JP2008181732A - リチウムイオン二次電池とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大きな電池容量を有し、長期間に亘って電池容量を維持することができるリチウムイオン二次電池と、その製造方法を提供する。
【解決手段】 比表面積が30〜500m/gであってd002面の層間距離が0.35〜0.38nmの炭素材料を有する正極と、負極と、溶質として少なくともリチウム化合物を有する電解液を備えた電極体を用意する。リチウム化合物が電離して生じたアニオンを、炭素材料の層間に捕捉させ、炭素材料の比表面積を増加させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関する。特に、正極に炭素材料を使用するリチウムイオン二次電池とその製造方法に関する。
炭素材料と正極活物質と導電材を有する正極と、負極と、電解液を有するリチウムイオン二次電池が特許文献1に開示されている。リチウムイオン二次電池の出力を増大するためには、電気二重層容量を大きくするのが有利であることが知られている。電気二重層容量を大きくするためには、正極に用いる炭素材料の比表面積を大きくするのが有利であることも知られている。したがって、リチウムイオン二次電池では、出力を増大するために比表面積が大きい炭素材料を使用するのが有利であるというのが技術常識となっている。特許文献1では、比表面積が500m/g以上(好ましくは1500m/g以上と記載されている)の炭素材料を使用することによって、大きな電気二重層容量を獲得し、出力の増大を図っている。
特開2002−260634号公報
しかしながら、本発明者らの研究によって、比表面積が大きい炭素材料を使用すると、別の悪影響が生じることがわかってきた。
リチウムイオン二次電池の電解液中に水が混入すると、電解液と水が反応し、電池容量が低下してしまう。比表面積の大きい炭素材料は、細孔を多く有している。細孔は、水を吸着し易い。すなわち、比表面積の大きい炭素材料を使用すると、リチウムイオン二次電池内に水が混入し、リチウムイオン二次電池の電池容量を低下させてしまう。また、細孔に電解液が侵入すると、その細孔の内部で電解液が分解してしまうことがある。
比表面積の大きい炭素材料をリチウムイオン二次電池の正極材料として使用すると、良好な出力特性が得られるが、長期間に亘って観測すると、電池容量が大きく低下してしまう。
本発明では、良好な出力特性を有することと、長期間に亘って電池容量を維持することの両者を同時に満足するリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。また、その製造方法を提供することも目的とする。
本発明のリチウムイオン二次電池は、比表面積が30〜500m/gであって002面の層間距離が0.35〜0.38nmである炭素材料を有する正極と、負極と、少なくともリチウム化合物を含む電解液を備えており、リチウム化合物が電離して生じたアニオンを、炭素材料の層間に捕捉している。ここでいう「002面の層間距離」とは、X線回折によって測定される002面の面間隔のことをいう。
上記のリチウムイオン二次電池によると、良好な出力特性を得ることと、長期間に亘って電池容量を維持することの両者を同時に達成することができる。すなわち、比表面積が30〜500m/gの炭素材料を正極に使用しているため、リチウムイオン二次電池内に水が混入することを抑制できる。また、リチウム化合物は電解液中で電離する。炭素材料の002面の層間距離が0.35〜0.38nmの範囲内にあると、アニオンは、炭素材料の層間を広げる格好で層間に捕捉される。すなわち、アニオンを炭素材料の層間に捕捉することによって、炭素材料の比表面積を大きくすることができる。リチウムイオン二次電池の電池容量を大きくすることができる。なお、炭素材料の比表面積が30m/gよりも小さいと、アニオンを良好に捕捉することができない。炭素材料の比表面積が500m/gよりも大きいと、リチウムイオン二次電池内に水が混入しやすい。
