JP5699876B2 - ナトリウムイオン電池用活物質およびナトリウムイオン電池 - Google Patents

ナトリウムイオン電池用活物質およびナトリウムイオン電池 Download PDF

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Description

本発明は、例えば負極活物質として有用なナトリウムイオン電池用活物質、およびそれを用いたナトリウムイオン電池に関する。
ナトリウムイオン電池は、Naイオンが正極および負極の間を移動する電池である。NaはLiに比べて豊富に存在するため、ナトリウムイオン電池は、リチウムイオン電池に比べて低コスト化を図りやすいという利点がある。一般的に、ナトリウムイオン電池は、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、正極活物質層および負極活物質層の間に形成された電解質層とを有する。
従来、ナトリウムイオン電池に用いられる負極活物質として、炭素材料を用いることが知られている。例えば、非特許文献1においては、ナトリウムイオン電池の負極活物質として、ハードカーボンを用いることが開示されている。さらに、特許文献1においては、特定の環状化合物を炭化及び賦活させてなる炭素材料を単体としてもしくは主成分として含有する負極活物質を用いたナトリウムイオン二次電池が開示されている。なお、特許文献2においては、炭素材料をナトリウムイオン及びリチウムイオンの吸蔵材として含有する負極を備える非水電解質二次電池が開示されている。
一方、非特許文献2においては、NaTiの物性評価が開示されている。しかしながら、この文献では、単にNaTiの物性を評価しているのみで、電池特性の評価は一切していない。また、この非特許文献2では、NaTiの合成方法として、YTiに対して強制的にNaを導入しているが、Naが脱離できる旨の記載はなく、当然、活物質として機能することを示唆する記載も一切ない。また、非特許文献3においては、LiTiの物性評価が開示されている。しかしながら、この文献では、単にLiTiの物性を評価しているのみで、電池特性の評価は一切していない。また、非特許文献4においては、NdTiの物性評価が開示されている。しかしながら、この文献では、単にNdTiの物性を評価しているのみで、電池特性の評価は一切していない。
特開2009−129742号公報 特開平11−040156号公報
上記のように、ナトリウムイオン電池に用いられる負極活物質として、炭素材料を用いることが知られている。しかしながら、炭素材料は、通常、Naイオンと極めて低い電位(Na基準)で電気化学的に反応するため、金属Naの析出が起こりやすいという問題がある。例えばハードカーボンはNa基準で0.1V程度でNaイオンと電気化学的に反応する。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、金属Naの析出を抑制したナトリウムイオン電池用活物質を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するために、本発明においては、第III族元素であるM元素、Ti元素、O元素およびS元素を含有し、MTi結晶相を含有することを特徴とするナトリウムイオン電池用活物質を提供する。
本発明によれば、MTi結晶相を有することから、金属Naの析出を抑制したナトリウムイオン電池用活物質とすることができる。本発明者等は、MTi結晶相がNaイオンを吸蔵放出でき、ナトリウムイオン電池の活物質として有用であることを見出した。また、本発明のナトリウムイオン電池用活物質は、O元素を有し、酸化物としての挙動を示すため、従来の炭素材料よりも熱安定性が優れているという利点を有する。
上記発明においては、上記MTi結晶相を主体として含有することが好ましい。金属Naの析出をより抑制できるからである。
上記発明においては、上記M元素が、YおよびNdの少なくとも一方であることが好ましい。
上記発明においては、上記M元素が少なくともYを含み、CuKα線を用いたX線回折測定において、2θ=34.5°における上記YTi結晶相のピーク強度をIとし、2θ=35.6°におけるYTi結晶相のピーク強度をIとし、2θ=34.1°におけるTiSのピーク強度をIとした場合に、I/Iの値が0.3以下であり、かつ、I/Iの値が0.15以下であることが好ましい。より不純物の少ないナトリウムイオン電池用活物質とすることができるからである。
上記発明においては、金属Naに対するNa挿入脱離電位が0.5V以上であることが好ましい。金属Naの析出を抑制できるからである。
また、本発明においては、第III族元素であるM元素、Ti元素、O元素およびS元素を含有し、結晶質であり、かつ、金属Naに対するNa挿入脱離電位が0.5V以上であることを特徴とするナトリウムイオン電池用活物質を提供する。
本発明によれば、金属Naに対するNa挿入脱離電位が所定の値以上であることから、金属Naの析出を抑制したナトリウムイオン電池用活物質とすることができる。また、本発明のナトリウムイオン電池用活物質は、O元素を有し、酸化物としての挙動を示すため、従来の炭素材料よりも熱安定性が優れているという利点を有する。
