JP2014078653A - Iii族窒化物半導体層の製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物半導体層の製造方法 Download PDF

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Shuichi Shoji
習一 庄子
Jun Mizuno
潤 水野
Akiko Okada
愛姫子 岡田
Akira Usui
彰 碓井
Toshiharu Matsueda
敏晴 松枝
Hiroki Goto
裕輝 後藤
Haruo Sunakawa
晴夫 砂川
Yujiro Ishihara
裕次郎 石原
Taiji Fujiyama
泰治 藤山
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Abstract


【課題】所望のIII族窒化物半導体層を得ることができるIII族窒化物半導体層の製造方法を提供すること。
【解決手段】本実施形態のテンプレート基板1の製造方法は、表面に凹凸のパターンが形成された転写体2を用意する工程と、下地層10を被覆する被覆膜12Aを設ける工程と、被覆膜12Aを被覆する被転写層4Aを設ける工程と、被転写層4Aに転写体2の凹凸パターンを接触させて、被転写層4Aに前記凹凸パターンを転写する工程と、被転写層4Aのうち、転写する前記工程によって被転写層4Aに形成された凹部41の底部に位置する部分42、および、前記被覆膜12Aのうち前記凹部41の底部の下方に位置する部分を除去することで、開口部121を有するマスク12を形成する工程と、マスク12の開口部121からIII族窒化物半導体をエピタキシャル成長させてIII族窒化物半導体層13を得る工程とを含む。
【選択図】図5

Description

本発明は、III族窒化物半導体層の製造方法に関する。
従来、III族窒化物半導体材料の電子素子(たとえば、トランジスタ)や光素子(たとえば、発光素子)としての利用が盛んに検討されている。III族窒化物半導体層は、一般に下地基板上にエピタキシャル成長させることで得られるが、下地基板からの結晶の転位が問題となり、良好な特性の素子を得ることが困難であった。そこで、転位の少ないIII族窒化物半導体層を得る方法が提案されている(たとえば、特許文献1)。
特許文献1に開示された方法は、以下のようである。
サファイア等の下地基板上にマスクを形成し、このマスクの開口部からファセットを成長させる。ファセットにより、転位の伝播方向を変え、ファセット上部のIII族窒化物半導体層への貫通転位を低減する。
特開平10−312971号公報
特許文献1においては、下地基板上にマスクを形成する際に、フォトリソグラフィ法とウェットエッチング法とを使用していた。すなわち、下地基板上にマスクとなる被覆膜を形成した後、この被覆膜を被覆する感光性の樹脂層を設け、この感光性の樹脂層に選択的に光を照射して、未露光部分を除去することで開口を形成する。そして、この開口を介して、被覆膜をウェットエッチングすることで、マスクを形成していた。
このようなマスクの形成方法では、所望の開口部のパターンを有するマスクを形成することが困難であった。
マスクの開口部の配置位置、形状、大きさは、III族窒化物半導体層の品質に影響を及ぼすことがある。たとえば、開口部の大きさ等により、III族窒化物半導体層に生じる転位密度を制御できる場合があり、また、開口部の配置や形状により、III族窒化物半導体層に生じる反りの方向も制御できる場合がある。しかしながら、従来の製造方法では、感光性の樹脂層を露光現像して、開口を形成し、この開口を介して、マスクの開口部を形成しているので、露光波長により開口部の大きさ、形状等が制限されてしまう。そのため、所望のIII族窒化物半導体層を得ることが難しかった。
本発明によれば、
表面に凹凸のパターンが形成された転写体を用意する工程と、
下地基板上にこの下地基板を被覆する被覆膜を設ける工程と、
被覆膜を被覆する被転写層を設ける工程と、
被転写層に前記転写体の前記凹凸パターンを接触させて、前記被転写層に前記凹凸パターンを転写する工程と、
前記被転写層のうち、転写する前記工程によって前記被転写層に形成された凹部の底部に位置する部分、および、前記被覆膜のうち前記凹部の底部の下方に位置する部分を除去することで、開口部を有するマスクを形成する工程と、
前記マスクの開口部からIII族窒化物半導体をエピタキシャル成長させてIII族窒化物半導体層を得る工程とを含むIII族窒化物半導体層の製造方法が提供される。
この発明によれば、被転写層に転写体の凹凸パターンを転写し、この被転写層に形成された凹部の底部に位置する部分、および、被覆膜のうち前記凹部の底部の下方に位置する部分を除去することで、開口部を有するマスクを形成している。
この製造方法では、所望の凹凸パターンを有する転写体を用意して、これを転写することで、所望の開口部のパターンが形成されたマスクを得ることができる。これにより、所望のIII族窒化物半導体層を得ることができる。
本発明によれば、所望のIII族窒化物半導体層を得ることができるIII族窒化物半導体層の製造方法が提供される。
本発明の一実施形態にかかるテンプレート基板の断面図である。 図1の要部を示す拡大図である。 テンプレート基板のマスクを示す平面図である。 (A)〜(C)は、テンプレート基板の製造工程を示す工程断面図である。 (A)〜(D)は、テンプレート基板の製造工程を示す工程断面図である。 (A)〜(D)は、テンプレート基板の製造工程を示す工程断面図である。 HVPE(hydride vapor phase epitaxy)成長装置を示す模式図である。 テンプレート基板の製造工程を示す工程断面図である。 テンプレート基板の変形例を示す断面図である。 (A)〜(C)は、変形例におけるマスクを示す平面図である。 実施例8のテンプレート基板の断面図であり、基板面およびマスクの開口部の長手方向と直交する断面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同一符号を付し、その詳細な説明は重複しないように適宜省略される。
はじめに、図1を参照して、本実施形態のテンプレート基板1の概要について説明する。
このテンプレート基板1は、III族窒化物半導体成長用のテンプレート基板である。
テンプレート基板1は、下地基板11を含む下地層10と、
下地層10上に設けられ、複数の開口部121が形成されたマスク12と、
マスク12の開口部121から成長し、かつ、下地基板11の基板面に対して傾斜するファセット面131Aを有するIII族窒化物半導体のファセット構造131と、
ファセット構造131を被覆するように設けられたIII族窒化物半導体膜132とを備える。
本実施形態では、マスク12は、開口部121および被覆部122がともに同一方向に、一方向に延在して、ストライプ状のパターンを形成している。
隣接する被覆部122間の最小間隔である、前記開口部121の最小幅Woが300nm以下である。本実施形態では、開口部121の長手方向と直交する方向の幅は、開口部121の長手方向に沿って均一であり、最小幅Woに該当する。
従来、特許文献1に記載されているように、マスクを使用してGaN系半導体をエピタキシャル成長させることが行なわれていた。特許文献1の段落0024には、マスクの開口部の幅が0.1〜10μmである旨の記載があるが、実際には、開口部の幅が2μm程度のマスクを使用している。
従来、マスクを形成する際には、特許文献1の実施例にあるように、SiO膜を形成した後、レジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術により、レジストをパターニングし、その後、SiO膜の一部をウェットエッチングで除去していた。このような形成方法においては、マスクの開口幅は、2μm程度が限界であり、これより小さくすることは非常に困難であった。レジストをパターニングする際には、一般に紫外線を使用する。露光装置のUVランプからの照射される紫外線の波長は、350nm〜400nmである。このような波長の光をレジストに照射して、レジストをパターニングする場合には、露光用の光の波長よりも幅の狭い開口部を形成することは非常に困難であり、現実的には、開口部の幅は2μm程度となるのである。
これに加え、従来、マスクの開口部の幅をナノオーダーとした場合に、ファセット構造が形成できるかどうか不明であり、かつ、マスクの開口部の幅をナノオーダーとした場合の効果についても認識がなかった。
これに対し、本発明者らは、マスクの開口の最小幅Woを300nm以下と、非常に小さくすることで、転位が低減されたテンプレート基板を製造できることを見出した。
(テンプレート基板)
次に、図1〜図3を参照して、テンプレート基板1について、詳細に説明する。
図1にテンプレート基板1の基板面に垂直な方向に沿った断面図を示す。図2は、図1の拡大図であり、図3は、テンプレート基板1の基板面側からのマスク12の平面図である。
図1および図2に示すように、テンプレート基板1は、下地基板11を含む下地層10と、マスク12と、単結晶のIII族窒化物半導体層13とを備える。
下地層10は、下地基板11と、下地基板11上に設けられた層14とを含む。
下地基板11は、III族窒化物半導体層13と異種材料の基板であることが好ましく、たとえば、サファイア基板、シリコン基板、SiC基板、GaAs基板、GaP基板、ZnO基板のいずれかであることが好ましい。なかでも、製造コスト、取り扱い性等の観点から、シリコン基板、あるいは、サファイア基板が好ましい。
