JP7444285B2 - 半導体構造および電界効果トランジスタの作製方法 - Google Patents

半導体構造および電界効果トランジスタの作製方法 Download PDF

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Description

本発明は、Si基板上のIII-V族半導体構造およびその半導体構造を用いた電界効果トランジスタの作製方法に関する。
III-V族半導体をチャネル層とする電界効果トランジスタ(FET)は、Siチャネルでは得られない高い電子移動度、電子、正孔の軽い有効質量を利用して、低消費電力性等優れた素子特性を実現可能である。これらのチャネル層からなる金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)をSi基板上に作製する技術が開示されている(非特許文献1)。
さらに、この構成を大口径化が可能なSi基板上に形成できれば、低コスト化が可能となり、SiチャネルからなるMOSFETの性能を上回る素子として期待されている。特にナローギャップ(narrow gap)半導体と呼ばれる、バンドギャップ値の小さいInAs、GaSbをチャネルとするn型、またはp型MOSFET、InAs/GaSbを積層したチャネル構造からなる相補型(complementary)MOSFETが期待されている。
M. Yokoyama, H. Yokoyama, M. Takenaka and S. Takagi, Applied Physics Letters 109, 213505 (2016).
しかしながら、InAs、GaSbの基板口径は、現状で4インチまでに限られており、直径12インチの大口径基板が利用可能であるSi-MOSFETと比較して、低コスト化が困難である。これを克服するために、Si基板上に、Siに近い格子定数を有する層から順次InAsやGaSbに近い格子定数を有する層からなる厚いバッファ層を積層した後、チャネルを形成する手法も実現されているが、高い絶縁性を有するバッファ層を大口径基板上に均一に再現性良く形成することは困難である。このため、より簡便な手法で、大口径Si基板上に前記のナローギャップ材料をチャネルとするMOS構造を形成する技術が望まれる。
上述したような課題を解決するために、本発明に係る半導体構造の作製方法は、第1のSi基板上の第1の酸化膜の開口部にV溝を形成する工程と、前記V溝に、濡れ層を結晶成長する工程と、前記濡れ層上に、化合物半導体からなるリッジを結晶成長する工程と、前記第1の酸化膜を除去する工程と、順に、前記化合物半導体からなるエピタキシャル連続膜と、犠牲層と、チャネル層とを結晶成長する工程と、前記第1のSi基板上に成長された結晶の表面と、第2のSi基板上の第2の酸化膜の表面とを接合する工程と、前記第1のSi基板と、前記エピタキシャル連続膜と、前記犠牲層とを除去する工程とを備える。
また、本発明に係る半導体構造の作製方法は、第1のSi基板上の第1の酸化膜の開口部にV溝を形成する工程と、前記V溝に、濡れ層を結晶成長する工程と、前記濡れ層上に、化合物半導体からなるリッジを結晶成長する工程と、前記第1の酸化膜を除去する工程と、
順に、前記化合物半導体からなるエピタキシャル連続膜を結晶成長する工程と、前記エピタキシャル連続膜の所定の深さに水素イオン注入を行う工程と、前記第1のSi基板上に成長された結晶の表面と、第2のSi基板上の第2の酸化膜の表面とを接合する工程と、前記水素イオン注入の深さ領域を境界として、前記第1のSi基板側の結晶と、前記第1のSi基板とを剥離して、前記第2の酸化膜上に、前記化合物半導体からなるチャネル層を形成する工程とを備える。
本発明によれば、Si基板上に高品質の化合物半導体構造およびその半導体構造を用いた高性能の電界効果トランジスタを量産する作製方法を提供できる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電界効果トランジスタの断面概要図である。 図2Aは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図2Bは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図2Cは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図2Dは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図3Aは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図3Bは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図3Cは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図3Dは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図3Eは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図3Fは、本発明の第1の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図3Gは、本発明の第1の実施の形態に係る電界効果トランジスタの作製方法を説明するための図である。 