JP2014079850A - 穴あきワークのバリ取り兼r面取り加工方法及び装置 - Google Patents

穴あきワークのバリ取り兼r面取り加工方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ロボットのティーチングを簡便にし、加工結果を均質化する。
【解決手段】 穴あきワークWの穴hの径よりも小さい外径寸法のブラシ毛束9をブラシ基台18に取り付けた構成のブラシ本体8を回転駆動可能に備え、更に、各ブラシ毛束9が毛束支持部材22の毛束挿通孔23より突出する寸法を調整可能な毛丈長さ調整機構13と、ブラシ本体8の穴あきワークWの表面に対する押し付け荷重を付与するためのエアシリンダ12を備えた研削ブラシツール2を形成して、ロボットアーム1に装着する。各ブラシ毛束9のうち、穴あきワークWの穴hに臨む配置のブラシ毛束9の先端部が、その穴hに少なくとも開口周縁部に加工するR面取りの半径寸法分差し込まれるようにするための押し付け荷重を、ブラシ本体8に付与した状態で回転駆動させて、各ブラシ毛束9の先端部を、穴あきワークWにおける穴hが形成してある領域の全面に亘り摺動させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の穴を設けたワークにおける穴の開口周縁部に生じたバリの除去と穴の開口周縁部のR面取り加工を行うための穴あきワークのバリ取り兼R面取り加工方法及び装置に関するものである。
2つの流体同士の間で熱交換を行わせるために用いる熱交換器の1つの形式として、一方の流体の入口と出口を備えたケーシング(シェル)の内部に、他方の流体を流通させるための複数の伝熱管(チューブ)を挿入配置した形式の多管式熱交換器がある。
この種の多管式熱交換器では、上記ケーシング内の各伝熱管の位置を保持して該各伝熱管の変位や振動を抑制することや、上記ケーシング内にて各伝熱管の外側を流通させる流体の流れを制御すること等を目的として、上記各伝熱管に対応する配置で複数の穴を設けてなる穴あきプレート部材を、各穴にそれぞれ対応する伝熱管を挿通させた状態で、上記ケーシング内における伝熱管の長手方向の1個所あるいは複数個所に設けた構成とすることがある。
上記多管式熱交換器で用いる穴あきプレート部材のような複数の穴のあいたプレート状の部材を製造する場合は、該部材に対応する厚み寸法や外形を備えたプレート状のワークに、プレス加工やブローチ加工等による穴あけ加工を行って複数の穴を形成するようにしてある。
上記穴あけ加工後のワーク(以下、穴あきワークと云う)では、各穴の開口周縁部にバリが形成されているため、通常は、上記穴あきワークに対するバリ取り加工を行ってバリを除去するようにしてある。
更に、上記多管式熱交換器の穴あきプレート部材は、多管式熱交換機の製造時には各穴に伝熱管を通す作業があり、この穴あきプレート部材のように、穴あきワークの各穴に後の工程で管あるいは棒状の挿通部材を通す作業が必要とされる場合は、該挿通部材を穴あきワークの各穴へさし込む作業を円滑に実施できるようにすると共に、該挿通部材に傷が付かないようにするために、穴あきワークの各穴の開口周縁部に、該穴あきワークの表面と穴の内面との間の角部を丸く面取りするR面取り加工を施すことが必要になることがある。
ところで、NC旋盤で加工したワークに生じたバリを除去するためのバリ取り加工手法の1つとしては、多関節ロボットに、モータで回転駆動できるようにしてあるバリ取り用ブラシを、力センサを介在させた状態で装着し、一定回転数で回転させた上記バリ取り用ブラシを、上記多関節ロボットの動作により、加工対象ワークに沿ってブラシの先端を接触させて、該加工対象ワークのバリ取りを実施するようにする手法が従来提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
又、ワークの角部のR面取り加工を行う手法の1つとしては、作業者がサンダー等の可搬型の工具を用いてワークのR面取り加工を手動で施工することが広く行われている。
更に、ワークの角部のR面取り加工を機械的(自動的)に実施させる手法としては、多関節ロボットに加工すべきR面取りの曲率に応じた湾曲形状の切削加工具を装着し、該切削加工具を回転駆動させた状態で、上記多関節ロボットの動作により上記ワークのR面取り加工すべき角部に押し当てながら、該角部に沿わせて移動させるようにする手法が、広く一般的に採用されている。
なお、熱間圧延鋼板の素材となるスラブに発生するスケールを該スラブの表面より除去するためのスケール除去用ブラシについて、該スケール除去用ブラシを、ブラシの毛の基端部を固定したブラシ台と、ブラシの毛を通すための複数の開口を備えたカバー体とからなる構成として、スケールの除去に伴って上記ブラシの毛が摩耗したときには、上記ブラシ台をカバー体に近付けることで、上記ブラシの毛の先端側における上記カバー体の開口より突出する部分の長さが一定となるようにして、該カバー体の開口より突出するブラシの毛の長さを、十分にスケール除去が可能で且つスラブに傷を発生させない長さ寸法に長時間保てるようにする考えが従来提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特開平2−180555号公報 特開平11−342414号公報
上記特許文献1に示されたものは、加工対象ワークのバリ取り加工を行うためのものに過ぎず、ワークの角部のR面取りを行う考えは示されていない。しかも、穴をあけたワークを加工対象ワークとする考えも示されていない。
そのため、特許文献1に示されたものでは、穴あきワークの各穴の開口周縁部のバリ取りは実施できるとしても、該各穴の開口周縁部のR面取り加工を行うことができるものではない。
すなわち、バリ取り加工は、加工対象ワークの表面より突出しているバリを除去するためのものであるため、特許文献1に示されたもののように、バリ取り用ブラシを回転駆動させた状態で加工対象ワークに沿ってブラシの先端をワーク表面に単に接触させれば、該加工対象ワークの表面より突出しているバリを速やかに除去することが可能になる。
しかし、穴あきワークに設けてある穴の開口周縁部の角部にR面取り加工を行う場合は、該R面取り加工で要求されるRの寸法分、該ワークの表面よりも穴の内側に入り込んだ領域を加工しなければならない。したがって、単にブラシの先端をワークの表面に接触させるだけでは、該穴あきワークに設けてある穴の開口周縁部のR面取り加工を確実に行うことは困難である。
穴あきワークに設けた各穴の開口周縁部の角部のR面取り加工について、作業者が可搬型の工具を用いて手動で行う手法は、穴あきワークにおける穴の数が多いと、人手が多くかかる。又、作業者の技能に応じて加工結果に個人差が生じてしまう。
そのため、穴の数が多い穴あきワークを加工対象とする場合、作業者の技能の差に起因する加工結果の不均一性を少なく抑えるには、作業者の数が少ない方が有利であるが、作業時間が嵩んでしまう。一方、作業時間の短縮化を図るためには、作業者の数を増やせばよいが、この場合は、各作業者の技能の差によって加工結果の不均一性が増大してしまう。
しかも、穴あきワークにおける穴の数が多い場合は、人手で各穴の開口周縁部のR面取り加工を行うと、各穴に対する施工順序が厳密には定まらないため、施工漏れが生じる可能性もある。
したがって、施工後検査が必要になり、上記穴あきワークの各穴に対する加工結果が均一でないということが前提にあると、該穴あきワークにおける各穴の開口周縁部についての全数検査を行う必要が生じるため、この検査作業のための手間と時間が嵩んでしまう。
ワークの角部のR面取り加工を機械的に行うために、多関節ロボットにより切削加工具を回転駆動した状態でワークの角部に押し当てるようにする手法では、通常、加工結果を均一にできると共に、施工漏れの問題を解消することが可能になると考えられる。
しかし、一般的に、産業用の多関節ロボットは、絶対位置精度が低いために、加工対象個所の空間座標を単に指示しても、上記切削加工具を実際の加工対象個所に配置させることは困難であり、しかも、上記切削加工具は、ワークの形状に倣った加工ができないことから、上記切削加工具を装着する多関節ロボットでは、ワークにおけるR面取り加工の対象個所についてのティーチングを厳密に行う必要がある。
そのため、複数の穴を設けた穴あきワークにおける各穴の開口周縁部の角部のR面取り加工を行う場合には、多関節ロボットに対し、予め、穴あきワークの面内における各穴の位置をティーチングする必要がある。更に、穴あきワークの面にうねりが生じている場合は、穴あきワークを配した平面に垂直な軸方向に沿って変化する各穴の位置についてもティーチングを行う必要がある。
そのため、穴あきワークのサイズが大きい場合や、穴あきワークにおける穴の数が多い場合は、各穴の位置についてのティーチング作業に多大な手間と時間を要するというのが実状である。
又、上記切削加工具による穴の開口周縁部のR面取り加工は、同時に複数の穴に対して実施することはできないため、1つの穴を対象とするR面取り加工を、すべての穴に対して順次繰り返して実施する必要がある。そのために、施工時間が長くなるという問題もある。
