JP2012256789A - 電気化学デバイス用活物質及びそれを用いた電気化学デバイス - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、電気化学キャパシタ、二次電池などの電気化学デバイスに関する。
非水電解液を用いた電気化学キャパシタや二次電池などの電気化学デバイスは、溶媒の電気分解電圧が高いために耐電圧を高くすることができ、大きなエネルギーを蓄えることが可能である。電解液の水分含有量は厳しく管理されており、水分含有量が数十ppm以下である電解液が通常用いられている。しかしながら、活物質の細孔に水分が吸着している等の理由により、非水電解液中に混入する水分を完全に除去することは難しい。非水電解液中に水分が含有されていると、連続充電をすることにより水が電気分解されてプロトンが発生する。発生したプロトンは、非水電解液中のBF4 -等の電解質アニオン成分と反応して非水電解液中のプロピレンカーボネート等の非水溶媒の分解を引き起こす場合がある。また、非水溶媒が分解することにより、電気化学デバイスの静電容量が低下するとともに内部抵抗が上昇する。また、電極活物質の表面には水酸基等の官能基が存在するため、連続充電をすると当該官能基からプロトンが発生する。発生したプロトンは、非水電解液中のBF4 -等の電解質アニオン成分と反応して、水が電気分解する場合と同様の結果をもたらす。さらに、電気化学デバイスを連続充電することによって前記官能基が電極から脱離する場合もあり、この場合は脱離した官能基によってガスが発生することになり、電気化学デバイスの容器内圧力の上昇や容器の膨張が起こる。
前述のような非水電解液の劣化を防止するために、活物質表面の水酸基をトリメチルシリル基等により疎水化することにより、活物質の表面官能基と電解液の反応を抑制し、かつ表面官能基の脱離を抑制する方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、上記方法で表面に生成するトリメチルシリルエーテルは水分や酸が近傍に存在すると、容易に分解して元の水酸基に戻ってしまう。これにより、連続充電中に電気化学デバイスの容器の膨張、静電容量の低下、内部抵抗の上昇が起こる。また、上記方法では、活物質表面の極性が低くなるため、活物質と電解液との濡れ性が低下し、電気化学デバイスの連続充電前(初期)の静電容量が低下するとともに内部抵抗が上昇する。
本発明は、電気化学デバイスの初期特性を悪化させることなく、連続充電した後のキャパシタセルの膨張、静電容量の低下及び内部抵抗の上昇を効果的に抑制することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、活物質表面の水酸基を特定のシリル基でシリル化することによって、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、表面に下記式(1)で表される基を有する電気化学デバイス用活物質を提供する。
(1)
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
本発明によれば、活物質表面の水酸基を特定のシリル基でシリル化することによって、表面官能基から発生するプロトンおよび残存水分の分解により生じたプロトンを効果的に補足することができる。その結果、プロトンに起因する電解液の分解が抑制され、セルの膨張や電気特性の悪化を防止することができる。
本発明の電気化学デバイスは、表面に下記式(1)で表される基を有する活物質を用いる。
(1)
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
R1及びR2のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロキル基が挙げられる。好ましくはメチル基である。
式(1)で表される化合物の具体例としては、下記式1〜9の化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
R1及びR2のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロキル基が挙げられる。好ましくはメチル基である。
式(1)で表される化合物の具体例としては、下記式1〜9の化合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
表面に式(1)で表される基を有する活物質を調製する方法としては、例えば活物質をシリル化剤で処理する方法などが挙げられる。活物質をシリル化剤で処理する方法としては、例えば活物質を溶媒中に分散させ、さらにシリル化剤を加えて処理する方法などが挙げられる。シリル化剤としては、例えば下記式(2)の化合物が挙げられる。
(2)
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xは塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲンを表す。)
