JP2014087513A - 放射線画像撮影システム - Google Patents

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Abstract

【課題】放射線画像撮影装置に放射線を照射する放射線発生装置が替わっても、放射線画像撮影装置で放射線の照射開始を的確に検出して放射線画像撮影を的確に行うことが可能な放射線画像撮影システムを提供する。
【解決手段】放射線画像撮影システム50は、放射線画像撮影装置1と、放射線画像撮影装置1に放射線を照射する放射線発生装置55とを備え、さらに、放射線画像撮影に先立って、放射線発生装置55から放射線画像撮影装置1に放射線を照射して放射線画像撮影装置で読み出されるリークデータ等に基づいて、放射線画像撮影装置1の制御手段が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚を、放射線発生装置55ごとに算出する算出手段を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、放射線画像撮影システムに係り、主に撮影室内で放射線画像撮影装置を用いて撮影を行う放射線画像撮影システムに関する。
照射されたX線等の放射線の線量に応じて検出素子で電荷を発生させて電気信号に変換するいわゆる直接型の放射線画像撮影装置や、照射された放射線をシンチレーター等で可視光等の他の波長の電磁波に変換した後、変換され照射された電磁波のエネルギーに応じてフォトダイオード等の光電変換素子で電荷を発生させて電気信号(すなわち画像データ)に変換するいわゆる間接型の放射線画像撮影装置が種々開発されている。なお、本発明では、直接型の放射線画像撮影装置における検出素子や、間接型の放射線画像撮影装置における光電変換素子を、あわせて放射線検出素子という。
このタイプの放射線画像撮影装置はFPD(Flat Panel Detector)として知られており、従来は支持台(或いはブッキー装置)と一体的に形成された、いわゆる専用機型として構成されていたが(例えば特許文献1参照)、近年、放射線検出素子等をハウジングに収納し、持ち運び可能とした可搬型の放射線画像撮影装置が開発され、実用化されている(例えば特許文献2、3参照)。
このような放射線画像撮影装置では、例えば後述する図2や図3等に示すように、通常、複数の放射線検出素子7が、検出部P上に二次元状(マトリクス状)に配列され、各放射線検出素子7にそれぞれ薄膜トランジスター(Thin Film Transistor。以下、TFTという。)8で形成されたスイッチ手段が接続されて構成される。
そして、通常、放射線画像撮影は、放射線発生装置55(後述する図4参照)から放射線画像撮影装置に対して、被験者の身体等の所定の撮影部位(すなわち胸部正面や腰椎側面等)を介した状態で放射線が照射されて行われる。
その際、放射線画像撮影装置の走査駆動手段15のゲートドライバー15bから走査線5の各ラインL1〜Lxにオフ電圧を印加して全てのTFT8をオフ状態とした状態(後述する電荷蓄積状態)で放射線を照射することで、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷が、各放射線検出素子7内に的確に蓄積される。
そして、放射線画像撮影の後、ゲートドライバー15bから走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加して、各TFT8を順次オン状態として、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生して蓄積された電荷を各信号線6に順次放出させて、各読み出し回路17で画像データDとしてそれぞれ読み出す画像データDの読み出し処理を行うように構成される。
ところで、上記のように、放射線画像撮影が的確に行われるためには、放射線画像撮影装置に放射線が照射される際に、ゲートドライバー15bから走査線5の各ラインL1〜Lxに適切にオフ電圧が印加され、スイッチ手段である各TFT8がオフ状態になることが必要となる。
そこで、例えば従来の専用機型の放射線画像撮影装置等では、放射線発生装置との間でインターフェースを構築し、互いに信号等をやり取りして、放射線画像撮影装置が走査線5の各ラインL1〜Lxにオフ電圧を印加して電荷蓄積状態になったことを確認したうえで、放射線発生装置から放射線を照射させるように構成される場合が多い。
しかし、例えば、放射線画像撮影装置と放射線発生装置との製造元が異なっているような場合には、両者の間でインターフェースを構築することが必ずしも容易でない場合があり、或いは、インターフェースを構築できない場合もある。
このように放射線画像撮影装置と放射線発生装置との間でインターフェースが構築されない場合、放射線画像撮影装置側から見ると、放射線発生装置からどのようなタイミングで放射線が照射されるかが分からない。そのため、放射線発生装置から放射線が照射されたことを、放射線画像撮影装置が自ら検出しなければならなくなる。
そこで、近年、このような放射線画像撮影装置と放射線発生装置との間のインターフェースによらずに、放射線が照射されたことを自ら検出するように構成された放射線画像撮影装置が種々開発されている。
例えば、特許文献4や特許文献5に記載の発明では、放射線画像撮影装置に対する放射線の照射が開始されて各放射線検出素子7内に電荷が発生すると、各放射線検出素子7から、各放射線検出素子7に接続されているバイアス線9(後述する図2や図3参照)に電荷が流れ出してバイアス線9を流れる電流が増加することを利用して、バイアス線9に電流検出手段を設けてバイアス線9内を流れる電流の電流値を検出し、その電流値に基づいて放射線の照射の開始等を検出することが提案されている。
しかしながら、本発明者らの研究で、上記の方法では、バイアス線9が各放射線検出素子7の電極に接続されているため、電流検出手段で発生したノイズがバイアス線9を介して各放射線検出素子7に伝わり、放射線検出素子7から読み出される画像データDにノイズとして重畳される場合があるなど、必ずしも解決が容易でない問題があることが分かってきた。
そして、本発明者らは、放射線画像撮影装置自体で放射線が照射されたことを検出する別の方法について種々研究を重ねた結果、放射線画像撮影装置自体で放射線の照射が開始されたことを的確に検出することが可能ないくつかの方法を見出すことができた(例えば特許文献6、7参照)。
特開平9−73144号公報 特開2006−058124号公報 特開平6−342099号公報 米国特許第7211803号明細書 特開2009−219538号公報 国際公開第2011/135917号パンフレット 国際公開第2011/152093号パンフレット 特開2012−143472号公報
ところで、特許文献8に記載されているように、上記のように放射線画像撮影装置自体で放射線の照射開始を検出するように構成する場合、放射線画像撮影装置自体の各処理に関するパラメータを適切に調整して、放射線の照射開始の検出感度を、放射線の照射が開始されたことを的確に検出することができる程度に調整することが必要になる。そして、検出感度は、放射線画像撮影装置に放射線を照射する放射線発生装置側の放射線の照射特性にも依存して変わり得ることが分かっている。
また、本発明者らの研究では、上記のように検出感度を調整しても、例えば、ある被写体(すなわち患者等)に対してある撮影室で例えば胸部正面の放射線画像撮影を行った場合には、放射線画像撮影装置が放射線発生装置からの放射線の照射開始を検出して的確に撮影を行うことができるのに、同じ被写体を別の撮影室に移動させて当該別の撮影室で同じく胸部正面の放射線画像撮影を行おうとしても、放射線画像撮影装置が放射線の照射開始を的確に検出できない場合があることが分かってきた。
また、同じ撮影室でも、放射線画像撮影装置に放射線を照射する放射線発生装置を変えると、上記と同様に、ある放射線発生装置から放射線を照射した場合には放射線の照射開始を的確に検出できるものの、他の放射線発生装置から放射線を照射した場合には放射線画像撮影装置が放射線の照射開始を検出できないといった事態が生じる場合がある。
さらに、例えば、放射線画像撮影装置を例えば患者が入院している病室や患者の自宅等に持って行き、そこでポータブルの放射線発生装置から放射線を照射して放射線画像撮影を行うような場合、病院等の撮影室では放射線画像撮影装置が放射線の照射開始を検出できたのに、同じ放射線画像撮影装置を病室等に持ち込んで撮影を行うと、放射線画像撮影装置が放射線の照射開始を検出できず、放射線画像撮影を適切に行えない場合があることも分かってきた。
このように、本発明者らの研究では、放射線発生装置によっては、同じ被写体に放射線を照射しても放射線画像撮影装置で放射線の照射開始を検出できる放射線発生装置もあれば、放射線画像撮影装置で検出できない放射線発生装置もあることが分かってきた。
これらの場合、放射線発生装置から被写体を介して放射線画像撮影装置に放射線を照射したにもかかわらず、上記のように放射線画像撮影装置が放射線の照射開始を検出できないと、前述した電荷蓄積状態や画像データDの読み出し処理に移行することができない。そのため、放射線画像撮影装置の検出感度を上げる等したうえで、改めて被写体に放射線を照射して再撮影を行うことが必要になる。
しかし、これでは最初の放射線の照射が無駄に行われたことになり、被写体の被曝線量が不要に増大するため、被写体に不要な負担を強いることになる。また、放射線技師等の操作者にとって放射線画像撮影装置や放射線発生装置等を含む放射線画像撮影システムの使い勝手が悪くなるなど、放射線画像撮影システムの操作性が悪化してしまう等の問題が生じることになる。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、放射線画像撮影装置に放射線を照射する放射線発生装置が替わっても、放射線画像撮影装置で放射線の照射開始を的確に検出して放射線画像撮影を的確に行うことが可能な放射線画像撮影システムを提供することを目的とする。
また、本発明は、放射線発生装置が替わる等の撮影条件が変更されても、それに応じて放射線画像撮影装置の状態を的確に切り替えて放射線画像撮影を的確に行うことが可能な放射線画像撮影システムを提供することを目的とする。
一方、本発明者らの研究では、撮影室内の機器等が発する電波や、放射線画像撮影に用いられる装置から放射線画像撮影装置に加わる衝撃や振動等や、患者が放射線画像撮影装置にぶつかること等で生じる衝撃や振動等のために、実際には放射線画像撮影装置に放射線が照射されていないにもかかわらず、放射線画像撮影装置がそれらの影響で放射線の照射が開始されたと誤検出してしまう場合があることも分かってきた。
このような誤検出が生じると、放射線技師等の操作者は、放射線画像撮影装置が誤検出後に行っている電荷蓄積状態への移行や画像データDの読み出し処理等の各処理を停止させ、改めて放射線の照射開始の検出状態に戻した後、再度、放射線画像撮影を行わなければならなくなる。
そのため、操作者は、誤検出が生じると上記の面倒な処理を行わなければならなくなるとともに、放射線画像撮影を行うタイミングが遅れてしまい、放射線画像撮影をスムーズに行うことができなくなる。また、被写体である患者も上記の処理が終わるまで待っていなければならず、放射線画像撮影システムの使い勝手が悪くなる。
そこで、本発明は、放射線画像撮影装置を用いて放射線画像撮影を行う際に撮影を可能とするための条件を予め見出しておき、放射線画像撮影装置を使用する環境にあわせて放射線画像撮影装置を適切に調整して放射線画像撮影を行うことが可能な放射線画像撮影システムを提供することをも目的とする。
前記の問題を解決するために、本発明の放射線画像撮影システムは、
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、
二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
前記各走査線に印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替える走査駆動手段と、
前記各走査線に接続され、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を前記信号線に放出させるスイッチ手段と、
前記放射線検出素子から放出された前記電荷を画像データとして読み出す読み出し回路と、
放射線の照射が開始される前から少なくとも前記走査駆動手段と前記読み出し回路とを制御して、前記読み出し回路で読み出されたデータが閾値以上になった時点で放射線の照射が開始されたことを検出する制御手段と、
を備える放射線画像撮影装置と、
前記放射線画像撮影装置に放射線を照射する放射線発生装置と、
を備え、
さらに、放射線画像撮影に先立って、前記放射線発生装置から前記放射線画像撮影装置に放射線を照射して前記放射線画像撮影装置で読み出される前記データに基づいて、前記放射線画像撮影装置の前記制御手段が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚を、前記放射線発生装置ごとに算出する算出手段を備えることを特徴とする。
また、本発明の放射線画像撮影システムは、
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、
二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
前記各走査線に印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替える走査駆動手段と、
前記各走査線に接続され、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を前記信号線に放出させるスイッチ手段と、
前記放射線検出素子から放出された前記電荷を画像データとして読み出す読み出し回路と、
放射線の照射が開始される前から少なくとも前記走査駆動手段と前記読み出し回路とを制御して、前記読み出し回路で読み出されたデータが閾値以上になった時点で放射線の照射が開始されたことを検出する制御手段と、
を備える放射線画像撮影装置と、
前記放射線画像撮影装置に放射線を照射する放射線発生装置と、
少なくとも前記放射線画像撮影装置と前記放射線発生装置とを制御するコンソールと、
を備え、
前記放射線画像撮影装置の前記制御手段は、前記放射線の照射開始の検出処理の感度を変化させることができるように構成されており、
前記コンソールは、前記放射線の照射開始の検出処理の感度を切り替えさせる信号を前記放射線画像撮影装置に送信することを特徴とする。
さらに、本発明の放射線画像撮影システムは、
互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、
二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
前記各走査線に印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替える走査駆動手段と、
前記各走査線に接続され、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を前記信号線に放出させるスイッチ手段と、
前記放射線検出素子から放出された前記電荷を画像データとして読み出す読み出し回路と、
放射線の照射が開始される前から少なくとも前記走査駆動手段と前記読み出し回路とを制御して、前記読み出し回路で読み出されたデータが閾値以上になった時点で放射線の照射が開始されたことを検出する制御手段と、
を備える放射線画像撮影装置と、
前記放射線画像撮影装置に放射線を照射する放射線発生装置と、
を備え、
前記放射線画像撮影装置の前記制御手段は、少なくとも前記閾値を変化させることにより放射線の照射開始の検出処理の感度を変化させることができるように構成されており、
さらに、放射線画像撮影に先立って、前記放射線発生装置から前記放射線画像撮影装置に放射線を照射しない状態で前記放射線画像撮影装置で読み出される前記データに基づいて、前記検出処理の感度ごとに、前記放射線画像撮影装置の前記制御手段が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能か否かを判断し当該感度を通知する判断手段を備えることを特徴とする。
本発明のような方式の放射線画像撮影システムによれば、放射線発生装置ごとに放射線の照射特性が異なっていても、その放射線発生装置を用いて放射線画像撮影を行う際に撮影を可能とするための条件、すなわち放射線画像撮影装置の制御手段が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚を、予め見出しておくことが可能となる。
