JP2014101427A - 自動食器洗浄機用洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】濯ぎ性と仕上がり性に優れる自動食器洗浄機用洗浄剤を提供する。
【解決手段】洗浄剤組成物は、成分A及び成分Bを含有し、成分Aの含有量が1質量%以上、20質量%以下であり、成分Bの含有量が2質量%以上、60質量%以下であり、成分Aの含有量と成分Bの含有量の質量比B/Aが2以上、6以下である。成分Aは、R1C(R2)−(OC2H4)m−(OC3H6)n−OHで表される化合物である。但し、R1は炭素数aの炭化水素基であり、R2は炭素数bの炭化水素基であり、a及びbはそれぞれ独立して1以上の整数であり、a+bは7以上15以下である。m及びnは平均付加モル数であり、mは3以上、9以下の数、nは4以上、10以下の数である。また、m<nである。「(OC2H4)m−(OC3H6)n」はブロック結合である。成分Bはアルカリ化合物である。
【選択図】なし
【解決手段】洗浄剤組成物は、成分A及び成分Bを含有し、成分Aの含有量が1質量%以上、20質量%以下であり、成分Bの含有量が2質量%以上、60質量%以下であり、成分Aの含有量と成分Bの含有量の質量比B/Aが2以上、6以下である。成分Aは、R1C(R2)−(OC2H4)m−(OC3H6)n−OHで表される化合物である。但し、R1は炭素数aの炭化水素基であり、R2は炭素数bの炭化水素基であり、a及びbはそれぞれ独立して1以上の整数であり、a+bは7以上15以下である。m及びnは平均付加モル数であり、mは3以上、9以下の数、nは4以上、10以下の数である。また、m<nである。「(OC2H4)m−(OC3H6)n」はブロック結合である。成分Bはアルカリ化合物である。
【選択図】なし
Description
本発明は自動食器洗浄機用洗浄剤組成物、洗浄液、仕上げ剤及び洗浄方法に関し、特に、節水型の自動食器洗浄機用の洗浄剤組成物、洗浄液、仕上げ剤及び洗浄方法に関する。
食器洗浄機は汚れた皿、グラス、料理器具などの食器を洗浄する装置であり、家庭やレストラン、喫茶店などの厨房で使用されている。最近では、食器を洗浄した後の濯ぎ工程において濯ぎ水の量を低減した節水型洗浄機が注目されている。
自動食器洗浄機においては、手洗い用食器洗浄剤と異なる、低泡性の自動食器洗浄機用洗浄剤が使用される。低泡性という条件を満たすため、自動食器洗浄機用洗浄剤には一般に低泡性ノニオンが用いられる。例えば、特許文献1には、炭素数8〜16の第2級アルコールの水酸基を除いた残基に、エチレンオキシ(C2H4O)基を平均で3〜9モル、プロピレンオキシ(C3H6O)基を平均で4〜10モル付加した化合物とそれ以外の非イオン界面活性剤と前記化合物の含有量に対してアルカリ剤を8倍以上含有する食器洗浄機用液体洗浄剤組成物が開示されている。また、特許文献2では、特定のポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルを含有し、アルカリ剤を含有しない自動食器洗浄機用洗浄剤組成物が開示されている。
従来の自動食器洗浄機用洗浄剤は、濯ぎ水量を低減すると、濯ぎ性が悪化し、洗浄した食器に洗浄剤の残存が生じ、ぬるつきという形で顕在化する。
特許文献1の食器洗浄機用液体洗浄剤組成物においても、節水型洗浄機における使用を考慮した組成になっていない。このため、濯ぎ水量を低減すると食器に洗浄剤成分が残存し、ぬるつきが発生するという課題があることが明らかとなった。
一方、濯ぎ性の悪化を改善するため、濯ぎ水を増量すると、食器の表面における界面活性剤の吸着量が減少し、ぬれ性が低下する。これによりウォータースポットと呼ばれる水滴の跡が出現し、美観が悪化する。本発明者は、従来の洗浄剤では濯ぎ性と美観とはトレードオフの関係にあることを見出した。
本発明の課題は、濯ぎ水量が少ない節水型洗浄機により食器を洗浄する場合に、濯ぎ性と美観のトレードオフの関係を打開し、濯ぎ性と仕上がり性に優れる自動食器洗浄機用洗浄剤を提供することである。
