JP2008071860A - 電気化学キャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】電気自動車(EV)用電源では、正極の過充電が生じやすくなる。そこで、本発明は、高出力で、低コストで、しかも充放電サイクルにともなう過充電を著しく抑制した電気化学キャパシタを提供する。
【解決手段】電気化学キャパシタにおいて、多孔性炭素と黒鉛系炭素とを含む正極と、多孔性炭素を含む負極と、非水電解液とを備えることを特徴とする。なお、正極に含まれる多孔性炭素と黒鉛系炭素との合計に対する黒鉛系炭素の割合は5質量%以上、30質量%以下であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、出力特性および過充電性能に優れた電気化学キャパシタに関する。
電気化学キャパシタとは、電気化学的な界面現象を電荷蓄積機構に利用した蓄電デバイスの総称であり、二次電池と比較して、高出力および長寿命であることを特長としている。この電気化学キャパシタは、分極性電極である活性炭とイオン伝導性の電解液の界面に形成される電気二重層に電荷を蓄積する電気二重層キャパシタと、活物質の酸化・還元反応による疑似容量を用いるレドックスキャパシタとに大別することができる。
そのなかでも、現在は、正・負極の電極活物質に活性炭を、電解質に水または非水電解液を用いた電気二重層キャパシタの普及が進んでおり、その具体的な用途としては、主としてバックアップ電源および簡易タイマー用電源などの小型電源が挙げられる。さらに、将来的には、高出力を生かした中・大型用途、特に移動用電源の用途が期待されるが、この用途には、高出力、長寿命だけでなく、高エネルギー密度も要求される。
近年、高エネルギー密度を達成する蓄電デバイスとして、電気二重層キャパシタにリチウム二次電池用活物質を取り入れた蓄電デバイスが報告されている。
特許文献1には、電気二重層キャパシタの電極材料として、導電性多孔質炭素材が開示されている。この導電性多孔質炭素材は、導電性と多孔質特性の双方にすぐれており、比表面積が100m/g以上、平均細孔径が40オングストローム以上、結晶性を表すX回折のd002が3.42以下であることが記載さている。そして、電気二重層キャパシタの電極に用いた場合、電極性能を大幅に向上する上で優れた効果を有することが記載されている。
特許文献2には、リチウムイオン電池用負極として、天然黒鉛と多孔質炭素とを混合して用いる技術が開示されているが、多孔質炭素粉末を天然黒鉛に対して0.01〜2重量%添加しており、大部分が天然黒鉛で構成されているものであった。
特許文献3には、正極活物質としてのLiCoO等を含む正極合剤に、天然黒鉛等の炭素質化合物を含み、負極活物質にリチウム、リチウム合金、天然黒鉛等を用いた、過充電に対する安全性の高い非水二次電池が開示されている。
特許文献4には、正極活物質(LiNi1/3Mn1/3Co1/3)と導電助剤(黒鉛質炭素+カーボンブラック)と結着材(ポリフッ化ビニリデン)とからなる正極合剤の表面に、活性炭とカーボンブラックとポリフッ化ビニリデンを含むスラリーを塗布することにより、電気二重層キャパシタのエネルギー密度を高める技術が開示されている。
特許文献5には、正極活物質に黒鉛粉末、負極活物質にリチウム、リチウム合金、天然黒鉛等のリチウムの吸蔵・放出が可能な材料を用いた非水電解質二次電池が開示されている。これは、キャパシタと電池との中間的特性を示す蓄電デバイスである。
特開平05−139712号公報 特開平10−275615号公報 特開平08−162185号公報 特開2006−172775号公報 WO2004/034491号公報
特許文献1で開示された導電性多孔質炭素材は、黒鉛性と多孔性を備えた単一物質であり、黒鉛の含有割合についての記載はなく、黒鉛の含有割の最適範囲は不明であった。また、具体的に電気二重層キャパシタの電極に用いた例や、その特性については明らかにされていない。
また、特許文献2および特許文献3は、非水系電解質二次電池に関するものであり、電気化学キャパシタの電極としての特性は不明であった。また、特許文献4では、正極の主成分がリチウム複合酸化物であり、黒鉛質炭素やカーボンブラックや活性炭の含有量は少なかった。
さらに、特許文献5に記載の蓄電デバイスの正極反応は、アニオンの挿入・脱離反応であり、この反応は活物質に活性炭を用いたアニオンの吸着・脱離反応と比較して反応速度が遅いため、出力性能が低下することが問題であった。
