JP2014078353A - ナトリウムイオン電池用負極活物質およびナトリウムイオン電池 - Google Patents

ナトリウムイオン電池用負極活物質およびナトリウムイオン電池 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、レート特性の向上が図れるナトリウムイオン電池用負極活物質を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、NaTi13結晶相におけるTiの一部がM(Mは、Fe、V、Mn、Mo、Al、Cr、Mg、Nb、W、Zr、TaおよびSnの少なくとも一つである)で置換されていることを特徴とするナトリウムイオン電池用負極活物質を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図4

Description

本発明は、レート特性の向上が図れるナトリウムイオン電池用負極活物質、およびそれを用いたナトリウムイオン電池に関する。
ナトリウムイオン電池は、Naイオンが正極および負極の間を移動する電池である。NaはLiに比べて豊富に存在するため、ナトリウムイオン電池は、リチウムイオン電池に比べて低コスト化を図りやすいという利点がある。一般的に、ナトリウムイオン電池は、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、正極活物質層および負極活物質層の間に形成された電解質層とを有する。
ナトリウムイオン電池に用いられる負極活物質として、NaTi13が知られている。例えば、非特許文献1には、NaTi13を負極活物質に用いたナトリウムイオン電池が開示されている。また、ナトリウムイオン電池ではないものの、非特許文献2には、NaTi13を負極活物質に用いたリチウムイオン電池が開示されている。同様の記載が、特許文献1の従来技術にも記載されている。また、特許文献2には、NaFeTiOを活物質として用いたナトリウムイオン電池が開示され、特許文献3には、Na0.9Fe1−xTiを活物質として用いたナトリウムイオン電池が開示されている。また、特許文献4には、ボールミルにより、活物質および炭素材料を複合化することが開示されている。
特開2009−117259号公報 特開2009−259601号公報 特開2009−135092号公報 特開2007−048682号公報
N. D. Trinh et al., "Synthesis, Characterization and Electrochemical Studies of Active Materials for Sodium Ion Batteries", ECS Transactions, 35 (32) 91-98 (2011) J. C. Perez-Flores et al., "On the Mechanism of Lithium Insertion into A2Ti6O13 (A = Na, Li)", ECS Transacti ons, 41 (41) 195-206 (2012)
レート特性が良好なナトリウムイオン電池が求められている。本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、レート特性の向上が図れるナトリウムイオン電池用負極活物質を提供することを主目的とする。
上記課題を達成するために、本発明においては、NaTi13結晶相におけるTiの一部がM(Mは、Fe、V、Mn、Mo、Al、Cr、Mg、Nb、W、Zr、TaおよびSnの少なくとも一つである)で置換されていることを特徴とするナトリウムイオン電池用負極活物質を提供する。
本発明によれば、NaTi13結晶相におけるTiの一部がMで置換されていることにより、レート特性の向上が図れるナトリウムイオン電池用負極活物質とすることができる。
上記発明においては、ナトリウムイオン電池用負極活物質が、導電化材と複合化していることが好ましい。レート特性の向上をさらに図ることができるからである。
また、本発明においては、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有するナトリウムイオン電池であって、上記負極活物質が、上述したナトリウムイオン電池用負極活物質であることを特徴とするナトリウムイオン電池を提供する。
本発明によれば、上述したナトリウムイオン電池用負極活物質を用いることで、レート特性が良好なナトリウムイオン電池とすることができる。
本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質は、レート特性の向上を図ることができるという効果を奏する。
本発明のナトリウムイオン電池の一例を示す概略断面図である。 実施例1で得られた活物質に対するXRD測定の結果である。 比較例1で得られた活物質に対するXRD測定の結果である。 実施例1および比較例1で得られた評価用電池の充放電試験(充放電電流値に対するNa脱離容量)の結果である。 参考例1〜5で得られた評価用電池の充放電試験の結果である。 参考例6で得られた評価用電池の充放電試験の結果である。 参考例3、8で得られた活物質のSEM観察の結果である。 参考例3、8で得られた評価用電池の充放電試験の結果である。 参考例3、8で得られた評価用電池の充放電試験(充放電電流値に対するNa脱離容量)の結果である。 参考例9で得られた活物質のSEM観察の結果である。 参考例3、9で得られた評価用電池の充放電試験の結果である。
