JP6237086B2 - 無機質系多孔質基材用プライマー組成物およびそれを用いたシーリング施工方法 - Google Patents
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Description
しかし、従来のプライマー組成物を用いて無機質系多孔質基材により形成された目地にシーリング材を施工した際に、特に夏場の高温時においてシーリング材や塗膜防水材の硬化中に泡が発生し、硬化物の表面の外観が著しく悪くなることがあった。この泡の発生の原因については、1成分形ポリウレタン系プライマーを用いた場合に硬化途中で発生する二酸化炭素が考えられ、これを抑制するためにオキサゾリジン化合物などの潜在硬化剤を用いる方法などが提案されている(特許文献1)。しかし、この方法により1成分形ポリウレタン系プライマーからの二酸化炭素の発生を抑制したり、プライマー中のイソシアネート基濃度を性能上問題の無い程度まで低下させても泡の発生を抑えることができない場合があった。
すなわち本発明は、次の(1)〜(5)に示すものである
(1) バインダー樹脂(A)と初留点又は沸点が170℃以上300℃以下且つ乾点が350℃未満の有機溶剤(B)とを含有すること、を特徴とする無機質系多孔質基材用プライマー組成物。
(2) 前記初留点又は沸点が170℃以上300℃以下且つ乾点が350℃未満の有機溶剤(B)が、初留点又は沸点が170℃以上300℃以下且つ乾点が350℃未満の飽和炭化水素溶剤である、前記(1)の無機質系多孔質基材用プライマー組成物。
(3) さらに初留点又は沸点が170℃未満の有機溶剤(C)を含有する、前記(1)または(2)の無機質系多孔質基材用プライマー組成物。
(4) 前記バインダー樹脂(A)が、イソシアネート基含有化合物(A−1)および/または加水分解性シリル基含有化合物(A−2)である、前記(1)〜(3)のいずれかの無機質系多孔質基材用プライマー組成物。
(5) 前記(1)〜(4)のいずれかの無機質系多孔質基材用プライマー組成物を、シーリング材の施工時に無機質系多孔質基材により形成された施工目地に予め塗布し、該シーリング材の接着性を向上させるとともに発泡によるシーリング材の外観不良を抑制すること、を特徴とするシーリング施工方法。
本発明においてバインダー樹脂(A)とは、溶媒が揮散し、および/または反応硬化してプライマー層を形成する(塗膜を形成する)ものであれば如何なる樹脂でも使用できる。中でもシーリング材、無機質系多孔質基材との接着性や密着性が良好な反応性官能基を有する樹脂が好ましい。
なお、前記プライマー層とは、シーリング材の施工において予め下地部材表面にプライマーを塗布し形成する(樹脂)層である。プライマー層を設けることにより、シーリング材と無機質系多孔質基材との良好な接着性を確保することができる。また、シーリング材からの可塑剤等の低分子物質の移行を防止することもできる。
反応性官能基を有する樹脂としては、空気中の水分との反応により架橋、硬化して塗膜を形成するもの、ラジカル発生剤などの混合や紫外線により硬化して塗膜を形成するもの、主剤と硬化剤との架橋反応などにより架橋、高分子化して硬化するものなどが挙げられる。具体的には、イソシアネート基含有化合物(A−1)、加水分解性シリル基含有化合物(A−2)、ポリサルファイド化合物、不飽和ポリエステル化合物、アルキッド化合物などが挙げられる。
これらのうち、作業性や硬化性が優れており、シーリング材、無機質系多孔質基材との接着性や密着性が良好な、一液湿気硬化型樹脂が好ましく、更に具体的にはイソシアネート基含有化合物(A−1)および/または加水分解性シリル基含有化合物(A−2)が好ましい。
これらは、いずれも1種または2種以上を混合して使用することができる。
これらのうち、耐熱性、耐水性、無機質系多孔質基材との接着性や密着性が優れていることから、有機ポリイソシアネートが好ましく、更に有機ポリイソシアネートを変性して得られるイソシアヌレート結合を有する変性イソシアネートが好ましい。
これらはいずれも1種または2種以上を混合して使用することができる。
これらのうち、無機質系多孔質基材用プライマー組成物の耐熱性、接着性、溶解性が優れている点でポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオールが好ましく、更に耐水性、耐候性にも優れている点でポリエーテルポリオール、ポリアクリルポリオールが好ましい。