本発明のリチウムイオン二次電池では、リチウム化合物がLiPFであることが好ましい。
上記のリチウムイオン二次電池によると、LiPFは、電解液内でLi(カチオン)とPF (アニオン)に電離する。電離することで発生するアニオン(PF )は、面間隔距離が0.35〜0.38nmの炭素材料の層間を広げる格好で層間に捕捉されやすい。
本発明のリチウムイオン二次電池は、良好な出力特性を有し、長期間に亘って電池容量を維持することができるため、様々な用途に利用することができる。例えば、電気自動車、ハイブリッドカー等の自動車に利用することができる。
本発明は、リチウムイオン二次電池の製造方法をも提供することができる。その製造方法は、比表面積が30〜500m/gであって002面の層間距離が0.35〜0.38nmである炭素材料を有する正極と、負極と、少なくともリチウム化合物を含む電解液を容器に収容して電池構造体を形成する工程と、リチウム化合物が電離して発生したアニオンを正極を形成している炭素材料の層間に捕捉する工程を有する。
上記の製造方法によると、電池容量が大きく、しかも電池容量を長期間に亘って維持できるリチウムイオン二次電池を製造することができる。比表面積の小さい(30〜500m/g)炭素材料を使用しているため、電池構造体を形成する工程で、電池構造体内に水が混入しにくくなる。すなわち、リチウムイオン二次電池を長期間に亘って使用しても電解液が分解される現象を抑制できる。また、電池構造体が形成されている状態で、アニオンを炭素材料の層間に捕捉するため、リチウムイオン二次電池内に混入する水を顕著に抑制しつつ、正極を形成する炭素材料の比表面積を大きくすることができる。
本発明の製造方法では、初回の充電時に、リチウムイオン二次電池の使用電圧以上の電圧で電池構造体を充電することによって、リチウム化合物が電離して発生したアニオンを炭素材料の層間に捕捉することが好ましい。
上記の製造方法によると、リチウム化合物が電離して発生したアニオンを炭素材料の層間に確実に捕捉することができる。アニオンが炭素材料の層間に捕捉されているか否かを判定することは困難である。しかしながら、電圧を印加したときに電池構造体に流れる電流を測定することによって、アニオンが炭素材料の層間の捕捉されたことを電気化学的に確認することができる。
上記製造方法では、初回の充電時の電位をリチウム金属に対して4.2〜4.4Vとすることが好ましい。ここで、「リチウム金属に対する電位」とは、正極とリチウム金属の間の電位差のことをいう。本明細書では、正極とリチウム金属の間の電位差を「リチウム金属に対する電位」と称し、正極と負極の間の電位差を、単に「電圧」と称する。正極を構成する材料及び/又は負極を構成する材料が変化すると、正極と負極の間の電位差が変化する。すなわち、同じ正極を使用しても、負極を構成する材料が変化すると、正極と負極の間の電圧が変化する。正極に特徴を有するリチウムイオン二次電池の特性を、電圧の関係で表現することができない。そこで、本明細書では、リチウムイオン二次電池の特性を正確に表現するために、「リチウム金属に対する電位」と、「電圧」を分けて表現する。
電池構造体にあまりに高い電圧を印加すると、リチウム化合物が電離して生じたアニオンが炭素材料の層間に捕捉されるだけでなく、炭素材料を分解してしまうことがある。また、高い電圧によって電解液が分解してしまうこともある。初回の充電時の電圧を上記範囲にすることによって、炭素材料の分解や電解液の分解を抑制するとともに、リチウムイオン二次電池の電池容量を大きくすることができる。
本発明によると、リチウムイオン二次電池の電池容量を大きくすることができる。また長期間に亘って電池容量を維持することができる。
実施例の主要な特長を列記する。
(第1特長)
易黒鉛化炭素(コークス、メソカーボン小球体、メソフェーズピッチ系炭素繊維、熱分解気相成長炭素繊維等)を600〜1400℃で焼成し、水酸化カリウムで賦活処理を実施することによって、正極に使用する炭素材料を製造する。
(第2特長)
エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)の比が3:7の溶媒と、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)の溶質(支持塩ともいう)を混合して電解液を製造する。
(炭素材料の評価)
比表面積400m/gであって002面の層間距離が0.36nmである炭素材料の層間に、リチウム化合物が電離して生じるアニオンを捕捉させる条件について実験を行った。
ECとEMCが3:7の溶媒とLiPFの支持塩を混合した電解液に、上記炭素材料からなる正極とリチウム金属からなる負極を浸漬した。正極と負極の間に電圧を印加し、両電極間に流れる電流の大きさを測定した。印加した電圧と測定した電流の関係を図1に示している。図1の縦軸は、炭素材料1gあたりの両電極間に流れる電流値(単位:μA/g)を示しており、横軸は、両電極間に印加した電圧(単位:V)を示している。ここでは、負極にリチウム金属を使用しているため、「リチウム金属に対する電位」と「電圧」が同一である。なお、図1の縦軸は、上記炭素材料を使用して製造したリチウムイオン二次電池を通常使用するときに流れる電流の大きさを引いた値を示している。すなわち、通常使用するときに流れる電流を超えて流れる電流(以後、賦活電流と称す)の大きさを示している。
図1から明らかなように、両電極間の電圧が4.1Vを超えると、賦活電流が流れ始めることが確認できる。賦活電流が流れていることより、両電極間に4.1Vを超える電圧を印加する前と比較して、正極の炭素材料の構造が変化していると推測できる。賦活電流の大きさは、電圧が4.4V付近で1度目のピークが見られる。電圧が4.4〜4.5Vの間、ほぼ一定の電流値を維持している。電圧が4.5Vを超えると、再び電流値が増加し始めて、4.6V付近で2度目のピークが見られる。
電圧が4.5V付近までは、LiPFが電離して生じたアニオン(PF )が炭素材料の層間に捕捉されることによって賦活電流が流れていると考えられる。電圧が4.5Vを超えると、炭素材料の層間にアニオンが捕捉されるだけでなく、炭素材料の構造が崩壊することによって電流が流れていると考えられる。すなわち、両電極間に、リチウム金属に対して4.1〜4.5Vの電圧を印加することによって、アニオンを炭素材料の層間に捕捉させることができると推測される。
以下に実施例について説明する。実施例では使用電圧がリチウム金属に対して4.2Vの電圧の電池構造体を作成し、その電池構造体に、リチウム金属に対して4.2〜4.5Vの電圧を印加してリチウムイオン二次電池を製造した。
(実施例1)
本実施例のリチウムイオン二次電池の製造方法について説明する。まず、正極の製造方法について説明する。
炭素材料18質量%と、ニッケル酸リチウム(LiNiO)80質量%と、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)1質量%と、カルボキシメチルセルロース(CMC)1質量%を秤量して混合し、その混合物に水を添加してペースト状にした。ここで、炭素材料は、比表面積400m/gであって002面の層間距離が0.36nmである炭素材料を使用した。
次いでアルミニウムの集電体を用意し、その集電体の両面にペーストを塗布した後、ペーストを乾燥させて正極を完成した。
次に、負極の製造方法について説明する。
粉末のグラファイトと、結着剤を混合してペースト状にした。次いで銅の集電体を用意し、その集電体の両面にペーストを塗布した後、ペーストを乾燥させて負極を完成した。
多孔質樹脂フィルムを介して正極と負極を対向させ、電極体を完成させた。次いで電極体と電解液を容器に収容した後、容器を密閉して電池構造体を形成した。電解液の溶媒は、ECとEMCの体積比が3:7である溶媒を使用し、電解液の支持塩は、LiPFを溶媒に対して1mol/L混合した。
電池構造体の電圧が4.1V(リチウム金属に対して4.2V)になるまで定電流で充電し、その後電圧4.1Vで2.5時間の間定電圧充電した。その後、電圧を4.3V(リチウム金属に対して4.4V)にし、電圧4.3Vで15分間定電圧充電してリチウムイオン二次電池を完成させた。
(実施例2)
