JP2014101418A - ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法およびこれを用いた光学材料用エポキシシリコーン樹脂 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学材料用途の原料として好適に使用できるヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの簡便な製造方法、及びこのヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを用いて得られる耐熱着色性、耐UV着色性、強度、たわみに優れる光学材料用エポキシシリコーン樹脂、及び熱硬化性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ハイドロジェン変性ポリオルガノシロキサンと不飽和アルコール化合物とを反応させて粗ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを生成させ、これに貧溶媒を加えて、GPCによるポリスチレン換算での数平均分子量が7000以上の非反応性シロキサン樹脂成分を分離除去して精製することにより透明性に優れたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを製造する。
【選択図】なし
【解決手段】ハイドロジェン変性ポリオルガノシロキサンと不飽和アルコール化合物とを反応させて粗ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを生成させ、これに貧溶媒を加えて、GPCによるポリスチレン換算での数平均分子量が7000以上の非反応性シロキサン樹脂成分を分離除去して精製することにより透明性に優れたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを製造する。
【選択図】なし
Description
本発明はヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの製造において、効率的に非反応性の重質分を除去し、精製されたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを得る製造方法およびこの製造法により得られるヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンに関する。さらには、このヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを原料とするエポキシシリコーン樹脂およびこれを必須成分とする光学特性、硬度、耐熱着色性、耐光着色性に優れる熱硬化性樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂は、電気特性、接着性、耐熱性等に優れることから主に塗料分野、土木分野、電気分野の多くの用途で使用されている。特に、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル、ビスフェノールF型ジグリシジルエーテル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等の芳香族エポキシ樹脂は、耐水性、接着性、機械物性、耐熱性、電気絶縁性、経済性などが優れることから種々の硬化剤と組み合わせて広く使用されている。しかし、これらの樹脂は芳香環を含むことから、紫外線等により劣化しやすく、耐候性、耐光性を求められる分野では使用上の制約があった。
エポキシ樹脂組成物に関しては、硬化物の硬度が高いため、ハンドリング性に優れており、低出力の白色LED封止用途では、必要な耐久性が得られることから、低出力用途では多く用いられている。しかし、高出力LEDにおいては、発光量や発熱量の増加により変色を生じやすく、十分な寿命を得ることが難しい短所を有している。発熱量の増加による変色を防ぐために、高いガラス転移温度を発現するエポキシ樹脂が使用されるが、このようなエポキシ樹脂は高弾性である上、強度、たわみが通常のエポキシ樹脂より低いため、急激な温度変化が起こりうる環境下では封止材が割れやすいなどの課題も有している。加えて近年のLEDの発光波長の短波長化により、連続使用すると変色を生じて発光出力が低下しやすいなどの課題も有している。このため、封止材には更なる耐熱着色性、耐光性の改善と同時に、高い強度と低い弾性率を有することが求められる。
白色LED封止用途のエポキシ樹脂の割れや耐熱着色性、耐光性を改善するために、エポキシ樹脂中の主鎖に、柔軟で化学的に安定な直鎖シロキサンを導入する方法が開示されている。
直鎖シロキサンをエポキシ樹脂中に導入する方法としては、特許文献1、2に記載されているように、ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを酸無水物でハーフエステル化して得られるカルボキシル基と、エポキシ樹脂のエポキシ基との反応生成物が例示されており、光学材料用、とりわけLED封止材用途に好適に使用できるとの記載がある。
一方、ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法としては、たとえば特許文献3に記載の通り、ハイドロジェン変性ポリオルガノシロキサンと不飽和アルコールとを反応させる際、水分含有量が0.5〜50重量%であるウェットタイプの貴金属化合物の担持触媒を用いることで、合成樹脂の改質または繊維処理剤に有用な外観の透明性に優れたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン化合物の製造方法が例示されている。
この方法では、ハイドロジェン変性ポリオルガノシロキサンと不飽和アルコールのヒドロシリル化反応の際、シロキサン化合物中のSi−H基とアルコール化合物中の−OH基との間の脱水素副反応を抑えることが可能であること、水分を含有した担持触媒を用いることでヒドロシリル化後の化合物の着色がないヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン化合物を得ることができると開示されている。
一般的に流通しているヒドロキシカルビル末端ポリオルガノシロキサンは無色透明であり、製品毎の加熱減量のばらつきも小さい。しかし、そのようなヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを原料として用い、たとえば特許文献1に記載の通りヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを酸無水物でハーフエステル化して得られるカルボキシル基と、エポキシ樹脂のエポキシ基との反応生成物とした際、ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンが透明であっても、適切な品質のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを選択しなければ、反応後の生成物が白濁するという現象が起きることがわかった。
これは、ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン中に含まれる不純物として微量の重質成分が、反応生成物であるエポキシシリコーン樹脂との相溶性が低いことに起因すると本発明者らは考えた。この微量のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン中の重質成分の出現については、以下の3つの要因が、単独または複合的に起こっているためと本発明者らは考えた。
(1) シロキサン化合物中のSi−H基とアルコール化合物中の−OH基との間の脱水素副反応による重質化。
(2) ハイドロジェン変性ポリオルガノシロキサンの製造時、特開平03−221530号公報に記載されているように、環状シロキサン及びSi−H基を有するシロキサンを酸触媒を用いて重合、平衡化を行った後、酸触媒を十分に失活または除去させないまま低揮発分をストリップすることでSi−H基が切断されることによる重質化。
(3) 環状シロキサン及びSi−H基を有するシロキサンを酸触媒により重合、平衡化を行った後、酸触媒を中和させる際にアルカリ化合物を用いた際、アルカリ化合物が作用してSi−H基が切断されることによる重質化。
(2) ハイドロジェン変性ポリオルガノシロキサンの製造時、特開平03−221530号公報に記載されているように、環状シロキサン及びSi−H基を有するシロキサンを酸触媒を用いて重合、平衡化を行った後、酸触媒を十分に失活または除去させないまま低揮発分をストリップすることでSi−H基が切断されることによる重質化。
(3) 環状シロキサン及びSi−H基を有するシロキサンを酸触媒により重合、平衡化を行った後、酸触媒を中和させる際にアルカリ化合物を用いた際、アルカリ化合物が作用してSi−H基が切断されることによる重質化。
発明者らは、適切な品質のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの選定手段として、重質分の存在と白濁現象が相関していると考えた。すなわち、ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの加熱減量やGPC測定と、ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを酸無水物でハーフエステル化して得られるカルボキシル基とエポキシ樹脂の反応生成物の白濁関係を相関付けようと試みた。しかし、重質成分の濃度がGPC測定では看破できないほど微量であること、そのため加熱重量減少という手法では白濁の有無は判定できず、経済的な分析手法ではヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン中の重質分の存在を判定することは困難であった。実際にエポキシシリコーン樹脂とするまでには2段階の反応工程が必要であり、反応生成物が白濁するかどうかわからない状態での製造は、著しく正確性、生産性、経済性に欠ける。
ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの主な用途はポリウレタンやポリエステルの改質または繊維処理剤、消泡剤等であり、使用するヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンは、ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンそのものの透明性を担保することで所定の効果が得られると推測できるが、酸無水物でハーフエステル化した後エポキシ樹脂と反応させて得られるエポキシシリコーン樹脂を、たとえばLED封止材のような透明性が必要とされる光学材料として使用する際に、樹脂が白濁している場合は使用に支障をきたす。このため、ポリウレタンやポリエステルの改質または繊維処理剤、消泡剤等、従来技術の適用範囲では考慮に入れる必要の無かったヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの適切な精製手法が要求される。
しかしながら、重質成分を規定し、かつ精製されたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを使用して得られる末端にカルボキシル基を有するヘミエステルと、一分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂を反応させて得られる光学材料用エポキシシリコーン樹脂については今までに技術開示されていない。
本発明は、光学材料用エポキシシリコーン原料として使用するヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの製造において、副生する重質分を除去すること、及び光学材料用に好適に使用できるヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを提供することを目的とする。また、これをエポキシシリコーン樹脂の原料とすること、最終的に硬化物の硬度が高く、耐熱着色性、耐UV着色性、強度、たわみに優れる光学材料用エポキシシリコーン樹脂を提供すること、及び熱硬化性樹脂組成物を提供することにある。
