JP2018061284A - 通信装置、通信装置の制御方法、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】 通信装置の省電力化を図りつつ、通信装置を仮想ネットワークに参加させるために必要な情報のスイッチングハブへの送信を確実に行う。【解決手段】 外部装置と中継機器を介して通信する通信装置であって、通信手段と、第1電力モードから、前記第1電力モードより消費電力が少ない第2電力モードに前記通信装置が移行する場合、前記通信手段の通信速度を低速に変更する第1制御手段と、前記第1制御手段の制御によってリンクアップが発生した場合に、前記通信装置の識別情報を前記中継機器に1より多い所定回数送信するように前記通信手段を制御する第2制御手段とを備え、前記識別情報の送信が前記所定回数行われた後は、次のリンクアップが発生するまで前記識別情報の送信は行われないことを特徴とする。【選択図】 図8
Description
本発明は、ネットワークを構成する中継機器と通信する通信装置、通信装置の制御方法、及びプログラムに関する。
従来、プリントや送信等を行うデジタル複合機では、LANなどのネットワークを介して他の装置と通信するためにNIC(Network Interface Card)が備えられている。
上記ネットワークの代表的な規格として、イーサネット(登録商標)が知られている。そして、イーサネット(登録商標)規格に準拠したNICとして、10Mbps、100Mbps、1000Mbps等の複数の通信速度のいずれかを選択して通信可能なものが知られている。
近年では、デジタル複合機での省電力化が求められており、省電力モードで動作する際にはNICの通信速度を低くすることで省電力化を図る技術が知られている(特許文献1参照)。
そして、更なる省電力化を図るために、特許文献1のように通信速度を低くするだけでなく、省電力モードで動作する際に通信装置の一部への電力供給を遮断する技術が知られている(特許文献2参照)。
ところで、近年のネットワーク関連技術として、仮想ネットワーク技術(VLAN(Virtual Local Area Network)技術)が知られている。VLAN技術とは、スイッチングハブなどの中継機器によって物理的に接続されたネットワーク上の複数のコンピュータ端末を、仮想的に複数のグループ(仮想ネットワーク)に分割し、各グループを各々異なるLANに属するものとして管理する技術をいう。そして、VLAN技術は、スタティックVLAN技術とダイナミックVLAN技術とに更に分類される。スタティックVLAN技術は、スイッチングハブのポート毎に上記複数のグループに分割するものである。一方、ダイナミックVLAN技術においては、スイッチングハブは、ポートに接続された複数のコンピュータ端末から動的に取得した情報(例えばMACアドレス)に基づいて、複数のコンピュータ端末を仮想的に複数のグループに分割して管理する。
ここで、ダイナミックVLAN技術に対応するスイッチングハブに接続される通信装置において、スイッチングハブとの通信リンクを切断(リンクダウン)した場合を考える。この場合、通信装置は、スイッチングハブとの間で通信リンクを再接続(リンクアップ)するために、MACアドレス等の情報をスイッチングハブに再送信する必要がある。なぜなら、ダイナミックVLAN技術に対応するスイッチングハブは、通信リンクが切断されたことにより通信リンクが切断されたコンピュータ端末がVLANに属しない(参加しない)ものとなったと判断するからである。通信装置は、スイッチングハブにより構成されるVLANに参加するためには、MACアドレス等の情報をスイッチングハブに送信する必要がある(特許文献3参照)。
特許文献1又は2に開示された技術では、NICの通信速度を低くすることで通信装置の省電力化を図ることができるものの、ダイナミックVLANを構成するシステムに通信装置を設置した場合においては以下のような課題がある。すなわち特許文献1又は2に開示された技術では、省電力モードで動作するときに通信リンクをいったん切断(リンクダウン)する。そのため、スイッチングハブ側では通信装置がVLANに属しない(参加しない)ものとなったと判断し、省電力モード中は他のコンピュータ端末からのパケットが送られてこないという問題がある。
一方、特許文献3に開示された技術では、通信リンクの再接続(リンクアップ)後に送信されるパケットがコリジョンなどにより消失した場合などにスイッチングハブにパケットが到達しない場合がある。また、スイッチングハブによっては、リンクアップ直後にパケットを送信するコンピュータ端末は不正な攻撃者である可能性が高いため、VLAN参加の判断処理を実行しないような設定を持つものがある。このような環境下では特許文献3に開示された技術では通信装置をVLANに参加させることができない。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、通信装置の省電力化を図りつつ通信装置を仮想ネットワークに参加させるために必要な情報のスイッチングハブへの送信を確実に行うことを目的とする。
上記の目的を達成するための、本発明の通信装置は、外部装置と中継機器を介して通信する通信装置であって、通信手段と、第1電力モードから、前記第1電力モードより消費電力が少ない第2電力モードに前記通信装置が移行する場合、前記通信手段の通信速度を低速に変更する第1制御手段と、前記第1制御手段の制御によってリンクアップが発生した場合に、前記通信装置の識別情報を前記中継機器に1より多い所定回数送信するように前記通信手段を制御する第2制御手段とを備え、前記識別情報の送信が前記所定回数行われた後は、次のリンクアップが発生するまで前記識別情報の送信は行われないことを特徴とする。
本発明によれば、通信装置の省電力化を図りつつ、通信装置を確実にネットワークに参加させることができる。
以下に、図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る通信装置を備える通信システムの構成を示すブロック図である。
図1は、本発明の第1実施形態に係る通信装置を備える通信システムの構成を示すブロック図である。
図1における通信システムは、通信装置としてのデジタル複合機1003(以下、単に複合機という)と、外部装置としてのパーソナルコンピュータ(PC)1001及び1002を備える。複合機1003は、ネットワークプリント機能、ネットワーク送信機能などの複数の機能を備えた装置である。また、PC1001および1002、複合機1003はスイッチングハブ1004を介してLAN(ローカルエリアネットワーク)1005に接続されている。
そして、複合機1003は、ユーザが各種の操作を行うための操作部1010と、操作部1010からの指示に従って画像情報を読み取るスキャナ部1008と、画像データを用紙に印刷するプリンタ部1007とを有する。更に、複合機1003は、操作部1010からの指示、及びPC1002からのリモートでの指示に基づいてスキャナ部1008及びプリンタ部1007を制御するコントロールユニット1006とを備える。
また、PC1001及び1002は、LAN1005を介して1ページ或いは複数ページの画像データを含む印刷ジョブを、複合機1003に送信することができる。また、PC1001及び1002は、印刷ジョブ以外にも各種のコマンドを複合機1003に送信することができる。また、PC1001及び1002は、複合機1003だけではなく、LAN1005に接続される他の複合機へ印刷ジョブを送信することも可能である。
