JP2014076142A - ゴルフクラブ用シャフト - Google Patents

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Abstract

【課題】適度な剛性が得られ且つ衝撃強度を高めうるゴルフクラブシャフトの提供。
【解決手段】シャフト6は、シャフト長手方向の全体に亘って配置された全長層s3、s4、s7、s8及びs9と、シャフトの先端部に配置された先端部分層s1、s2、s10、s11及びs12とを有している。上記全長層が、バイアス層s3、s4とストレート層s8、s9とを含んでいる。上記先端部分層が、内側ガラス繊維強化層s1と、この内側ガラス繊維強化層s1よりも外側に配置された外側低弾性炭素繊維強化層s10又は外側ガラス繊維強化層s10を含んでいる。上記低弾性炭素繊維の引張弾性率が22ton/mm以下である。このシャフト6では、46インチ換算でのシャフト重量が55g以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、ゴルフクラブ用シャフトに関する。
ゴルフクラブ用シャフトとして、いわゆるカーボンシャフトが知られている。このカーボンシャフトの製造方法として、シートワインディング製法が知られている。このシートワインディング製法では、プリプレグをマンドレルに巻き付けることにより、積層構造が得られる。
プリプレグは、樹脂と繊維とを含む。プリプレグには多くの種類がある。樹脂含有率が異なる複数のプリプレグが知られている。なお本願では、プリプレグを、プリプレグシート又はシートともいう。
このシートワインディング製法では、シートの種類、シートの配置及び繊維の配向が選択されうる。
特許第3317619号公報には、細径側部分に補強層が配置されたシャフトが開示されている。この補強層に含まれる炭素繊維の弾性率は、5〜150GPaである。
特開2004−81230号公報には、中弾性高強度炭素繊維強化樹脂シートと、低弾性炭素繊維強化樹脂シートとが、シャフトのTIP側補強に用いられているシャフトが開示されている。低弾性炭素繊維強化樹脂シートの強化繊維は、引張弾性率が5〜10ton/mmであり、圧縮破断ひずみが2.0%以上である。低弾性炭素繊維強化樹脂シートは、中弾性高強度炭素繊維強化樹脂シートよりも外層側に配置されている。
特許第4157357号公報では、PAN系炭素繊維とピッチ系低弾性繊維とを有する複合プリプレグが用いられている。この複合プリプレグにおいて、PAN系炭素繊維の弾性率は200GPa以上500GPa以下とされており、ピッチ系低弾性繊維の弾性率は45GPa以上160GPa以下とされている。
特開平10−329247号公報は、補強繊維と樹脂とからなる内層の外側に、ガラス繊維と樹脂とからなる外層が積層された管状体を開示する。この外層の厚みは、管状体の全厚みの5〜35%である。
特許第3317619号公報 特開2004−81230号公報 特許第4157357号公報 特開平10−329247号公報
衝撃強度が高いシャフトが好ましい。また、シャフトには、適度が剛性が求められる。これらを達成しうる新たな積層構造が判明した。
本発明の目的は、適度な剛性が得られ且つ衝撃強度を高めうるゴルフクラブシャフトの提供にある。
本発明のゴルフクラブ用シャフトは、シャフト長手方向の全体に亘って配置された全長層と、シャフトの先端部に配置された先端部分層とを有している。上記全長層は、バイアス層とストレート層とを含んでいる。上記先端部分層は、内側ガラス繊維強化層と、この内側ガラス繊維強化層よりも外側に配置された外側低弾性炭素繊維強化層又は外側ガラス繊維強化層を含んでいる。上記低弾性炭素繊維の引張弾性率が22ton/mm以下である。このシャフトは、46インチ換算でのシャフト重量が55g以下である。
好ましくは、上記内側ガラス繊維強化層が、上記バイアス層よりも内側に位置する。
好ましくは、上記内側ガラス繊維強化層が最内層である。
好ましくは、上記外側低弾性炭素繊維強化層又は外側ガラス繊維強化層が、全ての上記全長層よりも外側に位置する。
好ましくは、上記低弾性炭素繊維がピッチ系炭素繊維である。
好ましくは、上記低弾性炭素繊維の引張弾性率が10ton/mm以上である。
適度な剛性を有し強度に優れたゴルフクラブシャフトが得られうる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るシャフトを備えたゴルフクラブを示す。 図2は、第1実施形態のシャフトの展開図である。 図3は、衝撃吸収エネルギーの測定方法を示す概略図である。 図4は、衝撃吸収エネルギーの計測の際に得られる波形の一例を示すグラフである。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