以下、本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質およびナトリウムイオン電池について、詳細に説明する。
A.ナトリウムイオン電池用負極活物質
まず、本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質について説明する。本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質は、NaTi13結晶相におけるTiの一部がM(Mは、Fe、V、Mn、Mo、Al、Cr、Mg、Nb、W、Zr、TaおよびSnの少なくとも一つである)で置換されていることを特徴とするものである。
本発明によれば、NaTi13結晶相におけるTiの一部がMで置換されていることにより、レート特性の向上が図れるナトリウムイオン電池用負極活物質とすることができる。レート特性が向上する理由は、必ずしも明らかではないが、Tiの一部がMで置換されることにより、活物質の電子伝導性が向上したためであると推測される。
本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質は、NaTi13結晶相におけるTiの一部がMで置換されている。本発明においては、この結晶相をNaTi6−x13結晶相と表記する場合がある。NaTi6−x13結晶相の存在は、X線回折(XRD)測定等により確認することができる。XRD測定には、例えばCuKα線を用いることができる。本発明におけるNaTi6−x13結晶相のピークの位置は、Mの置換量によって異なるものであるが、例えば、2θ=11.8°、14.1°、24.5°、29.8°、30.1°、30.5°、32.2°、33.5°、43.3°、44.3°、48.6°の位置にピークを有することが好ましい。なお、これらのピークの位置は、後述する実施例で得られた実測値であり、±0.5°の範囲内で前後していても良い。
また、本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質は、NaTi6−x13結晶相の割合が多いことが好ましく、具体的にはNaTi6−x13結晶相を主体として含有することが好ましい。ここで、「NaTi6−x13結晶相を主体とする」とは、ナトリウムイオン電池用負極活物質に含まれる全ての結晶相の中で、NaTi6−x13結晶相の割合が最も大きいことをいう。ナトリウムイオン電池用負極活物質に含まれるNaTi6−x13結晶相の割合は、50mol%以上であることが好ましく、60mol%以上であることがより好ましく、70mol%以上であることがさらに好ましい。また、本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質は、NaTi6−x13結晶相のみから構成されるもの(単相の活物質)であっても良い。なお、ナトリウムイオン電池用負極活物質に含まれるNaTi6−x13結晶相の割合は、例えば、X線回折による定量分析法(例えば、R値による定量法、リートベルト法)により決定することができる。
また、NaTi6−x13結晶相における2θ=11.8°のピーク強度をIとし、酸化チタンにおける2θ=25.2°のピーク強度をIとした場合、I/Iの値が、0.1以下であることが好ましく、0.01以下であることがより好ましい。なお、Iは0であっても良い。
また、NaTi6−x13結晶相におけるMは、通常、Fe、V、Mn、Mo、Al、Cr、Mg、Nb、W、Zr、TaおよびSnの少なくとも一つである。これらの元素のイオン半径は、Tiのイオン半径に近い。中でも、Mは、Fe、V、Mn、Wの少なくとも一つであることが好ましく、特にFeが好ましい。また、Mは、Tiの価数(4価)とは異なる価数を有することが好ましい。具体的には、3価または5価の価数を有することが好ましい。Tiとは価数が異なるMを導入することで、n型半導体またはp型半導体のような効果が生じ、電子伝導性が向上しやすくなるからである。
Mの置換量(M/(M+Ti))は、特に限定されるものではないが、例えば0.1at%以上であることが好ましく、0.5at%以上であることがより好ましい。Mの置換量が少なすぎると、レート特性が十分に向上しない可能性があるからである。一方、Mの置換量(M/(M+Ti))は、例えば20at%以下であることが好ましく、10at%以下であることがより好ましい。Mの置換量が多すぎると、結晶構造が変化してしまう可能性があるからである。なお、Mの置換量は、例えばICPにより求めることができる。