特許文献2に示されたものは、熱間圧延鋼板の素材となるスラブの表面よりスケールを除去するために該スラブの表面を摺動させるためのブラシに関するものであって、穴あきワークの各穴の開口周縁部のバリを取る考えはもとより、穴の開口周縁部のR面取り加工をブラシで行う考えが示唆されるものではない。
そこで、本発明は、複数の穴を設けてなる穴あきワークの各穴の開口周縁部のバリ取りとR面取り加工を、該加工を行うためのツールを装着した多関節ロボットのティーチングに多大な手間と時間を要することなく実施することができ、更に、施工漏れを防止できると共に、加工結果の均質化を図ることができる穴あきワークのバリ取り兼R面取り加工方法及び装置を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、請求項1に対応して、ブラシ基台の先端面の外周部における周方向の複数個所に穴あきワークの穴の径よりも小さい外径寸法に形成したブラシ毛束の基端部を取り付けた構成のブラシ本体を回転駆動可能に備えてなる研削ブラシツールを、該研削ブラシツールが装着してあるロボットのロボットアームの動作により、複数の穴を設けてなる穴あきワークの表面側に、該研削ブラシツールのブラシ本体の各ブラシ毛束のうち、上記穴あきワークの穴に臨む配置となるブラシ毛束の先端部が対応する穴に少なくとも上記穴あきワークの穴の開口周縁部に加工すべきR面取りの半径寸法に対応する寸法で差し込まれ、且つ上記穴あきワークの穴に臨まない配置となるブラシ毛束の先端部が該穴あきワークの表面に押し付けられる状態となるよう或る押し付け荷重を付与した状態で配置すると共に、該研削ブラシツールにおけるブラシ本体を回転駆動し、その後、上記研削ブラシツールに付与した上記或る押し付け荷重を保持しながら、上記ロボットアームの動作により上記研削ブラシツールの回転駆動状態のブラシ本体の各ブラシ毛束の先端部を、上記穴あきワークにおける穴が形成されている領域に摺動させて、上記穴あきワークの穴の開口周縁部のバリ取り及びR面取り加工を行うようにする穴あきワークのバリ取り兼R面取り加工方法とする。
又、請求項2に対応して、上記構成において、研削ブラシツールに、ロボットアーム側に取り付けるベースフレームと、該ベースフレームにツール先端側とツール後端側を結ぶ一軸方向にスライド自在に取り付けると共にブラシ本体を回転駆動可能に支持する可動フレームと、上記ベースフレームを基準として上記可動フレームに対して上記一軸方向に沿う荷重を付与することができるようにしたブラシ押付荷重付与手段を備えて、ロボットアームの動作により上記研削ブラシツールの回転駆動状態のブラシ本体の各ブラシ毛束の先端部を上記穴あきワークにおける穴が形成されている領域に摺動させるときに、上記ブラシ押付荷重付与手段により、上記ベースフレームを基準として上記可動フレームに対し、研削ブラシツールのブラシ本体の各ブラシ毛束のうち、上記穴あきワークの穴に臨む配置となるブラシ毛束の先端部が対応する穴に少なくとも上記穴あきワークの穴の開口周縁部に加工すべきR面取りの半径寸法に対応する寸法で差し込まれ、且つ上記穴あきワークの穴に臨まない配置となるブラシ毛束の先端部が該穴あきワークの表面に押し付けられる状態とするための或る押し付け荷重を常に付与するようにする。
更に、請求項3に対応して、上記各構成において、研削ブラシツールに、ブラシ本体の各ブラシ毛束を挿通させる毛束挿通孔を備えた毛束支持部材を、ブラシ本体と一体に回転可能に且つブラシ本体のブラシ基台との間隔を変化させることができるように備えて、ロボットアームの動作により上記研削ブラシツールの回転駆動状態のブラシ本体の各ブラシ毛束の先端部を上記穴あきワークにおける穴が形成されている領域に摺動させるときに、該摺動により上記各ブラシ本体のブラシ毛束の先端部に生じる摩耗に対応する寸法分、上記毛束支持部材と上記ブラシ本体のブラシ基台を、相対的に近接する方向へ移動させることにより、上記各ブラシ毛束の先端側における上記毛束支持部材の毛束挿通孔より突出して自由に撓むことが可能な毛丈寸法の変化を抑えるようにする。
又、請求項4に対応して、ブラシ基台の先端面の外周部における周方向の複数個所に、穴あきワークの穴の径よりも小さい外径寸法に形成したブラシ毛束の基端部を取り付けてブラシ本体を構成し、該ブラシ本体を回転駆動可能に備えた研削ブラシツールを、ロボットのロボットアームに装着してなる構成を有する穴あきワークのバリ取り兼R面取り加工装置とする。
更に、請求項5に対応して、上記構成において、研削ブラシツールを、ロボットアーム側に取り付けるベースフレームと、該ベースフレームにツール先端側とツール後端側を結ぶ一軸方向にスライド自在に取り付けると共にブラシ本体を回転駆動可能に支持する可動フレームと、上記ベースフレームを基準として上記可動フレームに対して上記一軸方向に沿う荷重を付与することができるようにしたブラシ押付荷重付与手段を備えてなる構成とし、且つ上記ブラシ押付荷重付与手段に、上記ロボットアームの動作により上記研削ブラシツールの回転駆動状態のブラシ本体の各ブラシ毛束の先端部を上記穴あきワークにおける穴が形成されている領域に摺動させるときに、上記ベースフレームを基準として上記可動フレームに対し、研削ブラシツールのブラシ本体の各ブラシ毛束のうち、上記穴あきワークの穴に臨む配置となるブラシ毛束の先端部が対応する穴に少なくとも上記穴あきワークの穴の開口周縁部に加工すべきR面取りの半径寸法に対応する寸法で差し込まれ、且つ上記穴あきワークの穴に臨まない配置となるブラシ毛束の先端部が該穴あきワークの表面に押し付けられる状態とするための或る押し付け荷重を常に付与することができる機能を備えるようにした構成とする。
更に又、請求項6に対応して、上記各構成において、研削ブラシツールを、ブラシ本体の各ブラシ毛束を挿通させるための毛束挿通孔を備えた毛束支持部材をブラシ本体と一体に回転可能に且つブラシ本体のブラシ基台との間隔を変化させることができるように備え、且つ上記毛束支持部材と上記ブラシ基台との間隔を変化させて、上記各ブラシ毛束の先端側における上記毛束支持部材の毛束挿通孔より突出して自由に撓むことが可能な毛丈寸法を調整するための毛丈長さ調整機構を備えてなる構成とする。
本発明によれば、以下のような優れた効果を発揮する。
(1)ロボットアームに研削ブラシツールを装着したロボットには、穴あきワークの表面における穴が形成されている領域をティーチングすれば、該領域内に存在する穴の開口周縁部のバリ取り及び所望するR面取りの半径寸法でのR面取り加工を施工することができる。
(2)よって、上記ロボットに対し、穴あきワークの面内における各穴の位置の個別のティーチングが不要になるため、穴あきワークにおける穴の数が多い場合であっても、ロボットのティーチングを、多大な手間と時間を要することなく実施できる。
(3)更に、穴あきワークにおける穴の数が多い場合であっても、すべての穴の開口周縁部についてバリ取り及びR面取り加工を施工することができるため、施工漏れを防止することができる。
(4)しかも、研削ブラシツールの穴あきワークの表面に対する相対的な配置を、該研削ブラシツールのブラシ本体の各ブラシ毛束のうちの上記穴あきワークの穴に臨む配置となるブラシ毛束の先端部を、対応する穴に少なくとも上記穴あきワークの穴の開口周縁部に加工すべきR面取りの半径寸法に対応する寸法で差し込むことができる位置に保持できるため、穴あきワークの各穴の開口周縁部のバリ取り及びR面取り加工の加工結果の均質化を図ることができる。
本発明の穴あきワークのバリ取り兼R面取り加工方法の実施に用いる装置の実施の一形態を示す概略側面図である。 図1のA−A方向矢視図である。 図1のB−B方向矢視図である。 図3のC−C方向矢視図である。 図3のD−D方向矢視図である。 図1の装置におけるブラシユニットを拡大して示すもので、(a)は一部切断斜視図、(b)は毛束支持部材をツール先端側より見た図、(c)はブラシ本体をツール先端側より見た図である。 図1の装置の使用時におけるブラシユニットのブラシ毛束の状態を示す概要図である。 図1の装置を用いて穴あきワークのバリ取り兼R面取り加工を実施するときのロボットアームによる研削ブラシツールの動作の概要を示す図である。 本発明の実施の他の形態を示す概要図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図8は本発明の穴あきワークのバリ取り兼R面取り加工方法及び装置の実施の一形態を示すもので、以下のようにしてある。
ここで、先ず、本発明の穴あきワークのバリ取り兼R面取り加工方法の実施に用いる装置(以下、単に本発明のバリ取り兼R面取り加工装置と云う)について説明する。
上記本発明のバリ取り兼R面取り加工装置は、図1乃至図7に示す如く、多関節ロボットのロボットアーム1の先端側に、研削ブラシツール2を装着する。