上記発明においては、Ruddlesden-Popper構造AのAサイトに位置する上記M元素の一部が欠損した構造の結晶相を有することが好ましい。炭素材料よりも電位の高い電池用活物質とすることができるからである。
上記発明においては、上記M元素が、YおよびNdの少なくとも一方であることが好ましい。
上記発明においては、上記ナトリウムイオン電池用活物質が、負極活物質であることが好ましい。金属Naの析出を抑制でき、安全性の高い電池を得ることができるからである。さらに、より電位の高い活物質が豊富に存在するため、電圧の高いナトリウムイオン電池を得ることができる。
また、本発明においては、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有するナトリウムイオン電池であって、上記正極活物質または上記負極活物質が、上述したナトリウムイオン電池用活物質であることを特徴とするナトリウムイオン電池を提供する。
本発明によれば、上述したナトリウムイオン電池用活物質を用いることで、金属Naの析出を抑制でき、安全性の高いナトリウムイオン電池とすることができる。
上記発明においては、上記負極活物質が、上記ナトリウムイオン電池用活物質であることが好ましい。金属Naの析出を抑制でき、安全性の高い電池とすることができるからである。さらに、より電位の高い活物質が豊富に存在するため、電圧の高いナトリウムイオン電池とすることができる。
本発明においては、金属Naの析出を抑制したナトリウムイオン電池用活物質を提供することができるという効果を奏する。
本発明のナトリウムイオン電池の一例を示す概略断面図である。 実施例1で得られた活物質に対するX線回折測定の結果である。 実施例2で得られた活物質に対するX線回折測定の結果である。 実施例1で得られた活物質を用いた評価用電池の充放電特性の評価結果である。 実施例1および実施例3−1〜3−4で得られた活物質に対するX線回折測定の結果である。 図5の拡大図である。
以下、本発明のナトリウムイオン電池用活物質およびナトリウムイオン電池について、詳細に説明する。
A.ナトリウムイオン電池用活物質
まず、本発明のナトリウムイオン電池用活物質について説明する。本発明のナトリウムイオン電池用活物質は、2つの実施態様に大別することができる。以下、本発明のナトリウムイオン電池用活物質について、第一実施態様と、第二実施態様とに分けて説明する。
1.第一実施態様
本発明のナトリウムイオン電池用活物質の第一実施態様について説明する。第一実施態様のナトリウムイオン電池用活物質は、第III族元素であるM元素、Ti元素、O元素およびS元素を含有し、MTi結晶相を含有することを特徴とするものである。
本実施態様によれば、MTi結晶相を有することから、金属Naの析出を抑制したナトリウムイオン電池用活物質とすることができる。本発明者等は、MTi結晶相がNaイオンを吸蔵放出でき、ナトリウムイオン電池の活物質として有用であることを見出した。また、本実施態様のナトリウムイオン電池用活物質は、O元素を有し、酸化物としての挙動を示すため、従来の炭素材料よりも熱安定性が優れているという利点を有する。
本実施態様のナトリウムイオン電池用活物質は、MTi結晶相を含有するものである。MTi結晶相の存在は、X線回折(XRD)等により確認することができる。また、MTi結晶相は、欠陥型Ruddlesden-Popper構造の結晶相に該当するものと考えられる。一般的に、Ruddlesden-Popper構造は、一般式An+13n+1(nは整数)で表される組成を有し、ペロブスカイト構造と、岩塩構造とが交互に重なった層状構造を有する。ここで、n=2とした場合、上記の一般式はAで表すことができる。このAと、本実施態様におけるMTiとを比較すると、AサイトにはMが位置し、BサイトにはTiが位置し、CサイトにはOおよびSが位置することになる。さらに、Aサイトにおいて、Mが3原子位置すると、完全なRuddlesden-Popper構造に該当するが、本実施態様においては、Mが2原子しか位置していない。そのため、このAサイトに欠陥が生じ、この欠陥部位にNaイオンが挿入脱離し、活物質としての機能が顕著に発現すると考えられる。また、MTi結晶相と、Naイオンとの反応は、以下の通りであると考えられ、MTi結晶相は、いわゆる挿入脱離型の活物質として機能すると考えられる。
Ti+xNa+xe⇔NaTi
本実施態様におけるM元素は、通常、三価の第III族元素であり、Sc、Y、ランタノイドおよびアクチノイドが該当する。中でも、M元素は、Y、Nd、Sc、Pr、Sm、Gd、Tb、DyおよびErの少なくとも一種であることが好ましく、Y、NdおよびScの少なくとも一種であることがより好ましく、YおよびNdの少なくとも一方であることがさらに好ましい。
