JP2014071351A - パターン形成方法及び装置、露光装置並びに表示用パネル製造方法 - Google Patents

パターン形成方法及び装置、露光装置並びに表示用パネル製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ステージの速度変動や振動による影響を抑制し、品質の高いパターンを形成する。
【解決手段】ステージ移動時の動力源となるリニアモータから発生するトルクリップル、及びステージ移動時のガイドとなるLMガイドから発生するウェービングは、周期性を有し、基材を保持するチャックの速度変動や振動の原因となる。このような速度変動や振動に応じた値を補正値として記憶しておき、この補正値に基づいて描画データの座標を補正することによって、速度変動や振動の影響を抑制し、高精度の描画パターン形成を行なえるようにした。
【選択図】図13

Description

本発明は、特定の波長の光によって重合や硬化などの化学反応を起こす樹脂材の塗布された基材へ光ビームを照射し、光ビームにより基材を走査して、基材に所定のパターンを描画するパターン形成方法及び装置、露光装置並びに表示用パネル製造方法に係り、特に複数のミラーを二軸に配列した空間的光変調器を用いて光ビームを変調照射することによって基材表面の樹脂に所定のパターンを描画するパターン形成方法及び装置、露光装置並びに表示用パネル製造方法に関する。
表示用パネルとして用いられる液晶ディスプレイ装置のTFT(Thin Film Transistor)基材やカラーフィルタ基材、プラズマディスプレイパネル用基材、有機EL(Electroluminescence)表示パネル用基材等の製造は、露光装置を用いて、フォトリソグラフィー技術により基材上にパターンを描画形成して行われる。露光装置としては、従来、レンズ又は鏡を用いてマスクのパターンを基材上に投影するプロジェクション方式と、マスクと基材との間に微小な間隙(プロキシミティギャップ)を設けてマスクのパターンを基材へ転写するプロキシミティ方式がある。
近年、フォトレジストが塗布された基材へ光ビームを照射し、光ビームにより基材を走査して、基材にパターンを描画する露光装置が開発されている。光ビームにより基材を走査して、基材にパターンを直接描画するため、高価なマスクが不要となる。また、描画データ及び走査のプログラムを変更することにより、さまざまな種類の表示用パネル基材に対応することができる。このような露光装置として、例えば、特許文献1,2に記載のものがある。
特開2003−332221号公報 特開2005−353927号公報
光ビームにより基材にパターンを描画する際、光ビームの変調には、DMD(Digital Micromirror Device)等の空間的光変調器が用いられる。DMDは、光ビームを反射する複数の微小なミラーを直交する二方向に配列して構成され、各ミラーの角度を変更することにより、基材へ照射する光ビームを変調する。現在市販されているDMDは、各ミラーの寸法が10〜15[μm]角程度であり、隣接するミラー間には1[μm]程度の隙間が設けられている。DMDを光ビームによる基材の走査方向と平行に配置すると、各ミラーの配列方向(直交する二方向)が基材の走査方向と平行及び垂直になるので、隣接するミラー間の間隙と基材とが相対的に平行に移動し、この間隙に対応する箇所ではパターンの描画ができない。そのため、DMDは、特許文献1に記載のように光ビームによる基材の走査方向に対して所定角度傾けて使用されている。また、走査方向に対してDMDを傾けることにより、特許文献2に記載のように2次元に空間変調された光により高解像度で高速に適切なパターンを描画することができる。
従来は、予めCADデータより生成された図形描画データを元に生成される描画データをメモリに蓄え、基板の移動に同期させて、DMD座標の描画データを抽出し、DMDミラーのON/OFFを制御して描画を行っている。従来は、走査直交方向(走査方向に対して直交する方向)において、DMDミラー以下の解像度を描画するため、DMDを走査直交方向に対して所定角度傾斜させている。このようにDMDを走査直交方向に対して所定角度傾斜させている関係で、本願出願前のパターン形成装置は、描画データの走査直交方向のデータ解像度幅と同一となるDMD行分ごとの描画データをグループに分けてそれをレイヤ毎に分割管理している。本願出願前のパターン形成装置は、このレイヤと描画データとをそれぞれ対応させることによってパターン形成時の描画を制御している。
一方、特許文献1,2に記載の露光装置では、リニアモータの動力によってXYステージを動作させている。しかしながら、リニアモータなどの動力源にはトルクリップルが含まれている。トルクリップルはモータの構造によって発生する周期がほぼ決まっている。また、トルクリップルの発生には複数の周波数成分が存在することが分かっている。さらに、ステージの移動動作を案内するLMガイドについても、ウェービングと呼ばれる周波数が発生することがある。これらのトルクリップルやウェービングという現象は、ステージを介してチャックへ伝達するため、チャックはトルクリップルやウェービングと同じ周期の速度変動や振動が生じる場合がある。このような速度変動や振動が発生した状態で高精度のパターン描画を行うと、その描画結果に乱れが生じ、描画精度劣化の原因となることがあった。従って、従来は、ステージの剛性を強化し、トルクリップルの抑制制御などを行い、ステージに速度変動や振動が発生しない構造とする必要性があった。
本発明は、上述の点に鑑みなされたものであり、ステージの速度変動や振動による影響を抑制し、品質の高いパターンを形成することのできるパターン形成方法及び装置、露光装置並びに表示用パネル製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るパターン形成方法の第1の特徴は、二方向に配列された複数のミラー群を描画データに基づいて駆動する空間的光変調器を用いて光ビームを変調し、樹脂膜の塗布された基材を保持するステージ手段を相対的に走査方向に移動させながら前記光ビームを照射することによって前記基材の前記樹脂膜に前記描画データに基づいたパターンを形成するパターン形成方法であって、前記ステージ手段の移動時に発生する速度変動や振動に対応した補正値に基づき、前記描画データの座標を補正してパターンを形成することにある。これは、ステージ手段の移動時に発生する速度変動や振動を予め測定し、それを補正値として記憶しておき、光ビーム照射によるパターン形成時にその補正値に基づいて描画データの座標を補正することによって、ステージの速度変動や振動による影響を抑制し、品質の高いパターンを形成するようにしたものである。