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立して炭素数1〜3のアルキル基を表し、Xは塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲンを表す。)
活物質の酸性表面官能基である水酸基を式(1)で示した官能基(シリル基)にすることにより、プロトン供給源が減少し、活物質の表面官能基と電解液の反応が抑制される。また、式(1)で示した官能基(シリル基)は、水分や酸が近傍に存在しても容易に脱離しない。したがって、ガスや不純物の発生が抑制され、電気化学デバイスの容器の膨張、静電容量の低下及び内部抵抗の上昇が抑制され、長期信頼性が向上する。
また、式(1)で示した官能基(シリル基)は表面に第三級アミノ基を有する。アミノ基は、プロトンが配位する性質があるため、酸性表面官能基の脱離やデバイス内に残存している水分の電気分解により生じるプロトンを捕捉することができる。プロトンは電解液溶媒の電気分解及び加水分解を促進させる性質があるため、導入されたアミノ基にプロトンが捕捉されることによって電解液溶媒の分解を抑制することができ、さらに電気化学デバイスの容器の膨張、静電容量の低下及び内部抵抗の上昇が抑制され、長期信頼性が向上する。式(1)で示した官能基(シリル基)は特許文献1で用いられた官能基と比較して極性が高いため、活物質の電解液に対する濡れ性が高くなり、表面官能基を変化させたことによる電気化学デバイスの初期の静電容量及び内部抵抗の悪化がない。なお、電気化学デバイスの特性劣化が起こる電圧を高くすることができるため、動作電圧を高く設定でき、エネルギー密度を増加させることもできる。
また、式(1)で示した官能基(シリル基)は表面に第三級アミノ基を有する。アミノ基は、プロトンが配位する性質があるため、酸性表面官能基の脱離やデバイス内に残存している水分の電気分解により生じるプロトンを捕捉することができる。プロトンは電解液溶媒の電気分解及び加水分解を促進させる性質があるため、導入されたアミノ基にプロトンが捕捉されることによって電解液溶媒の分解を抑制することができ、さらに電気化学デバイスの容器の膨張、静電容量の低下及び内部抵抗の上昇が抑制され、長期信頼性が向上する。式(1)で示した官能基(シリル基)は特許文献1で用いられた官能基と比較して極性が高いため、活物質の電解液に対する濡れ性が高くなり、表面官能基を変化させたことによる電気化学デバイスの初期の静電容量及び内部抵抗の悪化がない。なお、電気化学デバイスの特性劣化が起こる電圧を高くすることができるため、動作電圧を高く設定でき、エネルギー密度を増加させることもできる。
本発明の電気化学デバイスにおいては、非水溶媒及び電解質を含む電解液が用いられる。本発明の電気化学デバイス用の非水溶媒としては、通常電気化学デバイスで使用される非水溶媒を使用することができる。非水溶媒としては、例えば環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル、環状エステル、鎖状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル、ニトリル化合物及び含イオウ化合物などが挙げられる。これらの非水溶媒は、単独で使用することもできるし、2種以上混合して使用することもできる。
環状炭酸エステルとしては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネートなどが挙げられる。
鎖状炭酸エステルとしては、例えばジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネートなどが挙げられる。
環状エステルとしては、例えばγ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン、3−メチル−γ−ブチロラクトン、2−メチル−γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
鎖状エステルとしては、例えば蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、吉草酸メチルなどが挙げられる。
環状エーテルとしては、例えば1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソランなどが挙げられる。
鎖状エーテルとしては、例えば1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジメチル 2,5−ジオキサヘキサンジオエート、ジプロピルエーテルなどが挙げられる。
ニトリル化合物としては、例えばアセトニトリル(AN)、プロパンニトリル、グルタロニトリル(GLN)、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリルなどが挙げられる。
