JP2014068605A - ホイップ用クリームの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】風味および保形性に優れたホイップ用クリームの製造方法の提供。
【解決手段】平均脂肪球径がそれぞれ異なる複数の原料クリームを混合してホイップ用クリームを製造する方法であって、前記複数の原料クリームの油脂源がそれぞれ、原料乳から乳脂肪分以外の成分を除去したクリームであり、前記複数の原料クリームの平均脂肪球径がそれぞれ2μm以上4μm以下の範囲内であり、前記複数の原料クリームのうち、平均脂肪球径が最も大きい第一原料クリームの平均脂肪球径x1と、平均脂肪球径が最も小さい第二原料クリームの平均脂肪球径x2との差が0.4μm以上であり、前記複数の原料クリームの総量のうち、前記第一原料クリームの割合が25質量%以上、前記第二原料クリームの割合が12.5質量%以上である、ホイップ用クリームの製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】平均脂肪球径がそれぞれ異なる複数の原料クリームを混合してホイップ用クリームを製造する方法であって、前記複数の原料クリームの油脂源がそれぞれ、原料乳から乳脂肪分以外の成分を除去したクリームであり、前記複数の原料クリームの平均脂肪球径がそれぞれ2μm以上4μm以下の範囲内であり、前記複数の原料クリームのうち、平均脂肪球径が最も大きい第一原料クリームの平均脂肪球径x1と、平均脂肪球径が最も小さい第二原料クリームの平均脂肪球径x2との差が0.4μm以上であり、前記複数の原料クリームの総量のうち、前記第一原料クリームの割合が25質量%以上、前記第二原料クリームの割合が12.5質量%以上である、ホイップ用クリームの製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、ホイップ用クリームの製造方法に関する。
クリームとは、成分規格上、乳脂肪含量が18%以上のものを指す。クリームとしては、乳等省令(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)で規定されるクリーム、つまり「生乳、牛乳、又は特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したもの」であるクリーム(以下、フレッシュクリームともいう。)と、乳脂肪分以外の成分(植物性油脂、タンパク質、各種添加剤(乳化剤、安定剤、香料等)等)を含んでおり、「乳または乳製品を主要原料とする食品」と表示されるクリーム(以下、乳主原クリームともいう。)とが代表的である。乳主原クリームには、油脂分として乳脂肪のみを含む純乳脂タイプ、油脂分として乳脂肪と植物性油脂とを含む混合タイプ(いわゆるコンパウンドクリーム)、油脂分として植物性油脂のみを含む純植物性油脂タイプがある。
ホイップしたクリームは、製菓用途、調理用途、ウインナコーヒーなど、種々の用途に用いられている。
ホイップ用クリームに要求される物性として、「ホイップ性」(ホイップしやすさ)はもちろん、「保形性」(ホイップしたものを所望の形状に造形した後にその形状を維持できること。「保型性」と記載されることもある。)がある。また、ホイップしたクリームは直接食されることが多いため、風味が良いことも要求される。
フレッシュクリームは、一般的に、風味が良好であるが、保存安定性やハンドリング性が良好とはいえず、取り扱いが難しいとされている。一方、純植物性油脂タイプの乳主原クリームは、保存安定性やハンドリング性に優れ、また、植物性油脂や乳化剤、安定剤等の材料の選択の幅が広く、それによって調整できる物性の幅が広い利点があるが、風味に劣る。そのため、ホイップ用クリームとしては、乳脂肪を含み、かつ材料の選択の幅が広いコンパウンドクリームが主流となっている。
コンパウンドクリームの風味をさらに向上させる手法についても検討されている。たとえば特許文献1には、植物脂を主成分とする油脂の油滴を含む水中油型乳化物と、乳脂を主成分とする油脂の油滴であって、その油滴の耐破壊強度が、上記の植物脂の油滴の耐破壊強度に比較して低い油滴を含む水中油型乳化物とを混合してなるホイップクリーム用水中油型乳化物が提案されている。
ホイップ用クリームに要求される物性として、「ホイップ性」(ホイップしやすさ)はもちろん、「保形性」(ホイップしたものを所望の形状に造形した後にその形状を維持できること。「保型性」と記載されることもある。)がある。また、ホイップしたクリームは直接食されることが多いため、風味が良いことも要求される。
フレッシュクリームは、一般的に、風味が良好であるが、保存安定性やハンドリング性が良好とはいえず、取り扱いが難しいとされている。一方、純植物性油脂タイプの乳主原クリームは、保存安定性やハンドリング性に優れ、また、植物性油脂や乳化剤、安定剤等の材料の選択の幅が広く、それによって調整できる物性の幅が広い利点があるが、風味に劣る。そのため、ホイップ用クリームとしては、乳脂肪を含み、かつ材料の選択の幅が広いコンパウンドクリームが主流となっている。
