JP2014091804A - 消色プライマー組成物、ならびに消色プライマー組成物を用いたシーリング材の施工方法、防水材の施工方法および上塗り塗料の施工方法 - Google Patents

消色プライマー組成物、ならびに消色プライマー組成物を用いたシーリング材の施工方法、防水材の施工方法および上塗り塗料の施工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プライマーの塗布状態を容易に視認し、プライマー塗布部が太陽光の当たらない所でも早期に無色化する消色プライマー組成物の提供、ならびに消色プライマー組成物を用いたシーリング材の施工方法、防水材の施工方法および上塗り塗料の施工方法を提供する。
【解決手段】バインダー樹脂(A)と水により消色性を示す金属錯体化合物(B)とを含有する消色プライマー組成物を用いて、シーリング材、防水材および上塗り塗料の施工を行う。
【選択図】なし

Description

本発明は、消色プライマー組成物、ならびに消色プライマー組成物を用いたシーリング材の施工方法、防水材の施工方法および上塗り塗料の施工方法に関する。
建築、土木、自動車等の分野において、気密性、水密性、防水性の確保を目的として、シーリング材や防水材(防水塗料)の施工が広く行われている。施工に使用するシーリング材や防水材には、下地材との接着性や密着性が要求される。
しかし、シーリング材や防水材の接着性や密着性の性能が良くても、下地材がポリオレフィン等の難接着性の材料である場合や、下地材の表面が切りくず、埃、油脂等で汚れている場合は、シーリング材を下地材に直接打設したり、防水材を下地材に直接塗布したりすると、シーリング材または防水材と下地材との間で接着不良を生じることがある。このような場合、シーリング材や防水材が下地材から剥離するという問題を生じる。
上記の問題を解決するため、シーリング材や防水材を施工する際に、コンクリート、アルミニウム、ガラス、樹脂等の下地材に前処理としてプライマーを塗布することが行われている。下地材にプライマーを塗布することで、シーリング材や防水材と下地材との接着性や密着性を確保することができる。また、刷毛、ローラー、スプレー等を用いてプライマーを下地材の被着面に万遍なく塗布することで、接着不良の要因となる下地材の表面の切りくず、埃、油脂等の汚れを取り除くことが可能となる。
プライマーは一般的に無色透明の液体であることが多いため、プライマーが下地材に確実に塗布されているか否かを目視で容易に判別することは困難である。プライマーの塗りむらや塗り忘れがあるままシーリング材や防水材を施工すると、下地材との接着性や密着性が十分に確保できないため、シーリング材や防水材が下地材から剥離し、剥離した所から雨水等の浸入により漏水等の不具合を生じることがある。
このため、プライマーの塗りむらや塗り忘れを防止する目的で、着色剤を配合したプライマーが提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
特開2010−195850号公報 特開平04−306283号公報
しかしながら、先行文献に記載されたプライマーは、その塗布状態を容易に視認できるものの、着色剤が太陽光によって退色するため、太陽光が当たらない日陰等の所では着色剤が退色し無色化するまでに多くの日数を要する。
着色剤を配合したプライマーが塗布時のはみ出し等で下地材の被着面以外の所に付着し、無色化するまでに多くの日数を要すると着色した所が目立つため意匠上の不具合要因となる。このため、太陽光が当たらない所でも早期に無色化する消色性(退色性)の高いプライマーが求められる。
そこで本発明は、プライマーの塗布状態を容易に視認し、プライマー塗布部が太陽光の当たらない所でも早期に無色化する消色プライマー組成物の提供、ならびに消色プライマー組成物を用いたシーリング材の施工方法、防水材の施工方法および上塗り塗料の施工方法の提供を課題とする。
上記課題に鑑み、本発明者らが鋭意検討した結果、バインダー樹脂と着色剤として水により消色性を示す金属錯体化合物を含有した消色プライマー組成物がシーリング材や防水材の施工時の下地処理用のプライマー、および上塗り塗料の施工時のバリアプライマーとして良好な視認性と消色性示すことを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の(1)〜(7)に示されるものである。
(1)バインダー樹脂(A)と、水により消色性を示す金属錯体化合物(B)と、を含有する消色プライマー組成物。
(2)前記バインダー樹脂(A)が、イソシアネート基含有化合物(A−1)、ならびに/または、イソシアネート基および加水分解性シリル基含有化合物、および/もしくは、加水分解性シリル基含有化合物(A−2)である、(1)に記載の消色プライマー組成物。
(3)前記水により消色性を示す金属錯体化合物(B)が、チオシアン酸の金属錯イオンおよび/またはその塩である、(1)に記載の消色プライマー組成物。
(4)前記水により消色性を示す金属錯体化合物(B)が、チオシアン酸鉄(III)の錯イオンおよび/またはその塩である、(1)または(3)に記載の消色プライマー組成物。
(5)(1)〜(4)のいずれか一項に記載の消色プライマー組成物によるプライマー層を下地材に直接または他の層を介して形成した後、シーリング材を打設することを特徴とする、シーリング材の施工方法。
(6)(1)〜(4)のいずれか一項に記載の消色プライマー組成物によるプライマー層を下地材に直接または他の層を介して形成した後、防水材を塗布することを特徴とする、防水材の施工方法。
(7)(1)〜(4)のいずれか一項に記載の消色プライマー組成物によるプライマー層をシーリング材の表面または防水材の表面に形成した後、上塗り塗料を塗布することを特徴とする、上塗り塗料の施工方法。
本発明の消色プライマー組成物は、プライマーを塗布した際の視認性が良好であり、プライマーの塗布状態を容易に視認できるから、プライマー塗布時の塗りむらや塗り忘れを防止することができる。また、プライマー塗布後、太陽光が当たらない所でも優れた消色性を示し、プライマー塗布部が早期に無色化するから意匠上の問題を生じない。
以下、本発明を実施形態に即して詳細に説明する。
[消色プライマー組成物]
本発明の消色プライマー組成物は、バインダー樹脂(A)と、水により消色性を示す金属錯体化合物(B)と、を含有することを特徴とする。以下、各成分について、詳細に説明する。
バインダー樹脂(A)
本発明におけるバインダー樹脂(A)は、プライマー層を形成することが可能なものであれば特に制限されないが、溶媒の揮散および/または硬化反応によりプライマー層を形成する(塗膜を形成する)化合物が好ましい。なお、本発明においてプライマー層とは、シーリング材、防水材の施工前に予め下地材表面または他の層表面に形成されるプライマー層や、シーリング材の表面または防水材の表面に設けられる上塗り塗料との間に形成されるプライマー層(バリアプライマー)である。