また、低分子アルコール類、低分子アミノアルコール類を開始剤として、ε−カプロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル(ラクトン)モノマーの開環重合で得られるラクトン系ポリエステルポリオールなども挙げることができる。
これらはいずれも1種または2種以上を混合して使用することができる。
また、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの変性用として、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコールなどのモノアルコール類(開始剤)に前記プロピレンオキサイドなどを開環重合させたポリオキシアルキレンモノオールなども挙げることができる。
これらはいずれも1種または2種以上を混合して使用することができる。
これらのうち、特にポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオールが好ましい。
これらはいずれも1種または2種以上を混合して使用することができる。
これらはいずれも1種または2種以上を混合して使用することができる。
これらはいずれも単独で或いは2種以上を組み合わせて使用できる。
加水分解性シリル基は、プライマーの硬化性や硬化後の物性等の点から、分子内に0.5〜5個有するのが好ましい。
更に加水分解性シリル基含有化合物(A−2)の加水分解性シリル基は、加水分解し、架橋しやすく製造しやすい次の一般式(1)で示されるものが好ましい。
このような加水分解性シリル基含有化合物(A−2)としては、シランカップリング剤類が好適であり、具体的には、シランカップリング剤(A−2−a)、イソシアネート基含有化合物とシランカップリング剤との反応物(A−2−b)、シランカップリング剤の部分加水分解縮合物(A−2−c)が挙げられる。
これらは、いずれも1種または2種以上を混合して使用することができる。
有機官能基の種類により、アミノシランカップリング剤、メルカプトシランカップリング剤などの活性水素基含有シランカップリング剤やこれら以外のシランカップリング剤を挙げることができる。
アミノシランカップリング剤としては、具体的には、アミノメチルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノメチルトリメトキシシラン、アミノメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)メチルトリブトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノイソブチルトリメトキシシラン、N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ−2−メチルプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
メルカプトシランカップリング剤としては、具体的には、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルエチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルエチルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、2−メルカプトエチルメチルジメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、2−メルカプトエチルトリエトキシシランなどが挙げられる。
これら以外のシランカップリング剤としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルエチルメチルジメトキシシラン等のエポキシシランカップリング剤、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等のビニル基や(メタ)アクリロイル基を有する不飽和炭化水素シランカップリング剤、およびメチルシリケート、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジブチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン等の炭化水素シランカップリング剤、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等のイソシアネートシランカップリング剤、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のウレイドシランカップリング剤などが挙げられる。
