JP2012069576A - 非水電解液及びこれを用いた電気化学デバイス - Google Patents

非水電解液及びこれを用いた電気化学デバイス Download PDF

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Abstract

【課題】電解液中の水に起因する電解液の特性低下を抑制することができ、また、フィルムパッケージタイプの電気化学デバイスに対しては、静電容量等の特性を低下させないように、回路基板への半田付けのためにリフロー炉に投入された場合のフィルムパッケージの膨張及び変形を抑制することのできる非水電解液及びこれを用いた電気化学デバイスを提供する。
【解決手段】この非水電解液は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解している電解質とを有する非水電解液であって、非水溶媒が、環状オルトカルボン酸エステルを含有しており、環状オルトカルボン酸エステルが電解液中の水と反応することにより、非水溶媒の主成分である例えばプロピレンカーボネートが水との反応により分解することを防ぎ、電解液の特性低下が抑制される。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンモニウム塩やリチウム塩等の電解質が非水溶媒に溶解している非水電解液を用いた電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、レドックスキャパシタ、リチウムイオン二次電池などの各種電気化学デバイスに関する。
この種の非水電解液を用いた電気化学デバイスの一例として、電解質としてのアンモニウム塩が、非水溶媒としての環状炭酸エステルや環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルとの混合有機溶媒等に溶解して成る非水電解液を用いた電気二重層キャパシタや、電解質としてのリチウム塩が、非水溶媒としての環状炭酸エステルや環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルとの混合有機溶媒等に溶解して成る非水電解液を用いたリチウムイオンキャパシタが知られている。
このように、環状炭酸エステル等を非水溶媒として用いる場合、充放電を繰返すうちに環状炭酸エステルが電解液中の水や電極表面のヒドロキシ基に起因して分解し、該分解により電解液中における環状炭酸エステルが減少することになる。ここで、環状炭酸エステルを含有する非水溶媒は、高い誘電率を有する点、高い沸点を有する点、電解質の溶解性の点、キャパシタの内部抵抗を低減する点等から、この種の電気化学デバイスによく用いられている。このため、電解液中に存在する水に起因して環状炭酸エステルが減少すると、前記環状炭酸エステルの前記利点に関するキャパシタの特性、例えば静電容量の低下や内部抵抗の上昇を招くことになる。
一方、引用文献1のリチウムイオン二次電池では、環状炭酸エステルの一例である炭酸プロピレン等から成る非水溶媒にオルト蟻酸メチル、オルト蟻酸エチル、オルト酢酸メチル、オルト酢酸エチル、オルトプロピオン酸メチル等のオルトカルボン酸エステルを含有させ、炭酸プロピレンよりもオルトカルボン酸エステルの方が優先的に水と反応することによる電解液中の炭酸プロピレンの分解防止を狙っている。ここで、前記各オルトカルボン酸エステルの沸点は100〜145℃程度であり、炭酸プロピレンの沸点は240℃程度である。
一方、近年では、キャパシタの薄型化のために、蓄電素子と、ラミネートフィルムから成り電解液及び蓄電素子を封入したフィルムパッケージと、一端が蓄電素子に接続され他端がフィルムパッケージから導出された一対の端子とを備えたフィルムパッケージタイプのキャパシタが増えてきている。また、電子部品の回路基板への半田付けの際にリフロー炉が用いられることが多くなってきており、フィルムパッケージタイプのキャパシタもその対象になってきている。リフロー炉内の温度プロファイルは様々であるが、250℃以上になる場合も多く、フィルムパッケージを用いて蓄電素子及び電解液を封入したキャパシタは小型で容積が小さいものが多いことから、リフロー半田付けを行う際にフィルムパッケージの内部もリフロー炉内の温度に近い温度になる。このため、フィルムパッケージタイプのキャパシタの非水溶媒にオルトカルボン酸エステルを含有させた炭酸プロピレンが用いられ、そのキャパシタがリフロー炉内に入れられると、フィルムパッケージ内で炭酸プロピレンよりも先にオルトカルボン酸エステルが気化し、該気化によってフィルムパッケージ内の内圧が上昇し、該内圧の上昇によってフィルムパッケージに膨張及び変形が生じ得る。また、フィルムパッケージは、ラミネートフィルムを折り曲げるとともに縁部を重ね合わせ、重ね合わせ部を熱融着することにより形成されているので、前記内圧の上昇やフィルムパッケージの膨張及び変形により、フィルムパッケージの縁部からの電解液の漏出も生じ得る。
ここで、オルトカルボン酸エステルの沸点を高くするためにオルトカルボン酸エステルのアルキル鎖を長くすることも考えられるが、アルキル鎖を長くすることにより環状炭酸エステルとの親和性やアンモニウム塩やリチウム塩等の電解質との親和性が低下するので、特に高誘電率化及び電解質の溶解性の点で電解液の特性が低下し、電解液の特性の低下によりキャパシタの静電容量等の特性が低下する。
特開平10−40955号公報
本発明は前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電解液中の水に起因する電解液の特性低下を抑制することができ、また、フィルムパッケージタイプの電気化学デバイスに対しては、静電容量等の特性を低下させないように、回路基板への半田付けのためにリフロー炉に投入された場合のフィルムパッケージの膨張及び変形を抑制することのできる非水電解液及びこれを用いた電気化学デバイスを提供することにある。
本発明は前記目的を達成するために、非水溶媒と、非水溶媒に溶解している電解質とを有する非水電解液であって、非水溶媒が環状オルトカルボン酸エステルを含有している。
また、本発明は、正極と、負極と、非水溶媒と非水溶媒に溶解している電解質とを有する非水電解液とを備えた電気化学デバイスであって、非水電解液の非水溶媒が環状オルトカルボン酸エステルを含有している。