また、本発明におけるバインダー樹脂(A)は、下地材とシーリング材または防水材との接着性や密着性、ならびにシーリング材または防水材と上塗り塗料との接着性や密着性が良好なことから、反応性官能基を有する化合物が好ましい。
反応性官能基を有する化合物としては、空気中の水分(湿分)との反応により架橋、硬化して塗膜を形成する化合物、ラジカル発生剤等の混合や紫外線あるいは酸素により硬化して塗膜を形成する化合物、主剤と硬化剤との架橋反応等により架橋、硬化して塗膜を形成する化合物が挙げられる。具体的には、イソシアネート基含有化合物、加水分解性シリル基含有化合物、イソシアネート基および加水分解性シリル基含有化合物、ポリサルファイド化合物、不飽和ポリエステル化合物、アルキッド化合物、酸素硬化性不飽和化合物が挙げられる。
これらのうち、プライマーの塗布作業性や硬化性が優れており、下地材とシーリング材または防水材との接着性や密着性、ならびにシーリング材または防水材と上塗り塗料との接着性や密着性が良好なことから、イソシアネート基含有化合物(A−1)、ならびに/または、イソシアネート基および加水分解性シリル基含有化合物、および/もしくは、加水分解性シリル基含有化合物(A−2)が好ましい。
イソシアネート基含有化合物(A−1)は、水分と反応して尿素結合を形成し硬化もしくは架橋するイソシアネート基を分子中に1個以上有する化合物である。具体的には、有機ポリイソシアネートまたは有機ポリイソシアネートと有機モノイソシアネートとの混合物を挙げることができる。また、有機ポリイソシアネートまたは有機ポリイソシアネートと有機モノイソシアネートとの混合物と、後述する活性水素基含有化合物とを、イソシアネート基過剰で反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーを好適に挙げることができる。
有機ポリイソシアネートは、その化合物中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、具体的には、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート等のトルエンポリイソシアネート類、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート等のジフェニルメタンポリイソシアネート類、1,2−フェニレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4,6−トリメチルフェニル−1,3−ジイソシアネート、2,4,6−トリイソプロピルフェニル−1,3−ジイソシアネート等のフェニレンポリイソシアネート類、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート等のナフタレンポリイソシアネート類、その他の芳香族ポリイソシアネートとして、クロロフェニレン−2,4−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等が挙げられる。また、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ポリイソシアネート類、o−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ポリイソシアネート類、1,4−シクロヘキシルジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トルエンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環族ポリイソシアネート類が挙げられる。さらに、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、クルードトルエンジイソシアネート等のポリメリックイソシアネート類が挙げられる。またさらに、これらの有機ポリイソシアネートを変性して得られる、ウレトジオン結合、イソシアヌレート結合、アロファネート結合、ビュレット結合、ウレトンイミン結合、カルボジイミド結合、ウレタン結合、ウレア結合等を1つ以上有する変性イソシアネートが挙げられる。これらは、いずれも1種または2種以上を混合して使用することができる。
これらのうち、プライマーの塗膜形成性、下地材との接着性や密着性および耐候性が優れている点で脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートおよびそれらのポリイソシアネートを少なくとも1つ以上変性して得られる変性イソシアネートが好ましく、特に耐熱性、耐水性が優れていることから脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートおよびそれらのポリイソシアネートを少なくとも1つ以上変性して得られるイソシアヌレート結合を有する変性イソシアネートが好ましい。
有機モノイソシアネートは、その化合物中に1個のイソシアネート基を有する化合物であり、具体的には、n−ブチルモノイソシアネート、n−ヘキシルモノイソシアネート、n−ヘキサデシルモノイソシアネート、n−オクタデシルモノイソシアネート、p−イソプロピルフェニルモノイソシアネート、p−ベンジルオキシフェニルモノイソシアネートが挙げられる。
活性水素基含有化合物は、その化合物中に1つ以上の活性水素基を有する化合物であり、具体的には、ポリオール、ポリアミン、ポリウレア等の活性水素基含有化合物を挙げることができる。活性水素基含有化合物の数平均分子量は、100〜10,000、さらに100〜5,000の範囲が好ましい。活性水素基含有化合物の数平均分子量が100未満ではプライマーの塗膜形成性が悪化する場合があり、10,000を超えるとプライマーの粘度が高くなり塗布作業性が悪化する場合があるため好ましくない。
ポリオールとしては、具体的には、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、動植物系ポリオールが挙げられる。これらの各種のポリオールはいずれも1種または2種以上を混合して使用することができる。
