JP2014073009A - 交流電動機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】2相制御電流算出部31では、dq軸電流値id、iqを算出する。電流推定部32では、dq軸電流推定値id_est、iq_estを算出する。異常判定部45では、監視相差分参照値Δiv_refおよび制御相差分参照値Δiw_refに基づき、制御相電流センサ12および監視相電流センサ13の異常を検出する。電流選択部35にて、dq軸電流値id、iqに基づいて電圧指令値vd*、vq*を算出する監視停止モードと、dq軸電流推定値id_est、iq_estに基づいて電圧指令値vd*、vq*を算出するとともに制御相電流センサ12および監視相電流センサ13の異常検出を行う監視実行モードとを所定の周期で切り替える。これにより、電流センサ12、13の異常を適切に検出することができる。
【選択図】 図3
Description
また特許文献2では、1相の電流値に基づく理想的な交流波形を得ることにより理想電流信号を算出し、理想電流信号と3相の電流信号とを比較し、両者に所定値以上の誤差がある場合、理想電流信号が異常であるとする技術が開示されている。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、電流センサを2相に設け、交流電動機の電流センサの異常を適切に検出可能である交流電動機の制御装置を提供することにある。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明の第1実施形態による交流電動機2の制御装置としての電動機制御装置10は、電動車両を駆動する電動機駆動システム1に適用される。
交流電動機2は、例えば電動車両の駆動輪6を駆動するためのトルクを発生する電動機である。本実施形態の交流電動機2は、3相永久磁石式同期モータである。
電動車両には、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池車等、電気エネルギによって駆動輪6を駆動する車両が含まれるものとする。本実施形態の電動車両は、エンジン3を備えるハイブリッド車両であり、交流電動機2は、駆動輪6を駆動するためのトルクを発生する電動機としての機能、および、エンジン3により駆動されて発電可能な発電機としての機能を有する、所謂モータジェネレータである。
直流電源8は、例えばニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池や電気二重層キャパシタ等、充放電可能な蓄電装置である。直流電源8は、電動機制御装置10のインバータ11(図2参照)と接続され、インバータ11を介して交流電動機2と電力の授受可能に構成されている。
インバータ11には、交流電動機2の駆動状態や車両要求等に応じて、直流電源8の直流電圧を図示しない昇圧コンバータにより昇圧したシステム電圧VHが印加される。また、インバータ11は、ブリッジ接続される図示しない6つのスイッチング素子を有する。スイッチング素子には、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ、バイポーラトランジスタ等を用いることができる。スイッチング素子は、制御部15の逆dq変換部23から出力される電圧指令値vu*、vv*、vw*に基づいてオン/オフが制御される。これにより、インバータ11は、交流電動機2に印加される3相交流電圧vu、vv、vwを制御する。交流電動機2は、インバータ11により生成された3相交流電圧vu、vv、vwが印加されることにより駆動が制御される。
<1.正転力行> 回転数Nが正でトルク指令値trq*が正のとき、電力消費。
<2.正転回生> 回転数Nが正でトルク指令値trq*が負のとき、発電。
<3.逆転力行> 回転数Nが負でトルク指令値trq*が負のとき、電力消費。
<4.逆転回生> 回転数Nが負でトルク指令値trq*が正のとき、発電。
監視相電流センサ13は、交流電動機2の制御相とは異なる1相に設けられる。本実施形態では、監視相電流センサ13は、V相に設けられる。すなわち、本実施形態ではV相が「監視相」に対応する。監視相電流センサ13は、監視相であるV相に通電される監視相電流検出値iv_snsを検出し、制御部15に出力する。
電流指令値演算部21は、車両制御回路9から取得されるトルク指令値trq*に基づき、交流電動機2の回転座標として設定される回転座標系(d−q座標系)におけるd軸電流指令値id*、および、q軸電流指令値iq*を演算する。本実施形態では、d軸電流指令値id*およびq軸電流指令値iq*は、予め記憶されているマップを参照することにより演算されるが、数式等から演算するように構成してもよい。
