JP2014075786A - 画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及び、プログラム - Google Patents

画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及び、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】無駄を省いた最適な電力状態でスリープ状態から復帰でき、無駄な消費電力を削減することが可能となる。
【解決手段】画像形成装置の電源制御部801は、第一電源供給部809(5V)から電力が供給され且つ第二電源供給部817(12V)および第三電源供給部1520(24V)から電力が供給されない第1電力状態(スリープ状態)において、ネットワークから受信したパケットが第1種類のパケット(代理応答不可パケット)の場合には、第一電源供給部809および第二電源供給部817から電力が供給され且つ第三電源供給部1520から電力が供給されない第2電力状態(ネットワーク応答状態)にし、ネットワークから受信したパケットが第2種類のパケット(ジョブパケット)の場合には、第一電源供給部809、第二電源供給部817および第三電源供給部1520から電力が供給される第3電力状態(プリント動作状態)にする。
【選択図】図15

Description

本発明は、画像形成装置がスリープ状態においてネットワーク経由でパケットを受信し、復帰する際の制御に関する。
従来、ネットワーク通信を行う画像形成装置には、消費電力の節約のために、一定時間以上使用されない場合には自動的にスリープ(Sleep)状態に移行する機能を備えている。このような画像形成装置は、スリープ状態にある場合、ネットワークを介して他の機器から操作されることでスリープ状態から復帰する。
上記スリープ状態から復帰する方法として、ネットワークからの入力信号を受信し、受信した入力信号のパターンが予め登録された入力信号パターンと一致する入力があった場合にスリープ状態から復帰する方式が提案されている。
また、スリープ状態から復帰する際に、画像形成装置内の各デバイスに対しての電力供給をするか否かを選択して復帰するものがある(特許文献1参照)。
特開2011−71760号公報
まず、上記従来技術において、画像形成装置がスリープ状態の場合に、ネットワークパケットを受信して、画像形成装置の一部のデバイス対して電力を供給して復帰した場合について考える。
この場合には、ネットワーク経由で受信したパケットが、プリント動作が必要なジョブパケットなのか、それ以外の装置の問い合わせなのかが電源制御装置では判断ができたいために、必ず一部のデバイスにしか電力を供給できない。このために、全てのデバイスに対して電力を供給する必要があるようなジョブパケットを受信していた場合には、一部のデバイスに対しての電源供給を行っている状態を経た後に全てのデバイスに対して電源供給を行う。このため、スリープ復帰後のプリント動作が遅くなってしまうことが考えられる。
また、スリープ復帰時に全デバイスに対して電力供給を行ってしまうと、ネットワーク経由で受信したパケットが装置のステータス問い合わせのみの場合などでは、余計な電力を消費してしまうこととなる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものである。本発明の目的は、無駄を省いた最適な電力状態でスリープ状態から復帰することが可能となり、無駄な消費電力を削減することが可能となる。
本発明は、複数の電力状態で動作可能な画像形成装置であって、ネットワークを介してデータの送受信を行う通信手段と、前記通信手段に接続され、前記通信手段によって受信されたデータの処理を行う制御手段と、用紙に画像を形成する画像形成手段と、前記制御手段に電力を供給可能な第1電力供給手段と、前記制御手段に前記第1電力供給手段から供給される電力より高い電圧の電力を供給可能な第2電力供給手段と、前記画像形成手段に前記第2電力供給手段から供給される電力より高い電圧の電力を供給可能な第3電力供給手段と、前記第1電力供給手段から電力が供給され且つ前記第2電力供給手段および前記第3電力供給手段から電力が供給されない第1電力状態において、ネットワークから受信したパケットが第1種類のパケットの場合には、前記第1電力供給手段および前記第2電力供給手段から電力が供給され且つ前記第3電力供給手段から電力が供給されない第2電力状態にし、ネットワークから受信したパケットが第2種類のパケットの場合には、前記第1電力供給手段、前記第2電力供給手段および前記第3電力供給手段から電力が供給される第3電力状態にする電力制御手段と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、無駄を省いた最適な電力状態で省電力状態から復帰することが可能となり、無駄な消費電力を削減することが可能となる。
本発明の一実施例を示す画像形成装置を適用可能なネットワークシステムの構成の一例を示すブロック図である。 画像形成装置10の外観の一例を示す図である。 画像形成装置10のコントローラ11の構成をより詳細に説明するためのブロック図である。 ネットワークI/F306の構成をより詳細に説明するためのブロック図である。 実施例1におけるコントローラ11の処理の一例を示すフローチャートである。 ネットワーク通信において利用されるパケットのフォーマットの一例を示す図である。 ネットワーク通信において利用されるパケットのフォーマットの一例を示す図である。 実施例1におけるコントローラ11の電源制御に関するハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 実施例1の電源制御部801による電源制御処理の一例を示すフローチャートである。 実施例1におけるコントローラ11の電源状態の一例を示す図である。 実施例1におけるコントローラ11の電源状態の一例を示す図である。 実施例1におけるコントローラ11の電源状態の一例を示す図である。 実施例1におけるコントローラ11の電源状態の一例を示す図である。 実施例2におけるコントローラ11の処理の一例を示すフローチャートである。 実施例2におけるコントローラ11の電源制御に関するハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 実施例2の電源制御部801による電源制御処理の一例を示すフローチャートである。 実施例2におけるコントローラ11の電源状態の一例を示す図である。 実施例2におけるコントローラ11の電源状態の一例を示す図である。 実施例2におけるコントローラ11の電源状態の一例を示す図である。 実施例2におけるコントローラ11の電源状態の一例を示す図である。 実施例2におけるコントローラ11の電源状態の一例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例を示す画像形成装置を適用可能なネットワークシステムの構成の一例を示すブロック図である。
図1に示す例では、ホストコンピュータ40、50、および画像形成装置(10、20、30)がLAN60に接続されているが、本発明のシステムにおいては、これらの接続数に限られるものではない。また、本実施例では装置の接続方法としてLANを適用しているが、これに限られるものではない。例えばWAN(公衆回線)などの任意のネットワークなども適用可能である。
ホストコンピュータ(以下、PC)40、50は、一般的なパーソナルコンピュータの機能を有している。このPC40、50は、LAN60やWANを介してFTPやSMBプロトコルを用いファイルを送受信したり電子メールを送受信したりすることができる。
また、PC40、50から画像形成装置10、20、30に対して、プリンタドライバを介した印字命令を行うことが可能となっている。
さらに、PC40、50は、定期的に画像形成装置10、20、30に対して、画像形成装置の状態を問い合わせることができ、PC40、50からの要求によって、画像形成装置10、20、30は印刷可能であるか否かなどの情報を返信することができる。
画像形成装置10と画像形成装置20は、同じ構成を有する装置である。画像形成装置10、20は、スキャナ部を有している。画像形成装置30は、プリント機能のみの画像形成装置であり、画像形成装置10、20が有するスキャナ部を有していない。
以下では、説明の簡単のために、画像形成装置10、20のうちの画像形成装置10に注目して、その構成を詳細に説明するが、画像形成装置20についても同様である。また、画像形成装置30は、スキャナ部以外、画像形成装置10と同様とする。
画像形成装置10は、画像入力デバイスであるスキャナ部13、画像出力デバイスであるプリンタ部14、画像形成装置10全体の動作制御を司るコントローラ(Controller Unit)11、ユーザインターフェース(UI)である操作部12を有する。
以下、画像形成装置10の外観について説明する。
図2は、画像形成装置10の外観の一例を示す図である。
スキャナ部13は、複数のCCDを有している。この各CCDの感度が夫々異なっていると、たとえ原稿上の各画素の濃度が同じであったとしても、各画素が夫々違う濃度であると認識されてしまう。そのため、スキャナ部13では、最初に白板(一様に白い板)を露光走査し、露光走査して得られた反射光の量を電気信号に変換してコントローラ11に出力している。
続いて、この原稿上の画像をスキャンする構成について説明する。
スキャナ部13は、原稿上の画像を露光走査して得られた反射光をCCDに入力することで画像の情報を電気信号に変換する。さらに、スキャナ部13は、電気信号をR,G,B各色からなる輝度信号に変換し、当該輝度信号を画像データとしてコントローラ11に対して出力する。
なお、原稿は、原稿フィーダ201のトレイ202にセットされる。ユーザが操作部12から読み取り開始を指示すると、コントローラ11からスキャナ部13に原稿読み取り指示が与えられる。スキャナ部13は、この指示を受けると原稿フィーダ201のトレイ202から原稿を1枚ずつフィードして、原稿の読み取り動作を行う。なお、原稿の読み取り方法は、原稿フィーダ201による自動送り方式ではなく、原稿を不図示のガラス面上に載置し露光部を移動させることで原稿の走査を行う方法であってもよい。