下地基板11上には、III族窒化物半導体層14が形成されている。このIII族窒化物半導体層14は、下地層10の表面層であり、たとえば、低温成長バッファ層と、その上部に形成されたエピタキシャル層とで構成され、その厚みは、たとえば、1〜2μmである。III族窒化物半導体層14は、InAlGaN(x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)であり、本実施形態では、GaN層である。
層14の下地基板11と反対側の面は、結晶面であり、本実施形態では、(0001)面(c面)である。
本実施形態では、下地基板11と層14とで下地層10が形成されることとなる。ただし、層14は設けなくてもよく、下地基板11上に直接マスク12を形成してもよい。
下地層10のマスク12の開口部121の直下の領域には、凹部141が形成されている。凹部141は、層14に形成されており、層14の表面が除去されることで形成されている。凹部141からは、III族窒化物半導体が成長しており、凹部141および開口部121を介してIII族窒化物半導体層13が成長している。凹部141内部は、III族窒化物半導体により埋め込まれている。
下地基板11の基板面と直交するとともに、開口部121の延在方向と直交する方向の断面(下地基板11の基板面と直交するとともに、III族窒化物半導体層の<1―100>方向に沿った断面)において、凹部141は、V字状である。
本実施形態では、凹部141は、開口部121の長手方向に沿って延在している。凹部141は、凹部141の側面が下地基板11の基板面に対して傾斜したV字溝状となっている。ただし、凹部141は、側面が基板面に対して直交するU字溝状であってもよい。
凹部141は、マスク12の開口部121の直下の領域内からはみ出さないように、開口部121の直下の領域内のみに形成されている。そして、凹部141は、マスク12の被覆部122の直下には形成されていない。凹部141は、開口部121の全長にわたって形成されている。
また、凹部141の深さは、たとえば、開口部121の幅と等しく、たとえば、50nm〜300nmである。なかでも、100nm以下であることが好ましい。
また、凹部141の側面(壁面)は、下地基板11の基板面に対して傾斜した結晶面である。本実施形態では、凹部141の側面は、III族窒化物半導体層のc軸に対して傾斜した結晶面(ファセット面)であり、たとえば、{1−101}面となっている。
マスク12は、下地層10上に直接形成されており、本実施形態では、層14上に直接形成されている。マスク12の材料としては、SiOが挙げられる。
本実施形態では、マスク12には、図3の平面図にも示すように、一方向に延在する複数の開口部121が形成されている。マスク12はストライプ形状に形成されており、下地基板11の基板面側からの平面視において、帯状(平面矩形形状)の被覆部122と、帯状(平面矩形形状)の開口部121とが交互に配置され、互いに平行に延在している。各被覆部122の配列のピッチは等しい。
隣接する被覆部122間の最小値である開口部121の最小幅Wo、すなわち、本実施形態では、開口部121の長手方向(延在方向)と直交する方向の幅は、300nm以下である。
ここで、開口部121の長手方向と直交する断面において、開口部121の幅が開口部121の開口面側から、開口部121の底面側に向かって変化することがある。この場合には、開口部121の最小幅Woは開口部121の底面における幅を意味し、開口部121の底面における幅が300nm以下となる。たとえば、図2に示すように、開口部121の長手方向と直交する断面において、開口部121はテーパー状であり、開口部121の幅が開口面側から底面側に向かって小さくなる。この場合には、開口部121の底面における幅が300nm以下であればよい。
また、本実施形態では、開口部121の幅は、開口部121の長手方向に沿って均一であるが、開口部121の幅が、開口部121の長手方向に沿って変化するような場合には、その最小値が、開口部121の最小幅Woとなり、300nm以下となる。
ただし、開口部121の幅が、開口部121の長手方向に沿って変化するような場合において、III族窒化物半導体層13の転位密度をより確実に低減させるためには、隣接する被覆部122間の間隔の最大値、すなわち、開口部121の最大幅が300nm以下であることが好ましい。
開口部121の最小幅Woは300nm以下であればよいが、III族窒化物半導体層13の転位密度をより低減させるためには、最小幅Woは、100nm以下、さらには、80nm以下であることが好ましい。最小幅Woの下限値は特に限定されないが、開口部121を容易に形成するという観点から、30nm以上であることが好ましく、なかでも、50nm以上であることが好ましい。
また、開口部121の最小幅の幅方向に沿った被覆部122の幅をWcとした場合、W/Wcが1/1以下、特には、1/3以下であることが好ましい。
なかでも、III族窒化物半導体層13の転位密度をより低減させるためには、W/Wcは1/5以下であることが好ましく、1/10以下であることがより好ましい。また、被覆部122をIII族窒化物半導体層13で完全に被覆するという観点からは、W/Wcの下限値は、1/50である。
また、Wcは、たとえば、100nm以上、5μm以下である。
なお、被覆部122の幅Wcは、下地基板11の基板面と直交する断面であり、開口部121の最小幅Woに沿って、開口部121の最小幅がWoとなる位置を通る断面(たとえば、図1)における被覆部122の幅寸法である。なお、図2のように、開口部121がテーパー状となっており、被覆部122の幅が下地層10側に向かって広がる場合には、下地層10側の幅をWcとする。
さらに、W/Wcが1/1以下であることに加えて、下地基板11側からの貫通転位を抑制するという観点からは、マスク12による下地基板11の被覆率は、50%以上、特には、75%以上であることが好ましい。なかでも、90%以上であることがより好ましい。また、マスク12による下地基板11の被覆率は、98%以下であることが好ましい。
また、ファセット構造131の高さを小さくするという観点からは、隣接する被覆部122の幅Wcの中心間の距離(被覆部122のピッチP)は2.5μm以下、特には2μm以下であることが好ましい。
本実施形態では、マスク12の開口部121の長手方向は、III族窒化物半導体層13の<11−20>方向に沿っており、開口部121は、III族窒化物半導体層13の<11−20>方向に延在している。このようにすることで、後述する断面三角形状のファセット構造131を成長させるやすくすることができる。
ただし、マスク12の開口部121の長手方向は、これに限定されず、たとえば、III族窒化物半導体層13の<1−100>方向に沿っていてもよい。
次に、図1,2を参照して、III族窒化物半導体層13について説明する。
III族窒化物半導体層13は、マスク12上に設けられ、マスクの開口部121から成長した層である。III族窒化物半導体層13は、InAlGaN(x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1)である。III族窒化物半導体層13は、層14と同じ組成であることが好ましく、本実施形態では、GaN層である。
III族窒化物半導体層13は、III族窒化物半導体のファセット構造131と、ファセット構造131を被覆するように設けられたIII族窒化物半導体膜132とを備える。
ファセット構造131と、III族窒化物半導体膜132とは、いずれも同じ組成のIII族窒化物半導体(InAlGaN(x+y+z=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1))で構成され、本実施形態では、GaNで構成されている。
III族窒化物半導体層13は複数のファセット構造131を有し、各開口部121からファセット構造131が成長している。
ファセット構造131は、対向する少なくとも1対のファセット面131Aを有している。そして、ファセット構造131は、ファセット構造131の頂部を通り、下地基板11の基板面に対して直交する断面において、1対のファセット面131Aを側面とする三角形状を形成している。換言すると、下地基板11の基板面と直交する断面であり、開口部121の最小幅Woの幅方向に沿って、開口部121の幅が最小幅Woとなる位置を、沿って通る断面において、ファセット構造131は三角形状となっている。
ここで、マスク12の開口部121の長手方向がIII族窒化物半導体層13の<11−20>方向に沿っている場合には、開口部121上において{1−101}面の成長が最も速いため、ファセット面131Aは、{1−101}面となる。そして、三角柱形状のファセット構造131が形成されることとなる。
ファセット構造131の高さhは、2μm以下であることが好ましく、なかでも、1.5μm以下であることが好ましい。ファセット構造の高さhの下限値は、特に限定されないが、たとえば、0.5μmである。
なお、高さhは、マスク12の下地基板11と反対側の表面を基準とした高さである。
また、本実施形態では、ファセット構造131は、一つの開口部121から成長したものであり、2以上の開口部121に跨って形成されたものではない。各開口部121からファセット構造131が成長している。ただし、図9に示すように、隣接するファセット構造131を内包して、複数のファセット構造131を内含する大ファセット構造133が形成されていてもよい。ファセット構造131が形成された後、さらに、III族窒化物半導体の成長を続けると、複数のファセット構造131を内包する大ファセット構造133が形成されることとなる。