本発明においては、NaTi6−x13結晶相の結晶子サイズが、後述する所定の範囲内にあることが好ましい。充放電効率の向上を図ることができるからである。ここで、非特許文献1には、NaTi13を負極活物質に用いたナトリウムイオン電池が開示されている。しかしながら、この電池は、Figure 8に記載されているように、初回の充放電効率が約27%と低い。非特許文献1では、充放電効率が低い理由として、電解液分解による皮膜形成が副反応として生じている点が記載されている。しかしながら、本発明者は、皮膜形成の副反応だけでは、充放電効率がこれほどまで低くなることを説明できないと考え、他の理由が存在する可能性を考えた。そこで、鋭意研究を重ねた結果、NNaTi6−x13結晶相の結晶子サイズが、充放電効率に影響を与えることを見出し、NaTi6−x13結晶相の結晶子サイズを所定の範囲内とすることで、充放電効率の向上を図ることができることを確認した。さらに、後述するように、NaTi6−x13結晶相の結晶子サイズのみならず、負極活物質と共に用いられる炭素材料の結晶性も、充放電効率に影響を与えることを見出し、炭素材料の結晶性を規定することで、充放電効率の向上を図ることができることを確認した。
NaTi6−x13結晶相の結晶子サイズは、例えば190Å以上であり、240Å以上であることが好ましく、250Å以上であることがより好ましい。結晶子サイズが小さすぎると、不要な結晶相(例えば原料に由来する結晶相)の割合が多くなる可能性があるからである。例えば、固相法により、NaTi6−x13結晶相の結晶子サイズが小さい活物質を合成する場合、焼成温度を低くしたり、焼成時間を短くしたりする必要がある。その結果、例えば酸化チタンのような原料に由来する結晶相の割合が多くなる可能性があり、充放電効率の向上を十分に図ることができない可能性がある。
一方、NaTi6−x13結晶相の結晶子サイズは、通常、520Å以下であり、510Å以下であることが好ましく、500Å以下であることがより好ましい。結晶子サイズが大きすぎると、充放電効率が低下する可能性があるからである。充放電効率が低下する理由としては、Naイオン伝導パスおよび電子伝導パスが長くなること、および、比表面積の減少に伴い反応活性点が減少すること等が挙げられる。なお、非特許文献1では、NaTi13の合成の際に、800℃で1日間焼成を行い、その後、930℃で3日間焼成を行っている。この焼成条件は、後述する実施例での焼成条件に比べて、焼成温度が高く、焼成時間も長い。そのため、非特許文献1で得られたNaTi13の結晶子サイズは、本発明における結晶子サイズよりも大きい。
また、NaTi6−x13結晶相の結晶子サイズは、XRD測定により得られたピークの半値幅から算出することができる。例えば、上述した2θ=11.8°のピークの半値全幅(FWHM)を用い、Scherrerの式により求めることができる。
D=Kλ/(βcosθ)
K:Scherrer定数、λ:波長、β:結晶子の大きさによる回折線の拡がり、θ:回折角2θ/θ
なお、非特許文献1のFigure 5に記載されたXRDパターンから、NaTi13の結晶子サイズを正確に求めることは困難であるが、非常にピークが立っていることから、1μm弱程度であると推測される。
本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質は、金属Naに対するNa挿入電位が1.0V以下であることが好ましく、0.5V〜1.0Vの範囲内であることがより好ましい。Na挿入電位が低すぎると、金属Naの析出を十分に抑制できない可能性があり、Na挿入電位が高すぎると、電池電圧が小さくなる可能性があるからである。本発明においては、上記負極活物質のNa挿入電位を、サイクリックボルタンメトリ(CV)法により決定することができる。
本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質は、導電化材と複合化していることが好ましい。レート特性の向上を図ることができるからである。複合化される導電化材としては、所望の電子伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば炭素材料および金属材料を挙げることができ、中でも炭素材料が好ましい。炭素材料としては、具体的には、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;VGCF等の炭素繊維;グラファイト;ハードカーボン;コークス等を挙げることができる。金属材料としては、Fe、Cu、Ni、Al等を挙げることができる。「ナトリウムイオン電池用負極活物質と導電化材とが複合化されている」とは、通常、両者にメカノケミカル処理を行うことで得られる状態をいう。例えば、両者がナノオーダーで互いに密着するように分散している状態、および、一方の表面上に他方がナノオーダーで密着するように分散している状態等がある。なお、両者の間に化学結合が存在していても良い。複合化していることは、例えば、SEM観察、TEM観察、TEM−EELS法、X線吸収微細構造(XAFS)等により確認することができる。また、メカノケミカル処理としては、例えば、機械的エネルギーを付与できる処理を挙げることができ、例えば、ボールミル等を挙げることができる。また、市販の複合化装置(例えば、ホソカワミクロン社製ノビルタ)等を用いることもできる。