図2は、図1の複合機1003の構成を示すブロック図である。
図2において、スキャナ部1008は、原稿を載置する原稿台ガラス101と、原稿台ガラス101の所定位置に順次原稿を送る原稿自動送り装置142と、原稿台ガラス101の上に載置された原稿を主走査方向に露光走査する。そして、スキャナ部1008は、原稿照明ランプ102、走査ミラー103、原稿台ガラス101の下方に設置された走査ユニット147、走査ミラー103の反射光をCCDユニット106に向けて反射する走査ミラー104、105を備える。また、走査ユニット147の1/2の速度で副走査方向に走査する走査ユニット148と、走査ミラー105の反射光を受光して結像する結像レンズ107を備える。そして、結像された像を、例えば8ビットのデジタル画像信号に変換するCCDから構成された撮像素子108、及び撮像素子108を駆動するCCDドライバ109とを有するCCDユニット106とを備える。
コントロールユニット1006は、操作部1010からの指示が入力され、撮像素子108から出力された画像信号に基づいて画像データを生成することや、装置全体の制御を行う。詳細には、図3を用いて後述する。
プリンタ部1007は、感光ドラム110と、コントロールユニット1006で生成された画像データに基づいて感光ドラム110を露光して静電潜像を形成する。例えば半導体レーザー等で構成された露光部117と、黒色の現像剤であるトナーを収容すると共に、感光ドラム110上の静電潜像をトナーで現像する現像器118を備える。また、感光ドラム110上の現像されたトナー像に転写前に高電圧をかける転写前帯電器119を備える。
プリンタ部1007は、また、手差しトレイ120と、用紙を格納する給紙ユニット122,124,142,144とを備える。また、手差しトレイ120上の用紙や給紙ユニット122,124,142,144内に格納された用紙を夫々給送する給送ローラ121,123,125,143,145を備える。また、プリンタ部1007は、給送ローラ121,123,125,143,145から給送された用紙を感光ドラム110に給紙するレジストローラ126とを備える。給送ローラ121,123,125,143,145は、手差しトレイ120上の用紙や給送ユニット122,124,142,144内に格納された用紙をレジストローラ126の位置で一旦停止させる。そして、感光ドラム110上の現像されたトナー像との書き出しタイミングをとるように給送する。
プリンタ部1007は、さらに、感光ドラム110上の現像されたトナー像を給送される用紙に転写する転写帯電器127と、感光ドラム110からトナー像が転写された用紙を感光ドラム110から分離する分離帯電器128を有する。また、プリンタ部1007は、分離した用紙を後述する定着器130に搬送する搬送ベルト129と、転写されずに感光ドラム110に残ったトナーを回収するクリーナー11とを備える。また、感光ドラムを徐電する前露光ランプ112と、感光ドラム110を一様に帯電する1次帯電体113を備える。
プリンタ部1007は、トナー像の転写がなされた用紙にトナー像を定着させる定着器130と、トナー像が定着された用紙をフラッパ131を介して受容するソーター132とを備える。また、トナー像の定着された用紙をフラッパ131及び給送ローラ133〜136を介して受容する中間トレイ137を備える。また、中間トレイ137内の用紙を感光ドラム110に再度給送する再給紙ローラ138とを備える。フラッパ131は、トナー像の定着がなされた用紙の給送先をソーター132と中間トレイ137の間で切換えるように構成され、給送ローラ133〜136は、トナー像の定着がなされた用紙を非反転(多重)又は反転(両面)するように構成されている。
図3は、図2におけるコントロールユニット1006の構成を示すブロック図である。
図3において、コントロールユニット1006は、スキャナ部1008、プリンタ部1007、LAN1005、及び公衆回線に接続され、画像データやデバイス情報の入出力を行うためのコントローラである。
コントロールユニット1006は、LAN1005を介してLAN上のコンピュータ端末から受信した印刷ジョブに含まれるPDLコードをビットマップイメージに展開するラスタイメージプロセッサ(RIP)2010を有する。また、コントロールユニット1006は、スキャナ部1008から入力された画像データに対し補正、加工、編集を行うスキャナ画像処理部2011を有する。また、コントロールユニット1006は、プリンタ部1007で出力(印刷)される画像データに対して補正、解像度変換等を行うプリンタ画像処理部2012と、画像データの回転を行う画像回転部2013とを有する。
また、コントロールユニット1006は、多値画像データはJPEG、2値画像データはJBIG、MMR、又はMHの圧縮伸張処理を行う画像圧縮部2014とを有する。また、コントロールユニット1006は、スキャナ部1008及びプリンタ部1007とコントロールユニット1006を接続して画像データの同期系/非同期系の変換を行うデバイスI/F2015を有する。更に、これらを互いに接続して画像データを高速で転送する画像バス2018とを備えている。
コントロールユニット1006は、また、複合機1003を制御するCPU2001を有する。以下では、コントロールユニット1006のCPU2001を、後述するネットワーク部2008のCPUと区別するため、「メインCPU」と呼ぶこととする。一方で、後述するネットワーク部2008のCPU3001を「サブCPU」と呼ぶこととする。
また、コントロールユニット1006は、メインCPU2001が動作するためのシステムワークメモリとして用いるRAM2006を有する。RAM2006は、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。また、コントロールユニット1006は、操作部1010に表示する画像データを操作部1010に対して出力する操作部I/F2007を有する。
また、操作部1010から本システム使用者が入力した情報をメインCPU2001に伝える役割をする操作部I/F2007を有する。また、コントロールユニット1006は、スイッチングハブ1004を介してLAN1005に接続され、PC1002やLAN1005上のコンピュータ端末(例えば、PC1001)との通信(送受信)を行うネットワーク部2008を有する。また、公衆回線に接続され、外部のファクシミリ装置とのデータの通信(送受信)を行うモデム部2009を有する。ネットワーク部2008は、LAN1005上のコンピュータ端末からデータを受信するとともに、受信したデータを処理するものである。また、コントロールユニット1006は、メインCPU2001が実行するブートプログラムが格納されているROM2002と、システムソフトウェア、画像データ、ソフトウェアカウンタ値などを格納するハードディスクドライブ(HDD)2003を備える。また、スキャナ部1008及びプリンタ部1007のCPUと夫々通信を行うスキャナ・プリンタ通信I/F2005と、これらを互いに接続するシステムバス2017とを備える。
