JP2014069627A - 膝保護用エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡便な構成で、作動時のインフレーターを安定して保持可能な膝保護用エアバッグ装置の提供。
【解決手段】膝保護用エアバッグ装置Sでは、ケース34におけるインフレーター収納部45内に収納させたインフレーター25を、エアバッグ67内に収納されるリテーナ51をエアバッグ収納部35の底壁部39に取り付けることにより、ケース34に取り付けている。リテーナ51が、インフレーター収納部45との間で、インフレーター25を保持する保持部58を備える。インフレーター収納部45と保持部58とが、インフレーター25のガス吐出口28aを、エアバッグ収納部35側に位置させるように、インフレーター25を傾斜させて保持可能な傾斜面部46,60を備える。底壁部39に、インフレーター25の接続口部29周縁の端面と当接可能として、インフレーター25のインフレーター収納部45からの抜けを防止可能な規制部44が、形成されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、座席に着座した乗員の膝の前方に、配置されるもので、内部に膨張用ガスを流入させて乗員の膝を保護可能に膨張するエアバッグと、外形形状を略円柱状とされてエアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、エアバッグとインフレーターとを内部に収納させて車両後方側を開口させたケースと、を備える構成の膝保護用エアバッグ装置に関する。
従来、膝保護用エアバッグ装置としては、エアバッグとインフレーターとをケースに取り付けるリテーナとして、インフレーターの外周側を覆う略円筒状として、固定手段としてのボルトを突設させた構成のものを使用していた。この種の膝保護用エアバッグ装置では、予めリテーナのみを内部に挿入させた状態で、エアバッグを折り畳み、折り畳まれたエアバッグをケース内に収納させた後、インフレーターを、ケースに形成される挿通孔を経て、リテーナ内に収納させ、その後、ケースから突出しているリテーナのボルトにナットを締結させることにより、インフレーターとエアバッグとをケースに取り付ける構成であることから、エアバッグの折り畳み作業と、エアバッグとインフレーターとのケースへの取り付け作業と、を、別の場所で行なうことができる。そのため、この従来の膝保護用エアバッグ装置では、インフレーター取扱用の設備を備えていない場所でも、エアバッグの折り畳み作業を行なうことができ、また、折り畳まれたエアバッグの運搬も容易であることから、エアバッグ装置の製造工程の自由度が増大する(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−321333公報
しかし、従来の膝保護用エアバッグ装置では、インフレーターが、コネクタを接続させる接続口部側の端部を、ケースから突出させるようにして、ケース内に収納されていることから、ケースと別体からなる抜け防止部材を、インフレーターの接続口部側の端部を押えるようにして、ケースに取り付けて、インフレーターのケースからの抜けを防止していた。そのため、従来の膝保護用エアバッグ装置では、部品点数が多く、また、抜け防止部材を別途ケースに取り付ける必要があって、組付工数も増大することとなり、構成を簡便にする点に、改善の余地があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、簡便な構成で、作動時のインフレーターを安定して保持可能な膝保護用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る膝保護用エアバッグ装置は、座席に着座した乗員の前方に配置されるとともに、
内部に膨張用ガスを流入させて乗員の膝を保護可能に膨張するエアバッグと、エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、エアバッグとインフレーターとを内部に収納させるケースと、を備える膝保護用エアバッグ装置であって、
ケースが、略四角筒形状の周壁部と、周壁部の一端側を閉塞するような底壁部と、を有して、エアバッグを突出させるための突出用開口を有した略箱形状とされて、
折り畳まれたエアバッグを収納するエアバッグ収納部と、
エアバッグ収納部における底壁部の一部を、インフレーターを収納可能に凹ませて形成されるインフレーター収納部と、
を備える構成とされて、
インフレーターが、外形形状を略円柱状とされるとともに、軸方向に沿った一端側に、膨張用ガスを吐出可能なガス吐出口を配置させ、軸方向に沿った他端側に、エアバッグ作動回路から延びるリード線を結線させたコネクタを接続させる接続口部を配置させる構成とされ、
インフレーター収納部が、内部にインフレーターを収納させた後に接続口部にコネクタを接続可能に、接続口部側を露出可能な開口を備える構成とされ、
エアバッグとインフレーターとが、エアバッグ内に収納されて、エアバッグ内に膨張用ガスを供給させるガス流入口の周縁を押えるリテーナを、固定手段を用いて、底壁部に取り付けることにより、ケースに取り付けられる構成とされて、
リテーナが、
外周縁側に配置されて略平板状とされるとともに、固定手段を用いて底壁部の取付座面に取り付けられることにより、ガス流入口の周縁を、底壁部との間で挟持する構成の略環状の押え部と、
押え部の内周側において、インフレーターの外周面に沿って湾曲して配置されて、固定手段を用いて底壁部に取り付けられることにより、インフレーター収納部との間で、インフレーターを保持する保持部と、
を備える構成とされ、
インフレーター収納部と保持部とが、ガス吐出口を、取付座面よりもエアバッグ収納部側に位置させ、かつ、接続口部側を開口から露出させるように、インフレーターを傾斜させて保持可能に、傾斜面部を有して構成され、
底壁部若しくはリテーナに、インフレーターの接続口部周縁の端面と当接可能として、インフレーターのインフレーター収納部からの抜けを防止可能な規制部が、形成されていることを特徴とする。