そして、放射線画像撮影装置に放射線を照射する放射線発生装置が替わっても、見出した条件に基づいて被写体の実際の体厚が放射線画像撮影装置1の制御手段が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚以下であるか否かを的確に判断して、放射線画像撮影装置で放射線の照射開始を的確に検出して放射線画像撮影を的確に行うことが可能となる。
そのため、放射線発生装置から被写体に放射線を照射しても放射線画像撮影装置に到達する放射線の線量率が小さくなり、放射線画像撮影装置の制御手段が放射線の照射開始を検出できず、改めて被写体に放射線を照射して再撮影を行うことで被写体の被曝線量が増大してしまう等の問題が生じることを確実に防止することが可能になる。
また、コンソールが放射線画像撮影装置に信号を送信して、当該放射線画像撮影装置の制御手段における放射線の照射開始の検出処理の感度を切り替えることができるように構成されていれば、放射線発生装置が替わる等の撮影条件が変更されても、コンソールが、変更後の撮影条件に適した感度を見つけ出し、検出処理の感度を当該感度に切り替えさせて、放射線画像撮影装置の状態を的確に切り替えることが可能となる。そのため、放射線画像撮影装置は、切り替えた感度で検出処理を行って放射線の照射が開始されたことを的確に検出することが可能となり、放射線画像撮影を的確に行うことが可能となる。
一方、放射線画像撮影に先立って、判断手段で、放射線画像撮影装置の制御手段における検出処理の感度ごとに放射線の照射が開始されたことを検出することが可能か否かを判断するように構成すれば、撮影室内の機器等が発する電波や、放射線画像撮影に用いられる機器から放射線画像撮影装置に加わる衝撃等が、放射線画像撮影装置の制御手段における放射線の照射開始の検出処理にどの程度の影響を与えるかを予め見出し、放射線の照射開始を的確に検出することが可能な検出処理の感度を予め見出しておくことが可能となる。
そして、そのような感度の情報に基づいて、放射線技師等の操作者や判断手段自体が放射線画像撮影装置の制御手段における検出手段の感度を上記の感度に切り替えされることにより、放射線画像撮影装置を使用する環境にあわせて放射線画像撮影装置を適切に調整し、放射線の照射開始を的確に検出して放射線画像撮影を的確に行うことが可能となる。
そのため、放射線画像撮影装置で放射線の照射開始の誤検出が生じて撮影をやり直したり放射線画像撮影をスムーズに行うことができなくなったりすることがなくなり、操作者や被写体である患者にとって、放射線画像撮影システムの使い勝手が良くなり、放射線画像撮影システムの利便性を向上させることが可能となる。
放射線画像撮影装置の断面図である。 放射線画像撮影装置の基板の構成を示す平面図である。 放射線画像撮影装置の等価回路を表すブロック図である。 撮影室等に構築された本実施形態に係る放射線画像撮影システムの構成例を示す図である。 回診車上に構築された本実施形態に係る放射線画像撮影システムの構成例を示す図である。 各TFTを介して各放射線検出素子からリークした各電荷がリークデータとして読み出されることを説明する図である。 読み出されるリークデータの時間的推移の例を表すグラフである。 リークデータに基づいて放射線の照射開始を検出する場合に各走査線にオン電圧を印加するタイミング等を説明するタイミングチャートである。 放射線画像撮影装置に照射野が絞られた放射線が照射された場合を表す図である。 各読み出し回路で読み出されたリークデータの読み出しICごとの平均値の時間的推移の例を表すグラフである。 移動平均の算出の仕方を説明する図である。 読み出しICごとに算出される各差分の時間的推移の例を表すグラフである。 算出された差分の最大値の時間的推移の例を表すグラフである。 図11に示した仕方とは別の移動平均の算出の仕方を説明する図である。 グリッドを装着した放射線画像撮影装置の外観を示す斜視図である。 第1の実施形態における管電圧と最大限の被写体の体厚との関係の一例を示すグラフである。 放射線が直接照射される領域(すなわち直接照射領域)を説明する図である。 管電圧と最小限の面積との関係の一例を示すグラフである。 第2の実施形態において判断処理を検出処理の感度ごとに複数回ずつ行った結果を表す図である。 第3の実施形態の積算法において積算する差分の上限値と下限値を説明する図である。 図20においてノイズと見なすことができる差分の数値範囲を説明する図である。
以下、本発明に係る放射線画像撮影システムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下では、放射線画像撮影システムに用いられる放射線画像撮影装置として、シンチレーター等を備え、放射された放射線を可視光等の他の波長の電磁波に変換して電気信号を得るいわゆる間接型の放射線画像撮影装置について説明するが、本発明は、シンチレーター等を介さずに放射線を放射線検出素子で直接検出する、いわゆる直接型の放射線画像撮影装置に対しても適用することができる。
また、放射線画像撮影装置がいわゆる可搬型である場合について説明するが、支持台等と一体的に形成された、いわゆる専用機型の放射線画像撮影装置に対しても、本発明を適用することが可能である。
[放射線画像撮影装置]
まず、本実施形態に係る放射線画像撮影システムで用いられる放射線画像撮影装置の構成等について説明する。図1は、本実施形態に係る放射線画像撮影装置の断面図であり、図2は、放射線画像撮影装置の基板の構成を示す平面図である。
放射線画像撮影装置1は、図1に示すように、放射線が照射される側の面である放射線入射面Rを有するカーボン板等で形成された筐体2内に、シンチレーター3や基板4等で構成されるセンサーパネルSPが収納されて構成されている。また、図1では図示を省略するが、本実施形態では、筐体2には、画像データD等を無線方式で後述するコンソール58(後述する図4や図5参照)に転送する無線方式の通信手段であるアンテナ装置41(後述する図3参照)が設けられている。
また、図1では図示を省略するが、本実施形態では、放射線画像撮影装置1は、筐体2の側面等にコネクターを備えており、コネクターを介して有線方式で信号やデータ等をコンソール58等に転送することができるようになっている。そのため、このコネクターも放射線画像撮影装置1の有線方式の通信手段として機能するようになっている。
図1に示すように、筐体2内には、基台31が配置されており、基台31の放射線入射面R側(以下、簡単に上面側という。)に図示しない鉛の薄板等を介して基板4が設けられている。そして、基板4の上面側には、照射された放射線を可視光等の光に変換するシンチレーター3がシンチレーター基板34上に設けられ、シンチレーター3が基板4側に対向する状態で設けられている。
また、基台31の下面側には、電子部品32等が配設されたPCB基板33やバッテリー24等が取り付けられている。このようにして、基台31や基板4等でセンサーパネルSPが形成されている。また、本実施形態では、センサーパネルSPと筐体2の側面との間に緩衝材35が設けられている。
本実施形態では、基板4はガラス基板で構成されており、図2に示すように、基板4の上面(すなわちシンチレーター3に対向する面)4a上には、複数の走査線5と複数の信号線6とが互いに交差するように配設されている。また、基板4の面4a上の複数の走査線5と複数の信号線6により区画された各小領域rには、放射線検出素子7がそれぞれ設けられている。
このように、走査線5と信号線6で区画された各小領域rに二次元状(マトリクス状)に配列された複数の放射線検出素子7が設けられた小領域rの全体、すなわち図2に一点鎖線で示される領域が検出部Pとされている。本実施形態では、放射線検出素子7はフォトダイオードが用いられているが、例えばフォトトランジスター等を用いることも可能である。
ここで、放射線画像撮影装置1の回路構成について説明する。図3は本実施形態に係る放射線画像撮影装置1の等価回路を表すブロック図である。
各放射線検出素子7の第1電極7aには、スイッチ手段であるTFT8のソース電極8s(図3の「S」参照)が接続されている。また、TFT8のドレイン電極8dおよびゲート電極8g(図3の「D」および「G」参照)は信号線6および走査線5にそれぞれ接続されている。
そして、TFT8は、後述する走査駆動手段15から走査線5を介してゲート電極8gにオン電圧が印加されるとオン状態となり、ソース電極8sやドレイン電極8dを介して放射線検出素子7内に蓄積されている電荷を信号線6に放出させる。また、走査線5を介してゲート電極8gにオフ電圧が印加されるとオフ状態となり、放射線検出素子7から信号線6への電荷の放出を停止して、放射線検出素子7内に電荷を蓄積させるようになっている。
また、本実施形態では、図2や図3に示すように、基板4上で1列の各放射線検出素子7ごとに1本の割合で各放射線検出素子7の第2電極7bにそれぞれバイアス線9が接続されており、各バイアス線9は基板4の検出部Pの外側の位置で結線10に結束されている。
そして、結線10は入出力端子11(パッドともいう。図2参照)を介してバイアス電源14(図3参照)に接続されており、バイアス電源14から結線10や各バイアス線9を介して各放射線検出素子7の第2電極7bに逆バイアス電圧が印加されるようになっている。
一方、各走査線5は、それぞれ入出力端子11を介して走査駆動手段15のゲートドライバー15bにそれぞれ接続されている。走査駆動手段15では、配線15cを介して電源回路15aからゲートドライバー15bにオン電圧とオフ電圧が供給されるようになっており、ゲートドライバー15bで走査線5の各ラインL1〜Lxに印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間でそれぞれ切り替えるようになっている。
また、各信号線6は、各入出力端子11を介して読み出しIC16内に内蔵された各読み出し回路17にそれぞれ接続されている。本実施形態では、読み出し回路17は、主に増幅回路18と相関二重サンプリング回路19等で構成されている。また、本実施形態では、後述する図6に示すように、増幅回路18は、オペアンプ18aとコンデンサー18b等を並列に接続されたチャージアンプ回路で構成されており、オペアンプ18aの出力側から、コンデンサー18bに蓄積された電荷量に応じた電圧値が出力されるようになっている。
図3に示すように、読み出しIC16内には、さらに、アナログマルチプレクサー21と、A/D変換器20とが設けられている。なお、図3では、相関二重サンプリング回路19はCDSと表記されている。
各放射線検出素子7からの画像データDの読み出し処理の際には、走査駆動手段15のゲートドライバー15bからある走査線5にオン電圧が印加されて各TFT8がオン状態とされると、これらの各TFT8を介して各放射線検出素子7内から信号線6に電荷がそれぞれ放出される。そして、前述したように、各読み出し回路17の増幅回路18では、放射線検出素子7からコンデンサー18b(後述する図6参照)に流れ込んだ電荷量に応じた電圧値がオペアンプ18aから相関二重サンプリング回路19(図3参照)側に出力される。
相関二重サンプリング回路19は、各放射線検出素子7から増幅回路18に電荷が流れ込む前後の増幅回路18からの出力値の増加分をアナログ値の画像データDとして下流側に出力する。そして、出力された各画像データDがアナログマルチプレクサー21を介してA/D変換器20に順次送信され、A/D変換器20でデジタル値の画像データDに順次変換されて記憶手段23に出力されて順次保存される。このようにして画像データDの読み出し処理が行われるようになっている。
制御手段22は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力インターフェース等がバスに接続されたコンピューターや、FPGA(Field Programmable Gate Array)等により構成されている。専用の制御回路で構成されていてもよい。
そして、制御手段22は、走査駆動手段15や読み出し回路17を制御して上記のように画像データDの読み出し処理を行わせるなど、放射線画像撮影装置1の各機能部の動作等を制御するようになっている。
また、図3に示すように、制御手段22には、SRAM(Static RAM)やSDRAM(Synchronous DRAM)等で構成される記憶手段23が接続されている。また、本実施形態では、制御手段22には、前述したアンテナ装置41が接続されており、さらに、走査駆動手段15や読み出し回路17、記憶手段23、バイアス電源14等の各機能部に必要な電力を供給するバッテリー24が接続されている。
なお、放射線画像撮影時の放射線画像撮影装置1における各処理等については、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50の構成等について説明した後で説明する。
[放射線画像撮影システム]
次に、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50の構成等について説明する。図4は、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50の構成例を示す図である。図4では、放射線画像撮影システム50が撮影室R1内等に構築されている場合が示されている。
撮影室R1には、ブッキー装置51が設置されており、ブッキー装置51は、そのカセッテ保持部(カセッテホルダーともいう。)51aに上記の放射線画像撮影装置1を装填して用いることができるようになっている。なお、図4では、ブッキー装置51として、立位撮影用のブッキー装置51Aと臥位撮影用のブッキー装置51Bが設置されている場合が示されているが、例えば一方のブッキー装置51のみが設けられていてもよい。
図4に示すように、撮影室R1には、被写体を介してブッキー装置51に装填された放射線画像撮影装置1に放射線を照射する放射線発生装置55の放射線源52Aが少なくとも1つ設けられている。本実施形態では、放射線源52Aの位置を移動させたり、放射線の照射方向を変えることで、立位撮影用のブッキー装置51Aと臥位撮影用のブッキー装置51Bのいずれにも放射線を照射することができるようになっている。
撮影室R1には、撮影室R1内の各装置等や撮影室R1外の各装置等の間の通信等を中継するための中継器(基地局等ともいう。)54が設けられている。なお、本実施形態では、中継器54には、放射線画像撮影装置1が無線方式で画像データDや信号等の送受信を行うことができるように、アクセスポイント53が設けられている。
また、中継器54は、放射線発生装置55やコンソール58と接続されており、中継器54には、放射線画像撮影装置1やコンソール58等から放射線発生装置55に送信するLAN(Local Area Network)通信用の信号等を放射線発生装置55用の信号等に変換し、また、その逆の変換も行う図示しない変換器が内蔵されている。
前室(操作室等ともいう。)R2には、本実施形態では、放射線発生装置55の操作卓57が設けられており、操作卓57には、放射線技師等の操作者が操作して放射線発生装置55に対して放射線の照射開始等を指示するための曝射スイッチ56が設けられている。放射線発生装置55は、操作者により曝射スイッチ56が操作されると、放射線源52から放射線を照射させるようになっている。
また、放射線発生装置55は、コンソール58等で設定された管電圧等の撮影条件に基づいて、設定された管電圧等を放射線源52に供給する等して放射線源52から適切な線量や線量率(すなわち単位時間あたりの線量)の放射線が照射されるように放射線源52を調整する等の種々の制御を行うようになっている。
図4に示すように、本実施形態では、コンピューター等で構成されたコンソール58が前室R2に設けられている。なお、コンソール58を撮影室R1や前室R2の外側や別室等に設けるように構成することも可能であり、適宜の場所に設置される。
また、コンソール58には、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等を備えて構成される表示部58aが設けられている。また、図示しないマウスやキーボード等の入力手段を備えており、本実施形態では、後述するように、この入力手段を介して、放射線発生装置55に対して設定する管電圧V等の撮影条件をコンソール58上で設定することができるようになっている。また、コンソール58には、HDD(Hard Disk Drive)等で構成された記憶手段59が接続され、或いは内蔵されている。
一方、放射線画像撮影装置1は、図5に示すように、ブッキー装置51には装填されずに、いわば単独の状態で用いることもできるようになっている。
例えば、患者Hが病室R3のベッドBから起き上がれず、撮影室R1に行くことができないような場合や、在宅患者の自宅に放射線画像撮影装置1を含む放射線画像撮影システム50を持ち込んで放射線画像撮影を行う場合には、病室R3の場合を例示する図5に示すように、放射線画像撮影装置1を病室R3内に持ち込み、ベッドBと患者の身体との間に差し込んだり患者の身体にあてがったりして用いることができる。
