JP2014069975A - 射出成形用組成物とそれを用いた焼結体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】無機粉末とバインダを含み、バインダは、変性ポリオレフィンとポリオレフィンの合計を29.5〜79.5質量%、パラフィンを20〜70質量%、熱可塑性エラストマーを0.5〜10質量%含み、かつ、前記変性ポリオレフィンは5質量%以上(前記ポリオレフィンが0質量%の場合を含む)含んでなる射出成形用組成物。無機粉末はセラミック粉末であってよい。無機粉末50〜80体積%とバインダ20〜50体積%の配合比が好ましい。また、融点10℃以下の炭化水素系溶剤を用いて前記射出成形用組成物からなる射出成形体からパラフィンを除去する脱脂工程を含む焼結体の製造方法。
【選択図】なし
Description
すなわち本発明に係る焼結体の製造方法は、融点10℃以下の炭化水素系溶剤および/または臭素系溶剤を用いて、本発明に係る射出成形用組成物からなる射出成形体からパラフィンを除去する脱脂工程を含む製造方法である。
(1)バインダは、変性ポリオレフィン(さらにポリオレフィンを混合する場合を含む)、パラフィン、および熱可塑性エラストマーを含んでなる。
(2)前記バインダにおける各成分の配合比は、変性ポリオレフィンとポリオレフィンの合計が29.5〜79.5質量%、パラフィンが20〜70質量%、並びに熱可塑性エラストマーが0.5〜10質量%である。
(3)前記変性ポリオレフィンは5質量%以上含む。なお、前記ポリオレフィンは0質量%の場合があってもよい。
本発明において変性ポリオレフィンとポリオレフィンの合計は、前記(2)に示すように、配合比を29.5〜79.5質量%とする。変性ポリオレフィンとポリオレフィンをこの配合比で含むバインダは、これを用いた射出成形用組成物や成形体の可塑性を好ましいものにできる。この合計が29.5質量%未満であると、上述した可塑性が低下し、脱脂時の変形やクラックの発生のみならず、射出成形終了後に金型から成形体を離型するときにもクラックが発生しやすくなる。一方、この合計が79.5質量%を超えると、射出成形用組成物の流動性が低下し、射出成形時に不廻りが発生しやすくなる。また、可塑性と流動性とを同時に満足するバランス関係を考慮する場合、変性ポリオレフィンおよびポリオレフィン以外の他の成分との配合関係を満たした上で、この合計の配合比を40〜60質量%から選ぶことが好ましい。
本発明においてパラフィンは、前記(2)に示すように、配合比を20〜70質量%とする。パラフィンをこの配合比で含むバインダは、これを用いた射出成形用組成物の流動性や成形体の脱脂性を好ましいものにできる。射出成形体の所望形状にも拠るが、パラフィンが20質量%未満であると射出成形用組成物の流動性が低下し、金型キャビティ内に射出成形用組成物が十分に行き渡らなくなる不廻りという現象が発生しやすくなる。一方、パラフィンが70質量%を超えると射出成形用組成物の可塑性が低下し、射出成形終了後の金型からの離型時に射出成形体にクラックが発生しやすくなる。また、流動性と可塑性とを同時に満足するバランス関係を考慮する場合、パラフィン以外の他の成分との配合関係を満たした上で、パラフィンの配合比を40〜60質量%から選ぶことが好ましい。
本発明において熱可塑性エラストマーは、前記(2)に示すように、配合比を0.5〜10質量%とする。熱可塑性エラストマーは、通常は均一に混合し難いパラフィンと変性ポリオレフィン(さらにポリオレフィンを混合する場合を含む)とを混合し、バインダを均一な混合状態に保つために必要である。よって、熱可塑性エラストマーをこの配合比で含むバインダは、これを用いた射出成形用組成物の流動性を好ましいものにできる。熱可塑性エラストマーが0.5質量%未満であると、射出成形用組成物において各成分の分布が不均一になりやすく、それを用いた成形体は無機粉末の分布が不均一になることで変形などが発生しやすい。一方、熱可塑性エラストマーが10質量%を超えると、射出成形用組成物の粘度が上昇して流動性が低下しやすい。より好ましい熱可塑性エラストマーの配合比は1〜5質量%であり、無機粉末とバインダとの混合状態がより安定化され、成形体の保形性や脱脂性も向上できる。このような熱可塑性エラストマーとしては、例えば、エチレン・ブチレン・スチレン三元共重合体、エチレン・スチレン二元共重合体、ブチレン・スチレン二元共重合体などが使用できる。
射出成形法は、混練工程、射出成形工程、脱脂工程、焼成工程など、一連の製造工程を経て焼結体を製造する方法として知られる。例えば、混練工程において射出成形用組成物を得て、その射出成形用組成物を用いて射出成形工程において成形体を形成する。その後に脱脂工程において、その成形体からバインダの一部成分を除去(脱脂)し、あるいはハンドリングを阻害しない程度に多くのバインダを除去(脱脂)し、脱脂体を得る。そして、焼成工程において、この工程前半で脱脂体からバインダの残存成分を除去(脱脂)し、この工程後半で無機粉末を焼結することにより、焼結体を製造することができる。