本発明の膝保護用エアバッグ装置では、ケースの底壁部若しくはリテーナに、インフレーターの接続口部周縁の端面と当接可能な規制部を形成しており、この規制部により、インフレーターのインフレーター収納部からの抜けを防止させる構成である。そのため、インフレーターが、作動時に、接続口部側の端部を先頭として、インフレーター収納部の開口を経てインフレーター収納部からケース外へ抜けるように、軸方向に沿って移動しようとしても、規制部によって、インフレーターにおける接続口部周縁の端面を、押えることができる。その結果、本発明の膝保護用エアバッグ装置では、インフレーターの移動を抑制する規制部を、インフレーターを収納させるケースの底壁部、若しくは、インフレーターとエアバッグとをケースに取り付けるリテーナに、形成していることから、従来の抜け防止部材を使用している膝保護用エアバッグ装置と比較して、部品点数を低減できて、構成を簡便にすることができる。
したがって、本発明の膝保護用エアバッグ装置では、簡便な構成で、作動時のインフレーターを安定して保持することができる。
勿論、本発明の膝保護用エアバッグ装置においても、予めリテーナのみを内部に挿入させた状態で、エアバッグを折り畳み、折り畳まれたエアバッグを、インフレーター収納部内にインフレーターを収納させた状態のケースのエアバッグ収納部内に収納させて、固定手段を用いてリテーナをエアバッグ収納部の底壁部に取り付けることにより、インフレーターとエアバッグとをケースに取り付ける構成である。そのため、エアバッグの折畳作業と、エアバッグとインフレーターとのケースへの取付作業と、を別の場所で行なうことができ、本発明の膝保護用エアバッグ装置においても、インフレーター取扱用の設備を備えていない場所でも、エアバッグの折畳作業を行なうことができ、また、折り畳まれたエアバッグの運搬も容易であることから、エアバッグ装置の製造工程の自由度を低減させない。
また、本発明の膝保護用エアバッグ装置では、インフレーターが、ケースの底壁部を凹ませて形成されるインフレーター収納部に収納される構成であるものの、ガス吐出口を、エアバッグのガス流入口の周縁を取り付けるケースの取付座面よりもエアバッグ収納部側に位置させるように、傾斜された状態でケースに収納される構成である。すなわち、本発明の膝保護用エアバッグ装置では、インフレーターは、実質的には、ガス吐出口の全域を、ガス流入口の内部に挿入させるようにして配置されることとなり、作動時に、ガス吐出口から吐出される膨張用ガスを、迅速にエアバッグ内に流入させることができて、エアバッグを迅速に膨張させることができる。
本発明の一実施形態である膝保護用エアバッグ装置の使用状態を示す車両前後方向の概略縦断面図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置の車両前後方向の概略拡大縦断面図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置の車両左右方向の概略横断面図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置の使用状態を示す車両後方側から見た概略正面図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置に使用するケース、インフレーター、及び、リテーナを、車両後方側から見た斜視図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置に使用するケースの正面図である。 図6のケースの平面図である。 図6のケースの横断面図である。 図6のケースの縦断面図であり、図8のIX−IX部位に対応する。 図6のケースの縦断面図であり、図8のX−X部位に対応する。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置に使用するリテーナの正面図である。 図11のリテーナの平面図である。 図11のリテーナの横断面と部分拡大縦断面とを示す図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置に使用するエアバッグの背面図である。 図14のエアバッグの縦断面図であり、図14のXV−XV部位に対応する。 図3のXVI−XVI部位の部分拡大概略断面図である。 図3のXVII−XVII部位の部分拡大概略断面図である。 図3のXVIII−XVIII部位の部分拡大概略断面図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置において、インフレーターのガス吐出部付近を示す左右方向に沿った部分拡大概略横断面図である。 実施形態の膝保護用エアバッグ装置において、インフレーターの接続口部付近を示す左右方向に沿った部分拡大概略横断面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態の膝保護用エアバッグ装置(以下「エアバッグ装置」と省略する)Sは、図1〜4に示すように、乗員としての運転者Dの膝K(KL,KR)Kを保護可能に、運転者Dの車両前方側であるステアリングコラム6の下方に配設されている。なお、本明細書における上下、左右、及び、前後の方向は、エアバッグ装置Sを車両に搭載させた際の車両の上下・左右・前後の方向に対応するものである。
ステアリングコラム6は、図1,4に示すように、コラム本体7と、コラム本体7の外周側を覆う合成樹脂製のコラムカバー10と、を備えている。コラム本体7は、図1に示すように、メインシャフト8と、メインシャフト8の周囲を覆うコラムチューブ9と、を備えている。
エアバッグ装置Sは、折り畳まれたエアバッグ67と、エアバッグ67に膨張用ガスを供給するインフレーター25と、エアバッグ67とインフレーター25とを内部に収納させるケース34と、エアバッグ67とインフレーター25とをケース34に取り付けるリテーナ51と、ケース34の車両後方側を覆うエアバッグカバー15と、を備えて構成されている。
エアバッグカバー15は、ポリオレフィン系等の熱可塑性エラストマーから形成されて、ケース34の車両後方側を覆い可能に、構成されている。このエアバッグカバー15は、図2〜4に示すように、アッパパネル11aとロアパネル11bとから構成されるインストルメントパネル(以下「インパネ」と省略する)11のロアパネル11b側に配設されている。エアバッグカバー15は、実施形態の場合、ケース34の突出用開口35a付近に配置される扉配設部16と、扉配設部16の周囲に延びる周縁部23と、を備えて構成されている。