実施例1の電池構造体を形成し、その電池構造体に電圧を印加した。本実施例では、実施例1と比較して、電池構造体に対して電圧を印加する方法のみが異なる。本実施例では、電池構造体の電圧が4.1V(リチウム金属に対して4.2V)になるまで定電流で充電し、その後電圧4.1Vで2.5時間定電圧充電した。その後、電圧を4.2V(リチウム金属に対して4.3V)にし、電圧4.2Vで15分間定電圧充電してリチウムイオン二次電池を完成させた。
(実施例3)
実施例1の電池構造体を形成し、その電池構造体に電圧を印加した。本実施例では、実施例1と比較して、電池構造体に対して電圧を印加する方法のみが異なる。本実施例では、電池構造体の電圧が4.1V(リチウム金属に対して4.2V)になるまで定電流で充電し、その後電圧4.1Vで2.5時間定電圧充電してリチウムイオン二次電池を完成させた。
(比較例1)
比表面積が400m/gであって002面の層間距離が0.33nmであるアセチレンブラック18質量%と、LiNiO80質量%と、PTFE1質量%と、CMC1質量%を秤量して混合し、その混合物に水を添加してペースト状にした。次に、アルミニウムの集電体を用意し、その集電体の両面にペーストを塗布した後、ペーストを乾燥させて正極を完成した。その後の工程は実施例1と同様にして、本比較例の電池構造体を形成した。
電池構造体の電圧が4.1V(リチウム金属に対して4.2V)になるまで定電流で充電し、その後電圧4.1Vで2.5時間定電圧充電してリチウムイオン二次電池を完成させた。
(比較例2)
実施例1の電池構造体を形成し、その電池構造体に電圧を印加した。本比較例では、実施例1と比較して、電池構造体に対して電圧を印加する方法のみが異なる。本比較例では、電池構造体の電圧が4.1V(リチウム金属に対して4.2V)になるまで定電流で充電し、その後電圧4.1Vで2.5時間定電圧充電した。その後、電圧を4.4V(リチウム金属に対して4.5V)にし、電圧4.4Vで15分間定電圧充電してリチウムイオン二次電池を完成させた。
(放電試験)
実施例1〜3、比較例1,2のリチウムイオン二次電池について、放電試験を実施した。放電試験は、各々のリチウムイオン二次電池を4.1Vになるまで定電流で充電し、その後電圧4.1Vで2.5時間定電圧充電した。次いで電圧が3.0Vとなるまで定電流で放電した。放電時の容量を測定して放電容量とした。結果を表1に示す。
Figure 2008181732
表1から明らかなように、実施例1,2,3のリチウムイオン二次電池は、比較例1のリチウムイオン二次電池よりも放電容量が大きくなっている(良好な出力特性が得られている)ことが分かる。すなわち、正極に比表面積400m/gであってd002面の面間隔距離が0.35〜0.38nmである炭素材料を添加することによって、正極の炭素材料にアニオンが捕捉される。初回の充電時に負極の表面に形成される被膜(SEIとも呼ばれる)に電荷が消費されることを抑制し、電池の不可逆容量が小さくなることを示している。特に、初回の充電時にリチウムイオン二次電池が使用される電圧(4.2V)以上の電圧で充電することによって、リチウムイオン二次電池の電池容量(放電容量)が大きくなる。すなわち、リチウム化合物(LiPF)が電離して生じたアニオン(PF )を、炭素材料の層間に捕捉することによって、リチウムイオン二次電池の電池容量が大きくなっていることを示している。比較例2に示しているように、初回の充電時に電池構造体に、4.4Vの電圧(リチウム金属に対して4.5V)を印加すると、リチウムイオン二次電池の電池容量が小さくなってしまう。電池構造体に4.4Vの電圧を印加すると、炭素材料の層間に捕捉されるアニオンが多くなり、上述したように、炭素材料の構造が崩壊することを示している。
(出力試験)
実施例1,2,3、比較例1,2のリチウムイオン二次電池について、短時間の出力試験を行った。出力試験は、各々のリチウムイオン二次電池を常温(25℃)雰囲気で4.1Vになるまで定電流で充電し、その後電圧4.1Vで2.5時間定電圧充電した。次いで−30℃雰囲気で2秒間放電可能な最大の出力(W)を測定した。出力が大きいほど、低温環境でリチウムイオン二次電池の出力特性が良好であることを示している。換言すると、出力が大きいほど、低温環境でパワーのあるリチウムイオン二次電池である。