なお本願では、「層」という文言と、「シート」という文言とが用いられる。「層」は、巻回された後における称呼であり、これに対して「シート」は、巻回される前における称呼である。「層」は、「シート」が巻回されることによって形成される。即ち、巻回された「シート」が、「層」を形成する。
本願において「内側」とは、シャフト半径方向における内側を意味する。本願において「外側」とは、シャフト半径方向における外側を意味する。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフクラブシャフト6を備えたゴルフクラブ2の全体図である。ゴルフクラブ2は、ヘッド4と、シャフト6と、グリップ8とを備えている。シャフト6の先端部に、ヘッド4が設けられている。シャフト6の後端部に、グリップ8が設けられている。なおヘッド4及びグリップ8は限定されない。ヘッド4として、ウッド型ゴルフクラブヘッド、アイアン型ゴルフクラブヘッド、パターヘッド等が例示される。図1の実施形態は、ウッド型ゴルフクラブヘッドが用いられている。
シャフト6は、繊維強化樹脂層の積層体からなる。シャフト6は、管状体である。図示されないが、シャフト6は中空構造を有する。図1が示すように、シャフト6は、チップTpとバットBtとを有する。チップTpは、ヘッド4の内部に位置している。バットBtは、グリップ8の内部に位置している。
シャフト6は、いわゆるカーボンシャフトである。ただし、後述されるように、このシャフトは、強化繊維として、ガラス繊維を含む層を有する。
好ましくは、シャフト6は、プリプレグシートを硬化させてなる。このプリプレグシートでは、繊維は実質的に一方向に配向している。このように繊維が実質的に一方向に配向したプリプレグは、UDプリプレグとも称される。「UD」とは、ユニディレクションの略である。UDプリプレグ以外のプリプレグが用いられても良い。例えば、プリプレグシートに含まれる繊維が編まれていてもよい。
プリプレグシートは、繊維と樹脂とを有している。この樹脂は、マトリクス樹脂とも称される。典型的には、この繊維は炭素繊維である。典型的には、このマトリクス樹脂は、熱硬化性樹脂である。
シャフト6は、いわゆるシートワインディング製法により製造されている。プリプレグにおいて、マトリクス樹脂は、半硬化状態にある。シャフト6は、プリプレグシートが巻回され且つ硬化されてなる。この硬化とは、半硬化状態のマトリクス樹脂を硬化させることである。この硬化は、加熱により達成される。シャフト6の製造工程には、加熱工程が含まれる。この加熱工程により、プリプレグシートのマトリクス樹脂が硬化する。
図2は、シャフト6を構成するプリプレグシートの展開図(シート構成図)である。シャフト6は、複数枚のシートにより構成されている。図2の実施形態では、シャフト6は、第1シートs1から第12シートs12までの12枚のシートにより構成されている。本願において、図2等で示される展開図は、シャフトを構成するシートを、シャフトの半径方向内側から順に示している。展開図において上側に位置しているシートから順に巻回される。本願の展開図において、図面の左右方向は、シャフト軸方向と一致する。本願の展開図において、図面の右側は、シャフトのチップTp側である。本願の展開図において、図面の左側は、シャフトのバットBt側である。
本願の展開図は、各シートの巻き付け順序のみならず、各シートのシャフト軸方向における配置をも示している。例えば図2において、シートs1の一端はチップTpに位置している。
シャフト6は、ストレート層とバイアス層とを有する。本願の展開図において、繊維の配向角度が記載されている。「0°」と記載されているシートが、ストレート層を構成している。ストレート層用のシートは、本願においてストレートシートとも称される。
ストレート層は、繊維の配向がシャフトの長手方向(シャフト軸方向)に対して実質的に0°とされた層である。巻き付けの際の誤差等に起因して、通常、繊維の配向はシャフト軸線方向に対して完全に平行とはならない。ストレート層において、シャフト軸線に対する繊維の絶対角度θaは、10°以下である。絶対角度θaとは、シャフト軸線と繊維方向との成す角度の絶対値である。即ち、絶対角度θaが10°以下とは、繊維方向とシャフト軸線方向とのなす角度Afが、−10度以上+10度以下であることを意味する。
図2の実施形態において、ストレートシートは、シートs1、シートs2、シートs6、シートs8、シートs9、シートs10、シートs11及びシートs12である。ストレート層は、曲げ剛性及び曲げ強度との相関が高い。
バイアス層は、主として、シャフトの捻れ剛性及び捻れ強度を高める目的で設けられる。
