JP2014090024A - 電気化学デバイス及びそれに用いるセパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】リフローおよびフロート試験後において、静電容量や直流抵抗率の変化が小さくなり得るような電気化学デバイスおよびそれに用いるセパレータの提供。
【解決手段】表面の少なくとも一部がトリアルキルシリル化合物でシリル化されたセルロースで構成され、このトリアルキルシリル化合物の3つのアルキル基の炭素数の合計は好ましくは3〜20個であり、3つのアルキル基については、好ましくは、そのうちの少なくとも1つは分岐したアルキル基であり、より好ましくは、炭素数が3〜5の分岐したアルキル基である、電気化学デバイス用セパレータ、ならびに、このセパレータを備える電気化学デバイス。
【選択図】なし

Description

本発明は電気二重層キャパシタや二次電池などといった電気化学デバイスとそれに用いるためのセパレータに関する。
非水電解液を用いた電気二重層キャパシタや二次電池などの電気化学デバイスは、溶媒の電気分解電圧が高いために耐電圧を高くすることができ、大きなエネルギーを蓄えることが可能である。電解液の水分含有量は厳しく管理されており、水分含有量が数十ppm以下である電解液が通常用いられている。しかし、電極の活物質の細孔に水分が吸着している等の理由により、デバイス内に混入する水分を完全に除去することは難しい。このようにデバイス内の水に起因するセルの特性悪化が問題となっている。例えば電気化学キャパシタや二次電池などでは、電解液の電解質としてテトラフルオロホウ酸塩やヘキサフルオロリン酸塩などが用いられており、これらの電解質は水と反応してフッ化水素が生じることが知られている。ここで発生したフッ化水素は集電体の腐食や電解液溶媒の分解などを引き起こし、セルの諸特性の悪化が懸念される。こういった電解質の分解は、リフロー時にセルに加わる熱により顕著に引き起こされる。よって、リフローに対応したセルを開発する上では、フッ化水素の発生が特に大きな問題となる。
上記問題を鑑みて、例えば特許文献1の発明では、加水分解によりフッ化水素を発生する傾向の小さいホウ素化合物の一種(X+[(Rf)BF4−n])を電解質とする電解液が用いられている。しかし、nが1〜3の場合には完全にフッ化水素の発生を抑えることはできず、nが4の化合物は合成するために大掛かりな設備を整える必要がある。
特許文献2の発明では、電解質の分解で生じたフッ化水素を除くために、フッ化水素と反応するホウ酸リチウムが電解液中に添加されている。フッ化水素とホウ酸リチウムとの反応は以下のように考えられている。
Li・10HO+12HF→LiO・4BF+16H
この反応によりフッ化水素は除かれるが、電解液に添加するホウ酸リチウムは10水和物であり、また、反応によって水が生成する。このように発生した水によって電解質の更なる分解が起こるなどといった、水に起因する新たな問題が生じてしまう。
特許文献3の発明では、電気二重層キャパシタ用セパレータの耐熱性を改善するために、多孔質基材をシリケート類で変性させたセパレータが開示されている。特許文献4の発明では、電解液中のリチウムイオンとセパレータとの反応、あるいは、リチウムイオンと電解液の溶媒との反応によるリチウムイオン濃度の減少を抑えるため、セルロース骨格にシロキサン化合物を結合させた化合物からなるセパレータが開示されている。
特開2002−63934号公報 特開2005−71617号公報 特開2003−272951号公報 特開2011−166043号公報
従来の電気化学デバイスでは、リフロー後のフロート試験において、静電容量や直流抵抗率の変化が著しいことがある。本発明は、そのような変化を抑えることができる電気化学デバイスおよびそれに用いるセパレータの提供を課題とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、以下の内容の本発明を完成した。
本発明によれば、電気化学デバイス用セパレータの表面の少なくとも一部がトリアルキルシリル化合物でシリル化されたセルロースで構成される。このトリアルキルシリル化合物の3つのアルキル基の炭素数の合計は好ましくは3〜20個である。このトリアルキルシリル化合物の3つのアルキル基については、好ましくは、そのうちの少なくとも1つは分岐したアルキル基であり、より好ましくは、炭素数が3〜5の分岐したアルキル基である。本発明によれば、これらのセパレータを備える電気化学デバイスも提供される。
本発明によれば、セルロースからなるセパレータにおいてその表面部分を特定のシリル化合物でシリル化することにより、リフロー時の熱で電解質が分解して生じるフッ化水素が効果的に補足される。その結果、腐食を伴う集電極の劣化が抑制され、セルの静電容量や充放電効率などの電気特性の悪化が防止されるとともに、酸に起因する電解液の分解が抑制され、セルの膨張や内部抵抗の増大を防止することができる。