本発明に係るパターン形成方法の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載のパターン形成方法において、前記補正値は、前記ステージ手段の移動時に発生するトルクリップルやウェービングに対応した周期性のある速度変動や振動に対応した値で構成されることにある。ステージ手段移動時の動力源となるリニアモータから発生するトルクリップル、及びステージ手段移動時のガイドとなるLMガイドから発生するウェービングは、周期性を有し、基材を保持するチャックの速度変動や振動の原因となるので、この発明では、このような速度変動や振動に応じた値を補正値として記憶しておき、この補正値に基づいて描画データの座標を補正することによって、速度変動や振動の影響を抑制し、高精度の描画パターン形成を行なえるようにしたものである。
本発明に係るパターン形成装置の第1の特徴は、二方向に配列された複数のミラー群を描画データに基づいて駆動する空間的光変調器を用いて光ビームを変調し、樹脂膜の塗布された基材を保持するステージ手段を相対的に走査方向に移動させながら前記光ビームを照射することによって前記基材の前記樹脂膜に前記描画データに基づいたパターンを形成するパターン形成装置において、前記ステージ手段の移動時に発生する速度変動や振動に対応した補正値に基づき、前記描画データの座標を補正する補正手段を備えたことにある。これは、前記パターン形成方法の第1の特徴に記載のものを実現したパターン形成装置の発明である。
本発明に係るパターン形成装置の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載のパターン形成装置において、前記補正手段は、前記ステージ手段の移動時に発生するトルクリップルやウェービングに対応した周期性のある速度変動や振動に対応した補正値に基づいて前記描画データの座標を補正することにある。これは、前記パターン形成方法の第2の特徴に記載のものを実現したパターン形成装置の発明である。
本発明に係る露光装置の特徴は、前記第1若しくは第2の特徴に記載のパターン形成方法、又は第1若しくは第2の特徴に記載のパターン形成装置を用いて基材の露光を行うことにある。これは、前記パターン形成方法又はパターン形成装置のいずれか1の特徴に記載のものを用いて、露光を行なうようにしたものである。
本発明に係る表示用パネル製造方法の特徴は、前記第1若しくは第2の特徴に記載のパターン形成方法、又は第1若しくは第2の特徴に記載のパターン形成装置を用いて、表示用パネルを製造することにある。これは、前記パターン形成方法又はパターン形成装置のいずれか1の特徴に記載のものを用いて、表示用パネルを製造するようにしたものである。
本発明によれば、描画処理の負荷を増大させること無く、小規模な回路構成の追加によって走査直行方向の描画座標位置補正を高精細に行なえると共に高品質なパターン形成を高いスループットで実行することができるという効果がある。
本発明の一実施の形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。 図1に示す露光装置の側面図である。 図2に示す露光装置の正面図である。 光ビーム照射装置の概略構成を示す図である。 図1の露光装置に設けられたレーザー測長システムの動作を説明する図である。 図1、図4及び図5に示す主制御装置の概略構成を示すブロック図である。 図6の描画制御部の概略構成を示す図である。 露光装置が走査露光実行時に描画制御部内の描画データ用メモリからDMD駆動回路へ供給される描画データを抽出する動作の一例を示す図である。 描画データレイヤ制御部が描画データを描画データ用メモリに書き込む動作の一例を示す図である。 図8の描画データが描画データ用メモリの各レイヤに抽出及び並び替えられて格納される様子を模式的に示した図である。 本願出願前に実施しているパターン形成方法に係る露光装置において、描画データの座標を補正する動作を説明する図である。 この実施の形態に係る露光装置において発生するトルクリップルとウェービングによる変動の一例を示す図である。 この実施の形態に係る描画制御部の概略構成を示す図である。 光ビームに係る基板の走査を説明する1番目の図である。 光ビームに係る基板の走査を説明する2番目の図である。 光ビームに係る基板の走査を説明する3番目の図である。 光ビームに係る基板の走査を説明する4番目の図である。 液晶ディスプレイ装置のTFT基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。 液晶ディスプレイ装置のカラーフィルタ基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。この実施の形態では、パターン形成装置の一例として露光装置を例に説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。図2は、図1に示す露光装置の側面図、図3は、図2に示す露光装置の正面図である。露光装置は、ベース3、Xガイド4、Xステージ5、Yガイド6、Yステージ7、θステージ8、チャック10、ゲート11、光ビーム照射装置20、リニアスケール31,33、エンコーダ32,34、レーザー測長システム制御装置40、ステージ駆動回路60、及び主制御装置70を含んで構成されている。なお、図2及び図3では、レーザー測長システムのレーザー光源41、レーザー測長システム制御装置40、ステージ駆動回路60、及び主制御装置70を省略している。露光装置は、これらの他に、基材としての基板1をチャック10へ搬入し、また基板1をチャック10から搬出する基板搬送ロボット、装置内の温度管理を行う温度制御ユニット等を備えているが、これらの図示も省略している。なお、図1〜図3における実施の形態では、X方向及びY方向は例示であって、これらのX方向とY方向とを互いに入れ替えてもよいことは言うまでもない。
