JP2014100041A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータをレンジ切換機構の可動範囲の限界位置に突き当たるまで回転させる突き当て制御を実行して基準位置を学習する場合の学習精度を向上させる。
【解決手段】突き当て制御の際に、電流センサ43の出力に基づいてモータ12の集合部電流(各相に流れる電流の和)を一定値に制御する定電流制御を行いながら、モータ12の各相のうちの1相に通電する1相通電方式でモータ12の通電相を順次切り換えてモータ12を回転駆動する。突き当て制御の際に、定電流制御を行うことで、温度変化や経時変化等による各相の電流値の変化を抑制してモータ12のトルク変化を抑制することができる。更に、定電流制御を行いながら1相通電方式でモータ12の通電相を順次切り換えることで、通電相に流れる電流値を一定に維持して、通電相の切り換えによるモータ12のトルク変動を抑制することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、モータを制御対象の可動範囲の限界位置に突き当たるまで回転させる突き当て制御を実行して基準位置を学習するモータ制御装置に関する発明である。
近年、自動車においても、省スペース化、組立性向上、制御性向上等の要求を満たすために、機械的な駆動システムを、モータによって電気的に駆動するシステムに変更する事例が増加する傾向にある。その一例として、車両の自動変速機のレンジ切換機構をモータで駆動するようにしたものがある。このものは、モータの回転に同期して所定角度毎にパルス信号を出力するエンコーダを搭載し、レンジ切換時には、このエンコーダのパルス信号のカウント値に基づいてモータを目標レンジに相当する目標回転位置(目標カウント値)まで回転させることで、シフトレンジを目標レンジに切り換えるようにしている。
このようなシステムにおいては、例えば、特許文献1(特開2004−308752号公報)に記載されているように、モータ(アクチュエータ)をレンジ切換機構の可動範囲の限界位置(P壁位置や非P壁位置)に突き当たるまで回転させる突き当て制御を実行して、その限界位置を基準位置として学習し、この基準位置を基準にしてモータの回転量(回転角)を制御するようにしたものがある。
特開2004−308752号公報
ところで、突き当て制御の際に、モータの各相に流れる電流を電圧に応じたデューティ比でデューティ制御するシステムでは、電圧が同じでも温度変化や経時変化等による巻線抵抗の変化によってモータの各相に流れる電流値が変化してモータのトルクが変化するため、その影響で基準位置の学習精度が低下する可能性がある。
そこで、本出願人は、モータの各相に流れる電流の和(例えば各相の巻線を接続した集合部に流れる電流)を検出する電流センサを設け、突き当て制御の際に、電流センサの出力に基づいてモータの各相に流れる電流の和を一定値に制御する定電流制御を行うことで、温度変化や経時変化等による各相の電流値の変化を抑制するシステムを研究している。しかし、定電流制御を行いながら1−2相通電方式(モータの各相のうちの1相に通電する1相通電と2相に通電する2相通電とを交互に切り換える通電方式)でモータの通電相を切り換えるシステムでは、通電相に流れる電流値が1相通電と2相通電の切り換え毎に変動して、それに伴ってモータのトルクが変動するため、その影響で基準位置の学習精度が低下する可能性がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、突き当て制御の際にモータのトルクをほぼ一定に制御することができ、基準位置の学習精度を向上させることができるモータ制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、制御対象(11)を回転駆動するモータ(12)と、このモータ(12)を制御対象(11)の可動範囲の限界位置に突き当たるまで回転させる突き当て制御を実行して基準位置を学習する基準位置学習手段(41)とを備えたモータ制御装置において、モータ(12)に流れる電流を検出する電流センサ(43)を備え、基準位置学習手段(41)は、突き当て制御の際に、電流センサ(43)の出力に基づいてモータ(12)の各相に流れる電流の和を一定値に制御する定電流制御を行いながらモータ(12)の通電相の数を一定にする通電方式でモータ(12)の通電相を順次切り換えてモータ(12)を回転駆動するようにしたものである。
