JP2004015925A - ブラシレスモータ制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】正逆転が多く加速度変化の大きいブラシレスモータにおいて、レゾルバ等を使用することなくトルクリップルの低減を図る。
【解決手段】第1及び第2のセンサ群によって複数個の通電ステージを形成すると共に、各ステージ毎にトルク定数を予め設定し、各ステージ毎に目標電流値を算出してモータの駆動制御を行う。コントローラ11では、モータ1の目標トルクを定めたトルク指令が入力されると、各相、各ステージ毎にトルク定数がテーブル状に設定されたトルク定数マップに従って各ステージ毎の目標電流値が算出される。モータ1のロータ角度はホールセンサ10によって検出され、現在のステージが算出される。現在のステージに基づき、目標トルクに応じた目標電流値が各ステージ毎にセットされ、この目標電流値に基づいてモータ1はドライバによりPID制御される。
【選択図】 図4
【解決手段】第1及び第2のセンサ群によって複数個の通電ステージを形成すると共に、各ステージ毎にトルク定数を予め設定し、各ステージ毎に目標電流値を算出してモータの駆動制御を行う。コントローラ11では、モータ1の目標トルクを定めたトルク指令が入力されると、各相、各ステージ毎にトルク定数がテーブル状に設定されたトルク定数マップに従って各ステージ毎の目標電流値が算出される。モータ1のロータ角度はホールセンサ10によって検出され、現在のステージが算出される。現在のステージに基づき、目標トルクに応じた目標電流値が各ステージ毎にセットされ、この目標電流値に基づいてモータ1はドライバによりPID制御される。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシレスモータの制御方法に関し、特に、電動パワーステアリング装置や電子制御式スロットル弁装置に使用されるブラシレスモータに適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、低振動・低騒音を求められるブラシレスモータでは、トルクリップルの低減が大きな課題となっている。例えば、電動パワーステアリング装置に使用されるモータは、トルクリップルが操舵フィーリングに大きく影響を及ぼすため、その低減が求められる。また、エンジンの電子制御式スロットル弁装置に使用されるものは、トルクリップルがスロットル弁の開閉、特に閉弁時の応答性に影響を及ぼし、エンジン制御上その低減が望まれる。このため、かかるモータでは、ロータ回転位置をレゾルバを用いて精密に検出し、正弦波駆動を行うなどしてトルクリップルの少ない滑らかな回転を実現している。ところが、レゾルバを用いる場合、レゾルバ単体が高価であるのみならず、制御装置とのインターフェースとして専用のR/D変換器(レゾルバ信号/ディジタル信号変換器)を使用する必要があり、システム全体のコストが増大するという問題があった。
【0003】
この場合、コスト削減のためには、レゾルバやR/D変換器を廃し、一般的なブラシレスモータと同様に、安価なホール素子等の磁気検出素子を用いた構成でトルクリップルの低減を図ることが求められる。しかしながら、例えば3相のブラシレスモータを3個の磁気検出素子を用いて駆動するような従来の方式では、ロータ位置検出精度が粗く、駆動形態も矩形波駆動をせざるを得ないため、トルクリップル低減を図ることは難しい。
【0004】
そこで、低振動・低騒音を求められるブラシレスモータでは、120°矩形波駆動を行いつつトルクリップル低減する方策として、いわゆるオーバーラップ通電が行われている。このオーバーラップ通電は、+方向又は−方向に励磁された相を重複形成しつつ転流を行う通電形態であり、例えば、3相のモータにおいてU相とV相を切り替える際に、両相を同時に同極性(+又は−)に通電する時間が設けられる。すなわち、この例で言えば、U相の+方向の通電を停止する以前にV相の+方向の通電を開始し、隣接する2相を重複して同極性に励磁しつつ、U相からV相への転流を行う。
【0005】
オーバーラップ通電では、次相の通電タイミングによりオーバーラップ量が決まる。次相の通電タイミングは、磁気検出素子にて得たロータ位置情報に基づき、タイマやソフトウエアによるロータ位置推定等により決定される。これにより転流時に2相が適宜重複励磁され、相の切り替わりがスムーズとなり擬似的な正弦波駆動を行うことが可能となる。従って、高価なレゾルバやR/D変換器を用いることなく、安価な磁気検出素子によってトルクリップルの低減を図ることが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電動パワーステアリング装置や電子制御式スロットル弁装置では、ステアリング操作やスロットルバルブ開閉動作に伴いモータの正逆転が激しく入れ替わり、その加速度の変化も非常に大きい。また、ステアリング操作やアクセル操作は個人差が大きく、急ハンドルや急加速なども行われるため、モータの駆動状態を予測することが難しい。さらに、モータ速度が低い時や加速領域では、モータ動作の正確な予測は難しい。このため、ロータ推定位置の誤差が大きくなり、適切な通電タイミングにてオーバーラップ通電を行うことができない。
【0007】
すなわち、オーバーラップ通電は、回転方向や回転数、加速度等の変化が少ない定速運転状態のモータには有効であるが、電動パワーステアリング装置や電子制御式スロットル弁装置のようにそれらが激しく変化するものでは採用は難しい。従って、このようなモータでは、高価ではあるもののレゾルバ等を使用せざるを得ず、コストアップの要因となるという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、正逆転が多く加速度変化の大きいブラシレスモータにおいて、レゾルバ等を使用することなくトルクリップルの低減を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のブラシレスモータの制御方法は、複数相の電機子コイルを備えたステータと、永久磁石を備え前記ステータの内側又は外側に回転自在に配設されたロータと、複数の磁気検出素子からなる第1のセンサ群と、前記第1のセンサ群の前記磁気検出素子と所定の間隔をあけて配置された磁気検出素子を少なくとも1個備える第2のセンサ群とを有してなるブラシレスモータの制御方法であって、前記第1のセンサ群と前記第2のセンサ群によって、前記ロータの回転位置に対応して複数個の通電ステージを形成し、前記通電ステージ毎に予めトルク定数を設定すると共に、前記各通電ステージ毎に前記トルク定数と各ステージの目標トルクに基づいて目標電流値を算出し、前記目標電流値に基づき前記電機子コイルに対し電力供給を行うことを特徴とする。
【0010】
本発明にあっては、第1及び第2のセンサ群によって通電ステージを形成すると共に、各ステージ毎にトルク定数を予め設定し、各ステージ毎に目標電流値を算出してモータの駆動制御を行うので、目標トルクを得るために必要な電流値が各ステージ毎に設定される。このため、ステージ間におけるトルクムラが減少し、トルクリップルの抑制が可能となる。
【0011】
前記制御方法において、前記第1及び第2のセンサ群による前記ロータの回転位置検出結果に基づき、同極性の励磁相を重複形成しつつ転流を行うようにしても良い。これにより、制御ステージを倍増させた状態で、推定を加えることなくオーバーラップ通電を行うことができ、正逆転が激しく入れ替わり、加速度の変化も非常に大きい使用環境においてもトルクリップルの低減が図られる。
【0012】
また、前記制御方法において、前記トルク定数を、各相及び各通電ステージ毎にマップ化して設定しても良い。前記トルク定数として、各通電ステージ毎に個別の値を設定したり、一部の前記通電ステージにて同一の値を設定したりすることも可能である。
【0013】
さらに、前記制御方法において、前記目標電流値を、励磁相数の異なる前記通電ステージ間において異なる値としたり、一部の前記通電ステージにて同一の値としたり、励磁相数が等しい前記通電ステージ間において同一の値としたりすることも可能である。
【0014】
