JP6585417B2 - ガラス又は陶器製食器の洗浄方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス又は陶器製食器の洗浄方法、及びガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤に関する。
自動食器洗浄機は、汚れた皿、グラス、料理器具などの食器を洗浄する設備であり、一般家庭、レストラン、喫茶店などで使用されている。
近年、節水型洗浄機と呼ばれる自動食器洗浄機の普及に伴い、すすぎ水の使用が従来型より大幅に低下している為、洗浄槽内に有機物の汚れが残存してしまい、食器の洗浄力が低下する傾向にある。ガラス製又は陶器製の食器の中でもガラス製グラスは、円柱の細長い形状が多い為、食器用洗浄機の下部のノズルから噴霧される洗浄液の水流が弱くガラス製グラス内壁部に付着する有機物汚れを除去することは困難である。内壁に付着した汚れは、美観の低下、臭気を発する原因となる他、炭酸飲料やビールなどの発泡性飲料を注いだ時に泡が内壁全体に付着する原因となる。
他方、汚れが付着したガラス製グラスの洗浄方法としては、中性洗剤を用いてスポンジ等で手洗いする方法や、アルカリ性の過炭酸ナトリウム溶液を希釈した溶液にグラスを浸漬して過炭酸ナトリウムからの発泡作用にて洗浄する方法などが知られている。しかしながら、手洗いでは、円柱の細長い形状をしたガラス製グラスでは洗浄が行き届かず、又、破損による危険が伴うため、簡便性に劣る。また、浸漬は、特に商業施設では実施場所の確保が困難であることから、普及するには至っていない。
特許文献1には、粘度が50〜2000cpsであって、式RNO(式中、RおよびRは独立してC−Cアルキル基である)で表される長鎖アミンオキシドの混合物を含んでなる組成物であって、前記組成物が、さらに、疎水性部分と親水性部分とを含む短鎖界面活性剤、(ただし、該疎水性部分の鎖長はC−C10である)を含み、そして前記長鎖アミンオキシドの混合物が、RがC14アルキル基の第1のアミンオキシドおよびRがC12アルキル基もしくはC16アルキル基の第2のアミンオキシドまたはそれらの混合物を含み、そして前記第1のアミンオキシドの、RがC12アルキル基である前記第2のアミンオキシドに対する比率が、0.3〜10、および前記第1のアミンオキシドの、RがC16アルキル基である前記第2のアミンオキシドに対する比率が、0.2〜4.5であることを特徴とする、水性組成物、及び食器に、純粋または希釈形態の該水性組成物を接触させ、次いで、前記食器の処置に十分な時間、前記食器を前記組成物に接触させ続け、次いで、前記食器を水によってすすぎ、前記組成物を除去する、工程からなることを特徴とする、食器の処理方法が記載されている。
特表平9−500680号
特許文献1の洗浄方法では、ガラス又は陶器製食器、とりわけガラス又は陶器製グラスに対する洗浄力は、未だ十分ではない。
本発明は、ガラス又は陶器製食器、とりわけガラス又は陶器製グラスに対する良好な洗浄力が得られるガラス又は陶器製食器の洗浄方法に関する。
本発明は、下記工程1及び工程2を含む、ガラス又は陶器製食器の洗浄方法であって、工程1と工程2との間にガラス又は陶器製食器からガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤を水で除去するすすぎ工程を有さない、ガラス又は陶器製食器の洗浄方法に関する。
工程1:ガラス又は陶器製食器と、次亜塩素酸アルカリ金属塩を含むガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤とを接触させる工程
工程2:工程1で得られたガラス又は陶器製食器を、自動食器洗浄機用洗浄剤を用いて自動食器洗浄機で洗浄する工程
また、本発明は、上記本発明のガラス又は陶器製食器の洗浄方法に用いられる、次亜塩素酸アルカリ金属塩を含む、ガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤に関する。
本発明によれば、ガラス又は陶器製食器に対する良好な洗浄力が得られる、ガラス又は陶器製食器の洗浄方法、及び前記洗浄方法に用いられるガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤が提供される。
以下、本明細書において、本発明のガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤のことを、「本発明の前処理剤」、又は「前処理剤」とも呼ぶ。
本発明の前処理剤は、次亜塩素酸アルカリ金属塩を含有するものであり、ガラス又は陶器製食器に直接接触させた該ガラス又は陶器製品を、すすぎ工程を介さずに、自動食器洗浄機で洗浄することで、ガラス又は陶器製食器に付着した脂質汚れやタンパク汚れに対する優れた洗浄力が発現する。
本発明の洗浄方法が、洗浄力に優れる理由は定かではないが、以下の様に考えられる。
工程1で、前処理剤をガラス又は陶器製食器に接触させることで、次亜塩素酸アルカリ金属塩が、ガラス又は陶器製食器と、脂質やタンパクの汚れとの界面に浸透すると考えられる。この時、後述するように工程1の後に一定の放置時間を設けることで、浸透性が高まるとともに、前処理剤の水分が蒸発し、次亜塩素酸アルカリ金属塩が高い濃度となる。
この状態でガラス又は陶器製食器を工程2に供すると、次亜塩素酸アルカリ金属塩と自動食器洗浄機用洗浄剤とによる塩素化アルカリ洗浄剤様の機能が発現し、脂質や蛋白汚れの酸化分解を促進し、ガラス又は陶器製食器の表面から脂質や蛋白汚れがより容易に除去されると考えられる。