この構成では、突き当て制御の際に、電流センサの出力に基づいてモータの各相に流れる電流の和を一定値に制御する定電流制御を行うことで、温度変化や経時変化等による各相の電流値の変化を抑制することができ、温度変化や経時変化等によるモータのトルク変化を抑制することができる。更に、定電流制御を行いながらモータの通電相の数を一定にする通電方式でモータの通電相を順次切り換えることで、通電相に流れる電流値を一定に維持することができ、通電相の切り換えによるモータのトルク変動を抑制することができる。これにより、突き当て制御の際にモータのトルクをほぼ一定に制御することができ、基準位置の学習精度を向上させることができる。
図1は本発明の実施例1におけるレンジ切換装置の斜視図である。 図2はレンジ切換装置の制御システム全体の構成を概略的に示す図である。 図3は比較例のモータの通電制御方法を説明するタイムチャートである。 図4は1−2相通電方式の通電相の切り換えパターンを説明する図である。 図5は実施例1のモータの通電制御方法を説明するタイムチャートである。 図6は1相通電方式の通電相の切り換えパターンを説明する図である。 図7は基準位置学習ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。 図8は実施例2のモータの通電制御方法を説明するタイムチャートである。 図9は2相通電方式の通電相の切り換えパターンを説明する図である。
以下、本発明を実施するための形態を自動変速機のレンジ切換装置に適用して具体化した幾つかの実施例を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図7に基づいて説明する。
図1に示すように、レンジ切換機構11は、自動変速機27(図2参照)のシフトレンジをPレンジ(パーキングレンジ)とRレンジ(リバースレンジ)とNレンジ(ニュートラルレンジ)とDレンジ(ドライブレンジ)との間で切り換える4ポジション式のレンジ切換機構である。このレンジ切換機構11の駆動源となるモータ12は、例えばスイッチトリラクタンスモータにより構成されている。このモータ12は、減速機構26(図2参照)が内蔵され、その出力軸12a(図2参照)の回転位置を検出する出力軸センサ10(図2参照)が設けられている。このモータ12の出力軸12aには、マニュアルシャフト13が接続され、このマニュアルシャフト13に、ディテントレバー15が固定されている。
ディテントレバー15には、ディテントレバー15の回転に応じて直線運動するマニュアルバルブ(図示せず)が接続され、このマニュアルバルブによって自動変速機27の内部の油圧回路(図示せず)を切り換えることで、シフトレンジを切り換えるようになっている。
また、ディテントレバー15にはL字形のパーキングロッド18が固定され、このパーキングロッド18の先端部に設けられた円錐体19がロックレバー21に当接している。このロックレバー21は、円錐体19の位置に応じて軸22を中心にして上下動してパーキングギヤ20をロック/ロック解除するようになっている。パーキングギヤ20は、自動変速機27の出力軸に設けられ、このパーキングギヤ20がロックレバー21によってロックされると、車両の駆動輪が回り止めされた状態(パーキング状態)に保持される。
一方、ディテントレバー15をP、R、N、Dの各レンジに保持するためのディテントバネ23が支持ベース17に固定され、ディテントレバー15には、P、R、N、Dの各レンジ保持凹部24(図1参照)が形成され、ディテントバネ23の先端に設けられた係合部23aがディテントレバー15の各レンジ保持凹部24に嵌まり込んだときに、ディテントレバー15が各レンジの位置に保持されるようになっている。これらディテントレバー15とディテントバネ23とからディテントレバー15の回転位置を各レンジの位置に係合保持する(つまりレンジ切換機構11を各レンジの位置に保持する)ためのディテント機構14(節度機構)が構成されている。
Pレンジでは、パーキングロッド18がロックレバー21に接近する方向に移動して、円錐体19の太い部分がロックレバー21を押し上げてロックレバー21の凸部21aがパーキングギヤ20に嵌まり込んでパーキングギヤ20をロックした状態となり、それによって、自動変速機27の出力軸(駆動輪)がロックされた状態(パーキング状態)に保持される。