図1〜図3に示すように、チャック10は、基板1の受け渡しを行う受け渡し位置にある。受け渡し位置において、図示しない基板搬送ロボットにより基板1がチャック10へ搬入され、また図示しない基板搬送ロボットにより基板1がチャック10から搬出される。チャック10は、基板1の裏面を真空吸着して支持する。基板1の表面には、フォトレジストなどの紫外線硬化樹脂である樹脂膜が塗布されている。
基板1の露光を行う露光位置の上空に、ベース3を跨ぐようにゲート11が設けられている。ゲート11には、複数の光ビーム照射装置20が搭載されている。なお、この実施の形態は、8つの光ビーム照射装置20を用いた露光装置の例を示しているが、光ビーム照射装置の数はこれに限らず、1つ又は2つ以上の光ビーム照射装置を用いた露光装置に適用される。
図4は、光ビーム照射装置の概略構成を示す図である。光ビーム照射装置20は、光ファイバー22、レンズ23、ミラー24、DMD(Digital Micromirror Device)25、投影レンズ26、及びDMD駆動回路27を含んで構成されている。光ファイバー22は、レーザー光源ユニット21から発生された紫外線光ビームを、光ビーム照射装置20内へ導入する。光ファイバー22から射出された光ビームは、レンズ23及びミラー24を介して、DMD25へ照射される。DMD25は、光ビームを反射する複数の微小なミラーを直交する二方向に配列して構成された空間的光変調器であり、各ミラーの角度を変更して光ビームを変調する。DMD25により変調された光ビームは、投影レンズ26を含むヘッド部20aによって基板1の表面に照射される。DMD駆動回路27は、主制御装置70から供給される描画データに基づいて、DMD25の各ミラーの角度を変更する。
図1〜図3に示すように、チャック10は、θステージ8の上側に搭載されている。θステージ8の下側にはXステージ5及びYステージ7が設けられている。Xステージ5は、ベース3の上面に設けられた4本のLMガイドからなるXガイド4上に搭載され、Xガイド4に沿ってX方向へ移動するようになっている。Yステージ7は、Xステージ5の上面に設けられた2本のLMガイドからなるYガイド6上に搭載され、Yガイド6に沿ってY方向へ移動するようになっている。θステージ8は、Yステージ7上に搭載され、チャック10をθ方向へ回転制御している。Xステージ5、Yステージ7及びθステージ8には、ボールねじ及びモータや、リニアモータ等の図示しない駆動機構がそれぞれ設けられており、各駆動機構は、図1のステージ駆動回路60によって駆動制御されている。
θステージ8がチャック10をθ方向へ回転することによって、チャック10に搭載された基板1は、それぞれの直交する二辺がX方向及びY方向へ合致するように回転制御される。Xステージ5は、X方向へ移動することによって、チャック10を受け渡し位置と露光位置との間で移動させる。露光位置において、Xステージ5がX方向へ移動することによって、各光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射される光ビームが、基板1の表面をX方向へ走査することになる。また、Yステージ7がY方向へ移動することによって、各光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射される光ビームのX方向の操作領域がY方向へ移動することになる。図1に示すように、主制御装置70は、ステージ駆動回路60に制御信号を出力し、ステージ駆動回路60を制御することによって、θステージ8のθ方向の回転量及び回転位置、Xステージ5のX方向の移動量及び移動位置、及びYステージ7のY方向の移動量及び移動位置の制御を行なう。
なお、この実施の形態では、チャック10はXステージ5と共にX方向へ移動することによって、光ビーム照射装置20からの光ビームを用いた基板1の走査が行なわれているが、光ビーム照射装置20を移動することによって、光ビーム照射装置20からの光ビームを用いた基板1の走査が行なわれるようにしてもよい。また、チャック10及び光ビーム照射装置20の両方をX方向に移動するようにしてもよい。同様に、チャック10はYステージ7と共にY方向へ移動することによって、光ビーム照射装置20からの光ビームを用いた基板1の走査領域が変更されるようにしているが、光ビーム照射装置20を移動することによって、光ビーム照射装置20からの光ビームを用いた基板1の走査領域の変更が行なわれるようにしてもよい。この場合も同様に、チャック10及び光ビーム照射装置20の両方をY方向へ移動するようにしてもよい。
図1〜図3に示すように、ベース3の側縁部上には、X方向へ伸びるリニアスケール31が設置されている。リニアスケール31は、Xステージ5のX方向への移動量を検出するためのエンコーダ32用の目盛を備えている。また、Xステージ5の側縁部上には、Y方向へ伸びるリニアスケール33が設置されている。リニアスケール33は、Yステージ7のY方向への移動量を検出するためのエンコーダ34用の目盛を備えている。
図1〜図3に示すように、Xステージ5の一側面には、リニアスケール31の目盛に対向して、エンコーダ32が取り付けられている。エンコーダ32は、リニアスケール31の目盛を検出し、その検出パルス信号を主制御装置70へ出力する。Yステージ7の一側面には、リニアスケール33の目盛に対向して、エンコーダ34が取り付けられている。エンコーダ34は、リニアスケール33の目盛を検出し、その検出パルス信号を主制御装置70へ出力する。主制御装置70は、エンコーダ32,34からのパルス信号をカウントして、Xステージ5のX方向及びYステージ7のY方向の移動量を検出し、その位置を特定する。
図5は、図1の露光装置に設けられたレーザー測長システムの動作を説明する図である。図5において、図1と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。また、図5では、レーザー測長システムの動作説明に必要なデバイスのみを示し、図1のゲート11及び光ビーム照射装置20などは省略してある。レーザー測長システムは、公知のレーザー干渉式の測長システムで構成されており、レーザー光源41、レーザー干渉計42,44、及びバーミラー43,45を含んで構成されている。バーミラー43は、チャック10のY方向へ伸びる一側面に取り付けられている。また、バーミラー45は、チャック10のX方向へ伸びる一側面に取り付けられている。