これらのシランカップリング剤はそれぞれ単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらのうち無機質系多孔質基材との接着性や密着性が良好な点で、アミノシランカップリング剤、メルカプトシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤のいずれか一種または2種以上の混合物が好ましい。
イソシアネート基含有化合物と活性水素基含有シランカップリング剤との反応物(A−2−b)を合成する際のイソシアネート基と活性水素基の反応当量比(イソシアネート基/活性水素基)は、0.1/1以上が好ましく、更に0.5〜10/1が好ましい。0.1/1を下回ると耐水接着性が劣り、10/1を超えると反応生成物中の加水分解性シリル基の含有量が少なくなり、特に下地部材が無機質系の材料の場合に密着性や接着性が低下する。
この反応の際には、トルエン、酢酸エチル等の公知の有機溶剤、後述する硬化触媒として挙げたものと同様の金属と有機酸との塩、有機金属キレート化合物、有機金属と有機酸との塩などの有機金属化合物、有機アミンやその塩等の公知のウレタン化触媒を用いることができる。
具体的には、メチルシリケートの部分加水分解縮合物でメトキシ基を含有する化合物として、日本コルコート社のメチルシリケート47、メチルシリケート51、メチルシリケート55、メチルシリケート58、メチルシリケート60が挙げられる。またトリメトキシシラン、ジメトキシシラン等の部分加水分解縮合物でメトキシ基を含有する化合物としては信越化学工業社からアルコキシオリゴマーとして販売されている、KR−213、KR−217、KR−500、KR−510、KR−9218等や、東芝シリコーン社のTRS165、TR3357、日本ユニカー社のY−1587、FZ−3701、FZ−370等が挙げられる。
また、N−(2−アミノエチル)−3−プロピルトリアルコキシシランとジメチルジアルコキシシランとの部分加水分解縮合物として日本ユニカー社のC1−031−07、3−アミノプロピルトリアルコキシシランとの部分加水分解縮合物として日本ユニカー社のC1−031−09などが挙げられる。これらのうち、接着性や密着性が良好な点で、有機置換基としてメチル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基を有するシランカップリング剤の部分加水分解縮合物が好ましい。
これらは、いずれも1種または2種以上を混合して使用することができる。
これらのうち、優れた発泡抑制効果と塗布時の乾燥性の確保並びにこれらの実用上のバランスの点から、初留点が170℃以上300℃以下且つ乾点が350℃未満の飽和炭化水素溶剤が好ましい。
本発明の無機質系多孔質基材用プライマー組成物における初留点が170℃以上300℃以下且つ乾点が350℃未満の有機溶剤(B)の含有量は、1〜10質量%が好ましく、更に3〜6質量%が好ましい。
初留点が170℃以上300℃以下且つ乾点が350℃未満の有機溶剤(B)の含有量が1質量%未満であると発泡を抑制する効果が十分ではなく、10質量%を超えると塗布時に乾燥性が悪くなり、作業時間の延長や接着力の低下がみられる。
これらは、いずれも1種または2種以上を混合して使用することができる。
これらのうち、塗布時の乾燥性が優れていることから、沸点が170℃未満のエステル系溶剤が好ましく、特に酢酸エチルまたは酢酸ブチルが好ましい。
本発明の無機質系多孔質基材用プライマー組成物における初留点又は沸点が170℃未満の有機溶剤(C)の含有量は、50〜95重量%が好ましく、更に70〜90重量%が好ましい。
前記硬化促進触媒は、バインダー樹脂(A)のうち硬化性成分と水分との反応および硬化を促進するための触媒であり、具体的に、オクチル酸第一錫、オクテン酸錫などの、亜鉛、錫、鉛、ジルコニウム、ビスマス、コバルト、マンガン、鉄等の金属とオクチル酸、オクテン酸、ナフテン酸等の有機酸との塩、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属と有機酸との塩、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等の有機アミンやその塩などが挙げられ、硬化促進性に優れている点で、有機金属と有機酸との塩が好ましく、さらにジブチル錫ジラウレートが好ましい。硬化促進触媒の配合量は前記バインダー樹脂(A)100質量部に対し、0.0001〜10質量部、特に0.001〜1質重量部配合するのが好ましい。なお、硬化促進触媒は、前述のイソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの合成時の反応触媒を兼ねることができる。