加えて、前記制御方法において、前記目標電流値を、前記電機子コイルに対し供給される各相の電流値を検出してフィードバック制御しても良い。また、前記目標電流値を、前記ロータの回転数と、電源電圧、前記電機子コイルに対し供給される各相の通電Duty及び前記電機子コイルの温度に基づいて算出される供給電流値によってフィードバック制御しても良い。
【0015】
一方、前記ブラシレスモータの制御方法において、前記ブラシレスモータは3相のブラシレスモータであり、12個の前記通電ステージを設けても良い。また、前記通電ステージを、3相の電機子コイルを通電する3相通電ステージと、2相の電機子コイルを通電する2相通電ステージとから構成しても良い。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態であるブラシレスモータ1(以下、モータ1と略記する)の構成を示す説明図である。当該モータ1は、電動パワーステアリング装置の駆動源として使用され、図1に示すように、ロータマグネット2(永久磁石、以下、マグネット2と略記する)を備えたロータ3の周囲にステータ4を配したインナーロータ型の装置構成となっている。モータ1は、運転者がハンドルを操作すると操舵角や走行速度等に従って制御駆動され、図示しない減速ギアを介してステアリングコラム軸に対し操舵補助力が供給される。
【0017】
ロータ3は、金属製のシャフト5に取り付けられたロータコア6と、ロータコア6の外周に固定された2極のマグネット2とから構成されている。マグネット2はフェライト磁石からなる2個のセグメントに180°ずつ分割形成されている。ステータ4は、ハウジング7と、ハウジング7の内周側に固定されたステータコア8と、ステータコア8のティースに巻装された電機子コイル9とから構成されている。電機子コイル9は、U,V,Wの3相の巻線を形成している。
【0018】
ハウジング7内には、マグネット2の磁極の変化を捉えロータ3の回転位置を検出するホールセンサ(磁気検出素子)10が配設されている。図2は、ホールセンサ10の配置状態を示す説明図である。図2に示すように、モータ1では、3個のホールセンサ10を有するセンサ群が2組設けられている(センサ群H1,H2)。ホールセンサ10は、各群毎に等分に120°間隔にて配置されており、センサ群H1(第1のセンサ群)はホールセンサH1a,H1b,H1c、センサ群H2(第2のセンサ群)はホールセンサH2a,H2b,H2cから構成される。センサ群H2のホールセンサH2a,H2b,H2cは、センサ群H1のホールセンサH1a,H1b,H1cからそれぞれXだけ間隔をあけて配置されており、偏倚角Xは電気角0〜120°の範囲で設定されている。ホールセンサ10の検出信号はコントローラ(通電制御手段)11に送られ、これに基づいて電機子コイル9への電流が適宜切り替えられ、ロータ3を回転駆動させる回転磁界が形成される。
【0019】
図3は、各センサ群H1,H2間のホールセンサ偏倚角Xを30°に設定した場合におけるモータ1の駆動制御形態を示すタイムチャートであり、上段はホールセンサ10の信号出力、下段は電機子コイル9に対する印加電圧波形を示し、(a)は正転時、(b)は逆転時の制御形態である。なお、(a)の上段上方に記載された半月状の図は、ロータ3の位置を模式的に示した物である。
【0020】
モータ1では、ロータ3の1回転に際し、6個のホールセンサH1a,H1b,H1c,H2a,H2b,H2cからの信号の何れかが立ち上がり(以下、ONと称する)又は立ち下がり(以下、OFFと称する)を示す時点を区切りとして、その制御形態が図3に示すように12個の通電ステージ(以下、ステージと略記する)に分割される。ここでは、ホールセンサH1a(以下、各ホールセンサはH1aのように符号のみにて示す)がONした後ロータ3が30°回転するとH2aがONし、さらに30°回転すると今度はH1cがOFFとなる。このようにX=30°の場合には、ロータ3の回転に伴い30°間隔にて何れかのホールセンサがON/OFFし、各ステージは等分に12個形成される。なお、モータ1は正逆転使用されるため、図3に斜線にて示したように、ステージ(3)の中心を基準とし、それをU相磁極の中心に配置している。
【0021】
ここで、3個のホールセンサによってオーバーラップ通電を行わずにブラシレスモータを制御する場合は、各相のコイルは120°正方向通電→60°非通電→120°負方向通電→60°非通電を繰り返す。これに対しモータ1では、各相の電機子コイル9は、150°正方向通電→30°非通電→150°負方向通電→30°非通電を繰り返し、図3に示すように、通電時間の始期と終期が他相と重複している。つまり、モータ1では、オーバーラップ量R1のオーバーラップ通電が実施されている。そこで、次にこのようなモータ1の制御形態について図3を参照しつつ説明する。
【0022】
まず、正転時にロータ3のN極がH1aにかかりH1aがONとなると、U相が+通電される。この際、W相では、図3(a)に示すように、H1cのONに伴う+通電が継続されており、W相からU相への切り替えに際しオーバーラップ通電が行われる。このような同極性の重複通電状態はロータ3のN極が30°回転してH2aがONとなるまで続けられる(ステージ(1))。すなわち、正転時には、H1a,H1b,H1cによってロータ3の回転位置を検出しつつ、H2a,H2b,H2cによってオーバラップ時間が制御される。一方、ステージ(1)(2)ではV相のみが−通電状態にあり、ステージ(1)においてはU,W相が+通電、V相が−通電の状態、ステージ(2)においてはU相が+通電、V相が−通電の状態となる。
【0023】
さらにロータ3が回転してステージ(3)となると、H1cがOFFとなりW相が−通電される。この際、V相の−通電は継続されており、−のオーバーラップ通電はH2cがOFFされるまで続けられる。H2cがOFFされてV相が非通電状態となりステージ(4)となると、U相が+通電、W相が−通電の状態となる。H1bがONとなりステージ(5)に進むとV相が+通電される。このときU相の+通電は継続されており、+のオーバーラップ通電はH2bがONとなるまで続けられる。H2bがONされるとU相は非通電状態となり、V相が+通電、W相が−通電の状態となって(ステージ(6))、+通電の相がU相からV相に切り替えられる。以下、同様にして各ホールセンサH1a〜H2cのON/OFFに伴い各相の通電状態が切り替えられ、ロータ3の正転動作が行われる。
【0024】
一方、ロータ3が逆転する場合は、図3(b)に示すように、正転時とは印加電圧極性が反転した形で制御され、H2a,H2b,H2cによってロータ3の回転位置を検出しつつ、H1a,H1b,H1cによってオーバラップ時間が制御される。例えば、ステージ(6)にてH1aがONとなるとU相が非通電状態となり、このときW相は+通電、V相は−通電の状態となる。ロータ3が回転してステージ(5)となると、H2bがOFFとなりU相が−通電される。この際、V相では、H2cのOFFに伴う−通電(ステージ(9))が継続されており、−のオーバーラップ通電が行われる。この状態はロータ3がさらに30°回転してH1bがOFFとなるまで続けられる。
【0025】
ステージ(4)となると、V相が非通電状態となりW相が+通電、U相が−通電の状態となる。ステージ(3)では、H2cのONと共にV相が+通電され、この際、W相の+通電は継続されており、+のオーバーラップ通電はH1cがONされるまで続けられる。ステージ(2)に移ると、W相が非通電状態となり、V相が+通電、U相が−通電の状態となって、+通電の相がW相からV相に切り替えられる。ステージ(1)では、H2aのOFFに伴いW相が−通電される。このときU相の−通電は継続されており、−のオーバーラップ通電はH1bがOFFとなるまで続けられる。以下、同様にして各ホールセンサH1a〜H2cのON/OFFに伴い各相の通電状態が切り替えられ、ロータ3の逆転動作行われる。
【0026】