本発明の洗浄方法は、下記工程1及び工程2を含む、ガラス又は陶器製食器の洗浄方法であって、工程1と工程2との間にガラス又は陶器製食器からガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤を水で除去するすすぎ工程を有さない、ガラス又は陶器製食器の洗浄方法である。本発明のガラス又は陶器製食器の洗浄方法は、次亜塩素酸アルカリ金属塩が付着したガラス又は陶器製食器を、自動食器洗浄機用洗浄剤を用いて自動食器洗浄機で洗浄するものである。
工程1:ガラス又は陶器製食器と、次亜塩素酸アルカリ金属塩を含むガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤とを接触させる工程
工程2:工程1で得られたガラス又は陶器製食器を、自動食器洗浄機用洗浄剤を用いて自動食器洗浄機で洗浄する工程
以下、各工程について記載する。
(工程1)
工程1は、ガラス又は陶器製食器と、次亜塩素酸アルカリ金属塩を含むガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤とを接触させる工程である。以下、ガラス又は陶器製食器を、食器と表記することもある。
食器と前処理剤との接触は、食器に前処理剤を塗布することが好ましく、食器に前処理剤を噴霧することがより好ましい。
工程1では、上記前処理剤を噴霧して食器と接触させることが好ましい。
前処理剤を噴霧する場合、霧状でも泡状で噴霧してもよいが、食器の表面に均一に塗布する観点から、泡状で噴霧する方法がより好ましい。泡状で噴霧する場合、泡形成機構を有するスプレーによって泡状に吐出して適用してもよい。
本発明の対象とする食器としては、ガラス製グラス、ガラス製皿、ガラス製ボウル、陶器製グラス、陶器製皿、陶器製ボウルなどが挙げられる。本発明の対象とする食器は、ガラス製グラスから選ばれるが1種以上が好ましい。ガラス製グラスは、ガラス製ジョッキ、ガラス製コップなどが挙げられ、ガラス製ジョッキが好ましい。
ガラス製グラスの場合、前処理剤を接触させた後、ガラス製グラスを正立から倒立にすることで、ガラス製グラスの内壁を前処理剤が緩やかに移行して汚れとの接触面積が拡大する事や接触時間を確保する事ができる為、内壁全体を洗浄する事ができる。
また、内壁の面積が大きいガラス製ジョッキは、前処理剤を泡状にして噴霧することが好ましい。
本発明では、ガラス又は陶器製食器が、ガラス製グラスから選ばれる1種以上であり、工程1において、ガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤をガラス又は陶器製食器と接触させた後、該ガラス又は陶器製食器を正立させて放置した後、倒立させて放置することが好ましい。
食器と前処理剤とを接触させる他の方法としては、本発明の前処理剤を、紙、布などに含浸させ、対象物を拭き取るように適用する方法を用いることもできる。
本発明では、工程1でガラス又は陶器製食器とガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤とを接触させた後、該ガラス又は陶器製食器を所定時間放置して工程2に用いることが好ましい。
具体的には、本発明では、工程1でガラス又は陶器製食器とガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤とを接触させた後、該ガラス又は陶器製食器を10秒以上放置して工程2に用いることが好ましい。
工程1で食器と前処理剤とを接触させた後、該食器を、洗浄力の観点から、好ましくは10秒以上、より好ましくは20秒以上、更に好ましくは30秒以上、より更に好ましくは60秒以上、より更に好ましくは90秒以上、そして、作業効率の観点から、好ましくは120分以下、より好ましくは60分以下、更に好ましくは30分以下、放置して工程2を行う。
前処理剤の接触から10秒以上放置することにより、食器の内壁に付着した汚れに前処理剤を十分に浸透させることができる。
放置する際の温度は、好ましくは10℃以上、そして、好ましくは80℃以下であり、例えば室温が好ましい。
ガラス又は陶器製グラスの場合、放置時間の一部を正立状態で放置し、放置時間の残余を倒立状態で放置することが、前処理剤をより均一に接触させる観点から好ましく、例えば、正立状態で放置時間の半分の時間放置した後、倒立状状態で残りの半分の時間放置することが好ましい。このような方法により、ガラス又は陶器製グラスの底部から開口へ前処理剤が流下して、ガラス又は陶器製グラスの内壁全面に前処理剤をより均一に接触させることができる。
本発明の前処理剤の接触量としては、洗浄力の観点から、ガラス又は陶器製食器300cmあたり、好ましくは0.5ml以上、より好ましくは0.9ml以上、経済性及び洗浄力の観点から、好ましく15ml以下、より好ましくは9ml以下、更に好ましくは4.5ml以下、更に好ましくは3.6ml以下、より更に好ましくは3ml以下である。
本発明では、工程1において、ガラス又は陶器製食器300cmあたりの次亜塩素酸アルカリ金属塩の接触量が、洗浄力の観点から、好ましくは0.5mg以上、より好ましくは0.9mg以上、更に好ましくは1.5mg以上、より更に好ましくは2.5mg以上、より更に好ましくは5mg以上、より更に好ましくは7mg以上、経済性の観点から、好ましくは270mg以下、より好ましくは220mg以下、更に好ましくは170mg以下、より更に好ましくは130mg以下、より更に好ましくは100mg以下となるように、ガラス又は陶器製食器とガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤とを接触させる。
尚、前処理剤の接触量及び次亜塩素酸アルカリ金属塩の接触量は、接触に用いる前処理剤の量から求めた計算値である。