これらのうち、プライマーの塗膜形成性、塗布作業性、接着性、密着性が優れている点でポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオールが好ましく、さらに耐水性、耐候性が優れている点でポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオールが好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、具体的には、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロオルソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸、それらの酸エステルまたは酸無水物の1種以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の低分子アルコール類、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等の低分子アミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等の低分子アミノアルコール類の1種以上との脱水縮合反応で得られる、ポリエステルポリオールまたはポリエステルアミドポリオールが挙げられる。また、低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリオールが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、前述のポリエステルポリオールの反応に用いられる低分子アルコール類、低分子アミン類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等を開環重合させて得られるポリエーテルポリオールが挙げられる。具体的には、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルポリオール、これらを共重合したポリエーテルポリオール、さらに、前述のポリエステルポリオールを開始剤としたポリエステルエーテルポリオールが挙げられる。
また、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどのモノアルコール類(開始剤)に前記プロピレンオキサイド等を開環重合させたポリオキシアルキレンモノオールも挙げることができる。
これらのうち、特にポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオールが好ましい。
アクリルポリオールとしては、具体的には、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等の水酸基を含有したアクリル酸系化合物のモノマーおよび/または水酸基を含有したメタクリル酸系化合物のモノマーと、これら以外のエチレン性不飽和化合物の1種以上とを、ラジカル重合開始剤の存在下または不存在下に、そして溶剤の存在下または不存在下にバッチ式重合または連続重合等の公知のラジカル重合の方法により反応させて得られるものが挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、具体的には、前述のポリエステルポリオールの反応に用いられる低分子アルコール類とホスゲンとの脱塩酸反応、あるいは前記低分子アルコール類とジエチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等とのエステル交換反応で得られるものが挙げられる。
ポリオレフィンポリオールとしては、具体的には、水酸基含有ポリブタジエン、水素添加した水酸基含有ポリブタジエン、水酸基含有ポリイソプレン、水素添加した水酸基含有ポリイソプレン、水酸基含有塩素化ポリプロピレン、水酸基含有塩素化ポリエチレンが挙げられる。
動植物系ポリオールとしては、具体的には、ヒマシ油系ポリオール、絹フィブロインが挙げられる。
有機ポリイソシアネートまたは有機ポリイソシアネートと有機モノイソシアネートの混合物と、活性水素基含有化合物とを、イソシアネート基過剰で反応させて得られるイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーは、一括仕込み反応法、多段階仕込み反応法のいずれでも合成できる。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーのイソシアネート基含有量は、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの有機溶剤等を含む全体量に対して0.1〜15.0質量%が好ましく、更に0.3〜10.0質量%が好ましく、特に0.5〜10.0質量%の範囲が好ましい。イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの有機溶剤等を含む全体量に対してイソシアネート基含有量が15.0質量%を超える場合は、空気中の水分(湿分)とイソシアネート基との反応によって生じる炭酸ガスにより塗膜が発泡することがあるため好ましくない。
イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの反応の際には、必要に応じて、亜鉛、錫、ジルコニウム、ビスマス、コバルト、マンガン、鉄等の金属とオクチル酸、ナフテン酸等の有機酸との塩、テトラ−n−ブトキシチタン、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属と有機酸との塩、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、DBU、DBE等の有機アミンやその塩等の公知のウレタン化触媒を用いることができる。これらはいずれも1種または2種以上を混合して使用することができる。
また、イシアネート基含有ウレタンプレポリマーの反応の際には後述する公知の有機溶媒を使用することもできる。
イソシアネート基および加水分解性シリル基含有化合物、および/もしくは、加水分解性シリル基含有化合物(A−2)は、その化合物中に1つ以上のイソシアネート基および加水分解性シリル基を有する化合物、その化合物中に1つ以上の加水分解性シリル基含有化合物およびそれらの混合物である。
イソシアネート基および加水分解性シリル基含有化合物としては、具体的には、イソシアネートシランカップリング剤、イソシアネート基含有化合物と加水分解性シリル基含有化合物とを反応して得られる化合物を挙げることができる。
イソシアネートシランカップリング剤としては、具体的には、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシランを挙げることができる。
イソシアネート基含有化合物と加水分解性シリル基含有化合物とを反応して得られる化合物としては、具体的には、前述したイソシアネート基含有化合物(A−1)と同様のイソシアネート基含有化合物と、分子内にイソシアネート基との反応性を有する有機官能基および加水分解性(架橋性)シリル基を有する化合物とを反応して得られる化合物である。前記有機官能基はイソシアネート基含有化合物との反応のし易さから活性水素を有する有機官能基が好ましい。
加水分解性シリル基は、プライマーの硬化性や硬化後の接着性または密着性等の物性の点から、その化合物中に0.5〜5個有するのが好ましい。さらに、加水分解性シリル基は、加水分解し、架橋しやすく製造しやすい次の一般式(1)で示されるものが好ましい。
Figure 2014091804
(式中、Rは炭化水素基であり、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。Xで示される反応性基はハロゲン原子、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド基、メルカプト基、アルケニルオキシ基およびアミノオキシ基より選ばれる基であり、Xが複数の場合には、Xは同じ基であっても異なった基であってもよい。このうちXはアルコキシ基が好ましく、メトキシ基またはエトキシ基が最も好ましい。aは0、1または2の整数であり、0または1が最も好ましい。)