以下詳述するように、本発明に係る非水電解液及びこれを用いた電気化学デバイスによれば、電解液中の水に起因する電解液の特性低下を抑制することができ、また、フィルムパッケージタイプの電気化学デバイスに対しては、静電容量等の特性を低下させないように、回路基板への半田付けのためにリフロー炉に投入された場合のフィルムパッケージの膨張及び変形を抑制することができる。
本発明の前記目的とそれ以外の目的と、構成特徴と、作用効果は、以下の説明と添付図面によって明らかとなる。
本発明の一実施形態の電気二重層キャパシタの側面断面図 電気二重層キャパシタの平面図 フィルムパッケージが膨張した状態の電気二重層キャパシタの側面断面図 環状オルトカルボン酸エステルの一般構造式を示す図 2つの環を有するとともに2つの環の環員数が等しい環状オルトカルボン酸エステルの構造式の例を示す図 2つの環を有するとともに2つの環の環員数が互いに異なる環状オルトカルボン酸エステルの構造式の例を示す図 1つの環を有する環状オルトカルボン酸エステルの構造式の例を示す図 実験結果を示す表 実験結果を示す表 実験結果を示す表
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
本実施形態の電気二重層キャパシタは、正極10、負極20、及び正極10と負極20との間に介在するセパレータ30を有する蓄電素子Bと、非水溶媒に電解質を溶解してなる非水電解液と、ラミネートフィルムから成るとともに蓄電素子B及び非水電解液を封入しているフィルムパッケージ40と、一端が蓄電素子Bに接続され他端がフィルムパッケージ40から導出している一対の端子50とを有する。また、正極10及び負極20は例えばそれぞれ金属箔から成る集電体11,21の表面に導電性接着剤(図示せず)を介して分極性電極層12,22を形成して成り、正極10の分極性電極層12と負極20の分極性電極層22とが向き合うように配置されている。セパレータはセルロース、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素系樹脂等から成り、非水電解液を含浸可能であれば他の材質のものを用いることも可能である。また、前述のように向きあっている正極10及び負極20の各分極性電極層12,22の間にセパレータ30が配置され、蓄電素子Bは正極10、セパレータ30、負極20の順で積層された積層構造を有する。また、正極10と負極20との間のセパレータ30が非水電解液を含浸しているので、正極10及び負極20の分極性電極層12,22と非水電解液との接触界面に電気二重層が形成される。蓄電素子Bやフィルムパッケージ40には、フィルムパッケージタイプの電気二重層キャパシタに用いられる公知の構造を適用可能である。
[正極及び負極]
前記正極10及び負極20の分極性電極層12,22は電気二重層キャパシタの分極性電極層に用いられる公知の材質及び構造を有していれば良く、例えばポリアセン(PAS)、ポリアニリン(PAN)、活性炭、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ等を含有し、電気二重層キャパシタの分極性電極層に用いられる導電剤やバインダー等の他の成分も必要に応じて含有している。
活性炭の原料としては、例えばおが屑、椰子殻、フェノール樹脂、各種の耐熱性樹脂、ピッチ等が挙げられ、耐熱性樹脂の例としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ビスマレイミドトリアジン、アラミド、フッ素樹脂、ポリフェニレン、ポリフェニレンスルフィド等の樹脂が好適に挙げられる。これらは1種でも使用可能であり、2種以上を併用することも可能である。
[電解質]
電解質は電気二重層キャパシタに用いられる公知の電解質であれば良く、例えばアンモニウム塩やホスホニウム塩を使用できる。
アンモニウム塩の例としては、4フッ化ほう酸4ブチルアンモニウム((C49)4NBF4)、4フッ化ほう酸4エチルアンモニウム((C25)4NBF4)、4フッ化ほう酸3エチルメチルアンモニウム((C25)3CH3NBF4)、4フッ化ほう酸-1,1'-スピロビピロリジニウム((C48)2NBF4)、6フッ化リン酸4ブチルアンモニウム((C49)4NPF6)、6フッ化リン酸4エチルアンモニウム((C25)4NPF6)等が挙げられる。
ホスホニウム塩の例としては、4フッ化ほう酸4ブチルホスホニウム((C49)4PBF4)、4フッ化ほう酸4エチルホスホニウム((C25)4PBF4)、6フッ化リン酸4ブチルホスホニウム((C49)4PPF6)、6フッ化リン酸4エチルホスホニウム((C25)4PPF6)等が挙げられる。
電解質を含有させる量は非水電解液1リットルに対し、1.0モル以上2.5モル以下が好ましい。
[非水溶媒]
非水溶媒は、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、環状エステル、鎖状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル、ニトリル類、及び含イオウ化合物の何れかに含まれる溶媒の1種または複数種の混合溶媒を非水溶媒の主成分として含有する。
環状炭酸エステルの例としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート等が挙げられ、鎖状炭酸エステルの例としては、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネート等が挙げられ、環状エステルの例としては、γ−ブチロラクトン(γBL)、γ−バレロラクトン(γVL)、3−メチル−γ−ブチロラクトン、2−メチル−γ−ブチロラクトン等が挙げられ、鎖状エステルの例としては、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、吉草酸メチル等が挙げられ、環状エーテルの例としては、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、3-メチル-1,3-ジオキソラン、2-メチル-1,3-ジオキソラン等が挙げられ、鎖状エーテルの例としては、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン、ジプロピルエーテル等が挙げられ、ニトリル類の例としては、アセトニトリル(AN)、プロパンニトリル(PN)、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等が挙げられ、含イオウ化合物の例としてはスルホラン(SL)、エチルメチルスルホン(EMS)、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