発明者らは、エポキシシリコーン樹脂の原料として好適に使用できるヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法について鋭意検討した結果、貧溶媒を用いて希釈した際に現れる重質成分の有無およびその数平均分子量とメタノール希釈溶液の光線透過率が、ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを酸無水物でハーフエステル化して得られるカルボキシル基と、エポキシ樹脂のエポキシ基との反応生成物の白濁関係とよい相関があることを発見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、ハイドロジェン変性ポリオルガノシロキサンと不飽和アルコール化合物とを反応させてヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを製造するに際し、生成した粗ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンに貧溶媒を加えて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算での数平均分子量が7000以上の非反応性シロキサン樹脂成分を分離除去して精製することを特徴とする透明性に優れたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法である。
上記貧溶媒としては、アルコール系有機化合物が優れる。
また、本発明は、上記製造方法で製造され、一般式(1)で表されるヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンが、メタノールを用いて25%に希釈した溶液の光路長1cmの石英セルを用いた場合の400nmにおける光線透過率が90%以上であることを特徴とする透明性に優れたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンである。
(式中、R1はメチル基あるいはフェニル基を表し、各々同一でも異なっていてもよい。R2は内部にエーテル結合性酸素原子を有していてもよい炭素数2〜20の2価の炭化水素基を表わし、nは0〜100の整数を表す。)
また、本発明は、(A)上記のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン、(B1)酸無水物、及び(E)一分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂を含むことを特徴とする光学材料用シリコーン樹脂組成物である。
更に、本発明は、(A)上記のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンと(B1)酸無水物との反応により得られる末端にカルボキシル基を含有するヘミエステル(A2)と、一分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂(E)を、(A2)のカルボキシル基と(E)のエポキシ基のモル比を、カルボキシル基/エポキシ基=1/2〜1/10の範囲で反応させて得られることを特徴とする光学材料用エポキシシリコーン樹脂である。
更に、本発明は、上記のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法により製造されたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを原料とし、これと酸無水物を反応させて末端にカルボキシル基を含有するヘミエステル(A2)を得て、このヘミエステル(A2)と、一分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂(E)を、(A2)のカルボキシル基と(E)のエポキシ基のモル比を、カルボキシル基/エポキシ基=1/2〜1/10の範囲で反応させてエポキシシリコーン樹脂を製造するに当たり、原料とするヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンとして、これをメタノールを用いて25%に希釈した溶液の光路長1cmの石英セルを用いた場合の400nmにおける光線透過率が90%以上であることを満足するものを選択することを特徴とする光学材料用エポキシシリコーン樹脂の製造方法、及びこの製造方法で得られた光学材料用エポキシシリコーン樹脂である。
また、本発明は、(D)エポキシシリコーン樹脂、(B)硬化剤、及び(C)硬化促進剤を必須成分とする熱硬化性樹脂組成物であり、(D)エポキシシリコーン樹脂として、上記のエポキシシリコーン樹脂を使用することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物である。
更に、本発明は上記の熱硬化性樹脂組成物を用いて封止されたLED装置である。
本発明のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン製造方法はGPCや加熱減量では確認できない微小な不純物を除くことが可能で、この方法で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを原料として得られるエポキシシリコーン樹脂は、常温で白濁することが無く、それを用いた熱硬化性樹脂組成物は、熱処理を施して得られる硬化性樹脂としたとき、白濁することがなく、表面硬度、強度、たわみに優れ、透明性を有し、耐熱着色性、耐光着色性に優れる硬化物を得ることができる。したがって、光学レンズ、光学シートなどの光学部品材料に有用であり、特に昨今LED封止材において課題となっている、熱・光による着色の改善が期待できる。
本発明のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法は、貧溶媒を用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算での数平均分子量が7000以上の非反応性シロキサン樹脂成分を除去して精製する。本発明ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンは、上記製造方法で得られたものであり、本発明のエポキシシリコーン樹脂は、本発明のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンから得られる。本明細書において、ヒドロキシカルビル基はHO-CR2-で表わされる基をいう。Rは独立に水素または置換基を有してもよい炭化水素基であるが、炭素数は1〜6の整数であることがよく、好ましくは水素又はアルキル基であり、より好ましくは水素である。2つのRが水素である場合、HOCH2-で表わすことができる。上記CR2は、一般式(1)におけるR2の一部(OHと結合する末端炭素部分)であると理解される。
以下、上記ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンをポリオルガノシロキサン(A)又は(A)成分ということがある。上記エポキシシリコーン樹脂をエポキシシリコーン樹脂(D)又は(D)成分と、硬化剤を硬化剤(B)又は(B)成分と、硬化促進剤を硬化促進剤(C)又は(C)成分と略記することがある。また、ポリオルガノシロキサン(A1)と酸無水物(B)の反応で得られるヘミエステルをヘミエステル(A2)又は(A2)成分と、一分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂をエポキシ樹脂(E)又は(E)成分と略記することがある。なお、本明細書でいうエポキシ樹脂とエポキシ化合物は同一の意味を有する場合があると理解される。
本発明のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン(A)は、両末端にSi−Hを有するハイドロジェン変性ポリシロキサンと、Si−H基と反応性を有する炭素―炭素2重結合を一つ有し、アルコール性水酸基を1つ有する不飽和アルコール化合物を、貴金属触媒の存在下でヒドロシリル化反応(ヒドロシリル付加反応)を行うことにより公知の方法で製造することができる。
上記両末端にSi−H基を有するハイドロジェン変性ポリシロキサンの構造は、Si−H基と反応性を有する炭素―炭素2重結合を一つ有し、アルコール性水酸基を1つ有する有機化合物と反応させた際、上記一般式(1)の構造をとるものであれば特に限定はされない。
上記不飽和アルコールとしては特に限定されず、両末端にSi−H基を有するハイドロジェン変性ポリシロキサンと反応させた際、上記一般式(1)の構造をとるものであれば特に限定はされない。たとえば、アリルグリコール、メタリルグリコール、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル等があげられる。これら有機化合物は、単一化合物でも2種以上の混合物でもかまわない。
ヒドロシリル付加反応は、貴金属触媒の存在下で進行することが広く知られている。触媒としては、公知のものであれば種々の貴金属又はその錯体化合物を使用することができる。貴金属触媒としては、例えば、白金、ロジウム、パラジウム、ルテニウム又はイリジウムなどが挙げられるがこれらに限定されず、必要に応じて2種以上用いてもよい。また、これらの金属を微粒子状担体材料、例えばカーボン、活性炭、酸化アルミニウム、シリカなどに固定化されたものを用いてもよい。
貴金属の錯体化合物としては、白金ハロゲン化合物(PtCl4、H2PtCl6・6H2O、Na2PtCl6・4H2O等)、白金―オレフィン錯体、白金―アルコール錯体、白金―アルコラート錯体、白金―エーテル錯体、白金―カルボニル錯体、白金―ケトン錯体、白金―1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンなどの白金―ビニルシロキサン錯体、ビス(γ―ピコリン)―白金ジクロライド、トリメチレンジピリジン−白金ジクロライド、ジシクロペンタジエン−白金ジクロライド、シクロオクタジエン−白金ジクロライド、シクロペンタジエン−白金ジクロライド、ビス(アルキニル)ビス(トリフェニルホスフィン)白金錯体、ビス(アルキニル)(シクロオクタジエン)白金錯体、塩化ロジウム、トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウムクロライド、テトラキスアンモニウム−ロジウムクロライド錯体などが挙げられるが特に限定されず、必要に応じて2種以上使用してもよい。
上記ヒドロシリル付加反応で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン(以下、粗ポリオルガノシロキサン化合物ともいう。)は、精製処理に付される。
好適な精製手法は、貧溶媒を用いることで粗ポリオルガノシロキサン化合物中に含まれる非反応性のシロキサン樹脂を除去する手法である。このような精製方法を経て得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンは、本発明の光学材料用エポキシシリコーン樹脂として好適に使用できる。
好適な精製手法は、貧溶媒を用いることで粗ポリオルガノシロキサン化合物中に含まれる非反応性のシロキサン樹脂を除去する手法である。このような精製方法を経て得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンは、本発明の光学材料用エポキシシリコーン樹脂として好適に使用できる。
ここで、非反応性のシロキサン樹脂とは、本発明のエポキシシリコーン樹脂(D)を製造する際に用いる各原料との反応性を有しない1価の炭化水素基のみで置換されたシロキサン樹脂を意味する。具体的には、シラノール基、アルコール基などの反応性水酸基を実質上有しないことを意味する。このような反応性水酸基の有無、及びシロキサン骨格含有の有無は、IRスペクトルでの3200〜3650cm-1のブロードなOH基の伸縮振動によるピーク、およびシロキサン結合の特徴的な吸収である1260cm-1、1040〜1100cm-1、800cm-1により確認することができる。
精製に用いる貧溶媒としては、構造中に水酸基を有するものが好ましい。例えば、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1―ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、ターシャリブチルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられ、必要に応じて2種以上を混合したものを用いてもよい。特に好ましい貧溶媒は、精製の効果、入手性、経済性の観点からメタノールである。
上記粗ポリオルガノシロキサン化合物に貧溶媒を加えた後、攪拌、静置することで、非反応性のシロキサン樹脂は懸濁液又は不溶分として下層に分離して現れる。この分離した成分を、デカンテーションなどの手法を用いて分離したのち、減圧留去などの手法を用いて貧溶媒を除去することで精製することができる。
上記精製処理では、GPCによるポリスチレン換算での数平均分子量が7000以上の非反応性シロキサン樹脂が除去される。この範囲の重質分を除去することで、光学材料用途に優れるポリオルガノシロキサン(A)、あるいはエポキシシリコーン樹脂(D)を得ることができる。7000以上の数平均分子量を有する重質成分が、エポキシシリコーン樹脂(D)に存在している場合は、エポキシシリコーン樹脂(D)、及びその硬化物が相分離により白濁する等で光学材料用途として不適となる。