さらに、この問題を回避するために正極活物質に活性炭を用いる場合、充放電サイクルの経過にしたがって、セル電圧の増大にともなう過充電が生じる危険性が問題であった。この過充電は、上述の移動用電源、特に、電気自動車(EV)用電源の用途の場合、注意を払う必要がある。なぜなら、この用途では、1〜30秒程度の急速な充放電および60万回以上の充放電サイクルがおこなわれるので、正極の充放電容量の均衡がずれることによって、充電時の正極の電位が貴な値に変化し、正極の過充電が生じやすくなるためである。
このような過充電を抑制するために、電圧制御装置を付属するなどの工夫がなされてきたが、コストが高くなるという新たな問題が生じた。
本発明の目的は、高出力および低コストで、しかも充放電サイクルにともなう過充電を著しく抑制した電気化学キャパシタを提供することにある。
請求項1の発明は、電気化学キャパシタにおいて、多孔性炭素と黒鉛系炭素とを含む正極と、多孔性炭素を含む負極と、非水電解液とを備えたことを特徴とする。
本発明によって、低コストでありながら、高出力であり、充放電サイクルにともなう電極の過充電を抑制した電気化学キャパシタを提供することができる。
本発明において、正極活物質に黒鉛系炭素を添加することによって、正極の充放電時の電位を示す充放電曲線上にプラトー領域(約4.5Vvs.Li/Li)が発現し、その結果、電気化学キャパシタの充電時に、正極の電位がこのプラトー電位(約4.5Vvs.Li/Li)以上にはならないため、正極の過充電が抑制される。
本発明は、電気化学キャパシタの正極活物質に黒鉛系炭素を添加することによって、そのキャパシタの高出力を維持するとともに、過充電特性を向上できることを見いだしたことによっなされた。
すなわち、本発明は、電気化学キャパシタにおいて、多孔性炭素と黒鉛系炭素とを含む正極と、多孔性炭素を含む負極と、非水電解液とを備えたことを特徴とするものである。
本発明において「黒鉛系炭素」とは、(002)面の層間距離が0.3354nm以上、0.3390nm以下であり、かつ、アニオンの吸蔵・放出量が0.0005mol/g以上である炭素を意味する。黒鉛系炭素のアニオンの吸蔵・放出量が0.0005mol/gより小さい場合、過充電防止の効果がほとんど現れないので好ましくないためである。本発明の黒鉛系炭素を合成するにあたっては、上述の条件を満たしていれば製造方法は特に限定されるものではない。
この黒鉛系炭素を正極に用いることによって、正極の充放電時の電位を示す充放電曲線上にプラトー領域(約4.5Vvs.Li/Li)が発現する。その結果、電気化学キャパシタの充電時に、正極の電位がこのプラトー電位(約4.5Vvs.Li/Li)以上にはならず、正極の過充電を防止することができる。
本発明の電気化学キャパシタの正極に含まれる多孔性炭素と黒鉛系炭素との合計に対する黒鉛系炭素の割合は5質量%以上、30質量%以下とすることが好ましい。この割合が5質量%よりも小さい場合には過充電防止の効果が小さく、30質量%を越える場合には、正極活物質の導電率が低下することによって、出力特性が低下するとともに、過電圧が増大するからである。
なぜならば、正極に黒鉛系炭素が含まれている場合、その黒鉛が容量を発現するメカニズムは、多孔性炭素の場合(イオンの吸・脱着によるもの)とは異なり、黒鉛の六角網平面の層間にアニオンがインターカレーション・デインターカレーションによるものであり、その容量発現メカニズムは、多孔性炭素の場合よりも反応速度が遅いためである。
本発明において「多孔性炭素」とは、大きな比表面積と吸着能をもつ、多孔質な炭素であり、木炭、ヤシがら、石炭チャーなどの原料を十分炭化したのち、水蒸気による高温処理などで賦活して製造されるものであり、比表面積が800m/g以上のものである。
黒鉛系炭素を多孔性炭素に添加する方法としては、正極作製時に、黒鉛系炭素を単に多孔性炭素と物理的に混合する手法、多孔性炭素に黒鉛系炭素を被覆する手法または正極活物質合成時に多孔性炭素と黒鉛系炭素を混合する方法が有効である。
本発明の正極および負極に用いられる結着剤としては、特に制限はなく、種々の材料を適宜使用できる。たとえば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)あるいはカルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、カルボキシ変成ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルメタクリレート、ニトロセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレンまたはこれらの誘導体などからなる群から選択される少なくとも1種を使用することができる。