コンパウンドクリームの風味をさらに向上させる手法についても検討されている。たとえば特許文献1には、植物脂を主成分とする油脂の油滴を含む水中油型乳化物と、乳脂を主成分とする油脂の油滴であって、その油滴の耐破壊強度が、上記の植物脂の油滴の耐破壊強度に比較して低い油滴を含む水中油型乳化物とを混合してなるホイップクリーム用水中油型乳化物が提案されている。
しかし、コンパウンドクリームは、特許文献1に記載の方法で得られるものであっても、植物性油脂の乳化に(乳脂肪源としてバターを用いる場合はその乳化にも)乳化剤や安定剤が必要で、フレッシュクリームよりも風味が劣る。
なお、洋菓子店などでは、ハンドリング性の向上、味の調整、コストの低減等のために、フレッシュクリームにコンパウンドクリームを混合することがある。しかし、混合後の保形性が、使用したコンパウンドクリームよりも(場合によってはフレッシュクリームよりも)悪くなることから、固めにホイップする、糖類やゼラチンを添加して保形性を付与する、といった対策がとられている。しかし、固めにホイップすると、口どけの悪化、成型したときの表面の肌荒れなどの問題が起き、商品価値が低下する。また、糖類等の添加はホイップクリームの味や食感を変えてしまう。
なお、洋菓子店などでは、ハンドリング性の向上、味の調整、コストの低減等のために、フレッシュクリームにコンパウンドクリームを混合することがある。しかし、混合後の保形性が、使用したコンパウンドクリームよりも(場合によってはフレッシュクリームよりも)悪くなることから、固めにホイップする、糖類やゼラチンを添加して保形性を付与する、といった対策がとられている。しかし、固めにホイップすると、口どけの悪化、成型したときの表面の肌荒れなどの問題が起き、商品価値が低下する。また、糖類等の添加はホイップクリームの味や食感を変えてしまう。
一方、クリームの保存安定性を高める方法としては、乳化剤や安定剤を添加する方法のほかに、脂肪球の球径を小さくする方法も知られている。脂肪球の球径が小さいほど、乳化安定性が高まり、保存時のクリーミング等の問題が生じにくくなる。しかし、脂肪球の球径を小さくすると風味が低下する問題がある。
このような問題に対し、たとえば特許文献2には、極めて安定で乳製品様の風味を持つ乳化脂肪の製造方法として、脂肪、炭水化物、蛋白質、安定剤、乳化剤、必要に応じて香料の添加、及び水から構成された混合物を高圧で均質化した小さな脂肪球径を有する乳化液Aと、前記混合物と同じまたは同じ様な成分で構成された混合物を低圧で均質化した大きな脂肪球径を有する乳化液Bをそれぞれ任意の割合で混合する方法が提案されている。脂肪としては植物性油脂やバターが使用されている。
しかし、特許文献2に記載の方法で得られるクリームは、乳化安定性が高いため、ホイップ性が低く、ホイップ用クリームとしては適していない。
このような問題に対し、たとえば特許文献2には、極めて安定で乳製品様の風味を持つ乳化脂肪の製造方法として、脂肪、炭水化物、蛋白質、安定剤、乳化剤、必要に応じて香料の添加、及び水から構成された混合物を高圧で均質化した小さな脂肪球径を有する乳化液Aと、前記混合物と同じまたは同じ様な成分で構成された混合物を低圧で均質化した大きな脂肪球径を有する乳化液Bをそれぞれ任意の割合で混合する方法が提案されている。脂肪としては植物性油脂やバターが使用されている。
しかし、特許文献2に記載の方法で得られるクリームは、乳化安定性が高いため、ホイップ性が低く、ホイップ用クリームとしては適していない。
風味の点では、乳化剤や安定剤を用いずにクリームを調製することが望ましい。たとえば油脂源としてフレッシュクリームを用いれば、乳脂肪がすでに乳化した状態で存在しているため、油脂源として植物性油脂やバターを用いる場合とは異なり、油脂の乳化のために乳化剤や安定剤を用いる必要はない。
しかし、油脂源としてフレッシュクリームを用い、乳化剤や安定剤を用いずにクリームを調製する場合、保形性を大きく高めることは難しい。たとえば植物性油脂を含むクリームを調製する場合、植物性油脂、乳化剤、安定剤等の材料の選択の幅が広く、調整し得る脂肪球径の幅も広いため、調整し得る物性の幅が広く、保形性の向上も容易である。しかし、油脂源としてフレッシュクリームを用い、乳化剤や安定剤を用いずにクリームを調製する場合、材料の選択の幅が狭く、また、脂肪球の球径を極端に(たとえば2μm未満に)小さくすることは難しいため、調整し得る物性の幅が狭く、保形性を大きく向上させることは難しい。
したがって、油脂源としてフレッシュクリームを用いて、乳化剤や安定剤を用いなくても、保形性を向上させ得る新たな技術が求められる。
しかし、油脂源としてフレッシュクリームを用い、乳化剤や安定剤を用いずにクリームを調製する場合、保形性を大きく高めることは難しい。たとえば植物性油脂を含むクリームを調製する場合、植物性油脂、乳化剤、安定剤等の材料の選択の幅が広く、調整し得る脂肪球径の幅も広いため、調整し得る物性の幅が広く、保形性の向上も容易である。しかし、油脂源としてフレッシュクリームを用い、乳化剤や安定剤を用いずにクリームを調製する場合、材料の選択の幅が狭く、また、脂肪球の球径を極端に(たとえば2μm未満に)小さくすることは難しいため、調整し得る物性の幅が狭く、保形性を大きく向上させることは難しい。