レーザー干渉計42は、レーザー光源41から出射され、ハーフミラー46及びミラー47によって導入されたレーザー光を受光する。レーザー干渉計42は、受光したレーザー光をバーミラー43へ照射し、バーミラー43により反射されたレーザー光を受光する。レーザー干渉計42は、レーザー光源41からのレーザー光とバーミラー43によって反射されたレーザー光との干渉を、Y方向の2箇所で測定する。レーザー干渉計42は、Y方向の2箇所で干渉をそれぞれ測定することによって、チャック10の回転を検出している。レーザー測長システム制御装置40は、主制御装置70の制御によって、レーザー干渉計42の測定結果を取り込み、チャック10のX方向の位置及び回転を検出する。
レーザー干渉計44は、レーザー光源41から出射され、ハーフミラー46及びミラー48によって導入されたレーザー光を受光する。レーザー干渉計44は、受光したレーザー光をバーミラー45へ照射し、バーミラー45により反射されたレーザー光を受光する。レーザー干渉計44は、レーザー光源41からのレーザー光とバーミラー45により反射されたレーザー光との干渉を測定する。レーザー測長システム制御装置40は、主制御装置70の制御によって、レーザー干渉計44の測定結果を取り込み、チャック10のY方向の位置を検出する。なお、レーザー干渉計44によってX方向の2箇所で干渉を測定することによってチャック10の回転を検出するようにしてもよい。また、レーザー干渉計42,44の両方でチャック10の回転を検出してもよい。
図6は、図1、図4及び図5に示す主制御装置70の概略構成を示すブロック図である。図6に示すように、主制御装置70は、光ビーム照射装置20の8個のDMD駆動回路27へ描画データを供給する描画データ生成部78及び描画制御部71を有する。なお、主制御装置70はこれ以外の構成手段を含んで構成されているが、ここでは描画データ生成部78及び描画制御部71について示す。図7は、図6の描画制御部の概略構成を示す図である。図7においては、図6に示されている描画データ生成部78及び描画データレイヤ制御部82については図示を省略してある。
図6に示すように、描画データ生成部78は、描画図形座標メモリ79、座標補正部80、及び描画データ生成部81を含んで構成される。描画図形座標メモリ79は、描画されるべき図形座標データを格納している。座標補正部80は、描画図形座標メモリ79に格納されている図形座標データを実際の図形描画位置座標に補正する。描画データ生成部81は、補正後の図形座標データに基づいて塗り潰された描画したい図形に関する描画データを、描画制御部71の描画データレイヤ制御部82に供給する。描画制御部71は、前段となる描画データ生成部78から描画したい図形に関する描画データを受け取り、描画データレイヤ制御部82にて描画データ用メモリ72内の各レイヤ721〜72nに振り分けて格納する。
図7に示すように、描画制御部71は、描画データ用メモリ72、バンド幅設定部73、中心点座標決定部74、座標決定部75、DMD傾斜演算部84及びデータシフト回路83にて構成されている。描画データ用メモリ72は、各光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給する描画データを、そのXY座標をアドレスとして記憶している。バンド幅設定部73は、描画データ用メモリ72から読み出す描画データのY座標の範囲を決定することにより、光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射される光ビームのY方向のバンド幅を設定する。
レーザー測長システム制御装置40は、露光位置における基板1の露光を開始する前のチャック10のXY方向の位置を検出する。中心点座標決定部74は、レーザー測長システム制御装置40が検出したチャック10のXY方向の位置に基づいて、基板1の露光を開始する前のチャック10の中心点のXY座標を決定する。図1に示すように、光ビーム照射装置20から出射される光ビームを用いて基板1の走査を行う場合、主制御装置70は、ステージ駆動回路60を制御して、Xステージ5によってチャック10をX方向へ移動させる。基板1の走査領域を変更する場合、主制御装置70は、ステージ駆動回路60を制御して、Yステージ7によりチャック10をY方向へ移動させる。図7において、中心点座標決定部74は、エンコーダ32,34からのパルス信号をカウントして、Xステージ5のX方向への移動量及びYステージ7のY方向への移動量をそれぞれ検出し、チャック10の中心点のXY座標を決定する。座標決定部75は、中心点座標決定部74が決定したチャック10の中心点のXY座標に基づき、各光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給する描画データのXY座標を決定する。
図8は、露光装置が走査露光実行時に描画制御部内の描画データ用メモリからDMD駆動回路へ供給される描画データを抽出する動作の一例を示す図である。図8は、描画データを所定の面積の各露光領域2aに対応させて模式的に図示したものであり、図中の灰色で示した十字形状部のパターンが露光される領域を示している。また、図8では、描画データに対応して、DMD25の各ミラー25aを太枠で示し、各ミラー25aの中心点を黒く塗りつぶした四角形で示している。なお、実際のDMD25では、各ミラー25aの間に1[μm]程度の隙間が設けられているが、図8では各ミラー25aの隙間は省略してある。
図8に示すように、描画データ生成部78で生成された描画データを、その座標に従って順番に描画データ用メモリ72に記憶している。そして、後述する座標決定部75で決定されたXY座標に基づき、各光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給する描画データのXY座標を求め、これをDMD25の各ミラー25aの中心点の位置に対応する座標の描画データを、描画データ用メモリ72から抽出している。そのため、従来は、DMD25の各ミラー25aの中心点の位置に対応する座標の描画データが、描画データ用メモリ72内に飛び飛びに散在しているため、図8に示すように、DMD25の各ミラーの中心点の位置に対応する座標の描画データを描画データ用メモリ72から別々に読み出して、各行にあわせたデータへ整列させた後にDMD駆動回路27に供給する必要があった。すなわち、図8に示すように、横4行縦4列のDMD25の各ミラーの中心点の位置に対応する座標の描画データをDMD横1行目のデータ、DMD横2行目のデータ、DMD横3行目のデータ、DMD横4行目のデータとして、DMD25の各ミラー25aの中心点の位置に対応する横4行縦4列の描画データを抽出している。そのため、これらの抽出処理に時間が掛かって、光ビームによる基板1の走査速度を速くすることができなかった。