尚、非水電解液の高誘電率化のため、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン等の環状構造を有するものやアセトニトリル等のニトリル類の群より選択される少なくとも1種を非水溶媒の主成分として含有するか、これに前記の鎖状エステル等の鎖状構造を有するものの1種または複数種を混合した混合有機溶媒を非水溶媒の主成分として含有するか、前記群から選択される2種以上を混合した混合有機溶媒を非水溶媒の主成分として含有するか、これに前記の鎖状エステル等の鎖状構造を有するものの1種または2種以上を混合した混合有機溶媒を非水溶媒の主成分として含有することが好ましい。
また、非水溶媒は、環状オルトカルボン酸エステルを全非水溶媒に対して2重量%以上30重量%以下添加剤として含有する。また添加剤として含有する環状オルトカルボン酸エステルは、2つの環を有するとともに2つの環の環員数が等しい例えば以下に示す各環状オルトカルボン酸エステル、2つの環を有するとともに2つの環の環員数が互いに異なる例えば以下に示す各環状オルトカルボン酸エステル、及び1つの環を有する例えば以下に示す各環状オルトカルボン酸エステルから成る群より選択される1種を選択することが可能であり、2種以上を併用することも可能である。
2つの環を有するとともに2つの環の環員数が等しい環状オルトカルボン酸エステルは図4の一般構造式(1)で示される。図4における一般構造式(1)の環の環員数は5〜6であることが好ましい。この例としては、図5の構造式(1)に示される1,4,6−トリオキサスピロ[4.4]ノナン(沸点:170〜180℃程度)、構造式(2)に示される1,5,7−トリオキサスピロ[5.5]ウンデカン(沸点:220〜230℃程度)が挙げられる。
2つの環を有するとともに2つの環の環員数が互いに異なる環状オルトカルボン酸エステルは図4の一般構造式(2)で示される。図4における一般構造式(2)の一方の環員数は5〜6であることが好ましく、他方の環の環員数は6〜8であることが好ましい。この例としては、図6の構造式(3)に示される1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカン(沸点:200〜210℃程度)、構造式(4)に示される1,6,11−トリオキサスピロ[4.6]ウンデカン(沸点:210〜220℃程度)、構造式(5)に示される1,6,12−トリオキサスピロ[4.7]ドデカン(沸点:230〜240℃程度)、構造式(6)に示される1,4,6−トリオキサスピロ[4.5]デカン(沸点:235〜245℃程度)、構造式(7)に示される1,7,12−トリオキサスピロ[5.6]ドデカン(沸点:240〜250℃程度)、構造式(8)に示される1,7,13−トリオキサスピロ[5.7]トリデカン(沸点:250〜260℃程度)が挙げられる。
1つの環を有する環状オルトカルボン酸エステルは図4の一般構造式(3)で示される。図4における一般構造式(3)の環の環員数は5であることが好ましい。また、図4における一般構造式(3)のRはアルキル基である。例としては、図7の構造式(9)に示される2,2−ジメトキシテトラヒドロフラン(沸点:140〜150℃程度)、構造式(10)に示される2,2−ジエトキシテトラヒドロフラン(沸点:185〜195℃程度)、構造式(11)に示される2,2−ジ−n−プロポキシテトラヒドロフラン(沸点:225〜235℃程度)、構造式(12)に示される2,2−ジ−n−ブトキシテトラヒドロフラン(沸点:260〜270℃程度)が挙げられる。
前記電気二重層キャパシタにおいて、プロピレンカーボネートを主成分とする非水溶媒に添加剤として環状オルトカルボン酸エステルを含有させることによる効果を確認するために、以下の実験例及び比較例の電気二重層キャパシタを製作し、図8に示すような実験結果を得た。尚、以下の実験例1〜40及び比較例1〜12の電気二重層キャパシタは同等のサイズ及び形状を有する。
[実験例1]
前記電気二重層キャパシタにおいて、正極10及び負極20の分極性電極層の材質としてPASを用い、主成分としてプロピレンカーボネートを98重量%、添加剤として構造式(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを2重量%含有する非水溶媒を用い、電解質として4フッ化ほう酸3エチルメチルアンモニウムを非水電解液1リットルに対して1.5モル含有している。
[実験例2]
実験例1において、プロピレンカーボネートを95重量%、構造式(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを5重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例3]
実験例1において、プロピレンカーボネートを90重量%、構造式(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを10重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例4]
実験例1において、プロピレンカーボネートを80重量%、構造式(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを20重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例5]
実験例1において、プロピレンカーボネートを70重量%、構造式(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを30重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例6]