図4Aは、本発明の第2の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図4Bは、本発明の第2の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図4Cは、本発明の第2の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図4Dは、本発明の第2の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図4Eは、本発明の第2の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図4Fは、本発明の第2の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図4Gは、本発明の第2の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図4Hは、本発明の第2の実施の形態に係る電界効果トランジスタの作製方法を説明するための図である。 図5Aは、本発明の第3の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図5Bは、本発明の第3の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図5Cは、本発明の第3の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図5Dは、本発明の第3の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図5Eは、本発明の第3の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図5Fは、本発明の第3の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図5Gは、本発明の第3の実施の形態に係る電界効果トランジスタの作製方法を説明するための図である。 図6Aは、本発明の第4の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図6Bは、本発明の第4の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図6Cは、本発明の第4の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図6Dは、本発明の第4の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図6Eは、本発明の第4の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図6Fは、本発明の第4の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図6Gは、本発明の第4の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図6Hは、本発明の第4の実施の形態に係る電界効果トランジスタの作製方法を説明するための図である。 図7Aは、本発明の第5の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図7Bは、本発明の第5の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図7Cは、本発明の第5の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図7Dは、本発明の第5の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図7Eは、本発明の第5の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図7Fは、本発明の第5の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図7Gは、本発明の第5の実施の形態に係る電界効果トランジスタの作製方法を説明するための図である。 図8Aは、本発明の第6の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図8Bは、本発明の第6の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図8Cは、本発明の第6の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図8Dは、本発明の第6の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図8Eは、本発明の第6の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図8Fは、本発明の第6の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図8Gは、本発明の第6の実施の形態に係る半導体構造の作製方法を説明するための図である。 図8Hは、本発明の第6の実施の形態に係る電界効果トランジスタの作製方法を説明するための図である。
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態に係る半導体構造および電界効果トランジスタの作製方法について、図1~図3Gを参照して説明する。
<半導体構造および電界効果トランジスタの構成>