また、本実施態様のナトリウムイオン電池用活物質は、MTi結晶相の割合が多いことが好ましく、具体的にはMTi結晶相を主体として含有することが好ましい。金属Naの析出をより抑制できるからである。ここで、「MTi結晶相を主体とする」とは、ナトリウムイオン電池用活物質に含まれる結晶相の中で、MTi結晶相の割合が最も大きいことをいう。ナトリウムイオン電池用活物質に含まれるMTi結晶相の割合は、50mol%以上であることが好ましく、60mol%以上であることがより好ましく、70mol%以上であることがさらに好ましい。また、本実施態様のナトリウムイオン電池用活物質は、MTi結晶相のみから構成されるもの(単相の活物質)であっても良い。なお、ナトリウムイオン電池用活物質に含まれるMTi結晶相の割合は、例えば、金属Naを対極とした電池を作製し、その容量を測定することにより決定することができる。
本実施態様のナトリウムイオン電池用活物質は、金属Naに対するNa挿入脱離電位が0.5V以上であることが好ましく、0.5V〜1.1Vの範囲内であることがより好ましく、0.6V〜1.0Vの範囲内であることがさらに好ましい。Na挿入脱離電位が低すぎると、金属Naの析出を十分に抑制できない可能性があり、Na挿入脱離電位が高すぎると、負極活物質として用いた場合に電池電圧が小さくなる可能性があるからである。本実施態様においては、ナトリウムイオン電池用活物質のNa挿入脱離電位を、Na挿入電位およびNa脱離電位の平均値と定義することができる。また、Na挿入電位およびNa脱離電位は、サイクリックボルタンメトリ(CV)法により決定することができる。なお、本実施態様においては、Na挿入電位およびNa脱離電位は、それぞれ0.5V以上であることが好ましい。
また、本実施態様においては、上記M元素が少なくともYを含み、CuKα線を用いたX線回折測定において、2θ=34.5°におけるYTi結晶相のピーク強度をIとし、2θ=35.6°におけるYTi結晶相のピーク強度をIとし、2θ=34.1°におけるTiSのピーク強度をIとした場合に、I/Iの値が0.3以下であり、かつ、I/Iの値が0.15以下であることが好ましい。より不純物の少ないナトリウムイオン電池用活物質とすることができるからである。なお、I〜Iのピークの位置は、結晶格子の状態によって若干前後する場合がある。そのため、上記ピークの位置は、±0.2°の範囲を包含するものとする。
/Iの値は、通常0.3以下であり、0.1以下であることが好ましく、0.05以下であることがより好ましい。I/Iが大きすぎると、不純物であるYTi結晶相により、電池容量の低下が生じる可能性があるからである。一方、I/Iの値は、通常0.15以下であり、0.12以下であることが好ましい。I/Iが大きすぎると、不純物であるTiSが水分と反応し、硫化水素が発生する可能性があるからである。
本実施態様のナトリウムイオン電池用活物質は、正極活物質として用いても良く、負極活物質として用いても良いが、後者であることが好ましい。金属Naの析出を抑制でき、安全性の高い電池を得ることができるからである。さらに、より電位の高い活物質が豊富に存在するため、電圧の高いナトリウムイオン電池を得ることができる。
また、本実施態様のナトリウムイオン電池用活物質は、MTi結晶相の割合が多くなる程、電子伝導性が向上する傾向にある。活物質自身の電子伝導性が高ければ、導電化材の使用量を低減することができ、それに伴い、活物質の使用量を増加させることができる。その結果、電池の高容量化を図ることができるという利点がある。本実施態様のナトリウムイオン電池用活物質の電子伝導度(室温)は、例えば10−7S/cm以上であることが好ましく、10−5S/cm以上であることがより好ましい。
本実施態様のナトリウムイオン電池用活物質の形状は、粒子状であることが好ましい。また、ナトリウムイオン電池用活物質の平均粒径(D50)は、例えば1nm〜100μmの範囲内、中でも10nm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
また、本実施態様のナトリウムイオン電池用活物質の製造方法は、上述したナトリウムイオン電池用活物質を得ることができる方法であれば特に限定されるものではない。本実施態様のナトリウムイオン電池用活物質の製造方法としては、例えば固相法を挙げることができる。固相法の具体例としては、M(Mは第III族元素である)、TiOおよびTiSを、MTi結晶相が得られる割合で混合した原料組成物を用意し、その原料組成物を焼成する方法を挙げることができる。この時、不要な副反応を抑制するために、真空状態で加熱を行うことが好ましい。また、例えばM、TiOおよびTiSを等モルで混合すれば、化学量論的にはMTiの組成を得ることができる。
また、本実施態様においては、M(Mは第III族元素である)、TiOおよびTiSを含有する原料組成物を用い、Mに対するTiSの割合を、モル比で、1より大きくすること、および、Mに対するTiOの割合を、モル比で、1より小さくすることの少なくとも一方を行うことが好ましい。より不純物の少ないナトリウムイオン電池用活物質を得ることができるからである。また、Mに対するTiSおよびTiOの割合は、上述したI/Iの値およびI/Iの値が得られるように調整することが好ましい。