実験例1において、プロピレンカーボネートを98重量%、構造式(8)の1,7,13−トリオキサスピロ[5.7]トリデカンを2重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例7]
実験例1において、プロピレンカーボネートを95重量%、構造式(8)の1,7,13−トリオキサスピロ[5.7]トリデカンを5重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例8]
実験例1において、プロピレンカーボネートを70重量%、構造式(8)の1,7,13−トリオキサスピロ[5.7]トリデカンを30重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例9]
実験例1において、プロピレンカーボネートを98重量%、構造式(2)の1,5,7−トリオキサスピロ[5.5]ウンデカンを2重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例10]
実験例1において、プロピレンカーボネートを95重量%、構造式(2)の1,5,7−トリオキサスピロ[5.5]ウンデカンを5重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例11]
実験例1において、プロピレンカーボネートを70重量%、構造式(2)の1,5,7−トリオキサスピロ[5.5]ウンデカンを30重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例12]
実験例1において、プロピレンカーボネートを98重量%、構造式(1)の1,4,6−トリオキサスピロ[4.4]ノナンを2重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例13]
実験例1において、プロピレンカーボネートを95重量%、構造式(1)の1,4,6−トリオキサスピロ[4.4]ノナンを5重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例14]
実験例1において、プロピレンカーボネートを70重量%、構造式(1)の1,4,6−トリオキサスピロ[4.4]ノナンを30重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例15]
実験例1において、プロピレンカーボネートを98重量%、構造式(9)の2,2−ジメトキシテトラヒドロフランを2重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例16]
実験例1において、プロピレンカーボネートを95重量%、構造式(9)の2,2−ジメトキシテトラヒドロフランを5重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例17]
実験例1において、プロピレンカーボネートを70重量%、構造式(9)の2,2−ジメトキシテトラヒドロフランを30重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例18]
実験例1において、プロピレンカーボネートを98重量%、構造式(12)の2,2−ジ−n−ブトキシテトラヒドロフランを2重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例19]
実験例1において、プロピレンカーボネートを95重量%、構造式(12)の2,2−ジ−n−ブトキシテトラヒドロフランを5重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例20]
実験例1において、プロピレンカーボネートを70重量%、構造式(12)の2,2−ジ−n−ブトキシテトラヒドロフランを30重量%含有する非水溶媒を用いた。
[比較例1]
実験例1において、非水溶媒としてプロピレンカーボネートのみから成る有機溶媒を用いた。
[比較例2]
実験例1において、主成分としてプロピレンカーボネートを70重量%、添加剤としてオルト蟻酸メチル(CH(OCH3)3)を30重量%含有する非水溶媒を用いた。
また、非水溶媒の主成分を、プロピレンカーボネートとジエチルカーボネートとを3:2の重量比で混合した混合有機溶媒とした場合、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを3:2の重量比で混合した混合有機溶媒とした場合、ブチレンカーボネートとした場合、ブチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを3:2の重量比で混合した混合有機溶媒とした場合、γ−ブチロラクトンとした場合、γ−ブチロラクトンとジエチルカーボネートとを3:1の重量比で混合した混合有機溶媒とした場合、γ−バレロラクトンとした場合、γ−バレロラクトンとジエチルカーボネートとを3:1の重量比で混合した混合有機溶媒とした場合、スルホランとした場合、スルホランとエチルメチルスルホンとを4:1の重量比で混合した混合有機溶媒とした場合についても、非水溶媒に添加剤として環状オルトカルボン酸エステルを含有させることによる効果を確認するため、以下の実験例及び比較例の電気二重層キャパシタを製作し、図9及び10に示すような実験結果を得た。
[実験例21]
実験例1において、プロピレンカーボネートとジエチルカーボネートとを3:2の重量比で混合した混合有機溶媒を98重量%、構造式(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを2重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例22]
実験例1において、プロピレンカーボネートとジエチルカーボネートとを3:2の重量比で混合した混合有機溶媒を70重量%、構造式(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを30重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例23]