扉配設部16は、ケース34の突出用開口35aを覆う扉部17と、扉部17の上下両側から前方に向かって延びてエアバッグカバー15をケース34に取り付けるための取付片部20,21と、を備えている。扉部17は、ケース34の突出用開口35aより僅かに大きく形成されて、突出用開口35aの車両後方側(実施形態の場合、後下側)を覆う略長方形板状とされている。そして、扉部17は、実施形態では、周囲に、車両後方側から見て扁平な略逆U字形状とされる薄肉の破断予定部18と、下縁側に配置されて開き時の回転中心となるヒンジ部19と、を配設させて、開き時に、下開きに開く構成とされている(図1,2の二点鎖線参照)。取付片部20,21は、ケース34におけるエアバッグ収納部35の後述する上側壁37と下側壁38との外周側に、それぞれ、隣接して、車両前方側(前上側)に突出するように配置されるもので、前端側に、ケース34の各上側壁37,下側壁38に形成される係止爪37a,38aを係止させるための長方形状に開口した係止穴20a,21aを、係止爪37a,38aに対応して、それぞれ、左右方向に沿って5箇所ずつに、配設させている。
周縁部23は、扉配設部16の左右両側の部位において、扉部17より一段車両前方側に凹むような段差状として構成され、ロアパネル11bにおける扉部17の左右両側に配置される部位を支持して、扉部17とロアパネル11bとの車両後方側の面を略面一とするように、構成されている(図3参照)。
インフレーター25は、図3,5に示すように、軸方向を左右方向に略沿わせて配置される略円柱状とされて、大径の本体部26と、本体部26の左右方向の一端側(実施形態の場合、左端26c側)から突設される小径の円柱状のガス吐出部28と、本体部26の左右方向の他端側(実施形態の場合、右端26a側)に配置される接続口部29と、を備えて構成されている。実施形態の場合、インフレーター25としては、ハイブリッドタイプのものが使用されている。ガス吐出部28には、膨張用ガスを吐出可能なガス吐出口28aが、周方向に沿って多数放射状に形成されている。また、本体部26には、インフレーター25の製造時において内部に加圧ガスを封入させるために形成された開口を閉塞させた封止ピン27が、外周面26dから突出して、配置されている(図3,20参照)。実施形態の場合、封止ピン27は、本体部26の左右の中央よりやや右方となる位置に配置されている。接続口部29は、図3,20に示すように、作動信号入力用のリード線32を結線させたコネクタ31を接続させるための部位である。
そして、実施形態の場合、インフレーター25は、図3に示すように、ケース34の底壁部39に対して傾斜して、ケース34に取り付けられている。具体的には、インフレーター25は、軸方向を、底壁部39の長手方向に略沿わせつつ、本体部26の左端26c側に配置されるガス吐出部28全体を、エアバッグ67を取り付ける取付座面35bを構成するケース34の底壁部39よりも後下方(エアバッグ収納部35側)に位置させ、本体部26の右端26a側に配置される接続口部29を、底壁部39よりも前上方に位置させ、ケース34から全体を露出させるようにして、底壁部39に対して傾斜して、インフレーター収納部45とリテーナ51の保持部58とによって保持されるようにして、ケース34に取り付けられている。すなわち、インフレーター25は、全てのガス吐出口28aを、取付座面35bよりもエアバッグ収納部35側(後下方)に位置させるようにして、ケース34に取り付けられている。なお、実施形態では、インフレーター25は、図3に示すように、軸方向側の中央を、ケース34(底壁部39)の左右の中央よりも右側にずらすようにして、ケース34に取り付けられている。
ケース34は、実施形態の場合、車両後方側を開口させて構成されるもので、図5〜10に示すように、折り畳まれたエアバッグ67を収納するためのエアバッグ収納部35と、インフレーター25を収納するためのインフレーター収納部45と、を備えている。実施形態の場合、ケース34は、板金製とされて、エアバッグ収納部35とインフレーター収納部45とは、プレス加工により一体的に形成されている。また、実施形態の場合、ケース34は、エアバッグ収納部35における周壁部36の軸方向を、前後方向に対して後下がりに傾斜させるようにして、車両に搭載されている(図1,2参照)。
エアバッグ収納部35は、略四角筒形状の周壁部36と、周壁部36の前端側を閉塞するような底壁部39と、を有して、後端側に、エアバッグ67を突出させるための突出用開口35aを有した略箱形状とされている。実施形態の場合、エアバッグ収納部35は、図3に示すように、左右方向側(インフレーター25の軸方向側)の幅寸法を、インフレーター25の長さ寸法より大きく設定されている。周壁部36は、上述したように、軸方向を、前後方向に対して後下がりに傾斜させて配置されるもので、周壁部36において上下方向で対向する上側壁37,下側壁38の後縁側には、エアバッグカバー15の取付片部20,21に形成される係止穴20a,21a周縁を係止するための係止爪37a,38aが、配置されている。係止爪37a,38aは、上下の外方へ突出し、先端を車両前方側に向けて反転させるように断面略L字形状に屈曲して、形成されるもので、実施形態の場合、上側壁37,下側壁38に、それぞれ、左右方向に沿って5箇所ずつ、形成されている(図5参照)。
底壁部39は、実施形態の場合、図6に示すように、周壁部36の前端側の一部を閉塞し、周壁部36の前縁側の全域から内方に向かって延びるような略四角環状の領域から、構成されている。実施形態の場合、底壁部39は、左側の領域を幅広として、ケース34の左右の中央より左側の領域では、上側壁37と下側壁38とを連結するように、上下の全域にわたって形成されている(図6参照)。インフレーター25に対応して、インフレーター収納部45が、左右の中心を、底壁部39の左右の中心よりも右側にずらすようにして、配置されているためである。また、底壁部39は、リテーナ51の後述する押え部53に対応して平面状に形成されており、底壁部39の内側面(後面)が、エアバッグ67を取り付ける取付座面35bを構成している。そして、底壁部39における右縁側の上下両端近傍と、左縁から左右方向側の全長の略1/4となる部位の上下両端近傍と、の4箇所(インフレーター収納部45の四隅近傍となる4箇所)には、リテーナ51の後述する固定手段としてのボルト63を挿通させるための挿通孔40が、形成されている(図6参照)。