コントロールユニット1006は、システムバス2017及び画像バス2018を接続しデータ構造を変換するバスブリッジであるイメージバスI/F2004とを備える。さらに、電源供給部1009から電力供給ライン2019を介して受容したDC電源を電力供給ライン2020、2021を介してコントロールユニット1006の所定の回路要素に供給する電源OFF/ON部2016を備える。電源OFF/ON部2016は、ネットワーク部2008から制御信号線2023を介して受信した制御信号及びメインCPU2001から制御信号線2022を介して受信した制御信号に基づいて制御される。電源OFF/ON部2016は、電力供給ライン2020、2021を選択的にON/OFFする。電力供給ライン2020は、メインCPU2001、ROM2002、HDD2003、イメージバスI/F2004、スキャナ・プリンタ通信I/F2005に接続されている。更に電力供給ライン2020は、デバイスI/F2015、画像回転部2013、画像圧縮部2014、RIP2010、スキャナ画像処理部2011及びプリンタ画像処理部2012に接続される。電力供給ライン2021は、RAM2006、操作部I/F2007、ネットワーク部2008及びモデム部2009に接続されている。
図1における複合機1003は、LAN1005に接続されたコンピュータ端末(PC1001やPC1002など)から送信された印刷ジョブに基づいて以下のように印刷処理を実行する。メインCPU2001は、LAN1005に接続されたコンピュータ端末からネットワーク部2008を介して受信した画像データである印刷データをRAM2006に記憶させる。そして、この画像データを、イメージバスI/F2004を介してRIP2010に供給し、RIP2010は、この画像データ(PDLコード)をビットマップデータに展開し、画像圧縮部2014は、圧縮処理を行ってHDD2003に蓄積する。次いで、HDD2003に蓄積された画像データ(圧縮されたビットマップデータ)は、イメージバスI/F2004を介して画像圧縮部2014に供給される。画像圧縮部2014は、供給された画像データ(圧縮されたビットマップデータ)を伸張し、プリンタ画像処理部2012は、プリンタの補正及び解像度変換等を行い、画像回転部2013は、必要な場合に画像データに回転処理を施す。続いて、各種処理を施された画像データは、印刷データとしてデバイスI/F2015を介してプリンタ部1007に送出され、プリンタ部1007によって用紙に印刷処理がなされる。
複合機1003は、省電力モードの1つであるディープスリープモードで動作可能である。通常モードでは、電源供給部1009は、電力供給ライン2019を介して電源OFF/ON部2016に電力供給し、メインCPU2001は、電力供給ライン2020及び電力供給ライン2021が各々ONとなるように電源OFF/ON部2016を制御する。このとき、メインCPU2001とネットワーク部2008の双方に電源供給部1009から電力が供給される。
ディープスリープモードでは、電源供給部1009は、電力供給ライン2019を介して電源OFF/ON部2016に電力供給する。そして、メインCPU2001は、電力供給ライン2020がOFF及び電力供給ライン2021がONとなるように電源OFF/ON部2016を制御する。このとき、コントロールユニット1006のメインCPU2001を含む主要回路要素に対する電力供給は遮断されるので、複合機1003の消費電力は大幅に低減できる。さらに、ネットワーク部2008がLAN1005上のコンピュータ端末から印刷ジョブ等のデータを受信したとき、ネットワーク部2008は、通常モードへ復帰すべく、電源OFF/ON部2016を制御することができる。なお、ディープスリープモードでは、メインCPU2001に対する電力供給は遮断されるものとしたが、他の態様であっても良い。例えば、メインCPU2001のクロック周波数を通常モードより低くするようにして電力消費を低減させてもよい。また、電力供給を遮断するのではなく、供給する電力を通常モードより少なくするようにしてもよい。なお本実施形態では、メインCPU2001は、ディープスリープモードにおいては通常モードの場合に比べて実行できる処理が制限されるものとする。制限される処理には、ネットワーク部2008がLAN1005上のコンピュータ端末から受信したパケットの処理が少なくとも含まれる。
また、ディープスリープモードのとき、RAM2006には、電源供給部1009から電力が供給されているので、RAM2006はセルフリフレッシュ動作を行って、システムプログラムをバックアップしている。
また、上記説明では、ネットワーク部2008によって、電力供給モードをディープスリープモードから通常モードへ切り替える処理がなされているが、他の態様であっても良い。具体的には、ネットワーク部2008に限らず、モデム部2009又は操作部I/F2007によってディープスリープモードから通常モードへの切り替えがなされてもよい。前者の場合は、公衆回線を使用するファクシミリ通信が可能となり、後者の場合は、操作部1010を使用するユーザからの指示受けが可能となる。
図1における複合機1003は、ディープスリープモードから通常モードへの復帰を以下のように行う。
ネットワーク部2008が、例えばPC1002から印刷ジョブを受信すると、印刷ジョブとして受信されたパケット中に、自装置に固有の物理的アドレスに対応するデータシーケンスが含まれているか否かを解析する。ネットワーク部2008は、自装置に対応するデータシーケンスを検出すると、電力供給ライン2021をONにするよう制御信号線2023を介して電源OFF/ON部2016を制御し、メインCPU2001を起動させる。このとき、メインCPU2001は、起動した要因が、ディープスリープモードから通常モードへの復帰によるものか否かを電源OFF/ON部2016より判断する。そして、ディープスリープモードから通常モードへの復帰によるものと判断したときは、起動シーケンスを開始する。このとき、メインCPU2001は、システムプログラムをHDD2003からRAM2006にロードするシーケンスは省略し、ディープスリープモード移行時にRAM2006にバックアップされたシステムプログラムを利用する。これにより、通常モードとなったコントロールユニット1006は、LAN1005上のコンピュータ端末からの印刷ジョブに応答して、プリンタ部1007に印刷出力を開始させる。
ネットワーク部2008は、ネットワーク部2008を制御するサブCPU3001、MAC/PHY3002、バスI/F3003、ROM3004、RAM3005を有し、各々はバスを介して接続されている。また、ネットワーク部2008は、バスI/F3003を介してシステムバス2017に接続されている。MAC/PHY3002は、スイッチングハブ1004との間でパケットデータの送受信を行う。
ROM3004には、ディープスリープモードから通常モードに復帰させるためのWOLパターン(WakeOnLANパターン)と、ディープスリープモードから通常モードに復帰させずに受信パケットに応答するための代理応答パターンが記憶されている。以下では、WOLパターンのパケットを受信した場合に複合機1003をディープスリープモードから通常モードに復帰させるための動作について説明する。
まずディープスリープモードでWOLパターンのパケットを受信した場合の動作について説明する。サブCPU3001は、複合機1003がディープスリープモードで動作している場合、LAN1005を介してMAC/PHY3002が受信したパケットがROM3004に記憶されたWOLパターンに一致しているか否かを判断する。MAC/PHY3002が受信したパケットがWOLパターンと一致すると判断した場合、サブCPU3001は、制御信号線2023を介して電源OFF/ON部2016に電力供給を開始する指示を送信する。その結果、メインCPU2001等への電力供給を再開される。