ここで、上述したように、MTiを得るためには、組成上、TiS、TiOおよびMを等モルで用いれば良いが、実際に等モルの原料組成物を用いると、わずかに不純物(MTi結晶相)が生じる。MTi結晶相が生じるメカニズムは、以下のように推察される。すなわち、原料組成物に含まれるTiSは、水分と反応することで硫化水素(HS)と酸化チタン(TiO)となるため、組成上、硫黄欠損および酸素過剰が生じると考えられる。また、酸素過剰により、MTi結晶相ではなく、MTi結晶相が生じると考えられる。これに対して、TiS、TiOおよびMの等モル組成に対して、例えばTiSの割合を多くし、硫黄を過剰に存在させることで、硫黄欠損が生じても、MTi結晶相が生成することを抑制できる。また、例えばTiOの割合を少なくし、予め酸素の割合を少なくすることで、MTi結晶相が生成することを抑制できる。中でも、本実施態様においては、TiSの割合を多くし、かつ、TiOの割合を少なくすることが好ましい。Tiの過剰または欠損が生じにくくなるからである。
例えばTiSの割合を多くする場合、Mに対するTiSの割合は、モル比で、通常1より大きく、1.02以上であることが好ましく、1.05以上であることがより好ましい。同様に、Mに対するTiSの割合は、モル比で、1.15より小さいことが好ましく、1.13以下であることがより好ましく、1.1以下であることがさらに好ましい。一方、例えばTiOの割合を少なくする場合、Mに対するTiOの割合は、モル比で、通常1より小さく、0.98以下であることが好ましく、0.95以下であることがより好ましい。同様に、Mに対するTiOの割合は、モル比で、0.85より大きいことが好ましく、0.87以上であることがより好ましく、0.9以上であることがさらに好ましい。
また、原料組成物において、Mの割合を1mol部とした場合、TiSおよびTiOの合計の割合は、例えば1.9mol部〜2.1mol部の範囲内であることが好ましく、1.95mol部〜2.05mol部の範囲内であることがより好ましい。TiSおよびTiOの合計の割合が、上記範囲内にあることにより、Tiの過剰または欠損が生じにくくなるからである。
焼成温度は、所望のナトリウムイオン電池用活物質を得ることができる温度であれば特に限定されるものではないが、例えば800℃〜1400℃の範囲内であり、中でも1000℃〜1200℃の範囲内であることが好ましい。焼成温度が低すぎると、固相反応が生じない可能性があり、焼成温度が高すぎると、不要な結晶相が生成する可能性があるからである。また、焼成時間は、特に限定されるものではないが、例えば24時間〜384時間の範囲内であることが好ましく、48時間〜192時間の範囲内であることがより好ましい。また、焼成は、副反応防止の観点から、真空中で行うことが好ましい。
2.第二実施態様
次に、本発明のナトリウムイオン電池用活物質の第二実施態様について説明する。第二実施態様のナトリウムイオン電池用活物質は、第III族元素であるM元素、Ti元素、O元素およびS元素を含有し、結晶質であり、かつ、金属Naに対するNa挿入脱離電位が0.5V以上であることを特徴とするものである。
本実施態様によれば、金属Naに対するNa挿入脱離電位が所定の値以上であることから、金属Naの析出を抑制したナトリウムイオン電池用活物質とすることができる。また、本実施態様のナトリウムイオン電池用活物質は、O元素を有し、酸化物としての挙動を示すため、従来の炭素材料よりも熱安定性が優れているという利点を有する。
本実施態様のナトリウムイオン電池用活物質は、通常、金属Naに対するNa挿入脱離電位が0.5V以上であることを大きな特徴とするが、Na挿入脱離電位の好ましい範囲や測定方法等については、上記「1.第一実施態様」に記載した内容と同様である。
また、本実施態様のナトリウムイオン電池用活物質は、Ruddlesden-Popper構造AのAサイトに位置する上記M元素の一部が欠損した構造の結晶相を有することが好ましい。欠陥部位にNaイオンが挿入脱離し、活物質としての機能が顕著に発現すると考えられるからである。特に、本実施態様のナトリウムイオン電池用活物質は、上記結晶相を主体として含有することが好ましい。
また、本実施態様のナトリウムイオン電池用活物質の物性、製造方法およびその他の事項については、上記「1.第一実施態様」に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
B.ナトリウムイオン電池
次に、本発明のナトリウムイオン電池について説明する。本発明のナトリウムイオン電池は、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有するナトリウムイオン電池であって、上記正極活物質または上記負極活物質が、上述したナトリウムイオン電池用活物質であることを特徴とするものである。