そして、インバータ11のスイッチング素子は、U相電圧指令値vu*、V相電圧指令値vv*、および、W相電圧指令値vw*に基づいてオン/オフされる。これにより、インバータ11により3相交流電圧vu、vv、vwが生成され、この3相交流電圧が交流電動機2に印加されることにより、トルク指令値trq*に応じたトルクが出力されるように、交流電動機2の駆動が制御される。本実施形態では、3相交流電圧vu、vv、vwが「印加電圧」に対応する。
ここで、dq変換の一般式を式(1)に示す。
iu+iv+iw=0 ・・・(2)
iu=−iv−iw ・・・(3)
ゲイン補正部323では、制御相推定誤差ΔiwにゲインKを乗じ、補正後誤差KΔiwを算出する。なお、ゲインKは、dq軸電流推定値id_est、iq_estに設けられたローパスフィルタ(以下、「LPF」という。)の役割をなすものでありdq軸電流推定値id_est、iq_estの変化を緩やかにするものである(詳細は後述)。Kの値は、そのLPFの所望の時定数間の処理回数(時定数÷処理周期)をKlpfとすると、1/Klpfで表され、0<K<1の範囲となる。
減算器325では、遅延素子327を経由してフィードバックされた前回のdq軸電流推定値id_est(n−1)、iq_est(n−1)に対し制御相方向補正値id_crr(n)、iq_crr(n)を減算し、d軸電流推定値id_est(n)、および、q軸電流推定値iq_est(n)を算出する。なお、減算器325にて制御相方向補正値id_crr(n)、iq_crr(n)を前回のdq軸電流推定値id_est(n−1)、iq_est(n−1)に対して減算することが「補正ベクトルをdq軸平面上にて積算する」ことに対応する。
また、算出されたdq軸電流推定値id_est(n)、iq_est(n)は、遅延素子327を経由して電流基準値算出部321へフィードバックされる。
最初のステップS101(以下、「ステップ」を省略し、単に記号「S」で示す。)では、回転角センサ14から交流電動機2の電気角θeを取得する。
S103では、2相制御電流算出部31にて、制御相電流検出値iw_sns、監視相電流検出値iv_sns、および、電気角θeに基づき、dq軸電流値id、iqを算出する。
S105にて実行される切替判定処理の詳細を図8に基づいて説明する。
S151では、カウンタのカウント値Cをインクリメントする。
S156では、カウント値Cをリセットする。また、監視要求フラグをオフし、切替判定処理を終了し、図7中のS106へ移行する。
S107では、電流選択部35において、PI演算部22にフィードバックする電流として、制御相電流検出値iw_snsおよび監視相電流検出値iv_snsを用いて2相制御電流算出部31にて算出されたdq軸電流値id、iqを選択する。
S113では、逆dq変換部23にて、電気角θeに基づき、d軸電圧指令値vd*およびq軸電圧指令値vq*を逆dq変換し、3相電圧指令値vu*、vv*、vw*を算出する。
S114では、3相電圧指令値vu*、vv*、vw*をインバータ11へ出力する。そして、インバータ11では、3相電圧指令値vu*、vv*、vw*に基づいてスイッチング素子のオン/オフが制御されることにより、3相交流電圧が生成され、この3相交流電圧が交流電動機2に印加されることにより、交流電動機2の駆動が制御される。
交流電動機2のいずれか1相である制御相(本実施形態ではW相)に設けられる制御相電流センサ12から制御相電流検出値iw_snsを取得し、交流電動機2の制御相とは異なる1相である監視相(本実施形態ではV相)に設けられる監視相電流センサ13から監視相電流検出値iv_snsを取得する(図7中のS102)。また、交流電動機2の回転角を検出する回転角センサ14から電気角θeを取得する(S101)。
また、本実施形態では、2つの差分参照値Δiw_ref、Δiv_refに基づいて制御相電流センサ12および監視相電流センサ13の異常を検出しているので、より適切に異常を検出することができる。
さらにまた、制御相電流推定部41では、監視相電流検出値iv_snsおよび電気角θeに基づく監視用1相電流推定値(dq軸電流推定値)を算出し、前回の演算で算出された監視用1相制御電流値の監視相成分である監視相電流基準値iv_bfと監視相電流検出値iv_snsとに基づいて算出される監視相補正ベクトルをdq軸平面上にて積算することにより監視用1相電流推定値を算出し、算出された監視用1相電流推定値に基づき、制御相電流推定値iw_estを算出する。
本発明の第2実施形態による交流電動機の制御装置を図9および図10に基づいて説明する。
本発明の第2実施形態では、2相制御時には電流推定部32における電流推定処理を行わず、1相制御時には2相制御電流算出部31におけるdq軸電流値id、iqの演算を行わない点が第1実施形態と異なっているので、この点を中心に説明し、その他の構成等の説明は省略する。