分子内にイソシアネート基との反応性を有する有機官能基および加水分解性(架橋性)シリル基を有する化合物としては、具体的には、アミノシランカップリング剤、メルカプトシランカップリング剤が挙げられる。アミノシランカップリング剤、メルカプトシランカップリング剤の有機官能基は、活性水素を有しており、イソシアネート基含有化合物と比較的容易に反応するため好ましい。これらはいずれも1種または2種以上を混合して使用することができる。
アミノシランカップリング剤としては、具体的には、アミノメチルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノメチルトリメトキシシラン、アミノメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)メチルトリブトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノイソブチルトリメトキシシラン、N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシランが挙げられる。
メルカプトシランカップリング剤としては、具体的には、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルエチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルエチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、2−メルカプトエチルメチルジメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランが挙げられる。
バインダー樹脂(A)の含有量は、下地材およびシーリング材や防水材との十分な接着性や密着性を実現するために消色プライマー組成物全体に対して、0.5〜50質量%が好ましく、1〜40質量%がさらに好ましい。
水により消色性を示す金属錯体化合物(B)
本発明における水により消色性を示す金属錯体化合物(B)は、その金属錯体化合物が有色であり、水の作用によって消色性を示す(無色となる)金属錯体化合物であれば、特に制限することなく使用することができる。
水により消色性を示す金属錯体化合物(B)としては、特に制限はないが、具体的には、チオシアン酸の金属錯体化合物(錯イオンを含む)を挙げることができる。金属錯体化合物に含まれる金属としては、特に制限はないが、銅、鉄、チタン、ニッケル、クロム、コバルト、銀等種々の金属が挙げられる。この中でも、入手のしやすさおよび経済性を考慮すると、銅および鉄が好ましい。特に、チオシアン酸鉄(III)の錯イオンおよび/またはその塩は、プライマー組成物に少量添加した場合でも着色性が良くプライマー塗布部の視認性が良好で、また、水による消色性も高いため早期に無色となるから好適に使用することができる。
チオシアン酸鉄(III)の錯イオンおよび/またはその塩の調製方法としては、具体的には、塩化鉄(III)等の鉄(III)塩と、チオシアン酸カリウム等のチオシアン酸金属塩とを水または有機溶媒で混合して得ることができる。なお、この調製方法から得られるチオシアン酸鉄(III)の錯イオンおよび/またはその塩は、下記の式に示す通り、様々な形態が提唱されている。
Fe3+ + nKSCN → nK+ [Fe(SCN)3−n (I)
2Fe3+ + 6KSCN → 6K+ Fe[Fe(SCN)] (II)
Fe3+ + nKSCN + mHO →
nK + [Fe(SCN)(HO)3−n (III)
(式中、nは1〜6の整数、mは1〜5の整数を示す)
なお、本発明においては、バインダー樹脂(A)が水との反応性を有しており、バインダー樹脂(A)を有機溶媒との混合物として調製する方法が好ましい。
チオシアン酸鉄(III)の錯イオンおよび/またはその塩を着色剤として用いたプライマー組成物は、プライマー組成物の塗布部が良好な視認性を示すとともに、主に空気中の水分(湿分)によって消色(無色化)する。このため、プライマー組成物を被着面以外の所に塗布した場合でも塗布部が経時的に消色し、意匠上の問題を生じることはない。
水により消色性を示す金属錯体化合物(B)の含有量は、プライマー組成物全体に対して、0.05〜3質量%が好ましく、さらに0.05〜1質量%が好ましく、特に0.05〜0.3質量%の範囲が好ましい。水により消色性を示す金属錯体化合物(B)の含有量が、プライマー組成物100質量部に対して3質量%を超えると、プライマー組成物を塗布した後に、水によって消色し無色となるまでに多くの日数が掛かる場合があり、0.05質量%未満であると、プライマー組成物の着色(有色)度合いが低く、その塗布状態を容易に視認出来なくなる場合がある。
その他の成分
本発明の消色プライマー組成物は本発明の目的を損なわない範囲で上記成分の他に、必要に応じて有機溶剤や添加剤を使用することができる。
有機溶剤は、前述したバインダー樹脂(A)、水により消色性を示す金属錯体化合物(B)および後述する添加剤を溶解し、また、本発明の消色プライマー組成物を塗布作業に適した粘度に調整する希釈剤として使用する。また、有機溶剤は、バインダー樹脂(A)、水により消色性を示す金属錯体化合物(B)および後述する添加剤に対して不活性で反応性を示さないものであれば特に制限されない。さらに、有機溶剤は、消色プライマー組成物の塗布後、オープンタイム(通常は5℃〜35℃で30分〜60分程度)を確保するのに支障を及ぼさない程度の適度な揮発性を有するものが好ましい。
有機溶剤としては、極性溶剤として具体的には、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ステアリン酸ブチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、γ−ブチロラクトン、マロン酸ジエチル等のエステル系溶剤;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、ブチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、イソホロン、アセトフェノン等のケトン系溶剤:エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート等のアセテート系溶剤が挙げられる。これらはいずれも1種または2種以上を混合して使用することができる。