プリンタ部14は、コントローラ11から受取った画像データを用紙上に形成する画像形成デバイスである。なお、本実施例において、画像形成方式は、感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式となっているが、本発明はこれに限られることはない。例えば、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に印字するインクジェット方式や昇華式等の他の印刷方法でも本発明は適用可能である。
また、プリンタ部14には、異なる用紙サイズ又は異なる用紙向きを選択可能とする複数の用紙カセット203、204、205が設けられている。排紙トレイ206には、印字後の用紙が排出される。
図3は、画像形成装置10のコントローラ11の構成をより詳細に説明するためのブロック図である。
コントローラ11は、スキャナ部13やプリンタ部14と電気的に接続されており、一方ではLAN60などを介してPC40、50や外部の装置などと接続されている。これにより、コントローラ11には、画像データやデバイス情報の入出力が可能となっている。
CPU301は、ROM303に記憶された制御プログラム等に基づいて接続中の各種デバイスとのアクセスを統括的に制御すると共に、コントローラ11内部で行われる各種処理についても統括的に制御する。
RAM302は、CPU301が動作するためのシステムワークメモリであり、かつ画像データを一時記憶するためのメモリでもある。このRAM302は、記憶した内容を電源off後も保持しておくSRAM及び電源off後には記憶した内容が消去されてしまうDRAMにより構成されている。
ROM303には、装置のブートプログラムなどが格納されている。HDD304は、ハードディスクドライブであり、システムソフトウェアや画像データを格納することが可能となっている。
操作部I/F305は、システムバス307と操作部12とを接続するためのインターフェース部である。この操作部I/F305は、操作部12に表示するための画像データをシステムバス307から受取り、操作部12に出力する。また、操作部I/F305は、操作部12から入力された情報をシステムバス307へと出力する。
ネットワークI/F(Network I/F)306は、LAN60及びシステムバス307に接続し、情報の入出力を行うことにより、画像形成装置とネットワークとの通信を制御する。画像バス308は、画像データをやり取りするための伝送路であり、PCIバス又はIEEE1394で構成されている。
画像処理部309は、画像処理を行うためのものであり、RAM302に記憶された画像データを読み出し、JPEG、JBIGなどの拡大または縮小および、色調整などの画像処理を行うことが可能である。
スキャナ画像処理部310は、スキャナ部13からスキャナI/F311を介して受取った画像データに対して、補正、加工、及び編集を行う。なお、スキャナ画像処理部310は、受取った画像データがカラー原稿か白黒原稿かの判定や、文字原稿か写真原稿かなどの判定を行う。そして、スキャナ画像処理部310は、その判定結果を画像データに付随させる。こうした付随情報を属性データと称する。
プリンタ画像処理部312は、この画像データに付随させられている属性データを参照しながら画像データに画像処理を施す。画像処理後の画像データは、プリンタI/F313を介してプリンタ部14に出力される。
なお、コントローラ11は、図3には示していないが、電源制御に関するハードウェア構成(図8)なども有する。
図4(a)は、ネットワークI/F306の構成をより詳細に説明するためのブロック図である。
ネットワークI/F306は、処理の機能としてみると、WOL検出部401、代理応答検出部402、代理応答送信部403、データ転送処理部404、ROM405を有する。
なお、ネットワークI/F306内のROM405には、WOLパターン登録領域406、代理応答受信パケットパターン登録領域407、送信データ登録領域408が設けられている。
WOL検出部401は、CPU301のスリープ中にWOLパターン登録領域406に記憶されているパターンと、ネットワーク60から受信したパケットのパターンを比較する。該比較の結果、一致した場合、WOL検出部401は、CPU301へ割り込みなどの出力を行ってCPU301を起動する。
代理応答検出部402は、CPU301のスリープ中に代理応答受信パケットパターン登録領域407に記憶されているパターンと、ネットワーク60から受信したパケットのパターンを比較する。該比較の結果、一致した場合、代理応答検出部402は、代理応答送信部403へ通知を行う。代理応答受信パケットパターン登録領域407には、ネットワークを介して受信したパケットと比較すべきパケットのリストが記憶されている。
代理応答送信部403は、前記代理応答検出部402からの通知に応じて、送信データ登録領域408に記憶されているパケットパターンで、ネットワーク60へパケットを送出する。また、代理応答送信部403は、ネットワークへパケットを送出する際、相手先のアドレスの生成や、パケットのチェックサムの計算を行いパケットに情報を入れることが可能である。
データ転送処理部404は、CPU301からの指示によりネットワークから受信されたデータをRAM302へ転送する。または、データ転送処理部404は、RAM302に存在するデータをネットワーク60へ送信するための処理を行う。
なお、ネットワークI/F306は、例えば、ROM405又は図示しないネットワークI/F306内の他の記憶装置(フラッシュメモリ等)に格納されたプログラムを、ネットワークI/F306内のCPU410(図4(b))が読み出して実行することにより、処理の機能としての、WOL検出部401、代理応答検出部402、代理応答送信部403、データ転送処理部404を実現する構成とする。
なお、ネットワークI/F306内のCPU410(図4(b))の消費電力は、CPU301の消費電力より小さいものとする。
図4(b)は、ネットワークI/F306のハードウェアブロック図である。
ネットワークI/F306は、CPU410、DRAM411、ROM405、Ethernetコントローラ413、PCIバスコントローラ414および上記した各ブロックを接続するシステムバス415を有している。なお、ネットワークI/F306は、上述したCPU301やRAM302が設けられたボードと同じボード上に設けられてもよいし、CPU301やRAM302とは異なるボード上に設けられても良い。
CPU410は、ネットワークI/F306の各部の動作を統括する。このCPU410は、上記したWOL検出部401および代理応答検出部402として機能する。CPU410は、システムバス415を介して、DRAM411およびROM405にアクセスする。
DRAM411は、読み書き可能なメモリである。ネットワークI/F306の制御プログラムがDRAM411を使用する。
ROM405は、上記したWOLパターン登録領域406、代理応答受信パケットパターン登録領域407、送信データ登録領域408を有している。
Ethernetコントローラ413は、ネットワークインタフェースとして代表的な規格であるEthernet(登録商標、以下省略)に接続される。このEthernetコントローラ413は、ネットワーク60を通じて、ホストコンピュータ40、50などの上位装置やネットワークに接続された他の外部装置から送信されたマルチキャストやブロードキャストなどのパケットを受信する。また、Ethernetコントローラ413は、ホストコンピュータ40、50などの上位装置やネットワークに接続された他の外部装置に、パケットを送信する。Ethernetコントローラ413は、DMA回路(不図示)を含んでおり、外部ネットワークから受信したデータをDRAM411内にDMA転送することが可能である。また、逆にDRAM411内に存在するデータをDMA転送によって、ネットワークに送信することも可能になっている。このEthernetコントローラ413は、上記した代理応答送信部403として機能する。Ethernetコントローラ413には、ネットワークの物理層に接続するための回路も含まれている。
なお、本実施例では、ネットワークI/F306は、Ethernetコントローラ413を有し、Ethernetに接続する構成を説明したが、Ethernet以外の規格のネットワークに接続する構成であってもよい。
PCIバスコントローラ414は、上記したデータ転送処理部404として機能する。PCIバスコントローラ414は、システムバス415を介して、DRAM411およびROM405にアクセスする。なお、本実施例では、ネットワークI/F306は、PCIバスコントローラ414を有し、PCIバスに接続する構成を説明したが、PCIバス以外の規格のバスに接続する構成であってもよい。
次に、図5のフローチャートを用いて、CPU301がネットワークを使用可能とし、その後、CPU301がスリープへ移行して、ネットワーク60経由でパケットを受信した際に、パケットを解析し、そのパケットの解析結果に基づきコントローラを復帰させる処理について説明する。
図5は、実施例1におけるコントローラ11の処理の一例を示すフローチャートである。なお、S501〜S504は、CPU301の処理に対応する。CPU301の処理は、CPU301がROM303又はHDD304に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。また、S505〜S510はネットワークI/F306の処理に対応する。ネットワークI/F306の処理は、ネットワークI/F306内のCPU410がROM405等に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