上記のように精製されて得られるヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンは、上記一般式(1)で表される。
上記一般式(1)において、R1はメチル基あるいはフェニル基を表し、各々同一でも異なっていてもよいが、入手の容易性、硬化物としたときの物性から、メチル基であることが好ましい。
また、R2は内部にエーテル結合性酸素原子を有していてもよい炭素数2〜20の2価の炭化水素基を表し、各々同一でも異なっていてもよい。このような炭化水素基としては、たとえばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、デシレン基、ドデシレン基又は一般式(3)で表わされる基が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、それぞれ同一でも異なっていてもよい。好ましい炭化水素基は、硬化物の物性及び入手の容易さから、C2〜12のアルキレン基、好ましくはプロピレン基、又は一般式(3)で表される基である。
(式中、lは0〜3の数である。)
一般式(1)中のnは0〜100の整数を表し、好ましくは0〜50、さらに好ましくは0〜30である。この範囲の整数であることで、硬化物としたときに本発明の効果を満足する樹脂が得られる。nが100を超える場合は、硬化物のTgが減少し、耐熱着色性が低下するため、所望の効果が得られない。なお、上記一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサン(A1)は、分子量分布を有する樹脂であることもでき、この場合nは平均(数平均)の繰り返し数として、上記の範囲にあることが好ましい。
本発明のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンは、上記製造方法で得られ、これをメタノールを用いて25%に希釈した際の、光路長1cmの石英セルを用いた場合の400nmにおける光線透過率が90%以上である。好ましくは95%以上、さらに好ましくは98%以上である。この範囲にあることで、光学材料用エポキシシリコーン樹脂として好適に使用することができる。この光線透過率が90%未満である場合は、溶液が黄色等の着色を呈している、またはメタノールを用いて希釈することで重質成分が非相溶となり分離、白濁している状態であり、本発明のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンではなく、これを光学材料用エポキシシリコーン樹脂としたときにも着色または白濁する。
また、メタノールを用いてヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを25%に希釈した際の400nmにおける光線透過率を測定する手法によって、本発明の光学材料用エポキシシリコーン樹脂の原料としての適用可否の判定も行うこともできる。すなわち、精製の必要有無については、メタノールを用いて25%に希釈した後、光路長1cmの石英セルを用いた場合の400nmの透過率が90%以上あれば精製の必要はなく、90%未満であるなら貧溶媒を用いた精製が必要である。このようにして、本発明に好適な原料となるヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの選定方法も、本発明の内容からしてみれば当業者が容易に想像できるものであり、本発明に包含される。
有利には、上記のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法により製造されたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンから、ヘミエステル(A2)を得て、このヘミエステル(A2)と、一分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂(E)を、反応させてエポキシシリコーン樹脂を製造するに当たり、原料とするヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンとして、これをメタノールを用いて25%に希釈した溶液の光路長1cmの石英セルを用いた場合の400nmにおける光線透過率が90%以上であることを満足するものを選択する方法である。
上記のようにして精製された本発明のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンは、各種の用途に使用することができる。
特に、光学材料用エポキシシリコーン樹脂組成物、光学材料用エポキシシリコーン樹脂等に適する。
特に、光学材料用エポキシシリコーン樹脂組成物、光学材料用エポキシシリコーン樹脂等に適する。
光学材料用エポキシシリコーン樹脂組成物は、(A)上記のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン、(B1)酸無水物、及び(E)一分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂を含む。
また、光学材料用エポキシシリコーン樹脂は、上記のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンと、酸無水物との反応により得られる末端にカルボキシル基を含有するヘミエステル(A2)と、一分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂(E)を、(A2)のカルボキシル基と(E)のエポキシ基のモル比を、カルボキシル基/エポキシ基=1/2〜1/10の範囲で反応させて得られる。
上記光学材料用エポキシシリコーン樹脂組成物に使用される(B1)酸無水物、又は上記エポキシシリコーン樹脂とする際に使用される酸無水物は、一般式(4)で表される。
ここで、R4は環状構造または縮環構造を有していてもよい炭素数2〜20の有機残基を表す。
好ましいR4としては、たとえばエチレン基、ビニレン基、シクロヘキシレン基、メチルシクロヘキシレン基、ノルボルニレン基、メチルノルボルニレン基、フェニレン基が挙げられるが、これらに限定されず、公知の化合物であれば種々の化合物を選択でき、必要に応じて2種以上を用いてもよい。より好ましい構造としては、入手の容易さ、硬化物としたときの諸物性から、シクロヘキシレン基、メチルシクロヘキシレン基、ノルボルニレン基である。好適な酸無水物としては、例えば、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、メチル化無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ナジック酸、水素化無水ナジック酸、無水トリメリット酸である。
光学材料用エポキシシリコーン樹脂組成物における配合、又は光学材料用エポキシシリコーン樹脂における使用量において、一般式(1)で表されるポリオルガノシロキサン(A)と酸無水物(B1)の使用量は、化学量論的にはアルコール性水酸基を有する(A)成分1モルに対して、酸無水物2モルを用いるが、熱硬化性樹脂としたときの硬化速度のコントロール、架橋密度の制御の点で、アルコール性水酸基を有する(A)成分を、過剰に用いてもよい。過剰量に用いる場合、本発明の効果を損なわない観点から、酸無水物2モルに対して、(A)成分2モルまでが好ましい。逆に、硬化速度のコントロール、架橋密度の制御の点で酸無水物を過剰に用いることもできるが、その際は本発明の効果を損なわない観点から、(A)成分1モルにつき酸無水物2.4モルまでが好ましい。2.4モル以上の量用いると、エポキシシリコーン樹脂(D)の合成時にゲル化を生じやすくなる点で好ましくない。
上記ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン(A)と酸無水物の反応により、両末端にカルボキシル基を有するヘミエステル(A2)が得られる。このヘミエステル(A2)は、酸無水物とアルコール性水酸基が反応してエステルを形成し、酸無水物から生じる他方のカルボキシル基は遊離のカルボキシル基として残る。理論量のポリオルガノシロキサン(A)と酸無水物を使用した場合は、ヘミエステル(A2)が選択的に生成するが、ポリオルガノシロキサン(A)を過剰に使用した場合は、ヘミエステル(A2)と片末端がヘミエステルとなったもの、またはこれらと(A)成分を含む反応混合物が生成する。この片末端がヘミエステルとなったものはカルボキシル基を有しないものの水酸基を末端に有しているため、反応性は異なるがエポキシ樹脂との反応が可能となるので、ヘミエステル(A2)、片末端がヘミエステルとなったものと(A)成分を含む反応混合物は、分離することなく次の反応に使用することができる。
また、本発明の範囲を損なわない限り、(A)成分と共に、シロキサン構造を有しない2価の有機アルコール化合物を併用してもよい。このような有機アルコールとしては、たとえばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオールなどの直鎖両末端2官能アルコール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールF、4,4’−ビシクロヘキサノール、4,4’―ビシクロヘキサンジメタノール、ジヒドロキシデカリン、ジヒドロキシメチルデカリン、スピログリコールなどの環状脂肪族を含む両末端2官能アルコール、ポリカプロラクトンジオールなどのエステル基含有両末端2官能アルコール、N−メチル−N’,N’’ジヒドロキシエチルイソシアヌレートなどのアミド基含有両末端2官能アルコール、ビスフェノールA、ビスフェノールF,ビスフェノールSなどのビスフェノール類にエチレンオキシドを付加させた芳香族基含有両末端2官能アルコール類が上げられるが、これらに限定されず、必要に応じて2種以上を用いてもよい。
ヘミエステル(A2)と、一分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂(E)を、ヘミエステル(A2)が有するカルボキシル基と、脂環式エポキシ樹脂(E)が有するエポキシ基のモル数が、カルボキシル基:エポキシ基=1:2〜1:10の比率で反応させてエポキシシリコーン樹脂(D)とする。この反応では、ヘミエステル(A2)が有するカルボキシル基と、1分子中にエポキシ基を2個有する脂環式エポキシ樹脂(E)が有するエポキシ基が反応して、エステル結合が生成し、ヘミエステル(A2)の末端に脂環式エポキシ基が結合した構造となる。ここで、ヘミエステルとして、ヘミエステル(A2)、片末端がヘミエステルとなったもの又はこれらとポリオルガノシロキサン(A)を含む反応混合物を使用する場合は、エポキシ基の一部はアルコール性のOH基と結合してもよい。上記のようにエポキシ基が過剰に使用されるので末端に脂環式エポキシ基が結合したエポキシシリコーン樹脂が主成分となる。また、生成するエポキシシリコーン樹脂(D)は通常混合物であるが、これらは分離してもよく、反応混合物のままエポキシシリコーン樹脂(D)として使用してもよい。
本発明で用いるエポキシ樹脂(E)については、公知のものであれば特に制限を受けず、種々のエポキシ樹脂を選択することができる。例えば、レゾルシノール、ハイドロキノン、2,5−ジターシャリブチルヒドロキノンなどの単環型二価フェノール類から誘導されるエポキシ樹脂、およびその芳香環を核水素化したもの、1,3−ナフタレンジオール、1,4−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、1,6−ナフタレンジオール、2,7−ナフタレンジオールなどのナフタレンジオール類から誘導されるエポキシ樹脂、およびその芳香環を核水素化したもの、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−メチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、4,4’−セカンダリーブチリデンビスフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチル)フェノール、4,4’−(1−α−メチルベンジリデン)ビスフェノール、4,4’−ジヒドロキシテトラフェニルメタン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−1,3−ジメチルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−1,4−ジメチルベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、4,4’−チオビス(2−ターシャリーブチル−5−メチルフェノール)、4,4’−ビフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニル等のビスフェノール類から誘導されるエポキシ樹脂、およびその芳香族環を核水素化したエポキシ樹脂、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの1級アルコールから誘導されるエポキシ樹脂、一般式(2)で表される脂環式エポキシ樹脂や、トリグリシジルイソシアヌレート、N―メチル‐N’,N’’−ジグリシジルイソシアヌレート、N−アリル−N’,N’’−ジグリシジルイソシアヌレートで表されるイソシアヌル骨格を有するエポキシ樹脂等が挙げられるがこれらに限定されず、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