そこで、本願出願前に実施しているパターン形成方法による描画方法の一例を説明する。本願出願前は、描画データレイヤ制御部82を用いて描画データ用メモリ72を複数のレイヤに分割してパターンを形成していた。図9は、描画データレイヤ制御部が描画データを描画データ用メモリに書き込む動作の一例を示す図である。図9は、図8と同様に、描画データを所定の面積の各露光領域2aに対応させて模式的に図示したものであり、図中の灰色で示した部分が、パターンとして露光される領域を示している。図9(A)には、図8のDMD縦2列目の描画データに対応したパターンが示してある。このパターンにおいて、DMD25の各ミラー25aに対応した領域が太枠で示してある。図9(B)には、各DMD25のミラー25aの中心点を「+」文字で示している。図9(B)に示すように、二次元配列されたDMD25の各ミラー25aの中心座標の間隔は等しくなっている。すなわち、図9(B)に示すように、DMD25の各ミラー25aは、同じピッチPで等間隔に並んでおり、各ミラー25aの中心点の位置に対応する描画データの座標の間隔も共に等しい。
描画データ生成部81からは、図9(C)に示すような描画分解能にて描画されたデータが供給される。描画データレイヤ制御部82は、この描画分解能にて描画されたデータに基づいて、DMD中心座標間隔を描画分解能で分割したレイヤ番号に分類し、DMD間隔ごとのデータが同一のレイヤとなるように並び替えを行う。例えば、図9に示すように、描画データレイヤ制御部82は、描画データ生成部78の描画データ生成部81から供給される描画データを、光ビームによる基板1の走査方向及びこれと直交する方向において、DMD25の隣接するミラー25aの中心点間の距離を描画分解能で割った数p個(図では9個)に分割し、隣接するミラー25aの中心点間の距離に応じた等間隔の座標の描画データが同じ分類となるように、描画データの並び替えを行う。そして、描画データレイヤ制御部82は、並び替えた描画データを、等間隔の座標毎に描画データ用メモリ72の各レイヤ721〜729に振り分けて、等間隔の座標毎にまとめて描画データ用メモリ72の各レイヤ721〜729に書き込む。図9(C)は、描画データ用メモリ72のレイヤ721〜729に記憶する描画データの抽出及び並び替えを示している。
図10は、図8の描画データが描画データ用メモリの各レイヤに抽出及び並び替えられて格納される様子を模式的に示した図である。図10(A)は、描画データ生成部で生成された描画データの一例を示す図であり、図8の描画データに対応している。図10(A)の描画データは、DMD25のミラー25aの横5行縦5列に対応したものである。図10(B)は、描画データ用メモリの各レイヤ721〜729に記憶される描画データの一例を示す図である。図10(A)は、図8と同様に、描画データを所定の面積の各露光領域2aに対応させて模式的に図示したものであり、図中の灰色で示した十字形状部分が、パターンが露光される領域を示している。図10(A)に示す描画データ生成部81で生成された描画データは、描画データレイヤ制御部82によって、図10(B)に示すように、描画データ用メモリ72の各レイヤ721〜729に格納される。各レイヤ721〜729に格納された描画データはDMD25の中心座標ごとに纏められているので、座標決定部75にて決定されたXY座標によって、DMD駆動回路27へ供給される描画データは、DMD行ごとに必ず1個のレイヤ内の連続したデータとなるため、容易にDMD駆動回路27へ供給することが可能となる。この実施の形態では、DMD25の隣接するミラー25aが横5行縦5列であり、各ミラー25aの中心点間の距離を描画分解能で割った数が9個の場合を一例として示している。従って、DMD25のミラー25aの一辺が10〜15[μm]の正方形のミラーで構成され、このミラーがDMD25の長辺方向に1024個、DMD25の短辺方向に256個配列されている場合には、各レイヤの描画データは、このミラーの配列に応じた大きさのものとなる。
図10(B)に示すように、描画データ用メモリ2の各レイヤ721〜72nに記憶された描画データは、DMD25の各ミラー25aの中心点の位置に対応する座標毎に纏められているので、DMD25の各ミラー25aの中心点の位置に対応する座標の描画データを描画データ用メモリ72から別々に読み出して並び替える必要がなく、座標決定部75で決定したXY座標により、DMD駆動回路27へ供給する描画データが、DMD行ごとに必ず描画データ用メモリ72の各レイヤ721〜72nの1個のレイヤ内の連続したデータとなるため、容易にDMD駆動回路27へ高速に供給することが可能となる。
図7おいて、レーザー測長システム制御装置40は、露光位置における基板1の露光を開始する前のチャック10のXY方向の位置を検出する。中心点座標決定部74は、レーザー測長システム制御装置40が検出したチャック10のXY方向の位置から、基板1の露光を開始する前のチャック10の中心点のXY座標を決定する。図1において、光ビーム照射装置20からの光ビームにより基板1の走査を行う際、主制御装置70は、ステージ駆動回路60を制御して、Xステージ5によりチャック10をX方向へ走査移動させる。基板1の走査領域を移動する際、主制御装置70は、ステージ駆動回路60を制御して、Yステージ7によりチャック10をY方向へ移動させる。図7において、中心点座標決定部74は、エンコーダ32,34からのパルス信号をカウントして、Xステージ5のX方向への移動量及びYステージ7のY方向への移動量を検出し、チャック10の中心点のXY座標を決定する。
座標決定部75は、中心点座標決定部74が決定したチャック10の中心点のXY座標に基づき、読み出しを行う描画データの座標の1つを決定し、決定した座標から、描画データの読み出しを行う描画データ用メモリ72のレイヤ721〜72nを選択する。図10(B)に示すように、等間隔の座標毎にまとめて描画データ用メモリ72の各レイヤ721〜72nに振り分けて書き込むことによって、描画データの読み出しを行うレイヤ721〜72nを選択するだけで、描画データを等間隔の座標毎にまとめて読み出すことができる。
