JP2014084403A - 熱伝導性シリコーングリース組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、絶縁性であり且つ傷付き防止性に優れた放熱用グリースを与える、熱伝導性シリコーン組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】
(A)25℃での動粘度10〜500,000mm2/sを有するオルガノポリシロキサン 100質量部、及び
(B)熱伝導性充填材 100〜1300質量部
を含むシリコーン組成物であって、
前記熱伝導性充填材が、
(a)平均粒径0.1〜100μmを有する炭酸カルシウム粉末 100〜1000質量部、及び
(b)平均粒径0.1〜100μmを有する水酸化アルミニウム粉末 0〜1000質量部
からなることを特徴とするシリコーン組成物及び、該シリコーン組成物からなるグリース。
【選択図】なし
Description
(A)25℃での動粘度10〜500,000mm2/sを有するオルガノポリシロキサン 100質量部、及び
(B)熱伝導性充填材 100〜1300質量部
を含むシリコーン組成物であって、
前記熱伝導性充填材が、
(a)平均粒径0.1〜100μmを有する炭酸カルシウム粉末 100〜1000質量部、及び
(b)平均粒径0.1〜100μmを有する水酸化アルミニウム粉末 0〜1000質量部
からなることを特徴とするシリコーン組成物及び、該シリコーン組成物からなるグリースを提供する。
上記の通り、本発明は(B)熱伝導性充填材が(a)炭酸カルシウム粉末のみ、あるいは(a)炭酸カルシウム粉末と(b)水酸化アルミニウム粉末の混合粉からなることを特徴とする。特に、本発明のシリコーン組成物は、熱伝導性充填材として特定の粒径を有する炭酸カルシウム粉末を特定量で含有することを特徴とする。本発明のシリコーン組成物は、アルミニウム粉末、酸化亜鉛、アルミナ粉末、窒化ホウ素、及び窒化アルミニウム粉末等の、炭酸カルシウム粉末及び水酸化アルミニウム粉末以外の熱伝導性充填材を含有しない。これにより、絶縁性であり、比較的高い放熱性を有し、且つ傷つき防止性に優れた熱伝導性シリコーングリースを提供することができる。以下、(a)炭酸カルシウム粉末及び(b)水酸化アルミニウム粉末について詳細に説明する。
本発明において炭酸カルシウム粉末は、平均粒径0.1〜100μm、好ましくは1.0〜50μmを有する。炭酸カルシウム粉末の平均粒径が上記下限値より小さいと、得られるシリコーン組成物の粘度が高くなりすぎ、組成物が扱い難くなるため好ましくない。炭酸カルシウム粉末の平均粒径が上記上限値より大きいと、得られるグリースが不均一になるため好ましくない。なお、本発明において平均粒径は体積平均粒子径であって、レーザー回折・散乱式粒度分布測定機マイクロトラックMT3300EX等により測定できる(以下、同じ)。
本発明のシリコーン組成物は、熱伝導性充填材として上記炭酸カルシウム粉末に加えて水酸化アルミニウム粉末を含有することができる。該水酸化アルミニウム粉末は、平均粒径0.1〜100μm、好ましくは1.0〜50μmを有する。水酸化アルミニウム粉末の平均粒径が上記下限値より小さいと、得られるグリース組成物の粘度が高くなりすぎ、組成物が扱い難くなるため好ましくない。また、水酸化アルミニウム粉末の平均粒径が上記上限値より大きいと、得られるグリースが不均一になるため好ましくない。本発明における水酸化アルミニウム粉末は、上記平均粒径を有するものであれば特に制限されるものでなく、公知の水酸化アルミニウム粉末から選択されればよい。水酸化アルミニウム粉末は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
(A)成分は、25℃での動粘度10〜500,000mm2/s、好ましくは30〜10,000mm2/sを有するオルガノポリシロキサンである。オルガノポリシロキサンの動粘度が上記下限値より低いとグリースにした時にオイルブリードが出やすくなる。また、上記上限値より大きいと、シリコーン組成物の伸展性が乏しくなるため好ましくない。なお、本発明において、オルガノポリシロキサンの動粘度はオストワルド粘度計で測定した25℃の値である。
R1 aSiO(4−a)/2 (1)