このようにモータ1では、奇数番号のステージにてオーバーラップ通電が行われ、相の切り替え、すなわち転流が実施される。従って、通電相が重複することなく切り替えられる通電方式のように転流が急激に行われず、相の切り替わりがスムーズとなりトルクリップルの低減を図ることが可能となる。しかも、通常6ステージしかない制御形態を、推定を加えることなく12ステージとすることができ、ロータ位置検出精度が向上し、電動パワーステアリング装置のような正逆転が激しく入れ替わり、加速度の変化も非常に大きい環境においても、オーバーラップ通電を採用することができる。このため、電動パワーステアリング装置等においてもレゾルバやR/D変換器を用いることなく、安価なホールセンサによってブラシレスモータの駆動制御が可能となる。
【0027】
一方、モータ1では、トルク指令に対し各ステージ毎に目標電流値を設定してロータ3を回転駆動している。図4は、コントローラ11におけるモータ制御形態を示すブロック図である。まず、コントローラ11にモータ1の目標トルクを定めたトルク指令が入力されると、トルク定数マップに従って各ステージ毎の目標電流値が算出される。トルク定数マップには、後述するように各相、各ステージ毎にトルク定数がテーブル状に設定されている。
【0028】
前述のように、モータ1のロータ角度はホールセンサ10によって検出されており、これにより現在のステージが算出される。そして、算出したステージに基づき当該ステージの目標電流値がセットされ、PID制御の下、ドライバによってモータ1が駆動される。この場合、モータ1に対する供給電流量は電流検出回路にてモニタされており、PID制御では、その検出値に基づきP項(比例項)、I項(積分項)、D項(微分項)が設定される。各項にはそれぞれに所定のゲイン係数が乗じられ、モータの通電Dutyが決定される。これにより、モータ1の供給電流量がフィードバック制御される。
【0029】
なお、電流検出回路に代えて、モータの回転数やDuty、電源電圧、モータ温度から供給電流値を算出してPID制御を行うこともできる。図5は、その場合のモータ制御形態を示すブロック図である。モータ1では、ロータ3の回転に伴い発電作用が生じる。この発電電圧Eは、ロータ回転数をωとすると、E=KT×ω(KT:誘起電圧定数)と表せる。一方、モータ1にかかる電圧Vは、電源電圧をVBとすると、V=VB×Dutyとなる。従って、モータに流れる電流Iは、電機子コイル9の抵抗値をRとすると、I=(V−E)/R=(VB×Duty−KT×ω)/Rとなる。また、電機子コイル9の抵抗値は温度により変化する。そこで、1°C当たりの抵抗変化率をΔR、温度をTempとすると、0°Cにおける抵抗値をR0とすると、温度Temp°Cでの抵抗値Rは、R=R0+ΔR×Tempとなる。従って、電流Iは、I=(VB×Duty−KT×ω)/(R+ΔR×Temp)となる。すなわち、モータの回転数やDuty、電源電圧、モータ温度をモニタすることにより、モータ1に供給される電流量が推定でき、図4の場合と同様に、各ステージ毎に設定された目標電流値に従ってフィードバック制御することが可能となる。
【0030】
コントローラ11では、前述のように目標トルクに基づき各ステージ毎の供給電流値が算出される。ここでモータトルクTMは、トルク定数×電流値で表すことができ、3相のモータ1では、各相毎のトルク定数をKTU,KTV,KTW、電流値をIU,IV,IWとすると、次式のように表すことができる(式(1))。
【0031】
【数1】
【0032】
ところで、ある回転数ωでの各相の誘起電圧をそれぞれEU,EV,EWとすると、各相毎の誘起電圧定数KEU,KEV,KEWは次式のように表すことができる(式(2))。
【0033】
【数2】
【0034】
図6(a)は、各相の誘起電圧の変化を示す説明図である。また、図6(b)はこのような変化を示す誘起電圧値をモータ1の各ステージ毎に平均化したものである。ここで、モータにおいては、誘起電圧定数とトルク定数は同一であることから、各相のトルク定数は誘起電圧と同様の波形を示す。すなわち、各相のトルク定数もまた図6(a)と同様の変化を示す。誘起電圧値は測定可能な値であり、従って、これを予め測定しておくことにより、各相の電気角とトルク定数との関係を取得することができる。当該モータ1のコントローラ11は、この関係を図6(b)の平均値を用いて各ステージ毎に予め求めておき、それをマップ化して保持している。
【0035】
図7は、各相、各ステージにおけるトルク定数と電流値との関係を示すトルク定数マップの一例である。モータ1では、奇数ステージが3相の電機子コイル9全てに通電を行う3相通電ステージ、偶数ステージが電機子コイル9のうち2相に通電を行う2相通電ステージである。また、各通電ステージでは3相全電流の和は0となる。従って、各ステージ毎の電流値I(1),I(2)・・・I(12)は、各相毎に図7の表のようになる。そして、各ステージ(1)〜(12)毎の各相のトルク定数をKTU(n),KTV(n),KTW(n)とすると、ステージ(1)では式(1)のトルクの式は次式のように表せ、これをIについて解くと次のようになる。なお、図面及び数式ではステージ数は「▲1▼」等の丸数字にて示されている。
【0036】
【数3】
【0037】
同様にして奇数ステージの電流値I(3),I(5),I(7),I(9),I(11)は式(3)、偶数ステージの電流値I(2),I(4),I(6),I(8),I(10),I(12)は式(4)のように表すことができる。
【0038】
【数4】
【数5】
【0039】
このようにコントローラ11では、トルク定数をステージ毎にマップ化して持つことにより、トルク指令(目標トルクT)に対し、上述の式からステージ毎に目標電流値を算出し、モータ1の駆動制御を行っている。すなわち、モータ1では、各ステージ毎にリアルタイムで目標トルクを得るために必要な電流値が演算される。このため、ステージによって通電相数が異なる場合であっても、トルクムラの少ない滑らかな運転が可能となり、トルクリップルの抑制が可能となる。
【0040】
ところで、図6(a)に示した誘起電圧のグラフから分かるように、トルク定数KTU,KTV,KTWは、理想的な状態では対称的な波形が周期的に現れる。従って、各ステージのトルク定数は、各相毎に12個ずつ設定する必要はなく、波形に着目して適宜簡素化することができる。図8は、トルク定数が0レベルを中心に点対称であることを考慮して、図7のマップの簡素化を図ったものである。図6(a)から分かるように、図7におけるKTU(1)〜(5)とKTU(7)〜(12)は符号を異にするものの同じ値を示し、V,W相も同様の様相を呈する。また、例えばU相では、ステージ(6),(12)は電流値はであるからトルク定数も0となる。従って、これらの点を考慮すると、トルク定数KTU,KTV,KTWは、図8に示すように、KTU(1)〜(5)及び0のように各相共6個に集約される。また、それに伴い目標電流値もステージ(1)〜(6)とステージ(7)〜(12)は同じ値(符号は反対)となる。
【0041】
トルク定数が変曲点に対して点対称であることを考慮すると、図8のマップをさらに簡素化することができる。図9は、これにより図8のマップの更なる簡素化を図ったものである。図6(a)から分かるように、図8におけるKTU(4),(5)とKTU(1),(2)は同じ値を示し、V,W相も同様の様相を呈する。従って、この点を考慮すると、トルク定数KTU,KTV,KTWは、図9に示すように、KTU(1)〜(3)と0に集約される。
【0042】
さらに、各相のトルク定数は、図6(a)から分かるように、120°ずつ位相がずれて同じ値を示す。すなわち、例えばKTU(1)とKTV(5)は同じ値とを取る。図10は、これにより図9のマップをさらに簡素化したものである。このような位相差を考慮すると、トルク定数KTU,KTV,KTWは、図10に示すように、KTU(1)〜(3)と0に集約される。またこの際、例えばステージ(3)では、トルクの式はT=KTU(1)/2・I(3)+KTU(3)・I(3)+KTU(1)/2・I(3)=(KTU(1)+KTU(3))・I(3)となる。これを電流値I(3)について解くと、I(3)=T/(KTU(1)+KTU(3))となる。この右辺は式(5)の右辺と同一であり、他の奇数ステージの電流値I(3),I(5),I(7),I(9),I(11)も全てI(1)と同じ値となる。また、偶数ステージも同様に解いて、I(2)=I(4)=・・・=I(12)となる。従って、コントローラ11におけるマップは、図10の形に集約され、奇数ステージのトルクの式は次のようになる。
【0043】