前記充填剤は、増量、補強、揺変性付与などを目的として使用され、具体的には、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、珪藻土、白土、ヒユームドシリカ、沈降性シリカ、無水珪酸、クレー、タルク、炭酸マグネシウム等の無機粉末状充填剤;ガラス繊維、炭素繊維等の無機繊維状充填剤;無機雲母等の板状充填剤;ガラスマイクロバルーン、シラスマイクロバルーン、サランマイクロバルーン等のマイクロバルーン状充填剤;これらの表面を有機脂肪酸で処理した充填剤などが挙げられる。充填剤の配合量は前記バインダー樹脂(A)100質量部に対し、0〜300質量部配合するのが好ましい。
前記貯蔵安定性改良剤(脱水剤)は、プライマー組成物中の水分を反応或いは吸着させて脱水することにより貯蔵安定性を改良する目的で使用され、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、パラトルエンスルフォニルイソシアネート、ゼオライトなどが挙げられる。
前記着色剤としては、酸化チタン、酸化鉄、カーボンブラック等の顔料や油溶染料等の染料などが挙げられる。
添加剤はそれぞれいずれも、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー、シランカップリング剤類などを使用する場合、予め反応して得られたものをそれ以外の成分と混合、分散して製造してもよい(この場合他の成分は反応時に存在させてもよいし、反応後に添加混合してもよい。)。これらの反応物は従来公知の方法で製造することが出来る。
具体的には例えば、本発明の無機質系多孔質基材用プライマー組成物の塗布およびシーリング材の施工によるシーリング構造の形成は、無機質系多孔質基材に、シーリング材の施工に先立って、本発明の無機質系多孔質基材用プライマー組成物を刷毛、ローラー、スプレーなどで所定量塗布した後、所定の時間(オープンタイム:通常は常温で10分〜1時間程度)放置乾燥、硬化させ塗膜(プライマー層)を形成させることにより好適に行うことができる。
無機質系多孔質基材用プライマー組成物の塗布量は、無機質系多孔質基材用プライマー組成物の固形分(不揮発分)換算で0.5〜200g/m2、特に1〜150g/m2であることが好ましい。無機質系多孔質基材用プライマー組成物の塗布量が固形分(不揮発分)換算で0.5g/m2未満であると無機質系多孔質基材とシーリング材との密着性や接着性が向上せず、200g/m2を超えると塗膜が厚くプライマー層が固くなり、コストも高くなる。
所定の時間を過ぎてもプライマー塗布部に水、塵や埃など接着性を阻害させる物質が付着していなければそのまま使用することができる。水、塵や埃などが付着していた場合は、刷毛やウエスを用いてそれらを極力取り除き、刷毛、ローラー、スプレーなどで、再度、該塗布部に塗布し、所定の時間放置し乾燥硬化させる。
次いで、プライマー塗布部を目視で観察して無機質系多孔質基材用プライマー組成物の塗布むらや塗布もれがないことを確認する。万が一、無機質系多孔質基材用プライマー組成物の塗りむらや塗り忘れにより、無機質系多孔質基材用プライマー組成物未塗布の箇所が見つかった場合は、その箇所に無機質系多孔質基材用プライマー組成物を塗布し所定の時間放置乾燥、硬化させる。そして、予め用意しておいたシーリング材を該塗布部に打設し、または塗膜防水材を該塗布部に塗布し、ヘラやコテなどを用いて美観を損ねないよう表面をならして所望の形状や厚さに仕上げる。
シーリング材は特に限定されないが、具体的には、シリコーン系、変成シリコーン系、ポリウレタン系、アクリルウレタン系、ポリサルファイド系、変性ポリサルファイド系、ブチルゴム系、アクリル系、エポキシ系などの各種のシーリング材が挙げられる。
これらのうち、硬化後のゴム物性が良好な点とコスト的に優位である点で、ポリウレタン系、変成シリコーン系、アクリルウレタン系のシーリング材が好ましい。
