JP2002355818A - プリプレグおよびそれらからなるゴルフシャフト - Google Patents

プリプレグおよびそれらからなるゴルフシャフト

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JP2002355818A
JP2002355818A JP2001163990A JP2001163990A JP2002355818A JP 2002355818 A JP2002355818 A JP 2002355818A JP 2001163990 A JP2001163990 A JP 2001163990A JP 2001163990 A JP2001163990 A JP 2001163990A JP 2002355818 A JP2002355818 A JP 2002355818A
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Ryoji Higuchi
良司 樋口
Takashi Tonomura
隆 外村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】汎用の補強繊維の使用量を少なくしてマトリッ
クス樹脂の量を増加させたプリプレグとして、樹脂過多
による成形上の扱い難さを熱可塑性樹脂フィルムを用い
ることで解消した。 【解決手段】引張り弾性率240GPa、比重1.8、
繊維目付け27g/mのカーボン繊維でエポキシ樹脂
(比重1.24)含有量が55重量%となるようにカー
ボン繊維樹脂層を形成し、その一側面にナイロン12
(比重1.08)で、その厚みt2が80μmのフィル
ムを積層してカーボンプリプレグ101を形成した。前
記プリプレグ101は、繊維体積含有率(vf)は13
%で、このようなプリプレグ101よりなる成形品の曲
げ弾性率は25GPaとなり、低弾性のプリプレグとな
った。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、補強繊維と樹脂か
ら成るプリプレグ及びこれを用いたゴルフシャフトに関
するもので、更に詳しくは、カーボン繊維プリプレグと
熱可塑性樹脂フィルムを組み合わせることにより樹脂含
有量を増加させたプリプレグ及びこれを用いたゴルフシ
ャフトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】カーボン繊維などの補強繊維と、エポキ
シ樹脂等の熱硬化性樹脂をマトリックスとしたFRP成
形品は、軽量で機械的特性に優れているため、ゴルフシ
ャフト用として使用されている。前記ゴルフシャフトを
成形する方法においては、種々の方法が実施されている
が、一般的には、予め補強繊維に熱硬化性樹脂を含浸さ
せてなるプリプレグと呼ばれる中間材料を用いている。
【0003】前記したプリプレグは、例えば、補強繊維
としてカーボン繊維を用いた場合を例にすると、カーボ
ン繊維プリプレグは、それぞれの使用されるカーボン繊
維の弾性率によってグレードが決まっている。従がっ
て、ゴルフシャフトを成形するにあたっては、前記カー
ボン繊維のグレードと、1mあたりに用いるカーボン
繊維の重量と、それら繊維の使用形態(一方向引揃え、
織物など)によって予め設計されたプリプレグの中か
ら、所望のゴルフシャフトの特性に応じた種類のプリプ
レグを選択して用いていた。
【0004】又、現在では、カーボン繊維プリプレグ
は、PAN系カーボン繊維から成るものと、ピッチ系カ
ーボン繊維から成るものの2種類が公知である。PAN
系カーボン繊維では、引張弾性率が230Gpa〜63
0Gpa,ピッチ系カーボン繊維では、引張弾性率55
Gpa〜900Gpaのものが公知である。前記カーボ
ン繊維プリプレグを用いてゴルフシャフトを成形する場
合には、まず、ゴルフシャフトとしての強度・しなりを
考慮して剛性設計をする。そして、前記したカーボン繊
維プリプレグの、種々のグレード,重量(厚み),形態
の中からその剛性設計を効率的に具現化するために効果
的なものを選択して、所望の剛性設計のシャフトを成形
している。
【0005】一方、ゴルフシャフトの構成としては、補
強繊維となる炭素繊維等の配向角度を、曲げ剛性を得る
ためにシャフトの軸方向に配向させたストレート層と、
ねじり特性を得るためにシャフト軸に対して左右に角度
を有するように配向させたバイアス層を設けて形成する
のが一般的である。また、先端から400mm程度まで
は折損の多い箇所であることから、前記プリプレグを部
分的に配設した補強層を設けている。
【0006】カーボン繊維の特性の1つは、ガラス繊維
と比べて、曲げ剛性は大きいが衝撃強度が劣ることがあ
り、このようなカーボン繊維を、シャフトの衝撃強度を
補充するために補強層として積層しようとすると、強度
補充を満たすと同時に曲げ剛性をも上昇させてしまうた
め、撓み量が少なくなり、シャフトの設計当初の特性が
変化してしまうという欠点があった。そのため、カーボ
ン繊維を前記したような補強層として使用する場合に
は、繊維の配向角度をシャフト長さ方向と一致しないバ
イヤスの角度に配向して用いたり、ガラス繊維などの低
弾性率のものからなるプリプレグを用いていた。
【0007】また最近では、ピッチ系カーボン繊維とし
て引張弾性率が55Gpa〜157Gpaの低弾性率の
ものが上市され、そのようなプリプレグを組み合せて用
いることにより、より設計の自由度が向上した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】前記ピッチ系のカーボ
ン繊維は、引張弾性率が55Gpa〜157Gpaであ
り、いわゆる低弾性率のカーボン繊維と称されている。
このピッチ系のカーボン繊維は低弾性率の繊維で、比重
は1.65〜1.85と軽量で、伸度も1.68〜2.