図9に示すように、異常判定部45による異常判定を行う場合、すなわち監視要求がある場合、2相制御電流算出部31によるdq軸電流値id、iqの演算を中止し、異常判定を行わない場合、すなわち監視要求がない場合、電流推定部32による電流推定処理を中止する。
S201、S202の処理は、図7中のS101、102の処理と同様であるので説明を省略する。
S202にて、制御相電流検出値iw_snsおよび監視相電流検出値iv_snsを取得した後、S203へ移行する。S203の処理は、図7中のS105の処理と同様である。すなわち、本実施形態では、切替判定処理の前に、2相制御電流算出部31におけるdq軸電流値id、iq、および、電流推定部32におけるdq軸電流推定値id_est、iq_est等の算出を行っていない。
なお、S203の処理は、S105の処理と同様であるので、説明を省略する。
S206は、S107と同様であり、電流選択部35において、PI演算部22にフィードバックする電流として、制御相電流検出値iw_snsおよび監視相電流検出値iv_snsを用いて2相制御電流算出部31にて算出されたdq軸電流値id、iqを選択する。
S208は、S108と同様であり、電流選択部35にて、PI演算部22にフィードバックする電流として、制御相電流検出値iw_snsを用いて電流推定部32にて算出されたdq軸電流推定値id_est、iq_estを選択する。
S209〜S214の処理は、S109〜S114の処理と同様であるので、説明を省略する。
また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
第3実施形態は、第2実施形態の変形例である。第3実施形態による電流フィードバック処理を図11および図12に基づいて説明する。
第1実施形態で説明したように、電流推定部32において、フィルタ系の演算を行っているため、演算開始直後のdq軸電流推定値id_est、iq_estは、必ずしも実際のdq軸電流値id、iqと一致していないことがある。そのため、本実施形態では、2相制御から1相制御に切り替える前の所定のタイミングからdq軸電流推定値id_est、iq_estの演算を開始している。
S158では、1相切替直前フラグをセットし、S153へ移行する。本実施形態では、カウント値Cが直前判定値A1となるタイミングが「監視実行モードに切り替わる前の所定のタイミング」に対応している。
S205の後に移行するS215では、監視実行モード、すなわち1相制御への切替直前か否かを判断する。本実施形態では、1相切替直前フラグがセットされているか否かに基づいて判断する。1相制御への切替直前ではないと判断された場合(S215:NO)、すなわち1相切替直前フラグがセットされていない場合、S216の処理を行わず、S206へ移行する。1相制御への切替直前であると判断された場合(S215:YES)、S216へ移行する。
S216は、図7中のS104と同様の処理であり、電流推定部32にてdq軸電流推定値id_est、iq_estおよび監視相電流推定値iv_estを算出し、制御相電流推定部41にて制御相電流推定値iw_estを算出する。
また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
本発明の第4実施形態による交流電動機の制御装置を図13に基づいて説明する。本実施形態は、第1実施形態と切替判定処理のみが異なっているので、この点を中心に説明し、他の構成等についての説明は省略する。
本実施形態の切替判定処理は、第1実施形態の切替判定処理のS156の後にS160〜S162が追加されている。S151〜S156の処理は第1実施形態と同様である。
S162では、2相制御を行う期間に係る2相/1相切替判定値Aを変更値A2に変更する。本実施形態の変更値A2は、2相/1相切替判定値Aより小さい値である。すなわち、A2<Aである。
また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
本発明の第5実施形態による交流電動機の制御装置を図14〜図18に基づいて説明する。
図6で説明したように、電流推定部32では、回転座標系であるdq軸平面上において、W相軸が相対的に回転することを利用し、矢印YIで示す補正ベクトル(Δid、Δiq)を積算していくことにより、dq軸電流推定値id_est、iq_estをdq軸電流値id、iqに漸近させている。
図14に示すように、電気角θeの角度移動量Δθeが比較的大きい状態、すなわち交流電動機2の回転数Nが大きい場合、図示しない誤差ベクトルΔie(図5参照)のW相成分である制御相推定誤差Δiwが大きいので、dq軸電流推定値id_est、iq_estがdq軸電流値id、iqに収束していく収束量が大きい。