正極および負極には必要に応じて導電助剤を添加することもできる。その導電助剤としては特に制限はなく、種々の材料を適宜使用できる。例えば、Ni、Ti、Al、Feまたはこれらの二種以上の合金もしくは炭素材料が挙げられる。なかでも、炭素材料を用いることが好ましい。炭素材料としては、気相成長炭素繊維、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ニードルコークスなどの無定形炭素が挙げられる。
正極活物質、導電剤および結着剤を混合する際に用いる溶媒としては非水溶媒または水溶液を用いることができる。非水溶媒には、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。また、これらに分散剤、増粘剤などを加えてもよい。
本発明に用いる電極の集電体基板としては、アルミニウム、鉄、銅、ニッケル、SUSを用いることができる。中でも、有機溶媒中での安定性がよいことから、アルミニウム、SUSおよびニッケルが好ましい。また、その形状としては、シート、発泡体、焼結多孔体、エキスパンド格子などが挙げられる。さらに、その集電体に任意の形状で穴を開けたものも用いることができる。
本発明の電気化学キャパシタに用いる電解液の有機溶媒としては、特に制限はなく、種々の材料を適宜使用できる。例えば、エーテル類、ケトン類、ラクトン類、ニトリル類、アミン類、アミド類、硫黄化合物、ハロゲン化炭化水素類、エステル類、カーボネート類、ニトロ化合物、リン酸エステル系化合物、スルホラン系炭化水素類などを用いることができるが、これらのうちでもエーテル類、ケトン類、エステル類、ラクトン類、ハロゲン化炭化水素類、カーボネート類、スルホラン系炭化水素類が好ましい。
さらに、これらの例としては、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン、アニソール、モノグライム、4−メチル−2−ペンタノン、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、1,2−ジクロロエタン、γ−ブチロラクトン(γ−BL)、γ−バレロラクトン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メチルフォルメイト、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート、メチルプロピルカーボネート(MPC)、エチルプロピルカーボネート(EPC)、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルチオホルムアミド、スルホラン、3−メチル−スルホラン、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、およびホスファゼン誘導体およびこれらの混合溶媒などを挙げることができる。なかでも、MEC、PC、EC、γ−BL、DMCおよびDECを単独でまたは2種以上を混合して使用することが好ましい。
また、本発明の電気化学キャパシタに用いる溶質としては、特に制限はなく、種々の溶質を適宜使用できる。例えば、LiClO、LiBF、LiAsF、LiPF、LiPF(CF、LiPF(CF、LiPF(CF、LiPF(CF、LiPF(CF)、LiPF(C、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiN(CCO)、LiI、LiAlCl、LiBCなどを単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。なかでもイオン伝導性が良好であるとともに、正極のアニオン挿入・脱離量が大きいことから、LiPFを使用することが好ましい。さらに、これらのリチウム塩濃度は0.5〜2.0mol/dmとするのが好ましい。