実施例1,2,3に示しているように、電池構造体にリチウム金属に対して電圧4.2〜4.4Vを印加することによって、比較例1よりも大きな出力値が得られている。すなわち、低温でのリチウムイオン二次電池の出力が大きくなっていることが分かる。比較例2に示しているように、初回の充電時に4.4Vの電圧(リチウム金属に対して4.5V)を印加すると、リチウムイオン二次電池の出力特性が小さくなってしまう。電池構造体に4.4Vの電圧を印加すると、炭素材料の層間に捕捉されるアニオンが多くなり、炭素材料の構造が崩壊することを示している。
放電容量試験、出力試験の結果より、リチウムイオン二次電池が使用される電圧がリチウム金属に対して4.2Vであり、初回の充電時の電圧がリチウム金属に対して4.2〜4.4Vであることによって、大きな電池容量を有することと、長期間に亘って電池容量を維持することの両者を同時に満足することができる。さらに、低温環境でパワーのあるリチウムイオン二次電池が得られる。
特に、初回の充電時の電圧がリチウム金属に対して4.3〜4.4Vであることが好ましい。実施例1(リチウム金属に対して4.4Vの電圧を印加)、実施例2(リチウム金属に対して4.3Vの電圧を印加)に示しているように、リチウムイオン二次電池の放電容量が大きく、出力特性が顕著に改善されたリチウムイオン二次電池を製造することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
上記実施例では、電解液の支持塩がLiPFの場合について示している。しかしながら、支持塩として、LiPF以外にもLiClO,LiBF,LiAsF,LiCFSO,LiN(CFSO等を使用することができる。すなわち、電解液がリチウム化合物を含むように支持塩を選択すればよい。
また、上記実施例では、電解液の溶媒がECとEMCの比が3:7の場合について示している。しかしながら、溶媒は上記実施例に限定されない。例えば、プロピレンカーボネート(PC),ジメチルカーボネート(DMC),ジエチルカーボネート(DEC)等を使用することができる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
炭素材料と金属電極の間の電流−電圧の関係を示す。

Claims (6)

  1. 比表面積が30〜500m/gであって002面の層間距離が0.35〜0.38nmである炭素材料を有する正極と、負極と、少なくともリチウム化合物を含む電解液を備えており、
    リチウム化合物が電離して生じたアニオンを、炭素材料の層間に捕捉しているリチウムイオン二次電池。
  2. リチウム化合物がLiPFであることを特徴とする請求項1のリチウムイオン二次電池。
  3. 請求項1又は2のリチウムイオン二次電池を搭載している自動車。
  4. 比表面積が30〜500m/gであって002面の層間距離が0.35〜0.38nmである炭素材料を有する正極と、負極と、少なくともリチウム化合物を含む電解液を容器に収容して電池構造体を形成する工程と、
    リチウム化合物が電離して生じたアニオンを正極を形成している炭素材料の層間に捕捉する工程と、
    を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法。
  5. 初回の充電時に、リチウムイオン二次電池の使用電圧以上の電圧で電池構造体を充電することによって、リチウム化合物が電離して生じたアニオンを、正極を形成している炭素材料の層間に捕捉することを特徴とする請求項4の製造方法。
  6. リチウムイオン二次電池の使用電圧がリチウム金属に対して3.0〜4.2Vであり、初回の充電電位がリチウム金属に対して4.2〜4.4Vであることを特徴とする請求項5の製造方法。
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