バイアス層は、好ましくは、繊維の配向が互いに逆方向に傾斜した2枚のシートペアから構成されている。好ましくは、バイアス層は、上記角度Afが−60°以上−30°以下の層と、上記角度Afが30°以上60°以下の層とを含む。即ち、好ましくは、バイアス層では、上記絶対角度θaが30°以上60°以下である。
シャフト6において、バイアス層を構成するシートは、シートs3及びシートs4である。図2には、シート毎に、上記角度Afが記載されている。角度Afにおけるプラス(+)及びマイナス(−)は、互いに貼り合わされるバイアスシートの繊維が互いに逆方向に傾斜していることを示している。本願において、バイアス層用のシートは、単にバイアスシートとも称される。
なお、図2の実施形態では、シートs3が−45度であり且つシートs4が+45度であるが、逆にシートs2が+45度であり且つシートs3が−45度であってもよいことは当然である。
フープ層は、シャフトの周方向に沿って繊維を配向させた層である。好ましくは、フープ層における上記絶対角度θaは、シャフト軸線に対して実質的に90°とされる。ただし、巻き付けの際の誤差等に起因して、繊維の配向はシャフト軸線方向に対して完全に90°とはならない場合がある。通常、このフープ層では、上記絶対角度θaが80°以上である。この絶対角度θaの上限値は90°である。
フープ層は、シャフトのつぶし剛性及びつぶし強度を高めるのに寄与する。つぶし剛性とは、シャフトをその半径方向内側に向かって押し潰す力に対する剛性である。つぶし強度とは、シャフトをその半径方向内側に向かって押し潰す力に対する強度である。つぶし強度は、曲げ強度とも関連しうる。曲げ変形に連動してつぶし変形が生じうる。特に肉厚の薄い軽量シャフトにおいては、この連動性が大きい。つぶし強度の向上により、曲げ強度も向上しうる。
図2の実施形態において、フープ層用のプリプレグシートは、シートs5及びシートs7である。本願において、フープ層用のプリプレグシートは、フープシートとも称される。
図示しないが、使用される前のプリプレグシートは、カバーシートにより挟まれている。通常、カバーシートは、離型紙及び樹脂フィルムである。即ち、使用される前のプリプレグシートは、離型紙と樹脂フィルムとで挟まれている。プリプレグシートの一方の面には離型紙が貼られており、プリプレグシートの他方の面には樹脂フィルムが貼られている。以下において、離型紙が貼り付けられている面が「離型紙側の面」とも称され、樹脂フィルムが貼り付けられている面が「フィルム側の面」とも称される。
プリプレグシートを巻回するには、先ず、樹脂フィルムが剥がされる。樹脂フィルムが剥がされることにより、フィルム側の面が露出する。この露出面は、タック性(粘着性)を有する。このタック性は、マトリクス樹脂に起因する。即ち、このマトリクス樹脂が半硬化状態であるため、粘着性が発現する。次に、この露出したフィルム側の面の縁部(巻き始め縁部ともいう)を、巻回対象物に貼り付ける。マトリクス樹脂の粘着性により、この巻き始め縁部の貼り付けが円滑になされうる。巻回対象物とは、マンドレル、又はマンドレルに他のプリプレグシートが巻き付けられてなる巻回物である。次に、離型紙が剥がされる。次に、巻回対象物が回転されて、プリプレグシートが巻回対象物に巻き付けられる。このように、先に樹脂フィルムが剥がされ、次に巻き始め端部が巻回対象物に貼り付けられ、次に離型紙が剥がされる。このように、先に樹脂フィルムが剥がされ、巻き始め縁部が巻回対象物に貼り付けられた後に、離型紙が剥がされる。この手順により、シートの皺や巻き付け不良が抑制される。これは、離型紙が貼り付けられたシートは、離型紙に支持されているため、皺となりにくいからである。離型紙は、樹脂フィルムと比較して、曲げ剛性が高い。
図2の実施形態では、合体シートが用いられる。合体シートは、2枚のシートが貼り合わされることによって形成される。
図2の実施形態では、三つの合体シートが形成される。シートs3とシートs4とが張り合わされたバイアス合体シートが形成される。バイアス層は、繊維の配向角度が互いに逆である2枚のシートs3、s4が用いられる。これらのシートs3、s4のセットにより、捻れ方向の方向性を無くすことができる。このため、バイアス合体シートが用いられる。また、シートs5とシートs6とが貼り合わされたフープストレート合体シートが形成される。シートs7とシートs8とが貼り合わされたフープストレート合体シートが形成される。繊維をシャフトの周方向に沿って曲げる場合、繊維の剛性が曲げに対して抵抗する。この抵抗に起因して、プリプレグは繊維方向に沿って裂けやすい。そのため、フープシートは、単独では巻き付けにくい。この裂けを防止するため、合体シートが形成される。
前述の通り、本願では、繊維の配向角度によって、シート及び層が分類される。これに加えて本願では、シャフト長手方向の長さによって、シート及び層が分類される。