まず、S501において、CPU301は、システムバス307を介してネットワークI/F306のレジスタに対してライト動作を行うことにより、ネットワークI/F306の初期化を行い、ネットワークでデータ送受信するための設定を完了する。
次に、S502において、CPU301は、システムバス307を介してネットワークI/F306のレジスタに対してライト動作を行うことにより、ネットワークI/F306を起動して、ネットワークI/F306により、RAM302上に予め確保したネットワーク転送用のバッファ領域を介してデータを送受信させる。このとき、CPU301は、RAM302に記憶されているオペレーティングシステム(以下、OS)によって動作している。ネットワークへのデータの送受信は、OSを介してRAM302で動作しているアプリケーションソフトウェアによりネットワークからデータを受信、またはネットワークへデータを送信することで可能となる。なお、アプリケーションソフトウェアによるデータ転送は、ネットワークI/F306内のデータ転送処理部404を介して行われる。
画像形成装置10は、例えばプリント動作やスキャン動作が指示されない時間が予め定められている時間以上となった場合(スリープ移行条件を満たした場合)、消費電力を低減するためスリープ状態に移行する。
S503において、CPU301は、RAM302で動作しているソフトウェアで一定時間以内にCPU301がプリント動作やスキャン動作を行ったか否かを監視する。
そして、一定時間以内にCPU301がプリント動作やスキャン動作を行ったと判定した場合、CPU301、スリープ状態に移行しないと判定し(S503でNo)、S503に処理を戻し、監視を継続するように制御する。
一方、一定時間以内にCPU301がプリント動作やスキャン動作を行っていないと判定した場合、CPU301は、スリープ状態に移行すると判定し(S503でYes)、S504に処理を進める。なお、スリープ状態ではCPU301は動作するためのクロックが供給されないか、または電源が供給されない状態になり、さらにRAM302などの必要な情報を退避しておく部分以外の回路に対しても同様にクロックが供給されないか、または電源が供給されない状態にすることによって、消費電力を低減させることが可能である。
S504では、CPU301は、実際にスリープ状態に移行する前に、システムバス307を介してネットワークI/F306のレジスタへライト動作し、CPU301がスリープ状態にこれから移行することを通知する。CPU301によりスリープ状態に移行することを通知されたネットワークI/F306は、図4(a)に示したWOL検出部401、代理応答検出部402、代理応答送信部403を動作可能状態にする。これにより、ネットワークI/F306は、CPU301のスリープ中にCPU301を通常動作に移行させるパケットを受信した場合には、CPU301を復帰させることが可能となる。また、ネットワークI/F306は、CPU301を使用せずにネットワークI/FがCPU301にかわって代理応答のパケットを受信した場合には、代理応答をすることを可能にする。
次に、S505において、ネットワークI/F306は、ネットワーク60経由でコントローラ11に対して送信されたパケットの受信を監視する。
そして、コントローラ11に対して送信されたパケットを受信するまで(S505でNoの間)、ネットワークI/F306は、S505にてパケット受信の監視を継続する。
一方、コントローラ11に対して送信されたパケットを受信したと判定した場合(S505でYesの場合)、ネットワークI/F306は、引き続きパケットの解析を実行するためにS506に処理を遷移させる。ここで、ネットワーク通信において利用されるパケットについて説明する。
図6は、ネットワーク通信において利用されるパケットのフォーマットの一例を示す図である。
図6に示すように、ネットワーク通信パケットでは、Etherヘッダ601に続いてIPヘッダ602が存在する。
コネクションを必要とするパケットには、一般にTCP(Transmission Control Protocol)パケットがある。TCPパケットは、Etherヘッダ601、IPヘッダ602に続いて、TCPパケットヘッダ(図7)、データ(不図示)という構造となっている。なお、TCPパケットの詳細は図7にて記述するが、TCP仕様は、RFC793において定義されている。
図7は、コネクションを必要とする通信において利用されるTCPパケットのフォーマットを示す図である。
一般にコネクションを必要とする通信では、TCPヘッダ701が存在する。前記コネクションの管理は、TCPヘッダ701内に含まれる情報を利用して行われる。前記コネクションの管理とは、そのコネクション内で送受信される通信パケットの順序制御やパケットロス時に行われる再送制御、パケットの流量制御、ふくそう回避制御など、通信の信頼性を確保する制御を行うことを指す。
送信元ポート番号702は、2バイトで通信パケットを送信する側のポート番号を示す。宛先ポート番号703は、2バイトで通信パケットを受信する側のポート番号を示す。コネクションを必要とする通信の場合、そのコネクションを閉じるか変更しない限り、送信元ポート番号702と宛先ポート番号703は固定の値となる。
シーケンス番号704は、4バイトで送信したパケットのデータの位置を示す。データを送信するたびに送信データのサイズ分値が加算される。確認応答番号(Ack No)705は、4バイトで次に受信すべきデータのシーケンス番号を示す。従って、送信側が次に送るパケットのシーケンス番号704と受信パケットの確認応答番号705が同じ場合には、そこまでの通信は正常に行われたことを示す。
データオフセット706は、4ビットでTCPパケットにおけるデータ部フィールドが始まる位置を示す。
コントロールフラグ707は、6ビットでTCPパケットの制御情報を示す。1ビットずつ個々でURG(緊急データが含まれている)、ACK(確認応答番号705の値が有効である)、PSH(受信データを上位のアプリケーションプロトコルに渡す)、RST(何らかの理由によりコネクションが強制的に切断された)、SYN(コネクションの確立要求)、FIN(今後送信するデータがない、コネクションの切断要求)を示す。コネクションを必要とする通信の場合、通信シーケンス毎にコントロールフラグ707を制御することによって、コネクションの管理を行う。
ウインドウサイズ708は、2バイトで前記確認応答番号705の値で示したデータの位置から、次に受信することができるデータサイズを示す。送信側はウインドウサイズ708の値を超えて送信することはできない。ウインドウサイズ708の値は、通信シーケンス毎で受信側において処理されるパケットの状態や、受信側で用意している受信バッファのサイズ、受信側のプロトコルスタックの設定などで動的に変化する。
チェックサム709は、2バイトでTCPパケットのヘッダ部とデータ部の信頼性を提供する。送信側が個々のパケット毎にチェックサム709を計算し、パケットに付加する。受信側は、受け取ったパケットからチェックサムをチェックすることによって、通信路上でパケットの破壊がないかをチェックすることができる。
緊急ポインタ(URG)710は、2バイトで緊急を要するデータの格納位置ポインタを示す。緊急データを受け取った場合の動作は、受信側における個々のアプリケーションが決定する。上述したTCPパケットの個々の内容から、コネクションを必要とする通信を行う場合、通信シーケンス毎に値が動的に変更されるフィールドが存在する。
以下、図5のフローチャートの説明に戻る。
S506において、ネットワークI/F306のWOL検出部401は、上記受信したコントローラ11に対してのパケットが、プリンタ部14やスキャナ部13に通電する必要があるジョブパケットか否か判定する。この判定では、WOL検出部401は、上記受信したパケットのパターンと、WOLパターン登録領域406に記憶されているパターンとを比較する。ここでは、受信したTCPパケットのパターンが、WOLパターン登録領域406に格納されているパターンのうちの、宛先ポート番号が"8000"又は"8001"というパターンと一致するかどうかを判断する。
そして、WOL検出部401は、受信したパケットの宛先ポート番号703が"8000"又は"8001"である場合、ジョブパケットであると判定する。一方、WOL検出部401は、受信したパケットの宛先ポート番号703が"8000"でなく、且つ"8001"でもない場合には、ジョブパケットでないと判定する。
上記受信したパケットがジョブパケット(プリントパケット)であると判定した場合(S506でYesの場合)、ネットワークI/F306のWOL検出部401は、S509に処理を進める。
S509では、WOL検出部401は、後述するWake1信号802(図8)を電源制御部801に対して出力する。そして、本フローチャートの処理を終了する。
一方、上記S506において、WOL検出部401が上記受信したパケットがジョブパケットでないと判定した場合(S506でNoの場合)、ネットワークI/F306は、S507に処理を進める。
S507では、ネットワークI/F306の代理応答検出部402は、上記受信したパケットが代理応答可能なパケットかどうかを判定する。この判定処理では、代理応答検出部402は、代理応答受信パケットパターン登録領域407に記憶されているパターンと、上記受信したパケットのパターンを比較する。そして、それらが一致していれば、代理応答検出部402は、上記受信したパケットが代理応答可能なパケットと判定する。一方、それらが一致していなければ、代理応答検出部402は、上記受信したパケットが代理応答可能なパケットでないと判定する。
上記受信したパケットが代理応答可能なパケットであると判定した場合(S507でYesの場合)、代理応答検出部402は、代理応答送信部403へ通知を行う。
この通知を受けた代理応答送信部403は、S510において、送信データ登録領域408に記憶されているパターン列を使用して、ネットワーク60へ応答パケットを送出し、S505に処理を戻す。