また、ナトリウムイオン電池用負極活物質が導電化材と複合化している場合、複合化した導電化材の割合は、例えば1重量%〜30重量%の範囲内であることが好ましく、5重量%〜20重量%の範囲内であることがより好ましい。複合化した導電化材の割合が少なすぎると、レート特性の向上を十分に図ることができない可能性があり、複合化した導電化材の割合が多すぎると、相対的に活物質の量が減り、容量が低下してしまう可能性があるからである。複合化した導電化材が炭素材料である場合、炭素材料の結晶性は高いことが好ましい。具体的には、後述するように、層間距離d002またはD/G比が所定の値となるように炭素材料が複合化されていることが好ましい。
本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質の形状は、例えば粒子状であることが好ましい。また、その平均粒径(D50)は、例えば1nm〜100μmの範囲内、中でも10nm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
また、本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質の製造方法は、上述した活物質を得ることができる方法であれば特に限定されるものではないが、例えば固相法を挙げることができる。固相法の具体例としては、Na源(例えば炭酸ナトリウム)、Ti源(例えば酸化チタン)、M源(例えばMの酸化物)を所定の割合で混合した原料組成物を用意し、その原料組成物を焼成する方法を挙げることができる。また、結晶子サイズは、例えば焼成温度および焼成時間を調整することで、コントロールすることができる。焼成温度が高い場合および焼成時間が長い場合に、結晶子サイズが大きくなる傾向にある。焼成温度は、例えば700℃〜900℃の範囲内であることが好ましく、750℃〜850℃の範囲内であることがより好ましい。焼成温度が低すぎると、固相反応が生じない可能性があり、焼成温度が高すぎると、不要な結晶相が生成する可能性があるからである。焼成時間は、例えば20時間〜80時間の範囲内であることが好ましく、40時間〜60時間の範囲内であることがより好ましい。焼成の雰囲気は、特に限定されるものではなく、酸素が存在する雰囲気であっても良く、不活性ガス雰囲気であっても良く、減圧(真空)雰囲気であっても良い。
B.ナトリウムイオン電池
次に、本発明のナトリウムイオン電池について説明する。本発明のナトリウムイオン電池は、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有するナトリウムイオン電池であって、上記負極活物質が、上述したナトリウムイオン電池用負極活物質であることを特徴とするものである。
図1は、本発明のナトリウムイオン電池の一例を示す概略断面図である。図1に示されるナトリウムイオン電池10は、正極活物質層1と、負極活物質層2と、正極活物質層1および負極活物質層2の間に形成された電解質層3と、正極活物質層1の集電を行う正極集電体4と、負極活物質層2の集電を行う負極集電体5と、これらの部材を収納する電池ケース6とを有するものである。本発明のナトリウムイオン電池は、負極活物質層2が、上記「A.ナトリウムイオン電池用負極活物質」に記載した負極活物質を含有することを大きな特徴とする。
本発明によれば、上述したナトリウムイオン電池用負極活物質を用いることで、レート特性が高いナトリウムイオン電池とすることができる。
以下、本発明のナトリウムイオン電池について、構成ごとに説明する。
1.負極活物質層
まず、本発明における負極活物質層について説明する。本発明における負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層である。また、負極活物質層は、負極活物質の他に、導電化材、結着材および固体電解質材料の少なくとも一つを含有していても良い。
本発明における負極活物質は、通常、上記「A.ナトリウムイオン電池用負極活物質」に記載した負極活物質である。
本発明における負極活物質層は、導電化材を含有することが好ましい。導電化材は、上記負極活物質と複合化したものであっても良く、複合化ではなく負極活物質層内で負極活物質と混合された状態で存在するものであっても良く、その両者であっても良い。導電化材としては、所望の電子伝導性を有するものであれば特に限定されるものではなく、上記「A.ナトリウムイオン電池用負極活物質」に記載した内容と同様である。中でも、導電化材は炭素材料であることが好ましく、特に、炭素材料の結晶性が高いことが好ましい。炭素材料の結晶性が高いと、Naイオンが炭素材料に挿入されにくくなり、Naイオン挿入による不可逆容量を低減できるからである。その結果、充放電効率の向上を図ることができる。炭素材料の結晶性は、例えば層間距離d002およびD/G比で規定できる。
上記炭素材料は、層間距離d002が、例えば3.54Å以下であることが好ましく、3.50Å以下であることがより好ましく、3.40Å以下であることがさらに好ましい。結晶性の高い炭素材料とすることができるからである。一方、層間距離d002は、通常3.36Å以上である。層間距離d002とは、炭素材料における(002)面の面間隔をいい、具体的にはグラフェン層間の距離に該当する。層間距離d002は、例えばCuKα線を用いたX線回折(XRD)法により得られるピークから求めることができる。
