JP5139229B2 - スイッチトリラクタンスモータの制御装置 - Google Patents
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なお、スイッチング素子は、オンのときに通電状態であり、オフのときに非通電状態である。
このスイッチトリラクタンスモータの制御装置は、通電するコイルを切り替える際に、中性点が接続されたハーフブリッジに電流を流さない期間を設けると共に、当該期間において、次に通電するコイルへの通電を早める。
ロータの回転速度と電流指令値とに応じて、インバータ回路のスイッチング素子のオン・オフを切り替えるタイミングを変更する。また、ロータの回転速度と電流指令値とに応じて、オーバーラップ期間を変更する。
上述の理由1及び理由2により、トルク発生に寄与する電流を流す期間を増加させて、高回転時においてもSRモータの出力トルクを増加させることが可能となる。
図1は、本実施形態によるモータ装置1の構成を示す概略ブロック図である。
モータ装置1は、SRモータ2と、直流電源31と、平滑化コンデンサ32と、インバータ回路4と、インバータ回路4を駆動するインバータ制御装置5とを有している。
ロータ22は、出力軸25と、径方向に突出するロータ突極26とを備えている。出力軸25には、ロータ22の回転角度を検出する回転検出装置であるレゾルバ17が設けられている。
各コイルLu,Lv,Lwは、コイルの一端が中性点47で結合され、同電位になるようにスター結線されている。また、中性点47と、各コイルLu,Lv,Lwのコイルの他端それぞれとが、インバータ制御装置5と電気的に接続されている。また、各コイルのLu,Lv,Lwの他端それぞれには、SRモータ2に供給される各相の電流(巻線電流)を検出する電流センサ27が設けられている。
ハーフブリッジ41〜44が有するスイッチング素子NH,NL,UH,UL,VH,VL,WH,WLは、FET(Field Effective Transistor;電界効果トランジスタ)を用いて構成される。それぞれのFETは、ゲートがインバータ制御装置5に接続され、オン・オフが制御される。また、それぞれのFETは、還流ダイオードD1〜D8が形成されている。
また、ハーフブリッジ41(第1のハーフブリッジ)において、スイッチング素子NHは、ドレインが直流電源31の高電位側に接続され、ソースが接続点J1を介してスイッチング素子NLのドレインに接続される。スイッチング素子NLは、ソースが直流電源31の低電位側に接続される。接続点J1は、コイルLu,Lv,Lwのそれぞれの一端と中性点47を介して接続される。また、ハーフブリッジ42(第2のハーフブリッジ)において、スイッチング素子UHは、ドレインが直流電源31の高電位側に接続され、ソースが接続点J2を介してスイッチング素子ULのドレインに接続される。スイッチング素子ULは、ソースが直流電源31の低電位側に接続される。接続点J2は、U相のコイルLuの他端に接続される。
また、直流電源31の高電位側に接続されるスイッチング素子NH,UH,VH,WHは、高電位側スイッチング素子であり、直流電源31の低電位側に接続されるスイッチング素子NL,UL,VL,WLを低電位側スイッチング素子である。
電流指令値決定部51は、外部から入力される信号、例えば、アクセルペダルの踏み込み度合いなど、からSRモータ2に要求される出力である目標出力を示す信号に基づいて、電流指令値を設定する。例えば、電流指令値決定部51は、運転者のアクセル操作に係るアクセル開度を検出するアクセルペダル開度センサなどの検出結果に応じたアクセル操作信号からSRモータ2の目標出力を設定し、設定した目標出力に応じた電流指令値を設定する。なお、電流指令値は、SRモータ2が目標出力を得るために必要とされる電流値である。また、電流指令値決定部51は、算出した電流指令値を電流制御部53と進角・通電角算出部56に出力する。