上記研削ブラシツール2は、上記ロボットアーム1側に取り付けるためのベースフレーム3に、ガイドレール4とガイドブロック5を介して、可動フレーム6を、穴あきワークWのバリ取り及びR面取り加工時に該加工対象となる穴あきワークWに臨む配置とさせる上記研削ブラシツール2の先端側(図1では左側、以下、ツール先端側と云う)と、その反対側となる研削ブラシツール2の後端側(図1では右側、以下、ツール後端側と云う)とを結ぶ一軸方向(図中の矢印x方向、以下、x軸方向と云う)にスライド可能に取り付ける。
又、穴あきワークWにおける穴hの径よりも小さい外径となるようにブラシ毛を束ねて形成した複数のブラシ毛束9の基端部を取り付けた構成のブラシ本体8を具備してなるブラシユニット7と、その回転軸10に接続したブラシ駆動用モータ11を、両者の回転軸心を共にx軸方向に沿わせた配置で上記可動フレーム6に支持させる。この際、上記ブラシユニット7における各ブラシ毛束9の先端側を、上記可動フレーム6のツール先端側の端部よりも外方へ突出させるようにする。
上記ベースフレーム3と可動フレーム6との間には、該可動フレーム6に支持させた上記ブラシユニット7のブラシ毛束9の先端部を穴あきワークWの表面に対して後述するように設定する或る一定の押し付け荷重で押し付けるためのブラシ押付荷重付与手段としてのエアシリンダ12を介装する。
更に、上記ブラシユニット7に、上記ブラシ本体8に基端部を取り付けた各ブラシ毛束9の先端側における自由に撓むことが可能な部分の毛丈長さ寸法を調整するための毛丈長さ調整機構13を備えた構成とする。
詳述すると、上記研削ブラシツール2のベースフレーム3は、上記x軸方向に平行な長辺を備えた矩形板状としてあり、該ベースフレーム3の背面(図1及び図2では上面)に、多関節ロボットのロボットアーム1の先端部が取り付けてある。なお、上記多関節ロボットのロボットアーム1に別のツールを付け替えて使用する必要がある場合は、図1及び図2に示すように、上記ベースフレーム3を、上記ロボットアーム1の先端部に、装着対象となるツールを自動的に交換できるようにするためのツール交換手段(ツールチェンジャー)14を介在させた状態で取り付けるようにすればよい。
上記ベースフレーム3の表面(図1及び図2では下面)には、x軸方向に延びる一対のガイドレール4が、所要間隔を隔てて平行に設置してある。
更に、上記ベースフレーム3の表面より或る寸法を隔てた位置に、x軸方向に平行な長辺を備えた矩形板状としてある可動フレーム6を、該ベースフレーム3と平行に配置すると共に、該可動フレーム6の背面となる上記ベースフレーム3に臨む側の面(図1及び図2では上面)の各コーナ部に、上記ベースフレーム3に設置した一対のガイドレール4にそれぞれ2つずつスライド可能に取り付けてあるガイドブロック5をそれぞれ固定する。これにより、上記各ガイドレール4に沿う各ガイドブロック5のスライドに伴って、上記可動フレーム6を、ベースフレーム3に対しx軸方向に相対的にスライドさせることができるようにしてある。
上記可動フレーム6には、図2、図3、図4に示すように、面内の中央部付近に、x軸方向に延びる略矩形状の開口部15が表裏両面に貫通させて設けてある。該開口部15の内側には、上記ブラシ押付荷重付与手段としてのエアシリンダ12を、その作動ロッド(ピストンロッド)12bの先端側をツール先端側へ向け且つ該作動ロッド12bの伸縮動作方向がx軸方向に沿うようにした姿勢で配置し、該エアシリンダ12のシリンダ本体12aを、上記ベースフレーム3に取付部材16を介して取り付けると共に、上記作動ロッド12bの先端部を、上記可動フレーム6に取付部材17を介して取り付ける。これにより、上記多間接ロボットのロボットアーム1の動作により上記研削ブラシツール2を移動させて、上記可動フレーム6に支持させたブラシユニット7のブラシ毛束9の先端部を、穴あきワークWの表面に対して押し付けるようにして接触させた状態のときに、上記エアシリンダ12の図示しないロッド側圧力室又はキャップ側圧力室に作用させる空気圧を或る一定圧力に保持することにより、上記各ブラシ毛束9の先端部の上記穴あきワークWの表面に対する押し付け荷重を一定に保持することができるようにしてある。
上記ブラシユニット7は、図1及び図6(a)(c)に示すように、或る外径を有し且つ中央部に表裏両側に貫通する開口部19を設けてなる円環状(リング状)のブラシ基台18を備え、該ブラシ基台18の先端面の外周部における周方向に或る間隔の複数個所(図では周方向の9個所)に、前記したように穴あきワークWにおける穴hの径よりも小さい外径となるように形成したブラシ毛束9(図7参照)の基端部をそれぞれ取り付けてブラシ本体8が形成してある。なお、上記周方向に配置された各ブラシ毛束9は、その先端部同士の間にも、該各ブラシ毛束9の基端部の取り付け個所の配置に応じた隙間が形成されるようにして、上記ブラシ本体8を穴あきワークWの表面に上記或る一定の押し付け荷重で押し付けた状態で回転させるときに各ブラシ毛束9が撓んでも、隣接するブラシ毛束9同士の間で撓んだ状態のブラシ毛束9の先端部同士の干渉があまり生じないようにしてある。これにより、上記各ブラシ毛束9を穴あきワークWの表面に押し付けるようにして回転させるブラシ本体8にて、図7に示すように、各ブラシ毛束9のうち、穴あきワークWの穴hに臨む位置に配置されるブラシ毛束9の先端部を、隣接するブラシ毛束9の撓みの影響を受けることなく、上記対応する穴あきワークWの穴hの内側に差し込むことができるようにしてある。
更に、上記ブラシ基台18の基端面側には、図1及び図6(a)に示すように、上記回転軸10を該ブラシ基台18と同軸心となるように配置すると共に、該回転軸10の先端部(一端部)を、上記ブラシ基台18の開口部19の周縁部に取り付けて、該回転軸10と一体に上記ブラシ本体8を回転させることができるようにする。
上記回転軸10の軸心部には、該回転軸10の軸心方向に貫通する軸差込穴20が設けてあると共に、該回転軸10の先端面における上記軸差込穴20が開口する部分の周縁部に、ボールスプライン軸受21が一体に取り付けてある(図1参照)。
更に、図6(a)(b)に示すように、上記ブラシ基台18と同様か又はやや大きな径の円板状とし且つ外周部における上記ブラシ基台18の複数のブラシ毛束9の取付個所と対応する周方向所要間隔の複数個所に、上記ブラシ毛束9の外径寸法よりやや大きな径の毛束挿通孔23を穿設してなる毛束支持部材22を形成する。上記毛束支持部材22における上記ブラシ基台18に臨む配置とさせる面の中心部には、上記ボールスプライン軸受21(図1参照)に対応するスプライン軸24の先端部(一端部)を取り付ける。
上記構成としてある毛束支持部材22は、図1及び図6(a)(b)に示すように、各毛束挿通孔23に、上記ブラシ本体8の対応する配置のブラシ毛束9を個別に挿通配置させると共に、該毛束支持部材22に取り付けてある上記スプライン軸24の基端側(他端側)を、上記ブラシ基台18の開口部19を通して上記回転軸10の軸差込穴20に設けてあるボールスプライン軸受21に挿入して嵌合させる。
上記ブラシユニット7は、図1に示すように、上記回転軸10の基端部(他端部)を軸継手25を介して上記ブラシ駆動用モータ11の出力軸11aに接続してある。これにより、上記ブラシ駆動用モータ11の運転により上記回転軸10と一体にブラシ本体8を回転させると、該回転軸10に設けたボールスプライン軸受21に挿入して該ボールスプライン軸受21との相対的な回転が防止されている上記スプライン軸24を介して上記毛束支持部材22にも回転駆動力を伝達して、該毛束支持部材22を上記ブラシ本体8と一緒に回転させることができるようにしてある。よって、上記毛束支持部材22の各毛束挿通孔23の内面で、上記ブラシ本体8の各ブラシ毛束9における該各毛束挿通孔23の内側に位置する部分を、周方向や径方向に変位が生じないように支持することができるようにしてある。
更に、上記ブラシ本体8及び毛束支持部材22の回転停止状態、あるいは、回転状態のいずれの場合であっても、上記毛束支持部材22と上記ブラシ本体8のブラシ基台18を互いに近接する方向に相対移動させることにより、上記ブラシ本体8の各ブラシ毛束9の長手方向における上記毛束支持部材22による支持個所を、該各ブラシ毛束9の基端寄りへ変位させることができるようにしてある。したがって、この場合は、上記ブラシ本体8の各ブラシ毛束9の先端側における上記毛束支持部材22の各毛束挿通孔23より突出する部分、すなわち、各ブラシ毛束9の先端側における自由に撓むことが可能な部分の毛丈長さ寸法が増加するようになる。
一方、上記ブラシ本体8及び毛束支持部材22の回転停止状態、あるいは、回転状態のいずれの場合であっても、上記毛束支持部材22と上記ブラシ本体8のブラシ基台18を互いに離反する方向に相対移動させることにより、上記ブラシ本体8の各ブラシ毛束9の長手方向における上記毛束支持部材22による支持個所を、該各ブラシ毛束9の先端寄りへ変位させることができるようにしてある。したがって、この場合は、上記ブラシ本体8の各ブラシ毛束9の先端側における上記毛束支持部材22の各毛束挿通孔23より突出していて自由に撓むことが可能な部分の毛丈長さ寸法が減少するようになる。