上記炭素材料は、ラマン分光測定により求められるD/G比が、例えば0.90以下であることが好ましく、0.80以下であることがより好ましく、0.50以下であることがさらに好ましく、0.20以下であることが特に好ましい。結晶性の高い炭素材料とすることができるからである。D/G比とは、ラマン分光測定(波長532nm)において観察される、1590cm−1付近のグラファイト構造に由来するG−bandのピーク強度に対する、1350cm−1付近の欠陥構造に由来するD−bandのピーク強度をいう。
結着材としては、化学的、電気的に安定なものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系結着材、スチレンブタジエンゴム等のゴム系結着材、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のオレフィン系結着材、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース系結着材等を挙げることができる。また、固体電解質材料としては、所望のイオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、酸化物固体電解質材料、硫化物固体電解質材料を挙げることができる。なお、固体電解質材料については、後述する「3.電解質層」で詳細に説明する。
負極活物質層における負極活物質の含有量は、容量の観点からはより多いことが好ましく、例えば60重量%〜99重量%の範囲内、中でも70重量%〜95重量%の範囲内であることが好ましい。また、導電化材の含有量は、所望の電子伝導性を確保できれば、より少ないことが好ましく、例えば5重量%〜80重量%の範囲内、中でも10重量%〜40重量%の範囲内であることが好ましい。導電化材の含有量が少なすぎると、十分な電子伝導性が得られない可能性があり、導電化材の含有量が多すぎると、相対的に活物質の量が減り、容量が低下してしまう可能性があるからである。また、結着材の含有量は、負極活物質等を安定に固定化できれば、より少ないことが好ましく、例えば1重量%〜40重量%の範囲内であることが好ましい。結着剤の含有量が少なすぎると、十分な結着性が得られない可能性があり、結着剤の含有量が多すぎると、相対的に活物質の量が減り、容量が低下してしまう可能性があるからである。また、固体電解質材料の含有量は、所望のイオン伝導性を確保できれば、より少ないことが好ましく、例えば1重量%〜40重量%の範囲内であることが好ましい。固体電解質材料の含有量が少なすぎると、十分なイオン伝導性が得られない可能性があり、固体電解質材料の含有量が多すぎると、相対的に活物質の量が減り、容量が低下してしまう可能性があるからである。
また、負極活物質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
2.正極活物質層
次に、本発明における正極活物質層について説明する。本発明における正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層である。また、正極活物質層は、正極活物質の他に、導電化材、結着材および固体電解質材料の少なくとも一つを含有していても良い。
正極活物質としては、例えば、層状活物質、スピネル型活物質、オリビン型活物質等を挙げることができる。正極活物質の具体例としては、NaFeO、NaNiO、NaCoO、NaMnO、NaVO、Na(NiMn1−X)O(0<X<1)、Na(FeMn1−X)O(0<X<1)、NaVPOF、NaFePOF、Na(PO等を挙げることができる。
正極活物質の形状は、粒子状であることが好ましい。また、正極活物質の平均粒径(D50)は、例えば1nm〜100μmの範囲内、中でも10nm〜30μmの範囲内であることが好ましい。正極活物質層における正極活物質の含有量は、容量の観点からはより多いことが好ましく、例えば60重量%〜99重量%の範囲内、中でも70重量%〜95重量%の範囲内であることが好ましい。なお、正極活物質層に用いられる、導電化材、結着材および固体電解質材料の種類ならびに含有量については、上述した負極活物質層に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、正極活物質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
3.電解質層
次に、本発明における電解質層について説明する。本発明における電解質層は、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成される層である。電解質層に含まれる電解質を介して、正極活物質と負極活物質との間のイオン伝導を行う。電解質層の形態は、特に限定されるものではなく、液体電解質層、ゲル電解質層、固体電解質層等を挙げることができる。