14%と従来のカーボン繊維に比べて強度が向上してい
る。しかし、コスト面では高価で使いづらい面がある。
【0009】代替材料として、ガラス繊維が挙げられる
が、該ガラス繊維は引張弾性率、伸度等の特性をみる
と、前記低弾性率カーボン繊維とほぼ同等であるため非
常に有効であるが、比重が2.3と大きいため、その質
量面では不利となる。
【0010】そこで、引張弾性率を変化させる方法とし
て、一方向引揃えのプリプレグを成形する際に、補強繊
維にカーボン繊維とガラス繊維を並列に配置して用いる
方法が一般的に用いられている。弾性率、強度は、補強
繊維の混合比と比例関係にあるというのが、混合材料の
基本的考え方であり、具体的に例えば、引張弾性率23
0Gpaのガラス繊維と引張弾性率45Gpaのガラス
繊維を体積比1:1で混合してプリプレグを成形すると
弾性率が138Gpaのプリプレグとなる。
【0011】また、そのほかプリプレグの弾性率を変化
させる方法としては、単位体積あたりの補強繊維量を増
減させることで行なわれてきた。すなわち、プリプレグ
の低弾性率化の方策としても、補強繊維量を減少させ、
樹脂量を増加させることによりプリプレグを成形するこ
とが可能であるが、樹脂量が増加するに従い、プリプレ
グのべとつきがひどくなり取扱いが難しくなるため、シ
ャフトを成形する作業性が悪くなる。又、前記プリプレ
グをシャフト成形用のマンドレルに巻き付け、シャフト
を成形する場合には、前記プリプレグの樹脂量が多い
と、その加熱硬化時に樹脂の粘度が低下して樹脂流動が
発生する。このような樹脂流動の発生は、補強繊維と樹
脂との割合が部分的に変化して繊維の密集部分が出来た
りして、シャフトの形状が変化したり、重量、強度にば
らつきが生じ易くなるといった欠点があった。
【0012】本発明は、前記事情に鑑みてなされたもの
であり、汎用の補強繊維の使用量を少なくしてマトリッ
クス樹脂の量を増加させたプリプレグとして、該プリプ
レグを低弾性化し、樹脂過多による成形上の扱い難さを
熱可塑性樹脂フィルムを用いることで解消した低弾性の
プリプレグ及び、これを用いたゴルフシャフトを提供す
ることを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明のプリプレグ及びそれを用いたゴルフシャフ
トは、以下の手段を用いた。
【0014】すなわち、請求項1記載の発明は、引張り
弾性率200GPa〜300GPaのカーボン繊維を一
方向に引き揃えてエポキシ樹脂を含浸させてなるカーボ
ン繊維強化樹脂層であって、該カーボン繊維強化樹脂層
単位面積あたりの樹脂含有量が、40重量%〜70重量
%であって、かつ、前記カーボン繊維強化樹脂層の一側
面に、その厚みが10μmm〜120μmmの熱可塑性
樹脂フィルムが積層された構成のプリプレグである。
【0015】請求項2記載の発明は、請求項1のプリプ
レグにおいて、前記熱可塑性樹脂フィルムは、ナイロン
12またはナイロン11またはそれらの変性品とした構
成のプリプレグである。
【0016】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載のプリプレグにおいて、前記カーボン繊維強化樹脂
層の厚さtと前記熱可塑性フィルムの厚さtの比
は、1:0.1〜1:10の範囲にある構成のプリプレ
グである。
【0017】請求項4記載の発明は、請求項1〜3のい
ずれかに記載のプリプレグを用いて形成されたゴルフシ
ャフトである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に、図面に基づき、本発明の
望ましい実施の形態とともに、本発明を詳細に説明す
る。本発明のプリプレグ10は図1に示すように、引張
り弾性率200GPa〜300GPaのカーボン繊維1
に熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂2を含浸させて成る
カーボン繊維強化樹脂層3の一側面に熱可塑性樹脂フィ
ルム層4を積層して成る構成となっている。前記カーボ
ン繊維強化樹脂層3の厚みt1は、通常、20〜300
μmmの範囲で設定される。また、熱硬化性樹脂として
は、種々のエポキシ樹脂が使用可能であり、硬化温度が
