JP2004174711A - 予備切削された歯を有するワークピースをギア仕上げ装置に整合させるための歯車心合せ装置 - Google Patents

Abstract

【課題】休止位置から測定位置へ移動することができ、高い静的および動的強度を提供するとともに機能障害および精度の低下に対して高い防止性能を有する、非接触式測定プローブを使用してギア仕上げ加工装置上に予備加工されたワークピースを心合せする心合せ装置を提供する。
【解決手段】測定位置から汚染に対して保護された休止位置へ引き戻すことが可能な測定プローブはワークピースに対して放射方向あるいは軸方向に移動可能にホルダ５内に配置され、これは平行四辺形関節部材群Ａの要素としてワークピース軸を含んだ面内において測定位置と休止位置との間で水圧、気圧あるいは電気モータによる駆動機構１１を使用してストッパからストッパまで旋回可能であり、従って下方の末端位置１５から上方の末端位置１２への移動に際してワークピース外周に対する測定プローブ１の動作を完全に防止することができる。
【選択図】図１

Description

この発明は、精密加工を行うためにギア仕上げ装置のワークスピンドル上に設置された、予め加工されたワークピース上における歯の位置の非接触式測定に関する。

ギア駆動装置におけるギアの動作性能に対する要求が高まっているためより精密なギア歯の加工が必要となっている。多くの場合予備加工されたワークピースが肌焼きされ、その全ての作用面における最終寸法に精密加工される。この工程において歯面の精密加工は特に複雑で手間がかかりかつ高コストな作業となる。経済的な製造の観点から、また不要に大きな硬化度を提供することを避けかつ精密加工工具の左および右の歯面の磨耗を均一化および最小化するために、精密可能のための余分材料をできるだけ小さくすることが試みられている。すなわち実用上精密加工において歯面ごとの材料切削の深さはわずか数百から数十ミリメートルの単位となる。一般的ケースと同様に左および右の歯面が同一の作業において加工される場合、予備切削されている歯を精密加工工具に対して極めて正確に心合せすることが要求され、従ってこれを加工する歯溝の中央に正確に設置することが可能になり、その結果ワークピースの左および右の歯面から均等に材料を切削することができる。

心合せ装置によって達成すべき別の要件は、これが測定するワークピースの直径および軸方向位置に関して広範囲にこの加工するワークピースに適応し得ることである。

相互に関連している工具と加工されるワークピースの歯の位置の心合せのために通常仕上げ装置上でＮＣ軸が利用されるが、実用上においては予備切削されたワークピースの歯の位置を測定して測定結果を適宜な機械軸の軸動作指令に変換するために種々の解決方式が行われている。多くの場合、本発明と同様に、予備切削されたワークピースの角度位置が、静電、光、または電磁作用に基づいた非接触式に動作する測定プローブによって測定される。充分に正確かつ信頼性の高い測定のための前提条件は、測定プローブが回転しているワークピースの外郭付近においてこのワークピースに対して正確な接線方向および軸方向の位置にあることである。しかしながら、これに続くワークピースの加工の間、またはワークスピンドルに新しいワークピースが取り付けられる間に、測定プローブは可能な限り加工領域から遠くに離れ切り屑および埃との接触が防止される位置に存在する必要がある。

この一見平凡な課題の解決は、必要とされている短い加工時間のために測定プローブは大きな速度および高い精度をもって測定位置に移動しそこで測定中は不動かつ振動を伴わずに停止し、その後同様に迅速に保護された初期位置に回帰する必要があるため、容易なことではない。

伸縮可能な測定プローブを有する既知の心合せ装置によれば、測定プローブは直線動作あるいは固定ストッパに対しての固定軸周りの旋回によるかまたはこれらの組み合わせによってその休止位置から測定位置に移動し、またそこから初期位置に回帰する。この動作は水圧式、気圧式、あるいは電気モータ駆動によって形成される。

装置の作業室の殆ど限られた空間状況のため、細身の構造部材を長く延伸させ長い往復路程および大きな旋回角度を実現することによって大きな空間的距離を克服することができる解決策が必要である。その結果殆どの場合測定機構の強度が小さくなり、また振動および機能障害に対して脆弱なものとなり、さらに厳しい製造条件下において汚染および磨耗によって精度が低下する。これによって生じる心合せ誤差によってワークピースの左および右の歯面の間の不均一な切削量につながり、小さな加工度合いのため個々の歯面が精密加工の歯面の表面全体上において処理されないため不良品につながってしまう。

発明の概要

本発明の対象は、休止位置から測定位置へ移動することができ、高い静的および動的強度を提供するとともに機能障害および精度の低下に対して高い防止性能を有する、非接触式測定プローブを使用してギア仕上げ加工装置上に予備加工されたワークピースを心合せする心合せ装置を提供することである。

前記の課題は本発明に従って請求項１によって解決される。

本発明に係る装置は平行四辺形関節部材群の関節部材として形成されたホルダ上に配置された測定プローブを備え、これと反対側に位置する部材が装置の脚柱またはワークスピンドルのケース部材に結合される。このホルダは水圧あるいは気圧手段、または電気モータによって移動することができる。

好適な実施例の詳細な説明

次に、本発明の好適な実施例につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。

図１は、本発明に係る心合せ装置の測定位置における状態を示した構成図である。測定プローブ１は円筒形のロッドとして形成され作用端面２を備えており、軸方向に可動かつ締め付け可能にホルダ管部材３内に配置され、これはさらにプローブ１の軸４に対して垂直に可動かつ締め付け可能にホルダ５内に配設されている。このホルダ５は、ここでは二重構成とされた平行四辺形関節部材群Ａの連鎖部材である。これは隣接する部材６および回転関節部材７を介して逆側に配置されている基礎部材８と旋回可能に結合されており、この基礎部材は一方で装置台９またはワークピーススピンドル１０と結合されている。