したがって、油脂源としてフレッシュクリームを用いて、乳化剤や安定剤を用いなくても、保形性を向上させ得る新たな技術が求められる。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、風味および保形性に優れたホイップ用クリームの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]平均脂肪球径がそれぞれ異なる複数の原料クリームを混合してホイップ用クリームを製造する方法であって、
前記複数の原料クリームの油脂源がそれぞれ、原料乳から乳脂肪分以外の成分を除去したクリームであり、
前記複数の原料クリームの平均脂肪球径がそれぞれ2μm以上4μm以下の範囲内であり、
前記複数の原料クリームのうち、平均脂肪球径が最も大きい第一原料クリームの平均脂肪球径x1と、平均脂肪球径が最も小さい第二原料クリームの平均脂肪球径x2との差が0.4μm以上であり、
前記複数の原料クリームの総量のうち、前記第一原料クリームの割合が25質量%以上、前記第二原料クリームの割合が12.5質量%以上である、ホイップ用クリームの製造方法。
[2]前記第一原料クリームの乳脂肪含量と、前記第二原料クリームの乳脂肪含量との差が32質量%以下である、[1]に記載のホイップ用クリームの製造方法。
[3]前記複数の原料クリームが、1つの原料クリームを複数に分ける工程と、複数に分けた原料クリームをそれぞれ異なる圧力で均質化する工程とを経て調製されたものである、[1]または[2]に記載のホイップ用クリームの製造方法。
[1]平均脂肪球径がそれぞれ異なる複数の原料クリームを混合してホイップ用クリームを製造する方法であって、
前記複数の原料クリームの油脂源がそれぞれ、原料乳から乳脂肪分以外の成分を除去したクリームであり、
前記複数の原料クリームの平均脂肪球径がそれぞれ2μm以上4μm以下の範囲内であり、
前記複数の原料クリームのうち、平均脂肪球径が最も大きい第一原料クリームの平均脂肪球径x1と、平均脂肪球径が最も小さい第二原料クリームの平均脂肪球径x2との差が0.4μm以上であり、
前記複数の原料クリームの総量のうち、前記第一原料クリームの割合が25質量%以上、前記第二原料クリームの割合が12.5質量%以上である、ホイップ用クリームの製造方法。
[2]前記第一原料クリームの乳脂肪含量と、前記第二原料クリームの乳脂肪含量との差が32質量%以下である、[1]に記載のホイップ用クリームの製造方法。
[3]前記複数の原料クリームが、1つの原料クリームを複数に分ける工程と、複数に分けた原料クリームをそれぞれ異なる圧力で均質化する工程とを経て調製されたものである、[1]または[2]に記載のホイップ用クリームの製造方法。
本発明によれば、風味および保形性に優れたホイップ用クリームの製造方法を提供できる。
本発明のホイップ用クリームの製造方法では、平均脂肪球径がそれぞれ異なる複数の原料クリームを混合してホイップ用クリームを製造する。
本発明においては、前記複数の原料クリームの油脂源がそれぞれ、原料乳から乳脂肪分以外の成分を除去したクリームであり、
前記複数の原料クリームの平均脂肪球径がそれぞれ2μm以上4μm以下の範囲内であり、
前記複数の原料クリームのうち、平均脂肪球径が最も大きい第一原料クリームの平均脂肪球径x1と、平均脂肪球径が最も小さい第二原料クリームの平均脂肪球径x2との差が0.4μm以上であり、
前記複数の原料クリームの総量のうち、前記第一原料クリームの割合が25質量%以上、前記第二原料クリームの割合が12.5質量%以上である。
上記のうち、第一原料クリームは主に風味の向上に寄与する。この第一原料クリームを、複数の原料クリームの総量のうち25質量%以上の割合で用いるとともに、第二原料クリームを、複数の原料クリームの総量のうち12.5質量%以上の割合で配合することで、第一原料クリームの風味を損なうことなく、それらの配合比率から予測される効果以上に保形性を高めることができる。
本発明においては、前記複数の原料クリームの油脂源がそれぞれ、原料乳から乳脂肪分以外の成分を除去したクリームであり、
前記複数の原料クリームの平均脂肪球径がそれぞれ2μm以上4μm以下の範囲内であり、
前記複数の原料クリームのうち、平均脂肪球径が最も大きい第一原料クリームの平均脂肪球径x1と、平均脂肪球径が最も小さい第二原料クリームの平均脂肪球径x2との差が0.4μm以上であり、
前記複数の原料クリームの総量のうち、前記第一原料クリームの割合が25質量%以上、前記第二原料クリームの割合が12.5質量%以上である。
上記のうち、第一原料クリームは主に風味の向上に寄与する。この第一原料クリームを、複数の原料クリームの総量のうち25質量%以上の割合で用いるとともに、第二原料クリームを、複数の原料クリームの総量のうち12.5質量%以上の割合で配合することで、第一原料クリームの風味を損なうことなく、それらの配合比率から予測される効果以上に保形性を高めることができる。
[原料クリーム]
本発明の製造方法で用いる複数の原料クリームは、いずれも、油脂源が、原料乳から乳脂肪分以外の成分を除去したクリーム(以下、フレッシュクリームともいう。)である。
フレッシュクリームとしては、乳等省令で規定されるクリーム、つまり「生乳、牛乳、又は特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したもの」であるクリームを用いることができる。
