属を線状金属構造体の交差部分に集めることができる。
具体的な乾燥条件としては30℃以上150℃以下であることが好ましい。150℃を超えると、基材が樹脂で形成されていた場合に熱により変形する場合がある。また、金属を線状金属構造体の交差部分に効果的に集めるという点では120℃以下がより好ましい。また、30℃未満であると、金属の焼結、または金属塩から金属を析出させる反応が進みにくい場合があるが、30℃未満の低温でまずは乾燥させて、金属を線状金属構造体の交差部分に集め、90℃以上で焼結または反応をさせるという2段階乾燥を実施しても構わない。金属を線状金属構造体の交差部分に効果的に集めるためにこれらの乾燥方法を適宜組み合わせることが可能である。
また、本発明の導電積層体の製造工程にプレス工程が含まれていても構わない。プレス工程を実施することで、線状金属構造体が屈曲して接点が増え、表面抵抗値の面内バラツキを小さくできる。特に、線状金属構造体として図1における符号4に例示するような、弧の形状をしている線状金属構造体であるナノワイヤーを用いた場合、弧の部分が基材側に凸になっている場合があり、その場合、ナノワイヤー同士の接点を形成しにくい。特に、このような場合、プレス工程を実施することで接点が形成され、表面抵抗値の面内バラツキを小さくすることができる。
また、これらのプレス工程はマトリックスを配置する前であっても配置した後であってもよいが、線状金属構造体に圧力が伝わり易くプレス工程が容易であるという点から、マトリックスを配置する前にプレス工程を実施する方が好ましい。また、これらのプレス工程は金属塩および/または金属を配置する前であっても配置した後であってもよいが、プレス工程を実施することで線状金属構造体同士の接点距離が小さくなり、接点を接合させやすくなるという観点から、金属塩および/または金属を配置する前にプレス工程を実施する方が好ましい。
[導電層および架橋層を基材上に形成する方法]
本発明における導電層および架橋層を基材上に形成する方法としては、線状金属構造体や金属塩および/または金属やマトリックス・架橋層を構成する材料の種類により最適な方法を選択すればよく、キャスト、スピンコート、ディップコート、バーコート、スプレー、ブレードコート、スリットダイコート、グラビアコート、リバースコート、スクリーン印刷、鋳型塗布、印刷転写、インクジェットなどのウエットコート法等、一般的な方法を挙げることができる。導電層の形成においては、導電層を均一に積層できかつ基材への傷が入りにくいスリットダイコート、または導電層を均一にかつ生産性良く形成できるマイクログラビアを使用したウエットコート法が好ましい。
また、導電層を基材上に形成するにあたり、導電材(線状金属構造体)からなるネットワーク構造を有する導電成分を予め基材上に配置した後に、金属塩および/または金属を含む液体を塗布し、金属を析出させ、最後にマトリックスを配置し、導電材と複合化することで導電層を形成してもよく、また、導電材と金属塩および/または金属とマトリックスのうちの2種類または3種類を予め混合して導電マトリックス組成物とし、その導電マトリックス組成物を基材上に積層することでネットワーク構造を有し、接点が接合した導電成分を含む導電層を形成してもよい。
また、上記導電材は、単一の素材からなるものでもよいし、複数の素材の混合物であってもよい。マトリックス・架橋層も同様に、単一の素材からなるものでもよいし、複数の素材の混合物であってもよい。
本発明の導電積層体における導電層のマトリックスを形成する材料を硬化する方法として、加熱硬化や、紫外光、可視光、電子線等の活性電子線の照射による光硬化(以降、光硬化と記す)が挙げられる。加熱硬化の場合は、硬化開始温度に系全体を加熱するのに時間を要する一方、光硬化の場合は、後述するような光硬化の開始剤(以降、光開始剤と記す)を含有させ、そこに活性電子線を照射することで系全体に同時に活性種を発生させることができるため、硬化開始に要する時間を短縮できることから、硬化時間も短縮できる。かかる理由から光硬化がより好ましい。
ここで、光開始剤とは、紫外領域の光、可視領域の光、電子線等の活性電子線を吸収し、反応を開始させる活性種であるラジカル種、カチオン種、アニオン種等の活性種を生成し、化学反応を開始させる物質である。
使用可能な光開始剤としては例えば、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾイン系、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1などのα−ヒドロキシケトン系やα−アミノケトン系、イソプロピルチオキサントン、2−4−ジエチルチオキサントンなどのチオキサントン系、メチルフェニルグリオキシレートなどが挙げられ、極大吸収波長の値、吸光度、色見、着色度合い等の観点から、これら光開始剤のうち1種類または2種以上を組み合わせて使用することができる。