一方、上記S507において、上記受信したパケットが代理応答可能なパケットでないと判定した場合(S507でNoの場合)、代理応答検出部402は、S508に処理を進める。即ち、受信したパケットがジョブパケット(第2種類のパケット)でも、代理応答可能パケット(第3種類のパケット)でもない、代理応答不可パケット(第1種類のパケット)の場合には、S507に処理を進める。
S508では、代理応答検出部402は、後述するWake2信号803(図8)を電源制御部801に対して出力する。そして、本フローチャートの処理を終了する。
なお、S506とS507の順序は逆でもよい。
以上示したように、ネットワークI/F306は、スリープ状態でネットワークからパケットを受信し、スリープ状態から復帰する場合、前記パケットの種類に応じた種類の復帰信号(Wake1信号802、Wake2信号803)を電源制御部801に送信する。
以下、コントローラ11の電源制御に関するハードウェア構成について説明する。
図8は、実施例1におけるコントローラ11の電源制御に関するハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
電源制御部801は、CPU301からの命令や、ネットワークI/F306からのスリープ状態からの復帰検出用の信号等(Wake1信号802、Wake2信号803等)を受け、その命令によって第一電源供給部809や第二電源供給部817から各装置に対して電源供給を行うかどうかの制御を行う。
第一電源供給部809は、常夜電源に対応し、例えば、3.3Vの電力(第1電力)を供給する(第1電力供給部)。第二電源供給部817は、非常夜電源に対応し、例えば、12Vの電力(第2電力)を供給する(第2電力供給部)。即ち、第二電源供給部817が供給する第2電力は、第一電源供給部809が供給する第1電力より高い電圧の電力となる。
電源制御部801は、制御信号804〜808の制御を行い、ジョブの実行が可能なスタンバイ状態では、デバイス301〜304、305、及び309〜313に第2電力を供給するとともに、ネットワークI/F306及び電源制御部801自身に第1電力を供給するように電力制御する。また、電源制御部801は、制御信号804〜808の制御を行い、消費電力を制限したスリープ状態では、デバイス301〜304、305、及び309〜313への電力供給を遮断するとともに、ネットワークI/F306及び電源制御部801自身に第1電力を供給するように制御する。即ち、スタンバイ状態からスリープ状態へ移行する場合、電源制御部801は、デバイス301〜304、305、及び309〜313へ供給されている第2電力を遮断するように制御する。
Wake1信号(第1復帰信号)802は、スリープ状態になっている場合に、ネットワークI/F306がネットワーク60経由でジョブパケットを受信した際に、その旨をネットワークI/F306から電源制御部801に通知するための信号である。電源制御部801は、このWake1信号を検知したら、制御信号804〜808の制御を行い、各デバイスに対して供給する電源の選択を行う(詳細は後述する)。
Wake2信号(第2復帰信号)803は、スリープ状態になっている場合に、ネットワークI/F306がネットワーク60経由でジョブパケットではなく、且つ、代理応答可能パケットでもないパケット(例えば画像形成装置10の状態の問い合わせ等)を受信した際に、その旨をネットワークI/F306から電源制御部801に通知するための信号である。電源制御部801は、Wake2信号を検知したら、制御信号804〜808の制御を行い、各デバイスに対して供給する電源の選択を行う(詳細は後述する)。
制御信号804〜808は、各デバイスに対して電源供給を行うかどうかを制御するための信号である。
また、スイッチ811〜815は、制御信号804〜808で制御されるスイッチである。電源制御部801がスイッチ811〜815を制御信号804〜808で制御することで、各デバイスに対しての電源供給状態を変更することが可能となる。スイッチ811〜815は、FETやリレースイッチ等によって実現することができる。
制御信号804およびスイッチ813は、ネットワークI/F306への電源供給を制御するためのものである。スイッチ813は、制御信号804により、画像形成装置10がスタンバイ状態およびスリープ状態の場合に、ネットワークI/F306へ電源を供給し、画像形成装置10がオフ状態の場合にはネットワークI/F306への電源を停止するように制御される。即ち、スイッチ813は、第一電源供給部809からネットワークI/F306への電力の供給および停止を切り替える(第1切替部)。
制御信号805およびスイッチ814は、RAM302への第一電源供給を制御するためのものである。RAM302に対しては、第一電源および第二電源のどちらからでも電源を供給できるようになっている。電源制御部801は、画像形成装置10の状態によって、どちらの電源から電力供給するかの選択を行っている。例えば、スリープ状態の場合には第一電源からRAM302に対して電力供給し、プリント動作時には第二電源から電力供給するといったことが考えられる。
制御信号806およびスイッチ815は、CPU301、ROM303およびHDD304への第一電源供給を制御するためのものである。即ち、スイッチ815は、第一電源供給部809からCPU301、ROM303およびHDD304への電力の供給および停止を切り替える(第2切替部)。CPU301、ROM303およびHDD304に対しては、第一電源および第二電源のどちらからでも電源を供給可能な構成になっている。電源制御部801は、画像形成装置10の状態によって、どちらの電源から電力供給するかの選択を行っている。なお、電源制御部801が、CPU301、ROM303およびHDD304へ、第一電源供給部809と第二電源供給部817のどちらから電力供給するかの制御の詳細は、後述する図9で示すが、ここでも一例を示しておく。例えば、スリープ状態からジョブパケット以外の復帰要因で復帰した場合には、第一電源からCPU301、ROM303およびHDD304に対して電力供給し、一方、スリープ状態からジョブパケットで復帰した場合には、第二電源からCPU301、ROM303およびHDD304に対して電力供給するといったことが考えられる。
制御信号807およびスイッチ811は、第一電源供給部809に対してAC電源の供給を制御するためのものである。制御信号807およびスイッチ811は、後述のスイッチ810がオンされたら、電源制御部801によってオンされる。これにより、ユーザがスイッチ810をオフした際にも、コントローラ11に対して電源供給することが可能となる。このとき電源制御部801は、スイッチ810のオフ/オンを取得するための信号816により、スイッチ810がオフされたことを検知し、それをCPU301に対して通知することで、正常なシャットダウン処理をしてから各デバイスに対しての電源をオフすることが可能となる。
スイッチ810は、ユーザによって画像形成装置10への電源オン/オフの操作をするためのスイッチであり、ユーザがスイッチ810をオンすることで第一電源供給部809にAC電源が供給されるようになる。
制御信号808およびスイッチ812は、第二電源供給部817に対してAC電源の供給を制御するためのものである。また、制御信号808およびスイッチ812は、各デバイスに対しての第二電源供給を制御するためのものである。例えば、画像処理部309への電源供給で説明すると、スリープ状態の場合には、スイッチ812はオフされ電力供給は停止されていて、スタンバイ時にはスイッチ812はオンされ第二電源供給部817から電力供給される。即ち、スイッチ812は、電源制御部801によりオンおよびオフが制御され、第二電源供給部817からの電力の供給および停止を切り替える(第3切替部)。
第一電源供給部809は、AC電源をDC電源に変換し、電源制御部801等に対して第一電源を供給する。第一電源供給部809から供給される第一電源は、画像形成装置10がスリープ状態に移行した場合でも、電源制御部801等に対して電源供給を行うために備えられている電源である。第一電源は、電源制御部801の他にスリープ状態からの復帰を行うためのネットワーク60からの着信検知をするためのネットワークI/Fへも供給される。
第二電源供給部817は、AC電源をDC電源に変換し、各デバイスに対して、第二電源を供給する。第二電源供給部817から供給される第二電源は、画像形成装置10がスリープ状態の時に電源供給を停止する電源である。第二電源供給部817は、スリープ状態場合の消費電力を下げ、スリープ状態の場合に電源供給が不要な各種デバイスに対して電源供給を行うために備えられている。
以下、図9のフローチャートに沿って、実施例1における電源制御部801がどのように各デバイスに対しての電源制御を行うかについて説明する。即ち、電源オンからスリープ状態に遷移し、ネットワーク60経由で送信された復帰パケットをネットワークI/F306が受信し、復帰する際の処理について説明する。
図9は、実施例1の電源制御部801による電源制御処理の一例を示すフローチャートである。
図10〜図13は、実施例1におけるコントローラ11の電源状態の一例を示す図である。
なお、図9において、CPU301が実行する処理は、CPU301がROM303又はHDD304に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
また、電源制御部801は、例えば、1つのICチップ上にマイクロプロセッサ、RAM、ROM、各種入出力装置などを搭載したワンチップマイコンでも、PLDでもASICでも、ロジック回路でも、その他の構成でもよい。電源制御部801は、図9に示す電源制御部801が実行する処理を実現可能なものであれば、どのような構成でもよい。
ユーザによってスイッチ810がオンされると(S901でYes)、電源制御部801に電源供給が行われ、スタンバイ状態に移行する(S902)。詳細には、電源供給が行われと、電源制御部801は、制御信号804〜808を制御して、スイッチ813、811、812をオンし、スイッチ814、815をオフする。これより、図8に示される全てのデバイスに対して電源が供給されている状態となり、第一電源および第二電源それぞれから供給できるRAM302、CPU301、ROM303、HDD304に対しては、いずれも第二電源を供給している状態となり(図10参照)、スタンバイ状態に移行する。