液体電解質層は、通常、非水電解液を用いてなる層である。非水電解液は、通常、ナトリウム塩および非水溶媒を含有する。ナトリウム塩としては、例えばNaPF、NaBF、NaClOおよびNaAsF等の無機ナトリウム塩;およびNaCFSO、NaN(CFSO、NaN(CSO、NaN(FSO、NaC(CFSO等の有機ナトリウム塩等を挙げることができる。非水溶媒としては、ナトリウム塩を溶解するものであれば特に限定されるものではない。例えば高誘電率溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等の環状エステル(環状カーボネート)、γ−ブチロラクトン、スルホラン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)等を挙げることができる。一方、低粘度溶媒としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状エステル(鎖状カーボネート)、メチルアセテート、エチルアセテート等のアセテート類、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル等を挙げることができる。高誘電率溶媒および低粘度溶媒を混合した混合溶媒を用いても良い。非水電解液におけるナトリウム塩の濃度は、例えば0.3mol/L〜5mol/Lの範囲内であり、0.8mol/L〜1.5mol/Lの範囲内であることが好ましい。ナトリウム塩の濃度が低すぎるとハイレート時の容量低下が生じる可能性があり、ナトリウム塩の濃度が高すぎると粘性が高くなり低温での容量低下が生じる可能性があるからである。なお、本発明においては、非水電解液として、例えばイオン性液体等の低揮発性液体を用いても良い。
ゲル電解質層は、例えば、非水電解液にポリマーを添加してゲル化することで得ることができる。具体的には、非水電解液に、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリルニトリル(PAN)またはポリメチルメタクリレート(PMMA)等のポリマーを添加することにより、ゲル化を行うことができる。
固体電解質層は、固体電解質材料を用いてなる層である。固体電解質材料としては、Naイオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば酸化物固体電解質材料および硫化物固体電解質材料を挙げることができる。酸化物固体電解質材料としては、例えばNaZrSiPO12、βアルミナ固体電解質(NaO−11Al等)等を挙げることができる。硫化物固体電解質材料としては、例えばNaS−P等を挙げることができる。
本発明における固体電解質材料は、非晶質であっても良く、結晶質であっても良い。また、固体電解質材料の形状は、粒子状であることが好ましい。また、固体電解質材料の平均粒径(D50)は、例えば1nm〜100μmの範囲内、中でも10nm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
電解質層の厚さは、電解質の種類および電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内、中でも0.1μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
4.その他の構成
本発明のナトリウムイオン電池は、上述した負極活物質層、正極活物質層および電解質層を少なくとも有するものである。さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および、負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。正極集電体の材料としては、例えばSUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボン等を挙げることができる。一方、負極集電体の材料としては、例えばSUS、銅、ニッケルおよびカーボン等を挙げることができる。また、正極集電体および負極集電体の形状としては、例えば、箔状、メッシュ状、多孔質状等を挙げることができる。
本発明のナトリウムイオン電池は、正極活物質層および負極活物質層の間に、セパレータを有していても良い。より安全性の高い電池を得ることができるからである。セパレータの材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、セルロース、ポリフッ化ビニリデン等の多孔膜;および樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等を挙げることができる。また、セパレータは、単層構造(例えばPE、PP)であっても良く、積層構造(例えばPP/PE/PP)であっても良い。また、本発明に用いられる電池ケースには、一般的な電池の電池ケースを用いることができる。電池ケースとしては、例えばSUS製電池ケース等を挙げることができる。
5.ナトリウムイオン電池