本願において、シャフト長手方向の全体に配置される層が、全長層と称される。本願において、シャフト長手方向の全体に配置されるシートが、全長シートと称される。巻回された全長シートが、全長層を形成する。
一方、本願において、シャフト長手方向において部分的に配置される層が、部分層と称される。本願において、シャフト長手方向において部分的に配置されるシートが、部分シートと称される。巻回された部分シートが、部分層を形成する。
本願では、バイアス層である全長層が、全長バイアス層と称される。本願では、ストレート層である全長層が、全長ストレート層と称される。本願では、フープ層である全長層が、全長フープ層と称される。
本願では、バイアス層である部分層が、部分バイアス層と称される。本願では、ストレート層である部分層が、部分ストレート層と称される。本願では、フープ層である部分層が、部分フープ層と称される。
以下に、このシャフト6の製造工程の概略が説明される。
[シャフト製造工程の概略]
(1)裁断工程
裁断工程では、プリプレグシートが所望の形状に裁断される。この工程により、図2に示される各シートが切り出される。
なお、裁断は、裁断機によりなされてもよいし、手作業でなされてもよい。手作業の場合、例えば、カッターナイフが用いられる。
(2)貼り合わせ工程
貼り合わせ工程では、複数のシートが貼り合わされて、前述した合体シートが作製される。
貼り合わせ工程では、加熱又はプレスが用いられてもよい。より好ましくは、加熱とプレスとが併用される。後述する巻回工程において、合体シートの巻き付け作業中に、シートのズレが生じうる。このズレは、巻き付け精度を低下させる。加熱及びプレスは、シート間の接着力を向上させる。加熱及びプレスは、巻回工程におけるシート間のズレを抑制する。
シート同士の接着力を高める観点から、貼り合わせ工程における加熱温度は、30℃以上が好ましく、35℃以上がより好ましい。この加熱温度が高すぎる場合、マトリクス樹脂の硬化が進行し、シートの粘着性が低下することがある。この粘着性の低下は、合体シートと巻回対象物との接着性を低下させる。この接着性の低下は、皺の発生を許容することがあり、巻き付け位置のズレを生じさせうる。この観点から、貼り合わせ工程における加熱温度は、60℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましく、40℃以下がより好ましい。
シート同士の接着力を高める観点から、貼り合わせ工程における加熱時間は、20秒以上が好ましく、30秒以上がより好ましい。シートの粘着性の観点から、貼り合わせ工程における加熱時間は、300秒以下が好ましい。
シート同士の接着力を高める観点から、貼り合わせ工程におけるプレスの圧力は、300g/cm以上が好ましく、350g/cm以上がより好ましい。プレスの圧力が過大である場合、プリプレグが押し潰される場合がある。この場合、プリプレグの厚みが設計値よりも薄くなる。プリプレグの厚み精度の観点から、貼り合わせ工程におけるプレスの圧力は、600g/cm以下が好ましく、500g/cm以下がより好ましい。
シート同士の接着力を高める観点から、貼り合わせ工程におけるプレスの時間は、20秒以上が好ましく、30秒以上がより好ましい。プリプレグの厚み精度の観点から、貼り合わせ工程におけるプレスの時間は、300秒以下が好ましい。
(3)巻回工程
巻回工程では、マンドレルが用意される。典型的なマンドレルは、金属製である。このマンドレルに、離型剤が塗布される。更に、このマンドレルに、粘着性を有する樹脂が塗布される。この樹脂は、タッキングレジンとも称される。このマンドレルに、裁断されたシートが巻回される。このタッキングレジンにより、シート端部をマンドレルに貼り付けることが容易とされている。
貼り合せに係るシートに関しては、合体シートの状態で巻回される。
この巻回工程により、巻回体が得られる。この巻回体は、マンドレルの外側にプリプレグシートが巻き付けられてなる。巻回は、例えば、平面上で巻回対象物を転がすことによりなされる。この巻回は、手作業によりなされてもよいし、機械によりなされてもよい。この機械は、ローリングマシンと称される。
(4)テープラッピング工程
テープラッピング工程では、上記巻回体の外周面にテープが巻き付けられる。このテープは、ラッピングテープとも称される。このラッピングテープは、張力を付与されつつ巻き付けられる。このラッピングテープにより、巻回体に圧力が加えられる。この圧力はボイドを低減させる。
(5)硬化工程
