JP2014071066A - マスセンタリングマシンおよびロータ保持装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この発明のロータ保持装置は、回転盤25に取り付けられるロータ受け部27と、前記ロータ受け部で受けられたロータ26をクランプするためのクランプユニット28とを備え、前記クランプユニット28は、前記回転盤25の盤面に直交方向に設けられたクランプシャフト101と、前記クランプシャフトの軸心上に重心が存在しており、前記クランプシャフトを中心に揺動可能に設けられ、一端にクランプ爪103を有するクランプレバー102と、前記クランプシャフトに組み込まれ、前記クランプシャフトの軸心上に重心が存在しており、前記クランプレバーのクランプ爪が前記ロータをクランプできるように、前記クランプレバーに対して予め定める揺動方向への所定の弾性力を付与するためのばね構造104と、を含む。
【選択図】図4
Description
すなわち、非特許文献1において、その図4・40にマスセンタリングマシンの構造の原理が示されている。この原理を、図9に示す。
図9を参照して、マスセンタリングマシンの回転枠4の中にクランクシャフト5を装着し、クランクシャフト5を回転枠に固定された4個のローラー16で保持する例が示されている。このローラーのうち2つのローラーは、回転枠のスリップリングを介して接続されたサーボモータによって出入りできるようになっており、これに対向するローラーは、ばねでクランク軸を押しつけている。
特許文献1には、先行技術としてのマスセンタリングマシンが開示されている。
特許文献1に開示されたマスセンタリングマシンにおいても、クランプは、その一端側を支点に揺動し、その他端側に設けられたクランプ爪によりロータをクランプする構成である。
この発明は、さらに、重心位置の変化しないロータ保持装置を備えたマスセンタリングマシンを提供することを他の目的とする。
請求項3記載の発明は、前記ばね構造は、前記クランプシャフトと同心上に延びる複数枚の板ばねを含み、当該各板ばねの一端は前記クランプレバーに固定され、他端は前記回転盤に固定されて、前記所定の弾性力を生じるように捩じられている板ばね群を含むことを特徴とする、請求項1記載のロータ保持装置である。
請求項5記載の発明は、振動枠と、前記振動枠上に設けられ、心出しすべきロータの左右両側を把持して同期回転する一対の回転盤を含み、前記一対の回転盤において、請求項1〜4のいずれかに記載のロータ保持装置が設けられていることを特徴とする、マスセンタリングマシンである。
ばね構造としては、コイルばね、板ばね、棒状ばね等を用いることが可能である。
図1は、この発明の一実施形態に係るマスセンタリングマシン10の正面図である。マスセンタリングマシン10は、基台11上に複数のばね12によって支持された振動枠13を有する。振動枠13上には、左右に、左架台14および右架台15が備えられている。左架台14および右架台15は、左右対称な構造をしており、両者は実質的に同一の構成となっている。
左架台14および右架台15は、それぞれ、ガイドレール16と係合するベース17と、ベース17上に設けられたスピンドルユニット18と、スピンドルユニット18の後部に取り付けられて上方へ延びる垂直フレーム19と、垂直フレーム19の上部に取り付けられたモータ20とを有している。そして、モータ20の回転力は、モータ側プーリ21からベルト22を介してスピンドル側プーリ23へ伝達され、スピンドルユニット18内を左右方向に水平に延びるスピンドル24を回転させることができる。
回転盤25の前方面側、すなわち互いに対向する前面側には、心出しされるべきロータ26、たとえば鋳造あるいは鍛造にて一体形成されたエンジン用のクランクシャフト26の端部を受け取めるための軸受けユニット27、および、軸受けユニット27で受け取められた回転体(たとえばクランクシャフト)26の端部を軸受けユニット27方向へ押さえつけて固定するためのクランプユニット28が設けられている。
このとき、ロータ(クランクシャフト)26の慣性中心と回転中心とにずれがある場合は、そのずれ量に比例した不釣合いが生じて、振動枠13が振動する。振動枠13の振動は、図示しない振動検出器(ピックアップ)で検出され、ロータ(クランクシャフト)26の慣性中心と回転中心のずれ量が測定できる。
この実施形態では、軸受けユニット27は、一対のスライドプレート31、32が、その中央部に設けられた偏心カム40の作用により、左右にスライド変位可能にされている。
また、一対のスライドプレート31、32が中心側へスライド移動した図3に示す状態では、軸受けユニット27の一対の軸受け片33、34により、相対的に細い軸径のロータ26を受け取めることができる。
図4は、図2および図3を参照して説明した回転盤25およびクランプユニット28を上方から見た平面図で、一部は断面構造で示されている。
回転盤25には、左右両側に、回転盤25の盤面に対して直交方向に延びるクランプシャフト101が設けられている。クランプシャフト101は、回転盤25に対して回転可能に設けられている。回転盤25の前面側には、クランプシャフト101が回転盤25に対して回転し得るように保持する軸受け105が備えられている。クランプシャフト101の先端には、クランプレバー102が固定されている。クランプレバー102はクランプシャフト101を中心に回動(揺動)し得る。