さらに、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、n−ヘプタン、n−オクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、n−デカン、n−ドデカン等の脂肪族炭化水素系溶剤;シクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤;キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ブチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ジペンチルベンゼン、シクロヘキシルベンゼン、ナフタレン、テトラリン、ビフェニル等の芳香族炭化水素系溶剤;ジメチルスルホキシド、ミネラルスピリット、石油ナフサ、コールタールナフサ、ソルベントナフサ、リグロインやこれらの混合物を前述の極性溶剤と併用することができる。
有機溶剤は、バインダー樹脂(A)、水により消色性を示す金属錯体化合物(B)および後述する添加剤の総量100質量部に対し10〜20,000質量部、さらに50〜5,000質量部、特に100〜5,000質量部の範囲で配合するのが好ましい。20,000質量部を超えるとプライマー層を十分に形成できずに下地材とシーリング材および防水材との接着性や密着性、ならびにシーリング材または防水材と上塗り塗料との接着性や密着性が低下する場合がある。
添加剤としては、具体的には、接着性付与剤、貯蔵安定性改良剤(脱水剤)、耐候安定剤、硬化触媒、界面活性剤を挙げることができる。これらの添加剤は、本発明の消色プライマー組成物の使用目的と用途によって適宜組み合わせて任意に添加することができる。添加剤はいずれも1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
接着性付与剤は、本発明の消色プライマー組成物の硬化後の接着性、密着性、耐熱性、耐水性を向上させるために使用するものであり、具体的には、シランカップリング剤、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ゴム、ポリ塩化ビニル樹脂が挙げられる。
シランカップリング剤としては、具体的には、前述したアミノシランカップリング剤、メルカプトシランカップリング剤やその他のシランカップリング剤が挙げられる。
その他のシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロへキシルエチルトリエトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルメチルジメトキシシラン等のエポキシシランカップリング剤、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のビニル基や(メタ)アクリロイル基を有する不飽和炭化水素シランカップリング剤、およびメチルシリケート、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン等の炭化水素シランカップリング剤、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイドシランカップリング剤が挙げられる。これらのシランカップリング剤はいずれも1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
シランカップリング剤のうち下地材との接着性や密着性が良好な点で、アミノシランカップリング剤、メルカプトシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤が好ましい。
貯蔵安定性改良剤(脱水剤)は、本発明の消色プライマー組成物中の水分と反応させて脱水することで貯蔵安定性を向上させるために使用する。具体的には、パラトルエンスルホニルイソシアネート(PTSI)、ビニルトリメトキシシランが挙げられる。
耐候安定剤は、本発明の消色プライマー組成物の硬化後の酸化や光劣化、熱劣化を防止して耐熱性を向上させるために使用する。具体的には、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、光硬化性化合物が挙げられる。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、具体的には、ペンタエリストール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)]、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノールが挙げられる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、具体的には、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、メチル−1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンが挙げられる。また、三共社製の商品名サノールLS−292や、ADEKA社製の商品名アデカスタブシリーズのLA−52、LA−57、LA−62、LA−67、LA−77、LA−82、LA−87等の分子量1,000未満の低分子量ヒンダードアミン系光安定剤、同じくLA−63P、LA−68LDあるいはBASF社製の商品名CHIMASSORBシリーズの119FL、2020FDL、944FD、944LD等の分子量1,000以上の高分子量ヒンダードアミン系光安定剤も挙げられる。
光硬化性化合物は、アクリロイル基やメタクリロイル基等の光によって反応硬化する基を分子内に1個以上含有する化合物である。具体的には、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーに水酸基含有アクリレート化合物や水酸基含有メタクリレート化合物を反応させたウレタンアクリレートやウレタンメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートやトリメチロールプロパントリメタクリレート等のエステルアクリレートやエステルメタクリレート、ポリエチレンアジペートポリオールのアクリレートやメタクリレート等のポリエステルアクリレートやポリエステルメタクリレート、ポリエーテルポリオールのアクリレートやメタクリレート等のポリエーテルアクリレートやポリエーテルメタクリレート、あるいはポリケイ皮酸ビニル類、アジド化樹脂が挙げられ、分子量10,000以下、更に分子量5,000以下の単量体、オリゴマーが好ましく、特にアクリロイル基および/またはメタクリロイル基を1分子当たり平均して2個以上含有する物が好ましい。
硬化触媒は、本発明におけるバインダー樹脂(A)と水分(湿分)との反応を促進させる触媒であり、また、バインダー樹脂(A)の硬化を促進し皮膜形成を高める目的で使用される。