これらのうち、光学材料用エポキシシリコーン樹脂(D)を得るための好ましいエポキシ樹脂は、耐光性の観点から非芳香族系エポキシ樹脂であり、より好ましくは耐熱着色性、耐光着色性の観点から一般式(2)で表されるエポキシ樹脂であり、更に好ましくは、経済性、入手の容易性から、一般式(2)中、R3が‐CH2C(O)O−基で表されるエステル結合を有するエポキシ樹脂である。
本発明の光学材料用エポキシシリコーン樹脂(D)の製造方法は、上記ポリオルガノシロキサン(A)と、酸無水物と反応させて末端にカルボキシル基を有するヘミエステル(A2)を生成させ、このヘミエステル(A2)、又はこのヘミエステル(A2)を含む反応混合物と、室温で液状の脂環式エポキシ樹脂(E)を、(A2)のカルボキシル基と(E)のエポキシ基の比が、カルボキシル基/エポキシ基=1/2〜1/10のモル比で反応させる方法である。
酸無水物とポリオルガノシロキサン(A)からヘミエステル(A2)を得るには、上記(A)成分、及び酸無水物を混合し、反応させることで得ることができる。このときの反応温度としては特に限定されず、通常70℃〜200℃、好ましくは90℃〜160℃である。80℃以下では反応時間が長くなるため好ましくない。また、200℃以上では、重合・分解の懸念があるため好ましくない。この反応は、エポキシシリコーン樹脂(D)の反応制御、保存安定性の観点から、酸無水物が消失するまで行うことがよい。
また、この反応は無溶媒で反応を行うこともできるが、攪拌効率を上げるなどの理由により、反応に関与しない溶媒を使用してもよい。たとえば、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族系炭化水素化合物、ウンデカン、ドデカンなどの直鎖炭化水素化合物、メチルイソブチルケントン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン系化合物が挙げられる。
ヘミエステル(A2)からエポキシシリコーン樹脂(D)を得る反応は、上記で得られたヘミエステル(A2)又はヘミエステル(A2)を含む反応混合物と、エポキシ樹脂(E)を反応させる。ここで、ヘミエステル(A2)のカルボキシル基とエポキシ樹脂(E)のエポキシ基のモル数が、カルボキシル基:エポキシ基=1:2〜1:10、好ましくは1:3〜1:9.5の範囲とする。エポキシ基のモル比が2未満の場合は、分子量及び樹脂中のシロキサン濃度が高くなりハンドリング性が困難となること、硬化物の耐熱着色性が低くなるなど本発明の効果を得られない恐れがある。また、エポキシ基のモル比が10以上の場合は、(D)成分中に存在する直鎖シロキサン構造の濃度が低くなり、硬化物の脆さ、及び長期耐熱試験での着色が生じるため好ましくない。
ヘミエステル(A2)とエポキシ樹脂(E)の反応条件については、カルボキシル基とエポキシ基の一般的な反応であることから、特に限定されることはなく、当業者にとって好ましい形態で実施することができる。
例えば、反応温度については、通常50℃〜230℃、好ましくは70℃〜170℃である。50℃未満の場合、反応時間が長くなるため好ましくない。また、230℃を超えると反応中に樹脂が分解、あるいは副反応を起こすため好ましくない。
この反応は、無触媒でも反応を行うことができるが、反応時間の短縮の点から、触媒を用いることが好ましい。このような触媒としては、カルボキシル基とエポキシ基の反応を促進させる効果があれば、公知のもので種々の化合物を選択できる。たとえば、イミダゾール系化合物およびその塩化合物。3級アミン化合物、3級ホスフィン化合物、4級アンモニウム塩化合物、4級ホスホニウム塩化合物等が上げられるがこれらに限定されず、必要に応じて2種以上を併用してもよい。好ましい化合物は、反応時の着色を抑える観点から、4級アンモニウム塩化合物及び4級ホスホニウム塩化合物である。
上記触媒を用いる場合、用いる量としては特に限定されないが、得られるエポキシシリコーン樹脂(D)を100重量部としたとき、通常0.001重量部〜5重量部、好ましくは0.005重量部〜3重量部である。また、用いる際、触媒を溶解させる溶媒を用いてあらかじめ溶液を調製しておき、この触媒溶液を反応系内に投入する手法を用いてもよい。
また、エポキシシリコーン樹脂(D)の着色を防ぐ観点から、酸化防止剤を添加して反応を行ってもよい。この酸化防止剤としては公知のものであれば種々の化合物を適用できる。例えば、2,6−tert−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−tert−ブチル−p−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのモノフェノール類、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)などのビスフェノール類、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどの高分子型フェノール類、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−tert−ブチル4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドなどのオキサホスファフェナントレンオキサイド類、ジラウリル3,3’―ジラウリル3,3’―チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’―ジラウリル3,3’―チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’―ジラウリル3,3’―チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3―ラウリルチオプロピオネート)等のエステル骨格含有チオエーテル化合物系酸化防止剤が挙げられる。これらの酸化防止剤は必要に応じて2種類以上を用いてもよい。
エポキシシリコーン樹脂(D)を得る反応は無溶媒で反応を行うこともできるが、攪拌効率を上げるなどの理由により、反応に寄与しない溶媒を使用してもよい。たとえば、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族系炭化水素化合物、ウンデカン、ドデカンなどの直鎖炭化水素化合物、メチルイソブチルケントン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン系化合物が挙げられる。
上記反応は、カルボキシ基が消失するまで行うことがよい。この反応で得られるエポキシシリコーン樹脂(D)は、反応混合液から溶媒等を分離して得られる反応混合物のままで使用することが有利であるが、必要によりエポキシシリコーン樹脂(D)を溶媒で任意の濃度に調整してもよい。
本発明のエポキシシリコーン樹脂(D)は、室温での粘度、及びエポキシ当量についてはとくに限定されないが、室温での粘度が0.1Pa・s〜200Pa・s、エポキシ当量(g/eq.)が250〜500であることが望ましい。この範囲であることで、透明性、耐熱着色性、ガラス転移点温度、曲げたわみに優れた硬化物を得ることができる。室温での粘度、エポキシ当量がこの範囲から外れる場合は、硬化物が脆くなる、耐熱着色性が悪くなるなどの理由で好ましくない。
また、本発明のエポキシシリコーン樹脂(D)を製造する際に用いるヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン(A)は、メタノールを用いて25%に希釈した際、GPCにおいてポリスチレン換算による数平均分子量が7000以上の重質成分が表れた場合であっても、重質分をデカンテーションなどで分別した後、含有するメタノールを減圧下で留去するなど、重質分を取り除く精製作業を行えば、本発明のエポキシシリコーン樹脂(D)の原料として好適に使用することができる。重質分を分別する操作については、デカンテーションの他、公知の吸着剤などによる分別など、公知の技術であれば当業者にとって好ましい形態で実施することができる。
次に、本発明の光学材料用シリコーン樹脂組成物及び熱硬化性樹脂組成物について説明する。
光学材料用シリコーン樹脂組成物は、
(A)上記のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン
(B1)酸無水物、及び
(E)一分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂
を含む。
(B1)成分、及び(E)成分は、上記で説明した酸無水物、及びエポキシ樹脂が使用できる。
(A)上記のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン
(B1)酸無水物、及び
(E)一分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂
を含む。
(B1)成分、及び(E)成分は、上記で説明した酸無水物、及びエポキシ樹脂が使用できる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(D)エポキシシリコーン樹脂、(B)硬化剤及び(C)硬化促進剤を必須成分とする。
本発明の熱硬化性樹脂組成物において、1)硬化剤が酸無水物であること、及び2)硬化促進剤が4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩の少なくとも1種から選ばれること、のいずれか1以上を満足することが望ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物に含まれる硬化剤(B)としては、エポキシ樹脂の硬化剤として公知のものであれば種々の化合物を適用できる。例えば、有機アミン化合物、ジシアンジアミド及びその誘導体、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール及びその誘導体、ビスフェノールA、ビスフェノールF、臭素化ビスフェノールA、ナフタレンジオール、4,4’−ビフェノールなどの2価フェノール化合物、フェノールやナフトール類とホルムアルデヒドあるいはキシリレングリコール類との縮合反応により得られるノボラック樹脂あるいはアラルキルフェノール樹脂、酸無水化合物と多価有機アルコールとの反応により得られる多価カルボン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、メチル化無水ヘキサヒドロフタル酸、無水ナジック酸、水素化無水ナジック酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などの酸無水物、アジピン酸ヒドラジドなどのヒドラジド化合物を適用することができ、必要に応じて2種類以上を用いてもよい。特に、本発明の効果を得るための好ましい硬化剤は酸無水物であり、更に好ましくは無水ヘキサヒドロフタル酸、メチル化無水ヘキサヒドロフタル酸、水素化無水ナジック酸である。
硬化促進剤(C)としては、エポキシ樹脂の硬化促進剤とし公知のものであれば種々の化合物を適用できる。例えば、3級アミン及びその塩類、イミダゾール類及びその塩類、有機ホスフィン化合物及びその塩類、オクチル酸亜鉛、オクチル酸スズなどの有機金属塩が挙げられ、必要に応じて2種類以上を用いてもよい。特に、本発明の効果を得るための好ましい硬化促進剤は、4級アンモニウム塩類、有機ホスフィン化合物、4級ホスホニウム塩類であり、更に好ましい触媒は4級ホスホニウム塩類である。
である。
である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記(D)、(B)及び(C)成分を必須成分とするが、粘度、硬化速度の調整等、当業者に好ましい形態とすることを目的として、(D)成分と共に、(D)成分以外の1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂またはエポキシ化合物(E)を用いてもよい。