本発明は、下記の成分A及び成分Bを含有し、
成分Aの含有量が1質量%以上、20質量%以下であり、
成分Bの含有量が2質量%以上、60質量%以下であり、
成分Aの含有量と成分Bの含有量の質量比B/Aが2以上、6以下である、
自動食器洗浄機用洗浄剤組成物に関する。
成分A:下記一般式(1)で表される化合物
成分Aの含有量が1質量%以上、20質量%以下であり、
成分Bの含有量が2質量%以上、60質量%以下であり、
成分Aの含有量と成分Bの含有量の質量比B/Aが2以上、6以下である、
自動食器洗浄機用洗浄剤組成物に関する。
成分A:下記一般式(1)で表される化合物
但し、R1は炭素数aの炭化水素基であり、R2は炭素数bの炭化水素基であり、a及びbはそれぞれ独立して1以上の整数であり、a+bは7以上15以下である。m及びnは平均付加モル数であり、mは3以上、9以下の数、nは4以上、10以下の数である。また、m<nである。「(OC2H4)m−(OC3H6)n」はブロック結合である。
成分B:アルカリ化合物
成分B:アルカリ化合物
本発明によれば、濯ぎ性と仕上がり性に優れる自動食器洗浄機用洗浄剤が提供される。
本開示において節水型洗浄機とは、濯ぎ水の水圧を高めるなどして、従来の自動食器洗浄機よりも少ない水量で濯ぎ行う節水洗浄を実施できる自動食器洗浄機を意味する。例えば、洗浄槽の容量が40〜70L程度で、35〜75cm角程度のラックを1時間に30〜70ラック程度処理できる自動食器洗浄機では、従来の1ラック(50cm角)当たりの濯ぎ水量、即ち、食器設置水平面2500cm2当たりの濯ぎ水量は4〜6Lが一般的である。一方、節水型の洗浄機は、1ラック当たりの濯ぎ水量、即ち、食器設置水平面2500cm2当たりの濯ぎ水量が1〜3Lである。本開示においては、このような濯ぎ1回あたりの水量を低減した自動食器洗浄機を節水型洗浄機という。
より具体的には、ガラス立てに立てた20枚のテストピース(15cm×15cm×0.2cm、日本テストパネル株式会社製ソーダ石灰ガラス)を、水酸化ナトリウム(NaOH)の0.2質量%水溶液を60℃にして、40秒以上、60秒以下洗浄を行った後、食器設置水平面2500cm2当たり2Lの水を80℃にして濯ぎを行った後、25℃の大気中で10分間乾燥したテストピースへのNaOH残存量が0.15μg/cm2以下、好ましくは0.12μg/cm2以下、より好ましくは0.1μg/cm2以下である洗浄を行うことができる自動食器洗浄機のことをいう。ここで、NaOH残存量は、テストピースを1枚ずつ、25℃、200gの蒸留水に10秒間浸して、テストピースに残存したNaOHを抽出した後、0.01mol/Lの塩酸(HCl)で中和滴定を行い、抽出液中のNaOHの量を定量し、20枚のテストピースに対する平均値を求める。なお、食器設置水平面の面積は、ラック(食器収容用のラック)を用いる場合にはラックの底面の面積により定義される。
節水型洗浄機には、節水洗浄の専用機に限らず、節水洗浄ができる機能のついた洗浄機も含まれる。なお、バッチ式の食器洗浄機だけでなく、パススルー式の食器洗浄機も含まれる。設置面積やコストの観点から、バッチ式の食器洗浄機が好ましい。
<成分A>
成分Aは下記一般式(1)で表される化合物である。
成分Aは下記一般式(1)で表される化合物である。
但し、R1は炭素数aの炭化水素基であり、R2は炭素数bの炭化水素基であり、a及びbはそれぞれ独立して1以上の整数であり、a+bは7以上15以下である。m及びnは平均付加モル数であり、mは3以上、9以下の数、nは4以上、10以下の数である。また、m<nである。「(OC2H4)m−(OC3H6)n」はブロック結合である。
R11及びR12はそれぞれ独立して、直鎖又は分岐鎖のアルキル基又は直鎖又は分岐鎖のアルケニル基であることが好ましく、直鎖又は分岐鎖のアルキル基であることがより好ましく、直鎖のアルキル基であることさらに好ましい。