上記の点に鑑みて、本発明のバリ取り兼R面取り加工装置には、上記各ブラシ毛束9の先端側における自由に撓むことが可能な部分の毛丈長さ寸法を調整可能とするために、上記ブラシユニット7における上記ブラシ本体8のブラシ基台18と、上記毛束支持部材22との間隔を変化させる機能を有する毛丈長さ調整機構13を備える。
上記毛丈長さ調整機構13は、一例を示すと、図1乃至図3、及び、図5に示すように、上記可動フレーム6の表面に、x軸方向に延びる一対のガイドレール26を所要間隔を隔てて平行に設置し、上記可動フレーム6の表面側に、該可動フレーム6よりもx軸方向の寸法が短い平板状のステージ28を、所要の間隔を隔てて該可動フレーム6と平行に配置すると共に、該ステージ28の各コーナ部を、上記各ガイドレール26に、2つずつのガイドブロック27を介し取り付けて、該ステージ28が、上記可動フレーム6に対してx軸方向にスライドできるようにする。
更に、上記可動フレーム6と上記ステージ28との間の空間に、毛丈長さ調整用モータ29に接続したボールねじ直動機構30を、該ボールねじ直動機構30におけるナット部材31の往復動作方向が上記ガイドレール26と平行な方向、すなわち、x軸方向に沿う方向となるように配置して、該ボールねじ直動機構30を、上記可動フレーム6の表面に設置すると共に、上記ナット部材31を、上記ステージ28の背面側となる可動フレーム6に臨む面(図1、図2では上面)に取り付ける。
上記ステージ28の表面には、ツール後端側寄り個所(x軸方向他端寄り個所)に、出力軸11aをx軸方向に沿わせてツール先端側に向けた姿勢のブラシ駆動用モータ11を、取付部材32を介して設置する。更に、上記ステージ28の表面におけるツール先端側の端部に設けたブラケット33に、x軸方向に延びる円筒状のスリーブ部材35を取り付け、該スリーブ部材35の内側に、上記ブラシ駆動用モータ11の出力軸11aに軸継手25を介して接続してある上記ブラシユニット7の回転軸10を、ベアリング34を介して回転自在に取り付ける。これにより、上記毛丈長さ調整用モータ29を運転して、上記ボールねじ直動機構30のナット部材31をx軸方向に沿わせて往復動作させることにより、該ナット部材31と一体に、上記ステージ28に取り付けてある上記ブラシ駆動用モータ11及び上記ブラシユニット7のブラシ本体8を、上記可動フレーム6を基準としてx軸方向に往復移動させることができるようにしてある。
上記ブラシユニット7における毛束支持部材22は、該毛束支持部材22の外周端部に、上記ブラシ本体8のブラシ基台18の外径寸法よりもやや大きな内径寸法でツール後端側へ或る寸法延びる円筒部材36を一体に取り付ける。
更に、上記可動フレーム6におけるツール先端側の端部に、x軸方向に垂直な平面に沿って該可動フレーム6の表面側(図1では下面側)に或る寸法突出する平板状の支持プレート部37を設け、該支持プレート部37に設けた開口部38の内側に、上記毛束支持部材22と一体の円筒部材36を、ベアリング39を介して回転自在に取り付ける。これにより、上記可動フレーム6の支持プレート部37に、上記毛束支持部材22を、回転自在に且つx軸方向への相対変位を防止した状態で支持させた構成としてある。
したがって、上記構成としてある毛丈長さ調整機構13によれば、上記毛丈長さ調整用モータ29の運転により、ボールねじ直動機構30のナット部材31と一緒に上記ステージ28に取り付けてある上記ブラシユニット7のブラシ本体8及びブラシ駆動用モータ11をツール先端側へ移動させることにより、該ブラシ本体8のブラシ基台18を、上記可動フレーム6の支持プレート部37に支持させてある上記毛束支持部材22に近接させる方向へ移動させることができ、よって、該ブラシユニット7の各ブラシ毛束9の先端側における上記毛束支持部材22より突出する部分の自由に撓むことが可能な毛丈長さ寸法を、増加させることができるようにしてある。
一方、上記毛丈長さ調整用モータ29の運転により、ボールねじ直動機構30のナット部材31と一緒に上記ステージ28に取り付けてある上記ブラシユニット7のブラシ本体8及びブラシ駆動用モータ11をツール後端側(x軸方向の他端側)へ移動させることにより、該ブラシ本体8のブラシ基台18を、上記可動フレーム6の支持プレート部37に支持させてある上記毛束支持部材22より離反させる方向に移動させることができて、該ブラシユニット7の各ブラシ毛束9の先端側における上記毛束支持部材22より突出する部分の自由に撓むことが可能な毛丈長さ寸法を、減少させることができるようにしてある。
図1及び図3における符号40は、上記可動フレーム6に対する上記支持プレート部37の取付部分を補強するために該可動フレーム6と支持プレート部37との間に設けたリブである。
以上の構成としてある本発明のバリ取り兼R面取り加工装置を使用して穴あきワークWのバリ取り兼R面取り加工を行う場合は、以下のような手順とする。
すなわち、先ず、穴あきワークWのバリ取り兼R面取り加工を行うときに上記研削ブラシツール2におけるブラシユニット7のブラシ本体8を穴あきワークWに対して配置すべき位置を定める。
具体的には、図7に示すように、穴あきワークWの表面から上記ブラシ本体8のブラシ基台18の先端面までの距離Dについて、上記ブラシ本体8のブラシ基台18の先端面から突出するブラシ毛束9の全長L(ブラシ毛束9の先端部に撓みが生じていない状態での全長)と、該距離Dとの差が、少なくとも上記穴あきワークWの穴hの開口周縁部に形成すべきR面取りの半径寸法rに対応した寸法となるように、すなわち、(L−D)≧rとなるように設定する。これにより、ブラシユニット7の各ブラシ毛束9のうち、上記穴あきワークWの穴hに臨む位置に配置されているブラシ毛束9の先端部が該穴hに差し込まれるときの差込量s(s=L−D)が、少なくとも上記穴hの開口周縁部に形成すべきR面取りの半径寸法rに対応した寸法となるようにしてある。又、ブラシユニット7の各ブラシ毛束9のうち、上記穴あきワークWの穴hに臨む位置以外の位置に配置されているブラシ毛束9については、該ブラシ毛束9が撓んだ状態で、その先端部が上記穴あきワークWの表面に押し付けられるようになる。
なお、上記ブラシユニット7を回転駆動すると、各ブラシ毛束9には遠心力が作用する。そのため、上記穴あきワークWのバリ取り兼R面取り加工を行う場合にブラシユニット7に所望される回転速度によっては、各ブラシ毛束9に作用する遠心力の大きさと、該各ブラシ毛束9の曲げ剛性との関係に応じて、穴あきワークWの表面に接触させていない状態であっても、上記各ブラシ毛束9に、先端側が作用する遠心力により径方向外向きに変位するような撓み変形が生じる場合がある。この場合、上記ブラシ本体8のブラシ基台18の先端面より突出する各ブラシ毛束9のx軸方向に沿う寸法は、上記遠心力によって生じた撓みによって、該各ブラシ毛束9が撓んでいないときの全長Lよりも減少する。
そこで、この場合は、上記ブラシ毛束9の遠心力によって生じる撓みによるx軸方向寸法の減少分をΔLとして、上記ブラシ基台18の先端面から突出するブラシ毛束9の全長Lから上記ΔLを引いた値と、穴あきワークWの表面から該ブラシ本体8のブラシ基台18の先端面までの距離Dとの差が、少なくとも上記穴あきワークWの穴hの開口周縁部に形成すべきR面取りの半径寸法rに対応する寸法((L−ΔL)−D≧r)となるように、上記距離Dを設定するようにする。これにより、上記のようにブラシユニット7の回転駆動時に作用する遠心力によって該ブラシユニット7の各ブラシ毛束9の先端側が径方向外向きに撓むように変形した状態になるとしても、上記ブラシユニット7の各ブラシ毛束9のうちの上記穴あきワークWの穴hに臨む位置に配置されるブラシ毛束9の先端部を、該穴hに、少なくとも該穴hの開口周縁部に形成すべきR面取りの半径寸法rに対応した寸法で差し込むことができるようにしてある。
ところで、上記のように設定した位置にブラシ本体8を配置すると、該ブラシ本体8には、穴あきワークWの表面に先端部が押し付けられて撓んだ状態となっているブラシ毛束9の復元力が、該ブラシ本体8を上記穴あきワークWの表面より離反させる方向、すなわち、該ブラシ本体8をx軸方向に沿ってツール後端側へ押す力として作用するようになる。
そこで、上記穴あきワークWの表面に対し先端部が押し付けられて撓んだ状態となっているブラシ毛束9の復元力によって上記ブラシ本体8がツール後端側へ押される力と同じ大きさで、上記ブラシ本体8に対してツール前端側に向けた押し付け荷重を付与するようにすれば、上記ブラシ本体8のブラシ基台18の先端面と穴あきワークWの表面との間で撓むブラシ毛束9の撓み量を一定に保持することができて、上記ブラシ本体8のブラシ基台18の先端面から穴あきワークWの表面までの距離Dが一定に保持されるようになることから、該穴あきワークWの穴hに上記ブラシ毛束9の先端部が差し込まれるときの差込量sを一定に保持できるようになると考えられる。更に、上記ブラシ基台18の先端面と穴あきワークWの表面との間で撓む上記ブラシ毛束9の復元力に基づいて該ブラシ毛束9の先端部が上記穴あきワークWの表面に対して押し付けられる力(荷重)も、一定に保持されるようになると考えられる。