積層される熱可塑性フィルム4を考慮して100度C〜
170度Cとなるように硬化剤、その他の添加剤が添加
される。
【0019】前記カーボン繊維1は、引張り弾性率が2
00GPa〜300GPaのものを用いて、カーボン繊
維強化樹脂層3における単位面積あたりの樹脂含浸量が
40重量%〜70重量%、好ましくは50重量%〜60
重量%となるように構成したものである。
【0020】本発明の熱可塑性樹脂フィルム層4を形成
するためのフィルムは、カーボン繊維強化樹脂層3の1
0%〜150%程度の厚みであって、かつ、その厚さt
2が10μmm〜120μmmとされ、具体的にはナイ
ロン12またはナイロン11が好適に使用される。前記
熱可塑性樹脂フィルム4は、その厚みt2が10μmm
より薄い場合にはカーボン繊維強化樹脂層3との貼り合
わせが困難であるため好ましくないし、120μmm以
上であると、そのような熱可塑性樹脂フィルム4を有す
るプリプレグ10を用いて形成された成形体の剛性に悪
影響を与えるため好ましくないし、しわ等がよるなど作
業性も悪いため好ましくない。
【0021】ナイロン12、ナイロン11またはそれら
の変性品はエポキシ樹脂との融着性がよく、エポキシ樹
脂と同様にマトリックス樹脂の構成要素として考慮でき
る。従がって、本発明のプリプレグを構成する樹脂量を
増加させて低弾性化させるための構成要素であると同時
に、取扱い易くするものである。すなわち、通常の熱硬
化性樹脂の樹脂量を増加させて低弾性化したプリプレグ
の場合は、べたべたして取扱い難いため作業性が悪いが
一側面にナイロン12またはナイロン11またはそれら
の変性品を積層することによりそれらを改善するもので
ある。また、前記ナイロン12、ナイロン11は、前記
諸特性に加え、曲げ弾性率が6500MPa程度である
から、このようなプリプレグを用いて形成されたゴルフ
シャフトは、熱可塑性樹脂を用いたことによる曲げ強度
の低下や曲げ弾性率の低下を招く恐れがない。
【0022】さらに、前記ナイロン12、ナイロン11
またはそれらの変性品は、エポキシ樹脂との融着性が良
いので平滑なプリプレグが形成できるとともに、は吸水
率が小さいので、プリプレグの品質が安定する。このよ
うなプリプレグを用いて形成されたゴルフシャフトは外
観が優れたものが得られ、強度も安定したものとなる。
【0023】
【実施例】(実施例1)カーボン繊維として、引張り弾
性率が200GPa〜300GPaのものの中から、引
張り弾性率240GPa、比重1.8のグレードのもの
を選び、繊維目付け27g/mでエポキシ樹脂(比重
1.24)含有量が55重量%となるようにカーボン繊
維樹脂層を形成した。また、その一側面にナイロン12
変性品(比重1.08)からなるフィルムで、その厚み
t2が80μmのものを積層してカーボンプリプレグ1
01を形成した。このような構成のプリプレグ101
は、マトリックス樹脂はエポキシ樹脂とナイロン12の
両方であるから、繊維体積含有率(vf)は13%とな
った。このようなプリプレグ101よりなる成形品の曲
げ弾性率は25GPaとなり、低弾性のプリプレグとな
った。
【0024】このようなプリプレグ101を用いて、図
2に示すようにゴルフシャフトを成形した。まず、引張
り弾性率が240GPa〜600GPaのカーボン繊維
とエポキシ樹脂をマトリックスとして、樹脂含有率が2
0重量%〜30重量%のプリプレグ6を形成した。前記
プリプレグ6を用いて、ほぼゴルフシャフト全長に相当
する長さのストレートプリプレグ61、バイアスプリプ
レグ62を形成した。次に、実施例1のプリプレグ10
1をゴルフシャフトの先端から300mmまでの範囲に
配置できるように2種類の形状に切り出して、補強用プ
リプレグ101a、101bを形成した。
【0025】そして、先端径3.8mm、テーパー率
7.5/1000で全長が1150mmのゴルフシャフ
ト成形用のマンドレル5を用意した。そのマンドレル5
に内側からバイヤスプリプレグ62を±3プライ、スト
レートプリプレグ61を2プライ、先端から300mm
までの範囲の部分にナイロン12フィルム4が外側にな
るように補強プリプレグ101aを3プライ、ストレー
トプリプレグ61を2プライ、先端から200mmまで