ファセット構造131が形成されることで、貫通転位は、下地基板11の基板面と平行な方向に向きを変え、貫通転位密度が大幅に減少することとなる。しかしながら、図9の矢印で示すように、ファセット構造131から成長した結晶が会合する会合部では、下地基板の基板面と平行な方向に向きを変えた貫通転位の一部が成長表面に向かって上昇する。大ファセット構造133では、この成長表面に向かって延びる貫通転位をさらに折り曲げることができるため、III族窒化物半導体層13表面に現れる貫通転位をより低減させることができる。
この場合、大ファセット構造133の高さは、15μm以下であることが好ましく、特には、10μm以下であることが好ましい。換言すると、このテンプレート基板1において、高さが15μmを超えるファセット構造は形成されないことが好ましい。このようにすることで、III族窒化物半導体層13の厚みを厚くせずに、III族窒化物半導体層13を平坦化することが可能となる。
また、下地基板11の基板面と直交する断面であり、開口部121の幅が最小幅Woとなる位置を、開口部121の最小幅Woに沿って通る断面(たとえば、図1、2)におけるファセット構造131の底辺の長さLは、被覆部122間のピッチ(Wo+1/2Wcとなる。
なお、ここでは、ファセット構造131は、断面三角形状であるとしたが、これに限らず、断面台形形状であってもよい。ただし、断面三角形状であることで、III族窒化物半導体層13中の貫通転位を確実に低減することができる。
III族窒化物半導体膜132は、ファセット構造131を埋め込むように設けられ、ファセット構造131を被覆している。
ファセット構造131を成長させることで、III族窒化物半導体膜132が形成されるが、ファセット構造131と、III族窒化物半導体膜132とでは、成長速度が異なり、取り込まれる不純物濃度が相違するので、ファセット構造131の輪郭が明確となる。
III族窒化物半導体膜132の下地層10と反対側の表面、すなわち、テンプレート基板1の最表面は、平坦であり、単一の結晶面(等価な複数の結晶面は含まない)で一様に構成されている。たとえば、テンプレート基板1の最表面全面は、(0001)面のみで構成されている。
さらに、III族窒化物半導体膜132は、下地基板11と反対側の表面が平坦面となっており、その表面粗さRaはたとえば、0.1nm以上、5nm以下である。
III族窒化物半導体層13の厚みTは、35μm以下、特に30μm以下であることが好ましく、なかでも、20μm以下であることが好ましい。一方で、厚みTは、10μm以上であることが好ましい。この厚みTは、マスク12の下地基板11側と反対側の表面から計測した厚みである。
III族窒化物半導体層13は、厚さ35μm以下、特には30μm以下であり、かつ、その表面の転位密度は、2×10cm−2以下、さらには、1×10cm−2以下であることが好ましい。なかでも、III族窒化物半導体層13の表面の転位密度は、8×10cm−2以下であることが好ましい。さらには、III族窒化物半導体層13は、厚さ25μm以下であり、かつ、表面の転位密度は、7×10cm−2以下であるとがより好ましい。
転位密度は、III族窒化物半導体層13の表面をリン酸、硫酸等のエッチング液でエッチングし、形成された窪み(エッチピット)を、光学顕微鏡を用いて計測することで、得られる。
以上のようなテンプレート基板1は、III族窒化物半導体層13上にIII族窒化物半導体を成長させるために用いられる。具体的には、III族窒化物半導体層13をエピタキシャル成長させて、厚膜(たとえば、200μm)のIII族窒化物半導体層を形成する。その後、必要に応じて、下地基板11をIII族窒化物半導体層から剥離する。これにより、たとえば、III族窒化物半導体の自立基板を得ることができる。
(製造方法)
次に、図4〜図7を参照して、上述したテンプレート基板1の製造方法について説明する。なお、図5,6において、下地基板11、層14、マスク12は模式的に示しており、説明の便宜上、マスクの厚みを誇張して記載している。
ここで、テンプレート基板1の製造方法の概要について説明する。
本実施形態のテンプレート基板1の製造方法は、
表面に凹凸のパターンが形成された転写体2を用意する工程と、
下地層10を被覆する被覆膜12Aを設ける工程と、
被覆膜12Aを被覆する被転写層4Aを設ける工程と、
被転写層4Aに転写体2の凹凸パターンを接触させて、被転写層4Aに前記凹凸パターンを転写する工程と、
被転写層4Aのうち、転写する前記工程によって被転写層4Aに形成された凹部41の底部に位置する部分42、および、前記被覆膜12Aのうち前記凹部41の底部の下方に位置する部分を除去することで、開口部121を有するマスク12を形成する工程と、
マスク12の開口部121からIII族窒化物半導体をエピタキシャル成長させてIII族窒化物半導体層13を得る工程とを含む。
このような製造方法においては、転写体2の凹凸パターンを被転写層4Aに転写し、マスク12を形成するため、転写体2の凹凸パターンを所望の形状とすることで、所望のマスク12を得ることができる。たとえば、非常に微細な凹凸パターンを形成し、この凹凸パターンに応じた開口部121、被覆部122のパターンを有するマスク12を形成することが可能となる。従って、このような製造方法によれば、マスクの設計の自由度があがり、所望のマスクを形成することができる。
従来は、マスクを形成する際には、特許文献1の実施例にあるように、SiO膜を形成した後、レジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術により、レジストをパターニングし、その後、SiO膜の一部をウェットエッチングで除去していた。レジストをパターニングする際には、一般に紫外線を使用する。露光装置のUVランプからの照射される紫外線の波長は、350nm〜400nmであることから、微細な開口パターンのマスクを形成することは非常に困難であった。
マスクの開口部の大きさや、被覆部の配置パターンは、III族窒化物半導体層の品質に影響を及ぼすことがある。たとえば、本実施形態のように、開口部の大きさにより、III族窒化物半導体層に生じる転位密度を制御でき、また、開口部の配置や形状により、III族窒化物半導体層に生じる反りの方向も制御できる。本実施形態のように、所望のマスクを形成することで、所望の品質のIII族窒化物半導体層を得ることができる。
次に、テンプレート基板1の製造方法について詳細に説明する。
はじめに転写体2を用意する。
図4(A)に示すように、マスク12の開口部121および被覆部122の配置パターンに応じた凹凸パターンが形成されたマスターモールド3を用意する。マスターモールド3は、たとえば、シリコンあるいは石英などから形成されている。
このようなマスターモールド3は、以下のようにして製造される。
石英あるいはシリコンの基板上に、スパッタリング法で金属膜、たとえばCr膜を10〜20nm成膜する。金属膜上に、電子線用レジスト膜を塗布し、描画装置から電子線ビーム(EB)を前記レジストに照射した後、現像装置で現像する。その後、レジストの開口部から露出する金属膜をドライエッチング装置でエッチングして、金属膜に開口部を形成する。更に、ドライエッチング装置で金属膜の開口部から露出する基板をエッチングする。その後、レジスト膜、金属膜を全て剥離する。これによりマスターモールド3を得ることができる。
一方で、フィルム21上に、樹脂層22を塗布しておく。塗布方法は特に限定されないが、スピンコート法を採用することができる。
次に、図4(B)に示すように、樹脂層22に、凹凸パターンが形成されたマスターモールド3を押圧して、マスターモールド3の凹部に樹脂層22を入り込ませ、樹脂層22に、凹凸パターンを転写する。
このとき、樹脂層22を加熱して転写を行なう熱インプリント法と、樹脂層22に光を照射して転写を行なう光インプリント法のいずれを採用してもよいが、常温で実施することができる光インプリント法(たとえば、UV(紫外線)インプリント法)を採用することが好ましい。
熱インプリント法では、熱可塑性樹脂を含む樹脂層22をガラス転移温度以上に加熱して、軟化させて、マスターモールド3の凹凸パターンを樹脂層22に転写する。その後、樹脂層22を冷却して固化する。
一方で、光インプリント法では、樹脂層22は光硬化性の樹脂組成物で構成され、未硬化の樹脂層22をマスターモールド3の凹凸パターンに当接させて、転写を行なう。そして、UV(紫外)光等の光を照射し、樹脂層22を光硬化させる。
樹脂層22を構成する光硬化性の樹脂組成物は、たとえば、光ラジカル発生剤およびラジカル重合性化合物を含むラジカル重合性化合物、あるいは、光酸発生剤とカチオン重合性化合物を含むカチオン硬化性組成物があげられる。
ラジカル重合性化合物としては、たとえば、(メタ)アクリレート化合物を主成分とする組成物が挙げられる。
カチオン硬化性組成物としては、たとえば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物のいずれか1種以上を主成分とするものが挙げられる。
その後、図4(C)に示すように、樹脂層22と、マスターモールド3とを離間して、所定の凹凸パターンが形成された樹脂層22とフィルム21とで構成される転写体2を得る。以上の工程により、転写体2を用意することができる。
次に、下地層10を被覆する被覆膜12Aを設ける。
まず、下地基板11を用意して、この下地基板11上に下地基板11の表面全面を被覆する層14を設ける。たとえば、下地基板11としてサファイア基板を使用する場合には、サファイア基板の(0001)面上に層14を設ける。
以下のような条件で層14を形成することができる。