次にディープスリープモードで代理応答パターンのパケットを受信した場合の動作について説明する。ROM3004には代理応答パターンと、その代理応答パターンに対応付けられた応答データが記憶されている。この応答データには、例えば、複合機1003のステータス情報(例えば、複合機1003の動作モードを示す情報、用紙の残量を示す情報等)が含まれる。サブCPU3001は、複合機1003がディープスリープモードで動作している際には、LAN1005を介してMAC/PHY3002が受信したパケットが、ROM3004に記憶された代理応答パターンに一致しているか否かを判断する。サブCPU3001は、MAC/PHY3002が受信したパケットが代理応答パターンと一致すると判断した場合、一致すると判断された代理応答パターンに対応する応答データをRAM3005から読み出す。そして、サブCPU3001は、RAM3005から読み出した応答データを、代理応答パターンの送信元であるLAN1005上のコンピュータ端末へ送信する。なお、サブCPU3001は、代理応答パターンを検出しても、電源OFF/ON部2016が電力供給ライン2020を介してメインCPU2001等への電力供給を再開させるための指示を、電源供給部1009に出さない。従って、複合機1003は、代理応答パターンを受信して応答処理をする際は、ディープスリープモードから通常モードへ復帰することなく、ディープスリープモードを維持したまま応答処理を実行することができる。
また、ネットワーク部2008は、Ethernet(登録商標)規格に対応した通信を実行することが可能である。また、ネットワーク部2008は、複数種類の通信モードで通信を行うことができ、例えば通信速度として、10Mbps、100Mbps、1000Mbpsのいずれかの速度にて、スイッチングハブ1004と通信することが可能である。なお、スイッチングハブ1004は、Ethernet(登録商標)規格に対応し、10Mbps、100Mbps、1000Mbpsのいずれかの速度にて通信が可能であるものとする。
図4は、メインCPU2001が実行するプログラムを示すソフトウェア構成図である。
図4に示されるプログラムは、HDD2003に格納されており、メインCPU2001がブートプログラムを実行することにより、HDD2003からRAM2006へ読み出される。
図4において、4000はオペレーティングシステムプログラム(OS)であり、後述する各種のドライバプログラムを実行するための基本プログラムとして動作する。4001は、RAM制御ドライバであり、OS4000の指示に基づいてRAM2006を制御するためのプログラムである。また、4002は、操作部I/F制御ドライバであり、OS4000の指示に基づいて操作部I/F2007を制御するためのプログラムである。また、4003は、ネットワーク部制御ドライバであり、OS4000の指示に基づいてネットワーク部2008を制御するためのプログラムである。また、4004は、モデム部制御ドライバであり、OS4000の指示に基づいてモデム部2009を制御するためのプログラムである。また、4005は、スキャナ部制御ドライバであり、OS4000の指示に基づいてスキャナ部1008を制御するためのプログラムである。また、4006は、プリンタ部制御ドライバであり、OS4000の指示に基づいてプリンタ部1007を制御するためのプログラムである。
そして、メインCPU2001は、RAM2006上に読み出したOS4000を実行することで、RAM2006、操作部I/F2007、ネットワーク部2008、モデム部2009、プリンタ部1007、スキャナ部1008を含む各部を制御する。なお、4001〜4006のプログラムは、それぞれOS4000上で並行して動作可能である。メインCPU2001は、4001〜4006のプログラムの動作が並行して動作するよう、時分割にて実行するプログラムを切り替えながら各プログラムを実行するものとする。
図5は、スイッチングハブ1004の構成を示すブロック図である。
スイッチングハブ1004は、1番ポート5004、2番ポート5005、3番ポート5006の3つの接続ポートを有する。また、スイッチングハブ1004は、各ポート間の中継を行うための中継回路5003を有する。この中継回路5003は、CPU5001から制御されることにより、いずれのポートといずれのポートを接続するかを任意に切り替えることができる。また、RAM5002は、後述する図6で示されるVLANデータベースを記憶する。VLANデータベースとは、後述するように、スイッチングハブ1004が構成する仮想ネットワーク(VLAN)に参加可能なコンピュータ端末を識別するための識別情報(本実施形態では、MACアドレス)を、VLANの種別と対応付けたデータベースである。そして、CPU5001は、各ポートから受信したパケットデータに含まれる情報が、VLANデータベースに記憶された識別情報と一致するか否かを判定する。そして、CPU5001は、一致すると判別した場合に、一致した識別情報に対応する仮想ネットワークに、パケットデータを送信してきた端末を参加させるよう管理する。
また、スイッチングハブ1004は、仮想ネットワークとしてのダイナミックVLAN(Virtual Local Area Network)を構成可能なスイッチングハブであるものとする。VLAN技術とは、スイッチングハブなどの中継機器によって物理的に接続されたネットワーク上の複数のコンピュータ端末を仮想的に複数のグループ(仮想ネットワーク)に分割し、各グループを各々異なるLANに属するものとして管理する技術である。
そして、VLAN技術の中には、スイッチングハブの複数のポートをグループ化することでVLANを構成する技術がある(スタティックVLAN技術)。この技術では、スイッチングハブは、例えばポート1番と2番に接続される2台のコンピュータ端末をVLAN1を構成する端末として管理し、ポート3番に接続される1台のコンピュータ端末をVLAN2を構成する端末として管理する。
また、VLAN技術の中には、ダイナミックVLAN技術がある。ダイナミックVLAN技術において、スイッチングハブは、スイッチングハブに接続された複数のコンピュータ端末の各々から取得した情報に基づいて、複数のコンピュータ端末を仮想的に複数のグループに分割して管理する。
例えば、MACベースVLAN技術の場合、スイッチングハブに接続されたコンピュータ端末からMACアドレスを取得し、いずれのMACアドレスのコンピュータ端末が、どのVLANに属するかをスイッチングハブが管理する。
また、例えば、サブネットベースVLAN技術の場合、スイッチングハブに接続されたコンピュータ端末からIPアドレスを取得し、いずれのIPアドレスのコンピュータ端末が、どのVLANに属するかをスイッチングハブが管理する。
また、例えば、ユーザベースVLAN技術の場合、スイッチングハブに接続されたコンピュータ端末のユーザ情報を取得し、いずれのユーザ情報のコンピュータ端末が、どのVLANに属するかをスイッチングハブが管理する。
ここで、図1のスイッチングハブ1004がMACベースVLANに対応しているものとして説明する。
図1で、スイッチングハブ1004には、PC1001、PC1002及び複合機1003が接続されている。そして、PC1001は、スイッチングハブの1番ポート5004に接続され、PC1002は2番ポート5005に接続され、複合機1003は3番ポート5006に接続されているものとする。そして、スイッチングハブ1004は、PC1002が第1のVLAN(VLAN1)に属し、PC1001及び複合機1003が第2のVLAN(VLAN2)に属するように管理する。この場合、図6に示すVLANデータベースをスイッチングハブ1004内のメモリ(不図示)に記憶させておく。