かかる光開始剤の市販品としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンとしてCiba “IRGACURE”(登録商標)184(チバ・ジャパン(株)製)、2−メチル1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オンとしてCiba “IRGACURE”(登録商標)907(チバ・ジャパン(株)製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1としてCiba “IRGACURE”(登録商標)369(チバ・ジャパン(株)製)等が挙げられる。
[本発明の導電積層体の用途]
本発明の導電積層体は、高い透明性を保持しつつも、表面抵抗値の面内バラツキを小さくすることができ、鮮明な画像とともに導電性の安定性を得ることができるので、表示体、とりわけ、タッチパネルや電子ペーパーといった用途に好ましく用いることができる。
タッチパネルの一例を示した断面模式図を図4に示す。本発明のタッチパネルは、線状金属構造体を含むネットワーク構造を有する導電層を積層した本発明の導電積層体を単独もしくは複数枚、さらには他の部材と組み合わせて搭載したものであり、その例として抵抗膜式タッチパネルや静電容量式タッチパネル等が挙げられる。本発明の導電積層体の導電層は、図1に示すように符号4のような線状金属構造体を含み、符号8のような接点を有するネットワーク構造を形成している。
本発明の導電積層体を搭載してなるタッチパネルは、たとえば図4に示すように導電層がパターン化された導電積層体12を、接着剤や粘着剤等の接合層15によって接合して積層したものであり、さらに、タッチパネルの画面側の基材16、タッチパネルの画面側の基材に積層したハードコート層19が設けられる。かかるタッチパネルは、例えば、リード線と駆動ユニット等を取り付け、液晶ディスプレイの前面に組み込んで用いられる。
次に電子ペーパーの一例を示した断面模式図を図5に示す。本発明の電子ペーパーは、線状金属構造体からなるネットワーク構造を有する導電層19を積層した本発明の導電積層体22を単独もしくは複数枚、さらには他の部材と組み合わせて搭載したものである。図5に示すように透明なマイクロカプセル24が、上部に配置された本発明の導電積層体20と下部に配置された下部電極複合体27との間に隙間なく並べられた構造となっている。上部に配置された導電積層体20は基材18と導電層19とから構成され、下部電極複合体27は下部電極25と支持基材26とから構成される。マイクロカプセル24中には正に帯電した白色顔料粒子21と負に帯電した黒色顔料粒子23が透明分散媒22と共に収められている。図5に示す電子ペーパーでは、外部の制御回路からの電圧印加によって2枚の電極間に電界が生じ、正に帯電した白色顔料粒子21と負に帯電した黒色顔料粒子25が透明分散媒22中を泳動して、いずれか電圧によって選ばれた色の顔料粒子がカプセルの表示面側に集まることで、白黒の表示を行い、微小な電極によって作られる各画素ごとに白黒の表示が選ばれる。電圧を切っても顔料粒子は簡単に動かないため、印刷物のように読みとることができる。
以下、本発明を実施例に基づき、具体的に説明する。ただし、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[評価方法]
まず、各実施例および比較例における評価方法を説明する。
(1)導電成分の構造(形状)、導電成分のネットワーク構造、接合の状態
絶縁抵抗計(三和電気計器(株)製、DG6)を用いて、サンプルの各面に探針をあて、通電の有無からサンプルの導電面を特定する。
次いでサンプルの導電領域(A)及び非導電領域(B)の各々の表面を、走査透過電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製 日立走査透過電子顕微鏡HD−2700)または電界放射型走査電子顕微鏡(日本電子(株)製 JSM−6700−F)を用いて加速電圧3.0kV、観察倍率と画像のコントラストを適宜調節して観察した。
前記方法にて観察が困難な場合は、次いでカラー3D レーザー顕微鏡((株)キーエンス製 VK−9700/9710)、観察アプリケーション((株)キーエンス製 VK−H1V1)、形状解析アプリケーション((株)キーエンス製 VK−H1A1)を用いて、付属の標準対物レンズ10X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan 10X)、20X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan 20X)、50X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan Apo 50X)、150X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan Apo 150X)にて各倍率で導電側の同位置を表面観察し、その画像データから画像解析した。