有機金属化学的気相成長法(MOCVD法)により、400〜700℃で低温成長バッファ層を形成した後、MOCVD法で、1000〜1200℃でIII族窒化物半導体層を形成し、1〜2μmの層14を設ける。これにより、下地基板11と、この下地基板11を被覆する層14とで構成される下地層10を得ることができる。
次に、図5(A)に示すように、下地層10上に被覆膜12Aを設ける。被覆膜12Aは、マスク12となるものである。たとえば、ジシラン(SiH)ガスと、酸素ガスとを反応させて、下地層10の一方の面の全面を被覆するSiOの被覆膜12Aを形成する。被覆膜12Aの厚みは、たとえば、0.01〜1μmである。
その後、図5(B)に示すように、被覆膜12Aを被覆する被転写層4Aを設ける。具体的には、被覆膜12A上に、被転写層4Aを構成する樹脂組成物を塗布する。塗布方法は特に限定されないが、スピンコート法を採用することができる。
被転写層4Aとしては、前述した樹脂層22と同様のものを採用できる。
その後、図5(C)に示すように、被転写層4Aに、転写体2の凹凸パターンを押圧して転写体2の凹凸パターンを転写する。この転写方法としては、前述した樹脂層22への転写方法と同様の方法を採用できる。具体的には、被転写層4Aを加熱して転写を行なう熱インプリント法と、被転写層4Aに光を照射して転写を行なう光インプリント法のいずれを採用してもよいが、常温で実施することができる光インプリント法(たとえば、UVインプリント法)を採用することが好ましい。
その後、図5(D)に示すように、被転写層4Aと、転写体2とを離間して、所定の凹凸パターンが形成された被転写層4Aを得る。図6(A)にも示すように、この被転写層4Aの凹部41の底部に位置する部分42の厚みは、凹部の底面からの凸部の高さよりも非常に小さくなっている。
次に、図6(B)に示すように、被転写層4Aに形成された凹凸パターンの凹部41の底部に位置する部分42を選択的に除去する。これにより、被転写層4Aを貫通する開口部43が形成されることとなる。部分42を除去する方法としては、ドライエッチングが挙げられる。被転写層4Aのエッチング速度を適宜調整し、被転写層4Aに形成された凸部の配置パターンを維持しつつ、部分42を除去して、開口部43を形成する。これにより、エッチング前の被転写層4Aに形成された凹凸パターンの凹部41が開口部43となり、凸部が被覆部44となったマスク4が形成されることとなる。
ドライエッチングは、被エッチング物を載置した電極に高周波電力を印加し、発生した負の自己バイアス電圧により、プラズマから生成されたイオンを加速して被エッチング物に衝撃させる反応性イオンエッチングとエッチング物にバイアスを印加せずにプラズマより生成したラジカルにより被エッチング物をエッチングするプラズマエッチングに大別されるが、いずれの方法を採用してもよい。
エッチングガスとしては、フッ素系ガスを含むものがあげられる。フッ素系ガスとしては、C(例えば、CF、C、C)ガス、SFガス、CHF3ガスのいずれか1種以上を使用することができる。また、エッチングガスとして、酸素含有ガスを使用してもよい。さらには、フッ素系ガスに、酸素含有ガスを混合してもよい。酸素含有ガスとしては、Oガス、COガス、Oガスのいずれか一種以上を使用できる。
次に、図6(C)に示すように、マスク4の開口部43から露出する被覆膜12Aを選択的に除去する。
エッチングガスとしては、前述したガスを使用することができる。エッチングガスを適宜選択するとともに、被覆膜12Aのエッチング速度と、マスク4のエッチング速度との比である選択比を調整することで、開口部121と被覆部122とが所定のパターンで配置されたマスク12を形成することができる。
なお、ここでは、反応性イオンエッチングを実施することが好ましい。
その後、図6(D)に示すように、マスク12上のマスク4を除去する。たとえば、アッシングにより、マスク4を除去する。具体的には、酸素ガスを高周波などによりプラズマ化させ、そのプラズマにより、マスク4を炭化する。
これにより、マスク12が設けられた下地層10を用意することができる。
次に、マスク12の開口部121からIII族窒化物半導体をエピタキシャル成長させて、III族窒化物半導体層13を形成する。
この工程は、以下の2つの工程を含んでなる。
(1)マスク12の開口部121から、下地基板11の基板面に対して傾斜するファセット面を有するIII族窒化物半導体のファセット構造を成長させる第一の成長工程
(2)さらにIII族窒化物半導体の成長を行い、ファセット構造131から成長したIII族窒化物半導体結晶同士を合体させて、III族窒化物半導体層13を得る第二の成長工程
そして、第一の成長工程および第二の成長工程では、同種の気相成長法を用いる。第一の成長工程におけるIII族原料ガスの分圧は、第二の成長工程における前記III族原料ガスの分圧よりも高い。
以下に各成長工程について詳細に説明する。
(第一の成長工程)
第一の成長工程では、マスク12の開口部121からIII族窒化物半導体をエピタキシャル成長させて、ファセット構造を形成する。
はじめに、図7に示すように、マスク12が設けられた下地層10をHVPE(Hydride Vapor Phase Epitaxy)装置5の反応管50内のフォルダ51にセットする。そして、ガス導入管53,54により、窒素(N2)ガスを供給して反応管50内をパージする。反応管50内に供給したガスは、排出口58より排出される。反応管50内を十分パージした後、水素(H2)ガスに切替えて、ヒータ55により反応管50を昇温する。成長領域56の温度が500℃前後となったら、ガス導入管54よりV族原料ガス(窒素含有ガスであり、たとえば、アンモニア(NH3))ガスを加えて昇温する。さらにGaソース(III族ソース)57領域の温度が850℃、成長領域56の温度が950℃〜1100℃になるまで昇温を続ける。
Gaソース57領域の温度及び成長領域56の温度が安定してからガス導入管53よりハロゲン元素を含むガス(たとえば、HClガス)を加えて供給し、ソースボート59内のガリウム(Ga)と反応させてIII族元素をハロゲン化し、III族原料ガスとなる塩化ガリウム(GaCl)を生成し、成長領域56に輸送する。そして成長領域56にて、塩化ガリウムと、窒素含有ガスとが反応してIII族窒化物半導体が形成されることとなる。
これにより、図8に示すように、開口部121からファセット構造131´を成長させることができるが、この工程において、前述した凹部141が形成されると推測される。
これは、以下のようなメカニズムであると考えられる。
開口部121から露出する下地層10の表面層を構成する層14は、開口部121を形成する際のドライエッチングによりダメージを受けている。そのため、反応管50内を昇温する工程で、層14のうち、開口部121から露出する部分から層14を構成する窒素原子が脱離することとなる。
その後、ガス導入管53からハロゲン元素を含むガスが供給されると、層14の開口部121から露出した部分に残存しているIII族原子がハロゲン原子と結合して、層14から脱離することとなる。また、反応管50内では、III族元素のハロゲン化化合物(GaCl)が形成され、このIII族元素のハロゲン化化合物(GaCl)と、窒素含有ガスとが反応してIII族窒化物半導体が形成されるが、このとき、副生成物として、ハロゲン元素を含むガス(たとえば、HClガス)が生成する。この副生成物のガス中のハロゲン原子と、開口部121から露出した部分に残存しているIII族原子とが結合して、III族原子が層14から脱離することもあると考えられる。
以上のようにして、層14のエッチングが行われ、凹部141が形成されると推測される。
なお、特許文献1に開示されたGaN系半導体の成長方法においては、マスクを形成する際に、ウェットエッチングでSiO膜の一部をエッチングして、マスクの開口部を形成している。ウェットエッチングでSiO膜の一部をエッチングする場合には、下地層がダメージを受けにくいため、本実施形態のような凹部141が形成されることはない。
特に、マスクの下層にGaN層が形成されている場合、このGaN層は、エッチング速度はきわめて遅いため、本実施形態のような凹部141は形成されないと考えられる。
これに加え、マスクの下層のGaN層がc面である場合、c面はエッチング速度が極めて遅く、ウェットエッチングにより、異方性エッチングされることはないため、本実施形態のような断面V字型の凹部141は形成できない。
また、従来は、ドライエッチングによりマスクの開口部を形成した場合、下地層がダメージを受けるため、下地層に欠陥等が生じ、下地層上に成長させるIII族窒化物半導体層の結晶品質が劣化すると考えられていた。しかしながら、ドライエッチングにより下地層10がダメージを受けた場合であっても、ダメージを受けた部分がIII族窒化物半導体層13の成長の初期段階で持ち去られて、凹部141が形成されるため、III族窒化物半導体層13の品質の劣化が防止できると考えられる。
成長領域56では、窒素含有ガスとIII族元素のハロゲン化化合物(GaCl)とが反応して、III族窒化物半導体が成長するが、成長初期の段階においては、この成長よりも前述したエッチングが優位となり、凹部141が形成されることとなる。その後、III族窒化物半導体の成長が優位となり、凹部141から、III族窒化物半導体が成長して、凹部141内部がIII族窒化物半導体で埋め込まれるとともに、図8に示すように、開口部121にファセット構造131´が形成されることとなる。そしてファセット構造のファセット面が出現することで、転位がファセット面に向かって進み、下地層10から垂直に伸びていた転位が垂直な方向へ伸びることができなくなる。転位はファセット構造131´の成長とともに横方向に曲げられ、そのほとんどの転位は、結晶の端に出てしまうか、閉ループを形成することとなる。
