JPH10146087A - 直流ブラシレスモータの駆動方法と直流ブラシレスモータ - Google Patents

直流ブラシレスモータの駆動方法と直流ブラシレスモータ

Info

Publication number
JPH10146087A
JPH10146087A JP8296447A JP29644796A JPH10146087A JP H10146087 A JPH10146087 A JP H10146087A JP 8296447 A JP8296447 A JP 8296447A JP 29644796 A JP29644796 A JP 29644796A JP H10146087 A JPH10146087 A JP H10146087A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rotor
excitation
brushless motor
period
phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8296447A
Other languages
English (en)
Inventor
Kiyoshi Yamamoto
山本  清
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokuto Seigyo KK
Original Assignee
Hokuto Seigyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hokuto Seigyo KK filed Critical Hokuto Seigyo KK
Priority to JP8296447A priority Critical patent/JPH10146087A/ja
Publication of JPH10146087A publication Critical patent/JPH10146087A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 励磁期間中における最低トルクと最高トルク
との差を少なくしてトルクリップルを低減できる直流ブ
ラシレスモータの駆動方法を提供する。 【解決手段】 ロータと、スター結線された3個の相コ
イルU,V,Wから成るステータコイル50とを具備す
る直流ブラシレスモータの駆動方法において、相コイル
U,V,Wを1つずつ、電気角で(360÷2×3)°
の励磁期間(U−C,C−W,V−C,C−U,W−
C,C−V)だけ順次極性を変えながら励磁すると共
に、励磁された相コイルからロータが受ける回転トルク
曲線(トルクカーブ)のゼロクロス点で区切られる各期
間(Ttu,Ttv,Ttw)の中間位置に各励磁期間(U−
C,C−W,V−C,C−U,W−C,C−V)が位置
するように設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、直流ブラシレスモ
ータ、特にステータコイルがスター結線された直流ブラ
シレスモータの駆動方法および直流ブラシレスモータに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の直流ブラシレスモータの駆動方法
について図8〜図10を用いて説明する。なお、一例と
して図8、図9に示すようにステータコイル50が3つ
の相コイルU、V、Wから成る直流ブラシレスモータを
用いて説明する。駆動方法には、各相コイルU、V、W
に一方向にのみ通電して励磁するユニポーラ駆動方法
と、逆方法にも通電して励磁するバイポーラ駆動方法が
ある。
【0003】最初に、ユニポーラ駆動方法について図8
と図10を用いて説明する。ユニポーラ駆動では、ステ
ータコイル50の中性点(各相コイルの連結点)Cをプ
ラス電位に固定しておき、各相コイルU、V、Wを順次
切り替えて励磁する。なお、中性点Cをグランドレベル
にしておき、各相コイルU、V、Wの他端側にプラス電
位を印加して励磁する場合もある。各相コイルU、V、
Wからロータ(複数のN・S極が交互に着磁された永久
磁石から成る)が受けるトルクを示すトルク曲線(以
下、トルクカーブとも言う)と、各相コイルU、V、W
の励磁タイミングとの関係を図10に示す。なお、ユニ
ポーラ駆動による期間は図10中の期間Tuni 内であ
り、各相コイルU、V、Wによるトルク曲線は、中性点
Cをゼロ電位にし、各相コイルU、V、Wにプラス電位
をそれぞれ印加した状態でロータを外部からゆっくりと
回転させた時のものである。太線部分が励磁期間を示
す。このように、電気角による1サイクルは相コイルU
の励磁期間(C−U)、相コイルVの励磁期間(C−
V)、相コイルWの励磁期間(C−W)の期間はそれぞ
れ電気角で120°ずつとなり、また各励磁期間の中間