図1に、本発明の第1の実施の形態における半導体構造10および電界効果トランジスタ12の構成を示す。
半導体構造10は、順に、第2の基板としてSi基板111と、Si酸化膜112と、InAs層107とを備える。
電界効果トランジスタ12は、MOSFETであり、半導体構造10を用いて作製される。半導体構造10のInAs層107にソース領域121、ドレイン領域125を有し、ソース領域121上にソース電極122、ドレイン領域125上にドレイン電極126を備える。ソース領域121とドレイン領域125との間のInAs層107の表面にゲート絶縁膜123、その上にゲート電極124を備える。
<半導体構造の作製方法>
以下に、半導体構造10の成長方法を説明する。初めに、図2A~図2Dに、本構造成長に用いる第1の基板101の作製方法を示す。
図2Aに示すように、第1の基板である12インチ径のSi(001)基板101上に所定の厚さのSi酸化膜(第1の酸化膜)102を堆積する。Si酸化膜102の厚さは、例えば200nm程度とすればよい。
次に、図2Bおよび図2Cに示すように、所定の間隔を空けて[110]方向に沿って通常のフォトリソグラフィとエッチングによりSi酸化膜102を除去し、Si基板101が露出されたストライプ構造(開口部)を形成する。この時、開口部の幅は例えば100nm、残留する酸化膜102の幅は50nm程度とすればよい。また、[110]方向の長さは、作製するトランジスタの大きさ等に応じて、適宜設定すれば良い。
次に、図2Dに示すように、適当なエッチャントを用いて、露出したSi(001)表面の異方性エッチングを行い、Si酸化膜(第1の酸化膜)102の開口部に、[111]面が表面に露出したV溝を形成する。ここで、異方性エッチングは、例えば、45%水酸化カリウム、イソプロピルアルコール(IPA)等を用いればよい(Z. Yan, Y. Han, and K. M. Lau, Journal of Applied Physics 128, 035302 (2020))。
次に、上述のSi基板101上に、III-V族化合物半導体として、GaAs、InAsを成長する。まず、図3Aに示すように、V溝底面の[111]面に、例えばMOCVD法により、GaAsからなる濡れ層(wetting layer)103を、数nmの厚さで結晶成長し、V溝底面を被覆する。ここで、MOCVD法において原料ガスにトリエチルガリウム(TEG)とターシャリブチルアルシン(TBAs)を用いて400℃で結晶成長する。これにより、以降の半導体層をV溝底に均一に成長することが可能となる。
次に、図3Bに示すように、濡れ層(wetting layer)103上にInAsを、原料ガスにトリメチルインジウム(TMI)とターシャリブチルアルシン(TBAs)を用いて500℃で結晶成長し、Si酸化膜102開口内に[111]面ファセットを有するInAsリッジ104を形成する。リッジ104の高さは、以降の工程にてInAsからなるエピタキシャル連続膜105が形成されやすくなるよう適宜設定すれば良い。例えば、V溝の深さと同程度で良い。
次に、図3Cに示すように、Si基板101上の酸化膜102を選択的に除去する。
次に、図3Dに示すように、InAsリッジ104を核として適当な成長条件を用いて、再びInAsを結晶成長する(上記のZ. Yanらの文献を参照)。これにより、InAs層は合体し、Si(001)基板101上にInAsのエピタキシャル連続膜105を形成できる。また、SiとGaAs、InAsの格子不整合に伴い生成する結晶欠陥はV溝部に閉じ込められるので、エピタキシャル連続膜105に伝搬する転位等の結晶欠陥の密度を低減させることが可能となる。
引き続き、InAsからなるエピタキシャル連続膜105上に、順に、所定の厚さを有するAlSb犠牲層106、InAsチャネル層107を結晶成長する(図3D、引用文献1参照)。AlSb106は、例えば、エピタキシャルリフトオフ法における犠牲層として作用させるため、その効果が得られる厚さを適宜設定すれば良い。なお、InAs連続膜105形成後の表面平坦性が良好でない場合は、chamical-mechanical-polishing(CMP)法等の公知の技術を用いて、平坦化を行う等した後、AlSb層106、InAs層107を成長すれば良い(J. Fastenau, E. Ozbay, G. Tuttle, and F. Laabs, Journal of Electronic Materials Vol. 24, No. 6, 757 (1995))。
次に、図3Eに示すように、Si酸化膜112が表面に堆積された第2のSi基板111に、上述の第1の基板101上に成長された結晶を転写、接合する。基板接合の方法としては、Si酸化膜を介した直接接合等、公知の技術を用いればよい(例えば、N. Daix, E. Uccelli, L. Czornomaz, D. Caimi, C. Rossel, M. Sousa, H. Siegwart, C. Marchiori, J. M. Hartmann, K.-T. Shiu, C.-W. Cheng, M. Krishnan, M. Lofaro, M. Kobayashi, D. Sadana, and J. Fompeyrine, APL Materials 2, 086104 (2014))。ここで、CMP法等の公知の技術を用いて、接合面となるInAsチャネル層107の表面の平坦化を行っても良い。本実施の形態では、第1のSi基板101上に成長された結晶の表面と、第2のSi基板111上の第2の酸化膜112の表面とを接合する。