図6において、MACアドレスが00:00:85:00:00:01であるPC1001と、MACアドレスが00:00:85:00:00:03である複合機1003は、スイッチングハブではVLAN1として管理される。一方、MACアドレスが00:00:85:00:00:02であるPC1002は、VLAN2として管理される。
そして、スイッチングハブ1004は、図6のように管理する場合、PC1002からPC1001のIPアドレスを指定してデータの送信要求や受信要求がされたとしても、異なるVLANに属することとなる。従って、PC1002とPC1001との間ではデータの同一のLANセグメントの端末としての送信や受信が行われない。そのため、スイッチングハブ1004は、PC1001からブロードキャストパケットを受信した場合、PC1001と同一のVLAN(VLAN2)に属する複合機1003にはブロードキャストパケットを送信する。その一方で、スイッチングハブ1004は、PC1001とは異なるVLAN(VLAN1)に属するPC1002にはブロードキャストパケットを送信しないように管理する。なお、図6において、MACアドレスが00:00:85:00:00:01であるPC1001は、VLAN参加状態が不参加となっているが、上記の説明では参加状態にあるものとする。
なお、図6のVLANデータベースにおいて、VLAN参加状態とは、MACアドレスで特定されるコンピュータ端末が、VLANに参加している状態であるか、参加していない状態であるかを管理する項目である。前述したように、あるコンピュータ端末がVLANに参加するには、単にスイッチングハブ1004との通信リンクを確立するだけでは不十分である。すなわち、通信リンクを確立した状態で、更にコンピュータ端末のMACアドレスをスイッチングハブ1004が受信する必要がある。スイッチングハブ1004は、コンピュータ端末との通信リンクが確立されたリンクアップ状態で、そのコンピュータ端末からMACアドレスを受信したとする。この場合、MACアドレスに対応するVLAN参加状態を、不参加から参加に切り替えるよう管理する。また、MACアドレス及びVLAN番号、VLANの参加状態はスイッチングハブ1004の各ポート(1番ポート5004から3番ポート5006)に対応づけて管理される。
次に、MACベースVLANに対応可能なスイッチングハブ1004と接続される複合機1003が実行する動作を説明する。
図7は、コントロールユニット1006のメインCPU2001が実行する動作を示すフローチャートである。一方、図8は、ネットワーク部2008のサブCPU3001が実行する動作を示すフローチャートである。
図7のフローチャートにおける動作は、電源供給部1009からメインCPU2001に電力供給が開始されることにより開始される。
なお、電源供給部1009からメインCPU2001への電力供給が開始される場合には、以下の2通りがある。1つは、複合機1003のメインスイッチ(不図示)がオフからオンに切り替えられた場合である。もう1つは、複合機1003のメインスイッチはオンの状態で、複合機1003の動作モードが、ディープスリープモードから通常モードに切り替えられた場合である。
ステップS701で、メインCPU2001は、ROM2002に格納されたブートプログラムを読み出してRAM2006に展開し、RAM2006に展開されたブートプログラムを実行する。メインCPU2001は、ブートプログラムの実行により、HDD2003から図4で示したOS4000及び各種の制御ドライバ4001〜4006を読み出してRAM2006に展開する。以後、メインCPU2001は、RAM2006に展開されたOS4000及びOS4000上で実行されるネットワーク部制御ドライバ4003を動作させることにより、以下の各ステップを実行する。
ステップS702で、OS4000は、複合機1003がディープスリープモードから通常モードへ復帰したのか、メインスイッチがオフからオンに切り替えられたのかを判定する。OS4000は、RAM2006に記憶されたフラグ情報を参照することによりステップS702における判定を行う。後述するステップS707で、OS4000は、ディープスリープモードへ移行する場合にフラグ情報としてディープスリープモードへの移行を示す情報を記憶させるものとする。OS4000は、フラグ情報としてディープスリープモードへの移行を示す情報が記憶されている場合に、ディープスリープモードから通常モードへ復帰したと判定する。
そして、OS4000は、ディープスリープモードからの復帰であれば、ステップS709へ処理をすすめ、そうでなければステップS703へ処理を進める。
ステップS703で、ネットワーク部制御ドライバ4003は、ネットワーク部2008を初期化するためにネットワーク部2008に対して指示をする。具体的には、サブCPU3001へのリセット信号を解除するように、サブCPU3001のレジスタ設定を行う。また、MAC/PHY3002を初期化するために、MAC/PHY3002のレジスタ設定を行う。以上の処理により、ネットワーク部2008は、メインCPU2001及びスイッチングハブ1004との通信が可能な状態に初期化される。
なお、ネットワーク部2008のMAC/PHY3002とスイッチングハブ1004の双方は、オートネゴシエーション機能に対応しているものとする。MAC/PHY3002のレジスタには、オートネゴシエーション機能をオンにするかオフにするかを設定することができる。そして、MAC/PHY3002のレジスタには、ネットワーク部2008が初期化された際のデフォルト設定としては、オートネゴシエーション機能をオンにすることが設定されているものとする。この場合、MAC/PHY3002は、ネットワーク部2008が初期化されたことに応じて、FLP(Fast Link Pulse)と呼ばれるパルス信号をスイッチングハブ1004に送信する。また、FLPは、スイッチングハブ1004からMAC/PHY3002に対しても送信される。MAC/PHY3002は、スイッチングハブ1004から受信したFLPにより、スイッチングハブ1004は対応可能な通信速度を認識することができる。本実施形態では、MAC/PHY3002とスイッチングハブ1004のいずれも、10Mbps、100Mbps、1000Mbpsの通信速度に対応可能である。そこで、MAC/PHY3002は、双方が通信可能な最高速度である1000Mbpsを通信速度として決定してスイッチングハブ1004にリンクアップする。ここで、リンクアップとは、通信リンクが確立している状態すなわちデータ送受信が可能な状態をいう。また、リンクダウンとは、通信リンクが確立されていない状態すなわちデータ送受信が不能な状態をいう。そして、通信リンクが確立されている状態とは、単に何らかの情報の送受信ができるというだけではなく、パケットデータの送受信が可能な状態をいう。