また、電解質中にビニレンカーボネートやブチレンカーボネートなどのカーボネート類、ビフェニル、シクロヘキシルベンゼンなどのベンゼン類、プロパンスルトンなどの硫黄類、エチレンサルファイド、フッ化水素、トリアゾール系環状化合物、フッ素含有エステル類、テトラエチルアンモニウムフルオライドのフッ化水素錯体またはこれらの誘導体、ホスファゼンおよびその誘導体、アミド基含有化合物、イミノ基含有化合物、または窒素含有化合物からなる群から選択される少なくとも1種を含有しても使用できる。また、CO、NO、CO、SOなどから選択される少なくとも1種を含有しても使用できる。
本発明の電気化学キャパシタに用いるセパレータとしては、特に制限はなく、種々の材料を適宜使用できる。例えば、織布、不織布、合成樹脂微多孔膜などが挙げられ、なかでも、合成樹脂微多孔膜が好ましい。合成樹脂微多孔膜の材質としては、ナイロン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデン、およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンなどのポリオレフィンが用いられ、なかでもポリエチレンおよびポリプロピレン製微多孔膜、またはこれらを複合した微多孔膜などのポリオレフィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗などの面で好ましい。
また、材料、重量平均分子量や空孔率の異なる複数の微多孔膜が積層してなるものや、これらの微多孔膜に各種の可塑剤、酸化防止剤、難燃剤などの添加剤を適量含有しているものを使用することができる。
また、上記電解質には固体またはゲル状のイオン伝導性電解質を単独または組み合わせて使用することができる。組み合わせる場合、電気化学キャパシタの構成としては、正極、負極およびセパレータと有機または無機の固体電解質と上記非水電解液との組み合わせ、または正極、負極およびセパレータとしての有機または無機の固体電解質膜と上記非水電解液との組み合わせが挙げられる。
また、電気化学キャパシタの形状は特に限定されるものではなく、本発明は、角形、楕円形、円筒形、コイン形、ボタン形、シート形のキャパシタまたは電池などの様々な形状として適用可能である。
つぎに、本発明の好適な実施例について説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1〜11および比較例1]
[実施例1]
まず、(002)面の層間距離が0.3366nmである黒鉛と、比表面積1496m/gの多孔性炭素とを、質量比5:95の割合で混合して正極活物質とした。つぎに、この正極活物質と、アセチレンブラック(導電助剤)と、PVdF(結着剤)とを、質量比80:5:15の割合で混合し、NMPを加えて十分混練して正極ペーストを作製した。この正極ペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔上に塗布し、150℃で真空乾燥することにより、NMPおよび水分を蒸発させた。その後、ロールプレスで圧縮成形した。このようにして、片面に正極合剤層を備えた正極(a)を製作した。なお、この正極(a)の電極寸法は30mm×40mmとした。
一方、比表面積1500m/gの多孔性炭素、アセチレンブラック(導電助剤)およびPVdF(結着剤)を質量比80:5:15の割合で混合し、NMPを加えて十分混練して負極ペーストを作製した。この負極ペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔に塗布し、150℃で真空乾燥することにより、NMPおよび水分を蒸発させた。その後、ロールプレスで圧縮成型した。このようにして、片面に負極合剤層を備えた負極を製作した。なお、この負極の電極寸法は30mm×40mmとした。
このようにして準備した1枚の正極および1枚の負極を、厚さ27μm、多孔度50%の連通多孔体であるポリエチレンセパレータを間に挟んで重ねて巻き、ラミネートセルを組み立てた。最後に、このラミネートセルの内部に非水電解液を注入し、実施例1の単セル(A1)を得た。
この非水電解液には、エチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)との体積比が3:7である混合溶媒に1.2mol/dmのLiPFを溶解したものを用いた。
[実施例2]
黒鉛と多孔性炭素との質量比を1:99としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の単セル(A2)を得た。
[実施例3]