最後に、図3Fに示すように、公知のエピタキシャルリフト法により、第1の基板101とInAsエピタキシャル連続膜105とAlSb犠牲層106を除去する。これによって、電界効果トランジスタ作製に必要となるチャネル層としてInAsエピタキシャル結晶(層厚:10nm)107を第2の基板111上に残す。その結果、順に、第2の基板であるSi基板111と、Si酸化膜112と、InAsチャネル107とを備えるSOI構造(半導体構造)10が作製される。この時、チャネル層として残すInAsエピタキシャル結晶の厚さは前記に限らず、トランジスタ構造の設計に応じて、適宜設定すれば良い。
<電界効果トランジスタの作製方法>
上述のSOI構造10において、図3Gに示すように、例えば、非特許文献1に記載のような公知の手法を用いて、ソース領域121と、ソース領域121に接するソース電極122と、ドレイン領域125と、ドレイン領域125に接するドレイン電極126と、ゲート絶縁膜123と、ゲート絶縁膜123上のゲート電極124とを形成し、電界効果トランジスタ12を作製する。本実施の形態では、InAsからなるn型チャネルを有する、n型MOSFETが作製される。
このように作製されたMOSFETは、ゲート電圧によって動作され、SiのMOSFETより高い移動度で動作できる。
以上のように、本実施の形態に係る半導体構造および電界効果トランジスタの作製方法によれば、大口径Si基板上にInAs結晶をチャネルとする半導体構造および電界効果トランジスタを作製することができ、量産できる。
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態に係る半導体構造および電界効果トランジスタの作製方法について、図4A~図4Hを参照して説明する。
<半導体構造および電界効果トランジスタの構成>
本実施の形態に係る半導体構造および電界効果トランジスタの構成は、第1の実施の形態に係る半導体構造10および電界効果トランジスタ12と略同様である。
<半導体構造の作製方法>
本実施の形態に係る半導体構造の作製に用いる基板は、図2Dに示す、第1の実施の形態で用いたV溝が形成された基板101と同じである。
この基板101上に、第1の実施の形態と同様に、順に、GaAs濡れ層103、InAsリッジ104を形成し、酸化膜102を除去する(図4A~C)。
次に、図4Dに示すように、第1の実施の形態と同様に、InAsリッジ104を核として適当な成長条件を用いて、再びInAsを結晶成長する。これにより、InAs層は合体し、Si(001)基板101上にInAsからなるエピタキシャル連続膜105を形成する。また、SiとGaAs、InAsの格子不整合に伴い生成する結晶欠陥はV溝部に閉じ込められるので、エピタキシャル連続膜105に伝搬する転位等の結晶欠陥の密度を低減させることが可能となる。この際、連続膜105の平坦性が良好でない場合は、第1の実施の形態と同様に、CMP法等の公知の技術を用いて、接合面の平坦化を行えばよい。
次に、図4Eに示すように、例えば、所定の深さに水素イオン注入を行う。水素イオン注入深さは、第2の基板111上に、電界効果トランジスタを形成するために必要なInAs厚さが転写できるよう適宜設定する。例えば、第1の基板101上に形成されたInAsエピタキシャル結晶105の表面から、1nm~50nm程度と、適宜設定すれば良い(S. A. Dayeh, P. Chen, Y. Jing, E. T. Yu, S. S. Lau and D. Wang, Applied Physics Letters 93, 203109 (2008))。
次に、図4Fに示すように、第1の実施の形態と同様に、第1の基板101上に成長された結晶を、表面にSi酸化膜112を有する第2の基板111に転写、接合する。この際、例えば、InAsエピタキシャル結晶105(105a)の表面を酸素プラズマ処理等により清浄化した後、第2の基板111上のSi酸化膜112に直接接合を行えばよい。本実施の形態では、第1のSi基板101上に成長された結晶の表面と、第2のSi基板111上の第2の酸化膜112の表面とを接合する。
最後に、図4Gに示すように、例えば120℃程度の適当な温度で加熱し、水素注入層を活性化することによって、水素イオン注入深さ領域108を境界としてInAsエピタキシャル連続膜105における表面側の部分(表面層)105aを、表面にSi酸化膜112を有する第2の基板111に残し、第1の基板101と水素イオン注入深さ領域108を境界として、第1の基板101側のInAsエピタキシャル連続膜105を剥離する(前記S. A. Dayehらの文献を参照)。これによって、電界効果トランジスタ作製に必要となるInAsエピタキシャル結晶105aを表面にSi酸化膜112を有する第2の基板111上に残す。その結果、順に、第2の基板であるSi基板111と、Si酸化膜112と、InAsチャネル105aとを備えるSOI構造(半導体構造)が作製される。
<電界効果トランジスタの作製方法>
上述のSOI構造において、図4Hに示すように、例えば、第1の実施の形態と同様に公知の手法を用いて、ソース領域121と、ソース領域121に接するソース電極122と、ドレイン領域125と、ドレイン領域125に接するドレイン電極126と、ゲート絶縁膜123と、ゲート絶縁膜123上のゲート電極124とを形成し、電界効果トランジスタを作製する。本実施の形態では、InAsからなるn型チャネルを有する、n型MOSFETが作製される。
このように作製されたMOSFETは、ゲート電圧によって動作され、SiのMOSFETより高い移動度で動作できる。