実験例1において、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを3:2の重量比で混合した混合有機溶媒を98重量%、構造式(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを2重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例24]
実験例1において、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを3:2の重量比で混合した混合有機溶媒を70重量%、(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを30重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例25]
実験例1において、ブチレンカーボネートを98重量%、構造式(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを2重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例26]
実験例1において、ブチレンカーボネートを70重量%、(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを30重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例27]
実験例1において、ブチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを3:2の重量比で混合した混合有機溶媒を98重量%、構造式(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを2重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例28]
実験例1において、ブチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを3:2の重量比で混合した混合有機溶媒を70重量%、(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを30重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例29]
実験例1において、γ−ブチロラクトンを98重量%、構造式(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを2重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例30]
実験例1において、γ−ブチロラクトンを70重量%、(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを30重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例31]
実験例1において、γ−ブチロラクトンとジエチルカーボネートとを3:1の重量比で混合した混合有機溶媒を98重量%、構造式(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを2重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例32]
実験例1において、γ−ブチロラクトンとジエチルカーボネートとを3:1の重量比で混合した混合有機溶媒を70重量%、(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを30重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例33]
実験例1において、γ−バレロラクトンを98重量%、構造式(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを2重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例34]
実験例1において、γ−バレロラクトンを70重量%、(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを30重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例35]
実験例1において、γ−バレロラクトンとジエチルカーボネートとを3:1の重量比で混合した混合有機溶媒を98重量%、構造式(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを2重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例36]
実験例1において、γ−バレロラクトンとジエチルカーボネートとを3:1の重量比で混合した混合有機溶媒を70重量%、(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを30重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例37]
実験例1において、スルホランを98重量%、構造式(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを2重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例38]
実験例1において、スルホランを70重量%、(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを30重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例39]
実験例1において、スルホランとエチルメチルスルホンとを4:1の重量比で混合した混合有機溶媒を98重量%、構造式(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを2重量%含有する非水溶媒を用いた。
[実験例40]