また、放射線画像撮影装置1を病室R3等で用いる場合、前述した撮影室R1に据え付けられた放射線発生装置55に代えて、図5に示すように、いわゆるポータブルの放射線発生装置55が例えば回診車71に搭載される等して病室R3に持ち込まれる。
この場合、ポータブルの放射線発生装置55の放射線源52Pは、任意の方向に放射線を照射できるように構成されており、ベッドBと患者の身体との間に差し込まれたり患者の身体にあてがわれたりした放射線画像撮影装置1に対して、適切な距離や方向から放射線を照射することができるようになっている。
また、この場合、アクセスポイント53が設けられた中継器54が放射線発生装置55内に内蔵されており、上記と同様に、中継器54が放射線発生装置55とコンソール58との間の通信や、放射線画像撮影装置1とコンソール58との間の通信や画像データDの転送等を中継するようになっている。
なお、図4に示すように、放射線画像撮影装置1を、撮影室R1の臥位撮影用のブッキー装置51B上に横臥した患者(図示省略)の身体と臥位撮影用のブッキー装置51Bとの間に差し込んだり、臥位撮影用のブッキー装置51B上で患者の身体にあてがったりして用いることも可能であり、その場合は、ポータブルの放射線発生装置55や、撮影室R1に据え付けられた放射線発生装置55のいずれを用いることも可能である。
また、本実施形態では、コンソール58は、上記のように放射線画像撮影装置1や放射線発生装置55に信号等を送信してそれらを制御することが可能であるとともに、放射線画像撮影装置1から画像データD等が転送されてくると、それらに基づいてゲイン補正や欠陥画素補正、撮影部位に応じた階調処理等の精密な画像処理を行って放射線画像pを生成する画像処理装置としても機能するようになっている。
[放射線画像撮影装置における放射線の照射開始の検出処理について]
ここで、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50で用いられる放射線画像撮影装置1における放射線の照射開始の検出処理について説明する。前述したように、本発明者らは、放射線画像撮影装置1自体で放射線の照射が開始されたことを検出するいくつかの方法を見出すことができた。以下、それらの方法について説明する。
[検出方法1]
放射線画像撮影装置1に放射線が照射される前から、ゲートドライバー15b(図3参照)から各走査線5にオフ電圧を印加した状態で各読み出し回路17に読み出し動作を行わせて、リークデータdleakの読み出し処理を繰り返し行わせるように構成することが可能である。なお、この検出方法1については、本願出願人が先に提出した上記の特許文献6に記載されており、詳しくは同公報を参照されたい。
ゲートドライバー15b各走査線5にオフ電圧を印加して各TFT8をオフ状態とした状態では、図6に示すように、オフ状態になっている各TFT8を介して各放射線検出素子7からリークする電荷qが増幅回路18のコンデンサー18bに蓄積される。すなわち、増幅回路18のコンデンサー18bには、各TFT8を介して各放射線検出素子7からリークした電荷qの合計値が蓄積される。
そのため、この状態で読み出し回路17で読み出し動作を行うと、増幅回路18のオペアンプ18aの出力側からは、各TFT8を介して各放射線検出素子7からリークした電荷qの合計値に応じた電圧値が出力される。そのため、各TFT8を介してリークした電荷qの合計値に相当するデータが読み出される。このようにして読み出されたデータがリークデータdleakである。
そして、このように構成した場合も、放射線画像撮影装置1に放射線の照射が開始されると、各TFT8を介して各放射線検出素子7内から信号線6にリークする電荷qが増加するため、放射線画像撮影装置1に放射線の照射が開始された時点で(例えば図7の時刻t1参照)、読み出されるリークデータdleakの値が急激に増加することが分かっている。
そこで、このリークデータdleakの値が増加することを利用して、例えば図7に示すように、読み出されたリークデータdleakが設定された閾値dleak_th以上になったことを検出することで、放射線画像撮影装置1自体で放射線の照射開始を検出するように構成することが可能である。
なお、リークデータdleakを用いて放射線の照射開始を検出するように構成する場合、上記のようにゲートドライバー15bから各走査線5にオフ電圧を印加し、各TFT8をオフ状態のままとすると、各放射線検出素子7内に暗電荷が蓄積され続ける状態になってしまう。
そのため、例えば後述する図8の左側の部分に示すように、リークデータdleakの読み出し処理(図中では「L」と記載)と次のリークデータdleakの読み出し処理との間に各放射線検出素子7のリセット処理(図中では「R」と記載)を行うように構成することが可能である。
各放射線検出素子7のリセット処理を行う場合、図8に示すように、走査駆動手段15のゲートドライバー15b(図3参照)から走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加して行うように構成してもよく、また、図示を省略するが、ゲートドライバー15bから走査線5の各ラインL1〜Lxに一斉にオン電圧を印加して行うように構成することも可能である。
[検出方法2]
また、上記のように、放射線画像撮影装置1に放射線が照射される前からリークデータdleakの読み出し処理を行うように構成する代わりに、走査駆動手段15や各読み出し回路17(図3参照)等を駆動させて画像データの読み出し処理を繰り返し行わせるように構成することも可能である。
なお、この検出方法2については、本願出願人が先に提出した上記の特許文献7に記載されており、詳しくは同公報を参照されたい。また、以下では、いわゆる本画像として読み出される画像データDと区別するために、この放射線の照射開始前に読み出される画像データを、照射開始検出用のデータdという。
このように構成した場合、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始される前は、放射線が照射されない状態で読み出される、いわゆる暗画像データが読み出される状態になる。そして、放射線画像撮影装置1に放射線の照射が開始されると、放射線の照射により各放射線検出素子7内で電荷が発生し、それが照射開始検出用のデータdとして読み出されるようになる。
そのため、上記のリークデータdleakの場合(図7参照)と同様に、放射線画像撮影装置1に放射線の照射が開始された時点で、読み出される照射開始検出用のデータdの値が急激に増加する。そこで、例えば、読み出された照射開始検出用のデータdが設定された閾値dth以上になったことを検出することで、放射線画像撮影装置1自体で放射線の照射開始を検出するように構成することが可能である。
[放射線の照射開始の検出後の処理について]
そして、検出方法1の場合も検出方法2の場合も同様であるが、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、検出方法1の場合の図8に示すように、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されたことを検出すると(同図における「検出」参照)、その時点で、ゲートドライバー15bから走査線5の各ラインL1〜Lxにオフ電圧を印加する。
そして、このようにして全てのTFT8をオフ状態として、放射線の照射により各放射線検出素子7内で発生した電荷が各放射線検出素子7内に蓄積される状態である電荷蓄積状態に移行させるように構成される。そして、例えば電荷蓄積状態に移行してから所定時間が経過した後、本画像としての画像データDの読み出し処理を開始させるようになっている。
本実施形態では、画像データDの読み出し処理では、図8に示すように、放射線の照射開始を検出したリークデータdleakの読み出し処理の直前のリセット処理でオン電圧が印加された走査線5(図8の場合は走査線5のラインL4)の次にオン電圧を印加すべき走査線5(図8の場合は走査線5のラインL5)からオン電圧の印加を開始させ、ゲートドライバー15bから各走査線5にオン電圧を順次印加させて本画像としての画像データDの読み出し処理を行うようになっている。
しかし、これに限定されず、図示を省略するが、本画像としての画像データDの読み出し処理を、例えば、走査線5の最初のラインL1からオン電圧の印加を開始させ、走査線5の各ラインL1〜Lxにオン電圧を順次印加して行うように構成することも可能である。
[より改良された放射線の照射開始の検出方法について]
ところで、上記の検出方法1、2は、以下のように改良することが可能であり、本実施形態では、実際には、以下の改良された検出方法によって放射線の照射開始が検出されるようになっている。
なお、以下では、主に、前述した検出方法1、すなわち放射線画像撮影前にリークデータdleakの読み出し処理および各放射線検出素子7のリセット処理を交互に行い、読み出したリークデータdleakに基づいて放射線の照射開始を検出する場合について説明するが、上記の検出方法2を採用する場合についても同様にあてはまる。また、これらの改良された検出方法については、本願出願人が先に提出した特開2012−176155号公報等にも記載されており、詳しくは同公報等を参照されたい。
上記の検出方法1を採用する場合、放射線画像撮影装置1の検出部P(図2や図3参照)には、通常、数千本から数万本の信号線6が配線されており、各信号線6にそれぞれ読み出し回路17が設けられているため、1回のリークデータdleakの読み出し処理で読み出されるリークデータdleakの数は、数千個から数万個の数になる。
そして、それらの全てのリークデータdleakについて、各読み出し処理ごとに、上記のように閾値dleak_th以上になったか否かを判断する処理を行うように構成すると、放射線の照射開始の検出処理が非常に重くなり、リアルタイムで放射線の照射開始を検出することができなくなる虞れがある。
そこで、本実施形態では、以下のようにして、判断の対象となるデータの数を減らして検出処理を行うようになっている。
具体的には、本実施形態では、前述した読み出しIC16(図3参照)には、例えば、128個や256個の読み出し回路17が内蔵されている。すなわち、1個の読み出しIC16内の128個や256個等の読み出し回路17にそれぞれ信号線6が接続されており、1回のリークデータdleakの読み出し処理で、1個の読み出しIC16から信号線6ごとに128個や256個等のリークデータdleakが読み出される。
そこで、例えば、1回のリークデータdleakの読み出し処理で1つの読み出しIC16から出力される256個等のリークデータdleakの平均値や合計値、中間値、最大値等(以下、これらをまとめて統計値という。)を算出する。そして、各読み出しIC16ごとに1つずつ算出されたリークデータdleakの統計値dleak_st(z)が、それぞれ当該統計値dleak_st(z)について設定された閾値dthA以上になったか否かを判断するように構成することが可能である。なお、zは読み出しIC16の番号である。
このように構成すると、例えば検出部Pに信号線6が4096本設けられており、1個の読み出しIC16に128個の読み出し回路17が内蔵されている(すなわち1個の読み出しIC16に128本の信号線6が接続されている)とすると、読み出しIC16の数は、全部で4096÷128=32個になる。
そのため、上記のように構成すれば、例えば4096個分のリークデータdleakについて閾値dleak_th以上になったか否かを判断しなければならなかった検出処理が、32個の統計値dleak_st(z)(z=1〜32)について判断を行うだけでよくなり、検出処理を軽くすることが可能となる。
[検出方法A(差分法)]
また、さらに検出処理における上記の判断処理を軽くするために、制御手段22で、1回のリークデータdleakの読み出し処理で各読み出しIC16から出力されたリークデータdleakから算出した例えば32個の統計値dleak_st(z)の中から、最大値を抽出し、リークデータdleakの統計値dleak_st(z)の最大値が閾値以上になったか否かを判断するように構成することも可能である。
このように構成すれば、32個の統計値dleak_st(z)の中から抽出された1個の最大値が閾値以上になったか否かだけを判断すればよくなり、検出処理が非常に軽くなる。
しかし、通常、読み出しIC16ごとの読み出し特性が異なるため、仮に各放射線検出素子7から信号線6にリークする電荷q(図6参照)の合計値が信号線6ごとに同じであったとしても、他の読み出しIC16よりもリークデータdleakの統計値dleak_st(z)が常に大きくなる読み出しIC16もあれば、他の読み出しIC16よりもリークデータdleakの統計値dleak_st(z)が常に小さくなる読み出しIC16もある。
そして、このような状況で、例えば図9に示すように、放射線画像撮影装置1に対して放射線が、検出部Pの中央部分に照射野Fが絞られた状態で照射される場合を考える。このとき、他の読み出しIC16よりもリークデータdleakの統計値dleak_st(z)が常に大きくなる読み出しIC16に接続されている信号線6aが照射野F外に存在すると、例えば図10に示すように、照射野F内に存在する信号線6が接続されている読み出しIC16γから出力されたリークデータdleakの統計値dleak_st(z)(図中のγ参照)が放射線の照射によって上昇しても、照射野F外に存在する信号線6aが接続されている読み出しIC16δから出力されたリークデータdleakの統計値dleak_st(z)(図中のδ参照)以上にならない場合が生じ得る。
そして、このような場合に、各読み出しIC16におけるリークデータdleakの統計値dleak_st(z)の中から最大値を抽出すると、図中δで示されたリークデータdleakの統計値dleak_st(z)が抽出されるが、抽出されたリークデータdleakの統計値dleak_st(z)は、放射線の照射によっても変動しない。そのため、抽出されたリークデータdleakの統計値dleak_st(z)の最大値が閾値以上にならなくなり、結局、放射線の照射を検出することができなくなってしまう。
そこで、このような問題を回避するために、例えば、以下のような移動平均(Moving Average)を用いる方法を採用することが可能である。
すなわち、各読み出し処理ごとに、各読み出しIC16から出力されたリークデータdleakの統計値dleak_st(z)に基づいて、その移動平均dlst_ma(z)をそれぞれ算出する。具体的には、リークデータdleakの読み出し処理の際に読み出しIC16から出力されるリークデータdleakの統計値dleak_st(z)を算出するごとに、図11に示すように、当該読み出し処理の直前の読み出し処理を含む所定回数(例えば10回)分の過去の各読み出し処理の際に算出された、読み出しIC16ごとのリークデータdleakの統計値dleak_st(z)の平均(すなわち移動平均dlst_ma(z))を算出するように構成する。
なお、この場合、移動平均dlst_ma(z)の算出方法としては、単純移動平均や加重移動平均、或いは指数移動平均等の公知の方法を用いることが可能である。
そして、下記(1)式に従って、読み出しIC16ごとに、今回の読み出し処理で算出したリークデータdleakの統計値dleak_st(z)と、算出した移動平均dlst_ma(z)との差分Δd(z)を算出するように構成する。
Δd(z)=dleak_st(z)−dlst_ma(z) …(1)
このようにして、制御手段22で、1回のリークデータdleakの読み出し処理で読み出しIC16から出力されたリークデータdleakから上記のように統計値dleak_st(z)を算出すると同時に、それぞれに対応する移動平均dlst_ma(z)との差分Δd(z)を、各読み出しIC16ごとにそれぞれ算出する。
そして、算出した差分Δd(z)(上記の例では32個の差分Δd(z))の中から最大値Δdmaxを抽出し、差分Δd(z)の最大値Δdmaxが閾値Δdth以上になったか否かを判断するように構成することが可能である。なお、この検出方法Aに基づく放射線の照射開始の検出方法を、以下、差分法という。
このように構成すれば、読み出しIC16ごとに読み出し特性にばらつきがあったとしても、同じ読み出しIC16において同じ読み出し特性の下で読み出されたリークデータdleakの統計値dleak_st(z)と移動平均dlst_ma(z)との差分Δd(z)を算出することで、読み出しIC16ごとの読み出し特性によるばらつきが相殺される。
すなわち、各読み出しIC16ごとに仮に図10に示したような読み出し特性のばらつきがあったとしても、図12に示すように、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されない限り、上記の読み出しIC16γ、16δを含むいずれの読み出しIC16においても、算出される差分Δd(z)の値がほぼ0になる(図12における放射線の照射開始前のγ、δ参照)。