図1は、本発明のナトリウムイオン電池の一例を示す概略断面図である。図1に示されるナトリウムイオン電池10は、正極活物質層1と、負極活物質層2と、正極活物質層1および負極活物質層2の間に形成された電解質層3と、正極活物質層1の集電を行う正極集電体4と、負極活物質層2の集電を行う負極集電体5と、これらの部材を収納する電池ケース6とを有するものである。本発明のナトリウムイオン電池は、正極活物質層1または負極活物質層2が、上記「A.ナトリウムイオン電池用活物質」に記載したナトリウムイオン電池用活物質を含有することを大きな特徴とする。
本発明によれば、上述したナトリウムイオン電池用活物質を用いることで、金属Naの析出を抑制でき、安全性の高いナトリウムイオン電池とすることができる。
以下、本発明のナトリウムイオン電池について、構成ごとに説明する。
1.負極活物質層
まず、本発明における負極活物質層について説明する。本発明における負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層である。また、負極活物質層は、負極活物質の他に、導電化材、結着材および固体電解質材料の少なくとも一つを含有していても良い。
本発明においては、負極活物質が、上記「A.ナトリウムイオン電池用活物質」に記載したナトリウムイオン電池用活物質であることが好ましい。金属Naの析出を抑制でき、安全性の高い電池とすることができるからである。さらに、より電位の高い活物質が豊富に存在するため、電圧の高いナトリウムイオン電池とすることができる。一方、本発明においては、正極活物質に上述したナトリウムイオン電池用活物質を用いて、負極活物質に従来の活物質を用いても良い。この場合、負極活物質として、上述したナトリウムイオン電池用活物質よりも電位が低い活物質を用いる必要がある。さらに、上述したナトリウムイオン電池用活物質は、Naを含有していないため、負極活物質がNaを含有していることが好ましい。すなわち、負極活物質として、金属NaおよびNa合金等のNa含有活物質を用いることが好ましい。
導電化材の材料としては、所望の電子伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば炭素材料を挙げることができる。さらに、炭素材料としては、具体的には、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、コークス、炭素繊維、黒鉛を挙げることができる。また、結着材の材料としては、化学的、電気的に安定なものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系結着材、および、スチレンブタジエンゴム等のゴム系結着材等を挙げることができる。また、固体電解質材料としては、所望のイオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、酸化物固体電解質材料、硫化物固体電解質材料を挙げることができる。なお、固体電解質材料については、後述する「3.電解質層」で詳細に説明する。
負極活物質層における負極活物質の含有量は、容量の観点からはより多いことが好ましく、例えば60重量%〜99重量%の範囲内、中でも70重量%〜95重量%の範囲内であることが好ましい。また、導電化材の含有量は、所望の電子伝導性を確保できれば、より少ないことが好ましく、例えば1重量%〜30重量%の範囲内であることが好ましい。また、結着材の含有量は、負極活物質等を安定に固定化できれば、より少ないことが好ましく、例えば1重量%〜30重量%の範囲内であることが好ましい。また、固体電解質材料の含有量は、所望のイオン伝導性を確保できれば、より少ないことが好ましく、例えば1重量%〜40重量%の範囲内であることが好ましい。
また、負極活物質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
2.正極活物質層
次に、本発明における正極活物質層について説明する。本発明における正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層である。また、正極活物質層は、正極活物質の他に、導電化材、結着材および固体電解質材料の少なくとも一つを含有していても良い。
本発明においては、正極活物質が、上述したナトリウムイオン電池用活物質よりも電位が高い活物質であることが好ましい。金属Naの析出を抑制でき、安全性の高い電池とすることができるからである。さらに、より電位の高い活物質が豊富に存在するため、電圧の高いナトリウムイオン電池とすることができる。
負極活物質に上述したナトリウムイオン電池用活物質を用いる場合、正極活物質として一般的な活物質を用いることができる。このような正極活物質としては、例えば、層状活物質、スピネル型活物質、オリビン型活物質等を挙げることができる。正極活物質の具体例としては、NaFeO、NaNiO、NaCoO、NaMnO、NaVO、Na(NiMn1−X)O(0<X<1)、Na(FeMn1−X)O(0<X<1)、NaVPOF、NaFePOF、Na(PO等を挙げることができる。