一方、Pレンジ以外のレンジでは、パーキングロッド18がロックレバー21から離れる方向に移動して、円錐体19の太い部分がロックレバー21から抜け出てロックレバー21が下降し、それによって、ロックレバー21の凸部21aがパーキングギヤ20から外れてパーキングギヤ20のロックが解除され、自動変速機27の出力軸が回転可能な状態(走行可能な状態)に保持される。
尚、前述した出力軸センサ10は、モータ12の減速機構26の出力軸12aの回転角度に応じた電圧を出力する回転センサ(例えばポテンショメータ)によって構成され、その出力電圧によって実際のシフトレンジが、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジのいずれであるかを確認できるようになっている。また、出力軸センサ10が無い場合においても、後述するエンコーダ46によって実際のシフトレンジが、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジのいずれであるかを確認できるようになっている。
図2に示すように、モータ12には、ロータの回転角(回転位置)を検出するためのエンコーダ46が設けられている。このエンコーダ46は、例えば磁気式のロータリエンコーダにより構成されており、モータ12のロータの回転に同期して所定角度毎にA相、B相のパルス信号をレンジ切換制御装置42(モータ制御装置)に出力するように構成されている。レンジ切換制御装置42のマイコン41は、エンコーダ46から出力されるA相信号とB相信号の立ち上がり/立ち下がりの両方のエッジをカウントして、そのカウント値(以下「エンコーダカウント値」という)に応じてモータドライバ37によってモータ12の通電相を所定の順序で切り換えることでモータ12を回転駆動する。尚、モータ12の3相(U,V,W相)の巻線とモータドライバ37の組み合わせを2系統設けて、一方の系統が故障しても、他方の系統でモータ12を回転駆動できるようにしても良い。
モータ12の回転中は、A相信号とB相信号の発生順序によってモータ12の回転方向を判定し、正回転(Pレンジ→Dレンジの回転方向)ではエンコーダカウント値をカウントアップし、逆回転(Dレンジ→Pレンジの回転方向)ではエンコーダカウント値をカウントダウンする。これにより、モータ12が正回転/逆回転のいずれの方向に回転しても、エンコーダカウント値とモータ12の回転角との対応関係が維持されるため、正回転/逆回転のいずれの回転方向でも、エンコーダカウント値によってモータ12の回転位置を検出して、その回転位置に対応した相の巻線に通電してモータ12を回転駆動できるようになっている。
レンジ切換制御装置42には、シフトスイッチ44で検出したシフトレバー操作位置の信号が入力される。これにより、レンジ切換制御装置42のマイコン41は、運転者のシフトレバー操作等に応じて目標レンジを切り換え、その目標レンジに応じてモータ12を駆動してシフトレンジを切り換え、切り換え後の実際のシフトレンジをインストルメントパネル(図示せず)に設けられたレンジ表示部45に表示する。
レンジ切換制御装置42には、車両に搭載されたバッテリ50(電源)から電源リレー51を介して電源電圧が供給される。電源リレー51のオン/オフは、電源スイッチであるIGスイッチ52(イグニッションスイッチ)のオン/オフを手動操作することで切り換えられる。IGスイッチ52がオンされると、電源リレー51がオンされてレンジ切換制御装置42に電源電圧が供給され、IGスイッチ52がオフされると、電源リレー51がオフされてレンジ切換制御装置42への電源供給が遮断(オフ)される。また、レンジ切換制御装置42には、モータ12の各相に流れる電流の和(例えば各相の巻線を接続した集合部に流れる電流又はモータドライバ37に供給される電流等)を検出する電流センサ43が設けられている。
ところで、エンコーダカウント値は、マイコン41のRAM(図示せず)に記憶されるため、レンジ切換制御装置42の電源がオフされると、エンコーダカウント値の記憶値が消えてしまう。そのため、レンジ切換制御装置42の電源投入直後のエンコーダカウント値は、実際のモータ12の回転位置(通電相)に対応したものとならない。従って、エンコーダカウント値に応じて通電相を切り換えるためには、電源投入後にエンコーダカウント値と実際のモータ12の回転位置とを対応させて、エンコーダカウント値と通電相とを対応させる必要がある。