DMD傾斜演算部84は、内部にメモリアドレスカウンタ(図示せず)を備えており、このメモリアドレスカウンタによってDMD25内のミラー行番と対応したカウント値を生成し、これを傾斜データメモリのメモリアドレス値とすることで、傾斜データメモリからDMD25のミラー各行に対応したレイヤ番号が出力されるようになっている。傾斜データメモリから出力された、DMD25内ミラー各行ごとのレイヤ番号は、座標決定部75内の演算器(図示せず)に出力される。座標決定部75内の演算器(図示せず)は、中心点座標決定部74からの中心点座標とレイヤ番号とに基づいて、描画データ用メモリ72のアドレスを生成し、描画データ用メモリ72内の描画データを読み出す。描画データ用メモリ72内から読みだされた、DMD25内のミラー各行ごとに対応したレイヤ番号の描画データは、データシフト回路83によって順次シフトされ、正しくDMD25へ出力される。
図11は、本願出願前に実施しているパターン形成方法に係る露光装置において、描画データの座標を補正する動作を説明する図である。図11は、図10と同様に、描画データを所定の面積の各露光領域2aに対応させて模式的に図示したものであり、図中の灰色で示した十字形状部分が、パターンとして露光される領域を示している。また、図11では、座標を補正した後の描画データにより描画されるパターンの輪郭を太枠の十字形状で示している。例えば、光ビーム照射装置20のヘッド部20aの位置ずれの検出結果に基づき、DMD駆動回路27へ供給する描画データの座標を補正する場合について説明する。このとき、図11に示すように、描画データの座標を走査方向(X方向)に対して直交する方向(走査直交方向(Y方向))へ補正する動作は、描画データを読み出す描画データ用メモリ72のレイヤ721〜72nをその補正量(補正値)に応じて変更することによって実行する。描画データの座標を走査方向(X方向)へ補正する動作は、描画データ用メモリ72の各レイヤ721〜72n内の読み出し開始アドレスをその補正量に応じて変更することによって実行する。
例えば、図11の場合、座標補正は、描画データ用メモリ72のレイヤ721の読み出し直後に実行されるものとして説明する。座標補正後の描画データは、座標補正前の描画データに対して、描画分解能でY方向に「−1」、X方向に「+1」だけ座標が補正されることになる。すなわち、灰色で示した十字形状部分に対して、太枠で示す十字形状部分は、図11に示すように左斜め上方に全体的にシフトしている。従って、座標補正前は、描画データ用メモリ72のレイヤ721の横1行目のそれぞれ真ん中の太枠四角形で示す位置が、読み出し開始アドレスとなる。この位置は、縦5列目のアドレスである。座標補正後は、X方向のデータとして、描画データ用メモリ72のレイヤ723が選択され、Y方向のデータとして、縦4列目のアドレスが選択される。そして、これ以降は、描画データ用メモリ72のレイヤ724〜729から順番に縦4列目のアドレスが選択される。なお、図11(B)のレイヤ724〜729において、選択される縦4列目のアドレスに対応したデータが太枠四角形として示してある。このように、描画データ用メモリ72の各レイヤを選択し、そのアドレスを変更して読み出しを行うことによって、描画データの座標を再度演算する必要がないため、パターンの描画精度を容易に向上することができる。すなわち、二方向に配列した空間的光変調器の各ミラーの中心座標点が等間隔で並ぶことに着目し、等間隔の描画データをレイヤとして管理・記憶することによって、走査移動によって更新される座標により求められる空間的光変調器の座標1点が判れば、等間隔である全ての変調器の座標を確定することができ、これが同一のレイヤとして管理されているので、連続したデータとして容易にデータを抽出することが可能である。
本願出願前に実施しているパターン形成方法では、図11に示すように、光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射される光ビームの位置ずれの検出結果に基づき、光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給する描画データの座標を補正している。補正された座標の描画データは、各DMD駆動回路27へ供給されることによって、DMD25のミラー25aの分解能よりもパターン描画の精度を向上することができる。描画データ生成部81からは、図9(C)に示すような描画分解能にて描画されたデータが供給される。描画データレイヤ制御部82は、この描画分解能にて描画されたデータに基づいて、DMD中心座標間隔を描画分解能で分割したレイヤ番号に分類し、DMD間隔ごとのデータが同一のレイヤとなるように並び替えを行う。
本願出願前に実施しているパターン形成方法は、DMD25のミラー25aの分解能よりも高精度の描画分解能でパターンの描画(形成)を行なっている。そのために、リニアモータなどの動力源に含まれるトルクリップルやLMガイドの使用によって発生するウェービングと呼ばれる周波数変動によって、チャック10にもトルクリップルやウェービングと同じ周期の速度変動や振動が生じる場合がある。そこで、この実施の形態では、このような速度変動や振動に応じて、上述のようにして描画データの座標を補正することによって、速度変動や振動の影響を抑制し、高精度の描画パターン形成を行なえるようにした。
図12は、この実施の形態に係る露光装置において発生するトルクリップルとウェービングによる変動の一例を示す図である。図12(A)は、露光装置のチャック10に発生する速度変動や振動を検出するために加速度計を取り付け、その加速度の変化の様子を示す図である。図12(B)は、図12(A)の加速度を2回積分して変位量に変換した後、フィルタ処理でオフセットやドリフト成分を除去することによって得られた補正量の一例を示す図である。図12(B)に示す補正量に基づいて、DMD駆動回路27へ供給する描画データの座標を補正する。図12(B)のフィルタ処理では、ハイパスフィルタを用いた場合を示しているが、バンドパスフィルタなど他のフィルタ処理を用いてもよい。