実験例1において、スルホランとエチルメチルスルホンとを4:1の重量比で混合した混合有機溶媒を70重量%、(3)の1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカンを30重量%含有する非水溶媒を用いた。
[比較例3]
実験例1において、プロピレンカーボネートとジエチルカーボネートとを3:2の重量比で混合した混合有機溶媒のみから成る非水溶媒を用いた。
[比較例4]
実験例1において、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを3:2の重量比で混合した混合有機溶媒のみから成る非水溶媒を用いた。
[比較例5]
実験例1において、非水溶媒としてブチレンカーボネートのみから成る有機溶媒を用いた。
[比較例6]
実験例1において、ブチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを3:2の重量比で混合した混合有機溶媒のみから成る非水溶媒を用いた。
[比較例7]
実験例1において、非水溶媒としてγ−ブチロラクトンのみから成る有機溶媒を用いた。
[比較例8]
実験例1において、γ−ブチロラクトンとジエチルカーボネートとを3:1の重量比で混合した混合有機溶媒のみから成る非水溶媒を用いた。
[比較例9]
実験例1において、非水溶媒としてγ−バレロラクトンのみから成る有機溶媒を用いた。
[比較例10]
実験例1において、γ−バレロラクトンとジエチルカーボネートとを3:1の重量比で混合した混合有機溶媒のみから成る非水溶媒を用いた。
[比較例11]
実験例1において、非水溶媒としてスルホランのみから成る有機溶媒を用いた。
[比較例12]
実験例1において、スルホランとエチルメチルスルホンとを4:1の重量比で混合した混合有機溶媒のみから成る非水溶媒を用いた。
[評価方法]
図8〜10中の初期の静電容量及び抵抗値は、前述のように製作された各電気二重層キャパシタに対して、25℃雰囲気にて静電容量及び抵抗値を測定したものである。また、初期の静電容量及び抵抗値を測定した後、各電気二重層キャパシタに対して60℃の雰囲気中で2.75Vの電圧を1000時間印加し続ける信頼性試験を実施した。図8〜10中の信頼性試験後の静電容量及び抵抗値は前記信頼性試験後に測定された値である。また、図8〜10中における信頼性試験後の試験前に対する厚さは、図1に示されるような信頼性試験前のフィルムパッケージ40の厚さT1に対する図3に示されるような信頼性試験後のフィルムパッケージ40の厚さT2を示すものであり、T2/T1を百分率であらわしたものである。
[評価結果]
図8〜10に示した静電容量の初期と信頼性試験後の測定結果より、非水溶媒に環状オルトカルボン酸エステルを添加剤として含有する実験例1〜28,31,32,35,36は、非水溶媒に添加剤を含有しない比較例1,3〜6,8,10と比較し、静電容量の維持率が高い。また、図8〜10から、非水溶媒中における環状オルトカルボン酸エステルの含有量が全非水溶媒に対して2重量%以上30重量%以下の場合、非水溶媒に添加剤を含有しない比較例1,3〜6,8,10と比較し、静電容量の維持率が高いことが確認された。
図8〜10に示した抵抗値の初期と信頼性試験後の測定結果より、非水溶媒に環状オルトカルボン酸エステルを添加剤として含有する実験例1〜28,31,32,35,36は、非水溶媒に添加剤を含有しない比較例1,3〜6,8,10と比較し、抵抗上昇率が低い。また、図8〜10から、非水溶媒中における環状オルトカルボン酸エステルの含有量が全非水溶媒に対して2重量%以上30重量%以下の場合、非水溶媒に添加剤を含有しない比較例1,3〜6,8,10と比較し、静電容量の抵抗上昇率が低いことが確認された。
図8〜10に示したフィルムパッケージ40の信頼性試験後の試験前に対する厚さの測定結果より、非水溶媒に環状オルトカルボン酸エステルを添加剤として含有する実験例1〜28,31,32,35,36は、非水溶媒に添加剤を含有しない比較例1,3〜6,8,10と比較し、信頼性試験後のフィルムパッケージ40の厚さ変化が小さい。即ち、非水溶媒に環状オルトカルボン酸エステルを添加剤として含有する実験例1〜28,31,32,35,36の方が、非水溶媒に添加剤を含有しない比較例1,3〜6,8,10と比較し、信頼性試験時にフィルムパッケージ40内で発生するガスの量が少ない。また、図8〜10から、非水溶媒中における環状オルトカルボン酸エステルの含有量が全非水溶媒に対して2重量%以上30重量%以下の場合、非水溶媒に添加剤を含有しない比較例1,3〜6,8,10と比較し、信頼性試験後のフィルムパッケージ40の厚さ変化が小さいことが確認された。
図8に示した静電容量の初期と信頼性試験後の測定結果より、非水溶媒に環状オルトカルボン酸エステルを添加剤として含有する実験例1〜20は、非水溶媒に添加剤としてオルト蟻酸メチルを含有する比較例2と比較し、静電容量の維持率が高い。
図8に示した抵抗値の初期と信頼性試験後の測定結果より、非水溶媒に環状オルトカルボン酸エステルを添加剤として含有する実験例1〜20は、非水溶媒に添加剤としてオルト蟻酸メチルを含有する比較例2と比較し、抵抗上昇率が低い。
図8に示したフィルムパッケージ40の信頼性試験後の試験前に対する厚さの測定結果より、非水溶媒に添加剤として環状オルトカルボン酸エステルを含有する実験例1〜20は、非水溶媒に添加剤としてオルト蟻酸メチルを含有する比較例2と比較し、信頼性試験後のフィルムパッケージ40の厚さ変化が小さい。即ち、非水溶媒に添加剤として環状オルトカルボン酸エステルを含有する実験例1〜20の方が、非水溶媒に添加剤としてオルト蟻酸メチルを含有する比較例2と比較し、信頼性試験時にフィルムパッケージ40内で発生するガスの量が少ない。
非水溶媒に添加剤として環状オルトカルボン酸エステルを含有させることによる前記効果が得られる理由は、明確ではないが、次のように考えられる。
先ず、例えば比較例1のように非水溶媒がプロピレンカーボネートのみから成る場合は、フィルムパッケージ40内の電解液中に不純物である水が存在するため、水とプロピレンカーボネートとが反応してグリコールと二酸化炭素を生成し、発生する二酸化炭素によって信頼性試験後のフィルムパッケージ40の厚さ変化が大きくなっているものと推測される。