なお、スイッチ810がオンされるまでは、電源制御部801に電源供給されていないので、各制御信号804〜808は出力されておらず、スイッチ811〜815はオフのままである。
次に、S903において、CPU301は、電源オフされたかどうかを判定する。具体的には、電源制御部801が、ユーザによってスイッチ810がオフされたことを信号816により検知した場合、その旨をCPU301に通知する。この通知を受けると、CPU301は、電源オフされたと判定する。一方、この通知を受けない間は、CPU301は、電源オフされていないと判定する。
CPU301が、電源オフされたと判定した場合(S903でYes)、S912に処理を遷移させる。
S912では、CPU301は、シャットダウン処理を実行し、電源制御部801に対して、シャットダウン実行を通知する。電源制御部801は、CPU301からシャットダウン実行の通知を受けると、制御信号804〜808を制御し、スイッチ811〜815をオフし、全ての通電を停止する(図13参照)。
一方、上記S903において、電源オフされていないと判定した場合(S903でNoの場合)、CPU301は、S904に処理を遷移させる。
S904では、CPU301は、スリープ移行するかどうかを判定する。
CPU301は、スリープ移行条件を満たしていないと判断した場合、スリープ移行しないと判定し(S904でNo)、S903に処理を戻す。なお、スリープ移行条件としては、タイマーによるスリープ移行等があり、例えばプリント動作やスキャン動作が指示されない時間が予め定められている時間以上となった場合等が考えられる。
一方、CPU301は、スリープ移行条件を満たしたと判断した場合、スリープ移行すると判定し(S904でYes)、S905に処理を遷移させる。
S905では、CPU301は、スリープ移行処理を実行し、電源制御部801にスリープ移行することを通知する。電源制御部801は、CPU301からスリープ移行通知を受けると、制御信号804〜808を制御して、スイッチ811、813、814をオンし、スイッチ812,815をオフする。つまりスリープ状態の場合に電源供給されているのは、図8に示している各デバイスの中の電源制御部801、ネットワークI/F306、RAM302のみとなり、いずれも第一電源供給部809から電力供給(3.3V)を受けている状態(第1電力状態)となる(図11参照)。
スリープ状態に移行すると、電源制御部801は、S906において、ネットワークI/F306から出力されるWake1信号がアサートされたかどうかを監視する。
電源制御部801は、Wake1信号がアサートされたことを検出したと判定した場合(S906でYes)、S910に処理を遷移させる。
S910では、電源制御部801は、制御信号804〜808を制御して、スイッチ811、812、813をオンし、スイッチ814、815をオフする。つまり、S902のスタンバイ状態と同じ状態にする(図10参照)。これにより、CPU301は電力供給されて復帰し、プリント動作可能な状態(第3電力状態)となる。CPU301は、ネットワークI/F306からジョブパケットを受信し、そのジョブを実行するように制御する。なお、ここではジョブパケットがプリントを要する場合を想定し、プリント動作で説明したが、プリント動作に限らず、リモートスキャン等の場合でも同様になる。
次に、S911において、CPU301は、上記S910で実行したプリント動作が終了したかどうかを監視する。CPU301は、プリント動作が終了するまで(S910でNoの間)、S911の処理を繰り返す。そして、プリント動作が終了したと判定した場合(S911でYesの場合)、CPU301は、S902に処理を遷移させる。
一方、上記S906において、Wake1信号がアサートされたことを検出していないと判定した場合(S906でNo)、電源制御部801は、S907に処理を遷移させる。
S907では、電源制御部801は、ネットワークI/F306から出力されるWake2信号がアサートされたかどうかを判定する。
電源制御部801は、Wake2信号がアサートされたことを検出していないと判定した場合(S907でNo)、S906に処理を戻す。
一方、電源制御部801は、Wake2信号がアサートされたことを検出したと判定した場合(S907でYes)、S908に遷移する。
S908では、電源制御部801は、ネットワーク応答状態に移行するように制御する。詳細には、電源制御部801は、制御信号804〜808を制御して、スイッチ811、813、814、815をオンし、スイッチ812をオフする。つまりこの場合に電源供給されているのは、図8に示している各デバイスの中の電源制御部801、ネットワークI/F306、RAM302、CPU301、ROM303、HDD304のみとなり、いずれも第一電源供給部809から電力供給(3.3V)を受けている状態(第2電力状態)である(図12参照)。これにより、CPU301は電力供給されて復帰し、応答動作可能な状態となる。CPU301は、ネットワークI/F306から、代理応答不可で且つジョブではないパケット(例えば画像形成装置10のステータス問い合わせ等)を受信し、そのパケットに対応する応答動作を実行するように制御する。なお、ここではHDD304まで電源を供給しているがCPU301がネットワークパケットに対して応答できればHDD304に電力を供給しなくてもよい。
次に、S909において、CPU301は、ネットワーク応答処理が終了したかどうかを判定する。
CPU301は、ネットワーク応答処理が終了するまで(S909でNoの間)、S909の処理を繰り返す。
ネットワーク応答が終了したと判定した場合(S909でYesの場合)、CPU301は、S905に処理を遷移し、再度スリープ状態に移行する。
以上のことから、ネットワークI/F306において受信したパケットを判断し、その結果に基づいて電源制御部801に対して出力するWake信号を切り替える。これにより、電源制御部801は復帰時に必要なデバイスのみに対して通電を行うのと同時に、電力を供給する電源を切り替えることで、最適な復帰状態を作ることが可能となり、無駄な消費電力を削減することが可能となる。
例えば、ネットワークI/F306においてジョブパケットを受信した場合、電源制御部801は、全てのデバイスに電力供給する。この際、電源制御部801は、第一電源および第二電源それぞれから供給できるRAM302、CPU301、ROM303、HDD304に対して、いずれも第二電源供給部817から第二電源(12V)を供給する(図10)。
また、ネットワークI/F306において代理応答負荷で且つジョブパケットでないパケットを受信した場合、電源制御部801は、ネットワークI/F306、RAM302、CPU301、ROM303、HDD304等に電力供給する。この際、電源制御部801は、第一電源および第二電源それぞれから供給できるRAM302、CPU301、ROM303、HDD304に対して、いずれも第一電源供給部809から第一電源(3.3V)を供給する(図12)。
以上示したように、本発明の画像形成装置は、画像形成装置がスリープ状態においてネットワーク経由でパケットを受信し、画像形成装置を復帰させる際に、パケットの種類によって電源を供給するデバイスを変更するのと同時に、そのパケットの種類によって各デバイスに供給する電源種類を切り替える構成を有する。即ち、電源制御部801は、復帰信号(Wake1信号802又はWake2信号803)を受信した場合、前記復帰信号の種類に応じて、デバイス301〜304に、第1電力(3.3V)又は第2電力(12V)を供給するように制御する。
このように、ネットワークI/F306において受信したパケットを判断し、その結果に基づいて電源制御部801に対して出力する復帰信号(Wake1、Wake2)を切り替えることで、電源制御部801は復帰時に必要なデバイスのみに対して通電を行うのと同時に、電力を供給する電源(第一電源供給部(3.3V)、第二電源供給部(12V))を切り替えることで、無駄を省いた最適な電力状態でスリープ状態から復帰することが可能となり、無駄な消費電力を削減することが可能となる。
実施例1では、CPU301、ROM303及びHDD304に第一電源供給部809および第二電源供給部817から電力が供給される例について説明した。実施例2では、CPU301、ROM303及びHDD304に第一電源供給部809から電力が供給されるが、第二電源供給部817および第三電源供給部1520から電力が供給されない構成について説明する。
図15は、実施例2におけるコントローラ11の電源制御に関するハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
電源制御部801は、CPU301からの命令や、ネットワークI/F306からのスリープ状態からの復帰検出用の信号等(Wake1信号802、Wake2信号803等)を受け、その命令によって第一電源供給部809や第二電源供給部817から各装置に対して電源供給を行うかどうかの制御を行う。
第一電源供給部809は、例えば、5Vの電力を供給する。第二電源供給部817及び第三電源供給部1520は、例えば、12Vの電力や24Vの電力を供給する。即ち、第二電源供給部817及び第三電源供給部1520が供給する第2電力及び第3電力は、第一電源供給部809が供給する第1電力より高い電圧の電力となる。