バインダには、49質量%のパラフィンと、49質量%の変性ポリプロピレンと、2質量%のエチレン・ブチレン・スチレン三元共重合体とを含んでなるものを準備した。そして、セラミック粉末が70体積%、バインダが30体積%となるように配合して混練し、射出成形用組成物を得た。
バインダには、49質量%のパラフィンと、20質量%の変性ポリプロピレンと、29質量%のポリプロピレンと、2質量%のエチレン・ブチレン・スチレン三元共重合体とを含んでなるものを準備した。そして、セラミック粉末が68体積%、バインダが32体積%となるように配合して混練し、射出成形用組成物を得た。
バインダには、49質量%のパラフィンと、5質量%の変性ポリプロピレンと、44質量%のポリプロピレンと、2質量%のエチレン・ブチレン・スチレン三元共重合体とを含んでなるものを準備した。そして、セラミック粉末が60体積%、バインダが40体積%となるように配合して混練し、射出成形用組成物を得た。
バインダには、65質量%のパラフィンと、29.5質量%の変性ポリプロピレンと、5.5質量%のエチレン・ブチレン・スチレン三元共重合体とを含んでなるものを準備した。そして、セラミック粉末が70体積%、バインダが30体積%となるように配合して混練し、射出成形用組成物を得た。
バインダには、20質量%のパラフィンと、79.5質量%の変性ポリプロピレンと、0.5質量%のエチレン・ブチレン・スチレン三元共重合体とを含んでなるものを準備した。そして、セラミック粉末が55体積%、バインダが45体積%となるように配合して混練し、射出成形用組成物を得た。
バインダには、49質量%のパラフィンと、31質量%の変性ポリプロピレンと、10質量%のポリプロピレンと、10質量%のエチレン・ブチレン・スチレン三元共重合体とを含んでなるものを準備した。そして、セラミック粉末が70体積%、バインダが30体積%となるように配合して混練し、射出成形用組成物を得た。
バインダには、70質量%のパラフィンと、28質量%の変性ポリプロピレンと、2質量%のエチレン・ブチレン・スチレン三元共重合体とを含んでなるものを準備した。そして、セラミック粉末が70体積%、バインダが30体積%となるように配合して混練し、射出成形用組成物を得た。
バインダには、12質量%のパラフィンと、83質量%の変性ポリプロピレンと、5質量%のエチレン・ブチレン・スチレン三元共重合体とを含んでなるものを準備した。そして、セラミック粉末が70体積%、バインダが30体積%となるように配合して混練し、射出成形用組成物を得た。
バインダには、72質量%のパラフィンと、23質量%の変性ポリプロピレンと、5質量%のエチレン・ブチレン・スチレン三元共重合体とを含んでなるものを準備した。そして、セラミック粉末が70体積%、バインダが30体積%となるように配合して混練し、射出成形用組成物を得た。
バインダには、50質量%のパラフィンと、3質量%の変性ポリプロピレンと、37質量%のポリプロピレンと、10質量%のエチレン・ブチレン・スチレン三元共重合体とを含んでなるものを準備した。そして、セラミック粉末が60体積%、バインダが40体積%となるように配合して混練し、射出成形用組成物を得た。
バインダには、50質量%のパラフィンと、50質量%の変性ポリプロピレンとを含んでなるものを準備した。そして、セラミック粉末が70体積%、バインダが30体積%となるように配合して混練し、射出成形用組成物を得た。
以上の結果を表1に示す。
試験体を、60℃に保持したNSクリーン220の中に10分浸漬した後、60℃に保持したeクリーン21の中に20分浸漬し、試験体からパラフィンを除去し、脱脂体を得た。
試験体を、60℃に保持したeクリーン21の中に30分浸漬し、試験体からパラフィンを除去し、脱脂体を得た。
上述のようにして得たそれぞれの脱脂体並びにセラミック粉末焼結体について、欠陥の有無を調査した結果を表2に示す。
セラミック粉末焼結体については、表中、実施例7、8において「〇」で示すように、いずれも良好に焼結した健全な状態を有しており、明確な欠陥は認められなかった。
Claims (4)
- 無機粉末とバインダを含んでなる射出成形用組成物であって、前記バインダは、変性ポリオレフィンとポリオレフィンの合計を29.5〜79.5質量%、パラフィンを20〜70質量%、熱可塑性エラストマーを0.5〜10質量%含み、かつ、前記変性ポリオレフィンは5質量%以上(前記ポリオレフィンが0質量%の場合を含む)含んでなることを特徴とする射出成形用組成物。
- 前記無機粉末を50〜80体積%、前記バインダを20〜50体積%含んでなることを特徴とする請求項1に記載の射出成形用組成物。
- 前記無機粉末はセラミック粉末であることを特徴とする請求項1または2に記載の射出成形用組成物。
- 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の射出成形用組成物を用いた焼結体の製造方法であって、融点10℃以下の炭化水素系溶剤および/または臭素系溶剤を用いて、前記射出成形用組成物からなる射出成形体からパラフィンを除去する脱脂工程を含むことを特徴とする焼結体の製造方法。
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