上記式(1)において、R1は、互いに独立に、炭素数1〜18、好ましくは1〜14の、不飽和結合を有してよい、非置換または置換の一価炭化水素基である。該一価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、及びオクタデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、及びアリル基等のアルケニル基、フェニル基、及びトリル基等のアリール基、2−フェニルエチル基、及び2−メチル−2−フェニルエチル基等のアラルキル基、又は、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えば、3,3,3−トリフロロプロピル基、2−(パーフロロブチル)エチル基、2−(パーフロロオクチル)エチル基、p−クロロフェニル基等が挙げられる。
本発明のシリコーン組成物はさらに、下記一般式(2)で表される加水分解性オルガノポリシロキサンを含有することができる。
本発明のシリコーン組成物はさらに、下記一般式(3)で表されるオルガノシラン及び/又は該オルガノシランの部分加水分解縮合物を含有することができる。
R4 cSiY4−c (3)
(式中、R4は、互いに独立に、炭素数1〜20の、不飽和結合を有してよい、非置換または置換の一価炭化水素基であり、Yは、互いに独立に、水酸基または加水分解性基であり、cは1〜3の整数である)
(a)炭酸カルシウム粉末
(a−1)平均粒径1.0μm
(a−2)平均粒径20.5μm
比較例3では以下に示す炭酸カルシウム粉末を使用した。
(a−3)平均粒径130μm
(b)水酸化アルミニウム粉末
(b−1)平均粒径2.5μm
(b−2)平均粒径14.5μm
(D−1)
C10H21Si(OCH3)3
(E−1)アルミニウム粉末(平均粒径:30μm)
(E−2)酸化亜鉛粉末(平均粒径:1.0μm)
(E−3)アルミナ粉末(平均粒径:8.9μm)
(E−4)窒化ホウ素粉末(平均粒径:2.0μm)
(E−5)窒化アルミニウム粉末(平均粒径:6.8μm)
シリコーン組成物の調製
上記成分を、表1、2に示す配合量に従い、容量5リットルプラネタリーミキサー(井上製作所(株)製混合機の登録商標)に投入し、150℃にて1時間撹拌してシリコーン組成物を製造した。
各組成物の絶対粘度を、株式会社マルコム社製の型番PC−1TL(10rpm)を用いて25℃にて測定した。
各組成物の熱伝導率を、京都電子工業株式会社製のTPA−501を用いて25℃にて測定した。
10mm×10mmの二枚のシリコーンウエハーに上記シリコーン組成物からなるグリースを挟み込み、指にて30回往復運動させた。その後、グリースを溶剤で綺麗にふき取り、シリコーンウエハーの表面をマイクロスコープで観察した。シリコーンウエハー表面の傷つき状態を次のように評価した。
○:全くキズが観察されない。
×:表面にキズが観察された。
総研電気株式会社製の液体電極:形式DAC−OBE−2(JIS C2101準拠)を用いて25℃にて体積抵抗値を測定した。
Claims (6)
- (A)25℃での動粘度10〜500,000mm2/sを有するオルガノポリシロキサン 100質量部、及び
(B)熱伝導性充填材 100〜1300質量部
を含むシリコーン組成物であって、
前記熱伝導性充填材が、
(a)平均粒径0.1〜100μmを有する炭酸カルシウム粉末 100〜1000質量部、及び
(b)平均粒径0.1〜100μmを有する水酸化アルミニウム粉末 0〜1000質量部
からなることを特徴とする、シリコーン組成物。 - (A)オルガノポリシロキサンが下記平均組成式(1)
R1 aSiO(4−a)/2 (1)
(式中、R1は、互いに独立に、炭素数1〜18の、不飽和結合を有してよい、非置換または置換の一価炭化水素基であり、aは1.8≦a≦2.2を満たす正数である)
で表される、請求項1記載のシリコーン組成物。 - (D)下記一般式(3)
R4 cSiY4−c (3)
(式中、R4は、互いに独立に、炭素数1〜20の、不飽和結合を有してよい、非置換または置換の一価炭化水素基であり、Yは、互いに独立に、水酸基または加水分解性基であり、cは1〜3の整数である)
で表されるオルガノシラン及び/または該オルガノシランの部分加水分解縮合物を、シリコーン組成物中に0.1〜10質量%となる量でさらに含有する、請求項1〜3のいずれか1項記載のシリコーン組成物。 - 熱伝導率0.3W/mk以上を有する請求項1〜4のいずれか1項記載のシリコーン組成物。
- 請求項1〜5のいずれか1項記載のシリコーン組成物からなるグリース。
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