a+bは、ウォータースポットを低減する観点から、7以上であり、9以上が好ましく、11以上がより好ましい。また、Rの炭素数は、15以下であり、13以下が好ましい。
エチレンオキシ基の平均付加モル数mの値は、ウォータースポットを低減する観点から、3以上であり、4以上が好ましく、5以上がより好ましく、6以上がさらに好ましい。また、mの値は、9以下であり、8以下が好ましい。
プロピレンオキシ基の平均付加モル数nの値は、ウォータースポットを低減する観点から、4以上であり、5以上が好ましく、6以上がより好ましく、7以上がさらに好ましい。また、nの値は、10以下であり、9以下が好ましい。
nの値は、mの値より大きいが、その差n−mの値は、ウォータースポットを低減する観点から、0.5以上が好ましく、1以上がより好ましい。また、3以下が好ましく、2以下がより好ましい。
mの値とnの値の合計m+nの値は、ウォータースポットを低減する観点から、10以上が好ましく、12以上がより好ましく、14以上がさらに好ましい。また、18以下が好ましく、17以下がより好ましく、16以下がさらに好ましい。
成分Aの具体例として、ポリオキシエチレン(7)ポリオキシプロピレン(8.5)−sec−ドデシルエーテル、ポリオキシエチレン(7)ポリオキシプロピレン(8.5)−sec−トリデシルエーテル、ポリオキシエチレン(7)ポリオキシプロピレン(8.5)−sec−テトラデシルエーテル、ポリオキシエチレン(7)ポリオキシプロピレン(8.5)−sec−ペンタデシルエーテル等が挙げられる。なお、( )内の数字は平均付加モル数である。
一般式(1)で表される化合物は、炭素数8以上、16以下の第2級アルコールに、エチレンオキシドを付加した後、プロピレンオキシドを付加することにより合成することができる。
成分Aは、ウォータースポットを低減する仕上げ剤としての効果を有する。本実施形態の洗浄剤組成物は成分Aを含有することにより、ウォータースポットを低減することができ、仕上がり性に優れる。
<成分B>
成分Bはアルカリ化合物である。成分Bの具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、オルソリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。成分Bは、洗浄性とコストの観点から、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。これらのアルカリ化合物は単独で用いても、2つ以上を混合して用いてもよい。
成分Bはアルカリ化合物である。成分Bの具体例としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、オルソリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。成分Bは、洗浄性とコストの観点から、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。これらのアルカリ化合物は単独で用いても、2つ以上を混合して用いてもよい。
<洗浄剤組成物>
本実施形態の洗浄剤組成物中における成分Aの含有量は、濯ぎ性の観点から、1質量%以上であり、好ましくは5質量%以上である。また、20質量%以下であり、好ましくは15質量%以下である。
本実施形態の洗浄剤組成物中における成分Aの含有量は、濯ぎ性の観点から、1質量%以上であり、好ましくは5質量%以上である。また、20質量%以下であり、好ましくは15質量%以下である。
本実施形態の洗浄剤組成物中における成分Bの含有量は、洗浄性の観点から、2質量%以上であり、好ましくは20質量%以上である。また、60質量%以下であり、好ましくは50質量%以下である。