その後、ファセット構造131´を形成しながらさらに、III族窒化物半導体を成長させると、ファセット構造131´が発達して、ファセット構造131が形成されることとなる。ファセット構造131は、隣接するファセット構造131とは合体していないが、隣接するファセット構造131間において、被覆部122は露出していない。
ファセット構造131が形成された後、ファセット構造131がIII族窒化物半導体膜132により完全に埋め込まれてしまう前に、第一の成長工程を終了する。第一の成長工程においては、隣接するファセット構造同士の一部が合体してもよいが、好ましくは、隣接するファセット構造同士が合体する前段で、第一の成長工程を終了する。
また、ファセット構造131´が形成された後、このファセット構造131´がファセット構造131となる前に、第一の成長工程を終了してもよい。この場合には、後述する第二の成長工程で、さらにファセット構造が発達して、ファセット構造131が形成されることとなる。
III族原料ガス(ここでは、GaCl))の分圧は、第二の工程におけるIII族原料ガス(ここでは、GaCl)の分圧よりも高い。たとえば、第一の工程におけるIII族原料ガスの分圧は、2×10−3MPa以上、6×10−3MPa以下であることが好ましい。特に、3×10−3MPa以上であることが好ましい。
さらに、第一の成長工程におけるV族原料ガス(窒素含有ガス(NH3ガス))の流量(モル供給量)と、III族原料ガス(GaClガス)の流量(モル供給量)との比であるV/III比は、第二の工程におけるV/III比よりも低いことが好ましい。たとえば、V/III比は、15以下、5以上であることが好ましい。これに加え、III族原料ガスの流量を100cc/min〜300cc/minとし、V族原料ガスの流量を500cc/min〜4500cc/minとすることが好ましい。
また、第一の成長工程において、ハロゲン元素を含むガスの供給を開始した直後からのファセット構造131の成長時間は、たとえば、10〜60秒である。
なお、本明細書においてV/III比というときはモル比基準の値を指す。ただし、HVPE成長は常圧で行う。また、III族原料ガスとV族原料ガスは、同じ圧力、温度で供給するため、これらの流量比は、流速比基準であってもモル比基準であっても同じ値を示す。
(第二の成長工程)
次に、III族原料ガスの流量を変え、V/III比を変えて、第二の成長工程を実施する。
この第二の成長工程は、ファセット構造131から、III族窒化物半導体結晶をさらに成長させ、隣接するファセット構造131から横方向成長したIII族窒化物半導体結晶同士を合体させる。そして、さらにIII族窒化物半導体結晶を成長させることで、III族窒化物半導体膜132を形成する。
第二の成長工程においても、HVPE法が採用されるが、第二の工程におけるIII族元素を含む原料ガスの分圧は、第一の工程におけるIII族元素を含む原料ガスの分圧よりも小さい。たとえば、0.1×10−3MPa以上、2×10−3MPa以下とする。これに加え、第二の成長工程におけるV/III比は、第一の成長工程のV/III比よりも大きいことが好ましい。第二の工程におけるIII族元素を含む原料ガスの分圧を、第一の工程におけるIII族元素を含む原料ガスの分圧よりも小さくし、かつ、第二の成長工程におけるV/III比を、第一の成長工程のV/III比よりも大きくすることで、第二の成長工程におけるIII族窒化物半導体の成長速度を低くすることができる。
なかでも、第二の成長工程におけるV/III比は、30以下、18以上であることが好ましい。たとえば、III族原料ガスの流量を第一の成長工程よりも多くし、たとえば、50cc/min〜200cc/minとし、V族原料ガスの流量を900cc/min〜6000cc/minとする。
なお、第二の成長工程では、V族原料ガスの流量を、第一の成長工程におけるV族原料ガスの流量と異なるものとしてもよいが、V族原料ガスの流量を変えずに、III族原料ガスの流量のみを第一の成長工程と異なるものとすることが好ましい。
また、製造効率の観点からは、第二の成長工程におけるIII族窒化物半導体の成長温度は、第一の成長工程と同じであることが好ましいが、第一の成長工程の成長温度よりも低くしてもよい。たとえば、第二の成長工程の成長温度を第一の成長工程よりも、低く設定し、III族窒化物半導体の成長速度を低下させ、ファセット構造131から成長したIII族窒化物半導体結晶同士を緩やかな成長速度で合体させてもよい。このようにすることで、ファセット構造131から成長したIII族窒化物半導体結晶同士が合体する際に発生しやすい、下地基板垂直方向(III族窒化物半導体のc軸方向)への転位、すなわち貫通転位を低減できる。
第二の成長工程では、III族窒化物半導体層13の厚みが所定の厚み(たとえば、20μm)となったら、III族窒化物半導体層13の成長を停止する。
なお、III族窒化物半導体層13の成長は、図7の矢印に示すように、フォルダ51を回転させながら行なう。
以上のような工程によれば、III族窒化物半導体層13の厚みが35μm以下、好ましくは25μm以下であり、III族窒化物半導体層13の転位密度が1×10cm−2以下という、非常に転位が少ないテンプレート基板1を製造することができる。
次に、本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態では、開口部121の大きさを非常に小さなものとしている。この開口部121からはファセット構造131が成長するが、開口部121が小さいため、ファセット構造131を貫通してファセット構造131の上部のIII族窒化物半導体層13まで貫通する貫通転位を少なくすることができる。そのため、転位が低減されたテンプレート基板1を提供することができる。
特に、本実施形態では、ファセット構造131は、対向する1対のファセット面131Aを側面とする断面三角形状となっている。ファセット構造131の頂部には平坦面が形成されないため、下地層10からのc軸方向(層成長方向)の転位の伝播をより確実に抑制することができる。
これに加え、本実施形態では、開口部121の幅Woと被覆部122の幅Wcとの比である、W/Wcを1/1以下、特に好ましくは、1/3以下としている。これにより、被覆部122により、下地層10を被覆する割合を比較的多く確保し、被覆部122により下地層10からの転位の伝播を遮蔽することができる。特にマスク12の下地層10の被覆率を50%以上、特には75%以上とすることで、この効果が顕著に発揮される。
テンプレート基板1は、その上部にIII族窒化物半導体層を形成するために使用される。テンプレート基板1の転位を低減しておくことで、上部に形成されるIII族窒化物半導体層に発生する転位も低減できる。
たとえば、テンプレート基板1の上部にIII族窒化物半導体の発光層が形成されることがある。発光層では、電子が移動し、正孔と結合して光を発するが、発光層中における転位間距離が、電子拡散距離よりも大きい場合、電子が転位に捕捉されてしまい、発光効率が低下する。
これに対し、テンプレート基板1の上部に形成されるIII族窒化物半導体層に発生する転位を低減しておけば、発光層中における転位間距離が、電子拡散距離よりも小さくなり、発光効率を高めることが可能となる。
また、上述したように、本実施形態では、ファセット構造131を貫通してファセット構造131の上部のIII族窒化物半導体層13まで貫通する貫通転位を少なくすることができる。そのためIII族窒化物半導体層13の開口部121直上の領域における転位密度と、III族窒化物半導体層13の被覆部122直上の領域における転位密度との差を小さくすることができ、III族窒化物半導体層13の面内方向における転位密度のばらつきを抑制できる。
このように、本実施形態のテンプレート基板1の構造においては、III族窒化物半導体層13まで貫通する貫通転位が低減され、かつ、III族窒化物半導体層13の面内方向における転位密度のばらつきも抑制できるので、III族窒化物半導体層13の厚みを薄くすることが可能となる。たとえば、III族窒化物半導体層13の厚みを25μm以下としても、転位密度が小さく、かつ、転位密度のばらつきが低減されたテンプレート基板1を提供できる。
また、本実施形態では、開口部121の幅を非常に小さくし、かつ、被覆部122のピッチを小さくしたことで、高さの高いファセット構造が形成されてしまうことを抑制でききる。本実施形態では、高さ15μmを超えるファセット構造は形成されず、ファセット構造131の高さhは、2μm以下である。このようにファセット構造131の高さが低いため、ファセット構造131を埋め込むIII族窒化物半導体膜132の厚みを薄くすることが可能となる。そのため、たとえば、25μm以下の厚みの平坦化されたIII族窒化物半導体層13を得ることができる。III族窒化物半導体層13の厚みを25μm以下と薄くすることで、テンプレート基板1に発生する反りを低減させることができる。
さらに、本実施形態では、テンプレート基板1として、III族窒化物半導体層13とは異なる材料で構成された異種基板を下地基板として使用している。
これにより、III族窒化物半導体層13と同種の半導体基板そのもの、たとえば、GaN基板そのものをテンプレート基板として使用する場合に比べ、コストを低減することができる。
本実施形態では、下地層10の層14に凹部141が形成されている。このようなテンプレート基板1は、品質のよいIII族窒化物半導体層13を安定的に得ることができる製造安定性に優れた構造となっているといえる。
より詳細に説明すると、前述したように、層14が開口部121を形成する際のドライエッチングによりダメージを受けることで、凹部141が形成されることとなると考えられる。ダメージをうけた部分が除去され、凹部141が形成されるため、凹部141から成長したIII族窒化物半導体層13の結晶品質が良好なものとなる。