油脂源がフレッシュクリームであるとは、油脂または油脂を含む材料として、フレッシュクリームのみを用い、他のもの(たとえば植物油脂、バター、それらの乳化物等)を用いないことを示す。
フレッシュクリームを油脂源とすることから、原料クリームに含まれる脂肪球は、フレッシュクリーム中に存在する脂肪球と同じか、該脂肪球を均質化等により小球径化したものである。
本発明の製造方法で用いる複数の原料クリームは、いずれも、油脂源が、原料乳から乳脂肪分以外の成分を除去したクリーム(以下、フレッシュクリームともいう。)である。
フレッシュクリームとしては、乳等省令で規定されるクリーム、つまり「生乳、牛乳、又は特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したもの」であるクリームを用いることができる。
油脂源がフレッシュクリームであるとは、油脂または油脂を含む材料として、フレッシュクリームのみを用い、他のもの(たとえば植物油脂、バター、それらの乳化物等)を用いないことを示す。
フレッシュクリームを油脂源とすることから、原料クリームに含まれる脂肪球は、フレッシュクリーム中に存在する脂肪球と同じか、該脂肪球を均質化等により小球径化したものである。
本発明の製造方法で用いる複数の原料クリームは、それぞれの原料クリームに含まれる脂肪球の平均脂肪球径が異なるが、いずれの原料クリームの平均脂肪球径も、2μm以上4μm以下の範囲内である。平均脂肪球径が2μm以上であると、得られるホイップ用クリームの風味、ホイップ性が良好で、原料クリームの調製も容易である。一方、フレッシュクリームの平均脂肪球径は通常4μm以下であり、平均脂肪球径が4μmを超える原料クリームの調製は困難である。
本発明において、平均脂肪球径は、レーザー回折・散乱法により測定される粒度分布の算術平均径を示す。算術平均径は、以下の式により求められる。
算術平均径=Σ{q(J)×X(J)}/Σ{q(J)}
ただし、J:粒子径分割番号
q(J):頻度分布値(%)
X(J):J番目の粒子径範囲の代表径(μm)
なお、該粒度分布は、市販のレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(たとえばHORIBA社製、Partica LA−950V2等)を使用して測定することができる。
算術平均径=Σ{q(J)×X(J)}/Σ{q(J)}
ただし、J:粒子径分割番号
q(J):頻度分布値(%)
X(J):J番目の粒子径範囲の代表径(μm)
なお、該粒度分布は、市販のレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(たとえばHORIBA社製、Partica LA−950V2等)を使用して測定することができる。
クリームとは、成分規格上、乳脂肪含量が18%以上のものを指し、複数の原料クリームそれぞれの乳脂肪含量も18%以上である。
最終的に得られるホイップ用クリームの好ましい乳脂肪含量が35〜50質量%(より好ましくは40〜50質量%)であることから、複数の原料クリームそれぞれの乳脂肪含量も、原料クリームの全量(100質量%)に対し、18〜50質量%が好ましく、30〜50質量%がより好ましい。
最終的に得られるホイップ用クリームの好ましい乳脂肪含量が35〜50質量%(より好ましくは40〜50質量%)であることから、複数の原料クリームそれぞれの乳脂肪含量も、原料クリームの全量(100質量%)に対し、18〜50質量%が好ましく、30〜50質量%がより好ましい。
原料クリームは、乳脂肪以外の他の成分を含有してもよい。
該他の成分としては、ホイップ用クリームに配合し得る成分として公知のものを用いてよく、たとえば、タンパク質、炭水化物、香料等が挙げられる。
タンパク質としては、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、ホエイ蛋白質、ホエイ蛋白質濃縮物、ホエイ蛋白質分離物、乳蛋白質濃縮物等の乳タンパク質、又は大豆蛋白質等が挙げられる。
炭水化物としては、たとえば、乳糖、蔗糖等の糖類が挙げられる。
該他の成分としては、ホイップ用クリームに配合し得る成分として公知のものを用いてよく、たとえば、タンパク質、炭水化物、香料等が挙げられる。
タンパク質としては、カゼインナトリウム、カゼインカリウム、ホエイ蛋白質、ホエイ蛋白質濃縮物、ホエイ蛋白質分離物、乳蛋白質濃縮物等の乳タンパク質、又は大豆蛋白質等が挙げられる。
炭水化物としては、たとえば、乳糖、蔗糖等の糖類が挙げられる。
原料クリーム、特に後述する第二原料クリームは、タンパク質を含むことが好ましい。原料クリームがタンパク質を含むと、これを含まない場合比べて、平均脂肪球径を小さくしやすい。
原料クリームにタンパク質を配合する場合、タンパク質の配合量は、当該原料クリームの全量(100質量%)に対し、0.05〜1質量%が好ましく、0.1〜0.5質量%が特に好ましい。
原料クリームにタンパク質を配合する場合、タンパク質の配合量は、当該原料クリームの全量(100質量%)に対し、0.05〜1質量%が好ましく、0.1〜0.5質量%が特に好ましい。