以上の点に鑑みて、穴あきワークWのバリ取り兼R面取り加工を行う場合の次の手順としては、上記穴あきワークWの面内の或る個所、たとえば、加工作業開始個所を基準個所に設定し、多関節ロボットのロボットアーム1の動作により、研削ブラシツール2を上記基準個所まで移動させて、ブラシユニット7における各ブラシ毛束9の先端部を、穴あきワークWの表面に対し垂直な方向から押し付けるようにして、ブラシ本体8を、上記基準個所における穴あきワークWの表面から、該ブラシ本体8のブラシ基台18の先端面までの距離Dが、前記したように予め設定した値となる位置に配置する。
更に、上記ブラシユニット7を保持させた上記可動フレーム6と、ロボットアーム1に取り付けられているベースフレーム3との間に設けてあるブラシ押付荷重付与手段としてのエアシリンダ12にて、図示しないロッド側圧力室やキャップ側圧力室に供給して作用させる空気圧を調整することにより、上記ブラシユニット7のブラシ本体8の穴あきワークWに対する押し付け荷重を、上記穴あきワークWの表面に対し先端部が押し付けられて撓んだ状態となっているブラシ毛束9の復元力によって上記ブラシ本体8がツール後端側へ押される力と吊り合うように付与する。
なお、上記ロボットアーム1によりツール先端側を上記穴あきワークWの表面に臨ませて配置する上記研削ブラシツール2の姿勢が、水平より前下がりの姿勢(ツール先端側がツール後端側よりも低くなる姿勢)になる場合は、上記ベースフレーム3に設けたガイドレール4に取り付けてある各ガイドブロック5及び可動フレーム6と、該可動フレーム6に取り付けてあるブラシユニット7、ブラシ駆動用モータ11及び毛丈長さ調整機構13の自重が、上記ブラシ本体8を穴あきワークWに接近させる方向の荷重として作用するようになる。
よって、この際、上記各ガイドブロック5及び可動フレーム6と、該可動フレームに取り付けてあるものの自重によりブラシ本体8に作用する上記穴あきワークWに接近させる方向の荷重が、上記のように基準個所における穴あきワークWの表面からブラシ基台18の先端面までの距離Dが予め設定した値となる位置にブラシ本体8を配置した状態のときに上記各ブラシ毛束9の復元力により上記ブラシ本体8に作用するツール後端側へ押す力よりも大きい場合は、その過剰分、上記エアシリンダ12の図示しないロッド側圧力室の空気圧を高めるようにし、一方、上記各ブラシ毛束9の復元力により上記ブラシ本体8に作用するツール後端側へ押す力よりも小さい場合は、その不足分、上記エアシリンダ12の図示しないキャップ側圧力室の空気圧を高めるようにして、上記ブラシユニット7のブラシ本体8の穴あきワークWに対する押し付け荷重を、上記穴あきワークWの表面との間で撓んだ状態の各ブラシ毛束9の復元力により上記ブラシ本体8がツール後端側へ押される力と吊り合わせるようにすればよい。その後、上記吊り合いを取るために空気圧を作用させたエアシリンダ12の図示しないロッド側又はキャップ側圧力室は、上記釣り合いを取った時点での空気圧を保持させるようにする。これにより、上記穴あきワークWの表面に対して、上記各ブラシ毛束9の先端部が上記エアシリンダ12により調整された一定の押し付け荷重で常に押し付けられるようになる。
これにより、後述するように、ロボットアーム1の動作により上記研削ブラシツール2を、穴あきワークWにおける穴hが形成されている領域の全面に対してブラシ毛束9の先端部を摺動させることができるように移動させるときに、上記穴あきワークWの表面にうねりが存在している場合、該穴あきワークWの表面の位置が上記基準個所よりも上記研削ブラシツール2に接近する個所では、上記エアシリンダ12より穴あきワークWに対する一定の押し付け荷重が付与されている上記ブラシ本体8がツール後端側へ自動的に移動させられるようになり、一方、穴あきワークWの表面の位置が上記基準個所よりも上記研削ブラシツール2から離反する個所では、上記エアシリンダ12より穴あきワークWに対する一定の押し付け荷重が付与されている上記ブラシ本体8がツール先端側へ自動的に移動させられて、上記ブラシ本体8の各ブラシ毛束9の撓み量が、上記基準個所に上記研削ブラシツール2を配置した初期状態と常に同様に保持されるようになる。よって、上記ブラシ本体8のブラシ基台18の先端面から穴あきワークWの表面までの距離Dが一定に保持されるようになる。
次に、図7に実線で示すように、上記のようにブラシユニット7の各ブラシ毛束9のうち、穴あきワークWの穴hに臨む位置に配置された状態のブラシ毛束9の先端部が、該穴hの内側に、少なくとも該穴hの開口周縁部に形成すべきR面取りの半径寸法rに対応する寸法で差し込まれた状態から、該ブラシ毛束9が、上記ブラシユニット7の回転に伴って、図7に二点鎖線で示すように移動させられると、穴あきワークWの穴hに差し込まれていた該ブラシ毛束9の先端部が、上記穴hより引き出されるようになり、この際、該穴hの開口周縁部における上記ブラシ毛束9の移動方向の前方に位置する部分に対して、上記ブラシ毛束9の先端部が摺動するようになることで、該部分の研削を行うことができるようにしてある。
又、図示してないが、上記ブラシユニット7の回転に伴って移動するブラシ毛束9の先端部が、その移動方向の前方に位置する穴あきワークWの穴hに入り込む際にも、該穴hの開口周縁部における上記ブラシ毛束9の先端部が通過する部分に、該ブラシ毛束9の摺動による研削を行うことができるようになる。
したがって、上記ブラシユニット7の回転に伴って、各ブラシ毛束9の先端部が穴あきワークWの穴hに差し込まれた後、引き出される操作が繰り返し行われることで、上記穴あきワークWの穴hの開口周縁部が次第に研削されて、該穴hの開口周縁部に生じていたバリの除去が行われ、更に上記各ブラシ毛束9の先端部の摺動による研削を進行させることにより、該穴hの開口周縁部のR面取り加工を行うことができるようにしてある。
ところで、本発明のバリ取り兼R面取り加工装置は、研削ブラシツール2のブラシユニット7の各ブラシ毛束9の先端部を、穴あきワークWの穴hの開口周縁部に摺動させることにより、該穴hの開口周縁部のバリ取りとR面取り加工を行うようにするものであるため、実際には、各ブラシ毛束9に、先端部の摩耗が生じる。そのため、加工対象となる穴あきワークWの面積が大きくて穴hの数が多い場合や、穴あきワークWの材質が硬い場合等で加工作業に時間がかかる場合は、各ブラシ毛束9の先端側の摩耗量が大きくなる。そのため、上記各ブラシ毛束9の先端側が摩耗することに伴って、該各ブラシ毛束9における自由に撓むことが可能な部分の長さ寸法が短くなると、該部分の曲げ剛性が高まるように変化するため、上記したようにブラシ毛束9の先端部を穴あきワークWの表面に対して押し付けるときの力(荷重)を一定に保持した状態であっても、ブラシ毛束9の先端部の穴あきワークWの穴hの開口周縁部に対する接触角度や、接触時間に変化が生じるため、研削の効果に変化が生じ、上記穴あきワークWのすべての穴hに対して均質な加工結果を得ることが難しくなる。
そのため、上記のようにブラシ本体8の穴あきワークWに対する配置を定めるときには、予め、上記毛丈長さ調整機構13における毛丈長さ調整用モータ29の運転により、ステージ28と一緒に上記ブラシ本体8をツール後端側へ移動させて、該ブラシ本体8のブラシ基台18の先端面を、上記可動フレーム6の先端部に支持させてある毛束支持部材22より離反する位置に配置させておくようにする。
なお、この状態であっても、上記毛束支持部材22の各毛束挿通孔23よりツール先端側へ突出する各ブラシ毛束9の先端部における自由に撓むことが可能な部分の長さ寸法を、上記穴あきワークWの穴hの開口周縁部のバリ取り及びR面取り加工に必要とされる長さ寸法として確保できるように、上記ブラシ毛束9の初期状態での全長を予め設定しておくようにすればよい。
更に、ブラシ駆動用モータ11によるブラシユニット7の回転速度と、ロボットアーム1の動作によるベースフレーム3及び可動フレーム6と一緒の上記ブラシユニット7の移動速度、及び、上記穴あきワークWにおける穴hが形成してある領域の全面に亘るブラシユニット7の移動経路を予め設定する。
この場合、上記ブラシ毛束9を構成している個々のブラシ毛の剛性や、ブラシ毛束9の径や、ブラシユニット7のブラシ本体8のブラシ基台18に設けてあるブラシ毛束9の配列間隔及び配列数、更には、上記ブラシユニット7の回転速度に応じて変化する各ブラシ毛束9が遠心力によって外周方向への撓むときの撓み量等の要因に応じて、ブラシ毛束9の先端部の穴あきワークWの個々の穴hに対する差し込み易さが変化する。又、上記と同様の要因と、ブラシ毛束9を形成しているブラシ毛の材質、加工対象とする穴あきワークWの材質、により、穴あきワークWの個々の穴hの開口周縁部にて、ブラシ毛束9の先端部が一回摺動することで生じる研削量も変化する。更に、穴あきワークWの或る1つの穴hについて考えると、ブラシユニット7の回転に伴って周回移動すると共に、ロボットアーム1の動作によりブラシユニット7ごと移動するようにしてあるブラシ毛束9の該1つの穴hに対する相対的な移動方向と、該穴hの形状により、該穴hの開口周縁部における上記ブラシ毛束9の先端部の摺動によって研削が行われる個所も変化する。