また、底壁部39における上縁近傍と下縁近傍とには、リテーナ51に形成される後述する係止片部54を係止可能な係止穴部41が、形成されている。係止穴部41は、図6に示すように、インフレーター収納部45の傾斜面部46の上下両側において、それぞれ、左右方向に沿って2箇所ずつとなる、計4箇所に、形成されている。詳細には、係止穴部41は、傾斜面部46の左端46a側の上下両側と、傾斜面部46の左右の中央よりやや右方となる領域の上下両側と、において、それぞれ上下で一致した位置に、形成されている。係止穴部41は、係止片部54を挿入可能に底壁部39を開口させて形成される穴本体42と、穴本体42の前方(底壁部39の外側面側)に配置される係止棒部43と、を備えている。
穴本体42は、係止片部54の後述する平板部55と爪部56とを挿通可能に、扁平な略凸形状に開口して形成されている。詳細には、穴本体42は、図6に示すように、平板部55を挿通させる左右方向に略沿って溝状に開口したスリット部42aと、爪部56を挿通させる狭幅部42bと、を有し、狭幅部42bは、スリット部42aと連通されて、スリット部42aから上下の外方に延びるような略半円形状に開口して、形成されている。係止棒部43は、撓み可能な棒状の金属ばね素材から形成されるもので、穴本体42において、爪部56を挿通させる狭幅部42bの前方側となる位置に、軸方向を、左右方向(ケース34の長手方向)に略沿わせるようにして、配置されている(図6参照)。この係止棒部43は、穴本体42の左右両側において、底壁部39の一部に切れ目を入れて部分的に凹ませるようにして、前方に突出して形成される挿通部39a,39aに挿通されるようにして、両端側をこの挿通部39a,39aに支持された状態で、底壁部39の外周面側(前面側)に、隣接して配置されている(図6,7,10参照)。そして、この係止棒部43は、係止片部54の穴本体42への挿入時に、爪部56の外側面56aに沿って中央を上下の外方に突出させるように撓み、リテーナ51の押え部53が、エアバッグ67を介して底壁部39と当接され、係止片部54の穴本体42への挿入が完了すれば、爪部56と底壁部39との間に形成される隙間に進入するように復元されて、爪部56の後端面を係止することとなる(図16参照)。
インフレーター収納部45は、エアバッグ収納部35における底壁部39の一部である中央側の領域を前上側に凹ませるようにして、形成されるもので、インフレーター25の前上側の領域を収納可能に、底壁部39を断面略半円弧状に凹ませて形成されている。実施形態では、インフレーター25を上述したごとく傾斜して保持させるために、インフレーター収納部45は、底壁部39に対して傾斜する傾斜面部46を、備えている。傾斜面部46は、図7,8に示すように、右端46b側を底壁部39から離隔させ、左端46a側を底壁部39に接近させるように、底壁部39(取付座面35b)に対して傾斜して構成されるもので、底壁部39の左右の略中央となる位置に、形成されている。傾斜面部46の左端46a側は、内部に収納させたインフレーター25の本体部26の左端面26fの一部を当接可能に、構成されている(図19参照)。また、インフレーター収納部45において、インフレーター25の接続口部29が配置される右側の領域は、インフレーター25の収納時に接続口部29を露出可能に、切り欠いて構成されている。すなわち、インフレーター収納部45は、右端側の領域に、インフレーター25の接続口部29を露出させて、インフレーター25の収納後に接続口部29にコネクタ31を接続可能とするための開口45aを、配設させている(図6,8参照)。この開口45aの配置される領域は、底壁部39も大きく切り欠かれて構成されている。そして、開口45aの右縁を構成する底壁部39の一部が、インフレーター25の接続口部29周縁の端面(右端面26b)の後縁側部位26eと当接される規制部44を構成している(図6,8参照)。実施形態の場合、インフレーター25は、図20に示すように、本体部26における接続口部29側の端部(右端26a側)の部位を、略全体を開口45aから大きく突出させつつ、右端面26bの後縁側部位26eを、規制部44に当接させるようにして、インフレーター収納部45内に収納されている。また、インフレーター25は、図19に示すように、ガス吐出部28全体を、底壁部39よりも後下方に位置させて、エアバッグ収納部35内に進入させるようにして、インフレーター収納部45内に収納される。
インフレーター収納部45において、傾斜面部46の左端42a側には、傾斜面部46を凹ませるようにして、インフレーター25側(本体部26側)に向かって略台形状に突出し、先端47aを本体部26の外周面26dに当接させてシールするケース側シール部47が、インフレーター25の周方向に沿った全域にわたって形成されている(図5,6,8,19参照)。このケース側シール部47は、本体部26の左端26c近傍となる位置に配置されるもので、インフレーター収納部45の前後両側に配置される底壁部39間の領域において、インフレーター25の周方向に沿った全域にわたって、連続的に形成されている。このケース側シール部47は、インフレーター25の作動時に、ガス吐出口28aから吐出される膨張用ガスの、ケース34(インフレーター収納部45)とインフレーター25の本体部26との間からの抜けを防止するために、配置されている。また、このケース側シール部47は、実施形態の場合、インフレーター25の軸方向に対してわずかに傾斜するように、周壁部36の軸方向に略沿う(底壁部39に対して略直交する)ように形成されるもので、図19に示すように、リテーナ51に形成される後述するリテーナ側シール部61と、周壁部36の軸方向に沿った方向側(前後方向側)で対向する位置に、形成されている。
また、インフレーター収納部45において、傾斜面部46の右端46b側には、インフレーター25の本体部26の外周面26dから突出するように配置される封止ピン27を挿通可能な貫通孔48が、形成されている(図6〜8,20参照)。貫通孔48は、実施形態の場合、前後の略中央となる位置において、略四角形状に開口して、形成されている。そして、実施形態では、この封止ピン27を貫通孔48に挿通させるようにして、インフレーター25をインフレーター収納部45内に収納させることにより、インフレーター25は、軸方向に沿った移動と、周方向に沿った回転移動と、を規制されて、インフレーター収納部45内に収納されることとなる。そのため、インフレーター25のケース34(インフレーター収納部45)に対する位置決めが容易となって、インフレーター24のケース34への組付作業性が良好となる。