また、回転数Nやトルク指令値trq*が急変した場合にも、dq軸電流推定値id_est、iq_estの推定精度が悪化する虞がある。
回転数算出部51では、回転角センサ14から取得される電気角θeに基づき、交流電動機2の回転数Nを算出する。
図7中のS104に続いて実行される切替判定処理において、S171は、図8中のS151と同様であるので説明を省略する。
S174では、回転数Nが所定の判定値Xより大きいか否かを判断する。回転数Nが所定の判定値X以下であると判断された場合(S174:NO)、S177へ移行する。回転数Nが所定の判定値Xより大きいと判断された場合(S174:YES)、S175へ移行する。
S176では、トルク指令値trq*が急変したか否かを判定する。トルク指令値trq*が急変したと判定された場合(S176:YES)、S177へ移行する。トルク指令値trq*が急変していないと判定された場合(S176:NO)、S178へ移行する。
S178〜S181の処理は、図8中のS153〜S156の処理と同様なので説明を省略する。
また、図18中には示していないが、回転数Nが所定の判定値Xより大きい場合であっても、回転数Nまたはトルク指令値trq*が急変した場合には、監視実行モード(1相制御+異常検出)であったとしても、適宜監視停止モード(2相制御)に切り替える。
また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
また、図17中のS173が「回転数算出手段」の機能としての処理に相当し、S174が「回転数判定手段」の機能としての処理に相当し、S175が「回転数急変判定手段」の機能としての処理に相当し、S176が「トルク急変判定手段」の機能としての処理に相当する。
第6実施形態は、電流推定部32における演算方法のみが異なっているので、この点を中心に説明し、他の構成等の説明は省略する。
第1実施形態では、制御相方向の補正ベクトル(Δid、Δiq)を積算することによりdq軸電流推定値id_est、iq_setのdq軸電流値id、iqへの収束性を高めていた。換言すると、上記実施形態では、dq軸電流推定値id_est、iq_estを制御相の方向に補正していた。本実施形態では、dq軸電流推定値id_est、iq_estのdq軸電流値id、iqへの収束性を高めるべく、制御相に直交する方向にも補正している。
減算器329では、算出された直交方向補正値id_crr_β(n)、iq_crr_β(n)を用い、dq軸電流暫定推定値id_est’(n)、iq_est’(n)に対し減算することでdq軸電流推定値id_est、iq_estを算出する(式(6)参照)。
これにより、交流電動機2の回転に伴って回転する制御相方向補正値id_crr(n)、iq_crr(n)および直交方向補正値id_crr_β(n)、iq_crr_β(n)を用いることにより、dq軸電流推定値id_est、iq_estを精度よく算出することができる。また、上記実施形態と同様の効果を奏する。
第6実施形態の電流推定方法は、上記第1実施形態〜第5実施形態のいずれの実施形態の電流推定方法としてもよい。
第7実施形態および第8実施形態は、電流推定部32における演算方法のみが異なっているので、この点を中心に説明し、他の構成等の説明は省略する。
上記実施形態では、補正ベクトル(Δid、Δiq)を積算することによりdq軸電流推定値id_est、iq_estを算出した。第7実施形態では、dq軸電流指令値id*、iq*を用いてdq軸電流推定値id_est、iq_estを算出する。
なお、図21(b)中において、矢印YVは、PI演算にて算出される電圧指令値vd*、vq*のI項の挙動を示している。また、記号「×」は、P項も含んだ電圧指令値vd*、vq*を示している。
第8実施形態では、dq軸電流指令値id*、iq*を用いて制御相基準電流位相φを算出し、制御相基準電流位相φに基づいてdq軸電流推定値id_est、iq_estを算出する。
図22に示すように、本実施形態の電流推定部32は、制御相基準電流位相検知部301、他相推定部302、および、dq変換部303を有する。
まず、逆dq変換部311では、電気角θeを用い、d軸電流指令値id*およびq軸電流指令値iq*を逆dq変換することにより、U相電流指令値iu*およびV相電流指令値iv*を算出する。
制御相基準電流位相φは、α軸電流iαおよびβ軸電流iβを用い、以下の式(11)のように表される。
このように制御相基準電流位相φを用いてdq軸電流推定値id_est、iq_estを算出した場合も、第7実施形態と同様、図21(b)に示すように、電圧指令値vd*、vq*が所望の値に漸近していくので、交流電動機2を精度よく制御することができる。
