JP2014101201A - エレベータシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】エレベータの制御装置が待機状態から復帰するときに、乗場で待つ利用者に運転状態にあることを確実に知らせて、利用者のいない階への無駄な運転を回避して電力消費を抑える。
【解決手段】エレベータ制御装置11は、待機状態に移行するときに、復帰時に各階の表示器13に表示する情報を予測する機能を有し、この予測された情報を表示予測情報として各階の表示器13に送信し、待機状態から復帰するとき、上記表示予測情報に基づいて乗りかご1の運転状態に関する情報を表示させる。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、エレベータの制御装置を待機状態にして電力消費を抑えるエレベータシステムに関する。
近年、電力不足の事情により、電力の「総量規制」が計画されるなど、一層の省電力対策が求められている。省電力対策としては、例えば閑散時間帯にエレベータの運転を休止するなどの方法がある。しかし、エレベータの運転を休止しても、制御装置や表示装置は通電状態にあり、所謂「待機電力」と呼ばれる電力を消費している。そこで、このような待機電力を少しでも削減するために、制御装置の電源を遮断して待機状態にしておくことが考えられている。
特開2009−91132号公報
しかしながら、通常、制御装置の電源を遮断して待機状態にすると、再度起動するのに数十秒程度かかる。このため、待機状態のときに、利用者が乗場で呼び釦を押しても直ぐに反応せず、故障中と思って階段を利用してしまうことがある。このような場合、利用者のいない階へ乗りかごを応答させることになるので、電力を無駄に消費してしまうことになる。
本発明が解決しようとする課題は、エレベータの制御装置が待機状態から復帰するときに、乗場で待つ利用者に運転状態にあることを確実に知らせて、利用者のいない階への無駄な運転を回避して電力消費を抑えるようにしたエレベータシステムを提供することである。
本実施形態に係るエレベータシステムは、乗りかごの運転を制御する制御装置と、各階に設置され、上記制御装置に乗場呼びの登録情報を送信する乗場呼び釦と、上記各階に設置され、上記乗場呼び釦に連動して情報表示を行う表示器とを備え、上記制御装置は、待機状態に移行するときに、復帰時に上記各階の表示器に表示する情報を予測する表示予測手段を有し、この表示予測手段によって予測された情報を表示予測情報として上記各階の表示器に送信し、待機状態から復帰するとき、上記表示予測情報に基づいて上記乗りかごの運転状態に関する情報を表示させる。
図1は第1の実施形態に係るエレベータシステムの構成を示す図である。 図2は同実施形態におけるエレベータシステムのエレベータ制御装置の機能構成を示すブロック図である。 図3は同実施形態におけるエレベータシステムの表示器の機能構成を示すブロック図である。 図4は同実施形態におけるエレベータシステムの表示予測情報を説明するための図である。 図5は同実施形態におけるエレベータシステムの表示予測情報に含まれる表示パターンの一例を示す図である。 図6は同実施形態におけるエレベータシステムの動作を示すフローチャートである。 図7は同実施形態における3階床ストップのエレベータシステムの構成を示す図である。 図8は同実施形態における3階床ストップの表示予測情報を説明するための図である。 図9は同実施形態における3階床ストップの表示予測情報に含まれる表示パターンの一例を示す図である。 図10は同実施形態におけるN階床ストップのエレベータシステムの構成を示す図である。 図11は同実施形態におけるN階床ストップの表示予測情報を説明するための図である。 図12は同実施形態におけるN階床ストップの表示予測情報に含まれる表示パターンの一例を示す図である。 図13は第2の実施形態におけるエレベータ制御装置の機能構成を示すブロック図である。 図14は同実施形態におけるエレベータシステムの動作を示すフローチャートである。 図15は同実施形態におけるエレベータシステムのメッセージ情報の表示例を示す図である。 図16は同実施形態におけるエレベータシステムのメッセージ情報の表示例を示す図である。 図17は同実施形態におけるエレベータシステムのメッセージ情報の表示例を示す図である。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係るエレベータシステムの構成を示す図である。図1の例では、エレベータ(乗りかご)が1階と2階の間を運転する2階床ストップのエレベータシステムの構成が示されている。