点が各相コイルU、V、Wによるトルク曲線のピークと
一致するようにしている。
【0004】次に、バイポーラ駆動方法について図9と
図10を用いて説明する。バイポーラ駆動による期間は
図10中の期間Tbi内である。バイポーラ駆動では、ス
テータコイル50の内の2つの相コイル間に通電して2
つの相コイルを同時に励磁させるものであり、図10に
示すようにV→U、W→U、W→V、U→V、U→W、
V→Wの順に2つの相コイルに通電する。太線部分が励
磁期間を示す。なお、各励磁期間の電気角は60°ずつ
であるが、各相コイルU、V、Wを単独で見ると、例え
ば相コイルUのようにV→U、W→Uの2つの期間が連
続し、また同様にU→V、U→Wが連続することによっ
て全体として電気角で120°の励磁期間が電気角の1
サイクル中に2回ある構成となっている。また、各励磁
期間の中点はユニポーラ駆動の場合と同様に各相コイル
U、V、Wによるトルク曲線のピークと一致するように
設定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の直流ブラシレスモータの駆動方法には次の様な課
題が有る。上述したようにユニポーラ駆動方法およびバ
イポーラ駆動方法ともに、励磁期間は電気角120°に
わたっており、図10に示すように励磁期間中における
最低トルク(励磁開始時若しくは終了時のトルク)T2
と最高トルク(中間点のピークトルク)Tmax との差が
大きく、従ってトルクリップルも大きくなるという課題
がある。
【0006】従って、本発明は上記課題を解決すべくな
され、その目的とするところは、励磁期間中における最
低トルクと最高トルクとの差を少なくしてトルクリップ
ルを低減できる直流ブラシレスモータの駆動方法および
直流ブラシレスモータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1記載の発明は、ロータと、ス
ター結線されたN個の相コイルから成るステータコイル
とを具備する直流ブラシレスモータの駆動方法におい
て、前記相コイルを1つずつ、電気角で(360÷2
N)°の励磁期間だけ順次極性を変えながら励磁すると
共に、励磁された相コイルから前記ロータが受ける回転
トルク曲線のゼロクロス点で区切られる期間の中間位置
に前記励磁期間が位置するように設定されていることを
特徴とする。
【0008】また、請求項2記載の発明は、ロータと、
スター結線されたN個の相コイルから成るステータコイ
ルとを具備する直流ブラシレスモータの駆動方法におい
て、前記相コイルを1つずつ、電気角で(360÷2
N)°の励磁期間だけ順次極性を変えながら励磁すると
共に、励磁された相コイルから前記ロータが受ける回転
トルクのピークが相コイルの励磁期間の中間点と一致す
るように設定されていることを特徴とする。上記各駆動
方法によれば、励磁期間が従来の半分になり、また励磁
期間の回転トルク曲線が励磁期間の中間点を基準として
対称となるため、励磁期間中における最低トルクと最高
トルクとの差を少なくしてトルクリップルを低減でき
る。
【0009】請求項3記載の発明は、ロータと、スター
結線されたN個の相コイルから成るステータコイルと、
該ステータコイルを励磁する駆動回路とを具備する直流
ブラシレスモータにおいて、前記駆動回路は、前記相コ
イルを1つずつ、電気角で(360÷2N)°の励磁期
間だけ順次極性を変えながら励磁すると共に、該励磁期
間は励磁された相コイルから前記ロータが受ける回転ト
ルク曲線のゼロクロス点で区切られる期間の中間位置に
位置するように設定されていることを特徴とする。
【0010】また、請求項4記載の発明は、ロータと、
スター結線されたN個の相コイルから成るステータコイ
ルと、該ステータコイルを励磁する駆動回路とを具備す
る直流ブラシレスモータにおいて、前記駆動回路は、前
記相コイルを1つずつ、電気角で(360÷2N)°の
励磁期間だけ順次極性を変えながら励磁すると共に、該
励磁期間の中間点は励磁された相コイルから前記ロータ
が受ける回転トルクのピークと一致するように設定され
ていることを特徴とする直流ブラシレスモータ。上記各
直流ブラシレスモータによれば、励磁期間が従来の半分
になり、また励磁期間の回転トルク曲線が励磁期間の中
間点を基準として対称となるため、励磁期間中における
最低トルクと最高トルクとの差を少なくしてトルクリッ
プルを低減できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る直流ブラシレ
スモータの駆動方法の好適な実施の形態を添付図面に基
づいて詳細に説明する。最初に、直流ブラシレスモータ
の駆動方法の基本概念について説明する。なお、一例と
して3相8極アウターロータ型ブラシレスモータを用い
て説明するが、相コイルの数やロータの極数が変わった