コイルばね109は、クランプシャフト101を介してクランプレバー102に矢印A1方向へ回動(揺動)するように、所定の弾性力を発生している。そしてクランプレバー102が、図2に示す状態または図3に示す状態のように、クランプ爪103がロータ26の周面をクランプして軸受け片33、34方向に押しつけた状態において、コイルばね109の形状がばね案内管106に沿って一定となり、コイルばね109の重心がクランプシャフト101の重心と一致するように調整されている。
ロータ26の慣性主軸の位置が計測された後、マスセンタリングマシン10からロータ26が取り外される。その場合には、クランプレバー102に外部装置から外力を加えて、クランプレバー102を揺動させて、ロータ26を取り外し可能な解放状態とする必要がある。
外部装置112は、支軸113を中心に回動する操作アーム114および作用アーム115を備えている。作用アーム115の先端には作用コロ116が備えられている。操作アーム114をB1の位置からB2の位置へ操作することにより、支軸113を中心に作用アーム115が矢印A2方向へ動き、クランプレバー102の後端部117を押す。これにより、クランプレバー102は二点鎖線で示すロータ26をクランプしている状態から矢印A3方向へ揺動し、ロータ26のクランプを解除して、ロータ26を取り外せる解放状態になる。
図6は、クランプユニット28の他の構成例を示す図解的な部分正面図である。また、図7は、図6に示すクランプユニット28の構成を側面側から見た図解的な図である。
図6および図7を参照して、この実施形態のクランプユニット28は、クランプレバー102に対して所定のクランプ力を付与するためのばね構造として、先の実施例のようなコイルばね109ではなく、板ばね群(積層した板ばねの集合体)120を用いた例である。
クランプシャフト101およびその中心部に内挿された板ばね群120は、クランプレバー102とその先端部121において、たとえば図示しないピンにより固定されている。
さらに、クランプシャフト101の中心部を貫通する板ばね群120の後端部は、板ばね固定部123と連結されており、板ばね固定部123は、ロータ26が軸受けユニット27に受け取められた状態において、クランプレバー102が矢印A1方向に一定のモーメントを生じ、クランプ爪103がロータ26を軸受けユニット27方向に押しつけることのできるように、板ばね群120が軸回りに捩じられた状態で、クランプレバー受け部122と板ばね固定部123とが取り付けられている。
なおこの実施例においても、クランプシャフト101の回転中心と、クランプシャフト101に板ばね群120が内挿されたものの重心とが一致しており、クランプユニット28およびばね構造104の重心が、クランプレバー102の揺動状態の変化により変化することはない。
この発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
11 基台
12 ばね
13 振動枠
14 左架台
15 右架台
16 ガイドレール
17 ベース
18 スピンドルユニット
19 垂直フレーム
20 モータ
21 モータ側プーリ
22 ベルト
23 スピンドル側プーリ
24 スピンドル
25 回転盤
26 回転体
27 軸受けユニット
28 クランプユニット
101 クランプシャフト
102 クランプレバー
103 クランプ爪
104 ばね構造
105 軸受け
106 ばね案内管
107 フランジ板
108 ナット
109 コイルばね
110、111 ばね固定孔
112 外部装置
113 支軸
114 操作アーム
115 作用アーム
116 作用コロ
117 後端部
120 板ばね群
121 先端部
122 クランプレバー受け部
123 板ばね固定部
Claims (5)
- ロータの慣性主軸位置を計測するマスセンタリングマシンのためのロータ保持装置であって、
回転盤に取り付けられるロータ受け部と、前記ロータ受け部で受けられたロータをクランプするためのクランプユニットとを備え、
前記クランプユニットは、
前記回転盤の盤面に直交方向に設けられたクランプシャフトと、
前記クランプシャフトの軸心上に重心が存在しており、前記クランプシャフトを中心に揺動可能に設けられ、一端にクランプ爪を有するクランプレバーと、
前記クランプシャフトに組み込まれ、前記クランプシャフトの軸心上に重心が存在しており、前記クランプレバーのクランプ爪が前記ロータをクランプできるように、前記クランプレバーに対して予め定める揺動方向への所定の弾性力を付与するためのばね構造と、
を含むことを特徴とする、マスセンタリングマシンのためのロータ保持装置。 - 前記ばね構造は、
前記クランプシャフトに対して外嵌され、一端が前記クランプレバーに固定され、他端が前記回転盤に固定されて、前記所定の弾性力を生じるように捩じられたコイルばねを含むことを特徴とする、請求項1記載のロータ保持装置。 - 前記ばね構造は、
前記クランプシャフトと同心上に延びる複数枚の板ばねを含み、当該各板ばねの一端は前記クランプレバーに固定され、他端は前記回転盤に固定されて、前記所定の弾性力を生じるように捩じられている板ばね群を含むことを特徴とする、請求項1記載のロータ保持装置。 - 前記ばね構造は、
前記クランプシャフトと同心上に延びる複数の棒状ばねを含み、当該各棒状ばねの一端は前記クランプレバーに固定され、他端は前記回転盤に固定されて、前記所定の弾性力を生じるように捩じられている棒状ばね群を含むことを特徴とする、請求項1記載のロータ保持装置。 - 振動枠と、
前記振動枠上に設けられ、心出しすべきロータの左右両側を把持して同期回転する一対の回転盤を含み、
前記一対の回転盤において、請求項1〜4のいずれかに記載のロータ保持装置が設けられていることを特徴とする、マスセンタリングマシン。
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