本発明のナトリウムイオン電池は、上述した正極活物質層、負極活物質層および電解質層を有するものであれば特に限定されるものではない。また、本発明のナトリウムイオン電池は、電解質層が固体電解質層である電池であっても良く、電解質層が液体電解質層である電池であって良く、電解質層がゲル電解質層である電池であっても良い。さらに、本発明のナトリウムイオン電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも、二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。また、本発明のナトリウムイオン電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。また、ナトリウムイオン電池の製造方法は、特に限定されるものではなく、一般的なナトリウムイオン電池における製造方法と同様である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
(活物質の合成)
出発原料として、炭酸ナトリウム(NaCO)、酸化チタン(anatase、TiO)および酸化鉄(Fe)を、NaCO:TiO:Fe=1:5.94:0.03のモル比で秤量し、エタノール中で混合した。なお、Feの置換量(Fe/(Fe+Ti))は1at%である。次に、エタノールを乾燥除去し、ペレットに成型し、マッフル炉にて800℃、60時間の条件で焼成を行った。これにより、NaTi6−xFe13結晶相(x=0.06)を有する活物質を得た。
(評価用電池の作製)
得られた活物質を用いた評価用電池を作製した。まず、得られた活物質と、導電化材(アセチレンブラック、層間距離d002=3.54Å、D/G比=0.87)と、結着材(ポリフッ化ビニリデン、PVDF)とを、活物質:導電化材:結着材=85:10:5の重量比で混合し、混練することにより、ペーストを得た。次に、得られたペーストを、銅箔上にドクターブレードにて塗工し、乾燥し、プレスすることにより、厚さ20μmの試験電極を得た。
その後、CR2032型コインセルを用い、作用極として上記試験電極を用い、対極として金属Naを用い、セパレータとしてポリエチレン/ポリプロピレン/ポリエチレンの多孔質セパレータ(厚さ25μm)を用いた。電解液には、EC(エチレンカーボネート)およびDEC(ジエチルカーボネート)を同体積で混合した溶媒にNaPFを濃度1mol/Lで溶解させたものを用いた。これにより、評価用電池を得た。
[比較例1]
出発原料として、炭酸ナトリウム(NaCO)および酸化チタン(anatase、TiO)を、NaCO:TiO=1:6のモル比で秤量し、エタノール中で混合した。次に、エタノールを乾燥除去し、ペレットに成型し、マッフル炉にて800℃、60時間の条件で焼成を行った。これにより、NaTi13結晶相を有する活物質を得た。得られた活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価用電池を得た。
[評価1]
(XRD測定)
実施例1および比較例1で得られた活物質に対して、CuKα線を用いたX線回折(XRD)測定を行った。その結果を図2、図3に示す。図2に示すように、実施例1では、2θ=11.8°、14.1°、24.5°、29.8°、30.1°、30.5°、32.2°、33.5°、43.3°、44.3°、48.6°の位置に、NaTi6−xFe13結晶相を示す典型的なピークが確認された。また、NaTi6−xFe13結晶相における2θ=11.8°のピーク強度をIとし、酸化チタンにおける2θ=25.2°のピーク強度をIとした場合、I/Iの値は0.09であった。なお、比較例1でも、同様の結果が得られ、I/Iの値は0.08であった。
(充放電試験)
実施例1および比較例1で得られた評価用電池に対して、充放電試験を行った。具体的には、環境温度25℃、電圧範囲0.5V〜2.5Vの条件で行った。電流値は、6mA/g、30mA/g、150mA/g、750mA/gと変化させた。その結果を図4に示す。図4に示すように、実施例1は、比較例1に比べて、全ての電流値において容量が増加した。さらに、750mA/gと電流値が大きい時に、実施例1では、比較例1に対する容量の増加率が大きかった。このように、NaTi13におけるTiの一部をFeで置換することにより、容量およびレート特性が向上することが確認できた。
[参考例1]
(活物質の合成)
出発原料として、炭酸ナトリウム(NaCO)および酸化チタン(anatase、TiO)を、NaCO:TiO=1:6のモル比で秤量し、エタノール中で混合した。次に、エタノールを乾燥除去し、ペレットに成型し、マッフル炉にて700℃、60時間の条件で焼成を行った。これにより、NaTi13結晶相を有する活物質を得た。得られた活物質を用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価用電池を得た。
[参考例2]
800℃、30時間の条件で焼成を行ったこと以外は、参考例1と同様にして活物質を得た。さらに、得られた活物質を用いたこと以外は、参考例1と同様にして評価用電池を得た。
[参考例3]
800℃、60時間の条件で焼成を行ったこと以外は、参考例1と同様にして活物質を得た。さらに、得られた活物質を用いたこと以外は、参考例1と同様にして評価用電池を得た。
[参考例4]
900℃、30時間の条件で焼成を行ったこと以外は、参考例1と同様にして活物質を得た。さらに、得られた活物質を用いたこと以外は、参考例1と同様にして評価用電池を得た。