電源制御部801は、制御信号804〜807の制御を行い、ジョブの実行が可能なスタンバイ状態では、第一電源供給部809から、CPU301、RAM302、ROM303およびHDD304に対して電力を供給するように電力制御する。また、スタンバイ状態では、第一電源供給部809から、ネットワークI/F306及び電源制御部801に電力を供給するように電力制御する。また、電源制御部801は、制御信号808の制御を行い、第二電源供給部817及び第三電源供給部1520に対してAC電源の供給制御を行う。これにより、操作部I/F305、画像処理部309、スキャナ画像処理部310、プリンタ画像処理部312に、第二電源供給部817から電力が供給される。また、電源制御部801は、制御信号1522、1523の制御を行い、プリンタ部14及びスキャナ部13に対して電力の供給を制御する。
さらに、電源制御部801は、制御信号804〜808、1522、1523の制御を行い、消費電力を制限したスリープ状態では、デバイス301〜304、305、309、310、312、341、342、331、332への電力供給を遮断するとともに、ネットワークI/F306及び電源制御部801に第一電源供給部809から、電力を供給されるように制御する。即ち、スタンバイ状態からスリープ状態へ移行する場合、電源制御部801は、デバイス301〜304、305、309、310、312、341、342、331、332へ供給されている電力を遮断するように制御する。
Wake1信号802は、スリープ状態になっている場合に、ネットワークI/F306がネットワーク60経由でジョブパケットを受信した際に、その旨をネットワークI/F306から電源制御部801に通知するための信号である。電源制御部801は、このWake1信号802及び後述するWake2信号803を検知したら、制御信号804〜808、1522の制御を行い、各デバイスに対して供給する電源の選択を行う(詳細は後述する)。
Wake2信号(第2復帰信号)803は、スリープ状態になっている場合に、ネットワークI/F306がネットワーク60経由で、代理応答可能パケット(例えばARPパケットやWSD探索パケット等)でない何かしらのパケット(例えばジョブパケットや画像形成装置10の状態の問い合わせ等)を受信した際に、その旨をネットワークI/F306から電源制御部801に通知するための信号である。電源制御部801は、Wake2信号を検知したら、制御信号804〜808、1522の制御を行い、各デバイスに対して供給する電源の選択を行う(詳細は後述する)。
制御信号804〜808、1522、1523は、各デバイスに対して電源供給を行うかどうかを制御するための信号である。
また、スイッチ811〜815、1521、1524〜1527は、制御信号804〜808、1522、1523で制御されるスイッチである。電源制御部801がスイッチ811〜815、1521、1524〜1527を制御信号804〜808、1522、1523で制御することで、各デバイスに対しての電源供給状態を変更することが可能となる。スイッチ811〜815、1521、1524〜1527は、FETやリレースイッチ等によって実現することができる。
制御信号804およびスイッチ813は、ネットワークI/F306への電源供給を制御するためのものである。スイッチ813は、制御信号804により、画像形成装置10がスタンバイ状態およびスリープ状態の場合に、ネットワークI/F306へ電源を供給し、画像形成装置10がオフ状態の場合にはネットワークI/F306への電源を停止するように制御される。即ち、スイッチ813は、第一電源供給部809からネットワークI/F306への電力の供給および停止を切り替える。
制御信号805およびスイッチ814は、RAM302への第一電源供給を制御するためのものである。スイッチ814は、制御信号805により、画像形成装置10がスタンバイ状態およびスリープ状態の場合に、RAM302へ電源を供給し、画像形成装置10がオフ状態の場合にはRAM302への電源を停止するように制御される。即ち、スイッチ814は、第一電源供給部809からRAM302への電力の供給および停止を切り替える。
制御信号806およびスイッチ815は、CPU301、ROM303およびHDD304への第一電源供給を制御するためのものである。スイッチ815は、制御信号806により、画像形成装置10がスタンバイ状態の場合に、CPU301、ROM303およびHDD304へ電源を供給し、画像形成装置10がスリープ状態およびオフ状態の場合にはCPU301、ROM303およびHDD304への電源を停止するように制御される。即ち、スイッチ815は、第一電源供給部809からCPU301、ROM303およびHDD304への電力の供給および停止を切り替える。
制御信号807およびスイッチ811は、第一電源供給部809に対してAC電源の供給を制御するためのものである。制御信号807およびスイッチ811は、後述のスイッチ810がオンされたら、電源制御部801によってオンされる。これにより、ユーザがスイッチ810をオフした際にも、コントローラ11に対して電源供給することが可能となる。このとき電源制御部801は、スイッチ810のオフ/オンを取得するための信号816により、スイッチ810がオフされたことを検知し、それをCPU301に対して通知することで、正常なシャットダウン処理をしてから各デバイスに対しての電源をオフすることが可能となる。
スイッチ810は、ユーザによって画像形成装置10への電源オン/オフの操作をするためのスイッチであり、ユーザがスイッチ810をオンすることで第一電源供給部809にAC電源が供給されるようになる。
制御信号808およびスイッチ812は、第二電源供給部817に対してAC電源の供給を制御するためのものである。また、制御信号808およびスイッチ812は、各デバイスに対しての第二電源供給を制御する。例えば、画像処理部309への電源供給で説明すると、スリープ状態の場合には、スイッチ812はオフされ電力供給は停止されていて、スタンバイ時にはスイッチ812はオンされ第二電源供給部817から電力供給される。即ち、スイッチ812は、電源制御部801によりオンおよびオフが制御され、第二電源供給部817からの電力の供給および停止を切り替える。
制御信号808及びスイッチ1521は、第三電源供給部1520に対してAC電源の供給を制御する。
第一電源供給部809は、AC電源をDC電源に変換し、電源制御部801等に対して第一電源を供給する。第一電源供給部809から供給される第一電源は、画像形成装置10がスリープ状態に移行した場合でも、電源制御部801等に対して電源供給を行うために備えられている電源である。第一電源は、電源制御部801の他にスリープ状態からの復帰を行うためのネットワーク60からの着信検知をするためのネットワークI/Fへも供給される。
第二電源供給部817は、AC電源をDC電源に変換し、各デバイスに対して、第二電源を供給する。第二電源供給部817から供給される第二電源は、画像形成装置10がスリープ状態の時に電源供給を停止する電源である。第二電源供給部817は、スリープ状態場合の消費電力を下げ、スリープ状態の場合に電源供給が不要な各種デバイスに対して電源供給を行うために備えられている。
第三電源供給部1520は、AC電源をDC電源に変換し、各デバイスに対して、第三電源を供給する。第三電源供給部1520から供給される第三電源は、プリンタ駆動部342及びスキャナ駆動部332に電源供給し、画像形成装置10がスリープ状態の時に電源供給を停止する電源である。第三電源供給部1520は、スリープ状態場合の消費電力を下げ、スリープ状態の場合に電源供給が不要な各種デバイスに対して電源供給を行うために備えられている。
制御信号1522およびスイッチ1526、1527は、プリンタ制御部341及びプリンタ駆動部342に対して第2電源及び第3電源の供給を制御するためのものである。つまり、これらはプリンタ部14への電源供給を制御するために備えられている。例えば、プリンタ部14への電源供給で説明すると、スリープ状態の場合には、スイッチ1526及び1527はオフされ電力供給は停止されている。そして、プリント動作時にはスイッチ1526及び1527はオンされ第二電源供給部817及び第三電源供給部1520から電力供給される。即ち、スイッチ1526及び1527は、電源制御部801によりオンおよびオフが制御され、第二電源供給部817及び第三電源供給部1520からの電力の供給および停止を切り替える。
制御信号1523およびスイッチ1524、1525は、スキャナ制御部331及びスキャナ駆動部332に対して第2電源及び第3電源の供給を制御するためのものである。つまり、これらはスキャナ部13への電源供給を制御するために備えている。例えば、スキャナ部13への電源供給で説明すると、スリープ状態の場合には、スイッチ1524及び1525はオフされ電力供給は停止されている。そして、スキャン動作時にはスイッチ1524及び1525がオンされ、第二電源供給部817及び第三電源供給部1520から電力供給される。即ち、スイッチ1524及び1525は、電源制御部801によりオンおよびオフが制御され、第二電源供給部817及び第三電源供給部1520からの電力の供給および停止を切り替える。
スキャナ制御部331は、ユーザからスキャナに対する設定等をCPU301との通信により受信し、それに基づきスキャナ駆動部332の制御を実施する。スキャナ制御部331はCPU301が代替としてスキャナ駆動部332を制御するような構成でもよい。スキャナ駆動部332は、不図示のADFの紙搬送用のモーターのような物理的に動作するものである。スキャナ駆動部332は、スキャナ制御部331からの制御に基づき動作する。
プリンタ制御部341は、ユーザからプリンタに対する設定等をCPU301との通信により受信し、それに基づきプリンタ駆動部342の制御を実施する。プリンタ制御部341はCPU301が代替としてプリンタ駆動部342を制御するような構成でもよい。プリンタ駆動部342は、不図示の定着器や紙搬送モーターのような物理的にどうさするものである。プリンタ制御部341からの制御に基づき動作する。
図14は、実施例2におけるコントローラ11の処理の一例を示すフローチャートである。なお、S1401〜S1408及びS1410の処理は、図5のS501〜S508及びS510の処理と同一であるので説明を省略する。また、S1409はネットワークI/F306の処理に対応する。ネットワークI/F306の処理は、ネットワークI/F306内のCPU410がROM405等に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