第7実施形態または第8実施形態の電流推定方法は、上記第1実施形態〜第5実施形態のいずれの実施形態の電流推定方法としてもよい。
(ア)上記実施形態では、2相制御電流値であるdq軸電流推定値id_est、iq_estの算出方法として、補正ベクトル(Δid、Δiq)を積算する方法と、電流指令値id*、iq*を用いる方法について説明した。他の実施形態では、dq軸電流推定値id_est、iq_est、監視相電流推定値iv_est、および、制御相電流推定値iw_estは、どのような方法で算出してもよい。ここで、交流電動機の制御装置を、例えばハイブリッド車や電動自動車の主機のように高速、高精度に制御する必要があるシステムに適用する場合、上記実施形態の推定方法のように、ベクトル制御に必要な2次元量を精度よく推定することが求められる。
また、上記実施形態では、制御相電流推定部における演算方法と、電流推定部における演算方法は同じであったが、異なる方法で演算してもよい。
もちろん、第4実施形態と第5実施形態を組み合わせて実行してもよい。
さらに、制御相偏差および監視相偏差が小さい場合、または制御相偏差および監視相偏差が生じていない場合、監視実行モードを長くするようにしてもよい。
(ス)本発明による交流電動機の制御装置は、上記実施形態のようにインバータと交流電動機を一組のみ設けたシステムに限らず、インバータと交流電動機を二組以上設けたシステムに適用してもよい。また、1台のインバータに複数台の交流電動機を並列接続させた電車等のシステムに適用してもよい。
また、交流電動機の制御装置は、電動車両に適用されていたが、電動車両以外に用いてもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
2・・・交流電動機
10・・・電動機制御装置(制御装置)
11・・・インバータ
12・・・制御相電流センサ
13・・・監視相電流センサ
14・・・回転角センサ
15・・・制御部(制御相電流取得手段、監視相電流取得手段、回転角取得手段、電流算出手段、電流推定手段、電圧指令値算出手段、他相電流推定手段、異常検出手段、切替手段、回転数算出手段、回転数判定手段、回転数急変判定手段、トルク急変判定手段)
Claims (14)
- インバータ(11)によって印加電圧が制御される3相の交流電動機(2)の駆動を制御する交流電動機の制御装置(10)であって、
前記交流電動機のいずれか1相である制御相に設けられる制御相電流センサ(12)から制御相電流検出値を取得する制御相電流取得手段(31、32、42)と、
前記交流電動機の前記制御相とは異なる1相である監視相に設けられる監視相電流センサ(13)から監視相電流検出値を取得する監視相電流取得手段(41、43)と、
前記交流電動機の回転角を検出する回転角センサ(14)から回転角検出値を取得する回転角取得手段(23、31、32、41、51)と、
前記制御相電流検出値、前記監視相電流検出値および前記回転角検出値に基づき、2相制御電流値を算出する電流算出手段(31)と、
前記制御相電流検出値および前記回転角検出値に基づき、制御用1相電流推定値を推定する電流推定手段(32)と、
フィードバックされた前記2相制御電流値または前記制御用1相電流推定値に基づき、前記インバータに印加される電圧に係る電圧指令値を算出する電圧指令値算出手段(22)と、
前記制御相電流検出値および前記回転角検出値に基づいて推定される監視相電流推定値、および、前記監視相電流検出値および前記回転角検出値に基づいて推定される制御相電流推定値の少なくとも一方を算出する他相電流推定手段(32、41)と、
前記監視相電流推定値と前記監視相電流検出値とを比較した第1比較結果、および、前記制御相電流推定値と前記制御相電流検出値とを比較した第2比較結果の少なくとも一方に基づき、前記制御相電流センサおよび前記監視相電流センサの少なくとも一方に異常が生じていることを検出する異常検出手段(45)と、
前記2相制御電流値に基づいて前記電圧指令値を算出する監視停止モードと、前記制御用1相電流推定値に基づいて前記電圧指令値を算出するとともに前記異常検出手段による異常検出を行う監視実行モードと、を所定の周期で切り替える切替手段(35)と、
を備えることを特徴とする交流電動機の制御装置。 - 前記監視相電流推定値と前記監視相電流検出値との偏差である監視相偏差、または、前記制御相電流推定値と前記制御相電流検出値との偏差である制御相偏差に応じ、前記監視停止モードの期間を変更可能とすることを特徴とする請求項1に記載の交流電動機の制御装置。
- 前記回転角検出値に基づき、前記交流電動機の回転数を算出する回転数算出手段(51)と、
前記回転数が所定の判定値以下であるか否かを判定する回転数判定手段(53)と、
をさらに備え、