正極活物質の形状は、粒子状であることが好ましい。また、正極活物質の平均粒径(D50)は、例えば1nm〜100μmの範囲内、中でも10nm〜30μmの範囲内であることが好ましい。正極活物質層における正極活物質の含有量は、容量の観点からはより多いことが好ましく、例えば60重量%〜99重量%の範囲内、中でも70重量%〜95重量%の範囲内であることが好ましい。なお、正極活物質層に用いられる、導電化材、結着材および固体電解質材料の種類ならびに含有量については、上述した負極活物質層に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、正極活物質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
3.電解質層
次に、本発明における電解質層について説明する。本発明における電解質層は、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成される層である。電解質層に含まれる電解質を介して、正極活物質と負極活物質との間のイオン伝導を行う。電解質層の形態は、特に限定されるものではなく、液体電解質層、ゲル電解質層、固体電解質層等を挙げることができる。
液体電解質層は、通常、非水電解液を用いてなる層である。非水電解液は、通常、ナトリウム塩および非水溶媒を含有する。ナトリウム塩としては、例えばNaPF、NaBF、NaClOおよびNaAsF等の無機ナトリウム塩;およびNaCFSO、NaN(CFSO、NaN(CSO、NaC(CFSO等の有機ナトリウム塩等を挙げることができる。非水溶媒としては、例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ブチレンカーボネート(BC)、γ−ブチロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシメタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランおよびこれらの任意の混合物等を挙げることができる。非水電解液におけるナトリウム塩の濃度は、例えば0.3mol/L〜5mol/Lの範囲内であり、0.8mol/L〜1.5mol/Lの範囲内であることが好ましい。ナトリウム塩の濃度が低すぎるとハイレート時の容量低下が生じる可能性があり、ナトリウム塩の濃度が高すぎると粘性が高くなり低温での容量低下が生じる可能性があるからである。なお、本発明においては、非水電解液として、例えばイオン性液体等の低揮発性液体を用いても良い。
ゲル電解質層は、例えば、非水電解液にポリマーを添加してゲル化することで得ることができる。具体的には、非水電解液に、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリルニトリル(PAN)またはポリメチルメタクリレート(PMMA)等のポリマーを添加することにより、ゲル化を行うことができる。
固体電解質層は、固体電解質材料を用いてなる層である。固体電解質材料としては、Naイオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば酸化物固体電解質材料および硫化物固体電解質材料を挙げることができる。酸化物固体電解質材料としては、例えばNaZrSiPO12、βアルミナ固体電解質(NaO−11Al等)等を挙げることができる。硫化物固体電解質材料としては、例えばNaS−P等を挙げることができる。
本発明における固体電解質材料は、非晶質であっても良く、結晶質であっても良い。また、固体電解質材料の形状は、粒子状であることが好ましい。また、固体電解質材料の平均粒径(D50)は、例えば1nm〜100μmの範囲内、中でも10nm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
電解質層の厚さは、電解質の種類および電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内、中でも0.1μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
4.その他の構成
本発明のナトリウムイオン電池は、上述した負極活物質層、正極活物質層および電解質層を少なくとも有するものである。さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および、負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。正極集電体の材料としては、例えばSUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボン等を挙げることができる。一方、負極集電体の材料としては、例えばSUS、銅、ニッケルおよびカーボン等を挙げることができる。また、正極集電体および負極集電体の厚さや形状等については、電池の用途等に応じて適宜選択することが好ましい。