り、またインナーロータ型のブラシレスモータである場
合にも同様に適用される。
【0012】まず、ステータコイル50を構成する3つ
の相コイルU、V、Wの駆動方法(励磁方法)について
図1と図2を用いて説明する。本発明の特徴点は、3つ
の相コイルU、V、Wを順次一つずつ、電気角で(36
0÷2N)°の励磁期間(図2のトルク曲線上の太線部
分)だけ、順次極性を変えながら励磁すると共に、この
励磁期間が、励磁された相コイルからロータが受ける回
転トルク曲線のゼロクロス点で区切られる期間の中間位
置に位置するように設定するという点にあり、励磁サイ
クルの1サイクルは下記のステップから構成されてい
る。なお、Nは相コイルの数である。
【0013】ステップ1は、中性点Cを基準として相コ
イルUに高電位を印加し、矢印方向の電流を相コイルU
にのみ電気角60°だけ流し、励磁する(期間:U−
C)。次にステップ2において、中性点Cを基準として
相コイルWに低電位を印加し、矢印方向の電流を相コイ
ルWにのみ電気角60°だけ流し、励磁する(期間:C
−W)。次にステップ3において、中性点Cを基準とし
て相コイルVに高電位を印加し、矢印方向の電流を相コ
イルVにのみ電気角60°だけ流し、励磁する(期間:
V−C)。
【0014】次にステップ4において、中性点Cを基準
として相コイルUに低電位を印加し、矢印方向の電流を
相コイルUにのみ電気角60°だけ流し、励磁する(期
間:C−U)。次にステップ5において、中性点Cを基
準として相コイルWに高電位を印加し、矢印方向の電流
を相コイルWにのみ電気角60°だけ流し、励磁する
(期間:W−C)。次にステップ6において、中性点C
を基準として相コイルVに低電位を印加し、矢印方向の
電流を相コイルVにのみ電気角60°だけ流し、励磁す
る(期間:C−V)。以上でステータコイル50の励磁
の1サイクルを成し、当該サイクルを繰り返し行うこと
でステータコイル50に回転磁界を連続的に発生させる
ことができる。
【0015】さらに、各相コイルU、V、Wは、励磁さ
れた各相コイルU、V、Wにより回転されるロータの回
転トルク曲線と図2に示す関係となるように励磁され
る。すなわち、各励磁期間(U−C、・・・、C−V)
が、励磁された相コイルからロータが受ける回転トルク
曲線のゼロクロス点で区切られる期間(回転トルク曲線
の1/2周期)Ttu、Ttv、Ttw の中間位置に位置す
るように設定されている。これにより、励磁期間が電気
角60°と短時間になり、また各励磁期間が各期間
tu、Ttv、Ttwの中間位置に位置して各励磁期間の中
間点を基準として各励磁期間中の回転トルク曲線が前後
に対称となるため、励磁期間中における最低トルクと最
高トルクとの差を少なくしてトルクリップルを低減でき
る。具体的には本実施の形態では、回転トルク曲線は正
弦波であることから、各励磁期間の中間点においてロー
タのトルク曲線がピークとなる。そして図3に示すよう
に励磁期間の始期と終期においてトルクが最低となり、
当該最低トルクが従来のT2 からT1 となって最高トル
クTmax に近づく。よって、最高トルクTmax に対する
最低トルクT1 の落ち込みの割合を従来の電気角120
°の励磁方法より少なくできる。従って、ロータのトル
クリップルを低減できるという効果がある。なお、各励
磁期間が各期間Ttu、Ttv、Ttwの中間位置に位置した
場合には、上述したように各励磁期間の中間点を基準と
して各励磁期間中の回転トルク曲線が前後に対称となる
ため、最低トルクと最高トルクとの差が最も少なくなる
が、励磁期間自体が従来の120°の半分となっている
ため、各期間Ttu、Ttv、Ttwの中間位置から若干前後
にずれた場合でも、従来に比べてトルクリップルを低減
することができる。
【0016】(第1の実施の形態)次に、上述した駆動
方法でステータコイル50を駆動する具体的な回路構成
について図4〜図6を用いて説明する。直流ブラシレス
モータ10は、図4に示すように3つの相コイルU、
V、Wから成るステータコイル50と、円環状の外形を
有し、N極とS極とが交互に8極(N1,1,・・・,
4,4 )等角度間隔で着磁されたロータ12と、ロータ
12の回転位置を検出する検出手段としての3つのホー
ル素子HU、HV、HWから成る。なお、検出手段とし
ては他に、磁気抵抗素子やコイル型磁気センサ等の磁気
センサ、またエンコーダとフォトセンサを組み合わせた
ものなどが採用し得る。
【0017】モータ10の駆動回路14は、各ホール素
子HU、HV、HWから出力された各検出信号Su 、S
V 、SW に基づいて駆動信号S10、S11、S20、S21
30、S31、S40、S41を発生させる所定の論理回路で
構成された信号発生部16と、信号発生部16から出力
される前記駆動信号により所定のタイミングでON・O