前記切替手段は、前記回転数が前記判定値以下であると判定された場合、前記監視実行モードを禁止し、前記監視停止モードに切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載の交流電動機の制御装置。 - 前記回転角検出値に基づき、前記交流電動機の回転数を算出する回転数算出手段(51)と、
前記回転数が急変したか否かを判定する回転数急変判定手段(53)と、
をさらに備え、
前記切替手段は、前記回転数が急変したと判定された場合、前記監視実行モードを禁止し、前記監視停止モードに切り替えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。 - 前記交流電動機の駆動により発生するトルクに係るトルク指令値が急変したか否かを判定するトルク急変判定手段(53)をさらに備え、
前記切替手段は、前記回転数が急変したと判定された場合、前記監視実行モードを禁止し、前記監視停止モードに切り替えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。 - 前記電流算出手段は、前記監視実行モードにおいて、前記2相制御電流値の演算を中止し、
前記電流推定手段は、前記監視停止モードにおいて、前記制御用1相電流推定値の演算を中止し、
前記他相電流推定手段は、前記監視停止モードにおいて、前記監視相電流推定値および前記制御相電流推定値の演算を中止することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。 - 前記電流算出手段は、前記監視実行モードにおいて、前記2相制御電流値の演算を中止し、
前記電流推定手段は、前記監視停止モードにおいて、前記制御用1相電流推定値の演算を中止するとともに、前記監視実行モードに切り替わる前の所定のタイミングから前記制御用1相電流推定値の演算を開始し、
前記他相電流推定手段は、前記監視停止モードにおいて、前記監視相電流推定値および前記制御相電流推定値の演算を中止するとともに、前記監視実行モードに切り替わる前記所定のタイミングから前記監視相電流推定値および前記制御相電流推定値の少なくとも一方の演算を開始することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。 - 前記電流算出手段は、前記監視実行モードまたは前記監視停止モードのいずれであっても前記2相制御電流値の演算を行い、
前記他相電流推定手段は、前記監視実行モードまたは前記監視停止モードのいずれであっても前記制御用1相電流推定値の演算を行い、
前記他相電流推定手段は、前記監視実行モードまたは前記監視停止モードのいずれであっても前記監視相電流推定値および前記制御相電流推定値の少なくとも一方の演算を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。 - 前記電流推定手段は、前回の演算で算出された前記制御用1相電流推定値の前記制御相の成分である電流基準値と前記制御相電流検出値とに基づいて算出される補正ベクトルをdq軸平面上にて積算することにより、前記制御用1相電流推定値を算出することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。
- 前記他相電流推定手段は、前記制御用1相電流推定値に基づき、前記監視相電流推定値を算出することを特徴とする請求項9に記載の交流電動機の制御装置。
- 前記他相電流推定手段は、前記監視相電流検出値および前記回転角検出値に基づく監視用1相電流推定値を算出し、前回の演算で算出された前記監視用1相電流推定値の前記監視相の成分である監視相電流基準値と前記監視相電流検出値とに基づいて算出される監視相補正ベクトルをdq軸平面上にて積算することにより前記監視用1相電流推定値を算出し、算出された前記監視用1相電流推定値に基づき、前記制御相電流推定値を算出することを特徴とする請求項8または9に記載の交流電動機の制御装置。
- 前記電流推定手段は、前記制御相電流検出値および前記回転角検出値に加え、前記交流電動機の駆動に係る電流指令値に基づき、前記制御用1相電流推定値を算出することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。
- 前記他相電流推定手段は、前記制御相電流検出値と前記回転角検出値とに加え、前記電流指令値に基づいて前記監視相電流推定値を算出することを特徴とする請求項12に記載の交流電動機の制御装置。
- 前記他相電流推定手段は、前記監視相電流検出値と前記回転角検出値とに加え、前記電流指令値に基づいて前記制御相電流推定値を算出することを特徴とする請求項12または13に記載の交流電動機の制御装置。
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