シーリング材は、主剤と硬化剤とを施工時に混合して使用する2成分形と、空気中の水分(湿気)と反応し硬化する1成分形に大別することができるが、混合の手間や混合不良による不具合がなく施工作業のし易い点で1成分形湿気硬化型のシーリング材が好ましい。
本発明の無機質系多孔質基材用プライマー組成物を使用する無機質系多孔質基材としては、モルタル、コンクリート、スレート、ALC、サイディングなどが挙げられる。
撹拌機、温度計、窒素シール管および加熱・冷却装置付き反応容器に、窒素ガスを流しながら、酢酸エチル216.2gおよびイソホロンジイソシアネート(IPDI)のイソシアヌレート体(エボニック デグサ ジャパン社製、VESTANAT T1890E、固形分70質量%、NCO含有量12質量%)69gを仕込み、撹拌しながらさらにアクリルポリオールA(東亞合成社製、UH−2041、水酸基価120mgKOH/g、Tg−50℃、重量平均分子量2,500)31gおよび反応触媒としてジブチル錫ジラウレートを酢酸エチルで100倍に希釈したもの2gを仕込んだ後、80〜85℃に加温し、1時間反応を行った後、室温まで冷却し、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー溶液P−1を合成した。この際の反応モル比(=原料のイソシアネート基のモル数/水酸基のモル数)は3である。
得られたイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー溶液P−1は、滴定によるイソシアネート基含有量が1.7質量%の室温で無色透明液体であった。
撹拌機、温度計、窒素シール管および加熱・冷却装置付き反応容器に、窒素ガスを流しながら、ナフテン系炭化水素溶剤エクソールD80(EMGマーケティング合同会社製、初留点:205℃)18.4gおよびイソシアネート基含有ウレタンプレポリマー溶液P−1を336.6g仕込み、攪拌しながらさらに有機置換基としてエポキシ基を、アルコキシ基としてメトキシ基/エトキシ基を有するシランカップリング剤の部分加水分解縮合物であるアルコキシオリゴマーX−41−1053(信越化学工業社製)13.0gを仕込んだ後、30分間攪拌して1液湿気硬化型プライマーPR−1を製造した。
実施例1において、エクソールD80の代わりにナフテン系炭化水素溶剤エクソールD110(EMGマーケティング合同会社製、初留点:248℃)を用いた以外は同様にして、1液湿気硬化型プライマーPR−2を製造した。
実施例1において、エクソールD80の代わりにナフテン系炭化水素溶剤エクソールD130(EMGマーケティング合同会社製、初留点:279℃)を用いた以外は同様にして、1液湿気硬化型プライマーPR−3を製造した。
実施例1〜3において、アルコキシオリゴマーX−41−1053の代わりにアミノ基含有シランカップリング剤KBM−573(信越化学工業社製、)4.0gを用いた以外は同様にして、1液湿気硬化型プライマーPR−4〜6を製造した。
実施例1〜3において、アルコキシオリゴマーX−41−1053を用いないこと以外は同様にして、1液湿気硬化型プライマーPR−7〜9を製造した。
実施例1〜3において、イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー溶液P−1とアルコキシオリゴマーX−41−1053の代わりに、有機置換基としてメチル基を、アルコキシ基としてメトキシ基を有するシランカップリング剤の部分加水分解縮合物であるアルコキシオリゴマーKR−500(信越化学工業社製)を97.0g、チタン系触媒D−20(信越化学工業社製)2.0g及び酢酸エチル253.0gを用いた以外は同様にして、1液湿気硬化型プライマーPR−10〜12を製造した。
実施例1において、エクソールD80の代わりに芳香族系溶剤カクタスソルベントP−200(日鉱石油化学株式会社製、初留点:237℃)を用いた以外は同様にして、1液湿気硬化型プライマーPR−13を製造した。
実施例1において、エクソールD80の代わりに芳香族系溶剤イプゾール150(出光興産株式会社製、初留点:184℃)を用いた以外は同様にして、1液湿気硬化型プライマーPR−14を製造した。
実施例1において、エクソールD80の代わりにN−メチル−2−ピロリドン(沸点:202℃)を用いた以外は同様にして、1液湿気硬化型プライマーPR−15を製造した。
実施例1において、エクソールD80の代わりにγ−ブチロラクトン(沸点:204℃)を用いた以外は同様にして、1液湿気硬化型プライマーPR−16を製造した。