したがって、本発明のバリ取り兼R面取り加工装置で用いるブラシユニット7の実機又はモデルと、加工対象とする穴あきワークWと同様の材質、同様の形状の穴hを備えた穴あきワークWのモデルとを用いて、バリ取り及びR面取り加工の試験を行い、その結果を基に、実際の穴あきワークWの穴hの開口周縁部の全周に亘り所望するバリ取り、及び、所望するR面取りの半径寸法rでのR面取り加工を行うために必要となる、ブラシユニット7のブラシ毛束9の穴あきワークWの表面に対する上記押し付け荷重を定めると共に、穴hの開口周縁部にブラシ毛束9の先端部を摺動させる回数や、穴hの開口周縁部に対しブラシ毛束9の先端部を摺動させるときの相対的な移動方向を考慮して、上記ブラシ駆動用モータ11によるブラシユニット7の回転速度と、ロボットアーム1の動作によるベースフレーム3及び可動フレーム6と一緒の上記ブラシユニット7の移動速度、及び、上記穴あきワークWにおける穴hが形成してある領域の全面に亘るブラシユニット7の移動経路を設定するようにすればよい。
その後、上記ブラシ駆動用モータ11の運転により、上記予め設定した回転速度でブラシユニット7を回転駆動し、この状態で、ロボットアーム1の動作により、研削ブラシツール2におけるベースフレーム3及び可動フレーム6と一緒に上記回転するブラシユニット7を移動させて、該ブラシユニット7の各ブラシ毛束9の先端部を、上記穴あきワークWの表面に接触させ、且つ上記エアシリンダ12により、所定の押し付け荷重を付与させる。
次いで、ロボットアーム1の動作により上記研削ブラシツール2を、上記穴あきワークWにおける穴hが形成してある領域の全面に亘り、上記予め設定して移動経路、たとえば、図8に矢印tで示すような移動経路に沿って、予め設定した移動速度に従って移動させて、上記穴あきワークWのバリ取り及びR面取り加工の対象となるすべての穴hの開口周縁部に、上記ブラシユニット7の回転に伴って周回移動する各ブラシ毛束9の先端部を繰り返し摺動させるようにする。
これにより、上記穴あきワークWにおける各穴hのうち、上記回転駆動されたブラシユニット7のブラシ毛束9が通過した各穴hでは、上記図7に実線と二点鎖線で示したようなブラシ毛束9の先端部の差し込みと引き出し時に、開口周縁部における該ブラシ毛束9の先端部が摺動する部分の研削が行われ、この研削が複数回繰り返されることで、上記穴hの開口周縁部に形成されていたバリが除去され、更に、上記穴hに対するブラシ毛束9の先端部の差込量sが少なくとも該穴hの開口周縁部に形成すべきR面取りの半径寸法rに対応する寸法に設定されていることから、該ブラシ毛束9の先端部が摺動する部分の研削が徐々に進行することで、上記穴hの開口周縁部に、図7に一点鎖線で示す如き上記R面取りの半径寸法rに応じたR面取り加工が行われるようになる。
したがって、上記ロボットアーム1の動作によって上記回転駆動されたブラシユニット7のブラシ毛束9の先端部が、上記穴あきワークWにおける穴hが形成してある領域の全面に亘り摺動するように移動されることに伴い、該穴あきワークWにおけるすべての穴hの開口周縁部に対するバリ取りとR面取り加工が施工されるようになる。
更に、上記のようにブラシユニット7のブラシ毛束9の先端部を穴あきワークWの表面に沿って移動させる際に、上記穴あきワークWの面にうねりが存在していても、上記研削ブラシツール2では、エアシリンダ12より上記ブラシユニット7に、穴あきワークWの表面に向けた一定の押し付け荷重を付与するようにしてあることから、上記ロボットアーム1の動作による上記研削ブラシツール2を該穴あきワークWの面のうねりに倣って移動させる必要なしに、上記研削ブラシツール2の各ブラシ毛束9の先端部を、常時一定の押し付け荷重で穴あきワークWの表面に対して押し付けた状態で、該穴あきワークWの表面全体に摺動させることができるようになる。これにより、上記穴あきワークWの面にうねりが生じていても、各穴hに対する加工条件の変化が抑制されるようになる。
更に、上記のように穴あきワークWの表面に対して上記研削ブラシツール2の各ブラシ毛束9の先端部を摺動させることに伴って該各ブラシ毛束9に先端側から摩耗が生じることの対策として、本発明の穴あきワークのバリ取り兼R面取り加工方法では、予め、どのくらいの施工時間でブラシ毛束9の先端側にどの程度の摩耗が生じるかを実験的に求めておき、上記毛束支持部材22の毛束挿通孔23よりツール先端側へ突出するブラシ毛束9の先端側における自由に撓むことが可能な部分の毛丈長さ寸法の変化が、上記穴あきワークWの各穴hのバリ取り及びR面取り加工の加工結果の変化に影響を与えない範囲に収まるよう設定した或る施工時間間隔で、上記毛丈長さ調整機構13の毛丈長さ調整用モータ29を断続的に運転して、ステージ28と一体にブラシ本体8を、該施工間隔の期間に生じるブラシ毛束9の先端部の摩耗量に相当する分、毛束支持部材22に近接する方向へ移動させて、該毛束支持部材22の毛束挿通孔23より突出する各ブラシ毛束9の先端側の突出量、すなわち、該各ブラシ毛束9の先端側における自由に撓むことが可能な部分の長さ寸法の変化を抑えるようにする。
あるいは、上記毛丈長さ調整用モータ29を連続的に運転して、上記ブラシ毛束9の先端部に施工時間の経過に伴って生じる摩耗の摩耗量に相当する分、ステージ28と一体にブラシ本体8を毛束支持部材22に近接する方向へ連続的に移動させて、上記毛束支持部材22の毛束挿通孔23よりツール先端側へ突出するブラシ毛束9の先端側における自由に撓むことが可能な部分の毛丈長さ寸法を、常に一定に保持させるようにしてもよい。
これにより、上記研削ブラシツール2による穴あきワークWの穴hの開口周縁部のバリ取り及びR面取り加工を継続して行うことに伴って、該穴あきワークWの表面に対して摺動させる各ブラシ毛束9の先端部に摩耗が生じる場合であっても、該各ブラシ毛束9の先端側における上記毛束支持部材22の毛束挿通孔23より突出する部分の剛性の変化を抑えることができるため、上記穴あきワークWの各穴hに対する加工条件の変化が抑制されるようになる。
このように、本発明の穴あきワークのバリ取り兼R面取り加工方法及び装置によれば、穴あきワークWに設けてある複数の各穴hについて、該各穴hの開口周縁部のバリ取りと、半径寸法rでのR面取り加工を施工することができる。
この際、上記研削ブラシツール2に装備してあるエアシリンダ12によるブラシ毛束9の先端部の穴あきワークWの表面に対する押し付け荷重を一定に保持することで、上記穴あきワークWの面のうねりが各穴hの加工条件に影響することを防止することができる。
更に、上記研削ブラシツール2のブラシユニット7に装備してある毛丈長さ調整機構13によりブラシユニット7の各ブラシ毛束9の先端側における毛束支持部材22の毛束挿通孔23より突出する部分の長さ寸法の変化を抑えるようにすることにより、ブラシ毛束9の摩耗に起因する上記穴あきワークWの各穴hに対する加工条件の変化を抑制できる。
よって、上記穴あきワークWにおける各穴hに対し、該各穴hの開口周縁部のバリ取り加工及びR面取り加工の加工結果について、均質化を図ることができる。
更に、本発明の穴あきワークのバリ取り兼R面取り加工方法及び装置では、上記穴あきワークWの表面に、上記研削ブラシツール2にてブラシユニット7の回転駆動に伴って円周動作させる複数のブラシ毛束9の先端部を押し付けながら摺動させるようにしてあるため、上記穴あきワークWの穴hのうち、各ブラシ毛束9の円周動作の経路上に複数の穴hが存在している状態では、該複数の穴hの開口周縁部について、ブラシ毛束9の先端部の摺動による研削加工を同時に実施することができる。
したがって、上記穴あきワークWに対するバリ取り兼R面取り加工を行う際の上記多関節ロボットのロボットアーム1の動作は、上記研削ブラシツール2のブラシユニット7を回転駆動するときに各ブラシ毛束9が円周移動するときの移動経路が、上記穴あきワークWの穴hが形成してある領域の全面を覆うように上記研削ブラシツール2を移動させるように設定すればよい。
よって、上記多関節ロボットについて実施するティーチングとしては、上記研削ブラシツール2のブラシユニット7の各ブラシ毛束9が、上記穴あきワークWにおける穴hが形成してある領域の外周と対応する位置に配置されるようになる状態でのロボットアーム1の姿勢をティーチングするようにすればよい。このため、上記多関節ロボットに、穴あきワークWの各穴hの個別の位置のティーチングを行う必要をなくすことができる。
しかも、前述したように、穴あきワークWの面のうねりに対しては、エアシリンダ12によりブラシ毛束9の先端部を穴あきワークWの表面に押し付けるようにして接触させる荷重を或る一定の値に保持することで、上記研削ブラシツール2のブラシユニット7を、上記穴あきワークWの面のうねりに倣って(追従させて)移動させることができるため、上記多関節ロボットに、上記穴あきワークWの面の変化についてのティーチングを行う必要をなくすことができる。