そのため、上記差分Δd(z)が、読み出しIC16ごとに、純粋にリークデータdleakの統計値dleak_st(z)が過去のデータから増加したか否かのみを反映する値になり、それに基づいて放射線の照射開始を検出するように構成することで、図10に示したような問題が発生することを的確に防止することが可能となる。
また、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されると(図13中の時刻T1参照)、少なくともいずれかの読み出しIC16で、今回の読み出し処理で読み出されたリークデータdleakに基づく統計値dleak_st(z)が、移動平均dst_ma(z)よりも格段に大きくなり、図13に示すように、差分Δd(z)の最大値Δdmaxが確実に閾値Δdth以上になる。そのため、放射線の照射が開始されたことを的確に検出することが可能となる。
なお、前述したように、本実施形態では、移動平均dlst_ma(z)を算出する場合、図11に示したように、今回のリークデータdleakの読み出し処理の直前の読み出し処理を含む所定回数(例えば10回)分の過去の各読み出し処理の際に算出された読み出しIC16ごとのリークデータdleakの統計値dleak_st(z)について移動平均dlst_ma(z)を算出するように構成されている。
しかし、このように構成する代わりに、図14に示すように、今回のリークデータdleakの読み出し処理から所定回数(例えば10回や50回等)前の読み出し処理を含む所定回数(例えば10回)分の過去の各読み出し処理の際に算出された読み出しIC16ごとのリークデータdleakの統計値dleak_st(z)について移動平均dlst_ma(z)を算出するように構成することも可能である。
このように構成すると、例えば放射線発生装置55から放射線画像撮影装置1に非常に弱い放射線(すなわち線量率が非常に小さな放射線)が照射され、リークデータdleakの統計値dleak_st(z)が緩やかに(すなわちいわばじわじわと)増加していくような場合に以下のような有益な効果を得ることが可能となる。
すなわち、このような場合、図11に示した本実施形態の場合には、リークデータdleakの統計値dleak_st(z)と移動平均dlst_ma(z)との差分Δd(z)の値が大きく現れないため、差分Δd(z)のS/N比が必ずしもよくない場合があるが、図14に示したように構成すると、統計値dleak_st(z)と移動平均dlst_ma(z)との差分Δd(z)の値が比較的大きく現れるようになるため、差分Δd(z)のS/N比を向上させることが可能となる。
そのため、上記のように、例えば放射線発生装置55から放射線画像撮影装置1に非常に弱い放射線が照射されるような場面において、差分法(検出方法A)を用いた場合の放射線の照射開始の検出処理の精度をより向上させることが可能となる。
[検出方法B(積算法)]
一方、放射線発生装置55から放射線画像撮影装置1に照射される放射線の線量率が非常に小さい場合、上記のようにして算出される読み出しIC16ごとのリークデータdleakの平均値等の統計値dleak_st(z)が小さくなる。そして、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されても、統計値dleak_st(z)が閾値dthA以上にならない場合が生じ得る。
また、上記の差分法(検出方法A)を採用する場合も同様に、放射線画像撮影装置1に放射線が照射された場合の読み出しIC16ごとのリークデータdleakの統計値dleak_st(z)と移動平均dlst_ma(z)との差分Δd(z)が小さくなり、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されても差分Δd(z)が閾値Δdth以上にならなくなる場合が生じ得る。
しかし、それでは、上記の差分法(検出方法A)を採用しても、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されているにもかかわらず放射線画像撮影装置1が放射線の照射開始を検出することができなくなる場合が生じ得ることになってしまう。
そこで、例えば、読み出しIC16ごとに、リークデータdleakの統計値dleak_st(z)と移動平均dlst_ma(z)との差分Δd(z)の時間的な積算値(積分値ともいう。)ΣΔdを算出するように構成する。そして、この積算値ΣΔdが閾値ΣΔdth以上になった読み出しIC16があるか否かを判断するように構成することが可能である。なお、この検出方法Bに基づく放射線の照射開始の検出方法を、以下、積算法という。
このように構成すると、図示を省略するが、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されないうちは、リークデータdleakの統計値dleak_st(z)がゆらいで移動平均dlst_ma(z)よりも大きくなったり小さくなったりする。そのため、それらの差分Δd(z)の積算値ΣΔdは0に近い値で推移する。
しかし、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されると、リークデータdleakの統計値dleak_st(z)は移動平均dlst_ma(z)よりも有意に大きな値になるため、それらの差分Δd(z)は、正の値になる場合が多くなる。そのため、上記のように構成すれば、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射が開始されると、積算値ΣΔdが増加していき、閾値ΣΔdth以上になる。
そのため、放射線発生装置55から放射線画像撮影装置1に照射される放射線の線量が非常に小さい場合でも、放射線画像撮影装置1に対する放射線の照射開始を的確に検出することが可能となる。
なお、上記の積算法(検出方法B)において、上記の差分Δd(z)を無制限に積算し続けると、放射線画像撮影装置1に対して放射線が照射されていないにもかかわらず、差分Δd(z)の積算値ΣΔdが閾値ΣΔdth以上になり、放射線の照射が開始されたと誤検出されてしまう虞れがある。
そこで、この検出方法B(積算法)を採用する場合には、実際には、差分Δd(z)を積算する回数或いは時間を制限し、今回のリークデータdleakの読み出し処理を含む何回前の読み出し処理で算出された差分Δd(z)までを積算するか(以下、単に積算回数という。)、或いは何秒前に行った読み出し処理で算出された差分Δd(z)までを積算するか(以下、単に積算時間という。)を予め決めておくように構成されることが好ましい。
なお、リークデータdleakの読み出し処理を行う周期は一定であるため、積算回数を予め設定することと積算時間を予め設定することとは、結局、同じことを意味している。
[本実施形態における放射線の照射開始の検出処理について]
本実施形態に係る放射線画像撮影装置1では、制御手段22は、上記の差分法(検出方法A)と積算法(検出方法B)の2つの検出方法を用いて放射線の照射開始を検出するように構成されている。そして、2つの検出方法のうちのいずれかの検出方法で放射線の照射開始が検出された場合に、放射線の照射が開始されたと判断するようになっている。
しかし、放射線画像撮影装置1の制御手段22による放射線の照射開始の検出方法は、上記の差分法(検出方法A)や積算法(検出方法B)に限定されず、前述した特開2012−176155号公報等に記載されているMax-Min法等の他の改良された検出方法を採用することも可能であり、それらの検出方法を採用する場合も本発明が適用される。
[本発明に特有の構成等について]
次に、放射線画像撮影システム50における本発明に特有の構成等について、以下、いくつかの実施形態に分けて説明する。また、各実施形態に係る放射線画像撮影システム50の作用についてもあわせて説明する。
[第1の実施の形態]
[放射線の照射開始の検出が可能な最大限の被写体の体厚について]
本発明に係る第1の実施形態では、放射線画像撮影システム50には、放射線画像撮影に先立って、放射線発生装置55から放射線画像撮影装置1に放射線を照射して放射線画像撮影装置1で読み出されるリークデータdleakや照射開始検出用のデータd(或いはそれらの統計値と算出した移動平均との差分Δd(z)(差分法)や差分Δd(z)の積算値ΣΔd(積算法)。以下同じ。)に基づいて、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚BTmaxを、放射線発生装置55ごとに算出する算出手段が備えられている。
この算出処理を、コンソール58が行うように構成することも可能であり(この場合はコンソール58が算出手段ということになる。)、放射線画像撮影システム50における図示しない画像処理装置等の他のコンピューターが行うように構成することも可能である。また、算出手段として専用のコンピューターを備えるように構成することも可能である。
このように、本発明では、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚BTmaxに着目する。これは以下の理由による。
前述したように、ある被写体(すなわち患者等)に、ある放射線発生装置55から照射された放射線を検出できるように放射線画像撮影装置1を調整しても、当該被写体に、別の放射線発生装置55から放射線を照射した場合には、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射開始を検出できない場合がある。
本発明者らがこの点について研究を重ねた結果、上記のような現象が生じる原因の1つが被写体の体厚BTであることが分かってきた。
すなわち、放射線発生装置55から照射された放射線のうち、患者の体内で吸収されたり散乱されたりする放射線の割合が、被写体である患者が太っていて被写体の体厚BTが大きいほど大きくなる。そのため、その分だけ、放射線画像撮影装置1に到達する放射線の線量率が小さくなり、放射線発生装置55の照射特性によっては(すなわち同じ管電圧V等を設定しても照射する放射線の線量率が小さくなる放射線発生装置55では)、放射線画像撮影装置1で放射線の照射開始を検出することができなくなってしまう。
そして、本発明者らがこの現象についてさらに詳しく解析したところ、1つの放射線発生装置55から放射線画像撮影装置1に所定の線量率で放射線を照射して放射線画像撮影装置1で読み出されるリークデータdleakや照射開始検出用のデータdに基づいて放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な被写体の体厚BTが取り得る値には幅があることが分かってきた。
すなわち、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な被写体の体厚BTには最大値、すなわち最大限の被写体の体厚BTmaxが存在する。そして、その最大限の体厚BTmaxを越えた大きな体厚BTの被写体では、被写体を介して放射線画像撮影装置1に到達する放射線の線量率が小さくなり過ぎて、制御手段22が放射線の照射開始を的確に検出することができない。
そして、各放射線発生装置55に同一の線量率で放射線を照射するように設定しても、すなわち各放射線発生装置55に同一の管電圧Vを設定しても、放射線発生装置55ごとに放射線の照射特性が異なり実際に照射される放射線の線量率が異なるため、上記の最大限の被写体の体厚BTmaxは、放射線発生装置55ごとにばらついた値になることが分かった。
そこで、本発明に係る放射線画像撮影システム50では、前述したように、放射線発生装置55から放射線画像撮影装置1に放射線を照射して放射線画像撮影装置1で読み出されるリークデータdleak等に基づいて、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚BTmaxを、算出手段で放射線発生装置55ごとに算出する。そして、この最大限の被写体の体厚BTmaxの算出処理を、放射線画像撮影に先立って予め行い、その情報を保持しておくようになっている。
このように構成すれば、放射線発生装置55ごとに放射線の照射特性が異なっていても、予め算出した、その放射線発生装置55を用いて放射線画像撮影を行う際に撮影を可能とするための条件、すなわち放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚BTmaxの情報に基づいて放射線画像撮影を行うことが可能となる。
そして、放射線発生装置55から被写体に放射線を照射しても放射線画像撮影装置1に到達する放射線の線量率が小さくなって放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射開始を検出できず、改めて被写体に放射線を照射して再撮影を行うことが必要になるため被写体の被曝線量が増大してしまう等の問題が生じることを確実に防止することが可能になる。
この算出処理は、放射線画像撮影装置1(すなわちFPD)を用いて放射線画像撮影を行う放射線画像撮影システム50に新たな放射線源52が設置された際や、これまでCR(Computed Radiography)装置等を用いて放射線画像撮影を行っていた放射線画像撮影システム50(既に放射線発生装置55が設置されている。)に新たに放射線画像撮影装置1が導入された際のように、放射線画像撮影装置1と放射線発生装置55とが1つの放射線画像撮影システム50内で使用されるようになる初期の時点に行われる。
また、放射線発生装置55のメンテナンス時等に行って、最大限の被写体の体厚BTmaxを定期的に算出し直して更新するように構成してもよい。
一方、本発明者らの研究では、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚BTmaxは、上記のように放射線発生装置55ごとに変わり得るが、さらに、放射線発生装置55から照射される放射線の線量率や、放射線発生装置55に設定される管電圧に応じて変化することも分かってきた。
そこで、本実施形態では、算出手段は、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚BTmaxを、放射線発生装置55に設定する管電圧Vと、管電圧Vを変化させた際に変化する最大限の被写体の体厚BTmaxとの関係として算出するようになっている。
また、散乱放射線が放射線画像撮影装置1に入射することを防止するために、図15に示すように、放射線画像撮影装置1の筐体2の放射線入射面RにグリッドGを装着して放射線画像撮影が行われる場合がある。そして、グリッドGが取り付けられると、放射線画像撮影装置1に入射する放射線の一部がグリッドGで吸収される等するため、放射線発生装置55から同じ線量率で放射線を照射しても、グリッドGを装着しない場合に比べて、放射線画像撮影装置1に入射する放射線の線量率が減少する。
そのため、放射線発生装置55から同じ線量率で放射線を照射しても、グリッドGを装着しない場合に比べて、グリッドGを装着した場合には、放射線画像撮影装置1に入射する放射線の線量率が減少する。そして、放射線画像撮影装置1に入射する放射線の線量率が減少するほど、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚BTmaxはより小さくなる。
そこで、本実施形態では、算出手段は、上記の関係を、放射線発生装置55に設定する管電圧Vと、管電圧Vを変化させた際に変化する最大限の被写体の体厚BTmaxとの関係として、放射線画像撮影装置1にグリッドGを装着した場合の関係と、放射線画像撮影装置1にグリッドGを装着しない場合の関係の2通りをそれぞれ算出するようになっている。
具体的には、本実施形態では、算出手段は、図16に例示するように、放射線発生装置55に設定する管電圧Vを変化させて放射線発生装置55からそれぞれ所定の線量率の放射線を放射線画像撮影装置1に照射させ、各管電圧Vにおいて、放射線画像撮影装置1で読み出されるリークデータdleak等が閾値dleak_th等以上になるか否かを見極めて、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚BTmaxをプロットする。
その際、図16に例示するように、放射線画像撮影装置1にグリッドGを装着しない場合(図中の「Gなし」参照)と、グリッドGを装着した場合(図中の「Gあり」参照)で、それぞれプロットしていく。このようにして、本実施形態では、算出手段は、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚BTmaxを、グリッドGの有無に応じて、放射線発生装置55に設定する管電圧Vと、管電圧Vを変化させた際に変化する最大限の被写体の体厚BTmaxとの関係として算出する。