さらに、インフレーター収納部45において、傾斜面部46の左端46a側となるケース側シール部47の右側と、右端46b側となる貫通孔48の左側と、の部位には、インフレーター25側(本体部26側)に向かって突出するとともに、先端面49aを本体部26の外周面26dに当接させて、本体部26を支持する支持突起49が、形成されている(図6,8,9,17参照)。支持突起49は、表面を扁平な略半球状に湾曲させて形成されるもので、左右両側においてインフレーター25の周方向に沿った2箇所ずつの、計4個、配設されている。
リテーナ51は、図5,11〜13に示すように、板金製のリテーナ本体52と、リテーナ本体52から突設される固定手段としてのボルト63と、を備えて構成されている。リテーナ本体52は、外形形状を、ケース34におけるエアバッグ収納部35内に収納可能とされるとともに、実施形態の場合、長手方向側(左右方向側)の幅寸法を、底壁部39の長手方向側(左右方向側)の幅寸法の4/5程度として、左右の中心を、底壁部39の左右の中心から右方にずらして、右縁を周壁部36における右側壁(図符号省略)右側の部位に近接させ、左縁を周壁部36における左側壁(図符号省略)から離隔させるようにして、エアバッグ収納部35内に収納される構成である(図3参照)。
リテーナ本体52は、外周縁側に配置される略環状の押え部53と、押え部53の内周側においてインフレーター25の外周面に沿うように湾曲して形成される保持部58と、を備えている。
押え部53は、略平板状として、エアバッグ67の後述するガス流入口69の周縁を、底壁部39との間で挟持するもので、リテーナ本体52の外周縁側に配置されて、略四角環状として、構成されている。押え部53の四隅には、固定手段としてのボルト63が、突設されている。また、押え部53の外周縁側には、突出用開口35a側に向かって突出するリブ53aが、強度保持のために、係止片部54の配置部位を除いた略全周にわたって、配置されている(図5,11,12参照)。
押え部53の上縁側と下縁側とには、押え部53を底壁部39に取り付けるための固定手段としての係止片部54が、ケース34側(前上側)に突出するように、形成されている(図11,12参照)。実施形態の場合、係止片部54は、保持部58に形成される後述する流出用開口59の上下となる位置と、保持部58の左右の略中央の上下となる位置と、の4箇所に、形成されている。各係止片部54は、ケース34の底壁部39に形成される係止穴部41周縁に係止されて、押え部53を底壁部39に取り付ける構成である。
各係止片部54は、係止穴部41の穴本体42に挿入可能とされるもので、左右方向に略沿うとともに前上側に突出するように形成される平板部55と、平板部55の左右の中央側を上下の外方に向かって突出させるように湾曲して形成される爪部56と、を備えて構成されている。爪部56は、平板部55に切れ目を入れて切り起こすようにして形成されるもので、平板部55からの突出量を、後縁側を最も大きくして、前縁にかけて収束させるように、外側面56aを、平板部55に対して傾斜させて構成されている(図13参照)。爪部56は、係止片部54の穴本体42への挿入時に、外側面56aにより、底壁部39の外周面側(前面側)に配置される係止棒部43の中央付近を、上下の外方に押圧して、係止棒部43を撓ませることとなる。また、爪部56は、エアバッグ67のガス流入口69の周縁部位を介在させた状態で押え部53を底壁部39に当接させるように、リテーナ51をケース34に取り付けた状態では、全体を底壁部39の前上側に突出させるように構成されるとともに、底壁部39との間に、復元した係止棒部43を配置可能な隙間を有するように、構成されている。そして、各係止片部54は、リテーナ51のケース34への取付時に、全体をケース34の底壁部39から前上方に突出させるようにして、爪部56の後端面を、復元した係止棒部43に係止させることにより、係止穴部41周縁に係止される構成である(図16参照)。実施形態のエアバッグ装置Sでは、リテーナ51は左右方向に長尺状とされているが、押え部53が、左右の中間部位の上縁側と下縁側の部位とを、この固定手段としての係止片部54を係止穴部41周縁に係止させることにより、底壁部39に取り付けられる構成であることから、左右に長い長尺状であっても、エアバッグ67の展開膨張時に、押え部53が、左右の中央側を底壁部39から浮き上がらせるように変形することを抑制されて、全周にわたって、ガス流入口69の周縁を、底壁部39との間で挟持することができる。
保持部58は、押え部53の内周側において、インフレーター25の外周面に沿って湾曲して配置されるもので、押え部53をボルト63を用いて底壁部39に取り付けることにより、インフレーター収納部45との間で、インフレーター25を保持する部位である。詳細には、保持部58は、押え部53の内周側の領域を、後下側に向かって断面略半六角形状に凹ませるようにして形成される。また、実施形態では、インフレーター25を、上述したごとく傾斜して保持させるために、保持部58は、押え部53に対して傾斜する傾斜面部60を、備えている。傾斜面部60は、図12,13に示すように、左端60a側を押え部53から離隔させ、右端60b側を押え部53に接近させるように、押え部53(底壁部39、すなわち、取付座面35b)に対して傾斜して構成されるもので、インフレーター収納部45に形成される傾斜面部46と前後で略一致して、押え部53の左右の略中央となる位置に、形成されている。
また、保持部58において、ガス吐出部28の突出用開口35a側(後下側)の領域には、ガス吐出口28aから吐出される膨張用ガスGをエアバッグ67内に流出可能な流出用開口59が、前後方向側から見て略長方形状に開口して形成されている(図5,11参照)。この流出用開口59は、インフレーター収納部45内に収納された状態のインフレーター25のガス吐出部28(ガス吐出口28a)に対応した位置(傾斜面部60の左側)に配置され、かつ、エアバッグ67のガス流入口69と連通するように、ガス流入口69と対応した位置に、形成されている(図19参照)。実施形態の場合、この流出用開口59の周縁59aには、傾斜面部60の配設される左縁側を除いて、突出用開口35a側に向かって突出するリブ58aが、連続的に配設されている(図11,13参照)。そして、実施形態では、インフレーター25は、ガス吐出部28全体を底壁部39よりも後下方に位置させつつ、このガス吐出部28の前端面の中心Cを、流出用開口59の周縁59aに配置されるリブ58aの先端よりも後下方に位置させるようにして、インフレーター収納部45内に収納されて、ケース34に取り付けられている(図19参照)。