また線状金属構造体の交差部分については金属を蒸着することなく観察可能な走査型電子顕微鏡(Hitachi,SU5500)を用いて、加速電圧1.0kV、200,000倍で観察した。なお、交差部分について、接合の有無の判定は交差部分、50ヶ所を観察し、1箇所でも接合しておれば接合有と判断し、接合しているのか単に接しているかについては、図3の上側の交差部分28のように交差する線状金属構造体同士に界面が存在しない部分がある場合を接合、図3の下側の交差部分29のように交差する線状金属構造体同士に必ず界面が存在する場合を単なる接触と判断した。
(2)導電成分の同定
サンプルから導電層を剥離し、溶解する溶剤に溶解させた。必要に応じ、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、ゲル浸透クロマトグラフィー、液体高速クロマトグラフィー等に代表される一般的なクロマトグラフィー等を適用し、それぞれ単一物質に分離精製して、以下の定性分析に供した。
その後、導電成分を適宜濃縮および希釈を行いサンプルを調製した。次いで、以下の評価方法を用いサンプル中に含まれる成分を特定した。
分析手法は、以下の分析の手法を組み合わせて行い、より少ない組み合わせで測定できるものを優先して適用した。
核磁気共鳴分光法(H−NMR、13C−NMR、29Si−NMR、19F−NMR)、二次元核磁気共鳴分光法(2D−NMR)、赤外分光光度法(IR)、ラマン分光法、各種質量分析法(ガスクロマトグラフィー−質量分析法(GC−MS)、熱分解ガスクロマトグラフィー−質量分析法(熱分解GC−MS)、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI−MS)、飛行時間型質量分析法(TOF−MS)、飛行時間型マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析(MALDI−TOF−MS)、ダイナミック二次イオン質量分析法(Dynamic−SIMS)、飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)、その他スタティック二次イオン質量分析法(Static−SIMS)等)、X線回折法(XRD)、中性子回折法(ND)、低速電子線回折法(LEED)、高速反射電子線回折法(RHEED)、原子吸光分析法(AAS)、紫外光電子分光法(UPS)、オージェ電子分光法(AES)、X線光電子分光法(XPS)、蛍光X線元素分析法(XRF)、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP−AES)、電子線マイクロアナリシス法(EPMA)、荷電粒子励起X線分光法(PIXE)、低エネルギーイオン散乱分光法(RBSまたはLEIS)、中エネルギーイオン散乱分光法(MEIS)、高エネルギーイオン散乱分光法(ISSまたはHEIS)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透過電子顕微鏡−エネルギー分散X線分光分析(TEM−EDX)、走査電子顕微鏡−エネルギー分散X線分光分析(SEM−EDX)、ガスクロマトグラフィー(GC)その他元素分析。
(3)開口面積Xの平均値Aおよびバラツキ偏差σ
サンプルの導電層側をカラー3D レーザー顕微鏡((株)キーエンス製 VK−9700/9710)、観察アプリケーション((株)キーエンス製 VK−H1V1)、形状解析アプリケーション((株)キーエンス製 VK−H1A1)を用いて、付属の標準対物レンズ150X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan Apo 150X)、にて倍率3,000倍で導電側を表面観察し、70.656μm×94.208μmの範囲を768ピクセル×1,024ピクセルの画像として取り込み画像解析を行った。画像解析は各水準あたり5サンプル準備し、1サンプルにつき10視野、すなわち各水準あたり計50視野について観察し、各50視野を以下の方法にて画像解析し、50視野のデータを得てから平均値を算出した。(尚、本実施例では、上記倍率及び解像度で評価を実施したが、線状金属構造体の種類によって、その長軸の長さや短軸の長さ(平均径r)が異なり前記倍率にて観察が困難な場合は、付属の標準対物レンズ10X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan 10X)、20X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan 20X)、50X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan Apo 50X)のいずれかに変更して低倍率にするか、対物レンズ200X((株)ニコン製 CF IC EPI Plan Apo 200X)に変更して高倍率にして同解像度で画像データを取り込み同様にして画像解析すればよい。また、解像度に関しては、1画素の大きさを評価対象の縦0.1μm×横0.1μmの領域とすることが適しているが、これに限るものではない。