【数6】
【0044】
これをI(1)について解くと式(5)のようになり、同様にして偶数ステージに関しI(2)について解くと式(6)のようになる。
【0045】
【数7】
【数8】
【0046】
このように図10の場合には、トルクTを出力するために各相に供給すべき電流量は、3相通電を行う奇数ステージでは±I(1)又は±I(1)/2、2相通電を行う偶数ステージでは±I(2)又は±I(2)/2となる。そして、電機子コイル9への供給電流がこの値となるようにPID制御を行うことにより、モータ1のトルクリップル低減を図ることが可能となる。また、その際のI(1),I(2)は、式(5),(6)によってT及びKTU(1)〜(3)から算出される電流値である。従って、当該モータ1では、KTU(1)〜(3)の3個の定数を持つだけでこのようなトルクリップル低減制御ができ、コントローラ11のメモリを節約することが可能となる。
【0047】
また、発明者らの実験によれば、誘起電圧波形として、純粋な正弦波に対し11次の高調波を0.015重畳させた波形を用いた場合、トルクリップル低減効果が認められた。特に、偏倚角30°のモータでは、2相通電磁時(奇数ステージ)と3相通電磁時(偶数ステージ)の電流比を100:86としたときに最もトルクリップル低減効果が高く、トルクリップルを2%程度に抑えることができた。すなわち、I(1)をI(2)の86%に設定するとトルクリップル低減効果が高く、これを予め考慮すれば、式(6)×0.86にてI(1)を得ることができ、トルク定数もKTU(2)のみで足りることになる。
【0048】
さらに、前述の実験により、高調波重畳波形にてモータ1を駆動できることも確認された。従って、高回転時などロータ位置の推定が容易な領域では正弦波波形を用いて駆動し、推定が困難な領域では前述のようなマップによる駆動を行うような、両方式を組み合わせた駆動形態も可能である。
【0049】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施の形態では3相のブラシレスモータに本発明を適用したものについて説明したが、U,V,W,X,Yからなる5相のモータなど、他の多相ブラシレスモータに本発明を適用することも可能である。また、前述の実施の形態では偏倚角Xが30°の場合を示したが、偏倚角は30°には限定されず、例えば、10°や20°,50°など種々の偏倚角を設定することができる。なお、1つのモータで偏倚角は全て同じである必要なく、一部又は全部を異なる値とするなど種々の設定が可能である。
【0050】
さらに、センサ群を2組(H1,H2)配した構成を示したがセンサ群を3組以上設けることも可能である。また、前述の実施の形態では、第2のセンサ群H2を3個のホールセンサにて構成した例を示したが、ホールセンサを1個とすることも可能である。すなわち、第2のセンサ群H2は、ホールセンサ1個の場合をも含む概念である。さらに、前述の実施の形態ではマグネット2の磁極が等分に2個配置されているものを示したが、磁極角度を異ならせたり、磁極を多極化してマグネットの着磁パターンを不等ピッチ化することも可能である。例えば、このような着磁形態の変形により、第2のセンサ群H2中のホールセンサ数を削減することが可能となる。なお、第1のセンサ群H1のホールセンサの個数を2個にすることも可能であり、センサ群H1,H2のセンサ数を、2個,1個、2個,2個などとする構成も可能である。
【0051】
加えて、前述のモータ1はインナーロータ型のブラシレスモータであるが、本発明をアウタロータ型のブラシレスモータにも適用可能である。さらに、本発明は正逆転を行わない一方向のみに回転するブラシレスモータにも適用可能であり、その場合、ステージ(3)の中心とU相磁極中心との間に適宜角度を設けることにより進角制御が可能である。
【0052】
一方、前述の実施の形態は、本発明をコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置に適用した例を示したが、ラックアシスト型等の他の方式の電動パワーステアリング装置にも適用可能である。また、電動パワーステアリング装置のみならず、特開平10−184401号公報や特開平10−252510号公報に示されているようなエンジンの電子制御式スロットル弁装置に適用することも可能である。これにより、電子制御式スロットル弁装置のように動作が激しく、モータの正逆転が激しく入れ替わり、加速度の変化も非常に大きい使用環境においても、オーバーラップ通電を採用することができる。このため、電子制御式スロットル弁装置においてもレゾルバやR/D変換器を用いることなく、安価なホールセンサによってブラシレスモータの駆動制御が可能となり、エンジンの制御応答性を損なうことなく製品コストの削減が可能となる。
【0053】
さらに、本発明のブラシレスモータを電動パワーステアリング装置や電子制御式スロットル弁装置以外の用途、例えば、ロボット等の産業用機械やパソコン等のIT機器などにも適用可能である。
【0054】
【発明の効果】
本発明のブラシレスモータの制御方法は、第1及び第2のセンサ群によって通電ステージを形成すると共に、各ステージ毎にトルク定数を予め設定し、各ステージ毎に目標電流値を算出してモータの駆動制御を行うようにしたので、目標トルクを得るために必要な電流値が各ステージ毎に設定される。従って、例えばステージによって通電相数が異なる場合などでも、トルクムラの少ない滑らかな運転が可能となり、トルクリップルの抑制が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるブラシレスモータの構成を示す説明図である。
【図2】ホールセンサの配置状態を示す説明図である。
【図3】センサ群H1,H2間のホールセンサ間角度Xを30°に設定した場合における図1のブラシレスモータの駆動制御形態を示すタイムチャートであり、上段はホールセンサの信号出力、下段は電機子コイルに対する印加電圧波形を示し、(a)は正転時、(b)は逆転時の制御形態である。
【図4】コントローラにおけるモータ制御形態を示すブロック図である。
【図5】コントローラにおけるモータ制御形態の変形例を示すブロック図である。
【図6】(a)は、図1のブラシレスモータにおける各相の誘起電圧の変化を示す説明図、(b)は誘起電圧値を各ステージ毎に平均化した説明図である。
【図7】各相、各ステージにおけるトルク定数と電流値との関係を示すトルク定数マップの一例である。
【図8】トルク定数マップの一例であり、図7のマップの簡素化を図ったものである。
【図9】トルク定数マップの一例であり、図8のマップの簡素化を図ったものである。
【図10】トルク定数マップの一例であり、図9のマップの簡素化を図ったものである。
【符号の説明】
1 ブラシレスモータ
2 ロータマグネット
3 ロータ
4 ステータ
5 シャフト
6 ロータコア
7 ハウジング
8 ステータコア
9 電機子コイル
10 ホールセンサ
11 コントローラ
H1 センサ群(第1のセンサ群)
H2 センサ群(第2のセンサ群)
H1a,H1b,H1c センサ群H1のホールセンサ
H2a,H2b,H2c センサ群H2のホールセンサ
X 偏倚角
R1オーバーラップ量
T 目標トルク
KEU,KEV,KEW誘起電圧定数
KTU,KTV,KTW トルク定数
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシレスモータの制御方法に関し、特に、電動パワーステアリング装置や電子制御式スロットル弁装置に使用されるブラシレスモータに適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、低振動・低騒音を求められるブラシレスモータでは、トルクリップルの低減が大きな課題となっている。例えば、電動パワーステアリング装置に使用されるモータは、トルクリップルが操舵フィーリングに大きく影響を及ぼすため、その低減が求められる。また、エンジンの電子制御式スロットル弁装置に使用されるものは、トルクリップルがスロットル弁の開閉、特に閉弁時の応答性に影響を及ぼし、エンジン制御上その低減が望まれる。このため、かかるモータでは、ロータ回転位置をレゾルバを用いて精密に検出し、正弦波駆動を行うなどしてトルクリップルの少ない滑らかな回転を実現している。ところが、レゾルバを用いる場合、レゾルバ単体が高価であるのみならず、制御装置とのインターフェースとして専用のR/D変換器(レゾルバ信号/ディジタル信号変換器)を使用する必要があり、システム全体のコストが増大するという問題があった。