本実施形態の洗浄剤組成物中における成分Aの含有量と成分Bの含有量との質量比B/Aは、濯ぎ性の観点から、2以上であり、好ましくは2.2以上であり、より好ましくは2.5である。また、6以下であり、好ましくは5以下であり、さらに好ましくは4以下であり、よりさらに好ましくは3.5以下である。
<洗浄液>
本実施形態の洗浄剤組成物は、0.03質量%以上、0.3質量%以下の濃度に水で希釈した洗浄液として用いる。本実施形態の洗浄剤組成物は、洗浄性、濯ぎ性、仕上がり性の観点から、好ましくは0.06質量%以上、より好ましくは0.08質量%以上の濃度に水で希釈して用いることができる。また、好ましくは0.25質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下、さらに好ましくは0.15質量%以下の濃度に水で希釈した洗浄液として用いることができる。また、A成分及びB成分を水で直接希釈して洗浄液を調製してもよい。
本実施形態の洗浄剤組成物は、0.03質量%以上、0.3質量%以下の濃度に水で希釈した洗浄液として用いる。本実施形態の洗浄剤組成物は、洗浄性、濯ぎ性、仕上がり性の観点から、好ましくは0.06質量%以上、より好ましくは0.08質量%以上の濃度に水で希釈して用いることができる。また、好ましくは0.25質量%以下、より好ましくは0.2質量%以下、さらに好ましくは0.15質量%以下の濃度に水で希釈した洗浄液として用いることができる。また、A成分及びB成分を水で直接希釈して洗浄液を調製してもよい。
洗浄液中における成分Aの含有量は、ウォータースポットを低減する観点から、3mg/kg以上であり、好ましくは20mg/kg以上であり、より好ましくは40mg/kg以上であり、さらに好ましくは60mg/kg以上である。また、600mg/kg以下であり、好ましくは500mg/kg以下であり、より好ましくは400mg/kg以下であり、さらに好ましくは300mg/kg以下であり、よりさらに好ましくは200mg/kg以下である。
洗浄液中における成分Bの含有量は、洗浄性の観点から、6mg/kg以上であり、好ましくは40mg/kg以上であり、より好ましくは80mg/kg以上であり、さらに好ましくは120mg/kg以上である。また、1800mg/kg以下であり、好ましくは1500mg/kg以下であり、より好ましくは1200mg/kg以下であり、さらに好ましくは900mg/kg以下であり、よりさらに好ましくは600mg/kg以下である。
洗浄液中における成分Aの含有量と成分B成分の含有量との質量比B/Aは、濯ぎ性の観点から、2以上であり、好ましくは2.2以上であり、より好ましくは2.5である。また、6以下であり、好ましくは5以下であり、さらに好ましくは4以下であり、よりさらに好ましくは3.5以下である。
洗浄剤組成物を希釈する際に用いる水は、特に制限されるものではないが、通常の水道水を用いることが好ましい。
洗浄剤組成物を希釈した洗浄液の20℃におけるpHは、洗浄性の観点から8以上であることが好ましく、9以上であることがより好ましい。また、14以下であることが好ましく、13以下であることがより好ましい。なお、洗浄液のpHはガラス電極を用いるpH測定装置(HORIBA社製:PH METER F-22)により測定することができる。
<洗浄方法>
本実施形態の洗浄方法は、洗浄剤組成物を水で希釈した洗浄液を食器に接触させて、自動食器洗浄機により洗浄する。具体的には節水型の洗浄機の洗浄槽又は洗浄液の貯留槽等に洗浄液を投入し、洗浄槽内の食器を自動洗浄する。
本実施形態の洗浄方法は、洗浄剤組成物を水で希釈した洗浄液を食器に接触させて、自動食器洗浄機により洗浄する。具体的には節水型の洗浄機の洗浄槽又は洗浄液の貯留槽等に洗浄液を投入し、洗浄槽内の食器を自動洗浄する。
本実施形態の洗浄方法における洗浄液の温度は、洗浄性の観点から、40℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましい。また、90℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましく、70℃以下であることがさらに好ましく、60℃以下であることがよりさらに好ましい。