硬化工程では、テープラッピングがなされた後の巻回体が加熱される。この加熱により、マトリクス樹脂が硬化する。この硬化の課程で、マトリクス樹脂が一時的に流動化する。このマトリクス樹脂の流動化により、シート間又はシート内の空気が排出されうる。ラッピングテープの圧力(締め付け力)により、この空気の排出が促進されている。この硬化により、硬化積層体が得られる。
(6)マンドレルの引き抜き工程及びラッピングテープの除去工程
硬化工程の後、マンドレルの引き抜き工程とラッピングテープの除去工程とがなされる。両者の順序は限定されないが、ラッピングテープの除去工程の能率を向上させる観点から、マンドレルの引き抜き工程の後にラッピングテープの除去工程がなされるのが好ましい。
(7)両端カット工程
この工程では、硬化積層体の両端部がカットされる。このカットにより、チップTpの端面及びバットBtの端面が平坦とされる。
(8)研磨工程
この工程では、硬化積層体の表面が研磨される。硬化積層体の表面には、ラッピングテープの跡として残された螺旋状の凹凸が存在する。研磨により、このラッピングテープの跡としての凹凸が消滅し、表面が平滑とされる。
(9)塗装工程
研磨工程後の硬化積層体に塗装が施される。
なお、本願では、層とシートとで同じ符号が用いられる。例えば、シートs1によって形成された層は、層s1とされる。シャフト6は、第1層s1から第12層s12によって構成されている。各層の総数は1とは限らない。各層の巻回数(プラス数)は、1未満であってもよいし、1を超えていても良い。
シャフト6において、全長層は、層s3、層s4、層s7、層s8及び層s9である。層s3及び層s4は全長バイアス層である。層s7は全長フープ層である。、層s8及び層s9は、全長ストレート層である。
シャフト6において、部分層は、層s1、層s2、層s5、層s6、層s10、層s11及び層s12である。層s1、層s2、層s10、層s11及び層s12は部分ストレート層である。層s5は部分フープ層である。
層s1、層s2、層s10、層s11及び層s12は、シャフト6の先端部に配置されている。これらの層は、先端部分層とも称される。図2において両矢印Ltで示されるのは、先端部分層の後端とシャフト6のチップ端Tpとの距離である。シャフト重量を抑制しつつ先端部を補強する観点から、距離Ltは、400mm以下が好ましく、350mm以下がより好ましく、300mm以下が更に好ましい。
層s1及び層s2は、ストレート先端部分層である。これら部分層s1及びs2は、全長バイアス層s3、s4よりも内側に位置する。層s10、層s11及び層s12は、ストレート先端部分層である。これら部分層s10、s11及びs12は、全長バイアス層s3、s4よりも外側に位置する。これら部分層s10、s11及びs12は、全ての全長層よりも外側に位置する。
層s5及び層s6は、シャフト6の後端部に配置されている。これらの層は、後端部分層とも称される。図2において両矢印Lbで示されるのは、後端部分層の先端とシャフト6のバット端Btとの距離である。シャフト重量を抑制しつつ後端部を補強する観点から、距離Lbは、500mm以下が好ましく、450mm以下がより好ましく、400mm以下が更に好ましい。
層s5は、フープ後端部分層である。この部分層s5は、全長バイアス層s3、s4よりも外側に位置する。この部分層s5は、全長ストレート層s8、s9よりも内側に位置する。
層s6は、ストレート後端部分層である。この部分層s6は、全長バイアス層s3、s4よりも外側に位置する。この部分層s6は、全長ストレート層s8、s9よりも内側に位置する。
本実施形態では、ガラス繊維強化プリプレグが用いられている。このガラス繊維強化プリプレグは、強化繊維がガラス繊維であるプリプレグである。本実施形態のガラス繊維強化プリプレグでは、繊維は実質的に一方向に配向している。すなわちこのガラス繊維強化プリプレグはUDプリプレグである。UDプリプレグ以外のガラス繊維強化プリプレグが用いられても良い。例えば、プリプレグシートに含まれるガラス繊維が編まれていてもよい。
なお、本実施形態では、ガラス繊維強化プリプレグ以外のプリプレグは、炭素繊維強化プリプレグである。炭素繊維として、PAN系及びピッチ系が例示される。
図2の実施形態では、ストレート先端部分層にガラス繊維強化プリプレグが用いられている。図2の実施形態では、最内層のストレート先端部分層x1が、ガラス繊維強化層である。本実施形態では、この先端部分層x1は、ガラス繊維強化プリプレグによって形成されている。この先端部分層x1は、バイアス層s3、s4よりも内側に配置されている。最内層のストレート先端部分層x1は、内側ガラス強化繊維層である。
図2の実施形態では、先端部分層x1の外側にストレート先端部分層y1が設けられている。この先端部分層y1には、炭素繊維強化プリプレグが用いられている。この先端部分層y1は、バイアス層s3、s4よりも内側に配置されている。先端部分層y1は、先端部分層x1よりも外側に位置する。先端部分層y1は、先端部分層x1とバイアス層s3、s4との間に位置する。