本実施形態におけるエレベータシステムは、エレベータ制御装置11と、各階(ここでは1階と2階)に設置された乗場呼び釦12と表示器13とを備える。なお、14は各階の乗場ドアである。
エレベータ制御装置11は、機械室あるいはマシンルームレスタイプのエレベータでは昇降路内に設置される。このエレベータ制御装置11は、コンピュータによって構成され、乗りかご1の運転制御を含むエレベータ全体の制御を行う。
乗りかご1は、カウンタウェイト2と共にロープ3を介して巻上機4に吊り下げられている。エレベータ制御装置11によって巻上機4が駆動されると、乗りかご1とカウンタウェイト2がロープ3を介してつるべ式に各階床間を昇降動作する。
乗場呼び釦12は、乗場呼びを登録するための釦であり、「HIB(Hall Indicator Button)とも呼ばれる。「乗場呼び」とは、利用者が乗場で登録する呼びのことであり、行先方向と呼び登録階の情報を含む。
乗場呼び釦12は、行先方向を指定するための上方向と下方向の釦からなる。通常、最上階には下方向の釦のみ、最下階には上方向の釦のみ、その他の階床では上下両方向の釦が乗場呼び釦12として設置されている。乗場呼び釦12を押下操作すると、行先方向と呼び登録階の情報を含んだ乗場呼びの登録情報が伝送ケーブルを介してエレベータ制御装置11に伝送される。エレベータ制御装置11は、この乗場呼びの登録情報を受信すると、巻上機4を駆動して乗りかご1を呼び登録階に応答させる。
また、表示器13は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)からなり、乗りかご1の現在位置や運転方向などの運転状態に関する情報と各種メッセージを表示する。
ここで、本実施形態において、エレベータ制御装置11には、何らかの要因で待機状態に移行する際に、復帰時に各階の表示器13に表示する情報を予測して事前に各階の表示器13に与えておく機能を備えている。
図2は本システムのエレベータ制御装置11の機能構成を示すブロック図である。
エレベータ制御装置11には、運転切替部21、運転制御部22、かご位置検出部23、表示予測部24が設けられている。
運転切替部21は、各階の乗場呼び釦12の操作状態を監視しており、各階の乗場呼び釦12が操作されない状態が一定時間以上続いた場合に通常の運転状態から待機状態に切り替える。
「待機状態」では、エレベータ制御装置11の電源(電力供給)が遮断され(電源OFFの状態)、エレベータ(乗りかご1)の運転が停止する。このとき、各階の乗場呼び釦12と各階の表示器13には電力が供給された状態にある。
運転制御部22は、巻上機4の駆動を制御して乗りかご1を移動させる。かご位置検出部23は、乗りかご1の現在位置を検出する。検出方法としては、例えば巻上機4の回転軸に設置された図示せぬパルスジェネレータから巻上機4の回転に同期して出力されるパルス信号をカウントし、そのカウント値から乗りかご1の現在位置を求める方法などがある。
表示予測部24は、待機状態に移行する際に、復帰時の表示を予測し、その予測した情報を表示予測情報として各階の表示器13に送信する。なお、この表示予測については、後に図4および図5を参照して詳しく説明する。
図3は本システムの表示器13の機能構成を示すブロック図である。なお、各階の表示器13で同じ構成である。
表示器13には、記憶部31と表示制御部32が備えられている。記憶部31は、エレベータ制御装置11の表示予測部24から送られて来た表示予測情報を記憶する。表示制御部32は、復帰時に記憶部31に記憶された表示予測情報に基づいて乗りかご1の運転状態に関する情報を表示する。
なお、通常の運転状態では、表示制御部32は、エレベータ制御装置11からリアルタイムに送られて来る運行情報(呼び登録階、かご位置、運転方向等)に基づいて表示を行うことになる。
ここで、図4および図5を参照して表示予測について説明する。
図4は本システムの表示予測情報を説明するための図である。図5はその表示予測情報に含まれる表示パターンの一例を示す図である。
エレベータ制御装置11に設けられた表示予測部24は、乗りかご1が待機している階(待機階)と乗場呼び釦12が操作された階との関係から復帰時に各階の表示器13に表示する情報を予測する。この予測された情報を表示予測情報として各階の表示器13に与えられる。
表示予測情報には、各階の表示器13が復帰時に表示する複数のパターン(予測画面)と、これらのパターンを表示する条件(復帰起因)を含む。
・乗りかご1の待機階が2階の場合
2階の乗場呼び釦12が操作されたときに、2階の表示器13がパターンaを表示する。図5(a)に示すように、パターンaには、乗りかご1の現在位置(2階)と、乗場呼びの登録を受け付けたことを示す情報が含まれている。