以上のように、本実施の形態に係る半導体構造および電界効果トランジスタの作製方法によれば、大口径Si基板上にInAs結晶をチャネルとする半導体構造および電界効果トランジスタを作製することができ、量産できる。
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態に係る半導体構造および電界効果トランジスタの作製方法について、図5A~図5Gを参照して説明する。
<半導体構造および電界効果トランジスタの構成>
本実施の形態に係る半導体構造20および電界効果トランジスタ22の構成は、第1の実施の形態に係る半導体構造10および電界効果トランジスタ12と略同様であるが、チャネル層が異なる。
<半導体構造の作製方法>
本実施の形態に係る半導体構造20の作製に用いる基板は、図2Dに示す、第1の実施の形態で用いたV溝が形成された基板101と同じである。
この基板101におけるV溝の底面の[111]面に、例えばMOCVD法によりGaAsからなる濡れ層(wetting layer)103を結晶成長し、V溝底面を被覆する(図5A)。
次に、図5Bに示すように、濡れ層(wetting layer)103上にGaSbを、原料ガスにTEGとトリメチルアンチモン(TMSb)を用いて525℃で結晶成長し、Si酸化膜102開口内に[111]面ファセットを有するGaSbリッジ204を形成する。リッジ204の高さは、以降の工程にてGaSbからなるエピタキシャル連続膜205が形成されやすくなるよう適宜設定すれば良い。例えば、V溝の深さと同程度で良い。
次に、図5Cに示すように、Si基板101上の酸化膜102を選択的に除去する。
次に、図5Dに示すように、GaSbリッジ204を核として適当な成長条件を用いて、再びGaSbを結晶成長する(上記のZ. Yanらの文献を参照)。これにより、GaSb層は合体し、Si(001)基板101上にGaSbのエピタキシャル連続膜205を形成できる。また、SiとGaAs、GaSbの格子不整合に伴い生成する結晶欠陥はV溝部に閉じ込められるので、エピタキシャル連続膜205に伝搬する転位等の結晶欠陥の密度を低減させることが可能となる。
引き続き、GaSbからなるエピタキシャル連続膜205上に、所定の厚さを有するAlSb犠牲層206、GaSb層207を結晶成長する。AlSb206の厚さは第1の実施の形態と同様に、エピタキシャルリフトオフ法における犠牲層として作用させるため、その効果が得られるよう適宜設定すれば良い。ここで、連続膜205の平坦性が良好でない場合は、第1の実施の形態と同様に、CMP法等の公知の技術を用いて、平坦化を行う等した後、AlSb層206、GaSb層207を成長すれば良い。
次に、図5Eに示すように、Si酸化膜112が表面に堆積された第2のSi基板111に、第1の基板101上に成長された結晶を転写、接合する。基板接合の方法としては、Si酸化膜を介した直接接合等、公知の技術を用いればよい(例えば、前記N. Daixらの文献を参照)。ここで、CMP法等の公知の技術を用いて、接合面となるGaSb層207の表面の平坦化を行っても良い。本実施の形態では、第1のSi基板101上に成長された結晶の表面と、第2のSi基板111上の第2の酸化膜112の表面とを接合する。
最後に、図5Fに示すように、公知のエピタキシャルリフト法により、第1の基板101とGaSbエピタキシャル連続膜205とAlSb犠牲層206を除去する。これによって、電界効果トランジスタ作製に必要となるGaSbエピタキシャル結晶(層厚:10nm)207を第2の基板111上に残す。その結果、順に、第2の基板であるSi基板111と、Si酸化膜112と、GaSbチャネル207とを備えるSOI構造(半導体構造)20が作製される。なお、この時、チャネル層として残すGaSbエピタキシャル結晶の厚さは前記に限らず、トランジスタ構造の設計に応じて、適宜設定すれば良い。
<電界効果トランジスタの作製方法>
上述のSOI構造20において、図5Gに示すように、例えば、第1の実施の形態と同様に公知の手法を用いて、ソース領域221と、ソース領域221に接するソース電極222と、ドレイン領域225と、ドレイン領域225に接するドレイン電極226と、ゲート絶縁膜223と、ゲート絶縁膜223上のゲート電極224とを形成し、電界効果トランジスタ22を作製する。この場合、GaSbからなるp型チャネルを有する、p型MOSFETが作製される。
このように作製されたMOSFETは、ゲート電圧によって動作され、SiのMOSFETより高い移動度で動作できる。
以上のように、本実施の形態に係る半導体構造および電界効果トランジスタの作製方法によれば、大口径Si基板上にGaSb結晶をチャネルとする半導体構造および電界効果トランジスタを作製することができ、量産できる。
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態に係る半導体構造および電界効果トランジスタの作製方法について、図6A~図6Hを参照して説明する。
<半導体構造および電界効果トランジスタの構成>
本実施の形態に係る半導体構造および電界効果トランジスタの構成は、第3の実施の形態に係る半導体構造20および電界効果トランジスタ22と略同様である。
<半導体構造の作製方法>
本実施の形態に係る半導体構造の作製に用いる基板は、図2Dに示す、第1の実施の形態で用いたV溝が形成された基板101と同じである。
この基板101上に、第1の実施の形態と同様に、順に、GaAs濡れ層103、GaSbリッジ204を形成し、酸化膜102を除去する(図6A~C)。