【0003】
この場合、コスト削減のためには、レゾルバやR/D変換器を廃し、一般的なブラシレスモータと同様に、安価なホール素子等の磁気検出素子を用いた構成でトルクリップルの低減を図ることが求められる。しかしながら、例えば3相のブラシレスモータを3個の磁気検出素子を用いて駆動するような従来の方式では、ロータ位置検出精度が粗く、駆動形態も矩形波駆動をせざるを得ないため、トルクリップル低減を図ることは難しい。
【0004】
そこで、低振動・低騒音を求められるブラシレスモータでは、120°矩形波駆動を行いつつトルクリップル低減する方策として、いわゆるオーバーラップ通電が行われている。このオーバーラップ通電は、+方向又は−方向に励磁された相を重複形成しつつ転流を行う通電形態であり、例えば、3相のモータにおいてU相とV相を切り替える際に、両相を同時に同極性(+又は−)に通電する時間が設けられる。すなわち、この例で言えば、U相の+方向の通電を停止する以前にV相の+方向の通電を開始し、隣接する2相を重複して同極性に励磁しつつ、U相からV相への転流を行う。
【0005】
オーバーラップ通電では、次相の通電タイミングによりオーバーラップ量が決まる。次相の通電タイミングは、磁気検出素子にて得たロータ位置情報に基づき、タイマやソフトウエアによるロータ位置推定等により決定される。これにより転流時に2相が適宜重複励磁され、相の切り替わりがスムーズとなり擬似的な正弦波駆動を行うことが可能となる。従って、高価なレゾルバやR/D変換器を用いることなく、安価な磁気検出素子によってトルクリップルの低減を図ることが可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、電動パワーステアリング装置や電子制御式スロットル弁装置では、ステアリング操作やスロットルバルブ開閉動作に伴いモータの正逆転が激しく入れ替わり、その加速度の変化も非常に大きい。また、ステアリング操作やアクセル操作は個人差が大きく、急ハンドルや急加速なども行われるため、モータの駆動状態を予測することが難しい。さらに、モータ速度が低い時や加速領域では、モータ動作の正確な予測は難しい。このため、ロータ推定位置の誤差が大きくなり、適切な通電タイミングにてオーバーラップ通電を行うことができない。
【0007】
すなわち、オーバーラップ通電は、回転方向や回転数、加速度等の変化が少ない定速運転状態のモータには有効であるが、電動パワーステアリング装置や電子制御式スロットル弁装置のようにそれらが激しく変化するものでは採用は難しい。従って、このようなモータでは、高価ではあるもののレゾルバ等を使用せざるを得ず、コストアップの要因となるという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、正逆転が多く加速度変化の大きいブラシレスモータにおいて、レゾルバ等を使用することなくトルクリップルの低減を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のブラシレスモータの制御方法は、複数相の電機子コイルを備えたステータと、永久磁石を備え前記ステータの内側又は外側に回転自在に配設されたロータと、複数の磁気検出素子からなる第1のセンサ群と、前記第1のセンサ群の前記磁気検出素子と所定の間隔をあけて配置された磁気検出素子を少なくとも1個備える第2のセンサ群とを有してなるブラシレスモータの制御方法であって、前記第1のセンサ群と前記第2のセンサ群によって、前記ロータの回転位置に対応して複数個の通電ステージを形成し、前記通電ステージ毎に予めトルク定数を設定すると共に、前記各通電ステージ毎に前記トルク定数と各ステージの目標トルクに基づいて目標電流値を算出し、前記目標電流値に基づき前記電機子コイルに対し電力供給を行うことを特徴とする。
【0010】
本発明にあっては、第1及び第2のセンサ群によって通電ステージを形成すると共に、各ステージ毎にトルク定数を予め設定し、各ステージ毎に目標電流値を算出してモータの駆動制御を行うので、目標トルクを得るために必要な電流値が各ステージ毎に設定される。このため、ステージ間におけるトルクムラが減少し、トルクリップルの抑制が可能となる。
【0011】
前記制御方法において、前記第1及び第2のセンサ群による前記ロータの回転位置検出結果に基づき、同極性の励磁相を重複形成しつつ転流を行うようにしても良い。これにより、制御ステージを倍増させた状態で、推定を加えることなくオーバーラップ通電を行うことができ、正逆転が激しく入れ替わり、加速度の変化も非常に大きい使用環境においてもトルクリップルの低減が図られる。
【0012】
また、前記制御方法において、前記トルク定数を、各相及び各通電ステージ毎にマップ化して設定しても良い。前記トルク定数として、各通電ステージ毎に個別の値を設定したり、一部の前記通電ステージにて同一の値を設定したりすることも可能である。
【0013】
さらに、前記制御方法において、前記目標電流値を、励磁相数の異なる前記通電ステージ間において異なる値としたり、一部の前記通電ステージにて同一の値としたり、励磁相数が等しい前記通電ステージ間において同一の値としたりすることも可能である。
【0014】
加えて、前記制御方法において、前記目標電流値を、前記電機子コイルに対し供給される各相の電流値を検出してフィードバック制御しても良い。また、前記目標電流値を、前記ロータの回転数と、電源電圧、前記電機子コイルに対し供給される各相の通電Duty及び前記電機子コイルの温度に基づいて算出される供給電流値によってフィードバック制御しても良い。
【0015】
一方、前記ブラシレスモータの制御方法において、前記ブラシレスモータは3相のブラシレスモータであり、12個の前記通電ステージを設けても良い。また、前記通電ステージを、3相の電機子コイルを通電する3相通電ステージと、2相の電機子コイルを通電する2相通電ステージとから構成しても良い。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施の形態であるブラシレスモータ1(以下、モータ1と略記する)の構成を示す説明図である。当該モータ1は、電動パワーステアリング装置の駆動源として使用され、図1に示すように、ロータマグネット2(永久磁石、以下、マグネット2と略記する)を備えたロータ3の周囲にステータ4を配したインナーロータ型の装置構成となっている。モータ1は、運転者がハンドルを操作すると操舵角や走行速度等に従って制御駆動され、図示しない減速ギアを介してステアリングコラム軸に対し操舵補助力が供給される。
【0017】
ロータ3は、金属製のシャフト5に取り付けられたロータコア6と、ロータコア6の外周に固定された2極のマグネット2とから構成されている。マグネット2はフェライト磁石からなる2個のセグメントに180°ずつ分割形成されている。ステータ4は、ハウジング7と、ハウジング7の内周側に固定されたステータコア8と、ステータコア8のティースに巻装された電機子コイル9とから構成されている。電機子コイル9は、U,V,Wの3相の巻線を形成している。
【0018】
ハウジング7内には、マグネット2の磁極の変化を捉えロータ3の回転位置を検出するホールセンサ(磁気検出素子)10が配設されている。図2は、ホールセンサ10の配置状態を示す説明図である。図2に示すように、モータ1では、3個のホールセンサ10を有するセンサ群が2組設けられている(センサ群H1,H2)。ホールセンサ10は、各群毎に等分に120°間隔にて配置されており、センサ群H1(第1のセンサ群)はホールセンサH1a,H1b,H1c、センサ群H2(第2のセンサ群)はホールセンサH2a,H2b,H2cから構成される。センサ群H2のホールセンサH2a,H2b,H2cは、センサ群H1のホールセンサH1a,H1b,H1cからそれぞれXだけ間隔をあけて配置されており、偏倚角Xは電気角0〜120°の範囲で設定されている。ホールセンサ10の検出信号はコントローラ(通電制御手段)11に送られ、これに基づいて電機子コイル9への電流が適宜切り替えられ、ロータ3を回転駆動させる回転磁界が形成される。