の範囲の部分に、ナイロン12フィルム4が外側になる
ように補強用プリプレグ101bを5プライを、所望の
ゴルフシャフトの特性となるようにそれぞれ積層した。
その後、その外側の全長をラッピングテープで巻き締
め、加熱硬化後にマンドレルを引き抜き、全長が900
mmのゴルフシャフトを得た。
【0026】(実施例2)実施例2として、カーボン繊
維として、引張り弾性率が200GPa〜300GPa
のものの中から、引張り弾性率240GPa、比重1.
8のグレードのものを選び、繊維目付け60g/m
樹脂含有量が40重量%となるようにカーボン繊維樹脂
層を形成した。また、その一側面にナイロン12変性品
のフィルムで、その厚みt2が50μmのものを積層し
てカーボンプリプレグ102を形成した。マトリックス
樹脂はエポキシ樹脂とナイロン12変性品の両方である
から、繊維体積含有率(Vf)は29.4%となり、こ
のようなプリプレグ102よりなる成形品の曲げ弾性率
は57GPaとなり、低弾性のプリプレグとなった。
【0027】このようなプリプレグ102を、実施例1
の構成のうちの補強プリプレグにかえて補強プリプレグ
102a、102bとして用いた他は同様の構成として
ゴルフシャフトを成形した。
【0028】すなわち、図2に示すように、先端径3.
8mm、テーパー率7.5/1000で全長が1150
mmのゴルフシャフト成形用のマンドレル5を用意し
た。そのマンドレル5に内側からバイヤスプリプレグ6
2を±3プライ、ストレートプリプレグ61を2プラ
イ、先端から300mmまでの範囲の部分にナイロン1
2フィルム4が外側になるように補強プリプレグ102
aを3プライ、ストレートプリプレグ61を2プライ、
先端から200mmまでの範囲の部分に、ナイロン12
フィルム4が外側になるように補強用プリプレグ102
bを5プライを、所望のゴルフシャフトの特性となるよ
うにそれぞれ積層した。その後、その外側の全長をラッ
ピングテープで巻き締め、加熱硬化後にマンドレルを引
き抜き、全長が900mmのゴルフシャフトを得た。
【0029】(比較例)前記実施例のゴルフシャフトの
構成のうち、補強用プリプレグとして、引張り弾性率が
50GPaのピッチ系カーボンプリプレグ(繊維目付け
100g/m、樹脂重量37重量%)を用いた他は前
記実施例と同様の構成としてゴルフシャフトを形成し
た。
【0030】以上成形した実施例1、実施例2および比
較例のゴルフシャフトについて、それぞれ曲げ剛性、ト
ルク、ねじり強度、衝撃強度について評価した結果を表
1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】曲げ剛性は、シャフトの撓み量を順式・逆
式で測定して表した。順式撓み量は、シャフトの後端部
の所定位置を保持し、先端部に所定質量の荷重を加えた
時の、前記先端部の所定位置の撓み量を測定したもの
で、逆式撓み量は、シャフトの先端部の所定位置を保持
し、後端部に所定質量の荷重を加えた時の前記後端部の
所定位置の撓み量を測定したものである。
【0033】トルクは、シャフトの両端を保持し、該シ
ャフトに1フィートにつき1ポンドのねじれ荷重を加え
た時のシャフトのねじれ角度を測定した。ねじり強度
は、SG式試験に準じて治具によりシャフトの両端を保
持し、グリップを回転させてシャフトをねじり破壊させ
た時の最大ねじりモーメントに最大ねじれ角を乗じた値
である。
【0034】衝撃強度(衝撃エネルギー)は、JISの
シャルピー衝撃試験に準じて、ゴルフシャフトの先端部
を切り出し、該切り出した部分に重りを自由落下させ、
各時間での荷重値と初期加速度から、破壊に要した衝撃
エネルギーを算出した。
【0035】表1によれば、補強繊維の量を少なくし、
エポキシ樹脂とナイロン12樹脂によりプリプレグの樹
脂量を増加させたプリプレグを使用した実施例1および
2のゴルフシャフトは、比較例のゴルフシャフトに比し
てトルク、衝撃エネルギーが向上していた。したがっ
て、本発明のプリプレグを用いてゴルフシャフトを成形
することにより、該ゴルフシャフトの強度および耐衝撃
性にすぐれた成形品となった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、汎用品のカーボン繊維