傾斜面部60において、インフレーター25における本体部26の左端26c近傍となる部位には、図11〜13,19に示すように、インフレーター25側(本体部26側)に向かって略台形状に突出し、先端61aを本体部26の外周面26d側に当接させてシールするリテーナ側シール部61が、インフレーター25の周方向に沿った全域にわたって形成されている。このリテーナ側シール部61は、傾斜面部60の前後両側に配置される押え部53間の領域において、インフレーター25の周方向に沿った全域にわたって、連続的に形成されている。リテーナ側シール部61は、傾斜面部60の左端近傍となる一部を、凹ませて形成されるもので、インフレーター25の作動時に、ガス吐出口28aから吐出される膨張用ガスの、エアバッグ67とインフレーター25の本体部26との間からの抜けを防止するために、配置されている。
このリテーナ側シール部61は、上述したごとく、ケース34のインフレーター収納部45に形成されるケース側シール部47と、周壁部36の軸方向に沿った方向側(前後方向側)で対向する位置に、形成されるもので、ケース側シール部47と同様に、インフレーター25の軸方向に対してわずかに傾斜するように、周壁部36の軸方向に略沿う(押え部53に対して略直交する)ように形成されている(図19参照)。すなわち、実施形態のエアバッグ装置Sでは、インフレーター25は、ガス吐出部28近傍となる本体部26の左端26c近傍の領域の外周側を、軸方向に対してわずかに傾斜しているが、周方向の略全域にわたって、ケース側シール部47とリテーナ側シール部61とによりシールされることとなり、作動時に、膨張用ガスがケース34外に漏れることを極力防止できる。なお、実施形態の場合、リテーナ側シール部61と本体部26との間には、図19に示すように、エアバッグ67のガス流入口69の周縁部位(右縁側の部位)が、介在されている。
また、傾斜面部60において、左右の中央よりもやや左方となる位置には、傾斜面部60を部分的に凹ませるようにして、インフレーター収納部45側(インフレーター25側)に突出させる変形当接部62が、形成されている。実施形態の場合、変形当接部62は、図11に示すように、傾斜面部60を切り欠くように、左右方向に略沿って形成されるとともに上下で並設される2本のスリット間の部位から構成され、このスリット間の部位を、インフレーター収納部45側に突出させるように扁平な台形状に凹ませて、形成されている(図13参照)。そして、変形当接部62は、先端側に、インフレーター25の本体部26の外周面26dに当接される押え面62aを、有している。また、実施形態の場合、変形当接部62は、ケース34にリテーナ51を取り付けた状態で、ケース34を周壁部36の軸方向に沿った後方側から見た投影状態において、インフレーター収納部45の傾斜面部46に形成される4つの支持突起49の略中央(上下左右の略中央)となる位置に、配置されている(図6の二点鎖線参照)。この変形当接部62は、ケース34の底壁部39から突出させたボルト63にナット64を締結させる際に、押え面62aをインフレーター25における本体部26の外周面26dに当接された状態で、押え面62aの左右両側の部位を撓ませるようにして、本体部26の外周面26dに圧接されることとなる(図18参照)。そして、実施形態のエアバッグ装置Sでは、この変形当接部62を、インフレーター収納部45に形成される4つの支持突起49の略中央となる位置に配設させていることから、各支持突起49により、変形当接部62に押圧されるインフレーター25の本体部26を受け止めることができて、変形当接部62を本体部26の外周面26dに強固に圧接させることができ、支持突起49と変形当接部62とによって、インフレーター25を強固に保持させることができる。
そして、実施形態のエアバッグ装置Sでは、ボルト63と係止片部54とを外部に突出させるようにして、リテーナ本体52をエアバッグ67の内部に収納させた状態のリテーナ51を、エアバッグ67とともに、インフレーター収納部45内にインフレーター25を収納させた状態のケース34のエアバッグ収納部35内に、挿入させて、係止片部54を係止穴部41周縁に係止させ、挿通孔40にボルト63を挿通させるようにして、リテーナ本体52を底壁部39上に載せる。そして、底壁部39から突出するボルト63にナット64を締結させることにより、エアバッグ67とインフレーター25とをケース34に取り付けている。また、実施形態のエアバッグ装置Sでは、このリテーナ51のボルト63を利用して、ケース34を車両のボディ1側に取り付ける別体のブラケット80を、共止めしている(図3参照)。このブラケット80は、図4に示すように、ボディ1側のインパネリインフォースメント2から延びるブラケット3,3に連結される構成である。
エアバッグ67は、実施形態の場合、可撓性を有したポリエステルやポリアミド糸等からなる織布から形成されるもので、膨張完了時の形状を、図1,4の二点鎖線に示すように、略長方形板状として、運転者Dの左右の膝K(KL,KR)を保護可能に構成されている。実施形態の場合、エアバッグ67は、図14,15に示すように、膨張完了時に乗員側(運転者D側)に配置される乗員側壁部67aと、車体側に配置される車体側壁部67bと、の周縁相互を結合させて袋状に構成されるもので、前端側の部位であって膨張完了時にケース34のエアバッグ収納部35内に配置される取付部68と、取付部68より左右に幅広とされて膨張完了時に運転者Dの膝K(KL,KR)を保護する保護膨張部74と、を備えて構成されている。