1階の乗場呼び釦12が操作されたときに、1階の表示器13がパターンbを表示する。図5(b)に示すように、パターンbには、乗りかご1の現在位置(2階)と、下方向への運転を示す情報(下方向マーク)が含まれている。
・乗りかご1の待機階が1階の場合
1階の乗場呼び釦12が操作されたときに、1階の表示器13がパターンcを表示する。図5(c)に示すように、パターンcには、乗りかご1の現在位置(1階)と、乗場呼びの登録を受け付けたことを示す情報が含まれている。
2階の乗場呼び釦12が操作されたときに、2階の表示器13がパターンdを表示する。図5(d)に示すように、パターンdには、乗りかご1の現在位置(1階)と、上方向への運転を示す情報(上方向マーク)が含まれている。
次に、本システムの動作について説明する。
図6は本システムの動作を示すフローチャートである。
エレベータ制御装置11に設けられた運転切替部21は、各階の乗場呼び釦12の操作状態を監視している。ここで、各階の乗場呼び釦12が操作されない状態が一定時間以上続いた場合に(ステップS11のYes)、運転切替部21は、省電力のために待機状態に切り替える。
その際、表示予測部24では、待機状態に入る前に、かご位置検出部23を通じて乗りかご1が待機する階を確認し、その待機階に基づいて復帰時の表示を予測する(ステップS12)。詳しくは、図4および図5で説明したように、乗りかご1が待機している階と乗場呼び釦12が操作された階との関係から復帰時に各階の表示器13に表示する情報を予測する。表示予測部24は、予測した情報を表示予測情報として各階の表示器13に送信する(ステップS13)。
表示予測情報を各階の表示器13に送信した後、エレベータ制御装置11は待機状態に移行する(ステップS14)。待機状態では、エレベータ制御装置11の電源(電力供給)が遮断され、乗りかご1の運転が停止する。
ここで、エレベータ制御装置11が待機状態に移行した後、利用者が1階または2階の乗場に来て、乗場呼び釦12を操作したとする(ステップS15のYes)。この乗場呼び釦12の操作により、当該階の乗場呼びの登録情報がエレベータ制御装置11と当該階の表示器13に送られる。
これにより、エレベータ制御装置11では、待機状態から通常の運転状態への復帰処理を行う(ステップS16)。この復帰処理には、通常、数十秒程度かかる。その間、当該階に設置された表示器13では、エレベータ制御装置11から事前に与えられている表示予測情報を用いて乗りかご1の運転状態に関する情報を表示する(ステップS17)。
すなわち、例えば乗りかご1が2階で待機している場合に、利用者が2階の乗場呼び釦12を操作したとすると、2階の表示器13では、図5(a)に示したパターンaを表示する。また、例えば乗りかご1が1階で待機している場合に、利用者が2階の乗場呼び釦12を操作したとすると、2階の表示器13では、図5(d)に示したパターンcを表示することになる。
このように、エレベータ制御装置11が待機状態から復帰するまでの間、各階の表示器13では、事前に与えられた表示予測情報を用いて自立的に表示を行うことができる。これにより、復帰するまでに多少時間がかかっても、利用者に故障と思わせて乗場から離れることを防ぐことができる。したがって、利用者のいない階への無駄な運転を回避して電力消費を抑えることができる。
なお、上記実施形態では、2階床ストップのエレベータシステムを例にして説明したが、さらに多くの階床を有するエレベータであっても同様である。以下に、3階床ストップとN階床ストップ(N>3)の例を示す。
(3階床ストップの場合)
図7は3階床ストップのエレベータシステムの構成を示す図である。図8は3階床ストップの表示予測情報を説明するための図である。図9は3階床ストップの表示予測情報に含まれる表示パターンの一例を示す図である。
なお、エレベータ制御装置11の機能構成は図2と同様であり、表示器13の機能構成は図3と同様である、また、処理動作についても、図6と同様であるため、その詳しい説明は省略するものとする。
エレベータ制御装置11が通常の運転状態にあるとき、エレベータ制御装置11に設けられた運転制御部22によって、乗りかご1は1階,2階,3階を運転する。ここで、各階の乗場呼び釦12が一定時間以上操作されなかった場合に、エレベータ制御装置11が待機状態に移行する。その際に、各階の表示器13に対し、図8に示すような表示予測情報が与えられる。
・乗りかご1の待機階が3階の場合
3階の乗場呼び釦12(下方向釦:DN釦)が操作されたときに、3階の表示器13がパターンaを表示する。図9(a)に示すように、パターンaには、乗りかご1の現在位置(3階)と、乗場呼びの登録を受け付けたことを示す情報が含まれている。