一方、実験例1〜20のように非水溶媒の主成分のプロピレンカーボネートに環状オルトカルボン酸エステルが添加されている場合は、フィルムパッケージ40内の電解液中に存在する水がプロピレンカーボネートと反応する前に環状オルトカルボン酸エステルと反応することが期待される。ここで、プロピレンカーボネートは、以下の化学反応式(a)のように、水2分子と反応してグリコール及び二酸化炭素1分子を生成するが、環状オルトカルボン酸エステルは、例えば構造式(3)の場合で説明すると、1,6,10−トリオキサスピロ[4.5]デカン1分子が、以下の化学反応式(b)のように、水2分子と反応してグリコール及びγ−ブチロラクトン1分子を生成する。即ち、非水溶媒中にプロピレンカーボネートだけでなく環状オルトカルボン酸エステルが存在していることにより、信頼性試験の際に電解液中の水との反応により発生する二酸化炭素の量を低減することができ、信頼性試験後のフィルムパッケージ40の厚さを低減することができるものと推測される。
Figure 2012069576
…化学反応式(a)
Figure 2012069576
…化学反応式(b)
また、比較例2のように非水溶媒の主成分のプロピレンカーボネートに鎖状のオルトカルボン酸エステルが添加されている場合でも、フィルムパッケージ40内の電解液中に存在する水が、プロピレンカーボネートと反応する前に鎖状のオルトカルボン酸エステルと反応することが期待される。また、鎖状のオルトカルボン酸エステルの一例であるCH(OCH3)31分子は、以下の化学反応式(c)のように、水2分子と反応してアルコール2分子及びエステル1分子を生成する。ここで、鎖状のオルトカルボン酸エステルが水2分子と反応して生ずるアルコールはメチルアルコールであり、一方、本願の環状オルトカルボン酸エステル(構造式(1)〜構造式(8))が水2分子と反応して生ずるアルコールはグリコールであり、環状オルトカルボン酸エステルから生成されるグリコールの方がメチルアルコールよりも沸点が高い。このため、環状オルトカルボン酸エステルを添加する場合の方が信頼性試験時のアルコールの気化が少なく、信頼性試験後のフィルムパッケージ40の厚さを低減することができるものと推測される。
Figure 2012069576
…化学反応式(c)
また、グリコールの方がメチルアルコールよりも極性が高く、電解質の溶解性、電解液の高誘電率化の点において優れているので、環状オルトカルボン酸エステルを添加する場合の方が信頼性試験後の静電容量の維持率が高くなっていると推定される。
また、構造式(1)〜(12)の環状オルトカルボン酸エステルについて例示したように、環状オルトカルボン酸エステルは沸点が高いので、電気二重層キャパシタがリフロー半田付けの際にリフロー炉に投入される際に、鎖状のオルトカルボン酸エステルを添加剤として用いる場合と比較してフィルムパッケージ40内におけるガスの発生が少なくなると考えられる。即ち、電気二重層キャパシタが回路基板への半田付けのためにリフロー炉に投入された場合のフィルムパッケージ40の膨張及び変形を抑制することができる。
さらに、環状オルトカルボン酸エステルの方が鎖状のオルトカルボン酸エステルよりも極性が高いため、非水溶媒の主成分であるプロピレンカーボネートや電解質との親和性を維持することができると推測される。即ち、非水溶媒の主成分であるプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン等や電解質との親和性を低下させずに、環状オルトカルボン酸エステルを高沸点化することができると考えられる。
また、構造式(2)〜(5)及び(7)〜(8)の環状オルトカルボン酸エステルは酸素原子を2つ含む環の環員数が6以上である。一方、非水溶媒の主成分であるプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等は5員環である。このため、酸素原子を2つ含む環の環員数が6以上である環状オルトカルボン酸エステルは5員環であるプロピレンカーボネート等よりも水と反応し易く、電解質の高誘電率化に寄与するプロピレンカーボネート等の減少を抑制することができ、不純物である水の効率的な除去に有利であると考えられる。
図8〜10に示した静電容量の初期と信頼性試験後の測定結果より、非水溶媒に環状オルトカルボン酸エステルを添加剤として含有する実験例29,30,33,34,37〜40は、非水溶媒に添加剤を含有しない比較例7,9,11,12と比較し、静電容量の維持率、抵抗上昇率、並びに信頼性試験後のフィルムパッケージ40の厚さ変化において、大きな差が認められなかったが、本評価と異なる評価を行った場合や、電解液中に存在する水の量がより多い場合等に、環状オルトカルボン酸エステルが水と優先的に反応することによる効果が期待される。
尚、本実施形態では、電気二重層キャパシタの非水電解液の非水溶媒に環状オルトカルボン酸エステルを添加するものを示したが、リチウムイオンキャパシタの非水電解液の非水溶媒に環状オルトカルボン酸エステルを添加することも可能である。即ち、リチウムイオンキャパシタの電解液に用いられる非水溶媒は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状炭酸エステル、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート等の鎖状炭酸エステル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、3−メチル−γ−ブチロラクトン、2−メチル−γ−ブチロラクトン等の環状エステル、アセトニトリル、プロパンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等のニトリル類、スルホラン等の含イオウ化合物、プロピオン酸エチル等の鎖状カルボン酸エステル、ジメトキシエタン等の鎖状エーテル等を含有している。また、該非水溶媒が例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン等の環状構造を有するものやアセトニトリル等のニトリル類の群より選択される少なくとも1種を非水溶媒の主成分として含有するか、これに前記の鎖状エステル等の鎖状構造を有するものの1種または複数種を混合した混合有機溶媒を混合した混合有機溶媒を非水溶媒の主成分として含有するか、前記群から選択される2種以上の混合有機溶媒を非水溶媒の主成分として含有するか、これに前記の鎖状エステル等の鎖状構造を有するものの1種または複数種を混合した混合有機溶媒を混合した混合有機溶媒を非水溶媒の主成分として含有することが好ましい。このため、リチウムイオンキャパシタの電解液の非水溶媒に本実施形態で説明したように環状オルトカルボン酸エステルを含有させることにより、前述と同様の効果を得ることが可能である。