原料クリームとしては、フレッシュクリームを用いてもよく、フレッシュクリームに他の成分を配合した乳主原クリームを用いてもよい。
原料クリームとしては、フレッシュクリームか、またはフレッシュクリームにタンパク質を配合した乳主原クリームが好ましい。該乳主原クリームは、さらに、糖類等の炭水化物、香料等を含有してもよい。
原料クリームとしては、フレッシュクリームか、またはフレッシュクリームにタンパク質を配合した乳主原クリームが好ましい。該乳主原クリームは、さらに、糖類等の炭水化物、香料等を含有してもよい。
本発明では、上述したとおり、複数の原料クリームを混合する。
混合する原料クリームの数は、2以上であればよく、特に限定されないが、それぞれの平均脂肪球径が異なる点、それぞれの平均脂肪球径が2μm以上4μm以下の範囲内とする点などを考慮すると、2〜4が好ましく、2または3がより好ましく、2が特に好ましい。
混合する原料クリームの数は、2以上であればよく、特に限定されないが、それぞれの平均脂肪球径が異なる点、それぞれの平均脂肪球径が2μm以上4μm以下の範囲内とする点などを考慮すると、2〜4が好ましく、2または3がより好ましく、2が特に好ましい。
複数の原料クリームのうち、平均脂肪球径が最も大きい第一原料クリームの平均脂肪球径x1と、平均脂肪球径が最も小さい第二原料クリームの平均脂肪球径x2との差(x1−x2)は、0.4μm以上とする。x1−x2は、0.5μm以上が好ましい。
x1−x2が0.4μm以上であり、複数の原料クリームの総量のうち、第二原料クリームの割合を12.5質量%以上とすることで、優れた保形性の向上効果が得られる。
x1−x2は、複数の原料クリームそれぞれの平均脂肪球径が2〜4μmの範囲内であるため、最大で2μmである。
したがって、x1−x2は、0.4μm以上2μm以下であり、0.5μm以上2μm以下が好ましい。
x1−x2が0.4μm以上であり、複数の原料クリームの総量のうち、第二原料クリームの割合を12.5質量%以上とすることで、優れた保形性の向上効果が得られる。
x1−x2は、複数の原料クリームそれぞれの平均脂肪球径が2〜4μmの範囲内であるため、最大で2μmである。
したがって、x1−x2は、0.4μm以上2μm以下であり、0.5μm以上2μm以下が好ましい。
第一原料クリームの平均脂肪球径x1は、複数の原料クリームそれぞれの平均脂肪球径が2μm以上4μm以下の範囲内であり、かつx1−x2が0.4μm以上であることから、2.4μm以上4μm以下となる。得られるホイップ用クリームの風味等を考慮すると、3.6μm以上4μm以下が好ましい。
第二原料クリームの平均脂肪球径x2は、複数の原料クリームそれぞれの平均脂肪球径が2μm以上4μm以下の範囲内であり、かつx1−x2が0.4μm以上であることから、2μm以上3.6μm以下となる。保形性の付与効果等を考慮すると、2μm以上3.2μm以下が好ましく、2μm以上3μm以下がより好ましい。
第一原料クリームおよび第二原料クリーム以外の原料クリームを混合する場合、該原料クリームの平均脂肪球径は、x2よりも大きくかつx1よりも小さい値である。
第二原料クリームの平均脂肪球径x2は、複数の原料クリームそれぞれの平均脂肪球径が2μm以上4μm以下の範囲内であり、かつx1−x2が0.4μm以上であることから、2μm以上3.6μm以下となる。保形性の付与効果等を考慮すると、2μm以上3.2μm以下が好ましく、2μm以上3μm以下がより好ましい。
第一原料クリームおよび第二原料クリーム以外の原料クリームを混合する場合、該原料クリームの平均脂肪球径は、x2よりも大きくかつx1よりも小さい値である。
複数の原料クリームのうち、第一原料クリームの配合量は、複数の原料クリームの総量(100質量%)のうち、25質量%以上であり、50質量%以上がより好ましい。25質量%以上であると、得られるホイップ用クリームの風味が良好である。
複数の原料クリームのうち、第二原料クリームの配合量は、複数の原料クリームの総量(100質量%)のうち、12.5質量%以上であり、25質量%以上が好ましい。12.5質量%部以上であると、優れた保形性の向上効果が得られる。
複数の原料クリームの総量のうち、第一原料クリーム、第二原料クリームそれぞれの配合量の上限は、使用する原料クリームの数に応じて、総量が100質量%となるように設定される。たとえば、原料クリームとして、第一原料クリーム、第二原料クリームの2種のみを使用する場合、複数の原料クリームの総量(100質量%)のうち、第一原料クリームの配合量は87.5質量%以下、第二原料クリームの配合量は75質量%以下となる。
複数の原料クリームのうち、第二原料クリームの配合量は、複数の原料クリームの総量(100質量%)のうち、12.5質量%以上であり、25質量%以上が好ましい。12.5質量%部以上であると、優れた保形性の向上効果が得られる。
複数の原料クリームの総量のうち、第一原料クリーム、第二原料クリームそれぞれの配合量の上限は、使用する原料クリームの数に応じて、総量が100質量%となるように設定される。たとえば、原料クリームとして、第一原料クリーム、第二原料クリームの2種のみを使用する場合、複数の原料クリームの総量(100質量%)のうち、第一原料クリームの配合量は87.5質量%以下、第二原料クリームの配合量は75質量%以下となる。