含イオウ化合物としては、例えばスルホラン(SL)、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、エチルメチルスルホン(EMS)、エチルプロピルスルホン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
上記の非水溶媒の中でも、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの鎖状炭酸エステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、3−メチル−γ−ブチロラクトン、2−メチル−γ−ブチロラクトンなどの環状エステル;アセトニトリルなどのニトリル化合物;スルホラン、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、エチルメチルスルホン、エチルプロピルスルホンなどの含イオウ化合物が好ましい。
環状炭酸エステルとしては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネートなどが挙げられる。
鎖状炭酸エステルとしては、例えばジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルプロピルカーボネート、メチルイソプロピルカーボネートなどが挙げられる。
環状エステルとしては、例えばγ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン、3−メチル−γ−ブチロラクトン、2−メチル−γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。
鎖状エステルとしては、例えば蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、吉草酸メチルなどが挙げられる。
環状エーテルとしては、例えば1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,3−ジオキソランなどが挙げられる。
鎖状エーテルとしては、例えば1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジメチル 2,5−ジオキサヘキサンジオエート、ジプロピルエーテルなどが挙げられる。
ニトリル化合物としては、例えばアセトニトリル(AN)、プロパンニトリル、グルタロニトリル(GLN)、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリルなどが挙げられる。
含イオウ化合物としては、例えばスルホラン(SL)、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、エチルメチルスルホン(EMS)、エチルプロピルスルホン、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。
上記の非水溶媒の中でも、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの鎖状炭酸エステル;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状炭酸エステル;γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、3−メチル−γ−ブチロラクトン、2−メチル−γ−ブチロラクトンなどの環状エステル;アセトニトリルなどのニトリル化合物;スルホラン、ジメチルスルホン、ジエチルスルホン、エチルメチルスルホン、エチルプロピルスルホンなどの含イオウ化合物が好ましい。
また、本発明の電気化学デバイス用の電解質としては、通常電気化学デバイスで使用される電解質を使用することができる。電解質としては、例えば4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩などが挙げられる。これらの電解質は、単独で使用することもできるし、2種以上混合して使用することもできる。
4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩としては、例えばテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、1,1’−スピロビピロリジニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、トリエチルメチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラエチルホスホニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロホスフェートなどが挙げられる。
上記の電解質の中でも、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、1,1’−スピロビピロリジニウムテトラフルオロボレートが好ましい。