マンドレルの形状は、バイアス層s3、s4よりも内側に位置する先端部分層s1、s2の厚みに対応している。先端部分層s1、s2が巻かれる位置において、マンドレルは細くされている。先端部分層s1、s2が巻かれた状態の外径が単純なテーパー形状となるように、マンドレルが設計されている。よって、先端部分層s1、s2の存在に起因するシワの発生が抑制されている。
層s9は、全長ストレート層である。この層s9の外側に、先端部分層s10、s11及びs12が設けられている。
図2の実施形態において、先端部分層s10は、バイアス層s3、s4よりも外側に位置し且つ最外層ではない先端部分層z1である。このましくは、この先端部分層z1は、全ての全長層よりも外側に位置する。この先端部分層z1の外側には、先端部分層s11、s12が配置されている。これら層s11及びs12は、先端部分層z1を覆っている。層s11及び層s12の存在により、先端部分層z1が研磨されることはない。
本実施形態では、この先端部分層z1の強化繊維は、ピッチ系炭素繊維である。
先端部分層z1に含まれるピッチ系炭素繊維は、低弾性炭素繊維である。低弾性炭素繊維とは、引張弾性率が22ton/mm以下の炭素繊維である。先端部分層z1は、外側低弾性炭素繊維強化層である。
このように、シャフト6では、上記先端部分層が、内側ガラス繊維強化層s1と、この内側ガラス繊維強化層s1よりも外側に配置された外側低弾性炭素繊維強化層s10を含んでいる。この層s10に含まれる上記低弾性炭素繊維の引張弾性率は、22ton/mm以下である。この層s10は、ガラス繊維強化層であってもよい。
シャフト内層は、シャフト断面の中立軸(シャフト軸線)に近い。よって、打球時に発生する引張応力及び圧縮応力が、シャフト外層に比較して小さい。一方、後述される試験結果より、ガラス繊維強化層を配置することにより、衝撃吸収エネルギーが向上することが明らかとなった。このような知見から、ガラス繊維強化層s1を内側に配置することは、衝撃吸収エネルギーの向上に有効である(効果A)。
シャフト6では、内側ガラス繊維強化層s1が、バイアス層s3、s4よりも内側に位置する。よって、上記効果Aが向上しうる。
シャフト6では、内側ガラス繊維強化層s1が最内層である。よって、層s1は上記中立軸からの距離が最短となり、上記効果Aが更に向上しうる。
ガラス繊維の弾性率は、およそ7〜8ton/mm以上であり、弾性率が比較的低い。この低弾性のガラス繊維を内層に配置することで、剛性の低下を抑制することができる。
すなわち、本実施形態では、曲げ剛性の寄与度が小さい内層を利用して衝撃強度を向上させることができる。よって、曲げ剛性を確保しつつ、衝撃強度を向上させることができる。
シャフト外層は、シャフト断面の中立軸(シャフト軸線)から遠い。よって、打球時に発生する引張応力及び圧縮応力が、シャフト内層に比較して大きい。シャフト破壊は、特に圧縮破壊に起因すると考えられる。低弾性の炭素繊維は、ガラス繊維と比較して、圧縮破壊に対する強度に優れる。このため、外層に外側低弾性炭素繊維強化層s10を設けることにより、屈曲に対する強度が向上しうる(効果B)
シャフト6では、外側低弾性炭素繊維強化層s10が、内側ガラス繊維強化層s1よりも外側に位置する。よって、上記効果Bが向上しうる。
シャフト6では、外側低弾性炭素繊維強化層s10が、全ての全長層(層s3、s4、s7、s8及びs9)よりも外側に位置する。よって、上記効果Bが更に向上しうる。
シャフト6では、内側ガラス繊維強化層s1は、全ての全長層(層s3、s4、s7、s8及びs9)よりも内側に位置する。一方、外側低弾性炭素繊維強化層s10は、全ての全長層(層s3、s4、s7、s8及びs9)よりも外側に位置する。このため、層s1と層s10との半径方向距離が大きい。よって、上記効果Aと上記効果Bとが相乗的に奏されうる。
上記効果Aと効果Bとの相乗効果を高める観点から、内側ガラス繊維強化層s1と外側低弾性炭素繊維強化層s10との半径方向距離d1は、1.0mm以上が好ましく、1.2mm以上がより好ましく、1.4mm以上が更に好ましい。シャフトの先端径には制約があるので、距離d1は、通常、1.8mm以下である。
層s10に含まれる低弾性炭素繊維は、ピッチ系炭素繊維である。層s10に含まれる低弾性炭素繊維は、全長層に含まれる炭素繊維よりも引張弾性率が低い。低弾性の炭素繊維により、破断時の変位を大きくすることができる。よって、衝撃吸収エネルギーを増大させることが可能となる。
層s10に含まれる上記低弾性炭素繊維の引張弾性率は、10ton/mm以上である。この引張弾性率により、曲げ剛性の過度の低下を抑制することができる。よって、曲げ剛性の確保と衝撃強度の向上とが効果的に両立されうる。