【0019】
図3は、各センサ群H1,H2間のホールセンサ偏倚角Xを30°に設定した場合におけるモータ1の駆動制御形態を示すタイムチャートであり、上段はホールセンサ10の信号出力、下段は電機子コイル9に対する印加電圧波形を示し、(a)は正転時、(b)は逆転時の制御形態である。なお、(a)の上段上方に記載された半月状の図は、ロータ3の位置を模式的に示した物である。
【0020】
モータ1では、ロータ3の1回転に際し、6個のホールセンサH1a,H1b,H1c,H2a,H2b,H2cからの信号の何れかが立ち上がり(以下、ONと称する)又は立ち下がり(以下、OFFと称する)を示す時点を区切りとして、その制御形態が図3に示すように12個の通電ステージ(以下、ステージと略記する)に分割される。ここでは、ホールセンサH1a(以下、各ホールセンサはH1aのように符号のみにて示す)がONした後ロータ3が30°回転するとH2aがONし、さらに30°回転すると今度はH1cがOFFとなる。このようにX=30°の場合には、ロータ3の回転に伴い30°間隔にて何れかのホールセンサがON/OFFし、各ステージは等分に12個形成される。なお、モータ1は正逆転使用されるため、図3に斜線にて示したように、ステージ(3)の中心を基準とし、それをU相磁極の中心に配置している。
【0021】
ここで、3個のホールセンサによってオーバーラップ通電を行わずにブラシレスモータを制御する場合は、各相のコイルは120°正方向通電→60°非通電→120°負方向通電→60°非通電を繰り返す。これに対しモータ1では、各相の電機子コイル9は、150°正方向通電→30°非通電→150°負方向通電→30°非通電を繰り返し、図3に示すように、通電時間の始期と終期が他相と重複している。つまり、モータ1では、オーバーラップ量R1のオーバーラップ通電が実施されている。そこで、次にこのようなモータ1の制御形態について図3を参照しつつ説明する。
【0022】
まず、正転時にロータ3のN極がH1aにかかりH1aがONとなると、U相が+通電される。この際、W相では、図3(a)に示すように、H1cのONに伴う+通電が継続されており、W相からU相への切り替えに際しオーバーラップ通電が行われる。このような同極性の重複通電状態はロータ3のN極が30°回転してH2aがONとなるまで続けられる(ステージ(1))。すなわち、正転時には、H1a,H1b,H1cによってロータ3の回転位置を検出しつつ、H2a,H2b,H2cによってオーバラップ時間が制御される。一方、ステージ(1)(2)ではV相のみが−通電状態にあり、ステージ(1)においてはU,W相が+通電、V相が−通電の状態、ステージ(2)においてはU相が+通電、V相が−通電の状態となる。
【0023】
さらにロータ3が回転してステージ(3)となると、H1cがOFFとなりW相が−通電される。この際、V相の−通電は継続されており、−のオーバーラップ通電はH2cがOFFされるまで続けられる。H2cがOFFされてV相が非通電状態となりステージ(4)となると、U相が+通電、W相が−通電の状態となる。H1bがONとなりステージ(5)に進むとV相が+通電される。このときU相の+通電は継続されており、+のオーバーラップ通電はH2bがONとなるまで続けられる。H2bがONされるとU相は非通電状態となり、V相が+通電、W相が−通電の状態となって(ステージ(6))、+通電の相がU相からV相に切り替えられる。以下、同様にして各ホールセンサH1a〜H2cのON/OFFに伴い各相の通電状態が切り替えられ、ロータ3の正転動作が行われる。
【0024】
一方、ロータ3が逆転する場合は、図3(b)に示すように、正転時とは印加電圧極性が反転した形で制御され、H2a,H2b,H2cによってロータ3の回転位置を検出しつつ、H1a,H1b,H1cによってオーバラップ時間が制御される。例えば、ステージ(6)にてH1aがONとなるとU相が非通電状態となり、このときW相は+通電、V相は−通電の状態となる。ロータ3が回転してステージ(5)となると、H2bがOFFとなりU相が−通電される。この際、V相では、H2cのOFFに伴う−通電(ステージ(9))が継続されており、−のオーバーラップ通電が行われる。この状態はロータ3がさらに30°回転してH1bがOFFとなるまで続けられる。
【0025】
ステージ(4)となると、V相が非通電状態となりW相が+通電、U相が−通電の状態となる。ステージ(3)では、H2cのONと共にV相が+通電され、この際、W相の+通電は継続されており、+のオーバーラップ通電はH1cがONされるまで続けられる。ステージ(2)に移ると、W相が非通電状態となり、V相が+通電、U相が−通電の状態となって、+通電の相がW相からV相に切り替えられる。ステージ(1)では、H2aのOFFに伴いW相が−通電される。このときU相の−通電は継続されており、−のオーバーラップ通電はH1bがOFFとなるまで続けられる。以下、同様にして各ホールセンサH1a〜H2cのON/OFFに伴い各相の通電状態が切り替えられ、ロータ3の逆転動作行われる。
【0026】
このようにモータ1では、奇数番号のステージにてオーバーラップ通電が行われ、相の切り替え、すなわち転流が実施される。従って、通電相が重複することなく切り替えられる通電方式のように転流が急激に行われず、相の切り替わりがスムーズとなりトルクリップルの低減を図ることが可能となる。しかも、通常6ステージしかない制御形態を、推定を加えることなく12ステージとすることができ、ロータ位置検出精度が向上し、電動パワーステアリング装置のような正逆転が激しく入れ替わり、加速度の変化も非常に大きい環境においても、オーバーラップ通電を採用することができる。このため、電動パワーステアリング装置等においてもレゾルバやR/D変換器を用いることなく、安価なホールセンサによってブラシレスモータの駆動制御が可能となる。
【0027】
一方、モータ1では、トルク指令に対し各ステージ毎に目標電流値を設定してロータ3を回転駆動している。図4は、コントローラ11におけるモータ制御形態を示すブロック図である。まず、コントローラ11にモータ1の目標トルクを定めたトルク指令が入力されると、トルク定数マップに従って各ステージ毎の目標電流値が算出される。トルク定数マップには、後述するように各相、各ステージ毎にトルク定数がテーブル状に設定されている。
【0028】
前述のように、モータ1のロータ角度はホールセンサ10によって検出されており、これにより現在のステージが算出される。そして、算出したステージに基づき当該ステージの目標電流値がセットされ、PID制御の下、ドライバによってモータ1が駆動される。この場合、モータ1に対する供給電流量は電流検出回路にてモニタされており、PID制御では、その検出値に基づきP項(比例項)、I項(積分項)、D項(微分項)が設定される。各項にはそれぞれに所定のゲイン係数が乗じられ、モータの通電Dutyが決定される。これにより、モータ1の供給電流量がフィードバック制御される。
【0029】
なお、電流検出回路に代えて、モータの回転数やDuty、電源電圧、モータ温度から供給電流値を算出してPID制御を行うこともできる。図5は、その場合のモータ制御形態を示すブロック図である。モータ1では、ロータ3の回転に伴い発電作用が生じる。この発電電圧Eは、ロータ回転数をωとすると、E=KT×ω(KT:誘起電圧定数)と表せる。一方、モータ1にかかる電圧Vは、電源電圧をVBとすると、V=VB×Dutyとなる。従って、モータに流れる電流Iは、電機子コイル9の抵抗値をRとすると、I=(V−E)/R=(VB×Duty−KT×ω)/Rとなる。また、電機子コイル9の抵抗値は温度により変化する。そこで、1°C当たりの抵抗変化率をΔR、温度をTempとすると、0°Cにおける抵抗値をR0とすると、温度Temp°Cでの抵抗値Rは、R=R0+ΔR×Tempとなる。従って、電流Iは、I=(VB×Duty−KT×ω)/(R+ΔR×Temp)となる。すなわち、モータの回転数やDuty、電源電圧、モータ温度をモニタすることにより、モータ1に供給される電流量が推定でき、図4の場合と同様に、各ステージ毎に設定された目標電流値に従ってフィードバック制御することが可能となる。