電流検出部52は、例えば各電流センサ27から出力される各相電流(巻線電流)の検出信号に基づいて、SRモータ2に通電されている巻線電流値を検出して電流制御部53に出力する。
PWMデューティ算出部53aは、電流フィードバック処理部53bが出力した比較結果に基づいて、インバータ回路4のハーフブリッジ42〜44に備えられるスイッチング素子UH〜WLそれぞれに対する単位時間当たりのオンとオフとの比率であるデューティ比を算出し、算出したデューティ比を通電タイミング出力部57に出力する。例えば、PWMデューティ算出部53aは、入力される比較結果を用いたPI制御により得られる電圧値から、電流指令値と矩形波のキャリア信号とに基づくパルス幅変調に用いるデューティ比、すなわち、各スイッチング素子UH,UL,VH,VL,WH,WLのオンとオフとのデューティ比を算出して通電タイミング出力部57に出力する。
回転速度算出部55は、位置検出部54の出力した回転位置の単位時間当たりの変化量からロータ22の回転速度(回転数)を算出して進角・通電角算出部56に出力する。
進角マップ部56aは、電流指令値決定部51が出力する電流指令値と、回転速度算出部55が出力する回転速度とに基づいて、進角を通電タイミング出力部57に出力する。また、進角マップ部56aは、目標出力に応じた電流指令値とロータ22の回転速度との組み合わせごとに進角の値を対応付けたマップである。ここで、進角は、SRモータ2の各相のコイルLu,Lv,Lwそれぞれに対する通電開始位相及び通電終了位相を各相のインダクタンス変化に応じた所定位置(例えば、インダクタンスの増大開始位相及び減少開始位相等)から通電角を進角側に変化させる角度を表す。なお、進角は、電流指令値と回転数の増加に対して増加傾向にある。なお、進角マップ部56aは、シミュレーションや、実機による測定結果などから定められる。
タイマ部57aは、位置検出部54から出力される回転位置と、進角・通電角算出部56から出力される進角及び通電角に基づいて、現在通電状態のコイルと次に通電状態にするコイルとの両方のコイルに通電する期間(オーバーラップ期間)を算出する。更に、タイマ部57aは、算出したオーバーラップ期間をカウントし、オーバーラップ期間を示すタイミング信号を転流信号生成部57b及びPWM信号出力部57cに出力する。例えば、タイマ部57aによるオーバーラップ期間の算出は、回転速度と通電角マップとを用いて行う。
転流信号生成部57bは、位置検出部54から出力される回転位置と、進角・通電角算出部56から出力される進角及び通電角と、タイマ部57aから出力されるタイミング信号に基づいて、インバータ回路4のハーフブリッジ41のスイッチング素子NH,NLのオン・オフを切り替えるパルス信号を生成し、生成したパルス信号をスイッチング素子NH,NLに出力する。
ここで、転流信号生成部57bが出力するスイッチング素子NH,NLの信号は、タイマ部57aが出力するオーバーラップ期間に基づいて、120度より早いタイミングでオフになる。また、PWM信号出力部57cが出力する各スイッチング素子UH〜WLのゲートに印加する信号は、オーバーラップ期間に基づいて、120度より早いタイミングでオンになる。
以下、インバータ制御装置5は、ステージS1〜S12の動作を順に繰り返し、SRモータ2のロータ22を回転させる。
また、SRモータ2のトルクが発生する期間(各相のインダクタンスの値が増加する期間)より前からそれぞれのコイルに電流を流し始めるため、電流を効率的にSRモータ2のトルクに変えることが可能となる。
ここで、本実施形態のインバータ回路4の通電パターンは、時刻t0から時刻t1までの期間が、図2のステージS6あるいはステージS12に対応し、時刻t1から時刻t3までの期間が、図2のステージS1あるいはステージS7に対応し、時刻t3から時刻t4までの期間が、図2のステージS2あるいはステージS8に対応し、時刻t4から時刻t6までの期間が、図2のステージS3あるいはステージS9に対応し、時刻t6から時刻t7までの期間が、図2のステージS4あるいはステージS10に対応する。