また、凹部141が形成されることで、開口部121内に被覆膜12Aが残存していないので、開口部121内側の層14から開口部121の長手方向全長に沿って延在するファセット構造131を確実に成長させることができ、品質のよいIII族窒化物半導体層13を安定的に得ることができる。
さらに、マスクの開口部から露出した下地層表面には、酸化膜が形成されるとともに、汚れが付着していることがある。そこで、ウェットエッチングを行なうことが考えられる。しかしながら、本実施形態のように、開口部の幅が非常に小さい場合には、エッチング液が開口部内部に十分に入らずに、下地層表面を十分に洗浄できなくなることが懸念される。
しかしながら、本実施形態では、III族窒化物半導体層13を形成する初期の段階で凹部141が形成されるため、ウェットエッチングを行なわなくても、あるいは、ウェットエッチングが不十分であったとしても、下地層の層14の表面が清浄化されることとなる。これにより、成長界面における不純物の蓄積を避けることができ、また、III族窒化物半導体層13の結晶性を良好なものとすることができる。さらには、成長界面における不純物が除去されるため、III族窒化物半導体層13と層14との密着性も向上できる。
また、凹部141は、下地層10の表面と直交する断面がV字形状となっている。III族窒化物半導体を成長させる際に、V字の側面から成長が始まり、それに伴って図2の矢印で示すように、転位がV溝の中心部に向かって伸び、転位同士がぶつかり消滅するため、III族窒化物半導体層13の転位密度を低減することができる。
また、本実施形態では、III族窒化物半導体層13を形成する際に、第一の成長工程と、第二の成長工程とを実施している。
第一の成長工程は、ファセット構造131を成長させる工程である。第二の成長工程は、ファセット構造131をさらに成長させて、III族窒化物半導体層13を得る工程である。従来は、第一の成長工程および第二の成長工程において、III族原料ガスにかかる分圧、V族原料ガスにかかる分圧は同じであった。しかしながら、この場合には、所望の品質のIII族窒化物半導体層13を得ることができない場合があることがわかった。特に本実施形態のように、開口部121の幅を非常に小さくし、マスク12の被覆率を高くした場合には、所望の品質のIII族窒化物半導体層13を得ることができない場合があることがわかった。
これに対し、本実施形態では、第一の成長工程におけるIII族原料ガスにかかる分圧を、第二の成長工程におけるIII族原料ガスにかかる分圧よりも高くしている。これにより、第一の成長工程におけるIII族原子にかかる分圧を高く設定することができ、III族原子を確実に開口部121内部に供給することができ、各開口部121からファセット構造131を確実に成長させることができる。特に、本実施形態のように、開口部121の最小幅Woを非常に小さくし、マスク12の被覆率を高くした場合には、大面積の被覆部122により、III族原子が跳ね返されてしまい、開口部121内側にIII族原子を十分に供給できなくなることが懸念される。特に、HVPE法では、マスクの被覆部表面にIII族元素のハロゲン化物が供給されるものの、このIII族元素のハロゲン化物は比較的安定性が高いため、被覆部122表面で分解せずに、気相に蒸発しやすいと考えられる。そのため、被覆部122上から、III族原子を開口部121内部に供給することは難しい状態となっていると考えられる。
そこで、第一の成長工程において、III族原子にかかる分圧を高く設定し、III族原子を確実に開口部121内部に供給する必要があると考えられる。
そして、開口部121内部でIII族窒化物半導体を成長させるためには、III族窒化物半導体の核を発生させる必要があるが、核が臨界半径を超えて安定的になるためには、開口部内部のIII族原子(あるいはIII族窒化物半導体の分子)がある程度集まる必要がある。開口部121内部に供給されたIII原子の量が少ないと、III族窒化物半導体の核がまだらに生じてしまうことが懸念される。
特に本実施形態のように、開口部121の最小幅が非常に小さく、一方向に延在するような形状である場合には、開口部121の長手方向にIII族原子(あるいはIII族窒化物半導体の分子)が拡散しやすいため、III族窒化物半導体の核がまだらに生じやすくなり、開口部121の長手方向に連続して延在するファセット構造131が形成できず、まだらにファセット構造131が形成されてしまうことがあると考えられる。
しかしながら、本実施形態のように、第一の成長工程において、III族原子にかかる分圧を高く設定した場合には、III族原子を確実に開口部121内部に供給することができる。これにより、開口部121の長手方向に連続して延在するファセット構造131を形成でき、III族窒化物半導体層13の転位密度を確実に低減できる。
また、第一成長工程におけるV/III比を、第二成長工程におけるV/III比よりも小さくすることで、第一成長工程におけるV/III比の値自体を小さく設定することができる。これにより、開口部121内部でのIII族原子を拡散させやすくして、開口部121内部での成長核の発生を促進させることができる。
また、第二の成長工程におけるIII族原料ガスにかかる分圧よりも、第一の成長工程におけるIII族原料ガスにかかる分圧を高くすることで、第二の成長工程におけるIII族原子にかかる分圧を低く設定することができる。
これにより、第二の成長工程におけるIII族窒化物半導体の成長速度を低減させることができ、転位が発生してしまうことを抑制できる。特に、第二の成長工程におけるIII族原子にかかる分圧を低くすることで、隣接するファセット構造131から成長した結晶を合体させる際の成長速度を遅くすることができ、ファセット構造131から成長した結晶同士が合体した領域で転位が発生することを抑制することができる。
以上によっても、表面における転位の少ないIII族窒化物半導体層13を形成することができる。
また、本実施形態では、転写体2の凹凸パターンを被転写層4Aに転写し、マスク12を形成するため、転写体2の凹凸パターンを所望の形状とすることで、所望のマスク12を得ることができる。さらには、マスク12の開口部121を形成する際に、被転写層4Aの凹部41の底部に位置する部分42をドライエッチングで除去している。そして、このようにして形成されたマスク4の開口部43から露出する被覆膜12Aをドライエッチングで除去している。これにより、マスク4の開口部43を精度良く形成できる、さらには、開口部121も精度良く形成できる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
たとえば、前記実施形態では、開口部121および被覆部122がともに同一方向に、一方向に延在して、ストライプ状のパターンを形成していたが、これに限られるものではない、たとえば、図10に示すように、複数の被覆部122Aがドットパターンを形成し、隣接する被覆部122A間に前記開口部121Aが形成されていてもよい。
ここで、隣接する被覆部122Aとは、一の被覆部122Aとこの一の被覆部122Aに対して隣接する被覆部122Aのうち、最も近くに位置する他の被覆部122Aとをいう。たとえば、図10(A)では、隣接する被覆部は、被覆部122A1と被覆部122A2や、被覆部122A1と被覆部122A3をいう。被覆部122A4と、被覆部122A1とは隣接する被覆部ではない。そして、マスクの被覆部122A間の最小間隔である、前記開口部の最小幅Woが300nm以下である。
被覆部122Aの平面形状は、特に限定されず、図10(A)に示すように、円形形状としてもよく、また、図10(B)に示すように、正三角形形状としてもよい。さらには、図10(C)に示すように、被覆部122Aを正方形形状としてもよい。
図10(B)、(C)に示すように、被覆部122Aを多角形形状とする場合には、隣接する被覆部122Aの対向する辺間の最小間隔が300nm以下であることが好ましい。なかでも、隣接する被覆部122Aの対向する辺同士が平行に延在することが好ましい。
そして、被覆部をドットパターンに配置した場合であっても、他の点は、前記実施形態と同様である。開口部121Aのうち被覆部122Aを挟んだ領域から、ファセット構造が成長する。また、最小幅Woと、被覆部122Aの幅Wcとの比率や、マスクの被覆率、III族窒化物半導体層の厚み、転位密度、ファセット構造の形状、大きさ等は前記実施形態と同様である。
また、被覆部122Aの形状をドット形状とした場合においても、凹部141は前記実施形態と同様、被覆部間の最小幅に沿って、この最小幅を通り、下地基板11と垂直な断面において、凹部141がV字型となることが好ましい。
なお、図8では、複数の被覆部122Aが等間隔で配置されている。
このように被覆部122Aをドット形状とする場合にも、前記実施形態と同様の方法で、マスクを製造できる。すなわち、被覆部122Aのドットパターンに応じた凹凸パターンを有するマスターモールドを製造し、転写体を得て、転写体の凹凸パターンを被転写層に転写することでマスクを製造できる。
さらに、前記実施形態では、III族窒化物半導体層13を、成長条件が異なる第一の成長工程と第二の成長工程との2工程で製造したが、これに限られず、単一の成長条件で成長させてもよい。
また、前記実施形態では、マスクの被覆部間の最小幅を300nm以下としたが、これに限られるものではなく、たとえば、マスクの被覆部間の最小幅を2μm程度としてもよい。
さらに、前記実施形態では、テンプレート基板1を製造したが、これに限らず、たとえば、III族窒化物半導体層13の厚みを厚くして、III族窒化物半導体層を有しており、デバイスを直接積層する基板を製造してもよい。