したがって、上記多関節ロボットのロボットアーム1の動作範囲のティーチング作業に要する手間と時間を、穴あきワークWの各穴hについて切削加工具による切削加工でR面取り加工を行う場合に比して大幅に削減することができる。
又、上記穴あきワークWのすべての穴hについてのバリ取り加工と、R面取り加工を自動的に実施することで、手離れができるため、該バリ取りとR面取り作業に要する人手を削減することができると共に、施工漏れの発生を防止することができる。
更に、上記穴あきワークWの各穴hについて、バリ取り加工及びR面取り加工の加工結果を均質にすることができ、この加工結果の均質化によって品質が安定化するため、上記穴あきワークWにおけるバリ取り及びR面取り加工が施工された各穴hの検査を、抜き取り検査とすることができる。よって、時間及び手間が嵩む全数検査を不要なものとすることができる。
上記図1乃至図8の実施の形態では、研削ブラシツール2におけるベースフレーム3と、ブラシユニット7を保持させた可動フレーム6との間に、ブラシ押付荷重付与手段としてエアシリンダ12を介装した構成を示したが、ベースフレーム3を基準として、上記可動フレーム6に対し、ブラシユニット7に備えた複数のブラシ毛束9の先端部を穴あきワークWの表面に接触させ、更に、穴あきワークWの穴hに臨む配置となるブラシ毛束9の先端部を、対応する穴hの内側に、少なくとも該穴hの開口周縁部に形成すべきR面取りの半径寸法rに対応した寸法に設定される差込量sで差し込むことができるようにするための或る押し付け荷重を、ツール先端側に向けて付与することができ、且つ上記ブラシユニット7のブラシ毛束9の先端部を上記穴あきワークWの表面に対して摺動させる間、可動フレーム6に対して上記或る押し付け荷重を一定に付与した状態を維持できる機能を備えていれば、たとえば、油圧シリンダ、又は、ばねと該ばねの全長を調整する手段からなる構成等、エアシリンダ12以外の任意の形式のブラシ押付荷重付与手段を採用するようにしてもよい。
更には、上記ブラシユニット7の回転軸10に接続してあるブラシ駆動用モータ11では、ブラシユニット7の各ブラシ毛束9の先端部の穴あきワークWの表面に対する押し付け荷重が小さい場合は、該ブラシユニット7を回転駆動するときの上記各ブラシ毛束9の摺動による抵抗が小さいために、該ブラシ駆動用モータ11の印加電流又は印加電圧は小さくてよい。一方、上記各ブラシ毛束9の先端部の穴あきワークWの表面に対する押し付け荷重が大きくなると、該ブラシユニット7を回転駆動する際のブラシ毛束9の摺動による抵抗が大きくなるため、上記ブラシ駆動用モータ11の印加電流又は印加電圧が大きくなる。よって、上記ブラシユニット7の各ブラシ毛束9の先端部を穴あきワークWの表面に対して押し付ける荷重の大小と、該ブラシユニット7を回転駆動するブラシ駆動用モータ11の印加電流又は印加電圧の大小とには、相関性が見られる。
この点に鑑みて、上記ブラシ押圧荷重付与手段を、たとえば、上記ベースフレーム3にボールねじ直動機構のような直動機構をx軸方向に沿わせて設置すると共に、ボールねじ直動機構におけるナット部材のような該直動機構におけるx軸方向への可動部材を、上記可動フレーム6に取り付け、更に、上記ブラシ駆動用モータ11の印加電流又は印加電圧を基に、上記直動機構により可動フレーム6と一緒にx軸方向に移動させられるブラシユニット7の各ブラシ毛束9が穴あきワークWの表面に対して押し付けられるときの荷重を算出する機能と、該算出された荷重が、穴あきワークWの穴hに臨む配置となるブラシ毛束9の先端部を対応する穴hの内側に少なくとも該穴hの開口周縁部に形成すべきR面取りの半径寸法rに対応した寸法に設定される差込量sで差し込むために必要とされる押し付け荷重に一致するように、上記直動機構の駆動源をフィードバック制御する機能を有する制御器を備えてなる構成のものとしてもよい。
上記いずれの形式のブラシ押付荷重付与手段によっても、穴あきワークWの穴hの開口周縁部のバリ取りとR面取り加工を行う間、ロボットアーム1により保持された上記ベースフレーム3を基準として、上記可動フレーム6を介して上記ブラシユニット7を、穴あきワークWの表面に対して上記所定の押し付け荷重で常に押し付けることができるため、上記穴あきワークWの面にうねりが生じていても、ロボットアーム1動作によるベースフレーム3のx軸方向の位置を調整する必要なしに、上記ブラシユニット7を、上記穴あきワークWの表面の形状(x軸方向の位置変化)に倣ってx軸方向に変位させることができる。
よって、上記いずれの形式のブラシ押付荷重付与手段を採用しても、多関節ロボットに対するティーチングに要する手間と時間を削減できるという効果と、上記穴あきワークWの各穴hについて、開口周縁部のバリ取りとR面取り加工の加工結果の均質化を図る効果を得ることができる。
又、上記ブラシユニット7における毛丈長さ調整機構13を、可動フレーム6に対しx軸方向の相対位置を固定した毛束支持部材22に対し、上記可動フレーム6にx軸方向にスライド可能に設けたステージ28に保持させた回転軸10の先端側に取り付けてあるブラシ基台18と、上記回転軸10の後端側に接続したブラシ駆動用モータ11を、一緒に近接、離反方向に移動させるものとして示したが、ブラシ毛束9の基端部が取り付けてある上記ブラシ基台18を、毛束支持部材22に対して近接、離反方向に移動させることができるようにしてあれば、毛丈長さ調整用モータ29に接続したボールねじ直動機構30以外のいかなる形式の毛丈長さ調整機構13を用いるようにしてもよい。
又、各ブラシ毛束9の基端部を取り付けたブラシ本体8と、各ブラシ毛束9を挿通させて支持するための毛束挿通孔23を備えた毛束支持部材22を一緒に回転させることができるようにしてあれば、たとえば、可動フレーム6におけるツール先端側の端部と、ツール後端側の端部に、毛束支持部材22と、ブラシ駆動用モータ11をそれぞれ取り付け、該ブラシ駆動用モータ11の出力軸11aに、軸継手を介して回転軸となるスプライン軸の一端部を接続すると共に、該スプライン軸の他端部を上記毛束支持部材22の中心部に接続し、更に、上記スプライン軸の外周に取り付けたボールスプラインナットを、上記ブラシ本体8のブラシ基台18の中心部に取り付けた構成としてもよい。この場合、毛丈長さ調整機構13としては、上記ブラシ本体8のブラシ基台18を、上記毛束支持部材22に対して近接、離反する方向へ移動させる機能を備えるようにすればよい。
又、上記実施の形態では、ブラシユニット7における毛丈長さ調整機構13を、予め、加工時間とブラシ毛束9の先端側に生じる摩耗量との関係を実験的に求めておき、この求めた関係を基に、加工時間に応じてその時点で初期状態から生じた摩耗量を算出し、該算出された摩耗量を補うように、ブラシ毛束9の基端部が取り付けてあるブラシ基台18を、初期状態での位置からツール先端側に設けてある毛束支持部材22に近接させる方向に移動させることで、各ブラシ毛束9の先端側における上記毛束支持部材22の毛束挿通孔23より突出する部分の長さ寸法の変化を抑えるものとして示したが、研削ブラシツール2の可動フレーム6におけるツール先端側端部の或る個所に、穴あきワークWの表面までの距離を計測するための距離センサを設けて、該距離センサで計測された距離を基に、上記ブラシユニット7の毛束支持部材22の各毛束挿通孔23より突出するブラシ毛束9先端部の毛丈長さをセンシングし、その結果が穴あきワークWの穴hの開口周縁部のバリ取り及びR面取り加工を行うために必要な寸法として予め設定してある寸法となるように制御するようにしてもよい。このようにすれば、穴あきワークWの穴hの開口周縁部のバリ取り及びR面取り加工の施工時間と、ブラシ毛束9の先端部に生じる摩耗の量との関係を、前もって求めるための実験を不要にすることができる。
次に、図9は、本発明の実施の他の形態として、図1乃至図8の実施の形態の応用例を示すもので、図1乃至図8と同様の構成のバリ取り兼R面取り加工装置において、研削ブラシツール2を、回転駆動可能な1つのブラシユニット7を備えた構成とすることに代えて、図1、図6(a)(b)(c)乃至図8に示したと同様の構成としてあるブラシユニット7を、偶数個、たとえば、6個のブラシユニット7を備えてなる形式の研削ブラシツール2Aとしたものである。
上記6個のブラシユニット7は、図示しない公転駆動用モータによって一方向に回転駆動される大径の公転部材41の先端側に、周方向に並べて取り付けてあり、更に、隣接配置された2つのブラシユニット7同士が、互いに対向する方向に回転駆動されるようにしてある。
その他、図1乃至図8に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
本実施の形態のバリ取り兼R面取り加工装置によれば、上記研削ブラシツール2Aにおいて、隣接するブラシユニット7同士で対向する方向に円周動作させるようにしてある各ブラシ毛束9を、更に上記公転部材41の回転に伴う各ブラシユニット7の公転動作に伴って動かすことにより、個々のブラシ毛束9の移動方向を、様々な方向に向けることができるようになる。