車体側壁部67bにおける取付部68の領域には、図14に示すように、略長方形状に開口したガス流入口69と、4つの挿通孔70と、4つの挿通孔71と、1つの貫通孔72と、が、形成されている。ガス流入口69は、リテーナ51における流出用開口59と対応した位置に配置されるもので、インフレーター25のガス吐出口28aから吐出される膨張用ガスを、エアバッグ67の内部に流入させるための部位である。4つの挿通孔70は、リテーナ51の各ボルト63を挿通させるためのものである。4つの挿通孔71は、リテーナ51の各係止片部54を挿通させるためのものであり、左右方向に略沿って形成されるスリット状とされている。1つの貫通孔72は、リテーナ51の傾斜面部60に形成される変形当接部62を挿通させて、変形当接部62を、インフレーター25の本体部26の外周面26dに直接当接させるためのものである。そして、実施形態のエアバッグ67は、取付部68の領域における車体側壁部67bにおいて、ガス流入口69の外周側であって、挿通孔70を含んだ略四角環状の領域を、ケース34の底壁部39と、リテーナ51の押え部53との間に挟持させるようにして、底壁部39に取り付けられている。また、車体側壁部67bにおいて、ガス流入口69を含めた上記略四角環状の領域の内側の部位は、インフレーター25の本体部26と、リテーナ51の保持部58との間に介在されることから、エアバッグ67のガス流入口69は、リテーナ51の押え部53と保持部58(傾斜面部60)とに略沿って屈曲されるようにして、ケース34の底壁部39に取り付けられることとなる(図19参照)。そのため、インフレーター25のガス吐出部28は、全域にわたって、エアバッグ67のガス流入口69の開口面よりも後下側に突出させるように配置されることとなり(図19参照)、換言すれば、インフレーター25は、ガス吐出部28を、全域にわたって、エアバッグ67内に挿入された状態で、ケース34に取り付けられることとなる。
実施形態のエアバッグ67では、エアバッグ67内に、車体側壁部67bと乗員側壁部67aとを連結する2つのテザー76,77が、上下で離隔されて、それぞれ、左右方向に略沿うように、配設されている(図15参照)。下側に配置されるテザー76は、取付部68と保護膨張部74とを区画するに配置され、上側に配置されるテザー77は、保護膨張部74の領域を上下で区画するように配置されている。また、実施形態の場合、各テザー76,77は、図15に示すように、車体側壁部67bとの結合部位を、乗員側壁部67aとの結合部位よりも前方側(取付部68側)に位置させるように、傾斜して配置されている。これらのテザー76,77は、エアバッグ67の膨張完了時に、図1の二点鎖線に示すように、略前後方向に沿って、配置されることとなる。
次に、実施形態のエアバッグ装置Sの車両への搭載について説明をする。まず、ガス流入口69から、リテーナ51をエアバッグ67内に挿入して、ボルト63を挿通孔70から突出させるとともに、係止片部54を挿通孔71から突出させるようにして、リテーナ本体52をエアバッグ67内に収納させた後、エアバッグ67を、ケース34のエアバッグ収納部35内に収納可能な大きさに折り畳み、折り崩れ防止用の破断可能な図示しないラッピング材により、周囲をくるんでおく。このとき、ボルト63と係止片部54とはラッピング材から突出させ、ガス流入口69と貫通孔72とはラッピング材から露出させておく。次いで、インフレーター25を、突出用開口35aからケース34の内部に挿入させ、本体部26から突出している封止ピン27を貫通孔48に挿入させるようにして、インフレーター25を、軸方向を底壁部39に対して傾斜させた状態で、ケース34のインフレーター収納部45内に収納させる。その後、折り畳まれたエアバッグ67を、突出用開口35aからエアバッグ収納部35内に挿入させ、係止片部54を底壁部39に形成される係止穴部41周縁に係止させ、ボルト63を挿通孔40に挿通させるようにして、エアバッグ収納部35内に収納させ、底壁部39から突出しているボルト63に、図示しないスプリングワッシャを嵌めておく。
次いで、各係止爪37a,38aを係止穴20a,21a周縁に係止させるようにして、エアバッグカバー15をケース34に組み付け、ブラケット80,80にボルト63を挿通させて、各ボルト63にナット64を締結させれば、エアバッグ組付体を組み立てることができる。このボルト63へのナット64の締結時に、リテーナ51がケース34に連結されることとなって、インフレーター25とエアバッグ67とをケース34に取り付けることができる。詳細には、実施形態のエアバッグ装置Sでは、ボルト63にナット64を締結させる際に、リテーナ本体52に形成される変形当接部62が、左右両縁側の部位を撓ませつつ、先端側の押え面62aを、インフレーター25における本体部26の外周面26dに圧接されることとなり、インフレーター25は、本体部26を、変形当接部62と、インフレーター収納部45に形成される支持突起49と、によって挟持されるようにして、ガス吐出部28を底壁部39から突出させるように、底壁部39に対して傾斜された状態で、ケース34に取り付けられることとなる。
そして、エアバッグ組付体のブラケット80,80を、ブラケット3を利用して、ボディ1側のインパネリインフォースメント2に取付固定し、ケース34のインフレーター収納部45から露出しているインフレーター25の接続口部29に、エアバッグ作動回路から延びるリード線32を結線させたコネクタ31を接続させる。その後、インパネ11やアンダーカバー12(図1,2参照)を取り付ければ、エアバッグ装置Sを車両に搭載することができる。
エアバッグ装置Sの車両への搭載後、リード線32を経て、インフレーター25に作動信号が入力されれば、インフレーター25のガス吐出口28aから膨張用ガスが吐出されて、エアバッグ67内に流入することとなる。そして、エアバッグ67は、内部に膨張用ガスを流入させて膨張し、図示しないラッピング材を破断するとともに、エアバッグカバー15の扉部17を押圧し、扉部17が、周囲の破断予定部18を破断させつつ、ヒンジ部19を回転中心として下方に開くこととなる。そして、エアバッグ67が、ケース34の突出用開口35aから車両後方側に向かって突出し、図1,4の二点鎖線に示すように、膨張を完了させることとなる。
そして、実施形態のエアバッグ装置Sでは、ケース34の底壁部39に、インフレーター25の接続口部29周縁の端面(右端面26bの後縁側部位26e)と当接可能な規制部44を形成しており、この規制部44により、インフレーター25のインフレーター収納部45からの抜けを防止させる構成である(図20参照)。そのため、インフレーター25が、作動時に、接続口部29側の端部である、右端26aを先頭として、インフレーター収納部45の開口45aを経てインフレーター収納部45からケース34外へ抜けるように、軸方向に沿って移動しようとしても、規制部44によって、インフレーター25における接続口部29周縁の端面(右端面26bの後縁側部位26e)を、押えることができる。その結果、実施形態のエアバッグ装置Sでは、インフレーター25の移動を抑制する規制部44を、インフレーター25を収納させるケース34の底壁部39に、形成していることから、従来の抜け防止部材を使用している膝保護用エアバッグ装置と比較して、部品点数を低減できて、構成を簡便にすることができる。