そして、この算出処理を、放射線画像撮影に先立って、放射線画像撮影システム50内に存在する全ての放射線発生装置55について行い、放射線発生装置55ごとに、上記の関係(図16に例示された関係を参照)を算出しておくようになっている。1つの放射線発生装置55に複数の放射線源52が接続されている場合には、各放射線源52ごとに上記の関係(図16に例示された関係を参照)を算出するように構成することも可能である。
なお、上記の関係、すなわち図16に例示された関係についてさらに具体的に説明すれば、実際には、被写体が介在しない状態で放射線発生装置55から放射線画像撮影装置1に放射線を照射した場合に読み出されるリークデータdleak等の値と、そのリークデータdleak等の値において放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚BTmaxとの関係が、予め知られている。
そのため、上記の関係を算出する対象の放射線発生装置55にある管電圧Vを設定して、当該放射線発生装置55から放射線画像撮影装置1に放射線を照射する。そして、算出手段は、その際、放射線画像撮影装置1から読み出されたリークデータdleak等の値から、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚BTmaxを割り出すようにして、図16に例示された関係を算出するようになっている。
また、放射線発生装置55の照射特性によって、設定された管電圧Vに応じて当該放射線発生装置55から実際に照射される放射線の線量率が決まる。そして、照射される放射線の線量率が決まれば、この放射線発生装置55から放射線画像撮影装置1に到達する放射線の線量率が決まる。そして、放射線画像撮影装置1に到達する放射線の線量率に応じて放射線画像撮影装置1で読み出されるリークデータdleak等の値が決まり、リークデータdleak等の値から、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚BTmaxが決まる。
すなわち、放射線発生装置55から照射されて放射線画像撮影装置1に到達する放射線の線量率と、その際に読み出されるリークデータdleak等の値に基づいて割り出される上記の最大限の被写体の体厚BTmaxとの関係を予め実験的に求めておけば、その後は、リークデータdleak等をいちいち読み出さなくてもよくなり、放射線発生装置55から照射されて放射線画像撮影装置1に到達する放射線の線量率から上記の最大限の被写体の体厚BTmaxを直接割り出すことが可能となる。
そこで、算出手段による上記の放射線発生装置55ごとの最大限の被写体の体厚BTmaxの算出処理を、本実施形態のように、放射線発生装置55から放射線画像撮影装置1に放射線を照射して放射線画像撮影装置1で読み出されるリークデータdleak等の値に基づいて行う代わりに、管電圧Vが設定された放射線発生装置55から、当該放射線画像撮影装置1の位置に配置された図示しない線量計に放射線を照射し、線量計が検出した線量率のデータに基づいて行うように構成することも可能である。
このように構成すれば、放射線発生装置55に設定した管電圧Vと、その管電圧Vが設定された放射線発生装置55から照射され線量計で検出された放射線の線量率のデータから割り出された上記の最大限の被写体の体厚BTmaxとの関係(上記の図16に例示された関係を参照)を非常に容易に算出することが可能となる。なお、この場合、線量計は、放射線画像撮影装置1の位置に配置されていればよく、必ずしも放射線画像撮影装置1を実際に配置する必要はない。
なお、図16では、特定の値の管電圧Vに対して最大限の被写体の体厚BTmaxが割り当てられたグラフやテーブルの形で上記の関係が算出されているが、例えば、これらのプロットを曲線近似する等して、最大限の被写体の体厚BTmaxを管電圧Vの関数として算出するように構成することも可能である。
また、前述した積算法(検出方法B)を採用する場合、放射線画像撮影装置1に到達する放射線の線量率が小さくなるほど、前述した積算回数や積算時間を増やさないと差分Δd(z)の積算値ΣΔdが閾値ΣΔdth以上にならなくなり、放射線の照射開始を検出することができなくなる可能性が生じる。
そこで、放射線の照射開始の検出方法として積算法(検出方法B)を採用する場合には、放射線画像撮影装置1に到達する放射線の線量率が小さくなるほど、すなわち、放射線発生装置55に設定する管電圧Vが小さくなったり、被写体の体厚BTや最大限の被写体の体厚BTmaxが大きくなるほど、前述した差分Δd(z)の積算回数や積算時間を増加させるように構成することが望ましい。
[放射線発生装置から放射線画像撮影装置に放射線が直接照射される領域の面積について]
一方、被写体の体厚BTが非常に大きく、放射線発生装置55に設定可能な管電圧Vでは放射線の照射開始を検出できないような場合や、被写体の体厚BTが比較的大きく、管電圧Vを大きくすれば放射線の照射開始を検出できるが、被写体への影響等の何らかの理由で、放射線発生装置55からあまり大きな線量率の放射線を照射させたくないような場合がある。
このような場合、そのままの状態では、結局、放射線画像撮影装置1の制御手段22で放射線の照射開始を検出できず、放射線画像撮影を行うことができなくなってしまう可能性が生じる。
そこで、このような場合には、放射線発生装置55から被写体を介さずに放射線画像撮影装置1に放射線が直接照射される領域ができるように放射線を照射するようにして放射線画像撮影を行うようにすることが可能である。なお、以下、放射線が直接照射される領域を、直接照射領域と略称する。
このようにして放射線画像撮影を行えば、上記の検出方法1や検出方法2、或いはより改良された検出方法(すなわち差分法(検出方法A)や積算法(検出方法B)等)の特徴から分かるように、直接照射領域の部分で読み出されるリークデータdleak等の値が大きくなる。そのため、放射線画像撮影装置1の制御手段22で放射線の照射開始を検出することが可能となる。
すなわち、通常の撮影の際、直接照射領域がなく、放射線画像の全域に被写体が撮影されるように放射線画像撮影が行われる場合には、放射線発生装置55から照射される放射線の照射野をずらしたり、被写体に左右いずれかの方向に寄ってもらう等して、図17に例示するように、放射線画像p中の、被写体が撮影された部分の上下左右のいずれかの部分に、被写体Hを介さずに放射線が直接照射される領域X、すなわち直接照射領域Xができるようにして放射線画像撮影を行う。
このようにすれば、上記のように、例えば被写体の体厚BTが非常に大きく放射線発生装置55に設定可能な管電圧Vでは放射線の照射開始を検出できないような場合等であっても、直接照射領域Xの部分で読み出されるリークデータdleak等に基づいて放射線画像撮影装置1の制御手段22で放射線の照射開始を的確に検出することが可能となる。そのため、放射線画像撮影を的確に行うことが可能となる。
そして、上記の最大限の被写体の体厚BTmaxの場合と同様に、この直接照射領域Xについても取り得る面積Sに幅がある。そして、上記のようにして直接照射領域Xができるようにして撮影を行っても、直接照射領域Xの面積Sが小さ過ぎると、読み出されるリークデータdleak等の変動が小さ過ぎるため、それに基づいて放射線画像撮影装置1の制御手段22で放射線の照射開始を検出することができない。
すなわち、直接照射領域Xを形成して放射線画像撮影を行う場合、直接照射領域Xには最低限確保されるべき面積S、すなわち最低限の面積Sminが存在する。また、この場合も、直接照射領域Xの面積Sの最小値は、各放射線発生装置55に同一の管電圧Vを設定しても、放射線発生装置55ごとに放射線の照射特性が異なるため、放射線発生装置55ごとにばらついた値になることが分かった。
そこで、本実施形態では、放射線画像撮影に先立って、上記のように最大限の被写体の体厚BTmaxを算出するとともに、直接照射領域X、すなわち放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な直接照射領域Xの最小限の面積Sminを、算出手段で放射線発生装置55ごとに算出するようになっている。
このように構成すれば、上記の最大限の被写体の体厚BTmaxの場合と同様に、放射線発生装置55ごとに放射線の照射特性が異なっていても、その放射線発生装置55を用いて放射線画像撮影を行う際に撮影を可能とするための条件、すなわちこの場合は放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な直接照射領域Xの最小限の面積Sminを、予め見出しておくことが可能となる。
そのため、見出した条件に基づいて放射線画像撮影を行うことで、被写体の体厚BTが非常に大きく放射線発生装置55に設定可能な管電圧Vでは放射線の照射開始を検出できないような場合等であっても、上記の最小限の面積Smin以上の面積Sを有する直接照射領域Xができるように放射線画像撮影を行うことで、放射線画像撮影を的確に行うことが可能となる。そのため、再撮影が不要になり、被写体の被曝線量が増大してしまう等の問題が生じることを確実に防止することが可能になる。
本実施形態では、図18に例示するように、この場合も、放射線発生装置55に設定する管電圧Vの値を変動させ、放射線画像撮影装置1にグリッドG(図15参照)を装着しない場合(図18中の「Gなし」参照)と、グリッドGを装着した場合(図18中の「Gあり」参照)で、それぞれプロットしていく。
このようにして、本実施形態では、算出手段は、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な直接照射領域Xの最小限の面積Sminを、グリッドGの有無に応じて、放射線発生装置55に設定する管電圧Vと、管電圧Vを変化させた際に変化する直接照射領域Xの最小限の面積Sminとの関係として算出する。
そして、この算出処理を、放射線画像撮影に先立って、放射線画像撮影システム50内に存在する全ての放射線発生装置55について行い、放射線発生装置55ごとに、上記の関係(図18に例示された関係を参照)を算出しておくようになっている。1つの放射線発生装置55に複数の放射線源52が接続されている場合には、各放射線源52ごとに上記の関係(図18に例示された関係を参照)を算出するように構成することも可能である。
なお、この場合も、放射線画像撮影装置1に到達する放射線の線量率と、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な直接照射領域Xの最小限の面積Sminとの関係を予め求めておき、管電圧Vが設定された放射線発生装置55から、当該放射線画像撮影装置1の位置に配置された図示しない線量計に放射線を照射し、線量計が検出した線量率のデータに基づいて上記の関係を算出する処理を行うように構成することも可能である。この場合も、線量計は、放射線画像撮影装置1の位置に配置されていればよく、必ずしも放射線画像撮影装置1を実際に配置する必要はない。
また、図18では、特定の値の管電圧Vに対して直接照射領域Xの最小限の面積Sminが割り当てられたグラフやテーブルの形で上記の関係が算出されているが、例えば、これらのプロットを曲線近似する等して、直接照射領域Xの最小限の面積Sminを管電圧Vの関数として算出するように構成することも可能である。
[被写体の体厚BTや直接照射領域Xの面積S以外の要因について]
なお、前述したように、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射開始を検出できるか否かは、放射線発生装置55から照射される放射線の線量率によって決まり、また、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50では、放射線発生装置55から照射される放射線の線量率は主に放射線発生装置55に設定される管電圧Vによって決まる。
そのため、本実施形態では、上記のように、最大限の被写体の体厚BTmaxや直接照射領域Xの最小限の面積Sminと、放射線発生装置55に設定する管電圧Vとの関係を算出する場合について説明した。
しかし、例えば、放射線発生装置55に設定する管電流Iを放射線技師等の操作者が設定できるように構成されており、管電流Iの変更により放射線発生装置55から照射される放射線の線量率が変わるような場合には、上記の管電圧Vの他に、さらに管電流Iを変動させて、それと最大限の被写体の体厚BTmaxや直接照射領域Xの最小限の面積Sminとの関係を算出するように構成することも可能である。
また、例えば、放射線発生装置55と放射線画像撮影装置1との距離Lを変動させることができるように構成されている場合、放射線発生装置55と放射線画像撮影装置1との距離Lが変動すれば、放射線発生装置55から同じ線量率で放射線を照射しても、放射線画像撮影装置1に到達する放射線の線量率が変動する。
特に、図5に示した放射線画像撮影システム50のように、ポータブルの放射線発生装置55が用いられるような場合には、放射線源52Pと放射線画像撮影装置1との距離Lをある距離に固定して使用することは難しく、通常、撮影ごとに距離Lが変わる。そのため、特にポータブルの放射線発生装置55では、放射線発生装置55から同じ線量率で放射線を照射しても、放射線画像撮影装置1に到達する放射線の線量率が変動し易い。
そのため、放射線発生装置55と放射線画像撮影装置1との距離Lを変動させることができるように構成されている場合には、上記の管電圧V等の他に、さらに上記の距離Lを変動させて、それと最大限の被写体の体厚BTmaxや直接照射領域Xの最小限の面積Sminとの関係を算出するように構成することも可能である。
このように、本実施形態では、放射線画像撮影装置1に到達する放射線の線量率を変動させる要因が管電圧V以外にも存在する場合には、管電圧Vだけでなく、それらの各要因を含む撮影条件を変動させた場合の、最大限の被写体の体厚BTmaxや直接照射領域Xの最小限の面積Sminと撮影条件との関係を算出するように構成することが望ましい。
なお、以下では、説明を簡単にするために、上記の撮影条件として、放射線発生装置55に設定する管電圧Vのみを変動させる場合について説明するが、本発明はその場合に限定されず、上記のように、放射線画像撮影装置1に到達する放射線の線量率を変動させる各要因を含む撮影条件を変動させる場合についても適用される。
[被写体の体厚BTや直接照射領域Xの面積Sの活用について]
次に、上記のようにして算出手段が算出した最大限の被写体の体厚BTmax(図16参照)や直接照射領域Xの最小限の面積Smin(図18参照)の情報を、放射線画像撮影システム50でどのように活用するかについて説明する。以下、活用方法について、いくつかの例を挙げて説明する。
[活用方法1]
算出手段が算出した最大限の被写体の体厚BTmaxや直接照射領域Xの最小限の面積Sminの情報の最も端的な活用方法は、例えば、それらの情報を図16や図18のグラフやテーブルの形でプリントアウトして用いることである。或いは、コンソール58の表示部58a(図4や図5参照)等の放射線画像撮影システム50内のコンピューターの表示部上に、それらの情報を表示することである。
具体的には、放射線技師等の操作者が、被写体の実際の体厚BTを計測し、或いは目視で推定し、或いは患者情報として記録されている患者の体厚BTの情報を入手する等して、プリントアウトされ或いは表示部上に表示された最大限の被写体の体厚BTmaxと管電圧Vとの関係(例えば図16参照)から、放射線発生装置55に設定すべき管電圧Vを割り出して、割り出した管電圧Vを含む撮影条件を放射線発生装置55に設定する。
すなわち、この活用方法1の場合、放射線技師等の操作者が、算出手段が算出した最大限の被写体の体厚BTmax(図16参照)の情報に基づいて、いわばマニュアルで、管電圧Vを含む撮影条件等を調整して、放射線発生装置55に設定する。そして、選択した管電圧Vを含む撮影条件を放射線発生装置55に設定する。
また、管電圧Vをどのように設定しても被写体の実際の体厚BTが最大限の被写体の体厚BTmaxを越えてしまうような場合等には、放射線技師等の操作者は、今度は、直接照射領域Xの最小限の面積Sminと管電圧Vとの関係(例えば図18参照)に基づいて、直接照射領域Xの面積Sをどの程度の面積Sにすればよいかを判断する。
そして、そのような面積Sの直接照射領域Xができるように放射線を照射して、放射線画像撮影を行う。
[活用方法2]
また、前述したように、本実施形態では、放射線発生装置55に対して設定する管電圧V等の撮影条件をコンソール58上で入力することができるようになっている。その際、放射線技師等の操作者が、コンソール58の図示しないマウスやキーボード等の入力手段を介して管電圧V等の撮影条件を入力するなど、撮影条件の入力の仕方は任意であり、公知の入力方法を採用することが可能である。