上述の通り、ガラス繊維の弾性率は、およそ7〜8ton/mm以上である。過度な曲げ剛性の低下を抑制する観点からは、層s10は、炭素繊維の弾性率がガラス繊維の弾性率よりも高い低弾性炭素繊維強化層であるのが好ましい。炭素繊維であれば、引張弾性率の設定に自由度があり、例えば、10ton/mm以上とすることも可能である。
層s10は、ガラス繊維強化層であってもよい。一方、ガラス繊維の比重は、炭素繊維の比重よりも大きい。シャフトの軽量化の観点からは、層s10は、低弾性炭素繊維強化層であるのが好ましい。
材料コストの観点からは、外側低弾性炭素繊維強化層よりも、外側ガラス繊維強化層のほうが好ましい。
衝撃吸収エネルギーの観点からは、層s10は、外側ガラス繊維強化層であってもよい。ガラス繊維は圧縮破断ひずみが大きいため、衝撃吸収エネルギーの向上に有効である。このガラス繊維強化層を内層及び外層にも適用することで、衝撃吸収エネルギーの向上が達成されうる。
層s10の外側には先端部分層s11及びs12が設けられている。層s12は、最外先端部分層s12である。層s10は、最外先端部分層s12で覆われている。最外先端部分層s12の強化繊維は、炭素繊維である。最外先端部分層s12の強化繊維は、PAN系炭素繊維である。最外先端部分層s12により、層s10の研磨が防止され、層s10が保護されている。また、最外先端部分層s12により、シャフト先端部の曲げ剛性が確保されている。
シャフト重量が小さいほど、剛性及び強度の両立が困難となる。このため、上記実施形態は、軽量シャフトに対して特に有効である。この観点から、シャフト6は、46インチ換算でのシャフト重量Mtが55g以下であるのが好ましく、52g以上がより好ましい。46インチ換算でのシャフト重量Mt(g)は、1インチ当たりの重量Mx(g)を46倍することにより算出される。重量Mx(g)は、シャフト重量(g)をシャフト長さ(インチ)で割ることにより得られる。シャフト強度の観点から、シャフト重量Mtは35g以上であるのが好ましく、38g以上であるのがより好ましい。
衝撃吸収効果の観点から、外側低弾性炭素繊維強化層に含まれる強化繊維の引張弾性率E1は、22ton/mm以下が好ましく、20ton/mm以下がより好ましい。過度な変形が生じた場合、衝撃吸収が生じる前に他の層が破壊することがある。この観点から、引張弾性率E1は、4ton/mm以上が好ましく、5ton/mm以上がより好ましく、8ton/mm以上が更に好ましく、10ton/mm以上が更に好ましい。
プリプレグシートのマトリクス樹脂としては、エポキシ樹脂の他、エポキシ樹脂以外の熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂等も用いられ得る。シャフト強度の観点から、マトリクス樹脂は、エポキシ樹脂が好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
上記シャフト6と同じ積層構成を有するシャフトが作製された。即ち、図2で示されるシート構成を有するシャフトが作製された。製造方法は、上記シャフト6と同じである。各シートに用いられたプリプレグの商品名は、次の通りである。シートs1及びシートs10以外は、PAN系炭素繊維強化プリプレグである。
・シートs1:GE352H−160S(三菱レイヨン社製)
・シートs2:TR350C−100S(三菱レイヨン社製)
・シートs3:HRX350C−075S(三菱レイヨン社製)
・シートs4:HRX350C−075S(三菱レイヨン社製)
・シートs5:805S−3(東レ社製)
・シートs6:E1026A−09N(日本グラファイトファイバー社製)
・シートs7:805S−3(東レ社製)
・シートs8:2256S−12(東レ社製)
・シートs9:2256S−10(東レ社製)
・シートs10:E1026A−09N(日本グラファイトファイバー社製)
・シートs11:TR350C−100S(三菱レイヨン社製)
・シートs12:TR350C−100S(三菱レイヨン社製)
商品名「GE352H−160S」は、ガラス繊維強化プリプレグである。ガラス繊維はEガラスであり、このガラス繊維の引張弾性率は75GPa(7.65ton/mm)である。
商品名「E1026A−09N」は、ピッチ系炭素繊維強化プリプレグである。このピッチ系炭素繊維は、品番が「XN−10」であり、引張弾性率が110GPa(11.2ton/mm)である。
この実施例1の評価結果が下記の表1に示される。なお、実施例1は、シャフト全長Lsが1168mmであり、シャフト重量Mtが46gであった。また、シートs1における距離Lt(図2参照)は200mmとされ、シートs10における距離Ltは180mmとされた。