したがって、実施形態のエアバッグ装置Sでは、簡便な構成で、作動時のインフレーター25を安定して保持することができる。
勿論、実施形態のエアバッグ装置Sにおいても、予めリテーナ51のみを内部に挿入させた状態で、エアバッグ67を折り畳み、折り畳まれたエアバッグ67を、インフレーター収納部45内にインフレーター25を収納させた状態のケース34のエアバッグ収納部35内に収納させて、固定手段としてのボルト63と係止片部45とを用いてリテーナ51をエアバッグ収納部35の底壁部39に取り付けることにより、インフレーター25とエアバッグ67とをケース34に取り付ける構成である。そのため、エアバッグ67の折畳作業と、エアバッグ67とインフレーター25とのケース34への取付作業と、を別の場所で行なうことができ、実施形態のエアバッグ装置Sにおいても、インフレーター取扱用の設備を備えていない場所でも、エアバッグ67の折畳作業を行なうことができ、また、折り畳まれたエアバッグ67の運搬も容易であることから、エアバッグ装置Sの製造工程の自由度を低減させない。
また、実施形態のエアバッグ装置Sでは、インフレーター25が、ケース34の底壁部39を凹ませて形成されるインフレーター収納部45に収納される構成であるものの、図19に示すように、ガス吐出口28aを、エアバッグ67のガス流入口69の周縁を取り付けるケース34の取付座面35bよりもエアバッグ収納部35側に位置させるように、傾斜された状態でケース34に収納される構成である。すなわち、実施形態のエアバッグ装置Sでは、インフレーター25は、実質的には、ガス吐出口28aの全域を、ガス流入口69の内部に挿入させるようにして配置されることとなり、作動時に、ガス吐出口28aから吐出される膨張用ガスを、迅速にエアバッグ67内に流入させることができて、エアバッグ67を迅速に膨張させることができる。また、実施形態のエアバッグ装置Sでは、コネクタ31を接続させるインフレーター25における本体部26の右端26a側の領域も、略全体を底壁部39から前上側に突出させるようにして、接続口部29が、インフレーター収納部45の開口45aから露出されていることから、エアバッグ組付体をボディ1側に取り付けた後のコネクタ31の接続口部29への接続作業も容易となる。
なお、実施形態では、インフレーター収納部45からのインフレーター25の抜けを規制する規制部44を、ケース34の底壁部39から構成しているが、接続口部へのコネクタの接続作業に支障がなければ、規制部を、リテーナ側に設けてもよい。
15…エアバッグカバー、25…インフレーター、26…本体部、28…ガス吐出部、28a…ガス吐出口、29…接続口部、31…コネクタ、32…リード線、34…ケース、35…エアバッグ収納部、35a…突出用開口、35b…取付座面、36…周壁部、39…底壁部、44…規制部、45…インフレーター収納部、46…傾斜面部、51…リテーナ、53…押え部、54…係止片部(固定手段)、58…保持部、60…傾斜面部、63…ボルト(固定手段)、67…エアバッグ、69…ガス流入口、D…運転者(乗員)、K(KL,KR)…膝、S…膝保護用エアバッグ装置。

Claims (1)

  1. 座席に着座した乗員の前方に配置されるとともに、
    内部に膨張用ガスを流入させて前記乗員の膝を保護可能に膨張するエアバッグと、該エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、前記エアバッグと前記インフレーターとを内部に収納させるケースと、を備える膝保護用エアバッグ装置であって、
    前記ケースが、略四角筒形状の周壁部と、該周壁部の一端側を閉塞するような底壁部と、を有して、前記エアバッグを突出させるための突出用開口を有した略箱形状とされて、
    折り畳まれた前記エアバッグを収納するエアバッグ収納部と、
    該エアバッグ収納部における前記底壁部の一部を、前記インフレーターを収納可能に凹ませて形成されるインフレーター収納部と、
    を備える構成とされて、
    前記インフレーターが、外形形状を略円柱状とされるとともに、軸方向に沿った一端側に、前記膨張用ガスを吐出可能なガス吐出口を配置させ、軸方向に沿った他端側に、エアバッグ作動回路から延びるリード線を結線させたコネクタを接続させる接続口部を配置させる構成とされ、
    前記インフレーター収納部が、内部に前記インフレーターを収納させた後に前記接続口部に前記コネクタを接続可能に、前記接続口部側を露出可能な開口を備える構成とされ、
    前記エアバッグと前記インフレーターとが、前記エアバッグ内に収納されて、前記エアバッグ内に膨張用ガスを供給させるガス流入口の周縁を押えるリテーナを、固定手段を用いて、前記底壁部に取り付けることにより、前記ケースに取り付けられる構成とされて、
    前記リテーナが、
    外周縁側に配置されて略平板状とされるとともに、前記固定手段を用いて前記底壁部の取付座面に取り付けられることにより、前記ガス流入口の周縁を、前記底壁部との間で挟持する構成の略環状の押え部と、
    該押え部の内周側において、前記インフレーターの外周面に沿って湾曲して配置されて、前記固定手段を用いて前記底壁部に取り付けられることにより、前記インフレーター収納部との間で、前記インフレーターを保持する保持部と、
    を備える構成とされ、
    前記インフレーター収納部と前記保持部とが、前記ガス吐出口を、前記取付座面よりも前記エアバッグ収納部側に位置させ、かつ、前記接続口部側を前記開口から露出させるように、前記インフレーターを傾斜させて保持可能に、傾斜面部を有して構成され、
    前記底壁部若しくは前記リテーナに、前記インフレーターの前記接続口部周縁の端面と当接可能として、前記インフレーターの前記インフレーター収納部からの抜けを防止可能な規制部が、形成されていることを特徴とする膝保護用エアバッグ装置。
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