工程1は、ガラス又は陶器製食器に、次亜塩素酸アルカリ金属塩を含むガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤を塗布する工程、更にガラス又は陶器製食器に、次亜塩素酸アルカリ金属塩を含むガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤を噴霧して塗布する工程であってよく、この場合、前記接触量は塗布量に置き換えることができる。
本発明のガラス又は陶器製食器の洗浄方法は、工程1と工程2との間にガラス又は陶器製食器からガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤を水で除去するすすぎ工程を有さない。
すすぎ工程を有さないとは、すすぎ工程を本質的に有さない意味であり、ガラス又は陶器製食器が水と接触しても前処理剤がガラス又は陶器製食器表面に残存する状態であるような場合、例えば、ガラス又は陶器製食器の表面の一部をすすいだとしても、すすがない部分があるような場合は、本発明の範囲内である。
例えば、食器の前処理剤が接触していない部位(例えば、ガラス又は陶器製グラスの外側)だけをすすいだとしても、前処理剤が接触した部位(例えば、ガラス又は陶器製グラスの内側)をすすがなければ本発明の範囲内である。更に、食器の全面をすすいだとしても、故意に次亜金属アルカリ金属塩を残存させるすすぎは、本発明の範囲内である。
具体的な数値として、すすぎ後、ガラス又は陶器製食器300cmあたり、次亜塩素酸アルカリ金属塩が、好ましくは0.1mg以上、より好ましくは0.5mg以上残存する領域が、好ましくは100cm以上、より好ましくは200cm以上残存する場合は、本発明の範囲内である。この残存量を満たす場合は、工程1と工程2との間にガラス又は陶器製食器からガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤を水で除去するすすぎ工程を有さないと判断することができる。
次に、工程1で用いられる前処理剤について説明する。
本発明の前処理剤は、次亜塩素酸アルカリ金属塩〔以下、(A)成分ともいう〕を含有する。本発明の前洗浄剤は、(A)成分を含有する組成物であってよい。
本発明の前処理剤の(A)成分は、入手性の観点から次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウムが挙げられ、入手の容易さの観点から次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
前処理剤中、(A)成分の含有量は、洗浄力の観点から、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.2質量%以上であり、そして、好ましくは6質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは4質量%以下である。
前処理剤は、更に、炭素数8以上12以下の脂肪酸アルカリ金属塩〔以下、(B)成分ともいう〕を含有することが、洗浄力、スプレー使用時の泡安定性の観点から好ましい。 (B)成分は、洗浄力及びスプレー使用時の泡吐出性の観点から、好ましくは炭素数8以上であり、好ましくは炭素数12以下、より好ましくは炭素数10以下、更に好ましくは炭素数10である。
(B)成分としては、n−オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、n−ノナン酸、n−デカン酸、n−ウンデカン酸、及びn−ドデカン酸から選ばれる脂肪酸のアルカリ金属塩が好適に挙げられる。これらのうち、n−デカン酸、及びn−ドデカン酸から選ばれる脂肪酸のアルカリ金属塩がより好ましく、n−デカン酸のアルカリ金属塩がさらに好ましい。
(B)成分は、1種を用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
(B)成分は、酸型の脂肪酸と適当なアルカリ剤とを用いて、前処理剤中で塩を形成させて配合することができる。
前処理剤中、(B)成分の含有量は、洗浄力及びスプレー使用時の泡吐出性の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上であり、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1質量%以下である。
本発明の前洗浄剤は、pHを調整して保存安定性を高める観点から、アルカリ金属の水酸化物を含有することが好ましい。保存安定性の観点から、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウムから選ばれる1種以上が好ましく、水酸化ナトリウムがより好ましい。
本発明の前処理剤は、水を含有することが好ましい。使用する水は、イオン交換水、RO水、蒸留水のいずれでもよい。
前処理剤中、水の含有量は、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、更に好ましくは95質量%以上であり、そして、好ましくは99質量%以下、より好ましくは98質量%以下である。
本発明の前処理剤は、更に、(A)成分、(B)成分以外の界面活性剤〔以下、「他の界面活性剤」ともいう〕を含有することができる。
他の界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、及びカチオン性界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤が挙げられる。