次に、図6Dに示すように、第3の実施の形態と同様に、GaSbリッジ204を核として適当な成長条件を用いて、再びGaSbを結晶成長する。これにより、GaSb層は合体し、Si(001)基板101上にGaSbからなるエピタキシャル連続膜205を形成する。また、SiとGaAs、GaSbの格子不整合に伴い生成する結晶欠陥はV溝部に閉じ込められるので、エピタキシャル連続膜205に伝搬する転位等の結晶欠陥の密度を低減させることが可能となる。この際、連続膜205の平坦性が良好でない場合は、第1の実施の形態に記載のように、CMP法等の公知の技術を用いて、接合面の平坦化を行えばよい。
次に、図6Eに示すように、第2の実施の形態と略同様に、所定の深さに水素イオン注入を行う。注入深さは、第2の基板111上に、電界効果トランジスタを形成するために必要なGaSb厚さが転写できるよう適宜設定する。例えば、第1の基板101上に形成されたGaSbエピタキシャル結晶205の表面から、1nm~50nm程度と、適宜設定すればよい(上記のS. A. Dayehらの文献を参照)。
次に、図6Fに示すように、第3の実施の形態と同様に、第1の基板101上に成長された結晶を、表面にSi酸化膜112を有する第2の基板111に転写、接合する。この際、例えば、第2の実施の形態と同様に、GaSbエピタキシャル結晶205(205a)の表面を酸素プラズマ処理等により清浄化した後、第2の基板111上のSi酸化膜112に直接接合を行えばよい。本実施の形態では、第1のSi基板101上に成長された結晶の表面と、第2のSi基板111上の第2の酸化膜112の表面とを接合する。
最後に、図6Gに示すように、120℃程度の適当な温度で加熱し、水素注入層を活性化することによって、水素イオン注入深さ領域208を境界としてGaSbエピタキシャル連続膜205における表面側の部分(表面層)205aを、表面にSi酸化膜112を有する第2の基板111に残し、第1の基板101と水素イオン注入深さ領域208を境界として、第1の基板101側のGaSbエピタキシャル連続膜205を剥離する(前記S. A. Dayehらの文献を参照)。これによって、電界効果トランジスタ作製に必要となるGaSbエピタキシャル結晶205aを表面にSi酸化膜112を有する第2の基板111上に残す。その結果、順に、第2の基板であるSi基板111と、Si酸化膜112と、GaSbチャネル205aとを備えるSOI構造(半導体構造)が作製される。
<電界効果トランジスタの作製方法>
上述のSOI構造において、図6Hに示すように、例えば、第1の実施の形態と同様に公知の手法を用いて、ソース領域221と、ソース領域221に接するソース電極222と、ドレイン領域225と、ドレイン領域225に接するドレイン電極226と、ゲート絶縁膜223と、ゲート絶縁膜223上のゲート電極224とを形成し、電界効果トランジスタを作製する。本実施の形態では、GaSbからなるp型チャネルを有する、p型MOSFETが形成される。
このように作製されたMOSFETは、ゲート電圧によって動作され、SiのMOSFETより高い移動度で動作できる。
以上のように、本実施の形態に係る半導体構造および電界効果トランジスタの作製方法によれば、大口径Si基板上にGaSb結晶をチャネルとする半導体構造および電界効果トランジスタを作製することができ、量産できる。
<第5の実施の形態>
本発明の第5の実施の形態に係る半導体構造および電界効果トランジスタの作製方法について、図7A~図7Gを参照して説明する。
<半導体構造および電界効果トランジスタの構成>
本実施の形態に係る半導体構造30および電界効果トランジスタ32の構成は、第1の実施の形態に係る半導体構造10および電界効果トランジスタ12と略同様であるが、チャネル層が異なる。
<半導体構造の作製方法>
本実施の形態に係る半導体構造30の作製に用いる基板は、図2Dに示す、第1の実施の形態で用いたV溝が形成された基板101と同じである。
この基板101上に、第1の実施の形態と同様に、順に、GaAs濡れ層103、InAsリッジ104を形成し、酸化膜102を除去する(図7A~C)。
次に、図7Dに示すように、第1の実施の形態と同様に、InAsリッジ104を核として適当な成長条件を用いて、再びInAsを結晶成長する。これにより、InAs層は合体し、Si(001)基板101上にInAsのエピタキシャル連続膜105を形成できる。また、SiとGaAs、InAsの格子不整合に伴い生成する結晶欠陥はV溝部に閉じ込められるので、エピタキシャル連続膜105に伝搬する転位等の結晶欠陥の密度を低減させることが可能となる。なお、この段階で、平坦なInAs表面が得られない場合は、第1の実施の形態と同様に、CMP法等公知の技術を用いて表面平坦化を行えばよい。
引き続き、InAsからなるエピタキシャル連続膜105上に、所定の厚さを有するAlSb犠牲層106、InAsチャネル層(1.5nm厚程度)307、GaSbチャネル層(20nm厚程度)308を、それぞれ上述の条件で結晶成長する。AlSb106は、第1の実施の形態と同様に、エピタキシャルリフトオフ法における犠牲層として効果が得られる厚さを適宜設定すれば良い。このように、InAsチャネル層307の上に、InAsと異なる化合物半導体であるGaSb308が結晶成長される。
次に、図7Eに示すように、Si酸化膜112が表面に堆積された第2のSi基板111に、第1の基板101上に成長された結晶を転写、接合する。基板接合の方法としては、第3の実施の形態と同様に、Si酸化膜を介した直接接合等、公知の技術を用いればよい。本実施の形態では、第1のSi基板101上に成長された結晶の表面と、第2のSi基板111上の第2の酸化膜112の表面とを接合する。