FF制御されるスイッチ素子を有する励磁回路18とか
ら成る。各検出信号Su 、SV 、SW は本実施の形態で
は一例としてN極を検出した場合にLowレベル(L)
を出力し、S極を検出した場合にHighレベル(H)
を出力するように設定されているが、逆でも良い。
【0018】励磁回路18の詳細な構成は、スイッチ素
子を直列に接続したもの(本実施の形態では一例として
Pチャネル型FETとNチャネル型FETを直列に接続
したもの)を、電源ライン20とグランドライン22と
の間に4組(〔Q10,Q11〕、〔Q20,Q21〕、
〔Q30,Q31〕、〔Q40,Q41〕)配し、各組のPチャ
ネル型FETとNチャネル型FETの中点と3つの相コ
イルU、V、Wと中性点Cを接続して成る。なお、各F
ETのソースとドレイン間には、本実施の形態のように
カソードが電源ライン20に向くように電圧クランプ用
ダイオードDを接続させるようにしても良い。また、ス
イッチ素子としては駆動信号の極性やレベルを適宜変更
することによってPチャネル若しくはNチャネルのいず
れか一方の型のFETを2つ直列に配するものでも良い
し、またトランジスタを使用するようにしても良い。
【0019】また、ホール素子HU、HV、HWのステ
ータコイル50を基準とした配置を説明する。なお、説
明を簡略化するために各信号の伝播時間やスイッチ素子
での遅延時間はゼロ(例えば、信号発生部16内での信
号処理に要する時間やFETの遅延時間はゼロ)である
とし、よって各検出信号Su 、SV 、SW と駆動信号S
10、S11、S20、S21、S30、S31、S40、S41でのタ
イムラグがないとして説明する。ホール素子HU、H
V、HWの配置は図4に示すように、ホール素子HUは
相コイルUに対して反時計回りの方向へ電気角で90°
ずれた位置にあり、ホール素子HVは相コイルVに対し
て反時計回りの方向へ電気角で90°ずれた位置にあ
り、ホール素子HWは相コイルWに対して反時計回りの
方向へ電気角で90°ずれた位置にある。なお、電気角
90°を機械角に換算すると、本実施の形態のようにロ
ータが8極の場合は、90°÷( 8極÷ 2)=22.5°が機
械角となる。
【0020】続いて、駆動回路14によるモータ10の
駆動動作について図2、図5を用いて説明する。なお、
図2における各検出信号Su 、SV 、SW と駆動信号S
10〜S41との詳細なタイミングチャートは1サイクル分
(電気角で360°分)のみ記載されているが、連続駆
動の場合は当該サイクルが繰り返される。また、予めロ
ータ12は正規の回転方向、時計回りの方向へ回転して
いる状態にあるものとする。まず、前記ステップ1の期
間(U−C)の開始時点において、ロータ12は図5に
示す位置にある。ホール素子HWはロータ12のS2の
区間とN3の区間の境界に位置している。
【0021】ステップ1の期間に入ると、ホール素子H
WはN極を検出し、検出信号SW はH→Lに変化し、ま
たホール素子HUの検出信号Su は「H」、ホール素子
HVの検出信号Sv は「L」となっているため、これら
検出信号に基づいて信号発生部16は駆動信号S11、S
20のみをオンとする。よって、電流が電源ライン20→
20→相コイルU→中性点C→Q11→グランドライン2
2と流れて相コイルUが励磁される。本実施の形態で
は、各相コイルU、V、Wは中性点Cから電流が流れ出
る方向に励磁された場合にはそれぞれのロータ12側の
端部の極性がN極になるように設定されているため、励
磁された相コイルUの先端にはN極が発生する。このN
極によりステップ1の期間中ロータ12のN1 領域は矢
印方向への反発力を受け、またS1 領域は矢印方向への
吸引力を受けるため、ロータ12は全体として矢印方向
への回転が持続される。また、ステップ1の期間に入っ
た後に電気角で30°進むと相コイルUの先端に発生し
たN極がロータ12のN1 領域とS1 領域に達し、ロー
タ12が相コイルUから受ける力、つまり回転トルクは
最大となる。
【0022】次に、ロータ12が電気角で60°回転す
るとステップ2の期間に入る。この期間では、ホール素
子HUは依然としてS1 領域中にあってその検出信号S
u は「H」のまま、またホール素子HWもまたN3 領域
内にあってその検出信号SWは「L」のままであるが、
ホール素子HVがN4 領域からS4 領域に入り、検出信
号Sv が「L」→「H」となる。この条件の基では信号
発生部16は駆動信号S10、S41のみをオンとする。よ
って、電流が電源ライン20→Q10→中性点C→相コイ
ルW→Q41→グランドライン22と流れて相コイルWが
逆方向に励磁され、相コイルWのロータ12側の先端が
S極となる。このS極によってロータ12のS2 領域は
回転方向への反発力を受け、またN3 領域は回転方向へ
の吸引力を受けるため、ロータ12は回転が持続され