複数の原料クリームの総量のうち、第一原料クリームと第二原料クリームとの合計量は、複数の原料クリームの総量のうち、37.5質量%以上であり、75質量%以上がより好ましい。上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。
複数の原料クリームの組成はそれぞれ同じでも異なってもよい。
たとえば、第一原料クリームおよび第二原料クリームの両方がフレッシュクリームであってもよく、それらの両方が乳主原クリームであってもよく、一方がフレッシュクリームで他方が乳主原クリームであってもよい。
第一原料クリームの乳脂肪含量と、第二原料クリームの乳脂肪含量とは同じでも異なってもよい。保形性の付与の点で、第一原料クリームの乳脂肪含量と、前記第二原料クリームの乳脂肪含量との差は、32質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、0質量%であることが特に好ましい。
たとえば、第一原料クリームおよび第二原料クリームの両方がフレッシュクリームであってもよく、それらの両方が乳主原クリームであってもよく、一方がフレッシュクリームで他方が乳主原クリームであってもよい。
第一原料クリームの乳脂肪含量と、第二原料クリームの乳脂肪含量とは同じでも異なってもよい。保形性の付与の点で、第一原料クリームの乳脂肪含量と、前記第二原料クリームの乳脂肪含量との差は、32質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、0質量%であることが特に好ましい。
複数の原料クリームは、それぞれ、油脂源がフレッシュクリームである市販のクリーム(フレッシュクリーム、乳主原クリーム等)のなかから、所望の平均脂肪球径に応じて選択してもよく、公知のクリームの調製方法により調製してもよい。
原料クリームは、たとえば、フレッシュクリームに、必要に応じて任意の成分(タンパク質等)を添加し、加熱し、平均脂肪球径を調整し、冷却することにより調製できる。平均脂肪球径を調整する前の加熱は、殺菌処理を兼ねてもよい。冷却後、エージングを行うことが好ましい。
原料クリームは、たとえば、フレッシュクリームに、必要に応じて任意の成分(タンパク質等)を添加し、加熱し、平均脂肪球径を調整し、冷却することにより調製できる。平均脂肪球径を調整する前の加熱は、殺菌処理を兼ねてもよい。冷却後、エージングを行うことが好ましい。
平均脂肪球径を調整する前の加熱方法としては、クリームの加熱処理に用いられる公知の方法と同様であってよく、たとえばUHT殺菌やHTST殺菌等で用いられる加熱処理が挙げられる。具体的には、加熱温度、82〜85℃、10秒の処理が好ましく、120〜130℃、2〜15秒の処理がより好ましい。
平均脂肪球径を調整する方法としては、均質化等が挙げられる。均質化を行うことで、脂肪球径の分布を狭くすることができ、クリームの保存性やホイップ後の保形性が向上する。また、均質化する際の圧力を調整することで、得られる原料クリームの平均脂肪球径を調整できる。均質化圧力が高いほど、平均脂肪球径が小さくなる傾向がある。
均質化を行う際の温度(均質化温度)は、60〜75℃が好ましい。また、均質化圧力を調整することで、得られる原料クリームの平均脂肪球径を調整できる。均質化圧力が高いほど、平均脂肪球径が小さくなる傾向がある。なお、このような均質化の処理は、食品の加工等で使用される一般的な均質機によって行うことが可能である。
平均脂肪球径を調整する方法としては、均質化等が挙げられる。均質化を行うことで、脂肪球径の分布を狭くすることができ、クリームの保存性やホイップ後の保形性が向上する。また、均質化する際の圧力を調整することで、得られる原料クリームの平均脂肪球径を調整できる。均質化圧力が高いほど、平均脂肪球径が小さくなる傾向がある。
均質化を行う際の温度(均質化温度)は、60〜75℃が好ましい。また、均質化圧力を調整することで、得られる原料クリームの平均脂肪球径を調整できる。均質化圧力が高いほど、平均脂肪球径が小さくなる傾向がある。なお、このような均質化の処理は、食品の加工等で使用される一般的な均質機によって行うことが可能である。
平均脂肪球径を調整した後、好ましくは1〜7℃、より好ましくは1〜5℃に冷却する。冷却は、熱交換プレート等により行うことができる。冷却後、引き続きエージング処理を行う。
エージング温度は、1〜7℃が好ましく、1〜5℃がより好ましい。エージング時間は、4時間以上継続させることが好ましく、一日程度行うことがより好ましい。エージングを行うことで、クリーム中の脂肪球の結晶化が進み、クリーム品質の安定化等が向上する。
エージングは、複数の原料クリームの調製時に行ってもよく、複数の原料クリームの調製時には行わず、それらを混合した後で行ってもよい。
エージング温度は、1〜7℃が好ましく、1〜5℃がより好ましい。エージング時間は、4時間以上継続させることが好ましく、一日程度行うことがより好ましい。エージングを行うことで、クリーム中の脂肪球の結晶化が進み、クリーム品質の安定化等が向上する。