黒鉛と多孔性炭素との質量比を3:97としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の単セル(A3)を得た。
[実施例4]
黒鉛と多孔性炭素との質量比を10:90としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の単セル(A4)を得た。
[実施例5]
黒鉛と多孔性炭素との質量比を15:85としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例5の単セル(A5)を得た。
[実施例6]
黒鉛と多孔性炭素との質量比を20:80としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例6の単セル(A6)を得た。
[実施例7]
黒鉛と多孔性炭素との質量比を25:75としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例7の単セル(A7)を得た。
[実施例8]
黒鉛と多孔性炭素との質量比を30:70としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例8の単セル(A8)を得た。
[実施例9]
黒鉛と多孔性炭素との質量比を35:65としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例9の単セル(A9)を得た。
[実施例10]
黒鉛と多孔性炭素との質量比を40:60としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例10の単セル(A10)を得た。
[実施例11]
黒鉛と多孔性炭素との質量比を50:50としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例11の単セル(A11)を得た。
[比較例1]
正極活物質に多孔性炭素のみを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の正極(b)および単セル(B1)を得た。
実施例1〜11よび比較例1で作製した単セルの正極組成を表1にまとめた。
Figure 2008071860
実施例1で作製した正極(a)および比較例1で作製した正極(b)を作用極に、金属リチウムを参照極および対極に、1.2mol/dmのLiPFが溶解したEC:DEC=3:7(体積比)の溶液を電解液に用いた三極式ガラスセルを製作し、充放電試験を実施した。その試験の条件としては25℃、電流0.5mA/cmの定電流密度で正極電位が4.9Vvs.Li/Liになるまで充電をおこない、その後同じ電流密度で3.0Vvs.Li/Liまで放電をおこなった。
各セルの作用極の充電曲線、つまり、正極aおよび正極bの充電曲線を図1に示す。図1から、比較例1の多孔性炭素100%の正極(b)と比較して、実施例1の黒鉛系炭素を10質量%を含む正極(a)は、約4.5Vvs.Li/Li以上の領域において充電電気量が増大し、充電曲線の傾きが小さくなることが確認できた。この充電電気量の増大によって、過充電が抑制されるものと考えられる。
実施例1〜11の単セル(A1〜A11)および比較例1の単セル(B1)を充放電装置に取り付け、25℃において、6CmAの電流でセル電圧3.25Vまで充電した後、12CmAの電流でDOD50%の条件で放電した。この充放電過程を1サイクルとし、1000サイクルの充放電試験をおこなった。
その後、上述と同じ条件で充電し、充電状態とした単セルを充放電装置から取り外したのち、金属ヤスリを用いて単セル容器の片側側面を開封した。つぎに、その単セルを50mlの電解液を満たしたガラスビーカー内に完全に浸漬させ、さらに、その電解液に金属リチウム正の参照極を浸漬することによって、サイクル試験後の正極の充電電位を測定した。測定結果を表1にまとめた。
また、正極活物質中における黒鉛の混合割合と、1000回のサイクル試験後の正極の充電電位との関係を図2に示す。図2から、正極活物質中に黒鉛を含む場合のサイクル試験後の正極充電電位は、初期の値(4.7Vvs.Li/Li)からシフトする場合も見られたが、正極活物質中に黒鉛を含まない場合の(5.0Vvs.Li/Li)よりも低い値となり、過充電が抑制されていることがわかった。
また、図2から、黒鉛の混合比率が3質量%以下の場合、サイクル試験後の正極充電電位は初期の値(4.7Vvs.Li/Li)と比較して貴な値にシフトしているが、5質量%以上、30質量%以下の場合、その電位は変化せず、さらに35質量%以上では卑な値にシフトすることがわかった。