本発明の一実施形態の電気化学デバイスの側面断面図である。 本発明の一実施形態の電気化学デバイスの平面図である。
以下、図面を適宜参照しながら本発明を詳述する。但し、本発明は図示された態様に限定されるわけでなく、また、図面においては発明の特徴的な部分を強調して表現することがあるので、図面各部において縮尺の正確性は必ずしも担保されていない。
本発明の電気化学デバイス用セパレータ(以下、単に「セパレータ」ともいう。)は、セルロースを主体として構成される。セルロースの重合方法や微量添加物などは従来技術を適宜参照することができる。例えば、耐熱性を向上させるために、アルミナ等の金属酸化物をセパレータ表面に付与させてもよい。
本発明によれば、セパレータの表面の少なくとも一部は、トリアルキルシリル化合物でシリル化されたセルロースで構成される。具体的には、セパレータ表面を構成するセルロースの繰り返し単位の少なくとも一部が、下記構造式(1)で表される化学構造を有している。
Figure 2014090024
上記式(1)において、R〜Rはトリアルキルシリル基または水素原子であり、R〜Rの少なくとも一つがトリアルキルシリル基である。トリアルキルシリル基は、珪素原子に3つのアルキル基が結合した1価の置換基である。前記3つのアルキル基の炭素数の合計は好ましくは3〜20個である。前記3つのアルキル基は直鎖であってもよいし分岐していてもよく、好ましくは、3つのアルキル基のうち少なくとも一つは分岐したアルキル基であり、前記分岐したアルキル基の炭素数は好ましくは3〜5である。トリアルキルシリル基の好適例としては、トリエチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ジメチルペンチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、ジメチルオクチルシリル基、ジエチルオクチルオクチルシリル基、2−エチルヘキシルジメチルシリル基、ジメチルノニルシリル基、デシルジメチルシリル基、ジメチル−3,7−ジメチルオクチルシリル基、ドデシルジメチルシリル基などが挙げられ、シリル化合物の電解液に対する親和性や沸点などの観点から、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、2−エチルヘキシルジメチルシリル基、ジメチル−3,7−ジメチルオクチルシリル基がより好ましい。上記構造式(1)で示した繰り返し単位の好適例として下記構造式(2)および(3)の化学構造を非限定的に挙げることができる。
Figure 2014090024
セパレータの表面を構成するセルロースをシリル化する手段は特に限定無く、従来公知の方法を適宜取り入れることができる。シリル化の非限定的な例示は以下のとおりである。まず、従来公知の方法で平均分子量が好ましくは600〜1000のセルロースをセパレータの形状に加工したものを用意する。これをプロパンニトリル等の溶媒に所定量投入する。ここに、塩基およびシリル化剤としてのトリアルキルシリル化合物を加える。塩基としては非限定的に2,6−ルチジンなどが挙げられる。トリアルキルシリル化合物は、上記R〜Rのいずれかとしてセルロース構造に導入するためのトリアルキルシリル基と脱離基とが結合した化合物であり、脱離基として非限定的にシリルトリフラートなどを例示することができる。加えるトリアルキルシリル化合物の量は、セルロース構造に導入しようとする量の3倍量程度が好ましい。用いる塩基の量はトリアルキルシリル化合物の0.6倍程度(モル比)が好ましい。得られた混合物を例えば40℃程度で攪拌することにより、シリル化反応が進行し、セパレータの表面を構成するセルロースの少なくとも一部がシリル化する。
シリル化の際に、トリアルキルシリル化合物の消費量をガスクロマトグラフィーで追跡することにより、シリル化の程度を知ることができる。このようにして知得できるシリル化の程度(以下、「シリル化度」ともいう。」)について、以下のように定量化できる。投入したセルロースの全ての繰り返し単位に各々一つずつのトリアルキルシリル基が結合することに相当する量を100%のシリル化であると定義する。この定義に基づき、上述のように知得したトリアルキルシリル化合物の消費量からシリル化度を算出する。反応中にリアルタイムでトリアルキルシリル化合物の消費量を追跡することによって、所望のシリル化度が達せられたときに反応を停止させることも可能である。シリル化度は特に限定無く、好ましくは20〜80%であり、より好ましくは60〜80%である。反応後は、アルコール等で洗浄して乾燥することにより、本発明のセパレータを得ることができる。