最後に、図7Fに示すように、公知のエピタキシャルリフト法により、第1の基板101とInAsエピタキシャル連続膜105とAlSb犠牲層106を除去する。これによって、相補型MOS電界効果トランジスタ作製においてチャネル層として作用するGaSb308およびInAsエピタキシャル結晶307を第2の基板111上に残す。その結果、順に、第2の基板であるSi基板111と、Si酸化膜112と、GaSbチャネル308と、InAsチャネル307とを備えるSOI構造(半導体構造)30が作製される。
<電界効果トランジスタの作製方法>
上述のSOI構造30において、図7Gに示すように、例えば、第1の実施の形態と同様に公知の手法を用いて、ソース領域321と、ソース領域321に接するソース電極322と、ドレイン領域325と、ドレイン領域325に接するドレイン電極326と、ゲート絶縁膜323と、ゲート絶縁膜323上のゲート電極324とを形成し、電界効果トランジスタ32を作製する。本実施の形態では、InAsがnチャネル、GaSbがpチャネルとして作用する相補型MOS電界効果トランジスタが形成される。
このように作製されたMOSFETは、ゲート電圧によって動作され、キャリアがInAs/GaSbチャネル界面を走行するので、第1の実施の形態に係る電界効果トランジスタよりも高い移動度で動作する。
以上のように、本実施の形態に係る半導体構造および電界効果トランジスタの作製方法によれば、大口径Si基板上にInAs結晶とGaSb結晶をチャネルとする半導体構造および電界効果トランジスタを作製することができ、量産できる。
本実施の形態では、第1の基板101上のエピタキシャル結晶膜の層構造をInAsとGaSbからなる層とする例を示したが、これに限ることなく、例えば、InAs、AlSb、InAs、GaSb、InAsを順次積層した層構造を用いてもよい。
<第6の実施の形態>
本発明の第6の実施の形態に係る半導体構造および電界効果トランジスタの作製方法について、図8A~図8Hを参照して説明する。
<半導体構造および電界効果トランジスタの構成>
本実施の形態に係る半導体構造および電界効果トランジスタの構成は、第5の実施の形態に係る半導体構造および電界効果トランジスタと略同様である。
<半導体構造の作製方法>
本実施の形態に係る半導体構造の作製に用いる基板は、図2Dに示す、第1の実施の形態で用いたV溝が形成された基板101と同じである。
この基板101上に、第1の実施の形態と同様に、順に、GaAs濡れ層103、InAsリッジ104を形成し、酸化膜102を除去する(図8A~C)。
次に、図8Dに示すように、第1の実施の形態と同様に、InAsリッジ104を核として適当な成長条件を用いて、再びInAsを結晶成長する。これにより、InAs層は合体し、Si(001)基板101上にInAsのエピタキシャル連続膜105を形成できる。また、SiとGaAs、InAsの格子不整合に伴い生成する結晶欠陥はV溝部に閉じ込められるので、エピタキシャル連続膜105に伝搬する転位等の結晶欠陥の密度を低減させることが可能となる。なお、この時点で平坦なInAs表面が得られない場合は、第1の実施の形態と同様に、CMP法等公知の技術を用いて表面平坦化を行えばよい。
引き続き、InAsからなるエピタキシャル連続膜105上に、第2の基板111上に電界効果トランジスタを形成するために必要な所定の厚さを有するGaSbチャネル層(20nm厚程度)308を結晶成長する。このように、InAsエピタキシャル連続膜105の上に、InAsと異なる化合物半導体であるGaSb308が結晶成長される。
次に、図8Eに示すように、第1の実施の形態と同様に、InAs層105の所定の深さに水素イオン注入を行う。注入深さは、第2の基板111上に電界効果トランジスタを形成するために必要な厚さのInAs、GaSbが転写できるよう適宜設定する。例えば、第1の基板101上に形成されたGaSb308とInAs307のヘテロ界面から、InAs307内の1nm~50nm程度(例えば、1.5nm程度)の深さに適宜設定すればよい。
次に、図8Fに示すように、第5の実施の形態と同様に、第1の基板101上に成長された結晶を、表面にSi酸化膜112を有する第2の基板111に転写、接合する。本実施の形態では、第1のSi基板101上に成長された結晶の表面と、第2のSi基板111上の第2の酸化膜112の表面とを接合する。この際、第2、4の実施の形態と同様にGaSbエピタキシャル結晶308の表面を酸素プラズマ処理等により清浄化した後、第2の基板111上のSi酸化膜112に直接接合を行えばよい。
最後に、図8Gに示すように、例えば120℃程度の適当な温度で加熱し、水素注入層を活性化することによって、水素イオン注入深さ領域308を境界としてInAsエピタキシャル連続膜105における表面側の部分(表面層)105aとGaSb層308とを、表面にSi酸化膜112を有する第2の基板111に残し、第1の基板101と、水素イオン注入深さ領域308を境界として基板101側のInAsエピタキシャル連続膜105を剥離する(前記S. A. Dayehらの文献を参照)。これによって、相補型MOS電界効果トランジスタ作製においてチャネル層として作用するGaSbエピタキシャル結晶308、およびInAsエピタキシャル結晶307を第2の基板111上に残す。その結果、順に、第2の基板であるSi基板111と、Si酸化膜112と、GaSbチャネル308と、InAsチャネル307とを備えるSOI構造(半導体構造)が作製される。