そこで、マイコン41は、電源投入後に初期駆動を行ってモータ12の通電相とエンコーダカウント値との対応関係を学習する。この初期駆動では、オープンループ制御でモータ12の通電相の切り換えを所定のタイムスケジュールで一巡させることで、いずれかの通電相でモータ12の回転位置と該通電相とを一致させてモータ12を回転駆動してエンコーダ46のA相信号及びB相信号のエッジをカウントし、初期駆動終了時のエンコーダカウント値とモータ12の回転位置と通電相との対応関係を学習する。
また、マイコン41は、モータ12の起動後のエンコーダカウント値に基づいてモータ12の起動位置からの回転量(回転角)を検出できるだけであるため、電源投入後に何等かの方法で、モータ12の絶対的な回転位置を検出しないと、モータ12を正確に目標位置まで回転駆動することができない。
そこで、マイコン41は、後述する図7の基準位置学習ルーチンを実行することで、初期駆動の終了後に、モータ12をレンジ切換機構11の可動範囲の限界位置に突き当たるまで回転させる突き当て制御を実行して、その限界位置を基準位置として学習し、この基準位置のエンコーダカウント値を基準にしてモータ12の回転量(回転角)を制御する。
この場合、例えば、ディテントバネ23の係合部23aがレンジ切換機構11の可動範囲のPレンジ側の限界位置であるPレンジ壁(Pレンジ保持凹部24の側壁)に突き当たるまでモータ12を回転させる“Pレンジ壁突き当て制御”を実施して、Pレンジ側の限界位置を基準位置として学習する。或は、ディテントバネ23の係合部23aがレンジ切換機構11の可動範囲のDレンジ側の限界位置であるDレンジ壁(Dレンジ保持凹部24の側壁)に突き当たるまでモータ12を回転させる“Dレンジ壁突き当て制御”を実施して、Dレンジ側の限界位置を基準位置として学習するようにしても良い。
ところで、突き当て制御の際に、モータ12の各相に流れる電流を電圧に応じたデューティ比でデューティ制御するシステムでは、電圧が同じでも温度変化や経時変化等による巻線抵抗の変化によってモータ12の各相に流れる電流値が変化してモータ12のトルクが変化するため、その影響で基準位置の学習精度が低下する可能性がある。
そこで、本実施例では、突き当て制御の際に、電流センサ43の出力に基づいてモータ12の集合部電流(各相に流れる電流の和)を一定値に制御する定電流制御を行うことで、温度変化や経時変化等による各相の電流値の変化を抑制するようにしている。しかし、図3に示す比較例ように、電流センサ43の出力に基づいてモータ12の集合部電流を一定値に制御する定電流制御を行いながら、モータ12の各相のうちの1相に通電する1相通電と2相に通電する2相通電とを交互に切り換える1−2相通電方式(図4参照)でモータ12の通電相を切り換えるシステムでは、通電相に流れる電流値が1相通電と2相通電の切り換え毎に変動して、それに伴ってモータ12のトルクが変動するため、その影響で基準位置の学習精度が低下する可能性がある。
そこで、本実施例1では、図5に示すように、突き当て制御の際に、電流センサ43の出力に基づいてモータ12の集合部電流を一定値に制御する定電流制御を行いながら、モータ12の各相のうちの1相に通電する1相通電方式(図6参照)でモータ12の通電相を順次切り換えてモータ12を回転駆動するようにしている。
突き当て制御の際に、電流センサ43の出力に基づいてモータ12の集合部電流を一定値に制御する定電流制御を行うことで、温度変化や経時変化等による各相の電流値の変化を抑制することができ、温度変化や経時変化等によるモータ12のトルク変化を抑制することができる。更に、定電流制御を行いながら1相通電方式でモータ12の通電相を順次切り換えることで、通電相に流れる電流値を一定に維持することができ、通電相の切り換えによるモータ12のトルク変動を抑制することができる。
また、本実施例1では、突き当て制御の際にモータ12を確実に停止させた状態から回転駆動するために、突き当て制御を開始する際に、まず、1−2相通電方式(図4参照)においてモータ12の現在の回転位置に対応する相に所定時間継続して通電することでモータ12を停止保持するようにしている。