4級アンモニウム塩及び4級ホスホニウム塩としては、例えばテトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、1,1’−スピロビピロリジニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、トリエチルメチルアンモニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラエチルホスホニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルホスホニウムテトラフルオロボレート、テトラエチルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、テトラブチルホスホニウムヘキサフルオロホスフェートなどが挙げられる。
上記の電解質の中でも、テトラエチルアンモニウムテトラフルオロボレート、トリエチルメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、1,1’−スピロビピロリジニウムテトラフルオロボレートが好ましい。
本発明の電気化学デバイスとしては、電気化学キャパシタ、二次電池などが挙げられ、電気化学キャパシタとしては、電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ、レドックスキャパシタなどが挙げられる。
電気化学キャパシタは、例えば正極10、負極20、及び正極10と負極20との間にセパレータ30を有する蓄電素子Bと、電解質を非水溶媒中に溶解した非水電解液と、ラミネートフィルムから形成される(図1参照)。また、電気化学キャパシタは、一端が蓄電素子Bに接続され、他端がフィルムパッケージ40(蓄電素子B及び非水電解液が封入されている)から導出している端子50を有している。金属箔からなる集電体11及び21の表面には、それぞれ導電性接着剤(図示せず)を介して分極性電極層12及び22が形成されている。正極10及び負極20は、例えば正極10の分極性電極層12と負極20の分極性電極層22とが向き合うように配置されている。セパレータは、セルロース、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素系樹脂などの、非水電解液を含浸できる材料から形成される。セパレータ30は、向きあっている正極10及び負極20の各分極性電極層12及び22の間に配置される。なお、蓄電素子Bやフィルムパッケージ40には、フィルムパッケージタイプの電気化学キャパシタで用いられている公知の構造を適用することができる。
分極性電極層12及び22は、電気化学キャパシタの分極性電極層で用いられている公知の材料及び構造を有するものが使用でき、例えばポリアセン(PAS)、ポリアニリン(PAN)、活性炭、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブなどの活物質を含有し、電気化学キャパシタの分極性電極層に用いられる導電剤やバインダーなどの他の成分も必要に応じて含有してもよい。
活性炭の原料としては、例えばおが屑、椰子殻、フェノール樹脂、各種の耐熱性樹脂、ピッチなどが挙げられる。また、耐熱性樹脂としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ビスマレイミドトリアジン、アラミド、フッ素樹脂、ポリフェニレン、ポリフェニレンスルフィドなどが挙げられる。
活性炭の原料としては、例えばおが屑、椰子殻、フェノール樹脂、各種の耐熱性樹脂、ピッチなどが挙げられる。また、耐熱性樹脂としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ビスマレイミドトリアジン、アラミド、フッ素樹脂、ポリフェニレン、ポリフェニレンスルフィドなどが挙げられる。
(実施例1)
活性炭5gをDMF500ml中に分散させ、さらにイミダゾール3.8mmol及びシリル化剤としてトリス(ジメチルアミノ)シリルクロライドを6.3mmolを加えて、40℃で24時間攪拌した。その後、ろ過し、DMF(50ml)で洗浄した後、イオン交換水(100ml)で合計3回洗浄し、減圧下120℃で48時間乾燥した。得られた(水酸基をシリル基1でシリル化した)活性炭(活物質)、アセチレンブラック(導電助剤)、並びにカルボキシメチルセルロース及びスチレンブタジエンゴム(バインダー)を用いて水を溶媒としたスラリーを調製した。前記スラリー中の各材料の含有量は、水70wt.%、活性炭が20wt.%、アセチレンブラックが5wt.%、カルボキシメチルセルロースが3wt.%及びスチレンブタジエンゴムが2wt.%である。このスラリーをアルミ箔上に塗布して乾燥させてシート状の分極性電極を作製した(分極性電極の膜厚は10μm)。電極及びセルロースからなるセパレータをそれぞれカットした後に交互に積層し、引出し端子を超音波溶接により取り付けた。作成した素子を約180℃で真空乾燥した後、電極サイズにカットした封止材に素子を入れて電解液を注入し、シール材を用いて封止材を熱融着し、約20mm×26mmのサイズのセルを作製した(図1)。電解液には、塩濃度1.5mol/Lの四級アンモニウムテトラフルオロボレート塩のプロピレンカーボネート溶液を用いた。また、封止材としてはナイロン/アルミ/CPP(無延伸ポリプロピレン)のラミネートフィルムを用いた。