2階の乗場呼び釦12(上方向釦:UP釦または下方向釦:DN釦)が操作されたときに、2階の表示器13がパターンbを表示する。図9(b)に示すように、パターンbには、乗りかご1の現在位置(3階)と、下方向への運転を示す情報(下方向マーク)が含まれている。
1階の乗場呼び釦12(上方向釦:UP釦)が操作されたときに、1階の表示器13がパターンbを表示する。図9(b)に示すように、パターンbには、乗りかご1の現在位置(3階)と、下方向への運転を示す情報(下方向マーク)が含まれている。
・乗りかご1の待機階が2階の場合
3階の乗場呼び釦12(下方向釦:DN釦)が操作されたときに、3階の表示器13がパターンcを表示する。図9(c)に示すように、パターンcには、乗りかご1の現在位置(2階)と、上方向への運転を示す情報(上方向マーク)が含まれている。
2階の乗場呼び釦12(上方向釦:UP釦または下方向釦:DN釦)が操作されたときに、2階の表示器13がパターンdを表示する。図9(d)に示すように、パターンdには、乗りかご1の現在位置(2階)と、乗場呼びの登録を受け付けたことを示す情報が含まれている。
1階の乗場呼び釦12(上方向釦:UP釦)が操作されたときに、1階の表示器13がパターンeを表示する。図9(e)に示すように、パターンeには、乗りかご1の現在位置(2階)と、下方向への運転を示す情報(下方向マーク)が含まれている。
・乗りかご1の待機階が1階の場合
3階の乗場呼び釦12(下方向釦:DN釦)が操作されたときに、3階の表示器13がパターンfを表示する。図9(f)に示すように、パターンcには、乗りかご1の現在位置(1階)と、上方向への運転を示す情報(上方向マーク)が含まれている。
2階の乗場呼び釦12(上方向釦:UP釦または下方向釦:DN釦)が操作されたときに、2階の表示器13がパターンfを表示する。
1階の乗場呼び釦12(上方向釦:UP釦)が操作されたときに、1階の表示器13がパターンgを表示する。図9(g)に示すように、パターンgには、乗りかご1の現在位置(1階)と、乗場呼びの登録を受け付けたことを示す情報が含まれている。
(N階床ストップの場合)
図10はN階床ストップのエレベータシステムの構成を示す図である。図11はN階床ストップの表示予測情報を説明するための図である。図12はN階床ストップの表示予測情報に含まれる表示パターンの一例を示す図である。
なお、エレベータ制御装置11の機能構成は図2と同様であり、表示器13の機能構成は図3と同様である、また、処理動作についても、図6と同様であるため、その詳しい説明は省略するものとする。
エレベータ制御装置11が通常の運転状態にあるとき、エレベータ制御装置11に設けられた運転制御部22によって、乗りかご1は最下階〜最上階の各階を運転する。ここで、各階の乗場呼び釦12が一定時間以上操作されなかった場合に、エレベータ制御装置11が待機状態に移行する。その際に、各階の表示器13に対し、図8に示すような表示予測情報が与えられる。
いま、Nを最上階、Gを最下階とする。Xを乗りかご1の待機階、Mを最上階と最下階以外の任意の階とする。
・乗りかご1の待機階がN階の場合(X=N)
N階の乗場呼び釦12(下方向釦:DN釦)が操作されたときに、N階の表示器13がパターンaを表示する。図12(a)に示すように、パターンaには、乗りかご1の現在位置(X階)と、乗場呼びの登録を受け付けたことを示す情報が含まれている。
M階の乗場呼び釦12(上方向釦:UP釦または下方向釦:DN釦)が操作されたときに、M階の表示器13がパターンbを表示する。図12(b)に示すように、パターンbには、乗りかご1の現在位置(X階)と、下方向への運転を示す情報(下方向マーク)が含まれている。
G階の乗場呼び釦12(上方向釦:UP釦)が操作されたときに、G階の表示器13がパターンbを表示する。図12(b)に示すように、パターンbには、乗りかご1の現在位置(X階)と、下方向への運転を示す情報(下方向マーク)が含まれている。
・乗りかご1の待機階がM階の場合(X=M)
M階より上階の乗場呼び釦12(上方向釦:UP釦または下方向釦:DN釦)が操作されたときに、M階より上階の表示器13がパターンcを表示する。図12(c)に示すように、パターンcには、乗りかご1の現在位置(X階)と、上方向への運転を示す情報(上方向マーク)が含まれている。
M階の乗場呼び釦12(上方向釦:UP釦または下方向釦:DN釦)が操作されたときに、M階の表示器13がパターンaを表示する」といった表示予測情報が保存される。図12(a)に示すように、パターンaには、乗りかご1の現在位置(X階)と、乗場呼びの登録を受け付けたことを示す情報が含まれている。