る。また、ステップ2の期間に入った後にさらに電気角
で30°進むと相コイルWの先端に発生したS極がロー
タ12のS2 領域とN3 領域に達し、ロータ12が相コ
イルWから受ける力、つまり回転トルクは最大となる。
【0023】以下、ロータ12が電気角で60°回転す
るごとにステップ3の期間(Q30、Q11がON、相コイ
ルVが順方向に励磁され、ロータ12側の端部にN極が
発生)、ステップ4の期間(Q21、Q10がON、相コイ
ルUが逆方向に励磁され、ロータ12側の端部にS極が
発生)、ステップ5の期間(Q40、Q11がON、相コイ
ルWが正方向に励磁され、ロータ12側の端部にN極が
発生)、ステップ6の期間(Q31、Q10がON、相コイ
ルVが逆方向に励磁され、ロータ12側の端部にS極が
発生)というように、順次、励磁される相コイルと発生
する磁極の極性が変化することにより、ステータコイル
50内には回転磁界が生じ、ロータ12が連続して1サ
イクルだけ回転する。さらに、上記ステップ1〜ステッ
プ6を繰り返すことによってロータ12の回転が持続さ
れる。本実施の形態では電気角360°が機械角90°
に相当することから、4回繰り返すことによってロータ
12が1回転することになる。
【0024】このように、1つの相コイルのみ励磁する
と共に、しかもその励磁期間は当該相コイルからロータ
12が受ける回転トルクが最大となる前後30°の期間
と一致させることによって、励磁期間中の回転トルクの
最大値と最小値との差が少なくでき、トルク変動が低い
モータ駆動が行える。さらに従来の電気角を120°と
した駆動方法では、トルク変動を少なくするために、各
励磁期間の両端部側で各相コイルに流れる電流量を増加
させる制御を行い、回転トルクの落ち込みを抑制するよ
うにしていたが、本発明の駆動方法では回転トルクの変
動が小さいため、電流の量を増加させる必要がなく、消
費電力を少なくすることもできるようになった。
【0025】(第2の実施の形態)本実施の形態は、駆
動方法の基本原理は第1の実施の形態と同じであるが、
ステータコイル50の中性点Cはグランドレベルに固定
すると共に、プラス電源とマイナス電源を切り替えて各
相コイルU、V、Wに印加して励磁する電流の向きを変
える点で相違している。その具体的な回路構成について
図7を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同じ
構成については同じ符号を付し、説明は省略する。モー
タ10の構成は同じである。
【0026】モータ10の駆動回路24は、信号発生部
26と、信号発生部26から出力される前記駆動信号に
より所定のタイミングでON・OFF制御される励磁回
路28とから成る。励磁回路28の詳細な構成は、スイ
ッチ素子を直列に接続したもの(本実施の形態では一例
としてPチャネル型FETとNチャネル型FETを直列
に接続したもの)を、プラス電源ライン20とマイナス
電源ライン30との間に3組(〔Q 20,Q21〕、
〔Q30,Q31〕、〔Q40,Q41〕)配し、各組のPチャ
ネル型FETとNチャネル型FETの中点と3つの相コ
イルU、V、Wを接続して成る。
【0027】そしてステップ1〜ステップ6において下
記のように各FETQ20〜Q41が電気角で60°ずつ駆
動されて、第1の実施の形態と同じ励磁パターンでステ
ータコイル50の各相コイルU、V、Wが励磁される。
励磁の1サイクルについて説明する。ステップ1は、駆
動信号S20のみが出力されてFETQ20のみがON状態
となる。よって、相コイルUが正方向に励磁される。ス
テップ2は、駆動信号S41のみが出力されてFETQ41
のみがON状態となる。よって、相コイルWが逆方向に
励磁される。ステップ3は、駆動信号S30のみが出力さ
れてFETQ30のみがON状態となる。よって、相コイ
ルVが正方向に励磁される。ステップ4は、駆動信号S
21のみが出力されてFETQ21のみがON状態となる。
よって、相コイルUが逆方向に励磁される。ステップ5
は、駆動信号S40のみが出力されてFETQ40のみがO
N状態となる。よって、相コイルWが正方向に励磁され
る。ステップ6は、駆動信号S31のみが出力されてFE
TQ31のみがON状態となる。よって、相コイルVが逆
方向に励磁される。
【0028】このように2電源方式によれば、電源はプ
ラス(VCC)とマイナス(−VCC)の2種類必要となる
が、励磁回路28を3組のFETQ20〜Q41で構成でき
るというメリットがある。また、プラス・マイナスの2
電源方式に代えて、プラス電圧VCCとプラス電圧VCC
2を用い、ステータコイルの中性点Cをグランドライン
からプラス電圧V CC/2に変更し、またマイナス電源を
グランドラインに変更する構成としても良い。
【0029】また、上記各実施の形態におけるロータ1
2の回転速度の制御は、電源電圧値を変化させて回転磁