活性炭5gをDMF500ml中に分散させ、さらにイミダゾール3.8mmol及びシリル化剤としてトリス(ジメチルアミノ)シリルクロライドを6.3mmolを加えて、40℃で24時間攪拌した。その後、ろ過し、DMF(50ml)で洗浄した後、イオン交換水(100ml)で合計3回洗浄し、減圧下120℃で48時間乾燥した。得られた(水酸基をシリル基1でシリル化した)活性炭(活物質)、アセチレンブラック(導電助剤)、並びにカルボキシメチルセルロース及びスチレンブタジエンゴム(バインダー)を用いて水を溶媒としたスラリーを調製した。前記スラリー中の各材料の含有量は、水70wt.%、活性炭が20wt.%、アセチレンブラックが5wt.%、カルボキシメチルセルロースが3wt.%及びスチレンブタジエンゴムが2wt.%である。このスラリーをアルミ箔上に塗布して乾燥させてシート状の分極性電極を作製した(分極性電極の膜厚は10μm)。電極及びセルロースからなるセパレータをそれぞれカットした後に交互に積層し、引出し端子を超音波溶接により取り付けた。作成した素子を約180℃で真空乾燥した後、電極サイズにカットした封止材に素子を入れて電解液を注入し、シール材を用いて封止材を熱融着し、約20mm×26mmのサイズのセルを作製した(図1)。電解液には、塩濃度1.5mol/Lの四級アンモニウムテトラフルオロボレート塩のプロピレンカーボネート溶液を用いた。また、封止材としてはナイロン/アルミ/CPP(無延伸ポリプロピレン)のラミネートフィルムを用いた。
(実施例2)
トリス(ジメチルアミノ)シリルクロライドの代わりにトリス(メチルエチルアミノ)シリルクロライドを用いて活性炭の水酸基をシリル基2でシリル化した以外は、実施例1と同様の方法で電気化学キャパシタを作製した。
トリス(ジメチルアミノ)シリルクロライドの代わりにトリス(メチルエチルアミノ)シリルクロライドを用いて活性炭の水酸基をシリル基2でシリル化した以外は、実施例1と同様の方法で電気化学キャパシタを作製した。
(実施例3)
トリス(ジメチルアミノ)シリルクロライドの代わりにトリス(ジエチルアミノ)シリルクロライドを用いて活性炭の水酸基をシリル基3でシリル化した以外は、実施例1と同様の方法で電気化学キャパシタを作製した。
トリス(ジメチルアミノ)シリルクロライドの代わりにトリス(ジエチルアミノ)シリルクロライドを用いて活性炭の水酸基をシリル基3でシリル化した以外は、実施例1と同様の方法で電気化学キャパシタを作製した。
(実施例4)
トリス(ジメチルアミノ)シリルクロライドの代わりにトリス(メチルn−プロピルアミノ)シリルクロライドを用いて活性炭の水酸基をシリル基4でシリル化した以外は、実施例1と同様の方法で電気化学キャパシタを作製した。
トリス(ジメチルアミノ)シリルクロライドの代わりにトリス(メチルn−プロピルアミノ)シリルクロライドを用いて活性炭の水酸基をシリル基4でシリル化した以外は、実施例1と同様の方法で電気化学キャパシタを作製した。
(実施例5)
トリス(ジメチルアミノ)シリルクロライドの代わりにトリス(メチルイソプロピルアミノ)シリルクロライドを用いて活性炭の水酸基をシリル基5でシリル化した以外は、実施例1と同様の方法で電気化学キャパシタを作製した。
トリス(ジメチルアミノ)シリルクロライドの代わりにトリス(メチルイソプロピルアミノ)シリルクロライドを用いて活性炭の水酸基をシリル基5でシリル化した以外は、実施例1と同様の方法で電気化学キャパシタを作製した。
(実施例6)
トリス(ジメチルアミノ)シリルクロライドの代わりにトリス(エチルn−プロピルアミノ)シリルクロライドを用いて活性炭の水酸基をシリル基6でシリル化した以外は、実施例1と同様の方法で電気化学キャパシタを作製した。
トリス(ジメチルアミノ)シリルクロライドの代わりにトリス(エチルn−プロピルアミノ)シリルクロライドを用いて活性炭の水酸基をシリル基6でシリル化した以外は、実施例1と同様の方法で電気化学キャパシタを作製した。
(実施例7)
トリス(ジメチルアミノ)シリルクロライドの代わりにトリス(エチルイソプロピルアミノ)シリルクロライドを用いて活性炭の水酸基をシリル基7でシリル化した以外は、実施例1と同様の方法で電気化学キャパシタを作製した。
トリス(ジメチルアミノ)シリルクロライドの代わりにトリス(エチルイソプロピルアミノ)シリルクロライドを用いて活性炭の水酸基をシリル基7でシリル化した以外は、実施例1と同様の方法で電気化学キャパシタを作製した。
(実施例8)
トリス(ジメチルアミノ)シリルクロライドの代わりにトリス(ジn−プロピルアミノ)シリルクロライドを用いて活性炭の水酸基をシリル基8でシリル化した以外は、実施例1と同様の方法で電気化学キャパシタを作製した。