(E)成分は、公知の材料であれば種々の化合物を選択できる。たとえば、レソルシノール、ハイドロキノン、2,5−ジターシャリブチルヒドロキノンなどの単環型二価フェノール類から誘導されるエポキシ樹脂、およびその芳香環を核水素化したもの、1,3−ナフタレンジオール、1,4−ナフタレンジオール、1,5−ナフタレンジオール、1,6−ナフタレンジオール、2,7−ナフタレンジオールなどのナフタレンジオール類から誘導されるエポキシ樹脂、およびその芳香環を核水素化したもの、4,4’−イソプロピリデンジフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−メチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジメチルフェノール)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニルメタン、4,4’−セカンダリーブチリデンビスフェノール、4,4’−イソプロピリデンビス(2−ターシャリーブチルフェノール)、4,4’−シクロヘキシリデンジフェノール、4,4’−ブチリデンビス(6−ターシャリーブチル−2−メチル)フェノール、4,4’−(1−α−メチルベンジリデン)ビスフェノール、4,4’−ジヒドロキシテトラフェニルメタン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−1,3−ジメチルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−1,4−ジメチルベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、4,4’−チオビス(2−ターシャリーブチル−5−メチルフェノール)、4,4’−ビフェノール、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’−テトラメチルジフェニル等のビスフェノール類から誘導されるエポキシ樹脂、およびその芳香族環を核水素化したエポキシ樹脂がある。
更に、一般式(5)〜(9)で表わされる脂環式エポキシ樹脂や、トリグリシジルイソシアヌレート、N―メチル−N’,N’’−ジグリシジルイソシアヌレート、N−アリル−N’,N’’−ジグリシジルイソシアヌレートで表されるイソシアヌル骨格を有するエポキシ化合物がある。
また、一般式(10)又は一般式(11)で表されるエポキシシリコーン樹脂などが挙げられるがこれらに限定されず、必要に応じて2種以上を用いてもよい。
(R6SiO3/2)k(R7R8SiO)j(Me3SiO1/2)i (10)
(式中、R6〜R8は、それぞれ内部にエポキシ基を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、芳香族基であり、内部にエーテル性酸素原子を1〜3個有していてもよい。ただし、R6〜R8のうち、1つ以上は必ずエポキシ基を含む。またR7、R8が同時にエポキシ基を有することはない。i〜kは、i+j+k=1,0≦k<1、0<j<1、0<i0.75を満たす数である。)
(式中、R6〜R8は、それぞれ内部にエポキシ基を含んでいてもよい炭素数1〜20の炭化水素基、芳香族基であり、内部にエーテル性酸素原子を1〜3個有していてもよい。ただし、R6〜R8のうち、1つ以上は必ずエポキシ基を含む。またR7、R8が同時にエポキシ基を有することはない。i〜kは、i+j+k=1,0≦k<1、0<j<1、0<i0.75を満たす数である。)
本発明における熱硬化性樹脂組成物をLED封止用途として使用する際には、酸化防止剤を配合し、加熱時の酸化劣化を防止し着色の少ない硬化物とすることが好ましい。
酸化防止剤としては公知のものであれば種々の化合物を適用できる。例えば、2,6−tert−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−tert−ブチル−p−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートなどのモノフェノール類、2,2−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)などのビスフェノール類、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどの高分子型フェノール類、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−(3,5−ジ−tert−ブチル4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキシ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドなどのオキサホスファフェナントレンオキサイド類、ジラウリル3,3’―ジラウリル3,3’―チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’―ジラウリル3,3’―チオジプロピオネート、ジステアリル3,3’―ジラウリル3,3’―チオジプロピオネート、ペンタエリスリチルテトラキス(3―ラウリルチオプロピオネート)等のエステル骨格含有チオエーテル化合物系酸化防止剤が挙げられる。これらの酸化防止剤は必要に応じて2種類以上を用いてもよい。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物には他の熱硬化性樹脂を配合することもできる。このような熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、熱硬化性アミノ樹脂、熱硬化性メラミン樹脂、熱硬化性ウレア樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、熱硬化性オキセタン樹脂、熱硬化性シアネートエステル樹脂、熱硬化性エポキシ/オキセタン複合樹脂等が挙げられるがこれらに限定されない。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、上記(D)、(B)及び(C)成分を必須成分とするが、樹脂成分(樹脂の他、硬化して樹脂の一部となる成分、例えば、モノマー、硬化剤、硬化促進剤を含むが、溶剤、充填剤は含まない)の60wt%以上、好ましくは80wt%以上、より好ましくは90wt%以上が(D)及び(B)成分であることがよい。また、(D)、(B)及び(C)成分の配合割合は、次のようにして決めることがよい。
(D)成分のエポキシ基と(B)成分の硬化剤中の官能基が当量比で0.8〜1.5の範囲であることが好ましい。この範囲外では硬化後も未反応のエポキシ基、又は硬化剤中の官能基が残留し、硬化物としたときの硬度や耐熱性等の機能が低下するため好ましくない。また、硬化促進剤である(C)成分の配合割合としては、(D)成分と(B)成分の合計に対して、0.1wt%〜5wt%の範囲が好ましい。0.1wt%未満ではゲル化時間が遅くなって硬化時の剛性低下による作業性の低下をもたらし、逆に5.0wt%を超えると成形途中で硬化が進んでしまい、未充填が発生し易くなる。
本発明の熱硬化性樹脂を光学部品として適用する場合、その用途、製造プロセスについては公知のものであれば特に限定されるものではない。製造プロセスとしては、たとえば、タブレット化して封止用金型のキャビティに送り込み熱硬化させるトランスファーモールド方式や、液状エポキシ樹脂と混合し、所望の粘度としたのち、所定の位置に樹脂を注入するディスペンス方式をとることができる。用途としては、たとえば光学レンズ、光半導体用封止材、光半導体用筐体、光半導体接着剤などがあげられるがその用途についてはこれらに限定されず、公知の用途、製造プロセスであれば適用が可能である。
光半導体装置(LED装置)用封止材としては、光半導体素子を金ワイヤー等で外部電極に接続したのち、トランスファーモールド方式、ポッティング方式等公知の技術を用いて充填する方法が適用できる。この際、本発明の熱硬化性樹脂組成物に、光半導体素子から発光する光を変換する目的で、各種公知の蛍光粉末や、蛍光粉末の沈降防止の観点から、アエロジルなどのチクソ性を発現する無機粉末を用いてもよい。
光半導体装置用筐体としては、本発明の熱硬化性樹脂組成物に、シリカ、酸化チタン、アルミナなどのフィラーを混合し、ニーダーや熱3本ロールにて混練したのち、タブレット化して封止用金型のキャビティに送り込み熱硬化させるトランスファーモールド方式等を適用できる。
光半導体装置用接着剤としては、本発明の熱硬化性樹脂組成物を、公知のエポキシ樹脂及び酸無水化合物やフェノール樹脂等の材料とフィラーをロール等による混練によりペースト化したものをディスペンス等の方法で基材に塗布、またはさらに公知のフィルム材を用いてフィルム状としたものを、基材の上に貼り合わせ、光半導体素子をマウントし熱硬化させる方法等を適用できる。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、光学材料用途以外にも、半導体封止材料、基板同士を金属バンプを用いて接合する際、バンプ内を充填するアンダーフィル材料、回路基板材料、フレキシブルプリント配線材料用層間接着剤、フィルムやカバーレイ、ダイアタッチ材等の、既存の電子部品材料にも、当業者にとって好ましい形態で適用、実施することができる。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。当量の単位は(g/eq.)である。
合成例1
両末端にSi−H基を有する、2官能のハイドロジェン変性直鎖ジメチルポリシロキサン(Si−H当量:363、数平均分子量726)36.3重量部、アリルグリコール11.2重量部、キシレン47重量部、水分を1%含有した白金アルミナ担持触媒0.048重量部を攪拌機、温度計、還流器及び窒素ガス吹き込み口を取り付けた300mlの4つ口フラスコに投入した。ついで、130℃まで昇温し、そのまま10時間反応を続けた。GPC法により反応物の分子量の増大が停止したことを確認し、ろ過により担持触媒を除いた。ろ液を130℃、10Torrまで減圧し、トルエン及び過剰のアリルグリコールを留去することで、一般式(1)において、R1がメチル基、nが8、R2が一般式(3)で表され、lが1であるヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン46.1重量部を得た。このヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの水酸基濃度は3.51%、25℃での粘度は36mPa・s、150℃1時間での加熱減量は3.1%であった。この操作により得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンのIRスペクトルを、図1に示す。
両末端にSi−H基を有する、2官能のハイドロジェン変性直鎖ジメチルポリシロキサン(Si−H当量:363、数平均分子量726)36.3重量部、アリルグリコール11.2重量部、キシレン47重量部、水分を1%含有した白金アルミナ担持触媒0.048重量部を攪拌機、温度計、還流器及び窒素ガス吹き込み口を取り付けた300mlの4つ口フラスコに投入した。ついで、130℃まで昇温し、そのまま10時間反応を続けた。GPC法により反応物の分子量の増大が停止したことを確認し、ろ過により担持触媒を除いた。ろ液を130℃、10Torrまで減圧し、トルエン及び過剰のアリルグリコールを留去することで、一般式(1)において、R1がメチル基、nが8、R2が一般式(3)で表され、lが1であるヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン46.1重量部を得た。このヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの水酸基濃度は3.51%、25℃での粘度は36mPa・s、150℃1時間での加熱減量は3.1%であった。この操作により得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンのIRスペクトルを、図1に示す。
合成例2
溶媒としてキシレンのかわりにトルエン47重量部を使用し、水分を1%含有した白金アルミナ担持触媒0.0475重量部のかわりに、ビス[ジビニルテトラメチルジシロキサン]白金(0)(Pt{[(CH2=CH)(CH3)2Si]2O}2/キシレン溶液(白金含有量3%)を0.079重量部用い、反応温度を80℃とした以外は合成例1と同様の操作を行った。このようにして、R1がメチル基、nが8、R2が一般式(3)で表され、lが1であるヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン46.3重量部を得た。このヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの水酸基濃度は3.46%、25℃での粘度は36mPa・s、150℃1時間での加熱減量は3.1%であった。