より詳細には、他の界面活性剤は、特に制限されるものではないが、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩やアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルスルホン酸塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、ポリアルキレングリコール、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、脂肪酸ポリオキシエチレンエステル、脂肪酸ソルビタンエステル、脂肪酸ポリオキシアルキレンソルビタンエステル、脂肪酸サッカライドエステル、アルキルポリサッカライド、アルキルグリセリルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、アミンオキシド等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルヒドロキシスルホベタイン等のベタイン、及びアミドアミノ酸(イミダゾリン系ベタイン)等の両性界面活性剤、及びアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、塩化ベンザルコニウム、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、ポリエチレンポリアミン、塩化ベンゼトニウム等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。アミンオキシドとしては、オクチルジメチルアミンオキシド、ノニルジメチルアミンオキシド、デシルジメチルアミンオキシド、ウンデシルジメチルアミンオキシド、ドデシルジメチルアミンオキシド、トリデシルジメチルアミンオキシド、テトラデシルジメチルアミンオキシド等が挙げられる。
これら他の界面活性剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の前処理剤中、他の界面活性剤の含有量は、次亜塩素酸ナトリウムの安定性及び洗浄力の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上であり、そして、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2質量%以下、更に好ましくは1.5質量%以下である。
本発明の前処理剤は、洗浄機内の金属腐食を防止するために、珪酸アルカリ金属塩を含有することが好ましい。珪酸アルカリ金属塩は、前処理剤の高温(例えば50℃)での保存安定性の観点から、オルト珪酸アルカリ金属塩、メタ珪酸アルカリ金属塩、1号珪酸アルカリ金属塩、2号珪酸アルカリ金属塩、及び3号珪酸アルカリ金属塩から選ばれる化合物が好ましく、オルト珪酸アルカリ金属塩、メタ珪酸アルカリ金属塩、及び1号珪酸アルカリ金属塩から選ばれる化合物がより好ましく、メタ珪酸アルカリ金属塩が更に好ましく、珪酸カリウム塩及び珪酸ナトリウム塩から選ばれる化合物がより好ましく、珪酸ナトリウム塩がより更に好ましい。
本発明の前処理剤における珪酸アルカリ金属塩の含有量は、金属腐食を防止する観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上であり、そして、好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.15質量%以下である。
本発明の前処理剤は、その他の任意成分として、本発明の効果を妨げない範囲において一般に洗浄剤に配合される成分を含有することができる。例えば、溶剤、キレート剤、ハイドロトロープ剤、分散剤、pH調整剤(アルカリ金属の水酸化物を除く)、粘度調整剤、香料、着色剤、酸化防止剤、防腐剤などが挙げられる。
前処理剤は、次亜塩素酸金属塩の安定性の観点から、25℃におけるpHが、好ましくは10以上、より好ましくは11以上、さらに好ましくは12以上であり、そして、好ましくは14以下、より好ましくは13.5以下、更に好ましくは13.3以下である。尚、本発明の前処理剤の25℃におけるpHは、HORIBA pH Meter F-21((株)堀場製作所製)を用いて測定することができる。
本発明の前処理剤は、スプレーを用いた場合の吐出性の観点から、25℃における粘度が、好ましくは50mPa・s以下、より好ましくは10mPa・s以下、更に好ましくは5mPa・s以下である。そして、本発明の前処理剤の25℃における粘度は、同様の観点から、好ましくは0.5mPa・s以上、より好ましくは0.8mPa・s以上、更に好ましくは1mPa・s以上である。ここで、前処理剤の粘度は、B型粘度計によりNo.1ローターを用いて、25℃、回転数60rpmの条件で1分攪拌後の値を測定したものである。
本発明の前処理剤は、泡形成機構を有するスプレーを備える吐出容器に充填して用いることができる。スプレーを備える吐出容器としてはトリガー式スプレーを備える吐出容器が好ましく、トリガー式スプレーとしては実公平6−34858号公報、特公昭63−2668号公報に記載のもの等が挙げられる。本発明の前処理剤を、スプレーを備える吐出容器に充填して用いる場合には、ガラス表面、若しくはガラス表面に付着した汚れに泡状に付着させた後、一定時間静置してから自動食器洗浄機用での洗浄を行うことができる。
泡形成機構としては、好ましくはスピンエレメント及び直径4〜8mmの円形状の空間部分に棒状の突起を数個設置された液体通過板を有するものが好適である。ここでスピンエレメントとは、スピンエレメントを通じて液状物の流れにスピンを与え、最後にノズルから噴出する機構であり、その詳細な構造としては特開平8−332422号公報や特開平8−108102号公報の図4(b)、特開2002−68265号公報の図1などを参考にすることができる。