本実施形態の洗浄方法における洗浄時間は、洗浄性の観点から、30秒以上であることが好ましい。また、120秒以下であることが好ましく、60秒以下であることがより好ましい。
本実施形態の洗浄方法は、洗浄後、濯ぎ水で濯ぐ。濯ぎ水の量は、濯ぎ性と仕上がり性の観点から、好ましくは1L以上、より好ましくは1.5L以上である。また、好ましくは3L以下であり、2.5L以下が好ましい。濯ぎ水の量は、使用する自動食器洗浄機のサイズ等に応じて最適な値に変更してかまわない。ここで示した濯ぎ水の量は、一般的な50cm角のラックを用いる自動食器洗浄機における1ラック当たり、すなわち食器設置水平面2500cm2当たりの値である。なお、パススルー式の食器洗浄機においてラックを使用しない場合には、50cm角(2500cm2)の面積に対する平均濯ぎ水量を、1ラック当たりの濯ぎ水量とする。
濯ぎ水の温度は、濯ぎ性と仕上がり性の観点から、40℃以上であることが好ましく、より好ましくは60℃以上である。また、95℃以下であることが好ましく、90℃以下であることがより好ましい。
濯ぎ水はリンス剤を含有してもよいが、リンス剤を含有していなくてもよい。濯ぎ水は水であってよく、特に限定されるものではないが、水は水道水でよい。
一般式(1)で表される化合物であり、仕上げ剤としての効果を有する成分Aと、アルカリ化合物である成分Bとを含む洗浄剤組成物を希釈して調製した洗浄液を用いる洗浄方法を示した。しかし、アルカリ化合物を希釈して調製した液に、所定の濃度となるように一般式(1)で表される化合物を添加して調製した洗浄液を用いて洗浄を行ってもよい。
例えば、一般式(1)で表される化合物である仕上げ剤と、アルカリ化合物と、水とを所定の割合で混合して洗浄液を調製すればよい。また、アルカリ化合物を水で希釈したアルカリ化合物希釈液に仕上げ剤を所定量添加して洗浄液を調製してもよい。逆に、仕上げ剤を水で希釈した仕上げ剤希釈液にアルカリ化合物を所定量添加して洗浄液を調製してもよい。なお、アルカリ化合物はアルカリ化合物を含む組成物としてもよい。
これらの場合、最終的な洗浄液における一般式(1)で表される化合物である仕上げ剤の含有量を、3mg/kg以上、好ましくは20mg/kg以上、より好ましくは40mg/kg以上、さらに好ましくは60mg/kg以上とすればよい。また、最終的な洗浄液における仕上げ剤の含有量を、600mg/kg以下、好ましくは500mg/kg以下、より好ましくは400mg/kg以下、さらに好ましくは300mg/kg以下、よりさらに好ましくは200mg/kg以下とすればよい。
また、最終的な洗浄液における、アルカリ化合物の含有量と、仕上げ剤の含有量との質量比は2以上であり、好ましくは2.2以上であり、より好ましくは2.5である。また、6以下であり、好ましくは5以下であり、さらに好ましくは4以下であり、よりさらに好ましくは3.5以下とすればよい。
洗浄液を調製する際に仕上げ剤である一般式(1)で表される化合物をそのまま用いてもよいが、仕上げ剤を所定量含む仕上げ剤溶液を調製し、仕上げ剤溶液を用いて洗浄液を調製してもよい。取り扱い性の観点から、仕上げ剤溶液における一般式(1)で表される化合物の含有量は、2質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。また、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
仕上げ剤と組み合わせるアルカリ化合物は、どのようなものであってもよい。仕上げ剤と、アルカリ化合物を含む組成物とを組み合わせる場合に、アルカリ化合物を含む組成物は一般式(1)で表される化合物を含んでいる必要はない。しかし、最終的な洗浄液において、仕上げ剤の含有量を所定の範囲にすることができれば、一般式(1)で表される化合物を含んでいてもかまわない。