溶媒としてキシレンのかわりにトルエン47重量部を使用し、水分を1%含有した白金アルミナ担持触媒0.0475重量部のかわりに、ビス[ジビニルテトラメチルジシロキサン]白金(0)(Pt{[(CH2=CH)(CH3)2Si]2O}2/キシレン溶液(白金含有量3%)を0.079重量部用い、反応温度を80℃とした以外は合成例1と同様の操作を行った。このようにして、R1がメチル基、nが8、R2が一般式(3)で表され、lが1であるヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン46.3重量部を得た。このヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの水酸基濃度は3.46%、25℃での粘度は36mPa・s、150℃1時間での加熱減量は3.1%であった。
合成例1、2で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの400nmの分光光線透過率を、光路長1cmの石英セルを用いて測定した。ついで、合成例1、2で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン25重量部をメタノール75重量部を用いて希釈し、希釈溶液の400nmの分光光線透過率を、光路長1cmの石英セルを用いて測定した。結果を表1に示す。いずれもメタノールで希釈する前は十分な透明性を有しているが、メタノールを用いて25%に希釈することで副生した重質分が、相分離し白濁することで透過率が減少していることがわかる。
実施例1、2
合成例1、または2で作成したヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン25重量部に、メタノール75重量部を投入し、10分攪拌した。このメタノール希釈溶液を静置し、重質分の分離を行った。デカンテーションによる分別を行った後、重質分の重量を測定した。GPC測定を行い、数平均分子量(Mn)ならびにピークエンドの分子量を、ポリスチレン換算にて計算した。静置後上層部分の400nm分光光線透過率を測定した結果を表2に示す。
合成例1、または2で作成したヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン25重量部に、メタノール75重量部を投入し、10分攪拌した。このメタノール希釈溶液を静置し、重質分の分離を行った。デカンテーションによる分別を行った後、重質分の重量を測定した。GPC測定を行い、数平均分子量(Mn)ならびにピークエンドの分子量を、ポリスチレン換算にて計算した。静置後上層部分の400nm分光光線透過率を測定した結果を表2に示す。
実施例1、2により得られた重質分のIRスペクトルを図2、図3に示す。シロキサン結合に特徴的な1260cm-1、1040〜1100cm-1、800cm-1のピークが確認された。重質分はシロキサン結合を有しており、かつOH結合に特有の3200cm-1〜3600cm-1のブロードな吸収が見受けられないことから、比較例1,2のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンはSi−H基とアルコール性水酸基との間の脱水素を引き起こし、重質化が進んだものが副生成物として微量混入していると推測される。
実施例3
合成例1で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン1000重量部にメタノール3000重量部を投入し、よく攪拌した後静置させ、重質分を分離させた。デカンテーションにより重質分を取り除いた後、減圧留去によりメタノールを取り除いた。このようにして精製された、ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン887重量部、ヘキサヒドロ無水フタル酸285重量部を、攪拌モーター、還流冷却管、窒素ラインを装着した3Lのセパラブルフラスコに投入し、攪拌しながら160℃に昇温した。160℃に到達した後攪拌を4時間続けて両末端にカルボキシル基を有するヘミエステル化合物(A2)を合成した。得られた(A2)を、サンプリングし0.1NのKOH/メタノール溶液にて酸価を測定したところ、90mgKOH/gであり、定量的に反応が進んでいることを確認した。
次いで、ヘミエステル化合物(A2)に、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(エポキシ当量130g/eq.)1118重量部を投入した。次に、反応触媒として、テトラエチルアンモニウムクロリドの4%酢酸溶液を、0.9重量部滴下し、170℃の反応温度で5時間反応を行った。サンプリングを行い、酸価測定によりカルボキシル基が消失していることを確認後、150メッシュの金網を用いて反応混合液中の樹脂をろ過した。このようにして、エポキシシリコーン樹脂を2130重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は309、室温での粘度は5.1Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES1とする。
合成例1で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン1000重量部にメタノール3000重量部を投入し、よく攪拌した後静置させ、重質分を分離させた。デカンテーションにより重質分を取り除いた後、減圧留去によりメタノールを取り除いた。このようにして精製された、ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン887重量部、ヘキサヒドロ無水フタル酸285重量部を、攪拌モーター、還流冷却管、窒素ラインを装着した3Lのセパラブルフラスコに投入し、攪拌しながら160℃に昇温した。160℃に到達した後攪拌を4時間続けて両末端にカルボキシル基を有するヘミエステル化合物(A2)を合成した。得られた(A2)を、サンプリングし0.1NのKOH/メタノール溶液にて酸価を測定したところ、90mgKOH/gであり、定量的に反応が進んでいることを確認した。
次いで、ヘミエステル化合物(A2)に、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(エポキシ当量130g/eq.)1118重量部を投入した。次に、反応触媒として、テトラエチルアンモニウムクロリドの4%酢酸溶液を、0.9重量部滴下し、170℃の反応温度で5時間反応を行った。サンプリングを行い、酸価測定によりカルボキシル基が消失していることを確認後、150メッシュの金網を用いて反応混合液中の樹脂をろ過した。このようにして、エポキシシリコーン樹脂を2130重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は309、室温での粘度は5.1Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES1とする。
実施例4
合成例1の代わりに、合成例2で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを、実施例5と同様の操作で精製したのち、同様の反応を行うことで、エポキシシリコーン樹脂を2135重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は311、室温での粘度5.3Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES2とする。
合成例1の代わりに、合成例2で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを、実施例5と同様の操作で精製したのち、同様の反応を行うことで、エポキシシリコーン樹脂を2135重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は311、室温での粘度5.3Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES2とする。
実施例5
合成例1で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン1000重量部にメタノール3000重量部を投入し、よく攪拌した後静置させ、重質分を分離させた。デカンテーションにより重質分を取り除いた後、減圧留去によりメタノールを取り除いた。このようにして精製された、ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン887重量部、ヘキサヒドロ無水フタル酸285重量部を、攪拌モーター、還流冷却管、窒素ラインを装着した3Lのセパラブルフラスコに投入し、攪拌しながら160℃に昇温した。160℃に到達した後攪拌を4時間続けて両末端にカルボキシル基を有するヘミエステル化合物(A2)を合成した。得られた(A2)を、サンプリングし0.1NのKOH/メタノール溶液にて酸価を測定したところ、90mgKOH/gであり、定量的に反応が進んでいることを確認した。
次いで、ヘミエステル化合物(A2)に、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(エポキシ当量187)1610重量部を投入した。次に、反応触媒として、テトラエチルアンモニウムクロリドの4%酢酸溶液を、0.9重量部滴下し、170℃の反応温度で5時間反応を行った。サンプリングを行い、酸価測定によりカルボキシル基が消失していることを確認後、150メッシュの金網を用いて反応混合液中の樹脂をろ過した。このようにして、エポキシシリコーン樹脂を2640重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は394、室温での粘度は82.8Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES3とする。
合成例1で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン1000重量部にメタノール3000重量部を投入し、よく攪拌した後静置させ、重質分を分離させた。デカンテーションにより重質分を取り除いた後、減圧留去によりメタノールを取り除いた。このようにして精製された、ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン887重量部、ヘキサヒドロ無水フタル酸285重量部を、攪拌モーター、還流冷却管、窒素ラインを装着した3Lのセパラブルフラスコに投入し、攪拌しながら160℃に昇温した。160℃に到達した後攪拌を4時間続けて両末端にカルボキシル基を有するヘミエステル化合物(A2)を合成した。得られた(A2)を、サンプリングし0.1NのKOH/メタノール溶液にて酸価を測定したところ、90mgKOH/gであり、定量的に反応が進んでいることを確認した。
次いで、ヘミエステル化合物(A2)に、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(エポキシ当量187)1610重量部を投入した。次に、反応触媒として、テトラエチルアンモニウムクロリドの4%酢酸溶液を、0.9重量部滴下し、170℃の反応温度で5時間反応を行った。サンプリングを行い、酸価測定によりカルボキシル基が消失していることを確認後、150メッシュの金網を用いて反応混合液中の樹脂をろ過した。このようにして、エポキシシリコーン樹脂を2640重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は394、室温での粘度は82.8Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES3とする。
実施例6
合成例1の代わりに、合成例2で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを、実施例5と同様の操作で精製したのち、同様の反応を行うことで、エポキシシリコーン樹脂を2645重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は396、室温での粘度は84.3Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES4とする。
合成例1の代わりに、合成例2で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを、実施例5と同様の操作で精製したのち、同様の反応を行うことで、エポキシシリコーン樹脂を2645重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は396、室温での粘度は84.3Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES4とする。