界の磁力を変えることで行える。また、消費電力を低減
させるためにはPWM制御を行うようにすると良い。第
1の実施の形態で述べた1電源方法では、駆動信号
10、S11にPWM信号を重畳することで速度制御と省
電力化が可能となる。また、第2の実施の形態で述べた
2電源方法では、各駆動信号S20、S41にPWM信号を
重畳することで速度制御と省電力化が可能となる。ま
た、各ホール素子の配置は、各相コイルに対して時計回
り方向へそれぞれ電気角で90°ずれた位置としても良
い。この場合には、各ホール素子から出力される検出信
号の極性を反転させれば、駆動信号として同じ信号が信
号発生部26から発生でき、同じ駆動方法を実現でき
る。
【0030】以上、本発明の好適な実施例について種々
述べてきたが、本発明は上述する実施例に限定されるも
のではなく、発明の精神を逸脱しない範囲で多くの改変
を施し得るのはもちろんである。
【0031】
【発明の効果】本発明に係る直流ブラシレスモータの駆
動方法および直流ブラシレスモータによれば、励磁期間
中における最低トルクと最高トルクとの差を少なくして
トルクリップルを低減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る直流ブラシレスモータの駆動方法
による3相ステータコイルの励磁パターンの1サイクル
を示す説明図である。
【図2】図1の励磁パターンとロータの回転トルク曲線
との関係を示すタイミングチャートである。
【図3】励磁期間内の従来の最大トルクおよび最低トル
ク、図1の駆動方法の場合の最大トルクおよび最低トル
クを示す説明図である。
【図4】図1の3相ステータコイルと3つのホール素子
との位置関係を示すモータの説明図である。
【図5】図2中のステップ1の励磁期間の開始時におけ
るロータの位置を示す説明図である。
【図6】図2の励磁パターンを実現するための駆動回路
の第1の実施の形態を示す回路図である(1電源方
式)。
【図7】図2の励磁パターンを実現するための駆動回路
の第1の実施の形態を示す回路図である(2電源方
式)。
【図8】従来の励磁パターンの内の1相励磁方法を示す
説明図である。
【図9】従来の励磁パターンの内の2相励磁方法を示す
説明図である。
【図10】図8と図9の励磁パターンの回転トルクとの
関係を示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
10 直流ブラシレスモータ 12 ロータ 14 駆動回路 U 相コイル V 相コイル W 相コイル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロータと、スター結線されたN個の相コ
    イルから成るステータコイルとを具備する直流ブラシレ
    スモータの駆動方法において、 前記相コイルを1つずつ、電気角で(360÷2N)°
    の励磁期間だけ順次極性を変えながら励磁すると共に、
    励磁された相コイルから前記ロータが受ける回転トルク
    曲線のゼロクロス点で区切られる期間の中間位置に前記
    励磁期間が位置するように設定されていることを特徴と
    する直流ブラシレスモータの駆動方法。
  2. 【請求項2】 ロータと、スター結線されたN個の相コ
    イルから成るステータコイルとを具備する直流ブラシレ
    スモータの駆動方法において、 前記相コイルを1つずつ、電気角で(360÷2N)°
    の励磁期間だけ順次極性を変えながら励磁すると共に、
    励磁された相コイルから前記ロータが受ける回転トルク
    のピークが相コイルの励磁期間の中間点と一致するよう
    に設定されていることを特徴とする直流ブラシレスモー
    タの駆動方法。
  3. 【請求項3】 ロータと、スター結線されたN個の相コ
    イルから成るステータコイルと、該ステータコイルを励
    磁する駆動回路とを具備する直流ブラシレスモータにお
    いて、 前記駆動回路は、前記相コイルを1つずつ、電気角で
    (360÷2N)°の励磁期間だけ順次極性を変えなが
    ら励磁すると共に、該励磁期間は励磁された相コイルか
    ら前記ロータが受ける回転トルク曲線のゼロクロス点で
    区切られる期間の中間位置に位置するように設定されて
    いることを特徴とする直流ブラシレスモータ。
  4. 【請求項4】 ロータと、スター結線されたN個の相コ
    イルから成るステータコイルと、該ステータコイルを励
    磁する駆動回路とを具備する直流ブラシレスモータにお
    いて、 前記駆動回路は、前記相コイルを1つずつ、電気角で
    (360÷2N)°の励磁期間だけ順次極性を変えなが
    ら励磁すると共に、該励磁期間の中間点は励磁された相
    コイルから前記ロータが受ける回転トルクのピークと一