また、リチウムイオン二次電池の非水電解液の非水溶媒に環状オルトカルボン酸エステルを添加することも可能である。即ち、リチウムイオン二次電池の電解液に用いられる非水溶媒は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状炭酸エステル、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルプロピルカーボネート等の鎖状炭酸エステル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、3−メチル−γ−ブチロラクトン、2−メチル−γ−ブチロラクトン等の環状エステル、アセトニトリル、プロパンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等のニトリル類、スルホラン等の含イオウ化合物、プロピオン酸エチル等の鎖状カルボン酸エステル、ジメトキシエタン等の鎖状エーテル等を含有している。また、該非水溶媒が例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、スルホラン等の環状構造を有するものやアセトニトリル等のニトリル類の群より選択される少なくとも1種を非水溶媒の主成分として含有するか、これに前記の鎖状エステル等の鎖状構造を有するものの1種または複数種を混合した混合有機溶媒を混合した混合有機溶媒を非水溶媒の主成分として含有するか、前記群から選択される2種以上の混合有機溶媒を非水溶媒の主成分として含有するか、これに前記の鎖状エステル等の鎖状構造を有するものの1種または複数種を混合した混合有機溶媒を混合した混合有機溶媒を非水溶媒の主成分として含有することが好ましい。このため、リチウムイオン二次電池の電解液の非水溶媒に本実施形態で説明したように環状オルトカルボン酸エステルを含有させることにより、前述と同様の効果を得ることが可能である。
また、レドックスキャパシタの非水電解液の非水溶媒に環状オルトカルボン酸エステルを添加することも可能である。つまり、レドックスキャパシタの電解液に用いられる非水溶媒がエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等を含有するので、レドックスキャパシタの電解液の非水溶媒に本実施形態で説明したように環状オルトカルボン酸エステルを含有させることにより、前述と同様の効果を得ることが可能である。
尚、本実施形態では、蓄電素子B及び非水電解液をラミネートフィルムから成るフィルムパッケージ40内に封入されるフィルムパッケージタイプの電気二重層キャパシタを用いて説明を行ったが、金属缶等を使ったボタン型、円筒型、角型等の他のタイプの電気二重層キャパシタの非水電解液の非水溶媒に環状オルトカルボン酸エステルを添加可能であり、これにより、非水電解液中で環状オルトカルボン酸エステルが水と反応することによる静電容量の長期に亘る維持及び抵抗値の上昇防止を行うことが可能である。
尚、本実施形態では、一般構造式(1)の各環の環員数が5〜6であり、一般構造式(2)の一方の環員数が5〜6であるとともに他方の環の環員数が6〜8であり、一般構造式(3)の環の環員数が5であるものを示したが、一般構造式(1)の各環の環員数が7以上であり、一般構造式(2)の一方の環員数が7以上であるとともに他方の環の環員数が9以上であり、一般構造式(3)の環の環員数が6以上であるものについても、製造上問題が無ければ本願の非水電解液の非水溶媒に添加可能であり、これらの環状オルトカルボン酸エステルでも前述と同様の効果を得ることが可能である。
本発明は、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタやレドックスキャパシタやリチウムイオン電池等の各種電気化学デバイスに広く適用でき、該適用によって前記同様の作用、効果を得ることができる。
10…正極、11…集電体、12…分極性電極層、20…負極、21…集電体、22…分極性電極層、30…セパレータ、40…フィルムパッケージ、50…端子、B…蓄電素子。

Claims (8)

  1. 非水溶媒と、非水溶媒に溶解している電解質とを有する非水電解液であって、
    非水溶媒が環状オルトカルボン酸エステルを含有している。
  2. 請求項1に記載の非水電解液であって、
    非水溶媒が、酸素原子を2つ含む環の環員数が6以上の環状オルトカルボン酸エステルを含有している。
  3. 請求項1または2に記載の非水電解液であって、
    非水溶媒が、2つの環を有するとともに2つの環の環員数が互いに異なる環状オルトカルボン酸エステルを含有している。
  4. 請求項1または2に記載の非水電解液であって、
    非水溶媒が、環を1つだけ有する環状オルトカルボン酸エステルを含有している。
  5. 正極と、負極と、非水溶媒と非水溶媒に溶解している電解質とを有する非水電解液とを備えた電気化学デバイスであって、
    非水電解液の非水溶媒が環状オルトカルボン酸エステルを含有している。
  6. 請求項5に記載の電気化学デバイスであって、
    非水電解液の非水溶媒が、酸素原子を2つ含む環の環員数が6以上の環状オルトカルボン酸エステルを含有している。
  7. 請求項5または6に記載の電気化学デバイスであって、
    非水電解液の非水溶媒が、2つの環を有するとともに2つの環の環員数が互いに異なる環状オルトカルボン酸エステルを含有している。
  8. 請求項5または6に記載の電気化学デバイスであって、
    非水電解液の非水溶媒が、環を1つだけ有する環状オルトカルボン酸エステルを含有している。
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