またIII族窒化物半導体層13を形成した後、下地層10をIII族窒化物半導体層13から剥離してもよい。
次に、本発明の実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1では、前記実施形態と同様の方法で、テンプレート基板1を製造した。具体的には以下の通りである。
(転写体2の製造)
はじめに、所定の凹凸パターンが形成された石英製のマスターモールド3を用意した。
マスターモールド3の製造方法は、前記実施形態と同様であり、石英基板上に、スパッタリング法でCr膜を10〜20nm成膜した。Cr膜上に、電子線用レジスト膜を塗布し、描画装置から電子線ビーム(EB)を前記レジスト膜に照射した後、現像装置で現像した。その後、レジスト膜の開口部から露出するCr膜をドライエッチング装置でエッチングして、Cr膜に開口部を形成した。更に、ドライエッチング装置でCr膜の開口部から露出する基板をエッチングした。その後、レジスト膜、Cr膜を全て剥離した。これによりマスターモールド3を得ることができた。
マスターモールド3には、マスクの開口部と被覆部とのパターンに応じた凹凸パターンが形成されており、この実施例では、凹部の幅が80nm、凸部の幅が420nmであった。なお、後述する各実施例においても、マスクのパターンに応じた凹凸パターンを有するマスターモールドを製造している。
一方で、フィルム21上に、UV硬化性の樹脂層22を、スピンコート法で塗布した。樹脂層22は、アクリル系樹脂を含む樹脂組成物である。
次に、樹脂層22に、凹凸パターンが形成されたマスターモールド3を押圧して、マスターモールド3の凹部に樹脂層22を入り込ませ、樹脂層22に、凹凸パターンを転写した。その状態で、UV光を、超高圧水銀ランプを用いて照射して、樹脂層22を硬化した。
次に、樹脂層22と、マスターモールド3とを離間した。
(下地層10の準備)
サファイア基板である下地基板11を用意して、この下地基板11の(0001)面上に下地基板11の表面全面を被覆する層14を、MOCVD法により、設けた。
はじめに、先ず、下地基板11の成長表面を洗浄し、MOCVD装置の反応管内にセットした。キャリアガスに水素(H2)と窒素(N2)ガスの混合ガスを用い、下地基板11を1050℃程度の温度に昇温して、10分間程度熱処理を行い、その後下地基板11を500℃の温度に降温した。温度が安定してから、TMGa(トリメチルガリウム)とNH3(アンモニア)とを供給して、低温成長バッファ層を形成し、その後、再び、1050℃の温度に下地基板11を昇温した。昇温中はNH3ガスを供給した。温度が安定してからTMGを供給し、平坦化した約2μmの厚さのGaN層である層14を形成した。層14を形成した後、TMGの供給を停止して、常温まで降温して装置より取り出した。これにより、下地層10が得られた。層14の下地基板11と反対側の表面は(0001)面である。
(被覆膜12Aの形成)
次に、層14が形成された下地基板11をSiO2膜形成装置にセットした。N2ガス雰囲気で450℃の温度に昇温し、温度が安定してからSiH4ガスとO2ガスを供給して、層14上に0.5μmの厚さのSiO2膜(被覆膜12A)を形成した。その後、SiH4ガスとO2ガスの供給を停止して、常温まで降温し、形成装置より取り出した。被覆膜12Aは、層14の全面を被覆していた。
(被転写層4Aの形成)
次に、被覆膜12A上に、被転写層4Aを設けた。被転写層4Aを構成する樹脂組成物を、被覆膜12A上にスピンコート法で塗布した。この樹脂組成物は、アクリル系樹脂を含むものであり、UV硬化性である。塗布した時点では、この樹脂組成物は、半硬化あるいは未硬化である。
次に、被転写層4Aに、転写体2の凹凸パターンを押圧して転写体2の凹凸パターンを転写した。その後、被転写層4AにUV光を、超高圧水銀ランプを用いて100mJ/cmで照射して、被転写層4Aを硬化した。
その後、被転写層4Aと、転写体2とを離間して、所定の凹凸パターンが形成された被転写層4Aを得た。
被転写層4Aの凹部41の底部に位置する部分42の厚みは、凹部の底面からの凸部の高さよりも非常に小さくなっていた。
(ドライエッチング工程)
次に、 被転写層4Aに形成された凹凸パターンの凹部41の底部に位置する部分42を選択的に除去した。ここでは、ドライエッチング(反応性イオンエッチング)により部分42を除去した。
具体的には、Oの流量を5cm/s(5sccm)、圧力を1.5Pa、ICP(誘導結合型プラズマ;Inductively Coupled Plasma)パワーを50Wとした。これにより、被転写層4Aに開口部が形成され、マスク4が得られた。
なお、この工程では、凹部41の底部直下の被覆膜12Aはほとんど除去されなかった。
次に、マスク4の開口部から露出する被覆膜12Aを選択的に除去した(反応性イオンエッチング)。
具体的には、Cの流量を20cm/s(20sccm)、Oの流量を1cm/s(1sccm)、圧力を1Pa、ICPパワーを300Wとした。これにより、被覆膜12Aに開口部121が形成され、マスク12が得られた。
その後、マスク12の被覆部上に残ったマスク4を除去した。具体的には、Oの流量を50cm/s(500sccm)、圧力5Pa、RFパワーを300WとしたOプラズマアッシングを行なった。
このようにしてマスク12上のマスク4が除去され、マスク12が形成された下地層10を得ることができた。
ここで、マスク12は、前記実施形態と同様のパターンで形成されており、被覆部122と、開口部121とが互いに平行に延在し、交互に配置されていた。各開口部121の最小幅Woは、80nmであり、各被覆部122の幅Wcは、420nmであり、開口部121間のピッチは500nmであった。開口部121の長手方向は、層14のGaN層の<1−200>方向であった。
マスク12が形成された下地層10の断面をSEM(Scanning Electron Microscope)にて観察したが、層14の開口部121から露出する部分には、凹部141は形成されておらず、開口部121から露出する層14の表面は平坦であった。なお、これは、後述する各実施例においても同様であった。
(III族窒化物半導体層13の形成)
次に、III族窒化物半導体層13を形成した。
(第一の成長工程)
マスク12が形成された下地層10をHVPE装置5の反応管50内のフォルダ51にセットした。
ガス導入管53,54により、窒素(N2)ガスを供給して反応管50内をパージした。その後、キャリアガスをH2ガスに切り替えて、3000cc/minの流量を供給しながらマスク12が形成された下地層10を1040℃の温度に昇温した。マスク12が形成された下地層10が500℃前後に達した際に、流量2000cc/minのNH3ガスを加えて開口部121に露出した層14表面の分解を抑えた。反応管50内のGaソースは、850℃の温度に昇温した。反応管50全体の温度が安定してからGaソース上に流量200cc/minのHClガスを供給して反応させ生成したGaClを成長領域に供給し、NH3ガスと反応させGaNを成長した(V/III比=10)。第一の成長工程におけるGaClガス分圧は、3.2×10−3MPaであり、NHガスの分圧は32×10−3MPaであった。
GaNの成長は、開口部121から露出した層14表面から始まり、HClガス供給開始から20秒間で、{1―101}面のファセット面を有するファセット構造131´が形成された。
(第二の成長工程)
HClガス供給開始から20秒後に、HClガスの供給量を流量100cc/minとした(V/III比=20)。ファセット構造131´が発達し、ファセット構造131が形成され、ファセット構造131同士が合体し、平坦な表面を有するGaN膜132が形成された。これにより、厚さ21μmのIII族窒化物半導体層13を得た。III族窒化物半導体層13の成膜後、Gaソース上に供給したHClガスを停止して、反応管の温度を降温した。NH3ガスを供給しながら常温まで冷却し、III族窒化物半導体層13が形成された下地層10を取り出した。第二の成長工程におけるGaClガス分圧は、第一の成長工程におけるGaClガス分圧よりも低く、1.6×10−3MPaであった。NHガスの分圧は32×10−3MPaであった。
以上のようにして得られたテンプレート基板1の断面をSEMにて観察したところ、ファセット構造131は、長手方向と直交する断面が三角形状であり、その高さは平均で、490nmであった。また、マスク表面から10μmの厚みの位置において、ファセット構造131が膜132に完全に埋め込まれていることがわかった。
また、テンプレート基板1の断面をSEMにて観察したところ、下地層10の層14に凹部141が形成されていることが確認できた。凹部141は開口部の長手方向と直交する断面において、断面略V字型であり、開口部121の内側の領域に形成され、開口部121の長手方向に沿って、長手方向全長にわたって形成されていた。凹部141の深さは、70nmであった。また、凹部141の壁面は、結晶面であった。
また、テンプレート基板1のIII族窒化物半導体層13の表面をリン酸と硫酸との混合液(リン酸:硫酸=4:1、温度250℃)に1時間浸して、エッチングして、エッチピットを表面顕微鏡あるいはAFMで観察して測定した。測定領域は、20μm角の領域とした。この測定方法は、後述する実施例、比較例において、同様である。エッチピットの密度(転位密度)は、4.5×10cm−2であった。
III族窒化物半導体層13の表面において、開口部121の直上の領域と、被覆部122の直上の領域とで、エッチピットの密度に差は見られなかった。この点は、後述する実施例において同様である。