硬化触媒としては、有機金属化合物、アミン類等が挙げられる。具体的には、オクチル酸錫、ナフテン酸錫等の2価の有機錫化合物、ジブチル錫ジオクトエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ビス(トリエトキシシリケート)、ジブチル錫オキサイドとフタル酸エステルとの反応物等の4価の有機錫化合物、ジブチル錫ビス(アセチルアセトナート)、錫系キレート化合物の旭硝子社製EXCESTARC−501、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、チタンテトラキス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アセチルアセトンコバルト、アセチルアセトン鉄、アセチルアセトン銅、アセチルアセトンマグネシウム、アセチルアセトンビスマス、アセチルアセトンニッケル、アセチルアセトン亜鉛、アセチルアセトンマンガン等の各種金属のキレート化合物、オクチル酸ジルコニウム等のマンガン、鉄、コバルト、銅、亜鉛、ジルコニウム等の金属とオクチル酸、ナフテン酸等の有機酸との金属有機酸塩、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン酸エステル類、オクチル酸ビスマス、ネオデカン酸ビスマス、ステアリン酸ビスマス、ビスマスバーサテイト等の有機ビスマス化合物、ブチルアミン、オクチルアミン等の第1級アミン類、ジブチルアミン、ジオクチルアミン等の第2級アミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の第1級、第2級アミン類、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、N−エチルモルフォリン、DBU、DBE等の第3級アミン類、またはこれらのアミン類とカルボン酸等の塩類が挙げられる。
これらのうち、硬化促進効果が高い点で有機錫化合物、金属キレート化合物、有機ビスマス化合物が好ましく、さらに、錫系キレート化合物、有機ビスマス化合物が好ましい。硬化触媒は、貯蔵安定性や適度な硬化促進性を確保する点から、バインダー樹脂(A)100質量部に対して、0.01〜5質量部、さらに0.01〜2質量部の範囲で配合するのが好ましい。
界面活性剤は本発明の消色プライマー組成物をスプレー等を用いて泡状(微細気泡を含み、流動性のあるまたは流動性のない乳濁状気泡)に塗布する場合に使用する。また、消色プライマー組成物と下地材との濡れ性を改善するために使用する。
界面活性剤としては、大別すると、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤および両性界面活性剤があり、消色プライマー組成物を塗布する下地材の種類に応じて、または消色プライマー組成物と下地材との濡れ性を勘案して適宜使用することができる。消色プライマー組成物をスプレー等で泡状に噴霧し塗布する場合、塗布時の液ダレや周囲への飛散による汚れを抑制する泡を形成させるために非イオン界面活性剤が好適に用いられる。
非イオン界面活性剤としては、具体的には、ポリグリセリンアルキルエーテル系非イオン界面活性剤、ポリグリセリン脂肪酸エステル系非イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル系非イオン界面活性剤、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル系非イオン界面活性剤、ポリオキシアルキルアミノエーテル系非イオン界面活性剤、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル系非イオン界面活性剤、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル系非イオン界面活性剤、フッ素系非イオン界面活性剤を挙げることができ、バインダー樹脂(A)、水により消色性を示す金属錯体化合物(B)および添加剤に対して不活性で反応性を示さないものであれば特に制限はない。
具体的には、テトライソステアリン酸ジグリセリル(阪本薬品工業社製、S−face IS−204P)、ポリオキシエチレンジオレート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル系非イオン界面活性剤、ポリエチレングリコールジステアレート(NIKKO CHEMICALS社製、NIKKOL EGDS)、ポリエチレングリコールジイソステアレート(NIKKO CHEMICALS社製、NIKKOL CDIS−400)等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル系非イオン界面活性剤、ポリエチレングリコールジメチルエーテル(三洋化成工業社製、サンファインDM−200)等のポリオキシエチレンアルキルエーテル系非イオン界面活性剤、パーフルオロアルキル化合物(AGCセイミケミカル社製、サーフロン381、サーフロン386、サーフロン393)等のフッ素系非イオン界面活性剤を挙げることができる。これらのうち、フッ素系非イオン界面活性剤が泡の形成性や安定性が良い点で好ましい。
陽イオン界面活性剤としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム化合物を挙げることができる。
陰イオン界面活性剤としては、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等のフッ素系界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウムを挙げることができる。
両性界面活性剤としては、アミノ酸型、ベタイン型、硫酸エステル型、リン酸エステル型が挙げられる。具体的には、アミノ酸型両性界面活性剤としては、N−ラウリル−β−アラニン、N−ステアリル−β−アラニン等が挙げられ、ベタイン型としては、N,N,N−トリメチルアミノプロピオン酸、N−ラウリル−N,N−ジメチルアミノプロピオン酸、N−ミリスチル−N,N−ジメチルアミノプロピオン酸、N−パルミチル−N,N−ジメチルアミノプロピオン酸、N−ステアリル−N,N−ジメチルアミノプロピオン酸、N−ヘキシル−N,N−ジメチルアミノ酢酸、N−オクチル−N,N−ジメチルアミノ酢酸、N−デシル−N,N−ジメチルアミノ酢酸、N−ウンデシル−N,N−ジメチルアミノ酢酸、N−ラウリル−N,N−ジメチルアミノ酢酸(ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン)、N−ミリスチル−N,N−ジメチルアミノ酢酸、N−パルミチル−N,N−ジメチルアミノ酢酸、N−ステアリル−N,N−ジメチルアミノ酢酸、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、1−(2−カルボキシエチル)ピリジニウムベタイン、1−(2−カルボキシエチル)−α−ピコリニウムベタイン等が挙げられ、硫酸エステル型としては、N−ラウリル−N,N−ジメチルアミノプロピル硫酸等が挙げられ、硫酸エステル型としては、N−デシル−N,N−ジメチルアミノプロピルスルホン酸、N−ラウリル−N,N−ジメチルアミノプロピルスルホン酸、N−パルミチル−N,N−ジメチルアミノプロピルスルホン酸、N−ラウリル−N,N−ジ−n−プロピルアミノプロピルスルホン酸等が挙げられ、さらにリン酸エステル型としてはP−ラウリル−P,P−ジメチルホスホプロピルスルホン酸等が挙げられる。