本発明によれば、電気化学デバイスは、電解液の電気化学反応を利用するデバイスであり、その種類は特に限定されず、電気化学キャパシタ、二次電池などが挙げられ、電気化学キャパシタとしては、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、レドックスキャパシタ、ハイブリッドキャパシタなどが挙げられる。
図1は電気化学デバイス一例である電気二重層キャパシタの側面断面図である。図2は、その平面図である。電気二重層キャパシタは、例えば正極10、負極20、及び正極10と負極20との間にセパレータ30を有する蓄電素子Bと、電解質を非水溶媒中に溶解した非水電解液と、ラミネートフィルムから形成される。電気二重層キャパシタは、一端が蓄電素子Bに接続され、他端がフィルムパッケージ40から導出している端子50を有している。フィルムパッケージ40には蓄電素子B及び非水電解液が封入されている。金属箔からなる集電体11及び21の表面には、それぞれ導電性接着剤(図示せず)を介して分極性電極層12及び22が形成されている。正極10及び負極20は、例えば正極10の分極性電極層12と負極20の分極性電極層22とが向き合うように配置されている。
本発明によれば、セパレータ30として、上述した表面の少なくとも一部がシリル化されたセルロースからなるものが用いられる。セパレータ30は、向きあっている正極10及び負極20の各分極性電極層12及び22の間に配置される。なお、蓄電素子Bやフィルムパッケージ40には、フィルムパッケージタイプの電気二重層キャパシタで用いられている公知の構造を適用することができる。
分極性電極層12及び22は、電気二重層キャパシタの分極性電極層で用いられている公知の材料及び構造を有するものを使用することができる。分極性電極層12及び22には、例えばポリアセン(PAS)、ポリアニリン(PAN)、活性炭、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブなどの活物質が含まれ、電気二重層キャパシタの分極性電極層に用いられる導電剤やバインダーなどの他の成分も必要に応じて含まれていてもよい。活性炭の原料としては、例えばおが屑、椰子殻、フェノール樹脂、各種の耐熱性樹脂、ピッチなどが挙げられる。また、耐熱性樹脂としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ビスマレイミドトリアジン、アラミド、フッ素樹脂、ポリフェニレン、ポリフェニレンスルフィドなどが挙げられる。これらは1種でも使用可能であり、2種以上を併用することも可能である。
非水電解液は電気化学デバイスに通常用いられるものを適宜利用することができる。非水電解液は非水溶媒とその中に含まれる電解質とを含む。非水溶媒としては、非限定的に、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)などの環状炭酸エステル、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネートなどの鎖状炭酸エステル、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン、3−メチル−γ−ブチロラクトン、2−メチル−γ−ブチロラクトンなどの環状エステル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、吉草酸メチルなどの鎖状エステル、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソランなどの環状エーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジメチル−2,5−ジオキサヘキサンジオエート、ジプロピルエーテルなどの鎖状エーテル、アセトニトリル、プロパンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリルなどのニトリル化合物、及びスルホラン(SL)、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、エチルメチルスルホン(EMS)、エチルプロピルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、ジメチルスルホキシドなどの含イオウ化合物などが挙げられる。これらを単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