ホルダ５と部材６とからなる平行四辺形関節部材群Ａの可動部分は水圧式、気圧式、あるいは電気モータによって駆動される回転駆動機構１１によって固定的に設定された角度をもってストッパからストッパまで旋回することができる。平行四辺形関節部材群Ａの回転平面はワークピース１４の回転軸１６と平行に延在するかあるいはこれと重なることが好適である。

測定位置に相当する上方の末端位置において、測定プローブ１の作用端面２はその測定状態において測定するワークピースの歯１３の外郭の直近に位置している。このことは新しいワークピース１４に装置を組み替える際に、測定プローブ１はホルダ管材３内への軸方向移動ならびにこれに垂直なホルダ管材３のホルダ５内への挿入によって所要の位置に移動されそこで締め付け保持される。

休止状態に相当する図２に示された下方の末端位置において、測定プローブ１は作業領域の外側の汚染から保護されている引き込み位置に存在し、そこにおいては後続の処理ならびに新しいワークピース１４を有するワークスピンドルを搬入するための搬送装置へのアクセスが防止される。

回転軸ごとに遊び無く予荷重されその間隔が少なくとも短い方の平行四辺形の辺の長さを有する２つのローラベアリング７を備える二重平行四辺形としての平行四辺形関節部材群Ａの構造のため、本発明に係る心合せ装置は高い位置精度の他に不用意な接触に対する高い強度および耐久性を備えている。比較的短い測定位置までの移動のため測定プローブはその測定位置において振動する傾向は殆ど無く、それにもかかわらず極めて迅速に移動することができる。

高い位置精度の保持は、特に測定プローブ１を上方の末端位置１２に移動する際に各動作がワークピース外周に対して接線方向に相当し、また対称形の構造のため熱の影響が最小限に低減されることによって達成される。

ギア精密加工装置の作業室は特に冷却プロセスにおいて必要な冷却潤滑剤と研磨剤粉および切り屑による汚染にさらされており、これによってしばしば可動部材の磨耗および稼動障害がもたらされる。この点に関して、ここで使用される平行四辺形連鎖は、例えばロッド上を直線的に動作するプローブ等のその他の構成方式に比べて経験上汚染に対して簡単に保護することができる回転関節のみを使用していることが極めて好適である。

本発明に係る心合せ装置の測定位置における状態を示した概略構成図である。 図１の状態から９０°回転させた視点から見た図１の装置の休止状態を示す構成図である。

符号の説明

１ 測定プローブ
２ 作用端面
３ ホルダ管材
４ プローブ軸
５ ホルダ
６ 隣接した平行四辺形要素
７ 回転関節
８ 基礎部材
９ 装置台
１０ ワークピーススピンドルケース
１１ 回転駆動機構
１３ ワークピースの歯
１４ ワークピース
１６ 回転軸
１７ ワークピーススピンドル
Ａ 平行四辺形関節部材群

Claims (10)

1. 精密加工を行うためにギア精密加工装置のワークスピンドル（１７）上に取り付けられた、予め歯車加工されたワークピース（１４）の歯（１３）の位置を引き戻し可能な測定プローブ（１）を使用して非接触式に測定する装置であり、測定プローブ（１）は平行四辺形関節部材群（Ａ）の要素として形成されたホルダ（５）上に配置され、平行四辺形関節部材群（Ａ）は装置台（９）またはワークピーススピンドルケース（１０）と固定的に結合するためにホルダ（５）に対向して配置された基礎部材（８）を備えることを特徴とする装置。
2. 平行四辺形関節部材群（Ａ）の回転平面はワークピース（１４）の回転軸（１６）と平行に延在するかあるいはこれと重なることを特徴とする請求項１記載の装置。
3. ホルダ（５）は予め固定的に設定された角度をもってストッパからストッパまで旋回し得ることを特徴とする請求項１または２記載の装置。
4. ホルダ（５）を旋回させるために水圧、気圧、または電気モータによって駆動される回転駆動機構（１１）を設けることを特徴とする請求項１ないし３のいずれかに記載の装置。
5. 平行四辺形関節部材群（Ａ）の回転関節（７）は遊び無く予荷重されたローラベアリングからなることを特徴とする請求項１ないし４のいずれかに記載の装置。
6. 平行四辺形関節部材群（Ａ）は回転軸ごとに２つの回転関節（７）を備え、その軸方向の距離は少なくとも短い方の平行四辺形の要素（５，８）の長さに相当することを特徴とする請求項１ないし５のいずれかに記載の装置。
7. 測定プローブ（１）はその軸（４）に平行に移動および締め付け固定可能に配設されることを特徴とする請求項１ないし６のいずれかに記載の装置。
8. 測定プローブ（１）はホルダ管材（３）内においてその軸（４）に対して垂直に移動あるいは締め付け固定可能に配設されることを特徴とする請求項１ないし７のいずれかに記載の装置。
9. ホルダ管材（３）は測定プローブ（１）の軸（４）に対して直角に移動あるいは締め付け固定可能にホルダ（５）内に配設されることを特徴とする請求項８記載の装置。
10. ホルダ（５）は要素（６）と回転関節（７）を介して基礎部材（８）と旋回可能に接続されることを特徴とする請求項１ないし９のいずれかに記載の装置。

Images