<電界効果トランジスタの作製方法>
上述のSOI構造において、図8Hに示すように、例えば、第1の実施の形態と同様に公知の手法を用いて、ソース領域321と、ソース領域321に接するソース電極322と、ドレイン領域325と、ドレイン領域325に接するドレイン電極326と、ゲート絶縁膜323と、ゲート絶縁膜323上のゲート電極324とを形成し、電界効果トランジスタを作製する。本実施の形態では、InAsがnチャネル、GaSbがpチャネルとして作用するCMOS電界効果トランジスタが形成できる。
このように作製されたMOSFETは、ゲート電圧によって動作され、キャリアがInAs/GaSbチャネル界面を走行するので、第1の実施の形態に係る電界効果トランジスタよりも高い移動度で動作する。
以上のように、本実施の形態に係る半導体構造および電界効果トランジスタの作製方法によれば、大口径Si基板上にInAs結晶とGaSb結晶をチャネルとする半導体構造および電界効果トランジスタを作製することができ、量産できる。
本実施の形態では、第2のSi基板111上のエピタキシャル結晶の層構造をInAsとGaSbからなる層とする例を示したが、これに限ることなく、例えば、順に、InAs、AlSb、InAs、GaSb、InAsを積層した層構造を用いてもよい。また、このエピタキシャル結晶は化合物半導体であればよく、In組成比の高いInGaAs、InSb等のSb系化合物半導体などのナローギャップ半導体であることが望ましい。
本発明の実施の形態では、Si基板101の[110]方向にV溝を形成する例を示したが、[1-10]方向に形成してもよい。
本発明の実施の形態では、半導体構造および電界効果トランジスタの構成、作製方法などにおいて、各構成部の構造、寸法、材料等の一例を示したが、これに限らない。半導体構造および電界効果トランジスタの機能を発揮し効果を奏するものであればよい。
本発明は、半導体構造および電界効果トランジスタの作製方法に関するものであり、とくにSi基板上の化合物半導体結晶とその結晶を用いたMOSFETの作製に適用することができる。
10 半導体構造
101 第1のSi基板
102 第1の酸化膜
103 濡れ層
104 リッジ
105 エピタキシャル連続膜
106 犠牲層
107 チャネル層
108 水素イオン注入深さ領域
111 第2のSi基板
112 第2の酸化膜

Claims (8)

  1. 第1のSi基板上の第1の酸化膜の開口部にV溝を形成する工程と、
    前記V溝に、濡れ層を結晶成長する工程と、
    前記濡れ層上に、化合物半導体からなるリッジを結晶成長する工程と、
    前記第1の酸化膜を除去する工程と、
    順に、前記化合物半導体からなるエピタキシャル連続膜と、犠牲層と、チャネル層とを結晶成長する工程と、
    前記第1のSi基板上に成長された結晶の表面と、第2のSi基板上の第2の酸化膜の表面とを接合する工程と、
    前記第1のSi基板と、前記エピタキシャル連続膜と、前記犠牲層とを除去する工程と
    を備える半導体構造の作製方法。
  2. 前記チャネル層上に、前記化合物半導体と異なる化合物半導体を有するチャネル層を結晶成長する工程を備えることを特徴とする
    請求項1に記載の半導体構造の作製方法。
  3. 第1のSi基板上の第1の酸化膜の開口部にV溝を形成する工程と、
    前記V溝に、濡れ層を結晶成長する工程と、
    前記濡れ層上に、化合物半導体からなるリッジを結晶成長する工程と、
    前記第1の酸化膜を除去する工程と、
    順に、前記化合物半導体からなるエピタキシャル連続膜を結晶成長する工程と、
    前記エピタキシャル連続膜の所定の深さに水素イオン注入を行う工程と、
    前記第1のSi基板上に成長された結晶の表面と、第2のSi基板上の第2の酸化膜の表面とを接合する工程と、
    前記水素イオン注入の深さ領域を境界として、前記第1のSi基板側の結晶と、前記第1のSi基板とを剥離して、前記第2の酸化膜上に、前記化合物半導体からなるチャネル層を形成する工程と
    を備える半導体構造の作製方法。
  4. 前記エピタキシャル連続膜上に、前記化合物半導体と異なる化合物半導体を結晶成長する工程を備え、
    前記チャネル層が、前記化合物半導体と、前記化合物半導体と異なる化合物半導体とを有することを特徴とする
    請求項3に記載の半導体構造の作製方法。
  5. 前記化合物半導体がInAsまたはGaSbであることを特徴とする
    請求項1または請求項3に記載の半導体構造の作製方法。
  6. 前記化合物半導体がInAsであって、
    前記化合物半導体と異なる化合物半導体がGaSbであることを特徴とする
    請求項2または請求項4に記載の半導体構造の作製方法。
  7. 前記化合物半導体がInAsであって、
    前記化合物半導体と異なる化合物半導体が、順に、AlSbと、InAsと、GaSbとが積層されたものであることを特徴とする
    請求項2または請求項4に記載の半導体構造の作製方法。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の半導体構造の作製方法と、
    前記半導体構造に、ソース領域と、当該ソース領域に接するソース電極と、ゲート絶縁膜と、当該ゲート絶縁膜上のゲート電極と、ドレイン領域と、当該ドレイン領域に接するドレイン電極とを形成する工程
    を備える電界効果トランジスタの作製方法。
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