また、操作者が図示しないネットワークを介してコンソール58に接続されているHIS(Hospital Information System;病院情報システム)やRIS(Radiology Information System;放射線科情報システム)からコンソール58に撮影オーダー情報を入手すると、コンソール58がその撮影オーダー情報中に指定されている「胸部正面」等の撮影部位等の情報に基づいて自動的にその撮影部位等の撮影に適した管電圧V等の撮影条件を自らに入力するように構成することも可能である。
また、撮影オーダー情報に、予め管電圧V等の撮影条件を書き込んで設定しておき、コンソール58が撮影オーダー情報を入手すると同時にその撮影条件がコンソール58に入力されるように構成することも可能である。
本実施形態では、コンソール58は、このようにして撮影条件が入力されると、それを放射線発生装置55(図4や図5参照)に送信して設定する。そして、前述したように、放射線発生装置55は、設定された撮影条件に基づいて、設定された管電圧V等を放射線源52に供給する等して放射線源52から適切な線量や線量率の放射線が照射されるように放射線源52を制御するようになっている。
この活用方法2では、上記のコンソール58上での撮影条件の入力の際に、被写体の実際の体厚BTの情報も撮影条件としてコンソール58に入力するように構成する。
この場合、被写体の実際の体厚BTは、上記と同様に、例えば、放射線技師等の操作者が、被写体の実際の体厚BTを実際に計測したり、或いは目視で推定してコンソール58に入力したり、或いは、前述したHISやRISから患者情報として予め登録されている被写体の体厚BTの情報を入手する等して入力することが可能である。なお、下記の他の活用方法における被写体の体厚BTの情報の入力や入手の仕方も、これと同様である。
そして、この活用方法2では、放射線画像撮影システム50内に通知手段を備えておき、通知手段は、コンソール58に入力された被写体の実際の体厚BTが、コンソール58に入力された撮影条件(すなわち管電圧V等)における最大限の被写体の体厚BTmaxを越えてしまい、入力された撮影条件(すなわち管電圧V等)では放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することができない場合に、その旨を通知するようになっている。
この場合、コンソール58を通知手段として用いるように構成することも可能であり、コンソール58とは別体として通知手段を設けることも可能である。また、通知する方法としては、表示や音声、振動等を採用することが可能であり、放射線技師等の操作者に、その撮影条件では放射線の照射開始を検出できず、放射線画像撮影を行うことができない旨を伝えることが可能であれば、通知の方法は特に限定されない。
この場合、通知を受けた操作者は、管電圧V等の撮影条件を変更したり、或いは、直接照射領域Xができるようにし、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射開始を的確に検出できる状態に撮影条件を変更して入力、設定して、放射線画像撮影を行う。
[活用方法3]
上記の活用方法2では、放射線技師等の操作者が入力した体厚BTを有する被写体を、入力された管電圧V等の撮影条件で撮影できるか否かを通知手段(上記の例ではコンソール58)が判断する場合について説明した。
これとは逆に、操作者が被写体の実際の体厚BTをコンソール58に入力するのではなく、入力された管電圧V等の撮影条件の下で、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚BTmaxを通知するように構成することも可能である。
すなわち、上記のようにして、コンソール58に撮影条件が入力されたり、或いは、HISやRISから入手した撮影オーダー情報中に指定されている撮影部位等の情報に基づいてコンソール58が撮影条件を自動的に入力すると、通知手段(例えばコンソール58)が、算出手段が算出した最大限の被写体の体厚BTmaxに基づいて、コンソール58に入力された撮影条件の下で、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚BTmaxを割り出して通知するように構成することも可能である。
そして、この場合、放射線技師等の操作者は、通知手段から通知された最大限の被写体の体厚BTmaxを見て、被写体の実際の体厚BTが、通知された最大限の被写体の体厚BTmax以下であれば、コンソール58に入力された撮影条件を変更せずに放射線発生装置55に送信して設定する。
また、通知手段から通知された最大限の被写体の体厚BTmaxを見て、被写体の実際の体厚BTが、通知された最大限の被写体の体厚BTmaxを越える場合には、管電圧V等の撮影条件を変更したり、或いは、直接照射領域Xができるようにし、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射開始を的確に検出できる状態に撮影条件を変更して放射線画像撮影を行う。
[活用方法4]
また、上記の活用方法1〜3では、被写体の実際の体厚BTとは関係なく、コンソール58に撮影条件が入力されたり、或いは、撮影オーダー情報中に指定されている撮影部位等の情報に基づいてコンソール58が撮影条件を自動的に入力することが前提とされていた。しかし、その代わりに、例えば、通知手段が、放射線技師等の操作者が入力する等した被写体の実際の体厚BTに基づいて、適切な撮影条件を通知するように構成することも可能である。
すなわち、上記のように、例えば操作者が、被写体の実際の体厚BTを実際に計測したり、或いは目視で推定して通知手段に入力したり、或いは、前述したHISやRISから被写体の実際の体厚BTの情報を入手する等すると、通知手段が、例えば図16に例示した関係、すなわち放射線発生装置55に設定する撮影条件(例えば管電圧V等)と、撮影条件を変化させた際に変化する最大限の被写体の体厚BTmaxとの関係に基づいて、当該被写体の実際の体厚BTの下で、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することを可能とする撮影条件(例えば管電圧V等)を割り出して通知するように構成することが可能である。
そして、この場合、放射線技師等の操作者は、通知手段から通知された撮影条件をコンソール58に入力する等し、その撮影条件をコンソール58から放射線発生装置55に送信して設定する。
また、通知手段から適切な撮影条件が通知されない場合(すなわち撮影を行うことができない場合)や、通知手段から通知された撮影条件では放射線発生装置55に被写体に照射される放射線の線量率が大き過ぎるような場合には、通知された管電圧V等の撮影条件を変更し、直接照射領域Xができるようにして、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射開始を的確に検出できる状態にして放射線画像撮影を行う。
[活用方法5]
また、上記の活用方法4では、通知手段が、入手した被写体の実際の体厚BTに基づいて適切な撮影条件を割り出して通知する場合について説明したが、放射線技師等の操作者にいちいち通知せずに、コンソール58で、放射線発生装置55に設定する撮影条件(例えば管電圧V等)と撮影条件を変化させた際に変化する最大限の被写体の体厚BTmaxとの関係に基づいて、入手した被写体の実際の体厚BTの下で、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することを可能とする撮影条件を割り出して、放射線発生装置55に対して自動的に設定するように構成することも可能である。
この場合、コンソール58が入手した被写体の実際の体厚BTでは、どのような撮影条件でも放射線画像撮影を行うことができない場合には、例えばコンソール58の表示部58aにその旨を表示したり音声等で操作者に通知するように構成される。
また、この場合、コンソール58が自動的に設定した撮影条件を、操作者が適宜監視することができるように構成される。そして、コンソール58が自動的に設定した撮影条件では放射線発生装置55から被写体に照射される放射線の線量率が大き過ぎるような場合には、コンソール58上で撮影条件を適宜変更することができるように構成される。
そして、必要に応じて直接照射領域Xができるようにする等して、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射開始を的確に検出できる状態にして放射線画像撮影を行う。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50によれば、放射線画像撮影に先立って、算出手段で、放射線発生装置55から放射線画像撮影装置1に放射線を照射して放射線画像撮影装置1で読み出されるリークデータdleak等のデータに基づいて、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚BTmaxを、放射線発生装置55ごとに算出するように構成した。
そのため、放射線発生装置55ごとに放射線の照射特性が異なっていても、その放射線発生装置55を用いて放射線画像撮影を行う際に撮影を可能とするための条件、すなわち放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚BTmaxを、予め見出しておくことが可能となる。
そして、放射線画像撮影装置1に放射線を照射する放射線発生装置55が替わっても、見出した条件に基づいて被写体の実際の体厚BTが放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚BTmax以下であるか否かを的確に判断して、放射線画像撮影装置1で放射線の照射開始を的確に検出して放射線画像撮影を的確に行うことが可能となる。
そのため、放射線発生装置55から被写体に放射線を照射しても放射線画像撮影装置1に到達する放射線の線量率が小さくなり、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射開始を検出できず、改めて被写体に放射線を照射して再撮影を行うことで被写体の被曝線量が増大してしまう等の問題が生じることを確実に防止することが可能になる。
なお、本実施形態では、上記のように、放射線発生装置55ごとの放射線の照射特性が異なるため、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚BTmax等を、放射線発生装置55ごとに算出することについて説明した。
そして、その際、放射線画像撮影装置1側では、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚BTmax等は、放射線画像撮影装置1が異なっても変わらず、上記の算出処理は、放射線画像撮影装置1ごとには行わないことが前提とされている。
しかし、放射線画像撮影装置1には、半切サイズ(14×17インチ)のものや14×14インチ、17×17インチ等の種々のサイズがあり、放射線画像撮影装置1のサイズが異なると、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚BTmax等の値が変わる可能性がある。また、放射線画像撮影装置1の何らかの仕様が変わると、最大限の被写体の体厚BTmax等の値が変わり得る。
そのため、このような場合には、放射線画像撮影装置1の仕様が変わるごとに、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚BTmax等と、管電圧V等の撮影条件との関係(例えば図16や図18参照)をそれぞれ予め算出するように構成することが可能である。
また、使用頻度や使用期間等による放射線画像撮影装置1の経年劣化によって、上記の最大限の被写体の体厚BTmax等と管電圧V等の撮影条件との関係が経年的に変化する可能性もある。
そこで、このような場合には、放射線画像撮影装置1のキャリブレーション時等に上記の関係を算出して更新していくように構成することも可能である。そして、このように上記の関係を経年的に更新していくように構成することで、放射線発生装置55から被写体を介して放射線画像撮影装置1に放射線を照射したにもかかわらず、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射開始を検出することができなくなることを的確に防止することが可能となる。
[第2の実施の形態]
一方、上記の第1の実施形態では、放射線画像撮影装置1の制御手段22が、放射線の照射開始の検出処理を1つの感度でしか行えないように構成されていることを前提に説明したが、以下で説明するように、例えば、上記の各検出方法における閾値を変化させることで、放射線の照射開始の検出処理の感度を変化させることが可能である。
[放射線の照射開始の検出処理の感度について]
すなわち、本発明の第2の実施形態に係る放射線画像撮影装置1では、上記の差分法(検出方法A)や積算法(検出方法B)等を用いて放射線の照射開始の検出処理を行う際に、制御手段22における放射線の照射開始の検出処理の感度を変化させて設定することができるようになっている。そして、本実施形態では、差分法における閾値Δdthや、積算法における閾値ΣΔdthを変化させることで放射線の照射開始の検出処理の感度を変化させることができるようになっている。
具体的には、通常の場合、放射線発生装置55(図4や図5参照)から放射線画像撮影装置1に照射される放射線が十分に強い場合(すなわち照射される放射線の線量率が大きい場合)には、放射線の照射開始の検出処理の感度が低くても放射線画像撮影装置1で放射線の照射開始を十分に検出できるため、閾値Δdthや閾値ΣΔdthをより高い値に変化させて感度を下げる。以下では、この場合を「低感度」という。
一方、放射線画像撮影装置1に照射される放射線が弱い場合(すなわち照射される放射線の線量率が小さい場合)場合には、閾値Δdthや閾値ΣΔdthをより低い値に変化させて感度を上げる。以下では、この場合を「高感度」という。
放射線画像撮影装置1では、このように、差分法における閾値Δdthや、積算法における閾値ΣΔdthを変化させることで放射線の照射開始の検出処理の感度を変化させることが可能である。
なお、放射線画像撮影装置1に照射される放射線が十分に強い撮影条件の場合、すなわち、読み出されるリークデータdleak等が大きく、それに基づく上記の差分Δd(z)の値も十分に大きい場合には、積算法(検出方法B)を用いなくても差分法(検出方法A)のみで十分に放射線の照射開始を検出することが可能である。
そのため、本実施形態では、「低感度」で放射線の照射開始の検出処理を行う場合には、積算法(検出方法B)の方の閾値ΣΔdthを非常に高い値に設定して、実際上、積算法では放射線の照射開始を検出できないようにし、差分Δd(z)に基づく差分法(検出方法A)のみを用いて放射線の照射開始の検出処理を行うようになっている。
このように構成すると、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、実際上、差分法のみを用いて差分Δd(z)が閾値Δdth以上になったか否かのみを判断して放射線の照射開始の検出処理を行えばよくなるため、検出処理が軽くなるといったメリットがある。なお、この場合、閾値Δdthも「高感度」等の場合よりも高い値に設定される。
また、本実施形態では、「低感度」と「高感度」との間に「中感度」が設けられている。この「中感度」では、差分法(検出方法A)における閾値Δdthが上記の「低感度」の場合よりも低い値に設定され、「低感度」よりも検出処理の感度を上げる。しかし、この「中感度」では、積算法(検出方法B)における閾値ΣΔdthは依然非常に高い値に設定されており、上記と同様に、実際上、積算法では放射線の照射開始の検出処理は行われない。
そして、本実施形態では、「高感度」が設定されるのは、例えば聴器のシュラー撮影等のように、放射線画像撮影装置に非常に低い線量率で放射線が照射されて放射線画像撮影が行われるような場合である。
そして、「高感度」の場合には、積算法(検出方法B)における閾値ΣΔdthがより低い値に設定され、差分法(検出方法A)と積算法(検出方法B)の両方を用いて放射線の照射開始の検出処理が行われるようになっている。なお、本実施形態では、「高感度」の場合、差分法と積算法のいずれかでデータが閾値以上になった時点で、制御手段22が放射線の照射開始を検出するようになっている。
なお、放射線の照射開始の検出処理の感度をさらに細かく分けて設定することができるように構成することも可能である。
また、放射線画像撮影装置1における放射線の照射開始の検出処理の感度を変化させる方法は、本実施形態のように閾値を変更する場合に限定されず、例えば、1回のデータの収集時間を変化させる等して1回の読み取り動作で読み出されるリークデータdleakや照射開始検出用のデータdの値の大きさをより大きくしたり小さくしたりして変化させること等により、感度を変化させるように構成することも可能である。