    致するように設定されていることを特徴とする直流ブラ
    シレスモータ。
JP8296447A 1996-11-08 1996-11-08 直流ブラシレスモータの駆動方法と直流ブラシレスモータ Pending JPH10146087A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8296447A JPH10146087A (ja) 1996-11-08 1996-11-08 直流ブラシレスモータの駆動方法と直流ブラシレスモータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8296447A JPH10146087A (ja) 1996-11-08 1996-11-08 直流ブラシレスモータの駆動方法と直流ブラシレスモータ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10146087A true JPH10146087A (ja) 1998-05-29

Family

ID=17833670

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8296447A Pending JPH10146087A (ja) 1996-11-08 1996-11-08 直流ブラシレスモータの駆動方法と直流ブラシレスモータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10146087A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007166830A (ja) * 2005-12-15 2007-06-28 Nissan Motor Co Ltd モータ制御装置
JP2010093889A (ja) * 2008-10-06 2010-04-22 Mitsuba Corp スイッチトリラクタンスモータの制御装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007166830A (ja) * 2005-12-15 2007-06-28 Nissan Motor Co Ltd モータ制御装置
JP2010093889A (ja) * 2008-10-06 2010-04-22 Mitsuba Corp スイッチトリラクタンスモータの制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3456158B2 (ja) 内燃機関用スタータジェネレータ
JPS59149780A (ja) モ−タ駆動装置
JP3906429B2 (ja) 同期モータの駆動装置
US6469463B2 (en) Brushless motor and driving control device therefor
CN102934352B (zh) 用于运行三相无刷直流电动机的方法和控制装置
JP2000116172A (ja) 多相モータ
JPH10146087A (ja) 直流ブラシレスモータの駆動方法と直流ブラシレスモータ
JP2002281784A (ja) モータの駆動制御装置
JP2007195313A (ja) ブラシレスモータの駆動装置
US7088068B2 (en) Sensorless motor driving apparatus and driving method addressing prevention of backward rotation
WO2000074227A1 (fr) Circuit d'entrainement de moteur sans balais et moteur sans balais
JP2755057B2 (ja) 直流ブラシレスモータの駆動回路
JP2005027390A (ja) ブラシレスモータの駆動装置
KR20100068848A (ko) 무변출력 무정류자 직류전동기
JPH11113281A (ja) Dcブラシレスモータの駆動方法
JP3107384B2 (ja) ブラシレスモータの駆動装置
JP4136368B2 (ja) Dcブラシレスモータの並列駆動回路
JPH09191685A (ja) センサレス・ブラシレス直流モータ
JP2975886B2 (ja) 多相永久磁石形ステッピングモータの駆動装置
JP2006158166A (ja) センサレス同期電動機とその駆動方法及び装置
JPH08154395A (ja) ブラシレスdcモータ
JP2884580B2 (ja) 無刷子直流モータ
JP2005304255A (ja) モータ駆動回路
JP4312115B2 (ja) モータ駆動装置
JP3331732B2 (ja) センサレスモータの駆動制御回路