また、III族窒化物半導体層13に反りはほとんど発生していなかった。
(実施例2)
第一の成長工程における成長時間(HClガス供給開始から、第二の成長工程にてHClガス供給量を低下させるまでの時間)を60秒とした。ただし、第一の成長工程において、ファセット構造131は、III族窒化物半導体膜132により、完全に埋め込まれてはいなかった。III族窒化物半導体層13の厚みは、31μmとした。他の点は、実施例1と同様の方法である。
以上のようにして得られたテンプレート基板1の断面をSEMにて観察したところ、ファセット構造131は、長手方向と直交する断面が三角形状であり、ファセット構造131の高さは平均で、500nmであった。また、マスク表面から8μmの厚みの位置において、ファセット構造131が膜132に完全に埋め込まれていることがわかった。
また、テンプレート基板1の断面をSEMにて観察したところ、下地層10の層14に凹部141が形成されていることが確認できた。凹部141は断面略V字型であり、開口部121の内側の領域に形成され、開口部121の長手方向に沿って、全長にわたって形成されていた。凹部141の深さは、70nmであった。また、凹部141の壁面は、結晶面であった。
また、実施例1と同様に、テンプレート基板1のIII族窒化物半導体層13の表面をリン酸と硫酸との混合液でエッチングして、エッチピットを測定した。エッチピットの密度は、7.4×10cm−2であった。
また、III族窒化物半導体層13に反りはほとんど発生していなかった。
(実施例3)
実施例3では、マスク12の各開口部121の最小幅Woが、80nmであり、各被覆部122の幅Wcは、920nmであり、開口部121間のピッチは1μmであった。III族窒化物半導体層13の厚みは、20μmとした。また、第一の成長工程における成長時間を40秒とした。他の点は、実施例1と同様である。
(実施例4)
実施例4では、マスク12の各開口部121の最小幅Woが、50nmであり、各被覆部122の幅Wcは、950nmであり、開口部121間のピッチは1μmであった。また、第一の成長工程における成長時間を40秒とし、第一の成長工程におけるGaClガス分圧を、5×10−3MPaとした。また、III族窒化物半導体層13の厚みは、22μmとした。他の点は、実施例1と同様である。
(実施例5)
実施例5では、マスク12の各開口部121の最小幅Woが、80nmであり、各被覆部122の幅Wcは、1920nmであり、開口部121間のピッチは2μmであった。III族窒化物半導体層13の厚みは、27μmとした。また、第一の成長工程における成長時間を80秒とした。他の点は、実施例1と同様である。
(実施例6)
実施例6では、マスク12の各開口部121の最小幅Woが、50nmであり、各被覆部122の幅Wcは、1950nmであり、開口部121間のピッチは2μmであった。また、第一の成長工程における成長時間を80秒とし、第一の成長工程におけるGaClガス分圧を、5×10−3MPaとした。III族窒化物半導体層13の厚みは、30μmとした。他の点は、実施例1と同様である。
(実施例7)
実施例7では、マスク12の各開口部121の最小幅Woが、100nmであり、各被覆部122の幅Wcは、100nmであり、開口部121間のピッチは200nmであった。III族窒化物半導体層13の厚みは、20μmとした。また、第一の成長工程における成長時間を10秒とし、第一の成長工程におけるGaClガス分圧を、2.5×10−3MPaとした。他の点は、実施例1と同様である。
(実施例8)
実施例8では、マスク12の各開口部121の最小幅Woが、80nmであり、各被覆部122の幅Wcは、80nmであり、開口部121間のピッチは160nmであった。また、第一の成長工程における成長時間を10秒とした。III族窒化物半導体層13の厚みは、21μmとした。他の点は、実施例1と同様である。
(実施例9)
本実施例では、実施例1において、第一の成長工程の成長時間を4分とし、第二の成長工程を実施しなかった。III族窒化物半導体層13の厚みは、22μmとした。
他の点は、実施例1と同様である。
(実施例10)
本実施例では、実施例1において、第一の成長工程の成長時間を4分とし、第二の成長工程を実施しなかった。マスク12の各開口部121の最小幅Woが、50nmであり、各被覆部122の幅Wcは、50nmであり、開口部121間のピッチは100nmであった。III族窒化物半導体層13の厚みは、20μmとした。他の点は、実施例1と同様である。
(実施例11)
本実施例では、実施例1において、第一の成長工程の成長時間を4分とし、第二の成長工程を実施しなかった。マスク12の各開口部121の最小幅Woが、80nmであり、各被覆部122の幅Wcは、80nmであり、開口部121間のピッチは160nmであった。III族窒化物半導体層13の厚みは、20μmとした。他の点は、実施例1と同様である。
実施例1〜11の評価結果を表1、2にまとめる。
また、実施例3〜11においても、テンプレート基板1の断面をSEMにて観察したところ、ファセット構造131は、長手方向と直交する断面が三角形状であった。また、マスク表面から8μmの厚みの位置において、ファセット構造131が膜132に完全に埋め込まれていることがわかった。
また、実施例3〜11においても、テンプレート基板1の断面をSEMにて観察したところ、下地層10の層14に凹部141が形成されていることが確認できた。凹部141は断面略V字型であり、開口部121の内側の領域に形成され、開口部121の長手方向に沿って、長手方向全長にわたって形成されていた。図11には、実施例8のテンプレート基板1の断面を示す。図11は、開口部121の長手方向と直交する断面図であり、図11から凹部141が形成されていることがわかる。また、凹部141の壁面は、結晶面であった。凹部141の深さは、表1,2に示すとおりである。
なお、実施例1〜11において、III族窒化物半導体層13の下地基板と反対側の表面は、平坦であり、(0001)面で一様に構成されていた。実施例1〜11のIII族窒化物半導体層13の下地基板と反対側の表面の表面粗さRaは、0.3〜0.8nmであった。
また、実施例1〜11では、高さ15μmを超えるファセット構造は形成されていなかった。
以上のような実施例1〜11では、開口部の最小幅Woが非常に小さいマスク12を形成することができた。このようなマスク12は、従来の製造方法では、製造できなかったものである。
これにより、III族窒化物半導体層の厚みが薄く、転位が少なく、反りが抑制されたテンプレート基板を得ることができた。なお、III族窒化物半導体層の開口部直上の領域と、被覆部直上の領域とで転位密度に差は生じていなかった。
1 テンプレート基板
2 転写体
3 マスターモールド
4A 被転写層
5 装置
10 下地層
11 下地基板
12 マスク
12A 被覆膜
13 III族窒化物半導体層
14 層
21 フィルム
22 樹脂層
41 凹部
42 部分
43 開口部
44 被覆部
50 反応管
51 フォルダ
53 ガス導入管
54 ガス導入管
55 ヒータ
56 成長領域
57 ソース
58 排出口
59 ソースボート
121 開口部
121A 開口部
122 被覆部
122A 被覆部
122A1 被覆部
122A2 被覆部
122A3 被覆部
122A4 被覆部
131 ファセット構造
131A ファセット面
132 III族窒化物半導体膜
133 大ファセット構造
141 凹部
P ピッチ
Wc 幅
Wo 最小幅

Claims (4)

  1. 表面に凹凸のパターンが形成された転写体を用意する工程と、
    下地基板上にこの下地基板を被覆する被覆膜を設ける工程と、
    前記被覆膜を被覆する被転写層を設ける工程と、
    前記被転写層に前記転写体の前記凹凸パターンを接触させて、前記被転写層に前記凹凸パターンを転写する工程と、
    前記被転写層のうち、転写する前記工程によって前記被転写層に形成された凹部の底部に位置する部分、および、前記被覆膜のうち前記凹部の底部の下方に位置する部分を除去することで、開口部を有するマスクを形成する工程と、
    前記マスクの開口部からIII族窒化物半導体をエピタキシャル成長させてIII族窒化物半導体層を得る工程とを含むIII族窒化物半導体層の製造方法。
  2. 請求項1に記載のIII族窒化物半導体層の製造方法であって、
    マスクを形成する前記工程では、
    前記被転写層のうち、転写する前記工程によって前記被転写層に形成された凹部の底部に位置する部分、および、前記被覆膜のうち前記凹部の底部の下方に位置する部分をドライエッチングで除去するIII族窒化物半導体層の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のIII族窒化物半導体層の製造方法において、
    前記マスクは、被覆部と開口部とがともに一方向に延在してストライプ状のパターンを形成し、あるいは、複数の被覆部がドットパターンを形成し、被覆部間に前記開口部が形成されており、
    前記マスクの被覆部間の最小間隔である、前記開口部の最小幅Woが300nm以下であるIII族窒化物半導体層の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のIII族窒化物半導体層の製造方法において、
    III族窒化物半導体層を得る前記工程では、ハイドライド気相成長法により、前記III族窒化物半導体をエピタキシャル成長させるIII族窒化物半導体層の製造方法。
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