トリス(ジメチルアミノ)シリルクロライドの代わりにトリス(ジn−プロピルアミノ)シリルクロライドを用いて活性炭の水酸基をシリル基8でシリル化した以外は、実施例1と同様の方法で電気化学キャパシタを作製した。
(実施例9)
トリス(ジメチルアミノ)シリルクロライドの代わりにトリス(ジイソプロピルアミノ)シリルクロライドを用いて活性炭の水酸基をシリル基9でシリル化した以外は、実施例1と同様の方法で電気化学キャパシタを作製した。
トリス(ジメチルアミノ)シリルクロライドの代わりにトリス(ジイソプロピルアミノ)シリルクロライドを用いて活性炭の水酸基をシリル基9でシリル化した以外は、実施例1と同様の方法で電気化学キャパシタを作製した。
(比較例1)
活性炭の水酸基をシリル化していないこと以外は、実施例1と同様の方法で電気化学キャパシタを作製した。
活性炭の水酸基をシリル化していないこと以外は、実施例1と同様の方法で電気化学キャパシタを作製した。
(静電容量、内部抵抗及びキャパシタ容器厚さの測定)
静電容量は以下の方法で測定した。キャパシタを室温で30分間放電させた後、充放電試験機(東洋システム株式会社製TOSCAT−3200)に接続し、2.5Vまで100mAで10分間充電した後、10mAで0Vまで放電させ、その放電カーブの傾きより静電容量を算出した。
内部抵抗は以下の方法で測定した。キャパシタを室温で30分間放電させた後、電気化学測定システム(北斗電工株式会社製HZ−5000)を用い、キャパシタの周波数特性を測定し、1kHzにおけるインピーダンスを内部抵抗とした。
キャパシタ容器の厚さはノギスにより計測した。
実施例1〜9及び比較例1で作製した電気化学キャパシタの初期特性として、作製後の静電容量、内部抵抗及びキャパシタ容器厚さ(T1)を測定した。次いで、60℃2.5Vで連続充電を500時間行った後、室温まで放冷した。さらに0Vまで放電した後、静電容量、内部抵抗及びキャパシタ容器厚さ(T2)を測定した。結果を下記表1にまとめる。
上記結果から、一般には、水酸基をシリル化することによって、静電容量が低くなり、内部抵抗が増加した。
活物質の水酸基をシリル化した実施例1〜9の電気化学キャパシタでは、連続充電後の静電容量の低下率、抵抗の増加率、及びキャパシタ容器厚さの増加率は、活物質の水酸基をシリル化していない比較例1と比べて減少した。特に、実施例1の電気化学キャパシタにおいて良好な結果が得られた。これは、シリル基に含まれるアミノ基のアルキル鎖が短く立体障害が小さいために、水分の分解等で発生するプロトンを捕捉し易いためと考えられる。また、シリル基が比較的嵩高い実施例9の電気化学キャパシタにおいても、連続充電後の静電容量の低下率、抵抗の増加率、及びキャパシタ容器厚さの増加率は、比較例1と比べて良好な値であった。
静電容量は以下の方法で測定した。キャパシタを室温で30分間放電させた後、充放電試験機(東洋システム株式会社製TOSCAT−3200)に接続し、2.5Vまで100mAで10分間充電した後、10mAで0Vまで放電させ、その放電カーブの傾きより静電容量を算出した。
内部抵抗は以下の方法で測定した。キャパシタを室温で30分間放電させた後、電気化学測定システム(北斗電工株式会社製HZ−5000)を用い、キャパシタの周波数特性を測定し、1kHzにおけるインピーダンスを内部抵抗とした。
キャパシタ容器の厚さはノギスにより計測した。
実施例1〜9及び比較例1で作製した電気化学キャパシタの初期特性として、作製後の静電容量、内部抵抗及びキャパシタ容器厚さ(T1)を測定した。次いで、60℃2.5Vで連続充電を500時間行った後、室温まで放冷した。さらに0Vまで放電した後、静電容量、内部抵抗及びキャパシタ容器厚さ(T2)を測定した。結果を下記表1にまとめる。
上記結果から、一般には、水酸基をシリル化することによって、静電容量が低くなり、内部抵抗が増加した。
活物質の水酸基をシリル化した実施例1〜9の電気化学キャパシタでは、連続充電後の静電容量の低下率、抵抗の増加率、及びキャパシタ容器厚さの増加率は、活物質の水酸基をシリル化していない比較例1と比べて減少した。特に、実施例1の電気化学キャパシタにおいて良好な結果が得られた。これは、シリル基に含まれるアミノ基のアルキル鎖が短く立体障害が小さいために、水分の分解等で発生するプロトンを捕捉し易いためと考えられる。また、シリル基が比較的嵩高い実施例9の電気化学キャパシタにおいても、連続充電後の静電容量の低下率、抵抗の増加率、及びキャパシタ容器厚さの増加率は、比較例1と比べて良好な値であった。
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WO2014104169A1 (ja) * | 2012-12-26 | 2014-07-03 | 日本ゼオン株式会社 | 変性共役ジエン系ゴムの製造方法 |
JP2020186193A (ja) * | 2019-05-13 | 2020-11-19 | 大陽日酸株式会社 | ハロゲン化アミノシラン化合物、薄膜形成用組成物およびシリコン含有薄膜 |
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