エージングは、複数の原料クリームの調製時に行ってもよく、複数の原料クリームの調製時には行わず、それらを混合した後で行ってもよい。
複数の原料クリームの好ましい調製方法の例として、1つの原料クリームを複数に分ける工程と、複数に分けた原料クリームをそれぞれ異なる圧力で均質化する工程とを経て調製する方法が挙げられる。この場合、均質化圧力を変更するだけで、平均脂肪球径がそれぞれ異なる複数の原料クリームを調製できる。
複数に分ける前の原料クリームは、フレッシュクリームでも乳主原クリームでもよい。
該方法は、さらに、複数に分けた原料クリームを均質化する前に、複数に分けた原料クリームの一部または全部に、任意の他の成分を添加する工程を有してもよい。たとえば、複数に分ける前の原料クリームとしてフレッシュクリームを用い、これを複数に分けた後、一部のフレッシュクリームに他の成分を添加して乳主原クリームとしてもよい。フレッシュクリームよりも乳主原クリーム(特に乳タンパク質をさらに含む乳主原クリーム)の方が、平均脂肪球径が均質化により小さくなりやすい。
複数に分ける前の原料クリームは、フレッシュクリームでも乳主原クリームでもよい。
該方法は、さらに、複数に分けた原料クリームを均質化する前に、複数に分けた原料クリームの一部または全部に、任意の他の成分を添加する工程を有してもよい。たとえば、複数に分ける前の原料クリームとしてフレッシュクリームを用い、これを複数に分けた後、一部のフレッシュクリームに他の成分を添加して乳主原クリームとしてもよい。フレッシュクリームよりも乳主原クリーム(特に乳タンパク質をさらに含む乳主原クリーム)の方が、平均脂肪球径が均質化により小さくなりやすい。
複数の原料クリームの混合は、常法により実施できる。
混合する際の複数の原料クリームそれぞれの温度は、3〜7℃が好ましく、3〜5℃がより好ましい。
混合する際の複数の原料クリームそれぞれの温度は、3〜7℃が好ましく、3〜5℃がより好ましい。
上述のようにして、ホイップ用クリームが得られる。
該ホイップ用クリームは、少なくとも乳脂肪を含む。
ホイップ用クリームの乳脂肪含量は、ホイップ用クリームの全量(100質量%)に対し、35〜50質量%が好ましく、40〜50質量%がより好ましい。ホイップ用クリームの乳脂肪含量が35質量%以上であると、風味や保形性等が良好で、50質量%以下であると、クリームの製造適性等が良好である。
該ホイップ用クリームは、少なくとも乳脂肪を含む。
ホイップ用クリームの乳脂肪含量は、ホイップ用クリームの全量(100質量%)に対し、35〜50質量%が好ましく、40〜50質量%がより好ましい。ホイップ用クリームの乳脂肪含量が35質量%以上であると、風味や保形性等が良好で、50質量%以下であると、クリームの製造適性等が良好である。
ホイップ用クリームは、乳脂肪以外の他の成分を含有してもよい。該他の成分は前記と同様である。
ホイップ用クリーム中、乳脂肪は、脂肪球として存在する。
複数の原料クリームそれぞれの平均脂肪球径が2μm以上4μm以下の範囲内であることから、ホイップ用クリームの平均脂肪球径も2μm以上4μm以下の範囲内となる。ホイップ用クリームの平均脂肪球径としては、2.6μm以上3.6μm以下が好ましく、2.7μm以上3.4μm以下がより好ましい。
なお、ホイップ性が要求されない一般的なコーヒー用クリームは、平均脂肪球径が0.1〜1.8μmの範囲に含まれるものがほとんどである。
複数の原料クリームそれぞれの平均脂肪球径が2μm以上4μm以下の範囲内であることから、ホイップ用クリームの平均脂肪球径も2μm以上4μm以下の範囲内となる。ホイップ用クリームの平均脂肪球径としては、2.6μm以上3.6μm以下が好ましく、2.7μm以上3.4μm以下がより好ましい。
なお、ホイップ性が要求されない一般的なコーヒー用クリームは、平均脂肪球径が0.1〜1.8μmの範囲に含まれるものがほとんどである。
本発明によれば、風味および保形性に優れたホイップ用クリームを製造できる。
たとえば、保形性については、本発明により製造されたホイップ用クリームは、後述する試験例4に示すように、同じ組成で同じ平均脂肪球径であっても複数の原料クリームを混合したものではないホイップ用クリーム(ノンブレンド品)に比べて、優れた保形性を有する。
従来、洋菓子店などでは、ハンドリング性の向上、味の調整、コストの低減等のために、フレッシュクリームにコンパウンドクリームを混合することがあるが、この場合、混合後の保形性は、後述する試験例4の比較例2の結果に示すように、単品での保形性よりも悪くなることが知られている。そのため、洋菓子店などでは、固めにホイップする、糖類やゼラチンを添加して保形性を付与する、といった対策がとられているが、固めにホイップすると、口どけの悪化、成型したときの表面の肌荒れなどの問題が起き、商品価値が低下する。また、糖類等の添加はホイップクリームの味や食感を変えてしまう。
これに対し、本発明では、後述する試験例1の結果に示すように、複数の原料クリームの総量中の第一原料クリームの割合を25質量%以上、第二原料クリームの割合を12.5質量%以上とすることで、得られるホイップ用クリームの保形性は、第一原料クリームの保形性を大きく上回るものとなる。