画像処理は、具体的には以下の環境および手順で行った。
OS:“Windows”(登録商標) XP
CPU:“Celeron”(登録商標) 3.4GHz
Memory:512MB
使用ソフト:画像処理ライブラリHALCON(Ver.9.0 MVtec社製)。
まず、画像処理を画像データの読み込みを行い、次に、輪郭強調(微分フィルタ(emphasize)、エッジ強調フィルタ(shock_filter)の順で処理)を行った後、2値化をするという手順で実施した。なお、輪郭強調に用いる微分フィルタの「emphasize」およびエッジ強調フィルタの「shock_filter」は前記画像処理ライブラリのHALCONに含まれる画像処理フィルタである。2値化については画像全体の輝度の平均値を取得し、平均値にオフセット10をかけて、それより大きい値を示す部分を線状金属構造体が存在している部分とし、さらに線状金属構造体が存在している領域のグレイ値を255、その他の領域(開口部)のグレイ値を0に置き換え、膨張・収縮、細線化、を行い、グレイ値0を持つ連続したピクセル同士を連結し、開口部として抽出した。
次に、画像処理により抽出された、1視野内の各開口部の開口面積Xをそれぞれ求め、1視野内の各開口部の内、式(1)を満たす開口部について、式(2)により開口面積のバラツキ偏差σを算出した。
X<Xmax × 0.9 ・・・式(1)
ここで、Xmaxは1視野内の画像データにおける開口面積の最大値とした。
σ={(Σ(X−A))/N}0.5 (ここで、Σはi=1〜N)
・・・式(2)
ここで、Aは1視野内の式(1)を満たす開口部の各開口面積Xの平均値、Nは1視野内の式(1)を満たす開口部の総数とした。
(4)表面抵抗値R
導電積層体の導電層側の表面抵抗値を、非接触式抵抗率計(ナプソン(株)製 NC−10)を用い渦電流方式で100mm×50mmのサンプルの中央部分を測定した。5サンプルについて平均値を算出し、これを表面抵抗値R[Ω/□]とした。検出限界を超えて表面抵抗値が得られなかった場合は、次いで以下の方法にて測定した。
高抵抗率計(三菱化学(株)製 Hiresta−UP MCP−HT450)を用い、リングタイププローブ(三菱化学(株)製 URSプローブ MCP−HTP14)を接続して二重リング方式で100mm×50mmのサンプルの中央部分を測定した。5サンプルについて平均値を算出し、これを表面抵抗値R[Ω/□]とした。尚、本発明においては、表面抵抗値としての実用上使用できる範囲を1×10[Ω/□]以下とし、これ以下を合格とした。
(5)表面抵抗値上昇率B
導電積層体の導電層側の表面抵抗値を、非接触式抵抗率計(ナプソン(株)製 NC−10)を用い渦電流方式で100mm×50mmのサンプルの中央部分を測定した。5サンプルについて平均値を算出し、これを初期表面抵抗値R[Ω/□]とした。次いで、上記5サンプルを80℃0%雰囲気下に24時間放置した。24時間放置後、サンプルを取り出して再び、非接触式抵抗率計(ナプソン(株)製 NC−10)を用い渦電流方式で100mm×50mmのサンプルの中央部分を測定し、5サンプルについて平均値を算出し、これを処理後表面抵抗値Rとした。検出限界を超えて表面抵抗値が得られなかった場合は、次いで以下の方法にて測定した。
高抵抗率計(三菱化学(株)製 Hiresta−UP MCP−HT450)を用い、リングタイププローブ(三菱化学(株)製 URSプローブ MCP−HTP14)を接続して二重リング方式で100mm×50mmのサンプルの中央部分を測定した。5サンプルについて平均値を算出し、これを表面抵抗値R[Ω/□]とした。前記RをRで除し、100をかけた値(すなわち、(R/R)×100(%))を表面抵抗値上昇率Bとした。
(6)表面抵抗値上昇率C
導電積層体の導電層側の表面抵抗値を、非接触式抵抗率計(ナプソン(株)製 NC−10)を用い渦電流方式で100mm×50mmのサンプルの中央部分を測定した。5サンプルについて平均値を算出し、これを初期表面抵抗値R[Ω/□]とした。次いで上記サンプルをテンシロンORIENTEC TENSILON RTA-100(ロードセル200N)を用いて、10mm/分の速度で長手方向に5mm引っ張り、引っ張り終えると同時に荷重を解放した状態で放置した。なお、この時、室温:25℃、湿度:50%であった。
引っ張り試験後、10分以上時間を置いてから、導電層側の表面抵抗値を、非接触式抵抗率計(ナプソン(株)製 NC−10)を用い渦電流方式で100mm×50mmのサンプルの中央部分を測定した。5サンプルについて平均値を算出し、これを処理後表面抵抗値R[Ω/□]とした。検出限界を超えて表面抵抗値が得られなかった場合は、次いで以下の方法にて測定した。