本発明のナトリウムイオン電池は、正極活物質層および負極活物質層の間に、セパレータを有していても良い。より安全性の高い電池を得ることができるからである。セパレータの材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、ポリフッ化ビニリデン等の多孔膜;および樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等を挙げることができる。また、本発明に用いられる電池ケースには、一般的な電池の電池ケースを用いることができる。電池ケースとしては、例えばSUS製電池ケース等を挙げることができる。
5.ナトリウムイオン電池
本発明のナトリウムイオン電池は、上述した正極活物質層、負極活物質層および電解質層を有するものであれば特に限定されるものではない。また、本発明のナトリウムイオン電池は、電解質層が固体電解質層である電池であっても良く、電解質層が液体電解質層である電池であって良く、電解質層がゲル電解質層である電池であっても良い。さらに、本発明のナトリウムイオン電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも、二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。また、本発明のナトリウムイオン電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。また、ナトリウムイオン電池の製造方法は、特に限定されるものではなく、一般的なナトリウムイオン電池における製造方法と同様である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
まず、原料として、Y、TiOおよびTiS(全てアルドリッチ社製)を用意した。次に、Y、TiOおよびTiSを等モルで秤量し、乳鉢で混合し、原料組成物を得た。次に、原料組成物を石英管に入れ真空封入(真空度10−5Pa)した。その後、24時間かけて室温から1100℃まで昇温し、1100℃、5日間(120時間)の条件で焼成した。冷却後、得られた材料を乳鉢で粉砕することで粒径を調整した。これにより、本発明のナトリウムイオン電池用活物質(YTOS)を得た。
[実施例2]
まず、原料として、Nd、TiOおよびTiS(全てアルドリッチ社製)を用意した。次に、Nd、TiOおよびTiSを等モルで秤量し、乳鉢で混合し、原料組成物を得た。次に、原料組成物を石英管に入れ真空封入(真空度10−5Pa)した。その後、24時間かけて室温から1100℃まで昇温し、1100℃、4日間(96時間)の条件で焼成した。冷却後、得られた材料を乳鉢で粉砕することで粒径を調整した。これにより、本発明のナトリウムイオン電池用活物質を得た。
[評価1]
(1)X線回折測定
実施例1で得られた活物質を用いて、CuKα線によるX線回折(XRD)測定を行った。その結果を図2に示す。図2に示されるチャートから、得られた活物質はYTi結晶相を含有するものであることが確認された。YTi結晶相を示すピークは、2θ=15.6°、23.4°、23.9°、26.2°、30.8°、31.3°、33.6°、34.5°、36.4°、41.3°、43.0°、46.6°、47.8°、48.2°に現れた。
実施例2で得られた活物質を用いて、CuKα線によるX線回折(XRD)測定を行った。その結果を図3に示す。図3に示されるチャートから、得られた活物質はNdTi結晶相を含有するものであることが確認された。NdTi結晶相を示すピークは、2θ=15.4°、25.8°、30.3°、32.8°、35.9°、40.6°、42.4°、47.0°に現れた。
(2)充放電特性
実施例1で得られた活物質(YTOS)を用いて評価用電池を作製し、活物質の充放電特性を評価した。まず、活物質(YTOS)と、導電化材(アセチレンブラック60wt%+VGCF40wt%)と、結着材(ポリフッ化ビニリデン、PVDF)とを、活物質:導電化材:結着材=65:20:15の重量比で混合し、混練することにより、ペーストを得た。次に、得られたペーストを、銅箔上にドクターブレードにて塗工し、乾燥し、プレスすることにより、厚さ10μmの試験電極を得た。
その後、CR2032型コインセルを用い、作用極として上記試験電極を用い、対極として金属Naを用い、セパレータとしてポリエチレン/ポリプロピレン/ポリエチレンの多孔質セパレータ(厚さ25μm)を用いて評価用電池を得た。電解液には、EC(エチレンカーボネート)およびDMC(ジメチルカーボネート)を同体積で混合した溶媒にNaPFを濃度1mol/Lで溶解させたものを用いた。
得られた評価用電池を、電池評価環境温度25℃、電流レートC/10にて、充放電した。電圧範囲は、0.01V〜2.5Vとした。その結果を図4に示す。図4に示されるように、Na挿入時には0.7Vにプラトー部が生じ、Na脱離時には0.9Vにプラトー部が生じた。このことから、この活物質は、金属Naに対するNa挿入脱離電位が0.5V以上であることが確認された。
(3)サイクリックボルタンメトリ測定