泡形成機構のもう一つの部材である液体通過板は、直径5〜7mmの円形状の空間部分に棒状の突起を好ましくは3〜8個設置されたものであり、通過する板を平面で見た場合に、好ましくは幅0.8〜1.2mm、長さ2〜4mmの長方形状の棒状の突起が好適である。また、棒状の突起を除いた空間部分に対する棒状の突起の占める面積は30〜90面積%が好ましく、40〜80面積%がより好ましく、40〜70面積%が更に好ましく、このような液体通過板を設置することで、垂直表面への泡の付着滞留性が良好になる。
泡形成機構を有するスプレーを備える吐出容器としては、一般に使用されている容器を用いることができる。例えば、ポリエチレンを原料として得られるものであり、ブロー成型などによって製造することができる。容器の肉厚は底面と側面と異なってもよく、0.05〜3.0mmが好ましく、容器の容量は200〜1000mLが好ましい。(A)成分の次亜塩素酸アルカリ金属塩を配合する場合、光による分解を抑制するために容器は不透明であるのが好ましい。不透明化のために容器に酸化チタン等を含有するものが用いられるのが好ましく、その場合、容器は多層構造を有するものが好ましく、特に最内側の前処理剤と接触する層は、金属を含まないものが用いられるのが好ましい。
(工程2)
工程2は、工程1で得られたガラス又は陶器製食器を、自動食器洗浄機用洗浄剤を用いて自動食器洗浄機で洗浄する工程である。
自動食器洗浄機による洗浄時間は、好ましくは10秒以上、より好ましくは30秒以上であり、そして、好ましくは30分以下、より好ましくは10分以下、更に好ましくは2分以下、より更に好ましくは1分以下である。
自動食器洗浄機による洗浄温度は、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上、更に好ましくは30℃以上であり、そして、好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下、更に好ましくは70℃以下である。この洗浄温度は、洗浄液の温度である。
自動食器洗浄機では、洗浄の後、水ですすぎを行うことが好ましい。
すすぎ時間は、好ましくは5秒以上、より好ましくは7秒以上であり、好ましくは1分以下、より好ましくは30秒以下である。
すすぎの温度は、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上、更に好ましくは30℃以上であり、そして、好ましくは90℃以下、より好ましくは80℃以下である。
自動食器洗浄機用洗浄剤としては、特に限定されず、公知の自動食器洗浄機用洗浄剤を使用することができる。自動食器洗浄機用洗浄剤は、アルカリ剤、分散剤、界面活性剤などを含有するものが挙げられる。また、自動食器洗浄機用洗浄剤の形態は、粉末、液体などのいずれであってもよい。自動食器洗浄機用洗浄剤は組成物であってよい。
アルカリ剤としては、アルカリ金属塩、例えば、リン酸アルカリ金属塩、炭酸アルカリ金属塩、珪酸アルカリ金属塩、硫酸アルカリ金属塩が挙げられる。具体的には、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、トリポリリン酸ナトリウム、トリポリリン酸カリウム、オルソリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、メタ珪酸ナトリウムなどが挙げられる。また、アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物も挙げられる。
分散剤としては、ポリマー系分散剤が挙げられる。
ポリマー系分散剤としては、ポリアクリル酸又はその塩、及び、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩、から選ばれるポリマー〔以下、分散剤ポリマー(I)という〕が挙げられる。
ポリアクリル酸又はその塩としては、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム等が挙げられ、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウムが好ましく、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩としては、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー、アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのナトリウム塩、アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのカリウム塩等が挙げられ、アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのナトリウム塩、アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのカリウム塩が好ましい。アクリル酸とマレイン酸のコポリマーのモル比は、アクリル酸のモル数/マレイン酸のモル数として、99/1〜1/99、更に90/10〜10/90であることが好ましい。
分散剤ポリマー(I)は、効果の発現を妨げない程度であれば、アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び/又はマレイン酸と共重合可能なモノマーを含んだコポリマーであってもよい。アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び/又はマレイン酸と共重合可能なモノマーとしては、ビニル系モノマー、アクリル系モノマー、スチレン系モノマー等が挙げられ、より具体的にはメタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、スチレン等が挙げられる。アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び/又はマレイン酸と共重合可能なモノマーの分散剤ポリマー(I)中のモル比は、分散剤ポリマー(I)として水溶性等の物性や自動食器洗浄機用洗浄剤の効果の発現に対して影響を与えなければ限定されないが、分散剤ポリマー(I)中に0モル%以上が好ましく、そして、5モル%以下が好ましく、3モル%以下がより好ましく、0モル%であることが更に好ましい。従って、分散剤ポリマー(I)は、全構成モノマー中、アクリル酸及びマレイン酸以外のモノマーであって、アクリル酸及び/又はマレイン酸と共重合可能なモノマーを、0モル%以上5モル%以下の範囲で含むポリマー又はコポリマーであってよい。