これは、正極活物質中の黒鉛の混合割合が3質量%以下の場合は、正極の過充電抑制の効果が弱いので、正極電位が卑な値にシフトし、35質量%以上の場合は、アニオン挿入・脱離の反応速度が遅い黒鉛が多くなることによって、正極のレート性能が低下して正極放電時の過電圧が大きく増大し、その結果、正極と負極との容量バランスが崩れ、充放電サイクルの進行とともに正極の充電電位が卑な値にシフトすることを意味すると考えられる。正極の充電電位が卑な値にシフトする場合、負極の充電電位も卑な値にシフトする、つまり、負極が過充電されることを意味している。
一方、正極活物質中の黒鉛の混合割合が5質量%以上、30質量%以下の場合、サイクル試験後の正極充電電位に変化がないことから、過充電がほとんど見られなかった。この結果から、正極活物質中の黒鉛の混合割合は、5質量%以上、30質量%以下の範囲とすることが好ましいことがわかった。
[実施例12〜15]
[実施例12]
層間距離d=3.350の黒鉛を用い、その黒鉛と多孔性炭素との質量比を20:80としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例12の単セル(A12)を得た。
[実施例13]
層間距離d=3.373の黒鉛を用いたこと以外は実施例12と同様にして、実施例13の単セル(A13)を得た。
[実施例14]
層間距離d=3.382の黒鉛を用いたこと以外は実施例12と同様にして、実施例14の単セル(A14)を得た。
[実施例15]
層間距離d=3.397の黒鉛を用いたこと以外は実施例12と同様にして、実施例15の単セル(A15)を得た。
実施例12〜15の単セルA12〜A15を充放電装置に取り付け、実施例1と同様の条件で1000サイクルの充放電試験をおこなった。その後、実施例1と同様にしてサイクル試験後の正極の充電電位を測定した。測定結果を表2にまとめた。
Figure 2008071860
表2の結果から、正極に用いる黒鉛の種類を変えた場合でも、サイクル試験後の正極充電電位に変化がなく、過充電が抑制されていることがわかった。
[実施例16〜19]
(多孔性炭素の比表面積を変えるなど、多孔性炭素の種類を変えた実施例)
[実施例16]
比表面積1989m/gの多孔性炭素を用い、黒鉛と多孔性炭素との質量比を20:80としたこと以外は実施例1と同様にして、実施例16の単セル(A16)を得た。
[実施例17]
比表面積1920m/gの多孔性炭素を用いたこと以外は実施例16と同様にして、実施例17の単セル(A17)を得た。
[実施例18]
比表面積1684m/gの多孔性炭素を用いたこと以外は実施例16と同様にして、実施例18の単セル(A18)を得た。
[実施例19]
比表面積1464m/gの多孔性炭素を用いたこと以外は実施例16と同様にして、実施例19の単セル(A19)を得た。
実施例16〜19の単セルA16〜A19を充放電装置に取り付け、実施例1と同様の条件で1000サイクルの充放電試験をおこなった。その後、実施例1と同様にしてサイクル試験後の正極の充電電位を測定した。測定結果を表3にまとめた。
Figure 2008071860
表3の結果から、正極に用いる多孔性炭素の種類を変えた場合でも、サイクル試験後の正極充電電位に変化がなく、過充電が抑制されていることがわかった。
本発明の実施例1の正極aおよび比較例1の正極bの充電挙動を示す図。 正極活物質中における黒鉛の混合割合とサイクル試験後の正極の充電電位との関係を示す図。
符号の説明
a 実施例1の正極の充電挙動
b 比較例1の正極の充電挙動

Claims (1)

  1. 多孔性炭素および黒鉛系炭素を含む正極と、多孔性炭素を含む負極と、非水電解液とを備えたことを特徴とする電気化学キャパシタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103474250A (zh) * 2012-06-08 2013-12-25 海洋王照明科技股份有限公司 一种超级电容器及其制备方法
US9831521B2 (en) 2012-12-28 2017-11-28 Ricoh Company, Ltd. Nonaqueous electrolytic storage element

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