【0030】
コントローラ11では、前述のように目標トルクに基づき各ステージ毎の供給電流値が算出される。ここでモータトルクTMは、トルク定数×電流値で表すことができ、3相のモータ1では、各相毎のトルク定数をKTU,KTV,KTW、電流値をIU,IV,IWとすると、次式のように表すことができる(式(1))。
【0031】
【数1】
【0032】
ところで、ある回転数ωでの各相の誘起電圧をそれぞれEU,EV,EWとすると、各相毎の誘起電圧定数KEU,KEV,KEWは次式のように表すことができる(式(2))。
【0033】
【数2】
【0034】
図6(a)は、各相の誘起電圧の変化を示す説明図である。また、図6(b)はこのような変化を示す誘起電圧値をモータ1の各ステージ毎に平均化したものである。ここで、モータにおいては、誘起電圧定数とトルク定数は同一であることから、各相のトルク定数は誘起電圧と同様の波形を示す。すなわち、各相のトルク定数もまた図6(a)と同様の変化を示す。誘起電圧値は測定可能な値であり、従って、これを予め測定しておくことにより、各相の電気角とトルク定数との関係を取得することができる。当該モータ1のコントローラ11は、この関係を図6(b)の平均値を用いて各ステージ毎に予め求めておき、それをマップ化して保持している。
【0035】
図7は、各相、各ステージにおけるトルク定数と電流値との関係を示すトルク定数マップの一例である。モータ1では、奇数ステージが3相の電機子コイル9全てに通電を行う3相通電ステージ、偶数ステージが電機子コイル9のうち2相に通電を行う2相通電ステージである。また、各通電ステージでは3相全電流の和は0となる。従って、各ステージ毎の電流値I(1),I(2)・・・I(12)は、各相毎に図7の表のようになる。そして、各ステージ(1)〜(12)毎の各相のトルク定数をKTU(n),KTV(n),KTW(n)とすると、ステージ(1)では式(1)のトルクの式は次式のように表せ、これをIについて解くと次のようになる。なお、図面及び数式ではステージ数は「▲1▼」等の丸数字にて示されている。
【0036】
【数3】
【0037】
同様にして奇数ステージの電流値I(3),I(5),I(7),I(9),I(11)は式(3)、偶数ステージの電流値I(2),I(4),I(6),I(8),I(10),I(12)は式(4)のように表すことができる。
【0038】
【数4】
【数5】
【0039】
このようにコントローラ11では、トルク定数をステージ毎にマップ化して持つことにより、トルク指令(目標トルクT)に対し、上述の式からステージ毎に目標電流値を算出し、モータ1の駆動制御を行っている。すなわち、モータ1では、各ステージ毎にリアルタイムで目標トルクを得るために必要な電流値が演算される。このため、ステージによって通電相数が異なる場合であっても、トルクムラの少ない滑らかな運転が可能となり、トルクリップルの抑制が可能となる。
【0040】
ところで、図6(a)に示した誘起電圧のグラフから分かるように、トルク定数KTU,KTV,KTWは、理想的な状態では対称的な波形が周期的に現れる。従って、各ステージのトルク定数は、各相毎に12個ずつ設定する必要はなく、波形に着目して適宜簡素化することができる。図8は、トルク定数が0レベルを中心に点対称であることを考慮して、図7のマップの簡素化を図ったものである。図6(a)から分かるように、図7におけるKTU(1)〜(5)とKTU(7)〜(12)は符号を異にするものの同じ値を示し、V,W相も同様の様相を呈する。また、例えばU相では、ステージ(6),(12)は電流値はであるからトルク定数も0となる。従って、これらの点を考慮すると、トルク定数KTU,KTV,KTWは、図8に示すように、KTU(1)〜(5)及び0のように各相共6個に集約される。また、それに伴い目標電流値もステージ(1)〜(6)とステージ(7)〜(12)は同じ値(符号は反対)となる。
【0041】
トルク定数が変曲点に対して点対称であることを考慮すると、図8のマップをさらに簡素化することができる。図9は、これにより図8のマップの更なる簡素化を図ったものである。図6(a)から分かるように、図8におけるKTU(4),(5)とKTU(1),(2)は同じ値を示し、V,W相も同様の様相を呈する。従って、この点を考慮すると、トルク定数KTU,KTV,KTWは、図9に示すように、KTU(1)〜(3)と0に集約される。
【0042】
さらに、各相のトルク定数は、図6(a)から分かるように、120°ずつ位相がずれて同じ値を示す。すなわち、例えばKTU(1)とKTV(5)は同じ値とを取る。図10は、これにより図9のマップをさらに簡素化したものである。このような位相差を考慮すると、トルク定数KTU,KTV,KTWは、図10に示すように、KTU(1)〜(3)と0に集約される。またこの際、例えばステージ(3)では、トルクの式はT=KTU(1)/2・I(3)+KTU(3)・I(3)+KTU(1)/2・I(3)=(KTU(1)+KTU(3))・I(3)となる。これを電流値I(3)について解くと、I(3)=T/(KTU(1)+KTU(3))となる。この右辺は式(5)の右辺と同一であり、他の奇数ステージの電流値I(3),I(5),I(7),I(9),I(11)も全てI(1)と同じ値となる。また、偶数ステージも同様に解いて、I(2)=I(4)=・・・=I(12)となる。従って、コントローラ11におけるマップは、図10の形に集約され、奇数ステージのトルクの式は次のようになる。
【0043】
【数6】
【0044】
これをI(1)について解くと式(5)のようになり、同様にして偶数ステージに関しI(2)について解くと式(6)のようになる。
【0045】
【数7】
【数8】
【0046】
このように図10の場合には、トルクTを出力するために各相に供給すべき電流量は、3相通電を行う奇数ステージでは±I(1)又は±I(1)/2、2相通電を行う偶数ステージでは±I(2)又は±I(2)/2となる。そして、電機子コイル9への供給電流がこの値となるようにPID制御を行うことにより、モータ1のトルクリップル低減を図ることが可能となる。また、その際のI(1),I(2)は、式(5),(6)によってT及びKTU(1)〜(3)から算出される電流値である。従って、当該モータ1では、KTU(1)〜(3)の3個の定数を持つだけでこのようなトルクリップル低減制御ができ、コントローラ11のメモリを節約することが可能となる。
【0047】
また、発明者らの実験によれば、誘起電圧波形として、純粋な正弦波に対し11次の高調波を0.015重畳させた波形を用いた場合、トルクリップル低減効果が認められた。特に、偏倚角30°のモータでは、2相通電磁時(奇数ステージ)と3相通電磁時(偶数ステージ)の電流比を100:86としたときに最もトルクリップル低減効果が高く、トルクリップルを2%程度に抑えることができた。すなわち、I(1)をI(2)の86%に設定するとトルクリップル低減効果が高く、これを予め考慮すれば、式(6)×0.86にてI(1)を得ることができ、トルク定数もKTU(2)のみで足りることになる。
【0048】
さらに、前述の実験により、高調波重畳波形にてモータ1を駆動できることも確認された。従って、高回転時などロータ位置の推定が容易な領域では正弦波波形を用いて駆動し、推定が困難な領域では前述のようなマップによる駆動を行うような、両方式を組み合わせた駆動形態も可能である。
【0049】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前述の実施の形態では3相のブラシレスモータに本発明を適用したものについて説明したが、U,V,W,X,Yからなる5相のモータなど、他の多相ブラシレスモータに本発明を適用することも可能である。また、前述の実施の形態では偏倚角Xが30°の場合を示したが、偏倚角は30°には限定されず、例えば、10°や20°,50°など種々の偏倚角を設定することができる。なお、1つのモータで偏倚角は全て同じである必要なく、一部又は全部を異なる値とするなど種々の設定が可能である。
【0050】