以上説明した本実施例1の基準位置学習は、レンジ切換制御装置42のマイコン41により図7の基準位置学習ルーチンに従って実行される。以下、このルーチンの処理内容を説明する。
図7に示す基準位置学習ルーチンは、レンジ切換制御装置42の電源オン期間中に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいう基準位置学習手段としての役割を果たす。本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、所定の学習実行条件が成立しているか否かを、例えば、初期駆動の終了後であるか否か、基準位置学習の完了前であるか否か等によって判定し、学習実行条件が不成立であると判定されれば、ステップ102以降の処理を実行することなく、本ルーチンを終了する。
一方、上記ステップ101で、学習実行条件が成立していると判定された場合には、ステップ102に進み、1−2相通電方式においてモータ12の現在の回転位置に対応する相に通電することでモータ12を停止保持する。
この後、ステップ103に進み、通電開始から所定時間が経過したか否か(つまり所定時間継続して通電したか否か)を判定し、所定時間が経過していないと判定されれば、上記ステップ102に戻り、モータ12を停止保持する処理を継続する。
その後、上記ステップ103で、通電開始から所定時間が経過したと判定された時点で、ステップ104に進み、モータ12をレンジ切換機構11の可動範囲の限界位置に突き当たるまで回転させる突き当て制御(例えばPレンジ壁突き当て制御又はDレンジ壁突き当て制御)を実行する。この突き当て制御では、電流センサ43の出力に基づいてモータ12の集合部電流を一定値に制御する定電流制御を行いながら、1相通電方式でモータ12の通電相を順次切り換えてモータ12を回転駆動する。
この後、ステップ105に進み、モータ12の回転が停止したか否かを判定し、モータ12の回転が停止していないと判定されれば、上記ステップ104に戻り、突き当て制御を継続する。
その後、上記ステップ105で、モータ12の回転が停止したと判定された時点で、レンジ切換機構11の可動範囲の限界位置に突き当たったと判断して、ステップ106に進み、その時点のエンコーダカウント値(限界位置に対応するエンコーダカウント値)を基準位置として学習(記憶)する。
以上説明した本実施例1では、突き当て制御の際に、電流センサ43の出力に基づいてモータ12の集合部電流を一定値に制御する定電流制御を行うようにしたので、温度変化や経時変化等による各相の電流値の変化を抑制することができ、温度変化や経時変化等によるモータ12のトルク変化を抑制することができる。更に、定電流制御を行いながら1相通電方式でモータ12の通電相を順次切り換えるようにしたので、通電相に流れる電流値を一定に維持することができ、通電相の切り換えによるモータ12のトルク変動を抑制することができる。これにより、突き当て制御の際にモータ12のトルクをほぼ一定に制御することができ、基準位置の学習精度を向上させることができる。
また、本実施例1では、突き当て制御を開始する際に、1−2相通電方式においてモータ12の現在の回転位置に対応する相に所定時間継続して通電することでモータ12を停止保持するようにしたので、突き当て制御の際に、モータ12を確実に停止させた状態からモータ12を回転駆動することができる。しかも、1−2相通電方式は、1相通電方式や2相通電方式に比べて、モータ12を停止保持可能な回転位置のピッチを細かくできるため、1−2相通電方式においてモータ12の現在の回転位置に対応する相に所定時間継続して通電することで、それまでのモータ12の回転位置により近い位置でモータ12を停止保持することができる。
次に、図8及び図9を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分については説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。
本実施例2では、図8に示すように、突き当て制御の際に、電流センサ43の出力に基づいてモータ12の集合部電流を一定値に制御する定電流制御を行いながら、モータ12の各相のうちの2相に通電する2相通電方式(図9参照)でモータ12の通電相を順次切り換えてモータ12を回転駆動するようにしている。
以上説明した本実施例2においても、前記実施例1とほぼ同様の効果を得ることができる。