M階より下階の乗場呼び釦12(上方向釦:UP釦または下方向釦:DN釦)が操作されたときに、M階より下階の表示器13がパターンbを表示する。図12(b)に示すように、パターンbには、乗りかご1の現在位置(X階)と、下方向への運転を示す情報(下方向マーク)が含まれている。
・乗りかご1の待機階がG階の場合(X=G)
N階の乗場呼び釦12(下方向釦:DN釦)が操作されたときに、N階の表示器13がパターンcを表示する。図12(c)に示すように、パターンcには、乗りかご1の現在位置(X階)と、上方向への運転を示す情報(上方向マーク)が含まれている。
M階の乗場呼び釦12(上方向釦:UP釦または下方向釦:DN釦)が操作されたときに、M階の表示器13がパターンcを表示する。図12(c)に示すように、パターンcには、乗りかご1の現在位置(X階)と、上方向への運転を示す情報(上方向マーク)が含まれている。
G階の乗場呼び釦12(上方向釦:UP釦)が操作されたときに、G階の表示器13がパターンaを表示する。図12(a)に示すように、パターンaには、乗りかご1の現在位置(X階)と、乗場呼びの登録を受け付けたことを示す情報が含まれている。
このように、複数の階床を有するエレベータシステムにおいて、エレベータ制御装置11が復帰するとき、乗場で待つ利用者に対して、乗りかご1が運転状態にあることを知らせて待たせておくことができる。これにより、利用者のいない階への無駄な運転を回避して電力消費を抑えることができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態では、復帰時に各階の表示器13に時間帯別に設定されたメッセージ情報を付加して表示させることを特徴とする。
図13は第2の実施形態におけるエレベータシステムのエレベータ制御装置11の機能構成を示すブロック図である。なお、上記第1の実施形態における図2の構成と同じ部分には同一符号を付して、その説明は省略するものとする。
第2の実施形態において、エレベータ制御装置11には情報記憶部25が備えられている。情報記憶部25には、予め時間帯別に設定されたメッセージ情報が記憶されている。このメッセージ情報には、例えば説明会や会議など、各階で指定の時間帯で行われる何らかのイベントに関する情報や、「おはようございます」,「お疲れ様でした」などの時間帯に応じた挨拶に関する情報を含む。さらには、時間帯に応じた広告情報を含ませてもよい。
表示予測部24は、エレベータ制御装置11が待機状態に移行する際に、情報記憶部25に記憶されたメッセージ情報を表示予測情報に付加して各階の表示器13に送信する。これにより、各階の表示器13では、乗場呼び釦12が操作されたときに、表示予測情報に基づいて乗りかご1の運転状態に関する情報を表示すると共に、そのときの時間帯に応じてメッセージ情報を選択的に表示する。
図14にフローチャートを示す。
基本的な処理な流れは上記第1の実施形態における図6と同様である。異なる点は、ステップS23において、表示予測部24が表示予測情報を各階の表示器13に送信するときに、情報記憶部25からメッセージ情報を読み出して当該表示予測情報に付加して送信することである。このメッセージ情報は、表示予測情報と共に図3に示した記憶部31に記憶される。
ステップS27において、乗場呼び釦12が操作された際に、図5に示したように、当該階に設置された表示器13の表示制御部32は、情報記憶部25に記憶された表示予測情報に基づいて乗りかご1の運転状態を表示する。また、表示器13の表示制御部32は、そのときの時間帯に応じてメッセージ情報を選択的に表示する。
図15乃至図17にメッセージ情報の表示例を示す。
図15は、各階で指定の時間帯で行われるイベントに関する情報をメッセージ情報として表示した例である。図16は、時間帯に応じた挨拶に関する情報をメッセージ情報として表示した例である。図17は、時間帯に応じた広告情報をメッセージ情報として表示した例である。これらの情報を個別に表示しても良いし、表示時間帯が同じであれば、複数同時に表示することでも良い。
このように、エレベータ制御装置11が待機状態に移行する際に、各階の表示器13に表示予測情報に時間帯別に設定されたメッセージ情報を付加して与えておく。これにより、エレベータ制御装置11が待機状態から復帰する間に、乗場で待つ利用者に対し、乗りかご1が運転中であることに加え、そのときの時間帯に応じたメッセージ情報を伝えることができる。