[参考例5]
900℃、60時間の条件で焼成を行ったこと以外は、参考例1と同様にして活物質を得た。さらに、得られた活物質を用いたこと以外は、参考例1と同様にして評価用電池を得た。
[評価2]
(XRD測定)
参考例1〜5で得られた活物質に対して、CuKα線を用いたX線回折(XRD)測定を行った。また、2θ=11.8°のピークの半値全幅(FWHM)から、上述したScherrerの式を用いて結晶子サイズを算出した。
(充放電試験)
参考例1〜5で得られた評価用電池に対して、充放電試験を行った。具体的には、環境温度25℃、電流値6mA/g、電圧範囲0.5V〜2.5Vの条件で行い、初回の充放電効率を求めた。その結果を表1および図5に示す。
表1および図5に示すように、結晶子サイズが190Å〜520Åの範囲内にある場合に、充放電効率が向上することが明らかとなった。特に、結晶子サイズが250Å〜500Åの範囲内にある場合には、80%を超える充放電効率が実現できた。
[参考例6]
導電化材として、グラファイト(層間距離d002=3.36Å、D/G比=0.12)を用いたこと以外は、参考例3と同様にして評価用電池を得た。
[参考例7]
導電化材として、VGCF(層間距離d002=3.37Å、D/G比=0.07)を用いたこと以外は、参考例3と同様にして評価用電池を得た。
[評価3]
(充放電試験)
参考例3、6、7で得られた評価用電池に対して、充放電試験を行った。具体的には、環境温度25℃、電流値6mA/g、電圧範囲0.5V〜2.5Vの条件で行い、初回の充放電効率を求めた。その結果を表2に示す。
表2に示すように、導電化材の結晶性が高いほど(層間距離d002が小さいほど、D/G比が小さいほど)、充放電効率が向上することが明らかになった。図6は、最も充放電効率が高かった参考例6の結果である。
[参考例8]
参考例3で得られた活物質と、アセチレンブラック(層間距離d002=3.54Å、D/G比=0.87)とを、活物質:アセチレンブラック=90:10の重量比となるように秤量し、これらの混合物をZrO製ポットに入れ、ボールミル処理(180rpm×24時間)を行った。これにより、アセチレンブラックが複合化した活物質を得た。得られた複合化活物質を用いたこと以外は、参考例3と同様にして評価用電池を得た。
[評価4]
(SEM観察)
参考例3、8で得られた活物質のSEM観察を行った。その結果を図7に示す。図7(a)に示すように、参考例8では、活物質とアセチレンブラックとが複合化していることが確認できた。
(充放電試験)
参考例3、8で得られた評価用電池に対して、充放電試験を行った。具体的には、環境温度25℃、電圧範囲0.5V〜2.5Vの条件で行った。電流値は、6mA/g、30mA/g、150mA/g、750mA/gと変化させた。その結果を図8、図9に示す。図8、図9に示すように、参考例8は、参考例3に比べて、容量、レート特性、サイクル特性の面で優れていることが確認できた。
[参考例9]
参考例3で得られた活物質と、グラファイト(層間距離d002=3.36Å、D/G比=0.12)とを、活物質:グラファイト=90:10の重量比となるように秤量し、これらの混合物をZrO製ポットに入れ、ボールミル処理(180rpm×24時間)を行った。これにより、グラファイトが複合化した活物質を得た。得られた複合化活物質を用いたこと以外は、参考例3と同様にして評価用電池を得た。
[評価5]
(SEM観察)
参考例9で得られた活物質のSEM観察を行った。その結果を図10に示す。図10に示すように、参考例9では、活物質とグラファイトとが複合化していることが確認できた。
(充放電試験)
参考例3、9で得られた評価用電池に対して、充放電試験を行った。具体的には、環境温度25℃、電圧範囲10mV〜2.5Vの条件で行った。電流値は、6mA/gとした。その結果を図11に示す。図11に示すように、参考例9は、参考例3に比べて、容量維持率の面で優れていることが確認できた。
1 … 正極活物質層
2 … 負極活物質層
3 … 電解質層
4 … 正極集電体
5 … 負極集電体
6 … 電池ケース
10 … ナトリウムイオン電池

Claims (3)

  1. NaTi13結晶相におけるTiの一部がM(Mは、Fe、V、Mn、Mo、Al、Cr、Mg、Nb、W、Zr、TaおよびSnの少なくとも一つである)で置換されていることを特徴とするナトリウムイオン電池用負極活物質。
  2. 導電化材と複合化していることを特徴とする請求項1に記載のナトリウムイオン電池用負極活物質。
  3. 正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、前記正極活物質層および前記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有するナトリウムイオン電池であって、
    前記負極活物質が、請求項1または請求項2に記載のナトリウムイオン電池用負極活物質であることを特徴とするナトリウムイオン電池。
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