これにより、上記研削ブラシツール2Aを多関節ロボットのロボットアーム1(図1、図2参照)の動作により一方向に動かす場合であっても、穴あきワークWの穴hの開口周縁部に対し、上記様々な方向に移動するブラシ毛束9による摺動を効率よく行わせることができる。
そのため、図1乃至図8に示したような1つのブラシユニット7を備えた形式の研削ブラシツール2を用いる場合に、穴あきワークWの穴hの開口周縁部に周方向の全周に亘るブラシ毛束9による均等な研削効果を得るために設定するロボットアーム1の動作による該研削ブラシツール2の移動経路に比して、上記本実施の形態で用いる研削ブラシツール2Aの移動経路をより単純化することができると共に、施工時間の短縮化を図る効果が期待できる。
上記実施の形態では、研削ブラシツール2Aに6個のブラシユニット7を備える場合の構成を例示したが、偶数個のブラシユニット7を備えて、そのうちの隣接する2つのブラシユニット同士の回転駆動方向が、互いに対向する方向になるように設定した構成の研削ブラシツールを採用するようにしてもよく、この場合にも、上記と同様に、ロボットアーム1の動作により該研削ブラシツールを一方向に動かす場合であっても、穴あきワークWの穴hの開口周縁部に対し、上記様々な方向に移動するブラシ毛束9による摺動を効率よく行わせることができるという効果を得ることができる。
なお、本発明は、上記実施の形態のみに限定されるものではなく、ブラシ押付荷重付与手段は、ロボットアーム1の先端側に取り付けたベースフレーム3を基準として、可動フレーム6に対し、該可動フレーム6にx軸方向に移動可能に支持させてあるブラシユニット7の各ブラシ毛束9の先端部を穴あきワークWの表面に対して押し付けるための荷重を付与することができるようにしてあれば、該ブラシ押付荷重付与手段の形式や、周辺の部材や機器の配置に応じて、ベースフレーム3や可動フレーム6に対する取付位置を適宜変更してもよい。
ベースフレーム3は、背面側をロボットアーム1に取り付けることができ、且つ表面側に可動フレーム6をx軸方向にスライド可能に取り付けることができると共に、該可動フレーム6との間にブラシ押付荷重付与手段を取り付けることができるようにしてあれば、平面形状を図示した以外の平面形状としてもよく、又、平板状以外の構造としてもよい。
可動フレーム6は、背面側を上記ベースフレーム3にスライド可能に取り付けることができ、且つ表面側にブラシユニット7とその毛丈長さ調整機構13を取り付けることができるようにしてあれば、平面形状を図示した以外の平面形状としてもよく、又、平板状以外の構造としてもよい。
本発明の穴あきワークのバリ取り兼R面取り加工方法及び装置の施工対象とする穴あきワークWは、穴hを任意の配列間隔や数で備えるものでよく、更には、丸穴以外の任意の形状の穴hを備えたものであってもよい。
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。
1 ロボットアーム
2,2A 研削ブラシツール
3 ベースフレーム
6 可動フレーム
8 ブラシ本体
9 ブラシ毛束
12 エアシリンダ(ブラシ押付荷重付与手段)
13 毛丈長さ調整機構
18 ブラシ基台
22 毛束支持部材
23 毛束挿通孔
W 穴あきワーク
h 穴

Claims (6)

  1. ブラシ基台の先端面の外周部における周方向の複数個所に穴あきワークの穴の径よりも小さい外径寸法に形成したブラシ毛束の基端部を取り付けた構成のブラシ本体を回転駆動可能に備えてなる研削ブラシツールを、該研削ブラシツールが装着してあるロボットのロボットアームの動作により、複数の穴を設けてなる穴あきワークの表面側に、該研削ブラシツールのブラシ本体の各ブラシ毛束のうち、上記穴あきワークの穴に臨む配置となるブラシ毛束の先端部が対応する穴に少なくとも上記穴あきワークの穴の開口周縁部に加工すべきR面取りの半径寸法に対応する寸法で差し込まれ、且つ上記穴あきワークの穴に臨まない配置となるブラシ毛束の先端部が該穴あきワークの表面に押し付けられる状態となるよう或る押し付け荷重を付与した状態で配置すると共に、該研削ブラシツールにおけるブラシ本体を回転駆動し、その後、上記研削ブラシツールに付与した上記或る押し付け荷重を保持しながら、上記ロボットアームの動作により上記研削ブラシツールの回転駆動状態のブラシ本体の各ブラシ毛束の先端部を、上記穴あきワークにおける穴が形成されている領域に摺動させて、上記穴あきワークの穴の開口周縁部のバリ取り及びR面取り加工を行うようにすることを特徴とする穴あきワークのバリ取り兼R面取り加工方法。
  2. 研削ブラシツールに、ロボットアーム側に取り付けるベースフレームと、該ベースフレームにツール先端側とツール後端側を結ぶ一軸方向にスライド自在に取り付けると共にブラシ本体を回転駆動可能に支持する可動フレームと、上記ベースフレームを基準として上記可動フレームに対して上記一軸方向に沿う荷重を付与することができるようにしたブラシ押付荷重付与手段を備えて、ロボットアームの動作により上記研削ブラシツールの回転駆動状態のブラシ本体の各ブラシ毛束の先端部を上記穴あきワークにおける穴が形成されている領域に摺動させるときに、上記ブラシ押付荷重付与手段により、上記ベースフレームを基準として上記可動フレームに対し、研削ブラシツールのブラシ本体の各ブラシ毛束のうち、上記穴あきワークの穴に臨む配置となるブラシ毛束の先端部が対応する穴に少なくとも上記穴あきワークの穴の開口周縁部に加工すべきR面取りの半径寸法に対応する寸法で差し込まれ、且つ上記穴あきワークの穴に臨まない配置となるブラシ毛束の先端部が該穴あきワークの表面に押し付けられる状態とするための或る押し付け荷重を常に付与するようにする請求項1記載の穴あきワークのバリ取り兼R面取り加工方法。
  3. 研削ブラシツールに、ブラシ本体の各ブラシ毛束を挿通させる毛束挿通孔を備えた毛束支持部材を、ブラシ本体と一体に回転可能に且つブラシ本体のブラシ基台との間隔を変化させることができるように備えて、ロボットアームの動作により上記研削ブラシツールの回転駆動状態のブラシ本体の各ブラシ毛束の先端部を上記穴あきワークにおける穴が形成されている領域に摺動させるときに、該摺動により上記各ブラシ本体のブラシ毛束の先端部に生じる摩耗に対応する寸法分、上記毛束支持部材と上記ブラシ本体のブラシ基台を、相対的に近接する方向へ移動させることにより、上記各ブラシ毛束の先端側における上記毛束支持部材の毛束挿通孔より突出して自由に撓むことが可能な毛丈寸法の変化を抑えるようにする請求項1又は2記載の穴あきワークのバリ取り兼R面取り加工方法。
  4. ブラシ基台の先端面の外周部における周方向の複数個所に、穴あきワークの穴の径よりも小さい外径寸法に形成したブラシ毛束の基端部を取り付けてブラシ本体を構成し、該ブラシ本体を回転駆動可能に備えた研削ブラシツールを、ロボットのロボットアームに装着してなる構成を有することを特徴とする穴あきワークのバリ取り兼R面取り加工装置。
  5. 研削ブラシツールを、ロボットアーム側に取り付けるベースフレームと、該ベースフレームにツール先端側とツール後端側を結ぶ一軸方向にスライド自在に取り付けると共にブラシ本体を回転駆動可能に支持する可動フレームと、上記ベースフレームを基準として上記可動フレームに対して上記一軸方向に沿う荷重を付与することができるようにしたブラシ押付荷重付与手段を備えてなる構成とし、且つ上記ブラシ押付荷重付与手段に、上記ロボットアームの動作により上記研削ブラシツールの回転駆動状態のブラシ本体の各ブラシ毛束の先端部を上記穴あきワークにおける穴が形成されている領域に摺動させるときに、上記ベースフレームを基準として上記可動フレームに対し、研削ブラシツールのブラシ本体の各ブラシ毛束のうち、上記穴あきワークの穴に臨む配置となるブラシ毛束の先端部が対応する穴に少なくとも上記穴あきワークの穴の開口周縁部に加工すべきR面取りの半径寸法に対応する寸法で差し込まれ、且つ上記穴あきワークの穴に臨まない配置となるブラシ毛束の先端部が該穴あきワークの表面に押し付けられる状態とするための或る押し付け荷重を常に付与することができる機能を備えるようにした請求項4記載の穴あきワークのバリ取り兼R面取り加工装置。
  6. 研削ブラシツールを、ブラシ本体の各ブラシ毛束を挿通させるための毛束挿通孔を備えた毛束支持部材をブラシ本体と一体に回転可能に且つブラシ本体のブラシ基台との間隔を変化させることができるように備え、且つ上記毛束支持部材と上記ブラシ基台との間隔を変化させて、上記各ブラシ毛束の先端側における上記毛束支持部材の毛束挿通孔より突出して自由に撓むことが可能な毛丈寸法を調整するための毛丈長さ調整機構を備えてなる構成とした請求項4又は5記載の穴あきワークのバリ取り兼R面取り加工装置。
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