JP2013137907A - ナトリウムイオン電池用負極活物質およびナトリウムイオン電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明においては、層間距離d002が3.50Å〜3.77Åの範囲内であり、ラマン分光測定により求められるD/G比が0.80〜1.10の範囲内である炭素材料から構成されることを特徴とするナトリウムイオン電池用負極活物質を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図2
Description
まず、本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質について説明する。本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質は、2つの実施態様に大別することができる。以下、本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質について、第一実施態様と、第二実施態様とに分けて説明する。
本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質の第一実施態様について説明する。第一実施態様のナトリウムイオン電池用負極活物質は、層間距離d002が3.50Å〜3.77Åの範囲内であり、ラマン分光測定により求められるD/G比が0.80〜1.10の範囲内である炭素材料から構成されることを特徴とするものである。
次に、本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質の第二実施態様について説明する。第二実施態様のナトリウムイオン電池用負極活物質は、層間距離d002が3.50Å以上であり、ラマン分光測定により求められるD/G比が0.80〜1.10の範囲内であり、金属Naに対するNa挿入脱離電位が0.30V以上である炭素材料から構成されることを特徴とするものである。
次に、本発明のナトリウムイオン電池について説明する。本発明のナトリウムイオン電池は、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有するナトリウムイオン電池であって、上記負極活物質が、上述したナトリウムイオン電池用負極活物質であることを特徴とするものである。
以下、本発明のナトリウムイオン電池について、構成ごとに説明する。
まず、本発明における負極活物質層について説明する。本発明における負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層である。また、負極活物質層は、負極活物質の他に、導電化材、結着材および固体電解質材料の少なくとも一つを含有していても良い。
次に、本発明における正極活物質層について説明する。本発明における正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層である。また、正極活物質層は、正極活物質の他に、導電化材、結着材および固体電解質材料の少なくとも一つを含有していても良い。
次に、本発明における電解質層について説明する。本発明における電解質層は、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成される層である。電解質層に含まれる電解質を介して、正極活物質と負極活物質との間のイオン伝導を行う。電解質層の形態は、特に限定されるものではなく、液体電解質層、ゲル電解質層、固体電解質層等を挙げることができる。
本発明のナトリウムイオン電池は、上述した負極活物質層、正極活物質層および電解質層を少なくとも有するものである。さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および、負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。正極集電体の材料としては、例えばSUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボン等を挙げることができる。一方、負極集電体の材料としては、例えばSUS、銅、ニッケルおよびカーボン等を挙げることができる。また、正極集電体および負極集電体の形状としては、例えば、箔状、メッシュ状、多孔質状等を挙げることができる。
本発明のナトリウムイオン電池は、上述した正極活物質層、負極活物質層および電解質層を有するものであれば特に限定されるものではない。また、本発明のナトリウムイオン電池は、電解質層が固体電解質層である電池であっても良く、電解質層が液体電解質層である電池であって良く、電解質層がゲル電解質層である電池であっても良い。さらに、本発明のナトリウムイオン電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも、二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。また、本発明のナトリウムイオン電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。また、ナトリウムイオン電池の製造方法は、特に限定されるものではなく、一般的なナトリウムイオン電池における製造方法と同様である。
負極活物質として、炭素材料(平均粒径D50=200nm、比表面積14m2/g、層間距離d002=3.564Å、D/G比=0.86)を用意した。この負極活物質と、結着材(ポリフッ化ビニリデン、PVDF)とを、活物質:結着材=92.5:7.5の重量比で混合し、混練することにより、ペーストを得た。次に、得られたペーストを、銅箔上にドクターブレードにて塗工し、乾燥し、プレスすることにより、厚さ10μmの試験電極を得た。
負極活物質として、グラファイト(三菱化学社製、平均粒径D50=10μm、比表面積3m2/g、層間距離d002=3.364Å、D/G比=0.12)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価用電池を得た。
負極活物質として、ハードカーボン(クレハ社製カーボトロンP type(J)、平均粒径D50=9μm、比表面積5m2/g、層間距離d002=3.782Å、D/G比=0.88)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価用電池を得た。
負極活物質として、ケッチェンブラック(KB international社製KB_ECP600JD、平均粒径D50=40μm、比表面積1300m2/g、層間距離d002=3.771Å、D/G比=1.13)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして評価用電池を得た。
(充放電試験)
実施例1および比較例1〜3で得られた評価用電池に対して、充放電試験を行った。具体的には、環境温度25℃、電流レートC/10、電圧範囲0.01V〜2.0Vの条件で行った。その結果を表1および図2〜図5に示す。
実施例1および比較例2で得られた評価用電池に対して、サイクリックボルタンメトリ(CV)測定を行うことにより、金属Naに対する活物質のNa挿入脱離電位を算出した。測定条件は、電気化学測定装置システム(ソーラトロン社製、147055BEC型)を用い、電位範囲0.01V〜2.5V(vs Na/Na+)、掃引速度0.1mV/secとした。その結果を表2に示す。
2 … 負極活物質層
3 … 電解質層
4 … 正極集電体
5 … 負極集電体
6 … 電池ケース
10 … ナトリウムイオン電池
Claims (3)
- 層間距離d002が3.50Å〜3.77Åの範囲内であり、ラマン分光測定により求められるD/G比が0.80〜1.10の範囲内である炭素材料から構成されることを特徴とするナトリウムイオン電池用負極活物質。
- 層間距離d002が3.50Å以上であり、ラマン分光測定により求められるD/G比が0.80〜1.10の範囲内であり、金属Naに対するNa挿入脱離電位が0.30V以上である炭素材料から構成されることを特徴とするナトリウムイオン電池用負極活物質。
- 正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、前記正極活物質層および前記負極活物質層の間に形成された電解質層とを有するナトリウムイオン電池であって、
前記負極活物質が、請求項1または請求項2に記載のナトリウムイオン電池用負極活物質であることを特徴とするナトリウムイオン電池。
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