通常、分散剤ポリマー(I)を製造する際の共重合反応には、マレイン酸は無水マレイン酸が用いられるので、上記のモル比は、何れも無水マレイン酸に基づくモル比であってよい。
また、分散剤ポリマー(I)の重量平均分子量は、スケール付着抑制効果の観点から、好ましくは1,000以上、より好ましくは2,000以上、そして、好ましくは100,000以下、より好ましくは90,000である。この重量平均分子量は、アセトニトリルと水の混合溶媒(リン酸緩衝溶液)を展開溶媒とし、ゲルパーミテーションクロマトグラフィーで分子量既知の一般に市販され入手可能なポリマー標準試薬であるポリアクリル酸(例えば、シグマアルドリッチ製分子量スタンダード試薬)を標準物質として求めたものである。
界面活性剤としては、目的に応じて、ノニオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤を使用することができるが、洗浄性の観点からは、ノニオン界面活性剤が好ましい。
ノニオン界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンジアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、プルロニック型ブロックポリマー、テトロニック型ブロックポリマー、リバースプルロニック型ブロックポリマー、リバーステトロニック型ブロックポリマー、蔗糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ジエタノールアミド、ラウリン酸ミスチリン酸ジエタノールアミド、ミスチリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド、パーム核脂肪酸ジエタノールアミド、アルキルグルコシド類、アミンオキサイド類、等が挙げられ、特に、洗浄性の観点から、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、プルロニック型ブロックポリマー、テトロニック型ブロックポリマー、リバースプルロニック型ブロックポリマー、リバーステトロニック型ブロックポリマーが好ましい。これらノニオン界面活性剤は単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、自動食器洗浄機用洗浄剤は、有機ビルダーを含有することができる。有機ビルダーとしては、(i)エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,2−ジホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸及びその誘導体、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸などのホスホン酸の塩、(ii)2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸などのホスホノカルボン酸の塩、(iii)アスパラギン酸、グルタミン酸などのアミノ酸の塩、(iv)、ニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩などのアミノポリ酢酸塩、(v)ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、テトラヒドロフラン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、テトラヒドロフラン−2,2,5,5−テトラカルボン酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、スルホコハク酸、リンゴ酸、グルコン酸などの有機酸の塩、などが挙げられる。
自動食器洗浄機用洗浄剤は、前記の成分以外にも、必要に応じて、芒硝、漂白剤、酵素、消泡剤、防腐剤、防錆剤、殺菌剤、抗菌剤、色素、香料、ハイドロトロープ剤等を含有することができる。
工程2で用いる自動食器洗浄機用洗浄剤は、洗浄力の観点からアルカリ性であることが好ましい。具体的には、自動食器洗浄機用洗浄剤は、0.2質量%水希釈物の25℃におけるpHが、好ましくは10以上、より好ましくは10.5以上、更に好ましくは11以上であり、同様の観点から、好ましくは14以下、より好ましくは13以下である。尚、前記希釈物の25℃におけるpHは、HORIBA pH Meter F-21((株)堀場製作所製)を用いて測定することができる。また、水希釈物の調製にはイオン交換水を用いる。
工程2で用いる自動食器洗浄機は、好ましくは業務用自動食器洗浄機である。