なお、上記各実施形態では、各階の乗場呼び釦12の操作状態に応じてエレベータ制御装置11が待機状態に移行する場合を想定して説明したが、例えば電力不足や工事等により計画的に実施される停電でエレベータ制御装置11の電源(電力供給)が遮断された場合も同様である。この場合、停電が復旧してエレベータ制御装置11が再起動される間に、利用者が乗場呼び釦12を操作したときに、上述した方法により表示を行う。これにより、利用者に運転中であると思わせて、その場に待たせておくことができる。
以上述べた少なくとも1つの実施形態によれば、エレベータの制御装置が待機状態から復帰するときに、乗場で待つ利用者に運転状態にあることを確実に知らせて、利用者のいない階への無駄な運転を回避して電力消費を抑えるようにしたエレベータシステムを提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…乗りかご、2…カウンタウェイト、3…ロープ、4…巻上機、11…エレベータ制御装置、12…乗場呼び釦、13…表示器、14…乗場ドア、21…運転切替部、22…運転制御部、23…かご位置検出部、24…表示予測部、25…情報記憶部、31…記憶部、32…表示制御部。
本実施形態に係るエレベータシステムは、乗りかごの運転を制御する制御装置と、各階に設置され、上記制御装置に乗場呼びの登録情報を送信する乗場呼び釦と、上記各階に設置され、上記乗場呼び釦に連動して情報表示を行う表示器とを備え、上記制御装置は、待機状態に移行するときに、復帰時に上記各階の表示器に表示する情報を予測する表示予測手段を有し、この表示予測手段によって予測された情報を表示予測情報として上記各階の表示器に与えておき、上記制御装置が待機状態から復帰するまでの間、上記乗場呼び釦が操作された階の表示器は、上記制御装置から事前に与えられた上記表示予測情報に基づいて上記乗りかごの運転状態に関する情報を表示する。

Claims (6)

  1. 乗りかごの運転を制御する制御装置と、
    各階に設置され、上記制御装置に乗場呼びの登録情報を送信する乗場呼び釦と、
    上記各階に設置され、上記乗場呼び釦に連動して情報表示を行う表示器とを備え、
    上記制御装置は、
    待機状態に移行するときに、復帰時に上記各階の表示器に表示する情報を予測する表示予測手段を有し、
    この表示予測手段によって予測された情報を表示予測情報として上記各階の表示器に送信し、待機状態から復帰するとき、上記表示予測情報に基づいて上記乗りかごの運転状態に関する情報を表示させることを特徴とするエレベータシステム。
  2. 上記表示予測手段は、
    上記乗りかごが待機している階と上記乗場呼び釦が操作された階との関係から復帰時に上記各階の表示器に表示する情報を予測することを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
  3. 上記表示予測手段は、
    上記乗りかごが待機している階と上記乗場呼び釦が操作された階が同じ場合に当該階の表示器に上記乗りかごの現在位置と共に上記乗場呼びの登録情報を受け付けた旨を表示させ、
    上記乗りかごが待機している階と上記乗場呼び釦が操作された階が異なる場合に当該階の表示器に上記乗りかごの現在位置と共に上記乗りかごが応答中である旨を表示させることを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
  4. 上記制御装置は、
    予め時間帯別に設定されたメッセージ情報を記憶した情報記憶部を有し、
    上記表示予測手段は、
    上記情報記憶部に記憶されたメッセージ情報を上記表示予測情報に付加して上記各階の表示器に送信し、上記メッセージ情報を復帰時の時間帯に応じて選択的に表示させることを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
  5. 上記メッセージ情報は、
    上記各階で指定の時間帯で行われるイベントに関する情報、時間帯に応じた挨拶に関する情報、時間帯に応じた広告情報のいずれか少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項4記載のエレベータシステム。
  6. 上記制御装置は、
    上記各階の乗場呼び釦が操作されない状態が一定時間以上続いた場合に通常の運転状態から待機状態に切り替える運転切替手段を有し、
    上記表示予測手段は、
    上記運転切替手段によって待機状態に切り替えられるときに、復帰時に上記各階の表示器に表示する情報を予測して、その予測した情報を上記表示予測情報として上記各階の表示器に送信することを特徴とする請求項1記載のエレベータシステム。
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