界面活性剤の添加量は、消色プライマー組成物全体に対して0.01〜15.0質量%、さらに0.1〜10.0質量%の範囲が好ましい。
[シーリング材の施工方法、防水材の施工方法および上塗り塗料の施工方法]
本発明の消色プライマー組成物を用いたシーリング材の施工方法、防水材の施工方法および上塗り塗料の施工方法について説明する。
まず、本発明の消色プライマー組成物を用いたシーリング材の施工方法および防水材の施工方法を手順に沿って説明する。
シーリング材の施工方法および防水材の施工方法の手順としては、最初に被着面となる下地材の表面に水、切りくずや埃等が付着していないことを目視や指触により確認する。下地材の表面に水、切りくずや埃等が付着している場合は、刷毛やウエス等を用いてそれらを取り除く。次いで消色プライマー組成物が下地材の被着面以外の箇所に付着することを防止するため、必要に応じてマスキングテープや養生シート等を下地材に貼付し、消色プライマー組成物を後述する下地材の表面または他の層の表面に刷毛、ローラー、スプレー等で所定量塗布する。消色プライマー組成物を塗布後、所定の時間(オープンタイム:通常は5℃〜35℃で30分〜60分程度)放置乾燥し、消色プライマー組成物を硬化させプライマー層(塗膜)を形成させる。
消色プライマー組成物の塗布量は0.5〜200g/m、特に1〜150g/mの範囲であることが好ましい。消色プライマー組成物の塗布量が0.5g/m未満であると、下地材とシーリング材または防水材との接着性や密着性が向上せず、200g/mを超えるとコストが高くなるため好ましくない。
消色プライマー組成物を塗布した後、被着面を視認してプライマーの塗布むらや塗り忘れがないことを確認する。万が一、プライマーの塗りむらや塗り忘れにより、プライマー未塗布の箇所が見つかった場合は、その箇所に消色プライマー組成物を塗布し所定の時間放置乾燥し、硬化させる。
そして、予め用意しておいたシーリング材を被着面に打設し、または防水材を被着面に塗布し、ヘラやコテ等を用いて美観を損ねないよう表面をならして所望の形状や厚さに仕上げる。
使用するシーリング材および防水材の成分は特に限定されないが、具体的には、シリコーン系、変成シリコーン系、ポリウレタン系、アクリルウレタン系、ポリサルファイド系、変成ポリサルファイド系、ブチルゴム系、アクリル系、エポキシ系等の各種の成分が挙げられる。
これらのうち、硬化後のゴム物性が良好な点とコスト的に優位である点で、ポリウレタン系、変成シリコーン系、アクリルウレタン系のシーリング材および防水材が好ましい。
なお、シーリング材および防水材は、主剤と硬化剤とを施工時に混合して使用する2成分形と、空気中の水分(湿気)と反応し硬化する1成分形に大別することができる。このうち、混合の手間や混合不良による不具合がなく施工作業の容易な点で1成分形湿気硬化型のシーリング材および防水材が好ましい。
本発明の消色プライマー組成物が使用できる下地材としては、具体的には、無垢材、合板、集成材等の木質系材料、鉄、銅、ステンレス、ガルバニウム鋼板、トタン、アルミニウム、チタン等の金属系材料、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ABS、FRP等の合成樹脂系材料、瓦、ガラス、レンガ、タイル、モルタル、コンクリート、スレート、ALC、サイディング、磁器、陶器等の無機系材料、大理石、御影石等の岩石系材料、あるいはこれらの下地材の表面を塗料等でコーティングしたもの(他の層)が挙げられる。
防水材の施工において、下地材が含水率の高いコンクリート等である場合は、防水材の施工後、下地材に含まれる水分が気化し気体の膨張によって防水材(層)が膨れ上がり美観を損ねる不具合を生じやすい。この不具合を防止するために、下地材にプライマーを所定量塗布し下地材の表面にプライマー層を設けることで水分が防水材(層)へ移行することを防止できる。また、防水材の膨れ防止のために必要に応じて、プライマー層の表面に不織布等の通気性を有する脱気シートや通気(脱気)路を設けることが可能な凹溝形状シートを敷設してもよい。この場合、該シート表面に消色プライマー組成物を塗布し乾燥硬化後、防水材を塗布する。
次に、本発明の消色プライマー組成物を用いた上塗り塗料の施工方法をその手順に沿って説明する。
上塗り塗料の施工方法の手順としては、最初に被着面となるシーリング材または防水材の硬化状態を指触等により確認する。それらの表面が硬化していれば上塗り塗料の施工は可能であるが、消色プライマー組成物の塗布のし易さから、それらの内部も完全に硬化していることが望ましい。
次いで、消色プライマー組成物をそれらの表面に刷毛、ローラー、スプレー等で所定量塗布し乾燥、硬化させる。
このように、シーリング材の表面または防水材の表面と上塗り塗料との間にプライマー層を設けることで、シーリング材または防水材と上塗り塗料との接着性や密着性が向上し、上塗り塗料のハジケ、割れ、剥がれ等を防止することができる。また、シーリング材および防水材に含まれる可塑剤等の物質が上塗り塗料へ移行するのを防止できるので、可塑剤等の移行により生じる上塗り塗料表面のベタツキが抑制され、上塗り塗料表面に付着する塵や埃等による汚れを低減することができる。
さらに、本発明の消色プライマー組成物は、建築物の外壁の改修または補修や、現場での二次シール施工において行われるシーリング材の打継ぎのプライマーとしても用いることができる。
具体的には、建築物の外壁の改修または補修の工事において、外壁目地の既設のシーリング材が経年劣化している場合、既設のシーリング材を全部または部分的に除去し、除去部に新たにシーリング材を打設する工法がある。特に既設のシーリング材と新たに打設するシーリング材が異種成分系(例えば、既設シーリング材:変成シリコーン系、新設シーリング材:ウレタン系)であった場合、既設シーリング材と新設シーリング材との接着性や密着性が悪い。これらの接着性を高めるために既設シーリング材表面にプライマーを塗布しプライマー層を設けることで、既設シーリング材と新設シーリング材との剥離を防止することができる。
以下、本発明について実施例等により、さらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
[調製例1]
攪拌機、温度計、冷却管及び乾燥窒素導入管付きの反応容器に、窒素気流下で、酢酸エチルを572.8g、数平均分子量300のポリオキシプロピレントリオールを122.1g仕込み、攪拌しながらイソホロンジイソシアネートを257.4g仕込んだ。次いで、ジブチル錫ジラウレートを0.4g仕込み、発熱に注意しながら70℃まで徐々に加熱し、イソシアネート基含有量が4.6質量%になるまでウレタン化反応を行ない、理論不揮発分40質量%のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(P−1)を得た。
[調製例2]