非水電解液における電解質の濃度は特に限定されず、好ましくは1.0〜2.5mol/Lである。電解質の種類は特に限定されず、電気化学デバイスに通常使用される化合物などを適宜用いることができる。電解質として、例えば四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩、リチウム化合物などが挙げられる。これらの電解質は、単独で使用することもできるし、2種以上混合して使用することもできる。4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩としては、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、1,1’−スピロビピロリジニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、トリエチルメチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラエチルホスホニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロホスフェートなどが挙げられる。リチウム化合物としては、LiClO、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiCSO、LiN(SOCF、LiN(SO、LiB(Cなどが挙げられる。上記の電解質の中でも、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、1,1’−スピロビピロリジニウムテトラフルオロボレートが好ましい。
電気化学デバイスの他の例としてのリチウムイオンキャパシタは、例えば正極、負極、及び正極と負極との間にセパレータを有する蓄電素子と、電解質を非水溶媒中に溶解した非水電解液と、ラミネートフィルムから形成される。リチウムイオンキャパシタは、一端が蓄電素子に接続され、他端がフィルムパッケージ(蓄電素子及び非水電解液が封入されている)から導出している端子を有している。例えばアルミニウムの金属箔からなる正極の集電体の表面には、導電性接着剤を介して分極性電極層が形成されている。分極性電極層は、前記電気二重層キャパシタで用いられるものと同様の材料及び構造を有するものが使用できる。また、リチウムイオンキャパシタの正極の分極性電極層で用いられている公知の材料及び構造を有するものが使用できる。また、例えば銅の金属箔からなる負極集電体の表面には、活物質層が形成されている。正極及び負極は、例えば正極の分極性電極層と負極の活物質層とが向き合うように配置されている。また、リチウム金属のシートが負極の近傍に配置される。これにより、リチウム金属シートのリチウムが非水電解液内に溶解するとともに、そのリチウムイオンが負極の活物質層にプレドープされ、充電前の状態で負極の電位が正極の電位に比べて、例えば3V程度低くなる。本発明では、上述した、表面の少なくとも一部がシリル化したセルロースからなるセパレータが用いられる。セパレータは、向きあっている正極の分極性電極層及び負極の活物質層の間に配置される。なお、蓄電素子やフィルムパッケージには、フィルムパッケージタイプのリチウムキャパシタで用いられている公知の構造を適用することができる。
負極の活物質層は、リチウムイオンキャパシタの活物質層で用いられている公知の材料及び構造を有するものが使用でき、例えば難黒鉛化炭素、グラファイト、錫酸化物、珪素酸化物等の活物質を含有し、カーボンブラックや金属粉末等の導電助剤や、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)やポリフッ化ビニリデン(PVDF)やスチレンブタジエンゴム(SBR)等のバインダーも必要に応じて含有してもよい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。しかし、本発明は実施例の態様に限定される訳ではない。
活物質としての活性炭、ならびに、バインダーとしてのカルボキシメチルセルロース及びスチレンブタジエンゴムを含むスラリーを調製し、このスラリーをアルミ箔上に塗布してシート状の分極性電極を作製した。分極性電極間に、後述するセパレータを挟み、引出し端子を超音波溶接により取り付け、約180℃で真空乾燥して素子を得た。電極サイズにカットした封止材に、素子を入れ、さらに、電解液を注入した。電解液は後述の表1記載の非水溶媒に、電解質としてのトリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレートを1.5mol/lの濃度で溶解させたものを用いた。その後、シール材を用いて封止材を熱融着し、約20mm×26mmのサイズのセルを作製した。封止材として、ナイロン/アルミ/CPP(無延伸ポリプロピレン)のラミネートフィルムを用い、更に耐熱外装で覆って電気二重層キャパシタを得た。
セパレータは、以下のようにして得た。