ジョブパケット(プリントパケット)を受信した場合(S1406でYesの場合)、ネットワークI/F306のWOL検出部401は、S1409において、Wake1信号802及びWake2信号803(図15)を電源制御部801に対して出力する。そして、本フローチャートの処理を終了する。実施例1では、図5に示したように電源制御部801に対してWake1信号802を出力することで電源制御部801がプリント動作状態と判定していた。一方、実施例2では、Wake1信号802及びWake2信号803の両方を出力することで電源制御部801がプリント動作状態と判定する。
以下、図16のフローチャートに沿って、実施例2における電源制御部801がどのように各デバイスに対しての電源制御を行うかについて説明する。即ち、電源オンからスリープ状態に遷移し、ネットワーク60経由で送信された復帰パケットをネットワークI/F306が受信し、復帰する際の処理について説明する。
図16は、実施例2の電源制御部801による電源制御処理の一例を示すフローチャートである。
図17〜図21は、実施例2におけるコントローラ11、プリンタ部14及びスキャナ部13の電源状態の一例を示す図である。
なお、図16において、CPU301が実行する処理は、CPU301がROM303又はHDD304に格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現される。
また、電源制御部801は、例えば、1つのICチップ上にマイクロプロセッサ、RAM、ROM、各種入出力装置などを搭載したワンチップマイコンでも、PLDでもASICでも、ロジック回路でも、その他の構成でもよい。電源制御部801は、図16に示す電源制御部801が実行する処理を実現可能なものであれば、どのような構成でもよい。
ユーザによってスイッチ810がオンされると(S1601でYes)、電源制御部801に電源供給が行われ、スタンバイ状態に移行する(S1602)。詳細には、電源供給が行われと、電源制御部801は、制御信号804〜808、1522、1523を制御して、スイッチ811〜815、1521、1524〜1527をオンする。これより、図15に示される全てのデバイスに対して電源が供給されている状態となり、第一電源、第二電源及び第三電源から各デバイスに対して供給している状態となり(図17参照)、スタンバイ状態に移行する。
なお、スイッチ810がオンされるまでは、電源制御部801に電源供給されていないので、各制御信号804〜808、1522、1523は出力されておらず、スイッチ811〜815、1521、1524〜1527はオフのままである。
次に、S1603において、CPU301は、電源オフされたかどうかを判定する。具体的には、電源制御部801が、ユーザによってスイッチ810がオフされたことを信号816により検知した場合、その旨をCPU301に通知する。この通知を受けると、CPU301は、電源オフされたと判定する。一方、この通知を受けない間は、CPU301は、電源オフされていないと判定する。
CPU301が、電源オフされたと判定した場合(S1603でYes)、S1612に処理を遷移させる。
S1612では、CPU301は、シャットダウン処理を実行し、電源制御部801に対して、シャットダウン実行を通知する。電源制御部801は、CPU301からシャットダウン実行の通知を受けると、制御信号804〜808、1522、1523を制御し、スイッチ811〜815、1521、1524〜1527をオフし、全ての通電を停止する(図20参照)。
一方、上記S1603において、電源オフされていないと判定した場合(S1603でNoの場合)、CPU301は、S1604に処理を遷移させる。
S1604では、CPU301は、スリープ移行するかどうかを判定する。
CPU301は、スリープ移行条件を満たしていないと判断した場合、スリープ移行しないと判定し(S1604でNo)、S1603に処理を戻す。なお、スリープ移行条件としては、タイマーによるスリープ移行等があり、例えばプリント動作やスキャン動作が指示されない時間が予め定められている時間以上となった場合等が考えられる。
一方、CPU301は、スリープ移行条件を満たしたと判断した場合、スリープ移行すると判定し(S1604でYes)、S1605に処理を遷移させる。
S1605では、CPU301は、スリープ移行処理を実行し、電源制御部801にスリープ移行することを通知する。電源制御部801は、CPU301からスリープ移行通知を受けると、制御信号804〜808、1522、1523を制御して、スイッチ811、813、814をオンし、スイッチ812、815、1521、1524〜1527をオフする。つまりスリープ状態の場合に電源供給されているのは、電源制御部801、ネットワークI/F306、RAM302のみとなり、いずれも第一電源供給部809から電力供給(5V)を受けている状態(第1電力状態)となる(図18参照)。
スリープ状態に移行すると、電源制御部801は、S1606において、ネットワークI/F306から出力されるWake1信号802及びWake2信号803がアサートされたかどうかを監視する。
電源制御部801は、Wake1信号802及びWake2信号803がアサートされたことを検出したと判定した場合(S1606でYes)、S1610に処理を遷移させる。
S1610では、電源制御部801は、制御信号804〜806、808、1522、1523を制御して、スイッチ812〜815、1521、1526、1527をオンし、スイッチ1524、1525をオフする。つまり、プリント動作のみができるような電源状態にする(図21参照)。これにより、CPU301は電力供給されて復帰し、プリント動作可能な状態となる。
次に、S1611において、CPU301は、上記S1610で実行したプリント動作が終了したかどうかを監視する。CPU301は、プリント動作が終了するまで(S1610でNoの間)、S1611の処理を繰り返す。そして、プリント動作が終了したと判定した場合(S1611でYesの場合)、CPU301は、S1603に処理を遷移させる。
一方、上記S1606において、Wake1信号802及びWake2信号803がアサートされたことを検出していないと判定した場合(S1606でNo)、電源制御部801は、S1607に処理を遷移させる。
S1607では、電源制御部801は、ネットワークI/F306から出力されるWake2信号803がアサートされたかどうかを判定する。
電源制御部801は、Wake2信号803がアサートされたことを検出していないと判定した場合(S1607でNo)、S1606に処理を戻す。
一方、電源制御部801は、Wake2信号803がアサートされたことを検出したと判定した場合(S1607でYes)、S1608に遷移する。
S1608では、電源制御部801は、ネットワーク応答状態に移行するように制御する。詳細には、電源制御部801は、制御信号804〜808、1522、1523を制御して、スイッチ811、813、814、815をオンし、スイッチ812、1521、1524〜1527をオフする。つまりこの場合に電源供給されているのは、電源制御部801、ネットワークI/F306、RAM302、CPU301、ROM303、HDD304のみとなり、いずれも第一電源供給部809から電力供給(5V)を受けている状態である(図19参照)。これにより、CPU301は電力供給されて復帰し、応答動作可能な状態となる。CPU301は、ネットワークI/F306から、代理応答不可で且つジョブではないパケット(例えばSNMPのGetRequestパケット等)を受信し、そのパケットに対応する応答動作を実行するように制御する。なお、ここではHDD304まで電源を供給しているがCPU301がネットワークパケットに対して応答できればHDD304に電力を供給しなくてもよい。
次に、S1609において、CPU301は、ネットワーク応答処理が終了したかどうかを判定する。
CPU301は、ネットワーク応答処理が終了するまで(S1609でNoの間)、S1609の処理を繰り返す。
ネットワーク応答が終了したと判定した場合(S1609でYesの場合)、CPU301は、S1613に処理を遷移する。
次に、S1613において、CPU301は、第二電源及び第三電源に通電する必要があるかどうかの判定を行っている。第二電源及び第三電源に通電する必要があるとき(S1613でYesの場合)、例えばS1609を実施している間に、ジョブパケットをネットワークI/F306から受けた場合にはプリンタ部14に通電する必要があるのでS1602に移行し、スタンバイ状態に遷移させる。第二電源及び第三電源に通電する必要がないとき(S1613でNoの場合)にはS1604に移行する。
以上のことから、ネットワークI/F306において受信したパケットを判断し、その結果に基づいて電源制御部801に対して出力するWake信号を切り替える。これにより、電源制御部801は復帰時に必要なデバイスのみに対して通電を行うのと同時に、電力を供給する電源を切り替えることで、最適な復帰状態を作ることが可能となり、無駄な消費電力を削減することが可能となる。
例えば、ネットワークI/F306においてジョブパケットを受信した場合、電源制御部801は、コントローラ11及びプリンタ部14の各デバイスに対して電力供給する。
また、ネットワークI/F306において代理応答不可で且つジョブパケットでないパケットを受信した場合、電源制御部801は、ネットワークI/F306、RAM302、CPU301、ROM303、HDD304に電力供給する。この際、電源制御部801は、第一電源から供給できるRAM302、CPU301、ROM303、HDD304に対して、いずれも第一電源供給部809から第一電源(5V)を供給する(図19)。