そして、本実施形態では、算出手段は、図16に例示した管電圧Vと最大限の被写体の体厚BTmaxとの関係を、感度ごとにそれぞれ予め算出しておくように構成されている。そして、本実施形態では、コンソール58は、算出手段が予め算出した感度ごとの上記の関係を例えば記憶手段59(図4参照)に保持している。なお、この場合も、上記の関係が放射線発生装置55ごとに算出されて保持されている。
[コンソールで放射線画像撮影装置の検出処理の感度を切り替えることについて]
また、本実施形態では、コンソール58(図4や図5参照)が、放射線画像撮影装置1に信号を送信して、当該放射線画像撮影装置1の制御手段22における放射線の照射開始の検出処理の感度を切り替えさせることができるようになっている。
そして、最も単純な構成としては、放射線技師等の操作者が、放射線画像撮影装置1に設定したい検出処理の感度をコンソール58に入力すると、コンソール58は、放射線の照射開始の検出処理の感度を設定された感度に切り替えさせる信号を当該放射線画像撮影装置1に送信するように構成される。そして、この場合、当該放射線画像撮影装置1の制御手段22は、受信した信号に従って上記のように差分法における閾値Δdthや積算法における閾値ΣΔdthを変化させて感度を切り替え、切り替えた感度で放射線の照射開始の検出処理を行う。
また、より高度な構成としては、例えば、操作者が被写体の実際の体厚BTを実際に計測したり或いは目視で推定してコンソール58に入力したり、或いは、前述したHISやRISから被写体の実際の体厚BTの情報を入手する等すると、上記の関係に基づいて、入力された撮影条件(例えば管電圧V等)の下で放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射開始を検出することが可能な感度を割り出す。
そして、この場合、各感度の中で、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射開始を検出することが可能な感度が1つだけ存在する場合(すなわち上記の「高感度」、「中感度」、「低感度」の感度設定の条件下では「高感度」)には、コンソール58は、放射線の照射開始の検出処理の感度を検出可能な唯一の当該感度に切り替えさせる信号を当該放射線画像撮影装置1に送信するように構成される。
また、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射開始を検出することが可能な感度が複数存在する場合には、コンソール58は、例えば、可能な感度の中で最も高い感度や、放射線の照射開始を最もS/N比が良い状態で検出することができる感度、或いは放射線画像撮影装置1における消費電力が最も少なくて済む感度など、予め設定された条件の下で定められる感度を選択し、放射線の照射開始の検出処理の感度を選択した感度に切り替えさせる信号を当該放射線画像撮影装置1に送信するように構成することが可能である。
そして、この場合も、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、受信した信号に従って閾値を変化させて感度を切り替え、切り替えた感度で放射線の照射開始の検出処理を行うように構成される。
そして、このように構成すれば、例えば、放射線画像撮影装置1がある撮影室R1から別の撮影室R1に搬送されて、放射線画像撮影装置1に放射線を照射する放射線発生装置55が替わる等して撮影条件が変更されても、コンソール58が、変更後の放射線発生装置55から体厚BTの被写体に放射線を照射して放射線画像撮影装置1の制御手段22で放射線の照射開始を的確に検出することができる感度を見つけ出し、放射線画像撮影装置1における検出処理の感度を当該感度に切り替えさせて、放射線画像撮影装置1の状態を的確に切り替えることが可能となる。
そのため、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、切り替えた感度で検出処理を行って、変更後の放射線発生装置55からの放射線の照射が開始されたことを的確に検出することが可能となり、放射線画像撮影を的確に行うことが可能となる。
一方、例えば、放射線画像撮影装置1に放射線を照射する放射線発生装置55としてポータブルの放射線発生装置55(図5参照)が用いられるような場合、ポータブルの放射線発生装置55は、一般的に、撮影室R1に固定された放射線発生装置55(図4参照)よりも照射される放射線の線量率が小さいものが多い。
また、固定式の放射線発生装置55では放射線画像撮影装置1との距離Lがある程度固定されているのに対して、ポータブルの放射線発生装置55は、使用される際の距離Lの振れ幅、すなわち放射線画像撮影装置1との距離Lが遠くなったり近くなったりする度合いが大きい。
そのため、ポータブルの放射線発生装置55が、放射線画像撮影装置1から比較的遠く離れた位置に配置されたような場合には、ある線量率で放射線画像撮影装置1に放射線が照射されるように所定の管電圧Vを設定しても、実際に放射線画像撮影装置1に到達する放射線の線量率が規定の線量率よりかなり小さくなるケースが生じ得る。
そこで、例えば、放射線発生装置55としてポータブルの放射線発生装置55を用いることが予め分かっている場合には、上記のように、コンソール58から、放射線の照射開始の検出処理の感度を切り替えさせる信号を放射線画像撮影装置1に送信する際に、固定式の放射線発生装置55を用いて放射線画像撮影を行う場合に設定される感度よりも一段階高い感度に切り替えさせる信号を送信するように構成することが可能である。
すなわち、固定式の放射線発生装置55を用いて放射線画像撮影を行う場合に設定される感度が例えば「低感度」である場合には、コンソール58から放射線画像撮影装置1に感度を「中感度」に切り替えさせる信号を送信し、また、前者が「中感度」である場合には、コンソール58から放射線画像撮影装置1に感度を「高感度」に切り替えさせる信号を送信するように構成することが可能である。
しかし、設定される管電圧Vや被写体の撮影部位等の情報に基づけば、ポータブルの放射線発生装置55からどの程度の線量率の放射線が照射されるかが予め分かり、照射される放射線の線量率が十分に高い場合には、上記のようにいわば感度を一段階上げる必要はない。
そこで、例えば、コンソール58で、ポータブルの放射線発生装置55に設定される管電圧Vや被写体の撮影部位等の撮影条件の情報に基づいて、上記のように感度を一段階上げるか否かを決めるように構成することも可能である。また、放射線技師等の操作者に判断を仰ぐために、感度を一段階上げるか否かを入力するように要求する通知を行うように構成することも可能である。
そして、このように構成すれば、放射線発生装置55がポータブルの放射線発生装置55に変更されても、コンソール58が、変更後のポータブルの放射線発生装置55から体厚BTの被写体に放射線を照射して放射線画像撮影装置1の制御手段22で放射線の照射開始を的確に検出することができる感度を見つけ出し、放射線画像撮影装置1における検出処理の感度を当該感度に切り替えさせて、放射線画像撮影装置1の状態を的確に切り替えることが可能となる。
そのため、この場合も、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、切り替えた感度で検出処理を行って、ポータブルの放射線発生装置55からの放射線の照射が開始されたことを的確に検出することが可能となり、放射線画像撮影を的確に行うことが可能となる。
[効果]
以上のように、本実施形態に係る放射線画像撮影システム50によれば、放射線発生装置55が替わる等の撮影条件が変更されても、コンソール58が、変更後の放射線発生装置55から体厚BTの被写体に放射線を照射して放射線画像撮影装置1の制御手段22で放射線の照射開始を的確に検出することができる感度を見つけ出し、放射線画像撮影装置1における検出処理の感度を当該感度に切り替えさせて、放射線画像撮影装置1の状態を的確に切り替えることが可能となる。
そのため、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、切り替えた感度で検出処理を行って、変更後の放射線発生装置55からの放射線の照射が開始されたことを的確に検出することが可能となり、放射線画像撮影を的確に行うことが可能となる。
なお、本実施形態の場合も、例えば、上記の関係に基づいても、被写体の体厚BTが大き過ぎて放射線画像撮影装置1の制御手段22における放射線の照射開始の検出処理の感度をどのような感度に切り替えても放射線の照射開始を検出することができない場合には、例えば、その旨をコンソール58の表示部58a(図4や図5参照)上に表示する等して、放射線技師等の操作者に通知するように構成される。
[第3の実施の形態]
[電波や衝撃等による誤検出について]
上記の第1、第2の実施形態では、主に、被写体である患者が太っていて被写体の体厚BTが大きい場合に、放射線画像撮影装置1に到達する放射線の線量率が小さくなってしまい、放射線発生装置55から放射線が照射されているにもかかわらず、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射開始を検出することができないような場合について説明した。
一方、本発明者らの研究では、前述したように、撮影室内の放射線発生装置55等の機器等が発する電波や、一部の撮影台に見られるように撮影の際に放射線画像撮影装置1が動くことによって放射線画像撮影装置1に加わる衝撃や振動等のために、今度は、実際には放射線画像撮影装置に放射線が照射されていないにもかかわらず、放射線画像撮影装置1がそれらの影響で放射線の照射が開始されたと誤検出してしまう場合があることも分かってきた。
また、放射線画像撮影装置1をブッキー装置51(図4参照)に装填する状態ではなく、図5に示したように、放射線画像撮影装置1を、患者の身体にあてがったり、ベッドBと患者の身体との間に差し込んだりして用いる際に、患者の身体やベッドB等と放射線画像撮影装置1とがぶつかることで放射線画像撮影装置1に衝撃や振動等が加わることで、上記と同様に放射線画像撮影装置1がそれらの影響で放射線の照射が開始されたと誤検出してしまう場合があることも分かってきた。
そして、本発明者らがさらに研究を重ねた結果、上記の第2の実施形態のように放射線画像撮影装置1の制御手段22が、差分法における閾値Δdthや積算法における閾値ΣΔdthを変化させることで放射線の照射開始の検出処理の感度を切り替えることができるように構成されている場合、閾値を変化させて感度を切り替える等の工夫をすることで、上記のような電波や衝撃等の影響を受けにくくして、放射線の照射開始を的確に検出することができる場合があることが分かってきた。
そこで、本発明の第3の実施形態に係る放射線画像撮影システム50では、このような電波や衝撃等のために放射線の照射開始の誤検出が生じ得る放射線画像撮影装置1の使用環境においても、放射線画像撮影装置1を適切に調整して、放射線画像撮影装置1の制御手段22にそのような誤検出を生じさせずに、放射線の照射開始を的確に検出させるための構成等について説明する。
[誤検出を生じさせない感度の設定等について]
上記の、放射線画像撮影装置1と患者の身体やベッドB等とがぶつかることで衝撃等が加わり、放射線の照射開始が誤検出される場合については、予めどのような衝撃等が放射線画像撮影装置1に加わるかを予測することは必ずしも容易でないが、放射線画像撮影の際に、撮影室内の放射線発生装置55等の機器等からどのような電波が発せられ、或いは、撮影台等から放射線画像撮影装置1にどのような衝撃等が加わるかは、予め推定することが可能である。
そこで、放射線画像撮影装置1の制御手段22が、上記のように放射線の照射開始の検出処理の感度を変化させることができるように構成されている場合には、検出処理の感度をどの感度にすれば、放射線画像撮影装置1が電波を拾ったり、或いは機器等から衝撃等が加わっても放射線の照射開始を的確に検出することができるか条件を予め見出しておくことができる。
具体的には、第1の実施形態で説明した算出手段と同様に、本実施形態では、放射線画像撮影システム50には、判断手段が備えられる。この判断手段における判断処理をコンソール58が行うように構成する(すなわちコンソール58を判断手段として機能させる)ことも可能であり、放射線画像撮影システム50における図示しない画像処理装置等の他のコンピューターが行うように構成することも可能である。また、判断手段として専用のコンピューターを備えるように構成することも可能である。
そして、判断手段は、上記のようにして放射線画像撮影装置1が読み出すリークデータdleak等のデータに対して加わる上記の電波や衝撃等の影響のみを見出すために、第1の実施形態の算出手段における最大限の被写体の体厚BTmaxの算出処理の場合とは異なり、この場合は、放射線画像撮影に先立って、放射線画像撮影装置1に対して放射線を照射しない状態で判断処理を行う。
なお、この場合、例えば、放射線発生装置55から放射線を照射する際に発せられる電波のように、放射線を照射することに伴う放射線画像撮影装置1への影響を判断する場合には、実際に放射線を照射させて判断処理を行うが、放射線画像撮影装置1にはその放射線が照射されない状態で判断処理を行うように構成される。「放射線画像撮影装置に放射線を照射しない状態」と言う場合、このように放射線を照射するが放射線画像撮影装置1にはその放射線を照射しない状態をも含む。
そして、判断手段は、放射線画像撮影装置1の制御手段22における放射線の照射開始の検出処理の感度を切り替えながら、そのような状態で上記のようにして算出される差分法における差分Δd(z)や積算法における差分Δd(z)の積算値ΣΔdが閾値Δdthや閾値ΣΔdth以上になる場合があるか否かを感度ごとに判断する。
この場合、上記の状態で読み出される差分Δd(z)や積算値ΣΔdが閾値Δdth、ΣΔdth以上になると、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されない状態で放射線の照射開始が検出されることになるため、その場合は放射線の照射開始が誤検出されたことになる。
そして、本実施形態では、上記の判断処理を、放射線画像撮影装置1の制御手段22における放射線の照射開始の検出処理の感度ごとに複数回ずつ行う。その結果、例えば図19に例示するような結果が得られたとする。なお、図19において「○」は誤検出を生じなかった場合を表し、「×」は誤検出が生じた場合を表す。図19に示されるように、感度を上げた方が上記のような電波や衝撃等の影響を受け易くなるため、誤検出が生じ易くなっている。
本実施形態では、判断手段は、複数回の判断処理で1回も誤検出(すなわち図19中の「×」)が生じなかった感度を、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な感度と判断するようになっている。
図19の例では、「低感度」が、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な感度と判断されており(図中の「使用可能」参照)、「高感度」および「低感度」は制御手段22が放射線の照射開始を的確に検出することができない感度と判断されている(図中の「使用不可」参照)。
そして、このような判断手段による判断処理の結果を活用する方法としては、上記の第1の実施形態の各活用方法と同様に種々の活用の仕方が可能である。
すなわち、例えば、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能と判断した検出処理の感度を通知するように構成することが可能である。この場合、例えば、判断手段を構成するコンピューターの表示部上に、「この撮影室では検出処理の感度を低感度に設定してください。」等の表示を行ったり音声を発声させる等して、放射線技師等の操作者に通知するように構成することが可能である。
また、このような通知に代えて、或いは上記のような通知を行うとともに、判断手段が、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能と判断した検出処理の感度(図19の場合は「低感度」)を、当該放射線画像撮影装置1に対して自動的に設定するように構成することも可能である。
この場合、例えば、判断手段から放射線画像撮影装置1に対して、放射線の照射開始の検出処理の感度を設定すべき感度(図19の場合は「低感度」)に切り替えさせる信号を送信し、放射線画像撮影装置1の制御手段22は、受信した信号に含まれる感度の情報に従って、検出処理の感度を切り替えるように構成することが可能である。
[効果]
以上のように構成すれば、放射線画像撮影に先立って、撮影室内の機器等が発する電波や、放射線画像撮影に用いられる機器から放射線画像撮影装置1に加わる衝撃等が、放射線画像撮影装置1の制御手段22における放射線の照射開始の検出処理にどの程度の影響を与えるかを予め見出し、放射線の照射開始を的確に検出することが可能な検出処理の感度を予め見出しておくことが可能となる。