平均分子量が約800のセルロースからなるシートをプロパンニトリル中に投入した。このとき、複数枚重ねたものを伸ばして固定した状態でプロパンニトリル中に入れた。さらに、tert−ブチルジメチルシリルトリフラートまたはトリイソプロピルシリルトリフラート、ならびに、2,6−ルチジンを加えた。これらを40℃で溶液を撹拌した。このとき、目標とするシリル化度の3倍量のシリルトリフラートを加え、2,6−ルチジンはシリルトリフラートの0.6倍量(モル比)を加えた。撹拌中、ガスクロマトグラフィーでシリルトリフラートの消費量を追跡し、目標とするシリル化度に達したらシートを引き上げ、2−プロパノールで洗浄した後、乾燥してセパレータを得た。各実施例・比較例で用いた溶媒およびセパレータを表1にまとめる。溶媒の略号は上述したとおりである。セパレータの材質の欄における「2」はtert−ブチルジメチルシリル基による修飾を意味し、「3」はトリイソプロピルシリル基による修飾を意味し、「セルロース」は上述のシリル化を経ないセルロースのシートをそのままセパレータとして用いたことを意味する。「2」および「3」のシリル基による修飾については、質量スペクトルの測定により、セルロースの繰り返し単位に対応するトリアルキルシリル基が化学結合していることを確認した。
Figure 2014090024
[評価方法]
各実施例、比較例で作製した電気二重層キャパシタについて、初期特性として、静電容量、及び直流抵抗を測定した。静電容量は充放電試験器(東洋システム株式会社製TOSCAT−3200)を用い、室温で30分間放電した電気二重層キャパシタを100mAで2.5Vまで10分間充電した後に10mAで0Vまで放電させた時の放電カーブの傾きから算出した。直流抵抗は充放電試験器(東洋システム株式会社製TOSCAT−3200)を用い、室温で30分間放電した電気二重層キャパシタを100mAで2.5Vまで10分間充電した後に2Aで0Vまで放電させた時の電圧降下から算出した。
次いで、150℃から15分間かけて260℃に昇温する温度プロファイルに設定したリフロー炉に得られた電気二重層キャパシタを5回通した(リフロー試験)。その後のキャパシタ容器の厚み(T1)を測定した。キャパシタ容器の厚みはマイクロメーターを用い、セルの中央部分の厚みを計測した。次いで、60℃の恒温槽中で1000時間2.5Vの電圧で連続充電した。その後、室温まで放冷し、0Vまで放電した後、静電容量、直流抵抗及びキャパシタ容器の厚み(T2)を測定した(フロート試験)。静電容量および直流抵抗について初期特性としての測定値(100%)に対する、連続充放電を行った後の測定値のパーセンテージを算出した。キャパシタ容器の厚みについては上記T1の値(100%)に対する、上記T2の値のパーセンテージを算出した。
各実施例・比較例の測定結果を表2にまとめる。
Figure 2014090024
[評価結果]
比較例1と比べて実施例1〜8では,リフロー+フロート試験後の静電容量の低下、直流抵抗の増大、及びセル厚みの変化が抑制される結果となった。実施例9と比較例2との比較、実施例10と比較例3との比較、実施例11と比較例4との比較、ならびに、実施例12と比較例5との比較によれば、電解液の溶媒を種々変更した場合においても同様の効果が現れることが確認された。これらの結果は、リフロー工程の際に電解質の分解によって生じたフッ化水素が、表面がシリル化されたセルロースからなるセパレータによって効果的に補足され、フロート試験において集電極の腐食や電解液溶媒の分解が抑制されたことにもとづくと考察される。
10 正極、20 負極、11・21 集電体、12・22 分極性電極層、30 セパレータ、40 フィルムパッケージ、50 端子、B 蓄電素子。

Claims (5)

  1. 表面の少なくとも一部がトリアルキルシリル化合物でシリル化されたセルロースで構成されてなる、電気化学デバイス用セパレータ。
  2. 前記トリアルキルシリル化合物の3つのアルキル基の炭素数の合計が3〜20個である請求項1記載のセパレータ。
  3. 前記トリアルキルシリル化合物の3つのアルキル基のうち少なくとも1つは分岐したアルキル基である請求項1又は2記載のセパレータ。
  4. 前記トリアルキルシリル化合物の3つのアルキル基のうち少なくとも1つは炭素数が3〜5の分岐したアルキル基である請求項1又は2記載のセパレータ。
  5. 請求項1〜4記載のセパレータを備える電気化学デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018168569A1 (ja) * 2017-03-13 2018-09-20 第一工業製薬株式会社 化学修飾セルロース繊維集合体の製造方法

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