ステップS704で、ネットワーク部制御ドライバ4003は、ネットワーク部2008に割り当てられた物理アドレスであるMACアドレスを、ネットワーク部2008を介してスイッチングハブ1004へ送信する。なお、ステップS703においては、メインCPU2001は、MACアドレスを含むパケットを生成するとともに、生成されたパケットをネットワーク部2008のMAC/PHY3002を介してスイッチングハブ1004へ送信するよう制御する。このステップS704においては、ネットワーク部2008のサブCPU3001は、パケットの送信には関与しない。本実施形態では、MACアドレスを含むARP(Address Resolution Protocol)のパケットをスイッチングハブ1004に送信するものとする。また、自身のIPアドレスを要求するGARP(GratuitousARP)などのパケットを送信してもよい。
なお、スイッチングハブ1004は、複合機1003からネットワーク部2008のMACアドレス(000085000003)を受信すると、受信したMACアドレスについてのVLAN参加状態を“不参加”から“参加”に切り替える。これにより、スイッチングハブ1004は、受信したMACアドレスに対応するコンピュータ端末がVLANに参加したものとして管理する。
ステップS709で、ネットワーク部制御ドライバ4003は、ネットワーク部2008のMAC/PHY3002のレジスタを変更するために、ネットワーク部2008に対して指示をする。具体的には、MAC/PHY3002に設定されているオートネゴシエーション機能をオフとする設定を、オンとする設定に変更する。この場合、MAC/PHY3002は、オートネゴシエーション機能のオンが設定されたことに応じて、FLPと呼ばれるパルス信号をスイッチングハブ1004に送信する。また、FLPは、スイッチングハブ1004からMAC/PHY3002に対しても送信される。MAC/PHY3002は、スイッチングハブ1004から受信したFLPにより、スイッチングハブ1004は対応可能な通信速度を認識することができる。本実施形態では、MAC/PHY3002とスイッチングハブ1004のいずれも、10Mbps、100Mbps、1000Mbpsの通信速度に対応可能である。そこで、MAC/PHY3002は、双方が通信可能な最高速度である1000Mbpsを通信速度として決定してスイッチングハブ1004にリンクアップする。
ステップS710で、ネットワーク部制御ドライバ4003は、ネットワーク部2008に割り当てられた物理アドレスであるMACアドレスを、ネットワーク部2008を介してスイッチングハブ1004へ送信する。なお、ステップS703においては、メインCPU2001は、MACアドレスを含むパケットを生成するとともに、生成されたパケットをネットワーク部2008のMAC/PHY3002を介してスイッチングハブ1004へ送信するよう制御する。このステップS710においては、ネットワーク部2008のサブCPU3001は、パケットの送信には関与しない。
ステップS705で、OS4000は、複合機1003をディープスリープモードに切り替えるためのスリープ移行条件(切替条件)が成立したか否かを判定し、成立したと判定した場合はステップS706へ進む。スリープ移行条件が成立しなければステップS705を再び実行する。OS4000は、例えば、OS4000上で実行される制御ドライバ4001〜4006のいずれも実行されない状態が所定時間(例えば、15分)続いたような場合にスリープ移行条件が成立したものと判定する。例えば、ネットワーク部2008がパケットを受信せず、操作部1010が操作されない状態が所定時間続いたような場合に、スリープ移行条件が成立したものと判定される。
ステップS706で、ネットワーク部制御ドライバ4003は、ネットワーク部2008のサブCPU3001に対して、複合機1003がディープスリープに移行することを通知する。この際、ネットワーク部制御ドライバ4003は、ディープスリープに移行した後にネットワーク部2008とスイッチングハブ1004との間で通信する際の通信速度を指定する情報をサブCPU3001へ通知する。本実施形態では、ネットワーク部制御ドライバ4003は、通信速度を低速にすべく、10Mbpsの通信速度を指定する情報をサブCPU3001へ通知する。
また、MAC/PHY3002のレジスタには、オートネゴシエーション機能をオンにすることが設定されているので、メインCPU2001はこの設定をオフにするように設定を変更する。このような変更をするのは、ディープスリープモードにおいては、ネットワーク部2008とスイッチングハブ1004との間で通信する際の通信速度を、通常モードより低速度にするためである。
ステップS707で、ネットワーク部制御ドライバ4003は、MAC/PHY3002とスイッチングハブ1004との接続状態を、通信リンクが確立されたリンクアップ状態から通信リンクが確立されていないリンクダウン状態とする。具体的には、MAC/PHY3002のレジスタをリンクダウン状態に設定する。このレジスタの設定が行われると、MAC/PHY3002は、スイッチングハブ1004との通信状態をリンクダウン状態とする。
なお、スイッチングハブ1004は、複合機1003とのリンク状態を定期的に監視しており、リンクダウン状態を検出すると、複合機1003に対応するMACアドレスについてのVLAN参加状態を“参加”から“不参加”に切り替える。これにより、スイッチングハブ1004は、複合機1003が、スイッチングハブ1004が構成するVLAN1に参加していない状態であることを認識する。
ステップS708で、メインCPU2001は、電力供給を遮断するための信号を、制御信号線2022を介して電源OFF/ON部2016に送信する。この信号を受信した電源OFF/ON部2016は、電力供給ライン2020を介したメインCPU2001を含む主要部への電力供給を遮断する。これにより、複合機1003は、通常モードからディープスリープモードへ移行する。
なお、複合機1003がディープスリープモードから通常モードへ復帰する動作は、前述した通りである。
図8は、ネットワーク部2008のサブCPU3001が実行する動作を説明するためのフローチャートである。
図8のフローチャートにおける動作は次の処理が行われることにより開始される。すなわち、複合機1003のメインスイッチ(不図示)がオフからオンに切り替えられることにより電源供給部1009からサブCPU3001に電力が供給され、ネットワーク部制御ドライバ4003によりサブCPU3001のリセット信号が解除されると図8の処理が開始される。
ステップS801で、サブCPU3001は、ROM3004からプログラムを読み出してRAM3005へ展開し、RAM3005に展開されたプログラムを実行する。このプログラムの実行により、ネットワーク部2008は、メインCPU2001及びスイッチングハブ1004との通信が可能な状態に初期化される。
なお、ネットワーク部2008が初期化されると、前述した通り、MAC/PHY3002は、MAC/PHY3002とスイッチングハブ1004の双方が通信可能な最高速度である1000Mbpsを通信速度として決定する。そして、決定した通信速度でスイッチングハブ1004にリンクアップする。
ステップS802で、サブCPU3001は、ネットワーク部制御ドライバ4003(メインCPU2001)からディープスリープに移行する旨の通知を受信したか否かを判定し、受信した場合はステップS803へ進む。なお、サブCPU3001は、ディープスリープに移行する旨の通知を、ディープスリープに移行した後にネットワーク部2008とスイッチングハブ1004との間で通信する際の通信速度を指定する情報とともにメインCPU2001から受信する。