実施例7
合成例1で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン1000重量部にメタノール3000重量部を投入し、よく攪拌した後静置させ、重質分を分離させた。デカンテーションにより重質分を取り除いた後、減圧留去によりメタノールを取り除いた。このようにして精製された、ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン887重量部、ヘキサヒドロ無水フタル酸285重量部を、攪拌モーター、還流冷却管、窒素ラインを装着した3Lのセパラブルフラスコに投入し、攪拌しながら160℃に昇温した。160℃に到達した後攪拌を4時間続けて両末端にカルボキシル基を有するヘミエステル化合物(A2)を合成した。得られた(A2)を、サンプリングし0.1NのKOH/メタノール溶液にて酸価を測定したところ、90mgKOH/gであり、定量的に反応が進んでいることを確認した。
次いで、ヘミエステル化合物(A2)に、トリメチロールプロパンをエポキシ化した液状エポキシ樹脂(エポキシ当量104g/eq.)895重量部を投入した。次に、反応触媒として、テトラエチルアンモニウムクロリドの4%酢酸溶液を、0.9重量部滴下し、170℃の反応温度で5時間反応を行った。サンプリングを行い、酸価測定によりカルボキシル基が消失していることを確認後、150メッシュの金網を用いて反応混合液中の樹脂をろ過した。このようにして、エポキシシリコーン樹脂を1960重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は297、室温での粘度は13.5Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES5とする。
合成例1で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン1000重量部にメタノール3000重量部を投入し、よく攪拌した後静置させ、重質分を分離させた。デカンテーションにより重質分を取り除いた後、減圧留去によりメタノールを取り除いた。このようにして精製された、ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン887重量部、ヘキサヒドロ無水フタル酸285重量部を、攪拌モーター、還流冷却管、窒素ラインを装着した3Lのセパラブルフラスコに投入し、攪拌しながら160℃に昇温した。160℃に到達した後攪拌を4時間続けて両末端にカルボキシル基を有するヘミエステル化合物(A2)を合成した。得られた(A2)を、サンプリングし0.1NのKOH/メタノール溶液にて酸価を測定したところ、90mgKOH/gであり、定量的に反応が進んでいることを確認した。
次いで、ヘミエステル化合物(A2)に、トリメチロールプロパンをエポキシ化した液状エポキシ樹脂(エポキシ当量104g/eq.)895重量部を投入した。次に、反応触媒として、テトラエチルアンモニウムクロリドの4%酢酸溶液を、0.9重量部滴下し、170℃の反応温度で5時間反応を行った。サンプリングを行い、酸価測定によりカルボキシル基が消失していることを確認後、150メッシュの金網を用いて反応混合液中の樹脂をろ過した。このようにして、エポキシシリコーン樹脂を1960重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は297、室温での粘度は13.5Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES5とする。
実施例8
合成例1の代わりに、合成例2で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを、実施例7と同様の操作で精製したのち、同様の反応を行うことで、エポキシシリコーン樹脂を1965重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は298、室温での粘度は14.3Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES6とする。
合成例1の代わりに、合成例2で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを、実施例7と同様の操作で精製したのち、同様の反応を行うことで、エポキシシリコーン樹脂を1965重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は298、室温での粘度は14.3Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES6とする。
比較例3
合成例1で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを、精製せずに、実施例3と同様の反応を行った。このようにして、エポキシシリコーン樹脂を2135重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は294、室温での粘度は4.7Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES7とする。
合成例1で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを、精製せずに、実施例3と同様の反応を行った。このようにして、エポキシシリコーン樹脂を2135重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は294、室温での粘度は4.7Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES7とする。
比較例4
合成例2で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを、精製せずに、実施例3と同様の反応を行った。このようにして、エポキシシリコーン樹脂を2120重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は291、室温での粘度は4.5Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES8とする。
合成例2で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを、精製せずに、実施例3と同様の反応を行った。このようにして、エポキシシリコーン樹脂を2120重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は291、室温での粘度は4.5Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES8とする。
比較例5
合成例1で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを、精製せずに実施例5と同様の操作を行った。このようにして、エポキシシリコーン樹脂を2630重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は392、室温での粘度は81.5Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES9とする。
合成例1で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを、精製せずに実施例5と同様の操作を行った。このようにして、エポキシシリコーン樹脂を2630重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は392、室温での粘度は81.5Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES9とする。
比較例6
合成例2で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを、精製せずに実施例5と同様の操作を行った。このようにして、エポキシシリコーン樹脂を2620重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は389、室温での粘度は80.3Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES10とする。
合成例2で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを、精製せずに実施例5と同様の操作を行った。このようにして、エポキシシリコーン樹脂を2620重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は389、室温での粘度は80.3Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES10とする。
比較例7
合成例1で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを、精製せずに実施例7と同様の操作を行った。このようにして、エポキシシリコーン樹脂を1940重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は293、室温での粘度は13.2Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES11とする。
合成例1で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを、精製せずに実施例7と同様の操作を行った。このようにして、エポキシシリコーン樹脂を1940重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は293、室温での粘度は13.2Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES11とする。
比較例8
合成例2で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを、精製せずに実施例7と同様の操作を行った。このようにして、エポキシシリコーン樹脂を1940重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は289、室温での粘度は12.2Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES12とする。
合成例2で得られたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを、精製せずに実施例7と同様の操作を行った。このようにして、エポキシシリコーン樹脂を1940重量部得た。得られた樹脂のエポキシ当量は289、室温での粘度は12.2Pa・sであった。このエポキシシリコーン樹脂を、ES12とする。
外観及び透過率の測定
実施例3〜8、比較例3〜8で得られたエポキシシリコーン樹脂ES1〜12を、白濁の有無について外観を見るとともに、これをメタノールに溶解させて25%(wt)溶液として光路長1cmの石英セルに充填し、日立製作所製自記分光光度計U−3410を用いて400nmの光線透過率を測定した。結果を表3に示す。精製したヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを使用した本発明のエポキシシリコーン樹脂は、外観及び光線透過率に優れていた。一方、ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを精製せずに用いた場合は、白濁し、そのため光線透過率が低下することがわかった。
実施例3〜8、比較例3〜8で得られたエポキシシリコーン樹脂ES1〜12を、白濁の有無について外観を見るとともに、これをメタノールに溶解させて25%(wt)溶液として光路長1cmの石英セルに充填し、日立製作所製自記分光光度計U−3410を用いて400nmの光線透過率を測定した。結果を表3に示す。精製したヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを使用した本発明のエポキシシリコーン樹脂は、外観及び光線透過率に優れていた。一方、ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを精製せずに用いた場合は、白濁し、そのため光線透過率が低下することがわかった。
実施例9〜14