実施例1において、エクソールD80の代わりに酢酸エチルを用いた以外は同様にして、1液湿気硬化型プライマー比較PR−1を製造した。
実施例1において、エクソールD80の代わりにナフテン系炭化水素溶剤エクソールD40(EMGマーケティング合同会社製、初留点:166℃)を用いた以外は同様にして、1液湿気硬化型プライマー比較PR−2を製造した。
実施例1において、エクソールD80の代わりにn−ヘプタン(沸点:98℃)を用いた以外は同様にして、1液湿気硬化型プライマー比較PR−3を製造した。
実施例1において、エクソールD80の代わりにn−ヘキサン(沸点:69℃)を用いた以外は同様にして、1液湿気硬化型プライマー比較PR−4を製造した。
表1〜3の実施例の結果から、被着体を本発明のプライマーで処理したものは、表4の比較例1〜4に比べ、膨れ確認試験、内部気泡確認試験において、いずれの試験条件においても膨れ、気泡がみられず極めて優れていることを示している。
1)膨れ確認試験
30mm×100mmのサイディング板(ケイミュー株式会社製、セラディール)を所定の温度(60℃、80℃)の恒温槽内に24時間静置した。恒温槽からサイディング板を取り出した後、直ちに実施例および比較例で得たプライマーをサイディング板の小口に刷毛で約150g/m2の塗布量で塗布し、直ちに恒温槽内に戻して30分間静置した。再びサイディング板を取り出した後、プライマーを塗布した面に建築用シーリング材を厚さ10mmで均一になるように打設し、表面を均した後、再び恒温槽内に3日間静置したものを試験体とした。恒温槽から取り出した試験体のシーリング材部分の表面を観察し、膨れの有無と度合いを目視および指触により確認した。
膨れが無いものを○、膨れが若干みられるものを△、膨れが顕著にみられるものを×とした。
2)内部気泡確認試験
膨れ確認試験で表面状態を確認した試験体のシーリング材部分をカッターで切断し、内部の気泡の有無と度合いを目視および指触により確認した。
内部気泡が無いものを○、内部気泡が若干みられるものを△、内部気泡が顕著にみられるものを×とした。
3)乾燥性試験
50mm×50mmのアルマイトアルミ板を所定の温度(23℃、−5℃)の恒温槽内に24時間静置した。恒温槽からサイディング板を取り出した後、直ちに実施例および比較例で得たプライマーをアルマイトアルミ板の表面に刷毛で約150g/m2の塗布量で塗布し、直ちに恒温槽内に戻して30分間静置する。再びサイディング板を取り出した後、プライマー塗布部分を観察し、目視および指触により乾燥性を確認した。
プライマーが乾燥した被膜を形成しているものを○、部分的に濡れているものを△、全体が濡れているものを×とした。
Claims (4)
- バインダー樹脂(A)と初留点又は沸点が170℃以上300℃以下且つ乾点が350℃未満の飽和炭化水素溶剤(B)とを含有すること、を特徴とする無機質系多孔質基材用プライマー組成物。
- さらに初留点又は沸点が170℃未満の有機溶剤(C)を含有する、請求項1に記載の無機質系多孔質基材用プライマー組成物。
- 前記バインダー樹脂(A)が、イソシアネート基含有化合物(A−1)および/または加水分解性シリル基含有化合物(A−2)である、請求項1または2に記載の無機質系多孔質基材用プライマー組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の無機質系多孔質基材用プライマー組成物を、シーリング材の施工時に無機質系多孔質基材により形成された施工目地に予め塗布し、該シーリング材の接着性を向上させるとともに発泡によるシーリング材の外観不良を抑制すること、を特徴とするシーリング施工方法。
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JP2013210778A JP6237086B2 (ja) | 2013-10-08 | 2013-10-08 | 無機質系多孔質基材用プライマー組成物およびそれを用いたシーリング施工方法 |
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JP2013210778A JP6237086B2 (ja) | 2013-10-08 | 2013-10-08 | 無機質系多孔質基材用プライマー組成物およびそれを用いたシーリング施工方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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