ステップS803で、サブCPU3001は、ネットワーク部制御ドライバ4003(メインCPU2001)によってMAC/PHY3002のレジスタが設定されたか否かを確認する。これにより、MAC/PHY3002とスイッチングハブ1004がリンクダウン状態となったか否かを判定する。サブCPU3001は、リンクダウン状態になったと判定した場合はステップS804へ処理を進める。なお、MAC/PHY3002のレジスタ設定は、メインCPU2001によりオートネゴシエーション機能がオフとなるように変更される。
ステップS804で、サブCPU3001は、ステップS802においてメインCPU2001から受信した通信速度情報により指定された通信速度にてスイッチングハブ1004との接続状態をリンクダウン状態からリンクアップ状態に切り替える。メインCPU2001(ネットワーク部制御ドライバ4003)からは、省電力化のために、通常モードにおける通信速度(1000Mbps)よりも通信速度の低い10Mbpsが指定されている。そこで、サブCPU3001は、10Mbpsの通信速度でリンクアップするよう、スイッチングハブ1004に通知する。この通知に応じて、MAC/PHY3002とスイッチングハブ1004が10Mbpsの通信速度にて、リンクアップ状態となる。
ステップS805で、サブCPU3001は、ネットワーク部2008に割り当てられた物理アドレスであるMACアドレスを、MAC/PHY3002を介してスイッチングハブ1004へ送信する。なお、ステップS804においては、サブCPU3001が、MACアドレスを含むパケットを生成するとともに、生成されたパケットをMAC/PHY3002を介してスイッチングハブ1004へ送信するよう制御する。このステップS805においては、メインCPU2001は、パケットの送信には関与しない。ここで、MACアドレスは、スイッチングハブ1004が複合機1003をVLAN1に参加させるために必要な情報である。
ここで、スイッチングハブ1004が複合機1003をVLANに参加させるためにMACアドレスが必要になる理由を説明する。スイッチングハブ1004は、複合機1003からネットワーク部2008のMACアドレス(00:00:85:00:00:03)を受信すると、受信したMACアドレスについてのVLAN参加状態を“不参加”から“参加”に切り替える。これにより、スイッチングハブ1004は、受信したMACアドレスに対応するコンピュータ端末(ここでは、複合機1003)が、スイッチングハブ1004が構成するVLAN1に参加した状態であることを認識する。しかしながら、コリジョンなどが発生した場合には、前記のスイッチングハブ1004へ送信したパケットが消失するため複合機1003のVLAN参加状態が“参加”になることはない。また、スイッチングハブの設定によっては、リンクアップ直後にパケットを送信した場合にはVLAN参加の判断処理を実行しない場合がある。そこで、ステップS806及びステップS807で再度、VLAN参加のためのパケット送信処理を実行する。
ステップS806では、サブCPU3001は、S805でMACアドレスを含むパケットを送信してから所定時間が経過したか否かを判定する。この所定時間は、ROM3004から読み出されたプログラムで指定された再送処理までの時間(所定時間)に基づくものである。またこの所定時間は、複合機1003の動作環境や設置環境、通信相手となるスイッチングハブの仕様等に応じて調整されてもよい。上記所定時間が経過したと判定された場合はステップS807へ進む。
なお本実施形態において、所定時間の計測の開始は、S805のMACアドレスを含むパケットを送信後としている。ただし、S804でリンクアップしてから計測を開始してもよい。
ステップS808で、サブCPU3001は、スリープ復帰要因を検出したか否か(復帰条件が成立したか否か)を判定し、検出した場合はステップS809へ進む。ここでいうスリープ復帰要因には、例えば以下の2つがある。1つは、MAC/PHY3002がLAN1005を介してWOLパターンを受信した場合である。サブCPU3001は、MAC/PHY3002が受信したパケットがROM3004に記憶されたWOLパターンに一致しているか否かを判定し、一致している場合はスリープ復帰要因を検出したものとする。また、もう1つは、ネットワーク部2008のLANソケットに対して、LANケーブルの抜差しが行われた場合である。サブCPU3001は、LANケーブルの抜差しが行われた否かを判定し、抜差しが行われたと判定した場合はスリープ復帰要因を検出したものとする。
ステップS809で、サブCPU3001は、メインCPU2001等へ電力供給を再開するための制御信号を、制御信号線2023を介して電源OFF/ON部2016に送信し、メインCPU2001への電力供給を開始させる。
ステップS810で、サブCPU3001は、MAC/PHY3002とスイッチングハブ1004とのリンクをリンクダウン状態とするように、MAC/PHY3002のレジスタを設定する。このレジスタの設定が行われると、MAC/PHY3002は、スイッチングハブ1004との通信状態をリンクダウン状態とする。なお、スイッチングハブ1004は、複合機1003とのリンク状態を定期的に監視しており、リンクダウン状態が検出されると、複合機1003に対応するMACアドレスについてのVLAN参加状態を“参加”から“不参加”に切り替える。これにより、スイッチングハブ1004は、複合機1003が、スイッチングハブ1004が構成するVLAN1に参加していない状態であることを認識する。
以上で第1の実施形態について説明した。
第1の実施形態によれば、ディープスリープモードにおいてはスイッチングハブと複合機1003との間の通信速度を低速にすることので、待機中の消費電力を大幅に低減することができる。
更に第1の実施形態によれば、ディープスリープモードに移行した後(具体的にはリンクアップ直後)にスイッチングハブ1004にMACアドレスを送信する。そのため、ディープスリープモードで動作中においても複合機1003を仮想ネットワーク(MACアドレスベースのダイナミックVLAN)に参加させることができる。
更に第1の実施形態によれば、ディープスリープモードにおいて、一定時間経過後に再度MACアドレスを送信するので、スイッチングハブの設定などでリンクアップ直後のVLAN参加に失敗した場合でも確実にVLANに参加させることができる。
また、メインCPU2001が動作状態にあるときに消費する平均的な電力は、サブCPU3001が動作状態にあるときに消費する平均的な電力よりも高いものとする。そして、メインCPU2001は、省電力モードに移行するとき、ネットワーク部2008に、スリープ移行通知と通信速度の通知を行うものの、MACアドレスの送信処理には関与しない。つまり、省電力モードに移行する場合、メインCPU2001は通信リンクの再接続(リンクアップ)をする前に電力供給が遮断されるので、通信リンクの再接続およびMACアドレスの送信はサブCPU3001に行う。したがって、メインCPU2001がMACアドレスの送信を行う場合に比べて、メインCPU2001への電力供給を早期に遮断できるので、その点でも省電力化を図ることができる。
なお、上記の説明においては、スイッチングハブ1004が、ダイナミックVLANとしてのMACベースVLANに対応するものとして説明したが、他の態様であっても良い。