攪拌機、温度計、冷却管及び乾燥窒素導入管付きの反応容器に、窒素気流下で、酢酸エチルを550g、HDIとTDIとの混合イソシアヌレート三量体であるデスモジュールHL(住化バイエルウレタン社製、イソシアネート基濃度10.5%、固形分60質量%、酢酸ブチル溶液)を350g、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製、KBM−573)を31.2g仕込み、70℃で1時間混合・攪拌し、イソシアネート基含有量が3.9質量%、理論不揮発分26質量%のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(P−2)を得た。
[調製例3]
攪拌機、乾燥窒素導入管付きの混合容器に、窒素気流下で、メチルエチルケトンを99.8g、無水塩化鉄(III)(和光純薬工業社製)を0.2g仕込み、攪拌・混合し、0.2%塩化鉄(III)溶液を得た。
また、攪拌機、乾燥窒素導入管付きの混合容器に、窒素気流下で、メチルエチルケトンを99.8g、チオシアン酸カリウム(和光純薬工業社製)を0.2g仕込み、攪拌・混合し、0.2%チオシアン酸カリウム溶液を得た。
次いで、攪拌機、乾燥窒素導入管付きの混合容器に、窒素気流下で、0.2%塩化鉄(III)溶液を100g、0.2%チオシアン酸カリウム溶液を300g仕込み、攪拌・混合し、赤色のチオシアン酸鉄(III)の錯イオン溶液を得た。
[実施例1]
攪拌機、乾燥窒素導入管付きの混合容器に、窒素気流下で、調製例1で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(P−1)を100g、調製例3で得た赤色のチオシアン酸鉄(III)の錯イオン溶液を75.1g仕込み、攪拌・混合し、消色プライマー組成物を得た。
[実施例2]
攪拌機、乾燥窒素導入管付きの混合容器に、窒素気流下で、調製例2で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(P−2)を100g、調製例3で得た赤色のチオシアン酸鉄(III)の錯イオン溶液を75.1g仕込み、攪拌・混合し、消色プライマー組成物を得た。
[比較例1]
調製例1で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(P−1)を使用した。
[比較例2]
調製例2で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(P−2)を使用した。
[比較例3]
攪拌機、乾燥窒素導入管付きの混合容器に、窒素気流下で、調製例1で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(P−1)を100g、リボフラビン酪酸エステル(三菱化学フーズ社製)を0.03gそれぞれ仕込み、攪拌・混合し、プライマー組成物を得た。
[比較例4]
攪拌機、乾燥窒素導入管付きの混合容器に、窒素気流下で、調製例2で得たイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(P−2)を100g、リボフラビン酪酸エステル(三菱化学フーズ社製)を0.03gそれぞれ仕込み、攪拌・混合し、プライマー組成物を得た。
[評価方法]
実施例1〜2および比較例1〜4で得たプライマー組成物を用いて、下記に示す評価を行った。
プライマー組成物の視認性
50mm×50mm×15mmのサイディング(ケイミュー社製、塗装面:ホワイト色)の小口面(切出し面)に実施例1〜2および比較例1〜4のプライマー組成物をそれぞれ140g/mの塗布量で刷毛塗りし、プライマー組成物の塗布面の着色状態を目視で評価した。
プライマー組成物の消色性
[太陽光の当たる所]
50mm×50mm×15mmのサイディング(ケイミュー社製、塗装面:ホワイト色)の塗装面に実施例1〜2および比較例1〜4のプライマー組成物をそれぞれ140g/mの塗布量で刷毛塗りした。次いで、プライマー組成物の塗布面が鉛直方向(水平面から90°)となるように、サイディングを屋外の太陽光が当たる所(日向)に静置し、合計3日間暴露した。
[太陽光の当たらない所]
50mm×50mm×15mmのサイディング(ケイミュー社製、塗装面:ホワイト色)の塗装面に実施例1〜2および比較例1〜4のプライマー組成物をそれぞれ140g/mの塗布量で刷毛塗りした。次いで、プライマー組成物の塗布面が鉛直方向(水平面から90°)となるように、サイディングを屋外の太陽光が当たらない所(日陰)に静置し、合計16週間暴露した。
屋外への暴露後、プライマー組成物の塗布面の状態をそれぞれ目視で評価した。
Figure 2014091804
実施例1〜2の消色プライマー組成物は、太陽光の当たらない所でもプライマーの塗布面が塗布2週間後に完全に消色し無色となった。これに対し、比較例3〜4のプライマー組成物は太陽光の当たらない所では塗布16週間後でも塗布面が完全に消色せず無色とならなかった。
本発明の消色プライマー組成物は、バインダー樹脂(A)と着色剤として水により消色性を示す金属錯体化合物(B)を含有することでプライマー塗布時の視認性が良好で、太陽光が当たらない所でも優れた消色性を示すプライマー層を形成するから、シーリング材の施工および防水材の施工の際の下地処理用のプライマー、ならびに上塗り塗料の施工の際のバリアプライマーとして好適に使用することができる。

Claims (7)

  1. バインダー樹脂(A)と、水により消色性を示す金属錯体化合物(B)と、を含有する消色プライマー組成物。
  2. 前記バインダー樹脂(A)が、イソシアネート基含有化合物(A−1)、ならびに/または、イソシアネート基および加水分解性シリル基含有化合物、および/もしくは、加水分解性シリル基含有化合物(A−2)である、請求項1に記載の消色プライマー組成物。
  3. 前記水により消色性を示す金属錯体化合物(B)が、チオシアン酸の金属錯イオンおよび/またはその塩である、請求項1に記載の消色プライマー組成物。
  4. 前記水により消色性を示す金属錯体化合物(B)が、チオシアン酸鉄(III)の錯イオンおよび/またはその塩である、請求項1または請求項3に記載の消色プライマー組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の消色プライマー組成物によるプライマー層を下地材に直接または他の層を介して形成した後、シーリング材を打設することを特徴とする、シーリング材の施工方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の消色プライマー組成物によるプライマー層を下地材に直接または他の層を介して形成した後、防水材を塗布することを特徴とする、防水材の施工方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の消色プライマー組成物によるプライマー層をシーリング材の表面または防水材の表面に形成した後、上塗り塗料を塗布することを特徴とする、上塗り塗料の施工方法。
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