なお、U相及びV相のトルクが発生する期間が、図2のU相及びV相に通電するタイミングとずれて図示されているのは、進角マップ部56aにより得られる進角により、通電タイミングが早められているためである。
2…SRモータ、21…ステータ、22…ロータ、23…ステータコア
24…ステータ突極、25…出力軸、26…ロータ突極、27…電流センサ
31…直流電源、32…平滑化コンデンサ
4…インバータ回路、47…中性点
41、42、43、44…ハーフブリッジ
NH、NL、UH,UL,VH,VL,WH,WL…スイッチング素子
5…インバータ制御装置
51…電流指令値決定部、52…電流検出部、53…電流制御部
53a…PWMデューティ算出部、53b…電流フィードバック処理部
54…位置検出部、55…回転速度算出部、56…進角・通電角算出部
56a…進角マップ部、56b…通電角マップ部、57…通電タイミング出力部
57a…タイマ部、57b…転流信号生成部、57c…PWM信号出力部
9…モータ装置
92…SRモータ、93…中性点、94…インバータ回路
94a、94b、94c、94d…ハーフブリッジ
95…直流電源
Claims (3)
- 一端がスター結線された複数のコイルに選択的に通電するスイッチトリラクタンスモータの制御装置であって、
それぞれに還流ダイオードが並列接続されたスイッチング素子を2つ直列に接続したハーフブリッジを複数備え、前記スター結線の中性点と、前記複数のコイルの他端とがそれぞれ対応する前記ハーフブリッジに備えられる前記2つのスイッチング素子の接続点に接続されたインバータ回路と、
前記スイッチトリラクタンスモータのロータの位置と、前記複数のコイルそれぞれに流れる電流値と、前記スイッチトリラクタンスモータの目標出力に応じて定められる前記複数のコイルそれぞれに流す電流の電流値を示す電流指令値とに基づいて、前記複数のコイルに順に通電して前記スイッチトリラクタンスモータを駆動させるインバータ制御装置と
を有し、
前記インバータ制御装置は、
前記ロータの回転軸周りの周方向に隣接する前記複数のコイルに順に通電すると共に、通電する前記コイルを切り替える際、前記中性点に接続された前記ハーフブリッジの通電中の前記スイッチング素子をオフにし、且つ、前記複数のハーフブリッジのうち前記中性点に接続されていない次に通電する前記コイルに対応するハーフブリッジの前記スイッチング素子をオンにして、前記複数のコイルのうち通電しているコイルと、次に通電する前記コイルとに同時に通電するオーバーラップ期間を設け、前記スイッチング素子の駆動信号もオーバーラップ期間を設ける
ことを特徴とするスイッチトリラクタンスモータの制御装置。 - 前記インバータ制御装置は、
前記スイッチトリラクタンスモータの回転数と、前記電流指令値とに応じて進角及び通電角を示す進角・通電角信号を出力する進角・通電角算出部と、
前記進角・通電角信号と、前記ロータの位置と、前記複数のコイルに流れる電流値と、前記電流指令値とに基づいて前記オーバーラップ期間を定め、前記複数のハーフブリッジに備えられた前記スイッチング素子のオン及びオフを切り替える通電タイミング出力部と
を備えることを特徴とする請求項1に記載のスイッチトリラクタンスモータの制御装置。 - 前記スイッチトリラクタンスモータの前記複数のコイルは、
U相のコイルとV相のコイルとW相のコイルとの3つのコイルからなり、
前記インバータ回路に備えられる前記複数のハーフブリッジは、
前記中性点に接続された第1のハーフブリッジと、前記U相のコイルの他端に接続された第2のハーフブリッジと、前記V相のコイルの他端に接続された第3のハーフブリッジと、前記W相のコイルの他端に接続された第4のハーフブリッジとからなる
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスイッチトリラクタンスモータの制御装置。
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