尚、上記各実施例1,2では、突き当て制御の際に、モータ12の通電相の数を一定にする通電方式として1相通電方式又は2相通電方式でモータ12の通電相を順次切り換えてモータ12を回転駆動するようにしたが、これに限定されず、例えば、4相以上のモータを搭載したシステムでは、モータの通電相の数を一定にする通電方式として3相以上に通電する通電方式でモータの通電相を順次切り換えてモータを回転駆動するようにしても良い。
また、上記各実施例1,2では、エンコーダ46として磁気式のエンコーダを用いたが、これに限定されず、エンコーダ46は、例えば、光学式のエンコーダやブラシ式のエンコーダを用いても良い。また、エンコーダ46は、A相信号とB相信号を出力するエンコーダに限定されず、A相、B相信号に加え、補正用(インデックス用)のZ相信号を出力するエンコーダを用いても良い。
また、上記各実施例1,2では、モータ12としてスイッチトリラクタンスモータ(SRモータ)を用いたが、エンコーダの出力信号のカウント値に基づいてモータの回転位置を検出してモータの通電相を順次切り換えるブラシレス型の同期モータであれば、SRモータに限定されず、他の種類のブラシレス型の同期モータであっても良い。
また、上記各実施例1,2では、シフトレンジをPレンジとRレンジとNレンジとDレンジの四つのレンジ間で切り換えるレンジ切換機構を備えたシステムに本発明を適用したが、これに限定されず、例えば、シフトレンジをPレンジとNotPレンジの二つのレンジ間で切り換えるレンジ切換機構を備えたシステムに本発明を適用しても良い。或は、シフトレンジを三つのレンジ間又は五つ以上のレンジ間で切り換えるレンジ切換機構を備えたシステムに本発明を適用しても良い。
また、自動変速機(AT、CVT、DCT等)に限定されず、電気自動車用の減速機のシフトレンジを切り換えるレンジ切換装置にも本発明を適用して実施できる。
その他、本発明は、レンジ切換装置に限定されず、SRモータ等のブラシレス型の同期モータを駆動源とする各種の位置切換装置に適用しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
11…レンジ切換機構(制御対象)、12…モータ、41…マイコン(基準位置学習手段)、42…レンジ切換制御装置(モータ制御装置)、43…電流センサ、46…エンコーダ

Claims (4)

  1. 制御対象(11)を回転駆動するモータ(12)と、前記モータ(12)を前記制御対象(11)の可動範囲の限界位置に突き当たるまで回転させる突き当て制御を実行して基準位置を学習する基準位置学習手段(41)とを備えたモータ制御装置において、
    前記モータ(12)に流れる電流を検出する電流センサ(43)を備え、
    前記基準位置学習手段(41)は、前記突き当て制御の際に、前記電流センサ(43)の出力に基づいて前記モータ(12)の各相に流れる電流の和を一定値に制御する定電流制御を行いながら前記モータ(12)の通電相の数を一定にする通電方式で前記モータ(12)の通電相を順次切り換えて前記モータ(12)を回転駆動することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 前記モータ(12)の通電相の数を一定にする通電方式は、前記モータ(12)の各相のうちの1相に通電する1相通電方式又は2相に通電する2相通電方式であることを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  3. 前記基準位置学習手段(41)は、前記突き当て制御を開始する際に、前記モータ(12)の各相のうちの1相に通電する1相通電と2相に通電する2相通電とを交互に切り換える1−2相通電方式において前記モータ(12)の現在の回転位置に対応する相に所定時間継続して通電することで前記モータ(12)を停止保持することを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ制御装置。
  4. 前記制御対象は、シフトレンジを切り換えるレンジ切換機構(11)であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のモータ制御装置。
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