例えば、スイッチングハブ1004が、ダイナミックVLANとしてのサブネットベースVLANに対応するものとしても良い。この場合、スイッチングハブ1004は、VLANデータベースとして、図9のようなデータベースをRAM5002に記憶させておくものとする。そして、複合機1003は、スイッチングハブ1004との通信リンクを確立してリンクアップ状態となった後に、VLAN1に参加するために複合機1003に割り当てられたIPアドレスを、スイッチングハブ1004に送信する。そして、スイッチングハブ1004は、複合機1003との通信リンクが確立されてリンクアップ状態となった後に、複合機1003のIPアドレス(192.168.11.ZZZ)を受信したとする。この場合、複合機1003がVLAN1に参加したものとして管理する。なお、IPアドレス及びVLAN番号、VLANの参加状態はスイッチングハブ1004の各ポート(1番ポート5004から3番ポート5006)に対応づけて管理される。
また、例えば、スイッチングハブ1004が、ダイナミックVLANとしてのユーザベースVLANに対応するものとしても良い。この場合、スイッチングハブ1004は、VLANデータベースとして、図10のようなデータベースをRAM5002に記憶させておくものとする。そして、複合機1003は、スイッチングハブ1004との通信リンクを確立してリンクアップ状態とする。その後に、複合機1003は、VLAN1に参加するために複合機1003にログイン中のユーザを識別するユーザID(ユーザ情報)を、スイッチングハブ1004に送信する。そして、スイッチングハブ1004は、複合機1003との通信リンクが確立されてリンクアップ状態となった後に、複合機1003からユーザID(USER−C)を受信したとする。この場合、複合機1003がVLAN1に参加したものとして管理する。なお、ユーザID及びVLAN番号、VLANの参加状態はスイッチングハブ1004の各ポート(1番ポート5004から3番ポート5006)に対応づけて管理される。
また、上記の説明においては、スイッチングハブ1004は、ダイナミックVLAN(例えば、MACベースVLAN)に対応するものとしたが他の態様であっても良い。例えば、ダイナミックVLANに対応しないスイッチングハブ1004であっても良い。そして、複合機1003は、スイッチングハブ1004からダイナミックVLANに対応するか否かを示す情報を取得する。そして、その取得した情報に基づいてスイッチングハブ1004がダイナミックVLAN対応か否かを判断する。そして、複合機1003は、スイッチングハブ1004がダイナミックVLANに対応していないと判断した場合、メインCPU2001はステップS704、S710の処理を実行しないようにする。また、サブCPU3001は、ステップS805〜ステップS807の処理を実行しないようにする。以上のようにすることで、スイッチングハブ1004がダイナミックVLANに対応するか否かに応じて、適切な処理を実行させることができる。
また、ステップS806で用いる再送処理までの時間が経過したことを判定するための設定時間は、操作部1010等の外部入力装置から入力により決定されてもよい。
また、ステップS806の判定結果がNO(経過時間が未達)であっても、スイッチングハブ1004を介して接続されたコンピュータ端末(PC1001やPC1002)からパケットを受け取ると、VLANに参加できたと判断できる。上記の場合は、ステップS806〜ステップS807をスキップし、ステップS808へ進んで処理してもよい。
また、本実施形態では、S807でMACアドレスを送信した後にS808に進むようにしたが、再度S806に戻り所定時間が経過したかを判定するようにループしてもよい。この場合、所定の間隔でMACアドレスの送信が繰り返されることになる。そして、スイッチングハブ1004を介して接続されたコンピュータ端末(PC1001やPC1002)からパケットを受け取ったことに応じてVLANに参加できたと判断し、S808に進むようにしてもよい。
(その他の実施例)
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによっても達成される。即ち、上述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
1001、1002 PC
1003 デジタル複合機
1004 スイッチングハブ
1007 プリンタ部
1008 スキャナ部
1009 電源供給部
1010 操作部
2001 メインCPU
2016 電源OFF/ON部
3001 サブCPU
3002 MAC/PHY
1003 デジタル複合機
1004 スイッチングハブ
1007 プリンタ部
1008 スキャナ部
1009 電源供給部
1010 操作部
2001 メインCPU
2016 電源OFF/ON部
3001 サブCPU
3002 MAC/PHY
Claims (9)
- 外部装置と中継機器を介して通信する通信装置であって、
通信手段と、
第1電力モードから、前記第1電力モードより消費電力が少ない第2電力モードに前記通信装置が移行する場合、前記通信手段の通信速度を低速に変更する第1制御手段と、前記第1制御手段の制御によってリンクアップが発生した場合に、前記通信装置の識別情報を前記中継機器に1より多い所定回数送信するように前記通信手段を制御する第2制御手段とを備え、
前記識別情報の送信が前記所定回数行われた後は、次のリンクアップが発生するまで前記識別情報の送信は行われないことを特徴とする通信装置。 - 前記所定回数は2回であり、
前記第2制御手段は、まず前記識別情報の1回目の送信を行うように前記通信手段を制御し、当該1回目の送信が完了してから所定時間が経過すると、前記識別情報の2回目の送信を行うように前記通信手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。 - 前記通信装置は操作部を更に備え、
前記所定時間は、前記操作部からの入力によって決定することを特徴とする請求項2に記載の通信装置。 - 前記識別情報は前記通信装置のMACアドレスであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信装置。
- 前記識別情報は前記通信装置のIPアドレスであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信装置。
- 前記中継機器は、VLANを構成するハブであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の通信装置。
- 前記通信装置は、印刷装置であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の通信装置。
- 外部装置と中継機器を介して通信する通信手段を有する通信装置の制御方法であって、
第1電力モードから、前記第1電力モードより消費電力が少ない第2電力モードに前記通信装置が移行する場合、前記通信手段の通信速度を低速に変更する第1制御工程と、
前記第1制御工程における制御によってリンクアップが発生した場合に、前記通信装置の識別情報を前記中継機器に1より多い所定回数送信するように前記通信手段を制御する第2制御工程とを備え、
前記識別情報の送信が前記所定回数行われた後は、次のリンクアップが発生するまで前記識別情報の送信は行われないことを特徴とする通信装置の制御方法。 - 請求項8に記載の通信装置の制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
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