一般式(1)で表される化合物である仕上げ剤を含む洗浄液により洗浄をする洗浄方法について説明したが、仕上げ剤を含まない洗浄液により洗浄をした後、一般式(1)で表される化合物を含む仕上げ液を用いて仕上げ処理をしてもよい。例えば、一般式(1)を含まない洗浄液を食器に接触させて洗浄した後、一般式(1)で表される化合物である仕上げ剤を所定量含むように希釈した仕上げ液を、洗浄した食器に接触させ仕上げ処理を行う。仕上げ処理の後、濯ぎ水により濯ぎを行えばよい。また、洗浄後に仕上げ剤を含む濯ぎ水を用いて濯ぎを行ってもよい。
この場合、仕上げ液における、一般式(1)で表される化合物の含有量を、3mg/kg以上、好ましくは20mg/kg以上、より好ましくは40mg/kg以上、さらに好ましくは60mg/kg以上とすればよい。また、仕上げ液における一般式(1)で表される化合物の含有量を、600mg/kg以下、好ましくは500mg/kg以下、より好ましくは400mg/kg以下、さらに好ましくは300mg/kg以下、よりさらに好ましくは200mg/kg以下とすればよい。
また、洗浄液におけるアルカリ化合物の含有量と、仕上げ液における一般式(1)で表される化合物の含有量との質量比を、2以上、好ましくは2.5、そして6以下、好ましくは3.5以下とすればよい。
仕上げ時間は、30秒以上であることが好ましい。また、120秒以下であることが好ましく、60秒以下であることがより好ましい。仕上げ液の温度は、40℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましい。また、90℃以下であることが好ましく、80℃以下であることがより好ましく、70℃以下であることがさらに好ましく、60℃以下であることがよりさらに好ましい。
本実施形態の洗浄剤組成物、洗浄液、仕上げ剤溶液及び仕上げ液は、濯ぎ性及び仕上げ性の効果を損なわない範囲で、キレート剤、及び式(1)で表される界面活性剤を除く界面活性剤、等を含有することができる。
キレート剤としては、例えば、ポリカルボン酸キレート剤が挙げられる。
ポリカルボン酸キレート剤としては、メチルイミノジアセテート(MIDA)、イミノジサクシネート(IDS)、エチレンジアミンジサクシネート(EDDS)、イソセリンジアセテート(ISDA)、タウリンジアセテート(TUDA)、ヒドロキシエチルイミノジアセテート(HIDA)、β―アラニンジアセテート(ADA)、ヒドロキシイミノジサクシネート(HIDS)、エチルグリシンジアセテート(EGDA)、ニトリルトリアセテート(NTA)、メチルグリシンジアセテート(MGDA)、グルタミンジアセテート(GLDA)、アスパラギンジアセテート(ASDA)、セリンジアセテート(SDA)メチルグリシンジアセテート(SDA)、エチレンジアミンテトラアセテート(EDTA)、クエン酸、及び、それらのアルカリ金属塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。アルカリ金属塩としてはナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。
また、ポリカルボン酸キレート剤として、ポリカルボン酸ポリマー及びそのアルカリ金属塩が挙げられる。ポリカルボン酸ポリマー及びそのアルカリ金属塩としては、アクリル酸ホモポリマー、マレイン酸ホモポリマー、アクリル酸マレイン酸コポリマー及びそれらのアルカリ金属塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。アルカリ金属塩としてはナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。
一般式(1)で表される界面活性剤を除く界面活性剤としては、低泡性の界面活性剤が好ましく、中でも低泡性の非イオン界面活性剤が好ましい。