そして、そのような感度の情報に基づいて、放射線技師等の操作者や判断手段自体が放射線画像撮影装置1の制御手段22における検出手段の感度を上記の感度に切り替えされることにより、放射線画像撮影装置を使用する環境にあわせて放射線画像撮影装置1を適切に調整し、放射線の照射開始を的確に検出して放射線画像撮影を的確に行うことが可能となる。
そのため、放射線画像撮影装置1で放射線の照射開始の誤検出が生じて撮影をやり直したり放射線画像撮影をスムーズに行うことができなくなったりすることがなくなり、操作者や被写体である患者にとって、放射線画像撮影システム50の使い勝手が良くなり、放射線画像撮影システム50の利便性を向上させることが可能となる。
なお、本実施形態の場合も、放射線画像撮影装置1の制御手段22が放射線の照射開始を検出することが可能な感度が複数存在する場合には、判断手段は、例えば、可能な感度の中で最も高い感度や、放射線の照射開始を最もS/N比が良い状態で検出することができる感度、或いは放射線画像撮影装置1における消費電力が最も少なくて済む感度など、予め設定された条件の下で定められる感度を選択するように構成することが可能である。
また、このような場合に、複数の感度を全て放射線技師等の操作者に通知し、操作者が適切な感度を選択するように構成することも可能である。
[積算法における電波や衝撃等の影響の排除方法等について]
一方、上記のように電波や衝撃等の影響が存在する中でも、放射線画像撮影装置に照射される放射線の線量率が小さく、放射線の検出処理の感度を高くして放射線画像撮影を行わなければならない場合もあり得る。
放射線画像撮影装置1に照射される放射線の線量率が小さい場合、前述した差分法(検出方法A)を用いても、放射線が照射された際に読み出されるリークデータdleak等から算出される差分Δd(z)の値が、電波や衝撃等の影響で値が大きくなった差分Δd(z)の値よりも小さくなってしまい、閾値Δdthを調整しても放射線の照射開始を検出することが困難になる場合がある。
そのような場合には、本実施形態では、上記の積算法(検出方法B)を用いて放射線の照射開始を検出するように構成される。しかし、積算法は、前述したように、差分Δd(z)を時間的に積算して積算値ΣΔdを算出する方法であるため、上記のように電波や衝撃等の影響が存在する環境下では、上記のように電波や衝撃等の影響で値が大きくなった差分Δd(z)が次々に積算される状態になる。
このように、電波や衝撃等の影響が存在する環境下で、差分Δd(z)に何らの制限も課さずに単純に積算してしまうと、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されていないにもかかわらず、差分Δd(z)の積算値ΣΔdが次第に大きくなる。そして、閾値ΣΔdth以上になってしまい、放射線の照射開始を誤検出してしまうことになる。
そこで、このような環境では、放射線が照射された際に読み出されるリークデータdleak等から算出される差分Δd(z)の値が、電波や衝撃等の影響で値が大きくなった差分Δd(z)よりも小さな値になることを利用して、以下のように構成して、積算法において電波や衝撃等の影響を排除するように構成することが可能である。
すなわち、積算法において積算する差分Δd(z)の値に対して、例えば図20に示すような上限値Δdmaxおよび下限値Δdminを設定することが可能である。そして、下限値Δdmin以上、上限値Δdmax以下の値の差分Δd(z)のみを積算していき、下限値Δdmin未満の値および上限値Δdmaxより大きな値の差分Δd(z)(図中で斜線を付した部分の差分Δd(z)参照)は積算しないように構成することが可能である。
その際、積算する差分Δd(z)の上限値Δdmaxと下限値Δdminの各絶対値が同じ値になるように上限値Δdmaxおよび下限値Δdminを設定してもよく、また、異なる値になるように設定してもよい。
以上のように構成すれば、電波や衝撃等の影響で値が大きくなった差分Δd(z)(正確には値の絶対値が大きくなった差分Δd(z))は上限値Δdmaxより値が大きくなり、或いは下限値Δdminよりも値が小さくなる。すなわち、上限値Δdmaxおよび下限値Δdminで規定される数値範囲より値の振れ幅が大きくなる。
逆の言い方をすれば、積算法において積算される差分Δd(z)の上限値Δdmaxおよび下限値Δdminは、電波や衝撃等の影響で絶対値が大きくなった差分Δd(z)の振れ幅よりも狭い数値範囲になるように設定される。
そのため、上記の積算法において、電波や衝撃等の影響で絶対値が大きくなった差分Δd(z)は積算されないようにすることが可能となるため、放射線画像撮影装置1に放射線が照射されていない場合には、差分Δd(z)の積算値ΣΔdが閾値ΣΔd以上になることを回避することが可能となる。
また、上記の積算法においては、放射線が照射された際に読み出されるリークデータdleak等から算出される差分Δd(z)のみを積算することが可能となる。そのため、電波や衝撃等の影響が存在する中で、放射線画像撮影装置1に照射される放射線の線量率が小さくても、差分Δd(z)の積算値ΣΔdが閾値ΣΔd以上になり、放射線の照射開始を的確に検出して、放射線画像撮影を的確に行うことが可能となる。
なお、積算法では、差分Δd(z)を積算する際に、ノイズが積算されてしまい、放射線画像撮影装置1に対して放射線が照射されていないにもかかわらず、差分Δd(z)の積算値ΣΔdが閾値ΣΔdth以上になって放射線の照射が開始されたと誤検出されてしまう可能性がある。
そこで、例えば上記のように、積算法において積算する差分Δd(z)の値に対して上限値Δdmaxや下限値Δdminを設定する際に、例えば図21に示すように、それとあわせて、Δd(z)=0の近傍に、ノイズを除去するための数値範囲、すなわち図21におけるNmin〜Nmaxの数値範囲を設定する。そして、ノイズと見なすことができるこのNmin〜Nmaxの数値範囲内の差分Δd(z)(図中で斜線を付した部分の差分Δd(z)参照)は積算しないように構成することが可能である。
このように構成すれば、上記のように電波や衝撃等の影響を排除して、放射線が照射された際に読み出されるリークデータdleak等から算出される差分Δd(z)のみを積算して放射線の照射開始を的確に検出することが可能となるとともに、ノイズが積算されて積算値ΣΔdが閾値ΣΔdth以上になることを的確に防止することが可能となり、ノイズが積算されることにより放射線の照射開始の誤検出が発生することを的確に防止することが可能となる。
なお、本発明が上記の各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜変更可能であることは言うまでもない。
1 放射線画像撮影装置
5 走査線
6 信号線
7 放射線検出素子
8 TFT(スイッチ手段)
15 走査駆動手段
17 読み出し回路
22 制御手段
41 アンテナ装置(通信手段)
50 放射線画像撮影システム
55 放射線発生装置
58 コンソール(コンピューター)
58a 表示部
BT 被写体の体厚
BTmax 最大限の被写体の体厚
D 画像データ
d 照射開始検出のデータ(データ)
dleak リークデータ(データ)
dleak_th 閾値
dth 閾値
G グリッド
q 電荷
S 面積
Smin 最低限の面積
V 管電圧(撮影条件)
X 直接照射領域(放射線が直接照射される領域)
Δd(z) 差分(リークデータ等に基づいて算出される値)
Δdth 閾値
ΣΔd 積算値(リークデータ等に基づいて算出される値)
ΣΔdth 閾値

Claims (14)

  1. 互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、
    二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
    前記各走査線に印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替える走査駆動手段と、
    前記各走査線に接続され、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を前記信号線に放出させるスイッチ手段と、
    前記放射線検出素子から放出された前記電荷を画像データとして読み出す読み出し回路と、
    放射線の照射が開始される前から少なくとも前記走査駆動手段と前記読み出し回路とを制御して、前記読み出し回路で読み出されたデータが閾値以上になった時点で放射線の照射が開始されたことを検出する制御手段と、
    を備える放射線画像撮影装置と、
    前記放射線画像撮影装置に放射線を照射する放射線発生装置と、
    を備え、
    さらに、放射線画像撮影に先立って、前記放射線発生装置から前記放射線画像撮影装置に放射線を照射して前記放射線画像撮影装置で読み出される前記データに基づいて、前記放射線画像撮影装置の前記制御手段が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚を、前記放射線発生装置ごとに算出する算出手段を備えることを特徴とする放射線画像撮影システム。
  2. 前記算出手段は、前記放射線画像撮影装置の前記制御手段が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な最大限の被写体の体厚を、前記放射線発生装置に設定する撮影条件との関係で算出することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像撮影システム。
  3. 前記撮影条件には、前記放射線発生装置に供給する管電圧が含まれることを特徴とする請求項2に記載の放射線画像撮影システム。
  4. 前記算出手段は、前記関係を、前記放射線画像撮影装置にグリッドを装着した場合と、前記放射線画像撮影装置にグリッドを装着しない場合とでそれぞれ算出することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の放射線画像撮影システム。
  5. 表示部を備えるコンピューターを備え、
    前記コンピューターの前記表示部に、前記算出手段が算出した前記最大限の被写体の体厚の情報を表示することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システム。
  6. 前記放射線発生装置に対して設定する撮影条件を入力可能なコンソールと、
    前記コンソールに入力された前記撮影条件の下で、前記放射線画像撮影装置の前記制御手段が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能な前記最大限の被写体の体厚を通知する通知手段と、
    を備えることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システム。
  7. 放射線画像撮影の対象となる前記被写体の体厚を入手すると、前記放射線発生装置に設定する撮影条件と前記最大限の被写体の体厚との関係に基づいて、当該被写体の体厚の下で、前記放射線画像撮影装置の前記制御手段が放射線の照射が開始されたことを検出することを可能とする撮影条件を通知する通知手段を備えることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システム。
  8. 放射線画像撮影の対象となる前記被写体の体厚を入手すると、前記放射線発生装置に設定する撮影条件と前記最大限の被写体の体厚との関係に基づいて、当該被写体の体厚の下で、前記放射線画像撮影装置の前記制御手段が放射線の照射が開始されたことを検出することを可能とする撮影条件を、前記放射線発生装置に対して自動的に設定するコンソールを備えることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システム。
  9. 前記算出手段は、前記最大限の被写体の体厚を算出するとともに、前記放射線画像撮影装置の前記制御手段が放射線の照射が開始されたことを検出することを可能とするための、前記放射線発生装置から被写体を介さずに前記放射線画像撮影装置に放射線が直接照射される領域の最低限の面積を算出することを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システム。
  10. 前記放射線画像撮影装置の前記制御手段は、少なくとも前記閾値を変化させることにより放射線の照射開始の検出処理の感度を変化させることができるように構成されており、
    前記算出手段は、前記制御手段における前記検出処理の感度ごとに前記最大限の被写体の体厚をそれぞれ算出することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システム。
  11. 前記算出手段による前記放射線発生装置ごとの前記最大限の被写体の体厚の算出処理を、前記放射線発生装置から前記放射線画像撮影装置に放射線を照射して前記放射線画像撮影装置で読み出される前記データに基づいて行う代わりに、前記放射線発生装置から、当該放射線画像撮影装置の位置に配置された線量計に放射線を照射し、前記線量計が検出した線量率のデータに基づいて行うことを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の放射線画像撮影システム。
  12. 互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、
    二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
    前記各走査線に印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替える走査駆動手段と、
    前記各走査線に接続され、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を前記信号線に放出させるスイッチ手段と、
    前記放射線検出素子から放出された前記電荷を画像データとして読み出す読み出し回路と、
    放射線の照射が開始される前から少なくとも前記走査駆動手段と前記読み出し回路とを制御して、前記読み出し回路で読み出されたデータが閾値以上になった時点で放射線の照射が開始されたことを検出する制御手段と、
    を備える放射線画像撮影装置と、
    前記放射線画像撮影装置に放射線を照射する放射線発生装置と、
    少なくとも前記放射線画像撮影装置と前記放射線発生装置とを制御するコンソールと、
    を備え、
    前記放射線画像撮影装置の前記制御手段は、前記放射線の照射開始の検出処理の感度を変化させることができるように構成されており、
    前記コンソールは、前記放射線の照射開始の検出処理の感度を切り替えさせる信号を前記放射線画像撮影装置に送信することを特徴とする放射線画像撮影システム。
  13. 互いに交差するように配設された複数の走査線および複数の信号線と、
    二次元状に配列された複数の放射線検出素子と、
    前記各走査線に印加する電圧をオン電圧とオフ電圧との間で切り替える走査駆動手段と、
    前記各走査線に接続され、オン電圧が印加されると前記放射線検出素子に蓄積された電荷を前記信号線に放出させるスイッチ手段と、
    前記放射線検出素子から放出された前記電荷を画像データとして読み出す読み出し回路と、
    放射線の照射が開始される前から少なくとも前記走査駆動手段と前記読み出し回路とを制御して、前記読み出し回路で読み出されたデータが閾値以上になった時点で放射線の照射が開始されたことを検出する制御手段と、
    を備える放射線画像撮影装置と、
    前記放射線画像撮影装置に放射線を照射する放射線発生装置と、
    を備え、
    前記放射線画像撮影装置の前記制御手段は、少なくとも前記閾値を変化させることにより放射線の照射開始の検出処理の感度を変化させることができるように構成されており、
    さらに、放射線画像撮影に先立って、前記放射線発生装置から前記放射線画像撮影装置に放射線を照射しない状態で前記放射線画像撮影装置で読み出される前記データに基づいて、前記検出処理の感度ごとに、前記放射線画像撮影装置の前記制御手段が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能か否かを判断して通知する判断手段を備えることを特徴とする放射線画像撮影システム。
  14. 前記判断手段は、前記通知に代えて、または前記通知を行うとともに、前記制御手段が放射線の照射が開始されたことを検出することが可能と判断した前記検出処理の感度を、当該放射線画像撮影装置に対して自動的に設定することを特徴とする請求項13に記載の放射線画像撮影システム。
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