このように、ネットワークI/F306において受信したパケットを判断し、その結果に基づいて電源制御部801に対して出力する復帰信号(Wake1、Wake2)を切り替えることで、電源制御部801は復帰時に必要なデバイスのみに対して通電を行うことで無駄な消費電力を削減することが可能となる。
なお、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
また、上記各実施例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
さらに、本発明は、複数の機器(例えばコンピュータ、インターフェース機器、リーダー、プリンタなど)から構成されるシステムに適用することも、一つの機器からなる装置(複合機、プリンタ、ファクシミリ装置など)に適用することも可能である。
(他の実施例)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施例の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。即ち、上述した各実施例及びその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
11 コントローラ(Controller Unit)
301 CPU
306 ネットワークI/F(Network I/F)
801 電源制御部
802 Wake1信号
803 Wake2信号
809 第一電源供給部
817 第二電源供給部
1520 第三電源供給部

Claims (14)

  1. 複数の電力状態で動作可能な画像形成装置であって、
    ネットワークを介してデータの送受信を行う通信手段と、
    前記通信手段に接続され、前記通信手段によって受信されたデータの処理を行う制御手段と、
    用紙に画像を形成する画像形成手段と、
    前記制御手段に電力を供給可能な第1電力供給手段と、
    前記制御手段に前記第1電力供給手段から供給される電力より高い電圧の電力を供給可能な第2電力供給手段と、
    前記画像形成手段に前記第2電力供給手段から供給される電力より高い電圧の電力を供給可能な第3電力供給手段と、
    前記第1電力供給手段から電力が供給され且つ前記第2電力供給手段および前記第3電力供給手段から電力が供給されない第1電力状態において、ネットワークから受信したパケットが第1種類のパケットの場合には、前記第1電力供給手段および前記第2電力供給手段から電力が供給され且つ前記第3電力供給手段から電力が供給されない第2電力状態にし、ネットワークから受信したパケットが第2種類のパケットの場合には、前記第1電力供給手段、前記第2電力供給手段および前記第3電力供給手段から電力が供給される第3電力状態にする電力制御手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第1電力供給手段と前記通信手段との間には、前記第1電力供給手段から前記通信手段への電力の供給および停止を切り替える第1切替手段が設けられ、
    前記第2電力供給手段と前記制御手段との間には、前記第2電力供給手段から前記制御手段への電力の供給および停止を切り替える第2切替手段が設けられ、
    前記第3電力供給手段と前記画像形成手段との間には、前記第3電力供給手段から前記制御手段への電力の供給および停止を切り替える第3切替手段が設けられ、
    前記電力制御手段は、前記第1切替手段、前記第2切替手段および前記第2切替手段のオンおよびオフを制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 複数の電力状態で動作可能な画像形成装置であって、
    ネットワークを介してデータの送受信を行う通信手段と、
    前記通信手段に接続され、前記通信手段によって受信されたデータの処理を行う制御手段と、
    前記制御手段および前記通信手段に電力を供給可能な第1電力供給手段と、
    前記制御手段に前記第1電力供給手段から供給される電力より高い電圧の電力を供給可能な第2電力供給手段と、
    前記通信手段に前記第1電力供給手段から電力が供給され且つ前記制御手段に前記第1電力供給手段および前記第2電力供給手段から電力が供給されない第1電力状態において、ネットワークから受信したパケットが第1種類のパケットの場合には、前記制御手段に前記第1電力供給手段から電力が供給される第2電力状態にし、ネットワークから受信したパケットが第2種類のパケットの場合には、前記制御手段に前記第2電力供給手段から電力が供給される第3電力状態にする電力制御手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  4. 用紙に画像を形成する画像形成手段をさらに有し、
    前記画像形成手段は、前記第3電力状態で前記第2電力供給手段から電力が供給される、ことを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記第1電力供給手段と前記通信手段との間には、前記第1電力供給手段から前記通信手段への電力の供給および停止を切り替える第1切替手段が設けられ、
    前記第1電力供給手段と前記制御手段との間には、前記第1電力供給手段から前記制御手段への電力の供給および停止を切り替える第2切替手段が設けられ、
    前記電力制御手段は、前記第1切替手段および前記第2切替手段のオンおよびオフを制御する、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の画像形成装置。
  6. 前記電力制御手段によりオンおよびオフが制御され、前記第2電力供給手段から前記制御手段への電力の供給および停止を切り替える第3切替手段をさらに有する、ことを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記通信手段は、前記第1電力状態において、ネットワークから受信したパケットが第3種類のパケットの場合には、前記第1電力状態のままで、前記ネットワークに当該受信したパケットに対する応答パケットを送信する、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記第1種類のパケットは、前記通信手段が前記第1電力状態のままで、前記ネットワークに当該受信したパケットに応答することができないパケットであって、前記画像形成装置のステータスの問い合わせパケットである、ことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記第2種類のパケットは、前記通信手段が前記第1電力状態のままで、前記ネットワークに当該受信したパケットに応答することができないパケットであって、前記画像形成手段の動作が必要なパケットである、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の画像形成装置。
  10. 前記通信手段は、前記ネットワークを介して受信したパケットと比較すべきパケットのリストを記憶する記憶手段を有する、ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  11. 前記通信手段は、前記ネットワークを介して受信したパケットと前記記憶手段に記憶されるリストのパケットとを比較する比較手段をさらに有する、ことを特徴とする請求項10に記載の画像形成装置。
  12. 複数の電力状態で動作可能であり、ネットワークを介してデータの送受信を行う通信手段と、前記通信手段に接続され、前記通信手段によって受信されたデータの処理を行う制御手段と、用紙に画像を形成する画像形成手段と、前記制御手段に電力を供給可能な第1電力供給手段と、前記制御手段に前記第1電力供給手段から供給される電力より高い電圧の電力を供給可能な第2電力供給手段と、前記画像形成手段に前記第2電力供給手段から供給される電力より高い電圧の電力を供給可能な第3電力供給手段とを有する画像形成装置の制御方法であって、
    電力制御手段が、前記第1電力供給手段から電力が供給され且つ前記第2電力供給手段および前記第3電力供給手段から電力が供給されない第1電力状態において、ネットワークから受信したパケットが第1種類のパケットの場合には、前記第1電力供給手段および前記第2電力供給手段から電力が供給され且つ前記第3電力供給手段から電力が供給されない第2電力状態にし、ネットワークから受信したパケットが第2種類のパケットの場合には、前記第1電力供給手段、前記第2電力供給手段および前記第3電力供給手段から電力が供給される第3電力状態にする電力制御ステップを有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
  13. 複数の電力状態で動作可能であり、ネットワークを介してデータの送受信を行う通信手段と、前記通信手段に接続され、前記通信手段によって受信されたデータの処理を行う制御手段と、前記制御手段および前記通信手段に電力を供給可能な第1電力供給手段と、前記制御手段に前記第1電力供給手段から供給される電力より高い電圧の電力を供給可能な第2電力供給手段とを有する画像形成装置の制御方法であって、
    電力制御手段が、前記通信手段に前記第1電力供給手段から電力が供給され且つ前記制御手段に前記第1電力供給手段および前記第2電力供給手段から電力が供給されない第1電力状態において、ネットワークから受信したパケットが第1種類のパケットの場合には、前記制御手段に前記第1電力供給手段から電力が供給される第2電力状態にし、ネットワークから受信したパケットが第2種類のパケットの場合には、前記制御手段に前記第2電力供給手段から電力が供給される第3電力状態にする電力制御ステップを有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
  14. コンピュータに、請求項12又は13に記載の制御方法を実行させるためのプログラム。
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