表1に示した成分A及び成分Bを含有する洗浄剤組成物1〜5について評価を行った。洗浄剤組成物1〜5を0.1質量%の濃度に水で希釈した組成の洗浄液について、以下の方法で濯ぎ性及び仕上がり性を評価した。評価結果を表2に示す。
一般式(1)で表される化合物である成分Aには、日本触媒株式会社製のソフタノール(登録商標)EP7085を用いた。EP7085の詳細は以下の通りである。
一般式(1)の上記(a)の部分は、R1の炭素数aとR2の炭素数bとの和a+bが11の基(sec-C12)とa+bが13の基(sec-C14)とであり、モル比sec-C12/sec-C14=80/20である。一般式(1)におけるmは7、nは8.5である。
アルカリ化合物である成分Bには炭酸ナトリウムを用いた。
<濯ぎ性の評価>
濯ぎ性は、洗浄後のモデル食器表面に残存するアルカリ化合物の量により評価した。
濯ぎ性は、洗浄後のモデル食器表面に残存するアルカリ化合物の量により評価した。
50cm角のラック(食器設置水平面2500cm2)を用いる節水型の業務用食器洗浄機(ホシザキ電機(株)製:JWE−680A、洗浄槽容量56L)に表2に記載の洗浄液を56L投入し、モデル食器の洗浄を行った。モデル食器には、汎用ガラスのテストピース(15cm×15cm×0.2cm、日本テストパネル株式会社製ソーダ石灰ガラス)を用いた。
ガラス立てに立てた20枚のテストピースを、洗浄機にセットして、60℃の洗浄液により40秒間洗浄を行った。洗浄後、リンス剤を用いることなく、80℃の濯ぎ水2Lにより濯ぎを6秒間行った。濯ぎの後、ガラス立てに立てた20枚のテストピースを取り出し、25℃の大気中で10分間乾燥した。乾燥後、乾燥したテストピースを1枚ずつ、25℃、200gの蒸留水に10秒間浸して、テストピースに残存したアルカリ化合物を抽出した。アルカリ化合物の抽出後、0.01mol/Lの塩酸(HCl)で中和滴定を行い、抽出液中のアルカリ化合物の量を定量し、テストピースに残存したアルカリ化合物の量を求めた。表2に濯ぎ性を評価した結果を示す。
<仕上がり性の評価>
仕上がり性は、洗浄後のモデル食器表面に存在するウォータースポット数により評価した。
仕上がり性は、洗浄後のモデル食器表面に存在するウォータースポット数により評価した。
濯ぎ性の評価と同様にして、20枚のテストピースの洗浄及び濯ぎを行った。濯ぎの後、テストピースを25℃の大気中で24時間乾燥した。
乾燥後、テストピースに存在するウォータースポット(サイズ約4〜25mm2、平均サイズ9mm2)の数を目視で数え、テストピース1枚当たり(両面450cm2当たり)の平均のウォータースポット数を求めた。表2に仕上がり性を評価した結果を示す。
Claims (7)
- 下記の成分A及び成分Bを含有し、
成分Aの含有量が1質量%以上、20質量%以下であり、
成分Bの含有量が2質量%以上、60質量%以下であり、
成分Aの含有量と成分Bの含有量の質量比B/Aが2以上、6以下である、
自動食器洗浄機用洗浄剤組成物。
成分A:下記一般式(1)で表される化合物
成分B:アルカリ化合物 - 請求項1に記載の自動食器洗浄機用洗浄剤組成物を0.03質量%以上、0.3質量%以下の濃度に希釈した洗浄液。
- 請求項2に記載の洗浄液を食器に接触させて洗浄する、自動食器洗浄機による食器の洗浄方法。
- 洗浄液の温度が40℃以上、90℃以下である、請求項3記載の食器の洗浄方法。
- 洗浄後、食器設置水平面2500cm2当たり1L以上、3L以下の濯ぎ水で濯ぐ、請求項3又は4記載の食器の洗浄方法。
- 下記の成分A及び成分Bを含有し、
成分Aの含有量が20mg/kg以上、500mg/kg以下であり、
成分Bの含有量が40mg/kg以上、1500mg/kg以下であり、
成分Aの含有量と成分Bの含有量の質量比B/Aが2以上、6以下である、
洗浄液。
成分A:下記一般式(1)で表される化合物
成分B:アルカリ化合物
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