図13は、この実施の形態に係る描画制御部の概略構成を示す図である。図13において、図7と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。また、図13においては、図7に示されている中心点座標決定部74に対する入力系については図示を省略してある。この実施の形態に係るパターン形成方法では、図13に示すように、DMD傾斜演算部84は、補正値制御部91、メモリアドレスカウンタ92、演算器93、傾斜データメモリ94を具備している。DMD傾斜演算部84内の傾斜データメモリ94をメモリアドレスカウンタ92のカウンタ値に補正値制御部91からの補正量を演算することにより、傾斜データメモリ94のメモリアドレスを変更し、DMD各行のアドレスを補正必要量分だけ移動したアドレスが傾斜データメモリ94から座標決定部75の演算器90に出力されるようになっている。補正値制御部91は、図12に示すような、トルクリップルとウェービングによる変動を実測することによって得られた補正値を出力する。座標決定部75の演算器90は、傾斜データメモリ94からのアドレスと中心点座標とを演算し、描画データ用メモリ72のアドレスを生成し、描画データ用メモリ72内の描画データを読み出す。描画データ用メモリ72内から読みだされた、DMD25内のミラー各行ごとに対応した補正された描画データは、データシフト回路83によって順次シフトされ、正しくDMD25へ出力される。なお、図13の実施の形態では、座標決定部75の演算器90を用いて補正量に対応した補正を実行する場合について説明したが、中心点座標決定部74と座標決定部75との間に別途補正回路を設け、又は、データシフト回路83に別途補正回路を設け、その補正回路を用いて補正量に対応した補正を実行するようにしてもよい。
図14〜図17は、光ビームに係る基板の走査を説明する図である。図14〜図17は、8つの光ビーム照射装置20からの8本の光ビームにより、基板1のX方向の走査を4回行って、基板1全体を走査する例を示している。図14〜図17においては、各光ビーム照射装置20のヘッド部20aが破線で示されている。各光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射された光ビームは、Y方向にバンド幅Wを有し、Xステージ5のX方向への移動によって、基板1を矢印で示す方向へ走査する。
図14は、1回目の走査を示し、X方向への1回目の走査により、図14に灰色で示す走査領域でパターンの描画が行われる。1回目の走査が終了すると、Yステージ7のY方向への移動により、基板1がY方向へバンド幅Wと同じ距離だけ移動される。図15は、2回目の走査を示し、X方向への2回目の走査により、図15に灰色で示す走査領域でパターンの描画が行われる。2回目の走査が終了すると、Yステージ7のY方向への移動により、基板1がY方向へバンド幅Wと同じ距離だけ移動される。図16は、3回目の走査を示し、X方向への3回目の走査により、図16に灰色で示す走査領域でパターンの描画が行われる。3回目の走査が終了すると、Yステージ7のY方向への移動により、基板1がY方向へバンド幅Wと同じ距離だけ移動される。図17は、4回目の走査を示し、X方向への4回目の走査により、図17に灰色で示す走査領域でパターンの描画が行われ、基板1全体の走査が終了する。
複数の光ビーム照射装置20からの複数の光ビームにより基板1の走査を並行して行うことにより、基板1全体の走査に掛かる時間を短くすることができ、タクトタイムを短縮することができる。なお、図14〜図17では、基板1のX方向の走査を4回行って、基板1全体を走査する例を示したが、走査の回数はこれに限らず、基板1のX方向の走査を3回以下又は5回以上行って、基板1全体を走査してもよい。
以上説明した実施の形態によれば、露光領域の同じ位置の描画データを、光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ複数回供給し、複数回供給する描画データの一部を、露光領域の隣接する位置の描画データとして、光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給することにより、パターンのエッジのぎざぎざを目立たなくし、またモアレの発生を抑制して、描画品質を向上させることができる。
本発明の露光装置又は露光方法を用いて基板の露光を行うことにより、パターンのエッジのぎざぎざを目立たなくし、またモアレの発生を抑制して、描画品質を向上させることができるので、高品質な表示用パネル基板を製造することができる。
例えば、図18は、液晶ディスプレイ装置のTFT基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。薄膜形成工程(ステップS191)では、スパッタ法やプラズマ化学気相成長(CVD)法等により、基板上に液晶駆動用の透明電極となる導電体膜や絶縁体膜等の薄膜を形成する。レジスト塗布工程(ステップS192)では、ロール塗布法等によりフォトレジストを塗布して、薄膜形成工程(ステップS191)で形成した薄膜上にフォトレジスト膜を形成する。露光工程(ステップS193)では、露光装置を用いて、フォトレジスト膜にパターンを形成する。現像工程(ステップS194)では、シャワー現像法等により現像液をフォトレジスト膜上に供給して、フォトレジスト膜の不要部分を除去する。エッチング工程(ステップS195)では、ウエットエッチングにより、薄膜形成工程(ステップS191)で形成した薄膜の内、フォトレジスト膜でマスクされていない部分を除去する。剥離工程(ステップS196)では、エッチング工程(ステップS195)でのマスクの役目を終えたフォトレジスト膜を、剥離液によって剥離する。これらの各工程の前又は後には、必要に応じて、基板の洗浄/乾燥工程が実施される。これらの工程を数回繰り返して、基板上にTFTアレイが形成される。
また、図19は、液晶ディスプレイ装置のカラーフィルタ基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。ブラックマトリクス形成工程(ステップS201)では、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、剥離等の処理により、基板上にブラックマトリクスを形成する。着色パターン形成工程(ステップS202)では、染色法や顔料分散法等により、基板上に着色パターンを形成する。この工程を、R、G、Bの着色パターンについて繰り返す。保護膜形成工程(ステップS203)では、着色パターンの上に保護膜を形成し、透明電極膜形成工程(ステップS204)では、保護膜の上に透明電極膜を形成する。これらの各工程の前、途中又は後には、必要に応じて、基板の洗浄/乾燥工程が実施される。