(A)成分として実施例3〜8で得られたエポキシシリコーン樹脂(A)(ES1〜6)を、(B)成分としてメチル化ヘキサヒドロ無水フタル酸(MH:酸無水物当量168g/eq.)を用いて、エポキシ成分のエポキシ基と酸無水物の酸無水物基のモル比が1:1となるように加え、よく混合し、さらに(C)成分の硬化促進剤としてテトラ−n−ブチルホスホニウムo,o’−ジエチルホスホロジチオネートを全体の0.5重量%投入し、真空脱気して金型内で、120℃で4時間、更に160℃で12時間硬化して縦5cm、横5cm、厚さ1mm及び縦5cm、横3cm、4mmの樹脂板を作成し、各種物性を測定した。また、曲げ試験用には、80mm×10mm×4mmを使用した。
(A)成分として実施例3〜8で得られたエポキシシリコーン樹脂(A)(ES1〜6)を、(B)成分としてメチル化ヘキサヒドロ無水フタル酸(MH:酸無水物当量168g/eq.)を用いて、エポキシ成分のエポキシ基と酸無水物の酸無水物基のモル比が1:1となるように加え、よく混合し、さらに(C)成分の硬化促進剤としてテトラ−n−ブチルホスホニウムo,o’−ジエチルホスホロジチオネートを全体の0.5重量%投入し、真空脱気して金型内で、120℃で4時間、更に160℃で12時間硬化して縦5cm、横5cm、厚さ1mm及び縦5cm、横3cm、4mmの樹脂板を作成し、各種物性を測定した。また、曲げ試験用には、80mm×10mm×4mmを使用した。
比較例9〜14
比較例3〜8で得られたエポキシシリコーン樹脂(ES7〜12)を用いた以外は、実施例9と同様の操作を行い厚さ1mm及び4mmの樹脂板を作成した。
比較例3〜8で得られたエポキシシリコーン樹脂(ES7〜12)を用いた以外は、実施例9と同様の操作を行い厚さ1mm及び4mmの樹脂板を作成した。
比較例15
(D)成分を使用せず、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(EpC)を26重量部,MHを34重量部用いた他は、実施例9と同様の操作を行い厚さ1mm及び4mmの樹脂板を作成した。
(D)成分を使用せず、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート(EpC)を26重量部,MHを34重量部用いた他は、実施例9と同様の操作を行い厚さ1mm及び4mmの樹脂板を作成した。
硬化した樹脂板の物性測定は以下の方法にて行った。
(1)硬化物のガラス転移温度(Tg)の測定
セイコー電子工業(株)製熱応力歪測定装置TMA/SS120Uを用いて30℃から270℃の範囲で測定し、線膨張率の変化した温度をガラス転移温度とした。昇温速度は5℃/分とした。
(1)硬化物のガラス転移温度(Tg)の測定
セイコー電子工業(株)製熱応力歪測定装置TMA/SS120Uを用いて30℃から270℃の範囲で測定し、線膨張率の変化した温度をガラス転移温度とした。昇温速度は5℃/分とした。
(2)線膨張率の測定
セイコー電子工業(株)製熱応力歪測定装置TMA/SS120Uを用いて30℃から270℃の範囲で測定し、40℃と60℃の2点で結ばれた直線の傾きから線膨張率を算出した。昇温速度は5℃/分とした。
セイコー電子工業(株)製熱応力歪測定装置TMA/SS120Uを用いて30℃から270℃の範囲で測定し、40℃と60℃の2点で結ばれた直線の傾きから線膨張率を算出した。昇温速度は5℃/分とした。
(3)硬化物の初期透過度
日立製作所製自記分光光度計U−3410を用いて、厚さ1mm硬化物の400nmの透過度を測定した。
日立製作所製自記分光光度計U−3410を用いて、厚さ1mm硬化物の400nmの透過度を測定した。
(4)耐UV性の測定
厚さ4mmの硬化物をQパネル社製耐候性試験機QUVを用いて、600時間UV照射した後の400nmの透過度を、初期透過度と同様にして測定した。QUVのランプにはUVE40nmを用い、ブラックパネル温度は55℃とした。
厚さ4mmの硬化物をQパネル社製耐候性試験機QUVを用いて、600時間UV照射した後の400nmの透過度を、初期透過度と同様にして測定した。QUVのランプにはUVE40nmを用い、ブラックパネル温度は55℃とした。
(5)初期耐熱性の測定
1mm厚の硬化物を150℃の環境下にさらし、72時間後の400nmの透過度を、初期透過度と同様にして測定した。
1mm厚の硬化物を150℃の環境下にさらし、72時間後の400nmの透過度を、初期透過度と同様にして測定した。
(6)長期耐熱性の測定
1mm厚の硬化物を150℃の環境下にさらし、480時間後の400nmの透過度を、初期透過度と同様にして測定した。
1mm厚の硬化物を150℃の環境下にさらし、480時間後の400nmの透過度を、初期透過度と同様にして測定した。
(7)金型取り外し後の硬化物形状(形状)
金型を外したとき、硬化物の均一性や硬化収縮による硬化物の割れを目視にて判定した。○:均一な硬化物である。×:金型の形状を保たず、樹脂が割れている。
金型を外したとき、硬化物の均一性や硬化収縮による硬化物の割れを目視にて判定した。○:均一な硬化物である。×:金型の形状を保たず、樹脂が割れている。
(9)曲げ、たわみ特性試験
JIS−7171に準拠し、80mm×10mm×4mmの試験片を用いて、オートグラフ(島津製作所(株)製)により曲げ弾性率、曲げ強度、曲げたわみを測定した。
JIS−7171に準拠し、80mm×10mm×4mmの試験片を用いて、オートグラフ(島津製作所(株)製)により曲げ弾性率、曲げ強度、曲げたわみを測定した。
実施例9〜14及び比較例9〜15の配合組成及び得られた硬化物の各試験の測定結果を表4及び表5に示す。なお、配合組成において、(C)成分については、種類が一定であるため記載を省略しており、配合割合は本文中に記載したとおりである。
実施例15〜20、比較例16〜22
実施例9〜14、比較例9〜15の配合により得られた配合物を、底辺部が銀メッキされた青色LED用プレモールドパッケージに、注型により充填し、100℃2時間、150℃5時間硬化させて封止して、LED装置を作成した。
実施例9〜14、比較例9〜15の配合により得られた配合物を、底辺部が銀メッキされた青色LED用プレモールドパッケージに、注型により充填し、100℃2時間、150℃5時間硬化させて封止して、LED装置を作成した。
封止されたLED装置の物性測定は以下の方法にて行った。
(10)リフロー試験
封止されたLEDパッケージを、260℃を15秒保持するよう設定されたリフロー炉に連続して3回通過させたとき、封止材の着色、クラック、剥がれの有無を確認した。結果を表6に示す。白濁したエポキシシリコーン樹脂を用いたLED装置は、非反応性シロキサンが接着に悪影響を及ぼしていると推測され、剥がれやすくなっていることがわかる。
表6において、着色、クラック及び剥がれが無い場合をそれぞれ○で示し、有る場合を×で示す。
(10)リフロー試験
封止されたLEDパッケージを、260℃を15秒保持するよう設定されたリフロー炉に連続して3回通過させたとき、封止材の着色、クラック、剥がれの有無を確認した。結果を表6に示す。白濁したエポキシシリコーン樹脂を用いたLED装置は、非反応性シロキサンが接着に悪影響を及ぼしていると推測され、剥がれやすくなっていることがわかる。
表6において、着色、クラック及び剥がれが無い場合をそれぞれ○で示し、有る場合を×で示す。
(11)熱衝撃試験の測定
封止されたLEDパッケージを、−40℃〜120℃、300サイクルの試験に供し、顕微鏡にてクラック及び封止材の剥がれの有無を確認した。結果を表7に示す。白濁したエポキシシリコーン樹脂を用いたLED装置は、非反応性シロキサンが接着に悪影響を及ぼしていると推測され、剥がれやすくなっていることがわかる。表7において、クラック及び剥がれが無い場合をそれぞれ○で示し、有る場合を×で示す。
封止されたLEDパッケージを、−40℃〜120℃、300サイクルの試験に供し、顕微鏡にてクラック及び封止材の剥がれの有無を確認した。結果を表7に示す。白濁したエポキシシリコーン樹脂を用いたLED装置は、非反応性シロキサンが接着に悪影響を及ぼしていると推測され、剥がれやすくなっていることがわかる。表7において、クラック及び剥がれが無い場合をそれぞれ○で示し、有る場合を×で示す。
Claims (9)
- ハイドロジェン変性ポリオルガノシロキサンと不飽和アルコール化合物とを反応させてヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを製造するに際し、生成した粗ヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンに貧溶媒を加えて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算での数平均分子量が7000以上の非反応性シロキサン樹脂成分を分離除去して精製することを特徴とする透明性に優れたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法。
- 貧溶媒が、アルコール系有機化合物であることを特徴とする請求項1に記載のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法。
- (A)請求項3記載のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサン
(B1)酸無水物、及び
(E)一分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂
を含むことを特徴とする光学材料用シリコーン樹脂組成物。 - 請求項1または2に記載のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンの製造方法により製造されたヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンを原料とし、これと酸無水物を反応させて末端にカルボキシル基を含有するヘミエステル(A2)を得て、このヘミエステル(A2)と、一分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂(E)を、(A2)のカルボキシル基と(E)のエポキシ基のモル比を、カルボキシル基/エポキシ基=1/2〜1/10の範囲で反応させてエポキシシリコーン樹脂を製造するに当たり、原料とするヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンとして、これをメタノールを用いて25%に希釈した溶液の光路長1cmの石英セルを用いた場合の400nmにおける光線透過率が90%以上であることを満足するものを選択することを特徴とする光学材料用エポキシシリコーン樹脂の製造方法。
- 請求項3に記載のヒドロキシカルビル基含有ポリオルガノシロキサンと、酸無水物との反応により得られる末端にカルボキシル基を含有するヘミエステル(A2)と、
一分子中にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ樹脂(E)を、
(A2)のカルボキシル基と(E)のエポキシ基のモル比を、カルボキシル基/エポキシ基=1/2〜1/10の範囲で反応させて得られることを特徴とする光学材料用エポキシシリコーン樹脂。 - 請求項5に記載の光学材料用エポキシシリコーン樹脂の製造方法で得られたことを特徴とする光学材料用エポキシシリコーン樹脂。
- (D)エポキシシリコーン樹脂、(B)硬化剤、及び(C)硬化促進剤を必須成分とする熱硬化性樹脂組成物であり、(D)エポキシシリコーン樹脂として、請求項6又は7に記載のエポキシシリコーン樹脂を使用することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項8に記載の熱硬化性樹脂組成物を用いて封止されたLED装置。
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Citations (3)
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JPH06100762A (ja) * | 1992-09-21 | 1994-04-12 | Nippon Kayaku Co Ltd | エポキシ樹脂組成物 |
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JP2012077219A (ja) * | 2010-10-04 | 2012-04-19 | Nippon Steel Chem Co Ltd | エポキシシリコーン樹脂含有硬化性樹脂組成物 |
-
2012
- 2012-11-19 JP JP2012252973A patent/JP2014101418A/ja active Pending
Patent Citations (3)
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POLYMER, vol. 30, JPN6016027300, 1989, pages 553 - 557, ISSN: 0003360293 * |
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