自動食器洗浄機用洗浄剤を用いた自動食器洗浄機による洗浄の際には、該自動食器洗浄機用洗浄剤は、供給装置によって自動食器洗浄機内部に一定量任意に移送され、適正な洗浄液の濃度が維持される。自動食器洗浄機用洗浄剤の製品形態が液体である場合は、自動食器洗浄機専用のチューブを自動食器洗浄機用洗浄剤が充填されたプラスチック等の容器の中に直接差し込み吸い上げられて供給される。自動食器洗浄機用洗浄剤の形態が固体や粉末状である場合は、自動食器洗浄機専用ホッパーに自動食器洗浄機用洗浄剤が充填されたプラスチック等の容器ごと決められた方向にセットして、或いはパウチ容器等に充填された自動食器洗浄機用洗浄剤を自動食器洗浄機専用ホッパーに移しかえて、水や温水をスプレーやシャワーなどで自動食器洗浄機用洗浄剤に噴霧して、溶解した洗浄液が自動食器洗浄機内部へ供給される。
自動食器洗浄機用洗浄剤は、洗浄液中の濃度が好ましくは0.05質量%以上0.5質量%以下で使用されるが、経済性、洗浄性の観点から、より好ましくは0.05質量%以上、そして、より好ましくは0.3質量%以下、更に好ましくは0.2質量%以下である。
自動食器洗浄機では、食器を連続洗浄する場合、洗浄液はポンプで循環させて繰り返し使用し、洗浄している。
自動食器洗浄機により食器を連続洗浄する場合、食器による洗浄液の持ち出しや、洗浄槽へのすすぎ水のキャリーオーバーなどによって、洗浄回数とともに洗浄液の濃度が減少する。適切な洗浄液の濃度を維持するため、自動供給装置によって適正濃度となるように自動食器洗浄機用洗浄剤が供給される。
自動食器洗浄機用洗浄剤の自動供給装置としては、特に限定されるものではないが、洗浄液の濃度をセンシングし、シグナルを受信して、自動食器洗浄機用洗浄剤の製品形態が液体である場合は、チューブポンプを駆動させて、粉末若しくは固体の場合は、水や温水をスプレーやシャワー状で自動食器洗浄機用洗浄剤に噴霧して、必要量の自動食器洗浄機用洗浄剤を供給する。
この自動供給装置は、1日の洗浄回数が非常に多い業務用には好適に用いられ、洗浄回数毎の手投入に比べ、格段に手間が省けるという利点があり、またそれ以外に、1日中(洗浄中)適正濃度を維持することが容易となる。
工程2の終了後、食器を乾燥させることが好ましい。
以下に本発明の実施例を示す。実施例は本発明の例示について述べるものであり、本発明を限定するためではない。尚、実施例において用いたガラス製ビールジョッキは、ガラス製である。
<前処理剤の調製方法>
表1、2の組成で、各成分の合計量が500gになる様に配合量を計算した。下記の順に500mLビーカーに各成分を投入し、攪拌機(TOKYO DRIKAKIKAI社製、TypeZ−2200)及び撹拌羽(3枚羽:直径4cmを)を用い、回転数200(rpm/min)にて混合した。尚、調製温度は中和熱による発熱を考慮して、25℃から35℃の範囲にて調整した。
イオン交換水、次亜塩素酸ナトリウム、NaOHを投入し、均一溶解する迄混合した。その後、ポリオキシエチレン(平均3モル付加物)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(エマール20C、花王(株)製)、ドデシルジメチルアミンオキシド(アンヒトール20N、花王(株)製)、n−デカン酸ナトリウム(ルナック10−98、花王(株)製)、メタ珪酸ナトリウム(無水メタ珪酸ナトリウム、広栄化学工業(株)製)等を必要により配合し、均一溶解する迄混合し、表1、2の前処理剤を得た。得られた前処理剤は、何れも、25℃における粘度(前述の測定条件)が、0.5mPa・s以上50mPa・s以下の範囲にあった。
<モデル汚垢の作製>
ガラス製ビールジョッキ(口径7cm×底部内径4cm×高さ15cm/満容量350mL、質量787g/個)を中性洗剤によるスポンジ手洗い後、水道水ですすいだ後、倒立状態で、25℃で1時間乾燥した。乾燥したビールジョッキに牛乳(おいしい牛乳:明治社製)を50g注ぎ、内壁全体に牛乳を塗布した。牛乳を廃棄した後、正立状態で、25℃で1時間乾燥した。
更に、洗浄機内洗浄液中に存在する脂質汚れをビールジョッキへ付着させる為、業務用食器洗浄機〔三洋電機(株)製 SANYO DR53〕の洗浄槽(38L)に、日清サラダ油(日清製油社製)を38g、食器洗浄機用洗浄剤組成物(アクシャルEP:花王(株)製)を19g、50℃の温水38Lに溶解させた後、専用ラックに牛乳を塗布したビールジョッキをセットして、50℃の洗浄液を60L/分の流速で30秒間循環洗浄した後、リンス剤を用いることなく80℃のすすぎ水にて5秒間すすいだ。今回、牛乳塗布・廃棄・乾燥から予備洗浄迄を2回繰り返すことにより、実際のビールジョッキに付着した疑似汚れを作成した。
<工程1:前処理>
表1、2の前処理剤をキッチン泡ハイター(花王(株)製)容器(吐出量0.9ml/回、トリガー式スプレーを備える吐出容器)に充填し、モデル汚垢を付着させたビールジョッキを正立状態とし、前記前処理剤を2.7ml/300cm又は5.4ml/300cmの塗布量となるように、前記ジョッキの内壁部に泡状又は霧状(実施例14及び比較例6)で噴霧し、流下させて塗布した。
前処理剤を塗布後、120秒又は30秒、室温(25℃)でビールジョッキを静置した。その際、実施例1等のように120秒放置する場合は、最初の60秒は成立状態でビールジョッキを静置し、残りの60秒は倒立状態でビールジョッキを静置した後、直ちに工程2の洗浄を行った。また、実施例16等のように30秒放置する場合は、最初の15秒は成立状態でビールジョッキを静置し、残りの15秒は倒立状態でビールジョッキを静置した後、直ちに工程2の洗浄を行った。
<工程2:洗浄>
業務用食器洗浄機〔三洋電機(株)製 SANYO DR53〕の洗浄槽(38L)に、粉末又は液体の自動食器洗浄機用洗浄剤76g又は158gを投入して、50℃の温水で38Lとなるように溶解させて洗浄液とした。
ここで、粉末の自動食器洗浄機用洗浄剤(表中、粉末系ADDと表記した)は、アクシャルニュースターAN(花王(株)製、アルカリ剤(炭酸アルカリ金属塩等)、ポリマー系分散剤(ポリアクリル酸塩)、ノニオン界面活性剤等を含有し、0.2質量%水希釈物の25℃でのpHが11.5の洗浄剤)を、液体の自動食器洗浄機用洗浄剤(表中、液体系ADDと表記した)は、アクシャルニュースターLS(花王(株)製、アルカリ剤(炭酸アルカリ金属塩等)、ポリマー系分散剤(ポリアクリル酸塩)、ノニオン界面活性剤等を含有し、0.2質量%水希釈物の25℃でのpHが11.2の洗浄剤)を用いた。