実施例1で得られた活物質を用いた評価用電池に対して、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定を行うことにより、金属Naに対する活物質のNa挿入脱離電位を算出した。測定条件は、電気化学測定装置システム(ソーラトロン社製、147055BEC型)を用い、電位範囲0.01V〜2.5V(vs Na/Na)、掃引速度0.1mV/secとした。その結果、Na挿入電位は0.68V(vs Na/Na)となり、Na脱離電位は0.88V(vs Na/Na)となり、Na挿入脱離電位は0.78V(vs Na/Na)となった。
[実施例3−1]
まず、原料として、Y、TiOおよびTiS(全てアルドリッチ社製)を用意した。次に、TiS、TiOおよびYを、モル比が1.05:0.95:1.00となるように秤量し、乳鉢で混合し、原料組成物を得た。次に、原料組成物を石英管に入れ真空封入(真空度10−5Pa)した。その後、24時間かけて室温から1100℃まで昇温し、1100℃、4日間(96時間)の条件で焼成した。冷却後、得られた材料を乳鉢で粉砕することで粒径を調整した。これにより、本発明のナトリウムイオン電池用活物質を得た。
[実施例3−2]
TiS、TiOおよびYを、モル比が1.10:0.90:1.00となるように秤量したこと以外は、実施例3−1と同様にして活物質を得た。
[実施例3−3]
TiS、TiOおよびYを、モル比が1.15:0.85:1.00となるように秤量したこと以外は、実施例3−1と同様にして活物質を得た。
[実施例3−4]
TiS、TiOおよびYを、モル比が1.20:0.80:1.00となるように秤量したこと以外は、実施例3−1と同様にして活物質を得た。
[評価2]
実施例1および実施例3−1〜3−4で得られた活物質を用いて、CuKα線によるX線回折(XRD)測定を行った。その結果を図5に示す。図5に示されるように、実施例1および実施例3−1〜3−4は、いずれもYTi結晶相を有することが確認された。また、図6は図5の拡大図である。実施例1では、YTi結晶相のピークが2θ=35.6°に現れ、実施例3−3、3−4では、硫黄過剰によりTiSのピークが2θ=34.1°に現れた。これに対して、実施例3−1、3−2では、YTi結晶相およびTiSのピークは確認されなかった。また、図6に示すように、2θ=34.5°におけるYTiのピーク強度をIとし、2θ=35.6°におけるYTiのピーク強度をIとし、2θ=34.1°におけるTiSのピーク強度をIとすると、I/IおよびI/Iの値は、下記表1のようになった。
Figure 0005699876
表1に示されるように、実施例3−1、3−2で得られた活物質は、不純物である、YTi結晶相およびTiSのピークを有しておらず、単相のYTi結晶相から構成される活物質であることが確認された。なお、実施例1においてI/Iの値が大きくなったのは、おそらく隣のピークのショルダーに位置したためであると考えられる。
1 … 正極活物質層
2 … 負極活物質層
3 … 電解質層
4 … 正極集電体
5 … 負極集電体
6 … 電池ケース
10 … ナトリウムイオン電池

Claims (7)

  1. Y元素、Ti元素、O元素およびS元素を含有し、 Ti結晶相を含有することを特徴とするナトリウムイオン二次電池用活物質。
  2. 前記 Ti結晶相を主体として含有することを特徴とする請求項1に記載のナトリウムイオン二次電池用活物質。
  3. uKα線を用いたX線回折測定において、2θ=34.5°における前記YTi結晶相のピーク強度をIとし、2θ=35.6°におけるYTi結晶相のピーク強度をIとし、2θ=34.1°におけるTiSのピーク強度をIとした場合に、I/Iの値が0.3以下であり、かつ、I/Iの値が0.15以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナトリウムイオン二次電池用活物質。
  4. 金属Naに対するNa挿入脱離電位が0.5V以上であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のナトリウムイオン二次電池用活物質。
  5. 負極活物質であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかの請求項に記載のナトリウムイオン二次電池用活物質。
  6. 正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、前記正極活物質層および前記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有するナトリウムイオン二次電池であって、
    前記正極活物質または前記負極活物質が、請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のナトリウムイオン二次電池用活物質であることを特徴とするナトリウムイオン二次電池。
  7. 前記負極活物質が、前記ナトリウムイオン二次電池用活物質であることを特徴とする請求項6に記載のナトリウムイオン二次電池。
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