高抵抗率計(三菱化学(株)製 Hiresta−UP MCP−HT450)を用い、リングタイププローブ(三菱化学(株)製 URSプローブ MCP−HTP14)を接続して二重リング方式で100mm×50mmのサンプルの中央部分を測定した。5サンプルについて平均値を算出し、これを表面抵抗値R[Ω/□]とした。前記RをRで除し、100をかけた値(すなわち、(R/R)×100(%))を表面抵抗値上昇率Cとした。
(7)全光線透過率
濁度計(曇り度計)NDH2000(日本電色工業(株)製)を用いてJIS K7361−1:1997に基づいて、導電積層体厚み方向の全光線透過率を導電層側から光を入射させて測定した。5サンプルについて測定し、5サンプルの平均値を算出し、これを各水準の全光線透過率とした。計算に当たっては、小数点2桁目を四捨五入して値を求めた。尚、本発明においては、全光線透過率としての実用上使用できる範囲である76.5%以上を合格とした。
<基材>
各実施例及び比較例に使用した基材を以下に示す。
(1)基材A
・ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 “ルミラー”(登録商標)U48)
・厚み125μm
(2)基材B
・ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製 “ルミラー”(登録商標)U48)
・厚み50μm。
<導電材>
各実施例および比較例に用いた各導電材を以下に示す。
(1)導電材A「銀ナノワイヤー」
特表2009−505358号公報の例1(銀ナノワイヤーの合成)に記載の方法にて得た銀ナノワイヤー導電材(短軸:50〜100nm、長軸:20〜40μm)を水に分散させた銀ナノワイヤー分散液(米国Cambrios社製“ClearOhm”(登録商標) Ink−A AQ)を、銀ナノワイヤーの濃度が0.055質量%となるように希釈し、さらに米国DuPont社製のZonyl FSAを銀ナノワイヤー100質量部に対し65質量部となるように混合したもの。
(2)導電材B「銀ナノ微粒子導電材」
特開2001−243841号公報の実施例((2)銀ナノコロイド塗布液の調製)に記載の方法にて得た銀ナノ微粒子導電材(短軸、長軸(粒径):9〜15nm)を水に分散させ、銀ナノ微粒子導電材の濃度が0.055質量%となるように希釈したもの。
<金属塩混合物>
(1)金属塩材料A 「銀塩インク」
IncTec社Agミラーコーティングインク TEC-CO-021をイソプロパノールで希釈し、実施例に記載の濃度になるように調製したもの。
(2)金属塩材料B 「銀塩インク」
IncTec社AgミラーコーティングインクTEC-CO-011をイソプロパノールで希釈し、実施例に記載の濃度になるように調製したもの。
(3)金属塩材料C 「銀塩インク」
IncTec社AgミラーコーティングインクTEC-CO-010をエタノールで希釈し、実施例に記載の濃度になるようにし、さらに2−アミノ−1−ブタノールをエタノール30質量部に対し1質量部となるように混合したもの。
(4)金属粒子材料D
バンドー化学株式会社製 バンドー低温焼結性ナノ粒子SR4000をトルエンで希釈し、実施例に記載の濃度になるように調製したもの。
(5)金属粒子材料E
バンドー化学株式会社製 バンドー低温焼結性ナノ粒子SR6000をトルエンで希釈し、実施例に記載の濃度になるように調製したもの。
(6)金属粒子材料F
バンドー化学株式会社製 バンドー低温焼結性ナノ粒子SW1000を水で希釈し、実施例に記載の濃度になるように調製したもの。
<マトリックスおよび架橋層>
各実施例および比較例のマトリックス、架橋層の形成用の組成物を調製するのに使用した材料(マトリックス・架橋層材料、添加剤)を以下に示す。
(1)マトリックス及び架橋層材料A
アクリロイル基として重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を2個以上有する化合物を含有するアクリル系組成物(綜研化学(株)製 フルキュアHC−6、固形分濃度51質量%)100質量部に対し、アクリロイル基として重合反応に寄与する炭素−炭素二重結合基を2個以上有する化合物を含有するアクリル系/ウレタンアクリレート系混合組成物(中国塗料(株)製 フォルシードNo.420C、固形分濃度50質量%)を8質量部となるように混合し、固形分濃度が1.5質量%になるように混合溶媒(酢酸エチル/酢酸ブチル/シクロヘキサノン=6/1/3 質量ベース)を用いて希釈したもの。
(実施例1〜20、比較例1〜5)