を用いて、単位面積当たりに使用する繊維の量を少なく
し、それに伴いマトリックス樹脂の量を増加させること
によって低弾性繊維強化樹脂層を形成し、その一側面に
ナイロン12、ナイロン11またはそれらの変性品から
なるフィルムを積層したプリプレグとしたから、作業時
に扱いやすいプリプレグとなる。また、カーボン繊維と
して、汎用品を用いていることからコストの低減となっ
た。
【0037】従来、ピッチ系カーボン繊維からなる低弾
性プリプレグでのみ実現可能であった曲げ剛性や強度、
重量に悪影響を及ぼすことなく剛性の低いゴルフシャフ
トを形成することが出来るといったことを、本発明のプ
リプレグを用いてゴルフシャフトを形成することによ
り、曲げ剛性、ねじり強度等の特性においては前記従来
のピッチ系カーボン繊維からなる低弾性プリプレグを使
用して形成したゴルフシャフトと同等程度に、さらにト
ルク、衝撃強度等の特性についてはより向上したゴルフ
シャフトが安価に製造できた。
【0038】本発明のプリプレグを補強用プリプレグと
して衝撃強度が要求されるゴルフクラブのネック部分の
ゴルフシャフトに用いれば、補強によるゴルフシャフト
の剛性のアップや、重量の増加といった悪影響を及ぼす
ことなく衝撃強度を向上させることが出来る。また、本
発明のプリプレグをゴルフシャフト全体に用いれば、ゴ
ルフシャフトの強度低下を招くことなく剛性の低い、す
なわち軟らかいゴルフシャフトを安価に得ることが出来
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプリプレグを示す拡大説明図。
【図2】本発明のゴルフシャフトの積層構成を説明する
図。
【符号の説明】
1 カーボン繊維 2 エポキシ樹脂 3 カーボン繊維強化樹脂層 4 熱可塑性樹脂フィルム層 5 マンドレル 6 プリプレグ 61 ストレートプリプレグ 62 バイアスプリプレグ 10 プリプレグ 101 カーボンプリプレグ 101a 補強用プリプレグ 101b 補強用プリプレグ 102 カーボンプリプレグ 102a 補強用プリプレグ 102b 補強用プリプレグ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 105:06 B29K 105:06 Fターム(参考) 2C002 AA05 CS03 MM02 PP01 SS03 4F072 AA04 AA07 AB10 AB17 AB22 AB34 AC02 AD23 AG03 AG12 AG20 AL04 AL05 4F100 AD11A AK48B AK53A BA02 DG01A DH01A EJ82A GB87 JB16B JK02A JK07A JL05 YY00A

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引張り弾性率200GPa〜300GP
    aのカーボン繊維を一方向に引き揃えてエポキシ樹脂を
    含浸させてなるカーボン繊維強化樹脂層であって、該カ
    ーボン繊維強化樹脂層の単位面積あたりの樹脂含有量
    が、40重量%〜70重量%であり、かつ、前記カーボ
    ン繊維強化樹脂層の一側面に、その厚みが10μmm〜
    120μmmの熱可塑性樹脂フィルムが積層されたこと
    を特徴とするプリプレグ。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性樹脂フィルムは、ナイロン
    12またはナイロン11または、それらの変性品とした
    ことを特徴とする請求項1記載のプリプレグ。
  3. 【請求項3】 前記カーボン繊維強化樹脂層の厚さt
    と前記熱可塑性フィルムの厚さtの比は、1:0.
    1〜1:10の範囲にあることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載のプリプレグ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のプリプ
    レグを用いて形成したことを特徴とするゴルフシャフ
    ト。
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