さらに、センサ群を2組(H1,H2)配した構成を示したがセンサ群を3組以上設けることも可能である。また、前述の実施の形態では、第2のセンサ群H2を3個のホールセンサにて構成した例を示したが、ホールセンサを1個とすることも可能である。すなわち、第2のセンサ群H2は、ホールセンサ1個の場合をも含む概念である。さらに、前述の実施の形態ではマグネット2の磁極が等分に2個配置されているものを示したが、磁極角度を異ならせたり、磁極を多極化してマグネットの着磁パターンを不等ピッチ化することも可能である。例えば、このような着磁形態の変形により、第2のセンサ群H2中のホールセンサ数を削減することが可能となる。なお、第1のセンサ群H1のホールセンサの個数を2個にすることも可能であり、センサ群H1,H2のセンサ数を、2個,1個、2個,2個などとする構成も可能である。
【0051】
加えて、前述のモータ1はインナーロータ型のブラシレスモータであるが、本発明をアウタロータ型のブラシレスモータにも適用可能である。さらに、本発明は正逆転を行わない一方向のみに回転するブラシレスモータにも適用可能であり、その場合、ステージ(3)の中心とU相磁極中心との間に適宜角度を設けることにより進角制御が可能である。
【0052】
一方、前述の実施の形態は、本発明をコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置に適用した例を示したが、ラックアシスト型等の他の方式の電動パワーステアリング装置にも適用可能である。また、電動パワーステアリング装置のみならず、特開平10−184401号公報や特開平10−252510号公報に示されているようなエンジンの電子制御式スロットル弁装置に適用することも可能である。これにより、電子制御式スロットル弁装置のように動作が激しく、モータの正逆転が激しく入れ替わり、加速度の変化も非常に大きい使用環境においても、オーバーラップ通電を採用することができる。このため、電子制御式スロットル弁装置においてもレゾルバやR/D変換器を用いることなく、安価なホールセンサによってブラシレスモータの駆動制御が可能となり、エンジンの制御応答性を損なうことなく製品コストの削減が可能となる。
【0053】
さらに、本発明のブラシレスモータを電動パワーステアリング装置や電子制御式スロットル弁装置以外の用途、例えば、ロボット等の産業用機械やパソコン等のIT機器などにも適用可能である。
【0054】
【発明の効果】
本発明のブラシレスモータの制御方法は、第1及び第2のセンサ群によって通電ステージを形成すると共に、各ステージ毎にトルク定数を予め設定し、各ステージ毎に目標電流値を算出してモータの駆動制御を行うようにしたので、目標トルクを得るために必要な電流値が各ステージ毎に設定される。従って、例えばステージによって通電相数が異なる場合などでも、トルクムラの少ない滑らかな運転が可能となり、トルクリップルの抑制が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態であるブラシレスモータの構成を示す説明図である。
【図2】ホールセンサの配置状態を示す説明図である。
【図3】センサ群H1,H2間のホールセンサ間角度Xを30°に設定した場合における図1のブラシレスモータの駆動制御形態を示すタイムチャートであり、上段はホールセンサの信号出力、下段は電機子コイルに対する印加電圧波形を示し、(a)は正転時、(b)は逆転時の制御形態である。
【図4】コントローラにおけるモータ制御形態を示すブロック図である。
【図5】コントローラにおけるモータ制御形態の変形例を示すブロック図である。
【図6】(a)は、図1のブラシレスモータにおける各相の誘起電圧の変化を示す説明図、(b)は誘起電圧値を各ステージ毎に平均化した説明図である。
【図7】各相、各ステージにおけるトルク定数と電流値との関係を示すトルク定数マップの一例である。
【図8】トルク定数マップの一例であり、図7のマップの簡素化を図ったものである。
【図9】トルク定数マップの一例であり、図8のマップの簡素化を図ったものである。
【図10】トルク定数マップの一例であり、図9のマップの簡素化を図ったものである。
【符号の説明】
1 ブラシレスモータ
2 ロータマグネット
3 ロータ
4 ステータ
5 シャフト
6 ロータコア
7 ハウジング
8 ステータコア
9 電機子コイル
10 ホールセンサ
11 コントローラ
H1 センサ群(第1のセンサ群)
H2 センサ群(第2のセンサ群)
H1a,H1b,H1c センサ群H1のホールセンサ
H2a,H2b,H2c センサ群H2のホールセンサ
X 偏倚角
R1オーバーラップ量
T 目標トルク
KEU,KEV,KEW誘起電圧定数
KTU,KTV,KTW トルク定数
Claims (12)
- 複数相の電機子コイルを備えたステータと、永久磁石を備え前記ステータの内側又は外側に回転自在に配設されたロータと、複数の磁気検出素子からなる第1のセンサ群と、前記第1のセンサ群の前記磁気検出素子と所定の間隔をあけて配置された磁気検出素子を少なくとも1個備える第2のセンサ群とを有してなるブラシレスモータの制御方法であって、
前記第1のセンサ群と前記第2のセンサ群によって、前記ロータの回転位置に対応して複数個の通電ステージを形成し、
前記通電ステージ毎に予めトルク定数を設定すると共に、前記各通電ステージ毎に前記トルク定数と各ステージの目標トルクに基づいて目標電流値を算出し、
前記目標電流値に基づき前記電機子コイルに対し電力供給を行うことを特徴とするブラシレスモータの制御方法。 - 請求項1記載のブラシレスモータの制御方法において、前記第1及び第2のセンサ群による前記ロータの回転位置検出結果に基づき、同極性の励磁相を重複形成しつつ転流を行うことを特徴とするブラシレスモータの制御方法。
- 請求項1または2記載のブラシレスモータの制御方法において、前記トルク定数は、各相及び各通電ステージ毎にマップ化されて設定されることを特徴とするブラシレスモータの制御方法。
- 請求項3記載のブラシレスモータの制御方法において、前記トルク定数は、各通電ステージ毎に個別の値を有することを特徴とするブラシレスモータの制御方法。
- 請求項3記載のブラシレスモータの制御方法において、前記トルク定数は、一部の前記通電ステージにて同一の値を有することを特徴とするブラシレスモータの制御方法。
- 請求項1〜5の何れか1項に記載のブラシレスモータの制御方法において、前記目標電流値は、励磁相数の異なる前記通電ステージ間において異なる値となることを特徴とするブラシレスモータの制御方法。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載のブラシレスモータの制御方法において、前記目標電流値は、一部の前記通電ステージにて同一の値となることを特徴とするブラシレスモータの制御方法。
- 請求項1〜6の何れか1項に記載のブラシレスモータの制御方法において、前記目標電流値は、励磁相数が等しい前記通電ステージ間において同一の値となることを特徴とするブラシレスモータの制御方法。
- 請求項1〜8の何れか1項に記載のブラシレスモータの制御方法において、前記目標電流値は、前記電機子コイルに対し供給される各相の電流値を検出してフィードバック制御されることを特徴とするブラシレスモータの制御方法。
- 請求項1〜8の何れか1項に記載のブラシレスモータの制御方法において、前記目標電流値は、前記ロータの回転数と、電源電圧、前記電機子コイルに対し供給される各相の通電Duty及び前記電機子コイルの温度に基づいて算出される供給電流値によってフィードバック制御されることを特徴とするブラシレスモータの制御方法。
- 請求項1〜10の何れか1項に記載のブラシレスモータの制御方法において、前記ブラシレスモータは3相のブラシレスモータであり、12個の前記通電ステージを有することを特徴とするブラシレスモータの制御方法。
- 請求項11記載のブラシレスモータの制御方法において、前記通電ステージは、3相の電機子コイルを通電する3相通電ステージと、2相の電機子コイルを通電する2相通電ステージとからなることを特徴とするブラシレスモータの制御方法。
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