専用ラックに、表1、2の前処理剤を噴霧して前処理したビールジョッキ2個をセットして、50℃の洗浄液を60L/分の流速で40秒間循環洗浄した後、リンス剤を用いることなく80℃のすすぎ水にて8秒間すすいだ。専用ラックからビールジョッキ2個を取り出した後、冷蔵室(2〜5℃)にて1時間放置、冷却乾燥させた後、冷蔵室にて冷却していた缶生ビール(アサヒスーパードライ:アサヒビール(株)製)100mlのビールを、下から30cmの高さから5秒以内にジョッキに注ぎ、注ぎ終わった後30秒後に、内壁部に付着している泡の付着数を確認し、以下の判定基準で洗浄力を評価した。結果を表1、2に示す。
なお、比較例1〜3では、工程1を行わなかった。
また、比較例2、3では、工程2で、洗浄液に次亜塩素酸ナトリウムを塩素濃度が10ppmとなるように混合した。
比較例4は、工程2で自動食器洗浄機用洗浄剤を用いなかった。
比較例5〜6は、工程2を行わずに、工程1の終了後、120秒放置した後、水道水でビールジョッキをすすいだ。
比較例7〜8は、工程1の終了後、120秒放置した後、ビールジョッキを、300cmあたりの次亜塩素酸ナトリウム量が0mgになるまで、水道水ですすいだ。その後、工程2を行った。
*洗浄力の判定基準
5;側壁内部の泡の付着数がジョッキ1個あたりの平均で10個未満
4;側壁内部の泡の付着数がジョッキ1個あたりの平均で10個以上50個未満
3;側壁内部の泡の付着数がジョッキ1個あたりの平均で50個以上100個未満
2;側壁内部の泡の付着数がジョッキ1個あたりの平均で100個以上150個未満
1;側壁内部の泡の付着数がジョッキ1個あたりの平均で150個以上
Figure 0006585417
Figure 0006585417
表中の成分は以下のものであり、表中の質量%は有効分換算の質量%である。
・次亜塩素酸ナトリウム:低食次亜塩素酸ソーダ、南海化学(株)製、有効塩素濃度12%
・n−デカン酸:n−デカン酸、ルナック10−98、花王(株)製、前処理剤中ではナトリウム塩となっている。
・ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム:エマール20C、花王(株)製、エチレンオキシド平均付加モル数3
・ドデシルジメチルアミンオキシド:アンヒトール20N、花王(株)製
・NaOH:25%苛性ソーダ、南海化学(株)製
・メタ珪酸ナトリウム:無水メタ珪酸ナトリウム、広栄化学工業(株)製

Claims (7)

  1. 下記工程1及び工程2を含む、ガラス又は陶器製食器の洗浄方法であって、
    ガラス又は陶器製食器が、ガラス又は陶器製グラスから選ばれる1種以上であり、
    工程1において、ガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤をガラス又は陶器製食器と接触させた後、該ガラス又は陶器製食器を正立させて放置した後、倒立させて放置し、
    工程1と工程2との間にガラス又は陶器製食器からガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤を水で除去するすすぎ工程を有さない、
    ガラス又は陶器製食器の洗浄方法。
    工程1:ガラス又は陶器製食器と、次亜塩素酸アルカリ金属塩を含むガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤とを接触させる工程
    工程2:工程1で得られたガラス又は陶器製食器を、自動食器洗浄機用洗浄剤を用いて自動食器洗浄機で洗浄する工程
  2. 工程1でガラス又は陶器製食器とガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤とを接触させた後、該ガラス又は陶器製食器を10秒以上放置して工程2に用いる、請求項1に記載のガラス又は陶器製食器の洗浄方法。
  3. ガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤のpHが10以上である、請求項1又は2に記載のガラス又は陶器製食器の洗浄方法。
  4. ガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤が炭素数8以上12以下の脂肪酸又はその塩を含有する、請求項1〜のいずれか1項に記載のガラス又は陶器製食器の洗浄方法。
  5. 工程1において、ガラス又は陶器製食器300cmあたりの次亜塩素酸アルカリ金属塩の接触量が0.5mg以上となるように、ガラス又は陶器製食器とガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤とを接触させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラス又は陶器製食器の洗浄方法。
  6. 工程1において、ガラス又は陶器製食器用洗浄前処理剤を噴霧してガラス又は陶器製食器と接触させる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラス又は陶器製食器の洗浄方法。
  7. 自動食器洗浄機用洗浄剤の0.2質量%水希釈物の25℃におけるpHが10以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のガラス又は陶器製食器の洗浄方法。
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