図18に示したTFT基板の製造工程では、露光工程(ステップS193)において、図19に示したカラーフィルタ基板の製造工程では、ブラックマトリクス形成工程(ステップS201)及び着色パターン形成工程(ステップS202)の露光処理において、本発明の露光装置又は露光方法を適用することができる。
上述の実施の形態では、紫外線硬化樹脂の塗布された基板としてTFT基板やカラーフィルタ基板を例に説明したが、これ以外に光硬化樹脂の塗布された基板上に、光ビームを空間的光変調器を用いて変調照射することによって光硬化樹脂に所定のパターンを描画するものに適用することが可能である。
なお、本明細書中において、基材とは、板状(通常基板と呼ばれるもの)やフィルム状のものを含む概念である。また、特定の波長の光によって重合や硬化などの化学反応を起こす樹脂とは、フォトレジストなどの紫外線硬化樹脂、スクリーン印刷等の製版に使用される樹脂、ホログラフィーの記録媒体用樹脂、ラピッドプロトタイピングの樹脂などを含むものである。
この実施の形態に係るパターン形成方法及び装置は、印刷(プリンタブル)技術によってフレキシブル基板などに、表示回路あるいは電子部品を作成するプリンタブルエレクトロニクス分野で使用される印刷技術によって基材(基板、フィルムなどの樹脂性のものを含む)に印刷用の版(マスク)をパターンニングする技術分野に応用可能である。また、画像データに応じて変調された光を感光層上に結像させて、該感光層を露光し、パッケージ基材を含むプリント配線基材分野あるいは半導体分野における高精細な永久パターン(保護膜、層間絶縁膜、及びソルダーレジストパターン)を効率よく形成するパターン形成装置にも応用可能である。このような印刷技術で作成される回路としては、例えば、電子ペーパ、電子看板、プリンタブルTFTなどがある。
この実施の形態に係るパターン形成方法は、特定の波長の光によって重合や硬化などの化学反応を起こす樹脂を用いた基材の表面改質の分野にも応用可能である。また、半導体のSi貫通電極(through−silicon via、TSV)のチップ間の(リペア)配線などのパターンを形成する分野にも応用可能である。
さらに、これ以外にも、印刷の版を作成する装置、輪転機の版作成装置、リソグラフやプリポート等のステンシル印刷又は孔版印刷装置などにも応用可能である。スクリーン印刷等の製版装置、半導体装置のリペア方法及び装置、パッケージ基材を含むプリント配線基材製造装置、フラットパネルディスプレイやプリント基材などの微細な電極パターン、あるいは露光用マスクのパターン作成装置にも応用可能である。
基材には、ウエハ、プリント基材、フラットパネルディスプレイ、マスク、レチクルなど、さらには雑誌、新聞、本の複写に用いられる板型、これらをフィルム状にしたものなどが含まれる。
1…基板
10…チャック
11…ゲート
20…光ビーム照射装置
20a…ヘッド部
21…レーザー光源ユニット
22…光ファイバー
23…レンズ
24…ミラー
25…DMD(Digital Micromirror Device)
25a…ミラー
26…投影レンズ
27…DMD駆動回路
2a…露光領域
3…ベース
31,33…リニアスケール
32,34…エンコーダ
4…Xガイド
40…レーザー測長システム制御装置
41…レーザー光源
42,44…レーザー干渉計
43,45…バーミラー
46…ハーフミラー
47,48…ミラー
5…Xステージ
6…Yガイド
60…ステージ駆動回路
7…Yステージ
70…主制御装置
71…描画制御部
72…描画データ用メモリ
721〜72n…レイヤ
73…バンド幅設定部
74…中心点座標決定部
75…座標決定部
78…描画データ生成部
79…描画図形座標メモリ
8…θステージ
80…座標補正部
81…描画データ生成部
82…描画データレイヤ制御部
83…データシフト回路
84…DMD傾斜演算部
90…演算器
91…補正値制御部
92…メモリアドレスカウンタ
93…演算器
94…傾斜データメモリ

Claims (6)

  1. 二方向に配列された複数のミラー群を描画データに基づいて駆動する空間的光変調器を用いて光ビームを変調し、樹脂膜の塗布された基材を保持するステージ手段を相対的に走査方向に移動させながら前記光ビームを照射することによって前記基材の前記樹脂膜に前記描画データに基づいたパターンを形成するパターン形成方法であって、
    前記ステージ手段の移動時に発生する速度変動や振動に対応した補正値に基づき、前記描画データの座標を補正してパターンを形成することを特徴とするパターン形成方法。
  2. 請求項1に記載のパターン形成方法において、前記補正値は、前記ステージ手段の移動時に発生するトルクリップルやウェービングに対応した周期性のある速度変動や振動に対応した値で構成されることを特徴とするパターン形成方法。
  3. 二方向に配列された複数のミラー群を描画データに基づいて駆動する空間的光変調器を用いて光ビームを変調し、樹脂膜の塗布された基材を保持するステージ手段を相対的に走査方向に移動させながら前記光ビームを照射することによって前記基材の前記樹脂膜に前記描画データに基づいたパターンを形成するパターン形成装置において、
    前記ステージ手段の移動時に発生する速度変動や振動に対応した補正値に基づき、前記描画データの座標を補正する補正手段を備えたことを特徴とするパターン形成装置。
  4. 請求項3に記載のパターン形成装置において、前記補正手段は、前記ステージ手段の移動時に発生するトルクリップルやウェービングに対応した周期性のある速度変動や振動に対応した補正値に基づいて前記描画データの座標を補正することを特徴とするパターン形成装置。
  5. 請求項1若しくは2に記載のパターン形成方法、又は請求項3若しくは4に記載のパターン形成装置を用いて基材の露光を行うことを特徴とする露光装置。
  6. 請求項1若しくは2に記載のパターン形成方法、又は請求項3若しくは4に記載のパターン形成装置を用いて、表示用パネルを製造することを特徴とする表示用パネル製造方法。
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