前記導電材A、Bを、材質がステンレス(sus)のシム(シム厚み50μm)を装着したスリットダイコート(塗工幅550mm)を使用して基材の片面に塗布、乾燥し導電成分を積層形成した。さらに銀ナノワイヤーが塗布されている側に上記スリットダイコートを使用して前記金属塩材料A〜Cおよび/または前記金属粒子材料D〜Fを塗布し、乾燥させて金属を析出させた。さらに、前記マトリックス材料Aを前記基材の導電成分を積層形成した面の上に前記スリットダイコートを使用し、15m/分の塗工速度、70cc/分の流量で塗布、90℃で1分30秒間乾燥し、窒素雰囲気下で照射量95.1mJ/cmで紫外線照射を実施してマトリックス層を硬化させた。最後に導電層とは反対側の表面に前記スリットダイコートを使用し、15m/分の塗工速度、70cc/分の流量で塗布、90℃で1分30秒間乾燥し、窒素雰囲気下で照射量95.1mJ/cmで紫外線照射を実施して架橋層を硬化させた。評価結果および詳細な製造条件については表1、2に記載する。
本発明の導電積層体は、導電性が良好なことからタッチパネル用途に好適に使用されるものである。さらに、本発明の導電積層体は、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)、電子ペーパーなどのディスプレイ関連や、太陽電池モジュールなどにおいて用いられる電極部材にも好適に使用することができる。
1:積層面に垂直な方向より観察した導電面
2:単一の繊維状導電体(線状金属構造体の一例)
3:繊維状導電体の集合体(線状金属構造体の一例)
4:ナノワイヤー(線状金属構造体の一例)
5:ウィスカーのような針状導電体(線状金属構造体の一例)
6:マトリックス
7:繊維状導電体の重なりによって形成した接点
8:ナノワイヤーの重なりによって形成した接点
9:ウィスカーのような針状導電体の重なりによって形成した接点
10:ネットワークを形成する線状金属構造体
11:線状金属構造体のネットワークにより形成される開口部
12:タッチパネルに組み込んだ導電積層体
13:タッチパネルに組み込んだ導電積層体の親水性基材
14:タッチパネルに組み込んだ導電積層体の導電層
15:接着剤や粘着剤による、導電積層体を積層するための接合層
16:タッチパネルの画面側の基材
17:タッチパネルの画面側の基材に積層したハードコート層
18:基材
19:導電層
20:導電積層体
21:正に帯電した白色顔料粒子
22:透明分散媒
23:負に帯電した黒色顔料粒子
24:マイクロカプセル
25:下部電極
26:支持基材
27:下部電極複合体
28、29:線状金属構造体の交差部分

Claims (10)

  1. 基材の少なくとも片面に導電層を有する下記(i)〜(v)を満たす導電積層体。
    (i)前記導電層がネットワーク構造を有する線状金属構造体を含む。
    (ii)前記導電層が金属塩および/または金属を含む。
    (iii)前記導電層の該ネットワーク構造により形成される開口部の開口面積のうち式(1)を満たす開口部について、開口面積の平均値Aが2μm以上で、かつ、式(2)で定義される開口面積のバラツキ偏差σが9μm以上である。
    X<Xmax × 0.9 式(1)
    (式中、Xは各開口面積、Xmaxは各開口面積の最大値を示す。)
    σ={(Σ(X−A))/N}0.5 (ここで、Σはi=1〜N) 式(2)
    (式中、Xは各開口面積、Aは開口面積Xの平均値、Nは開口部の総数を示す。)
    (iv)前記導電層の表面抵抗値Rが100Ω/□以下である。
    (v)温度80℃湿度0%雰囲気下に24時間放置した際の前記導電層の表面抵抗値上昇率Bが100%以上150%以下である。
  2. 5%延伸させた際の表面抵抗値上昇率Cが100%以上150%以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電積層体。
  3. 前記金属塩が銀塩であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の導電積層体。
  4. 前記金属が銀であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電積層体。
  5. 前記導電層に還元剤を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の導電積層体。
  6. 前記導電層に、高分子マトリックスを含む請求項1〜5のいずれかに記載の導電積層体。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の導電積層体の製造方法であって、線状金属構造体を形成した後に金属塩および/または金属を含む液体を塗布し、乾燥させて前記線状金属構造体の交差部分に金属を析出させることを特徴とする導電積層体の製造方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の導電積層体または請求項7に記載の製造方法を用いて製造した導電積層体を用いた表示体。
  9. 請求項8に記載の表示体を用いたタッチパネル。
  10. 請求項8に記載の表示体を用いた電子ペーパー。
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