[実施例2及び比較例1から6]
層s1、s2及びs10に表1で示されているシートが用いられた他は実施例1と同様にして、実施例2及び比較例1から6のシャフトを得た。これらのシャフトの評価結果が、下記の表1に示される。なお、商品名「E1026A−14N」は、日本グラファイトファイバー社製のピッチ系炭素繊維強化プリプレグである。このピッチ系炭素繊維は、品番が「XN−10」であり、引張弾性率が110GPa(11.2ton/mm)である。
表1が示すように、実施例1では内側ガラス繊維強化層s1と外側低弾性炭素繊維強化層s10とが用いられている。実施例2では、内側ガラス繊維強化層s1と外側ガラス繊維強化層s10とが用いられている。
Figure 2014076142
[衝撃吸収エネルギーの測定方法]
図3は、衝撃吸収エネルギーの測定方法を示す。片持ち曲げ方式で衝撃試験を行った。測定装置50として、米倉製作所製の落錘型衝撃試験機(IITM−18)を用いた。シャフトのチップ端Tpから50mmまでの先端部を固定治具52に固定した。固定端から100mmの位置に、600gの錘Wを、1500mm上方から衝突させた。錘Wには加速度計54が取り付けられた。加速度計54は、AD変換器56を介してFFTアナライザー58に接続された。FFT処理により、計測波形が得られた。この測定により、変位Dと衝撃曲げ荷重Lとが計測され、破壊が開示されるまでの衝撃吸収エネルギーが算出された。
図4は、計測された波形の一例である。この波形は、変位D(mm)と衝撃曲げ荷重L(kgf)との関係を示すグラフである。この図5のグラフにおいて、ハッチングで示される部分の面積が、衝撃吸収エネルギーEm(J)を示している。
[打球フィーリングの評価]
各シャフトに、460ccのドライバーヘッド及びグリップが装着され、46インチのゴルフクラブを得た。ハンディキャップが10以下である10名のゴルファーがこれらのクラブを実打し、打球フィーリングを評価した。1点から5点までの5段階で官能評価がなされた。点数が高いほど評価が高い。10名のゴルファーの平均値は以下の通りであった。
・実施例1:4.4点
・実施例2:4.5点
・比較例1:4.0点
・比較例2:4.3点
・比較例3:4.2点
・比較例4:3.5点
・比較例5:3.3点
・比較例6:3.6点
実施例1に高い評価を与えたゴルファーによれば、実施例1の打球フィーリングは、特に、「打感の軟らかさだけでなく、弾き感もある」という点で優れるとの意見が得られた。これは、衝撃吸収効果が優れるだけでなく、先端の曲げ剛性が確保されているとの理由によるものと考えられる。一方、実施例2に高い評価を与えたゴルファーによれば、実施例2の打球フィーリングは、特に、「打感が柔らかく、手がしびれない」点で優れるとの意見が得られた。これは、衝撃吸収効果が最大限に発揮されているとの理由によるものと考えられる。
このように、実施例は比較例に比べて評価が高い。本発明の優位性は明らかである。
以上説明された方法は、ゴルフクラブシャフトに適用されうる。
2・・・ゴルフクラブ
4・・・ヘッド
6・・・シャフト
8・・・グリップ
s1〜s12・・・プリプレグシート(層)
s1・・・内側ガラス繊維強化層
s10・・・外側低弾性炭素繊維強化層(又は外側ガラス繊維強化層)
Tp・・・シャフトのチップ端
Bt・・・シャフトのバット端

Claims (6)

  1. シャフト長手方向の全体に亘って配置された全長層と、シャフトの先端部に配置された先端部分層とを有しており、
    上記全長層が、バイアス層とストレート層とを含んでおり、
    上記先端部分層が、内側ガラス繊維強化層と、この内側ガラス繊維強化層よりも外側に配置された外側低弾性炭素繊維強化層又は外側ガラス繊維強化層を含んでおり、
    上記低弾性炭素繊維の引張弾性率が22ton/mm以下であり、
    46インチ換算でのシャフト重量が55g以下であるゴルフクラブシャフト。
  2. 上記内側ガラス繊維強化層が、上記バイアス層よりも内側に位置する請求項1に記載のゴルフクラブシャフト。
  3. 上記内側ガラス繊維強化層が最内層である請求項1又は2に記載のゴルフクラブシャフト。
  4. 上記外側低弾性炭素繊維強化層又は外側ガラス繊維強化層が、全ての上記全長層よりも外側に位置する請求項1から3のいずれかに記載のゴルフクラブシャフト。
  5. 上記低弾性炭素繊維がピッチ系炭素繊維である請求項1から4のいずれかに記載のゴルフクラブシャフト。
  6. 上記低弾性炭素繊維の引張弾性率が10ton/mm以上である請求項1から5のいずれかに記載のゴルフクラブシャフト。
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