したがって、本発明によれば、洋菓子店などで複数のクリームをブレンドする場合に保形性を付与するために従来行われていた、固めにホイップする、糖類、ゼラチンなどの添加により保形性を付与する等の予備処理を省略しても、保形性の良好なホイップクリームが得られる。このホイップクリームは、固めにホイップすることによる不具合(口解けの悪化、ナッペ時の肌荒れなど)や、糖類などの添加による不具合(味、食感の低下)がなく、風味が良好である。また、油脂源としてフレッシュクリームを用いているため、乳化剤や安定剤を用いる必要がなく、これを含むことによる風味の低下を防止できる。
たとえば、保形性については、本発明により製造されたホイップ用クリームは、後述する試験例4に示すように、同じ組成で同じ平均脂肪球径であっても複数の原料クリームを混合したものではないホイップ用クリーム(ノンブレンド品)に比べて、優れた保形性を有する。
従来、洋菓子店などでは、ハンドリング性の向上、味の調整、コストの低減等のために、フレッシュクリームにコンパウンドクリームを混合することがあるが、この場合、混合後の保形性は、後述する試験例4の比較例2の結果に示すように、単品での保形性よりも悪くなることが知られている。そのため、洋菓子店などでは、固めにホイップする、糖類やゼラチンを添加して保形性を付与する、といった対策がとられているが、固めにホイップすると、口どけの悪化、成型したときの表面の肌荒れなどの問題が起き、商品価値が低下する。また、糖類等の添加はホイップクリームの味や食感を変えてしまう。
これに対し、本発明では、後述する試験例1の結果に示すように、複数の原料クリームの総量中の第一原料クリームの割合を25質量%以上、第二原料クリームの割合を12.5質量%以上とすることで、得られるホイップ用クリームの保形性は、第一原料クリームの保形性を大きく上回るものとなる。
したがって、本発明によれば、洋菓子店などで複数のクリームをブレンドする場合に保形性を付与するために従来行われていた、固めにホイップする、糖類、ゼラチンなどの添加により保形性を付与する等の予備処理を省略しても、保形性の良好なホイップクリームが得られる。このホイップクリームは、固めにホイップすることによる不具合(口解けの悪化、ナッペ時の肌荒れなど)や、糖類などの添加による不具合(味、食感の低下)がなく、風味が良好である。また、油脂源としてフレッシュクリームを用いているため、乳化剤や安定剤を用いる必要がなく、これを含むことによる風味の低下を防止できる。
風味および保形性に優れることから、本発明の製造方法により得られたホイップ用クリームは、様々な用途に用いることができる。特に、ホイップした後、冷蔵保存したときに硬さが低下しにくいため、冷蔵保存時に保形性が求められる用途、たとえばデコレーションケーキ(ショートケーキ、ガトーフレーズ等)、ロールケーキ、デザートに添える絞り用クリーム、などに好適である。その他にも、ウインナコーヒー用クリーム(ホイップしたクリームをコーヒーに乗せたもの)、調理用クリームなどに用いることも出来る。
次に、実施例を示して本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の各例(試験例、実施例、比較例)において、%、部はそれぞれ、特に断りのない限り、質量による表示である。
以下の各例において、クリームに含まれる乳脂肪の平均脂肪球径(μm)、ホイップしたクリームの貯蔵弾性率G’(Pa)は以下の手順で測定した。
以下の各例(試験例、実施例、比較例)において、%、部はそれぞれ、特に断りのない限り、質量による表示である。
以下の各例において、クリームに含まれる乳脂肪の平均脂肪球径(μm)、ホイップしたクリームの貯蔵弾性率G’(Pa)は以下の手順で測定した。
<平均脂肪球径の測定方法>
本発明における平均脂肪球径は、以下の測定機器および測定条件にて測定された粒度分布(頻度分布)の算術平均径である。
(1)測定機器:レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置Partica LA−950V2
(2)測定条件:
[レーザーダイオード(波長655nm、透過率絶対値90%〜79%)]
・試料設定値:屈折率1.6
・分散媒設定値:屈折率1.33
[LED(波長405nm、透過率絶対値90%〜70%)]
・試料設定値:屈折率1.6
・分散媒設定値:屈折率1.33
(3)試料温度:5℃
(4)分散媒温度:常温
本発明における平均脂肪球径は、以下の測定機器および測定条件にて測定された粒度分布(頻度分布)の算術平均径である。
(1)測定機器:レーザ回折/散乱式粒子径分布測定装置Partica LA−950V2
(2)測定条件:
[レーザーダイオード(波長655nm、透過率絶対値90%〜79%)]
・試料設定値:屈折率1.6
・分散媒設定値:屈折率1.33
[LED(波長405nm、透過率絶対値90%〜70%)]
・試料設定値:屈折率1.6
・分散媒設定値:屈折率1.33
(3)試料温度:5℃
(4)分散媒温度:常温
<貯蔵弾性率G’の測定方法>
貯蔵弾性率G’は、以下の測定機器および測定条件により測定した。
(1)測定機器:レオメーター、ARES−2KFRTN1(レオメトリーク・サイエンティフィック・エフ・イー社製)
(2)周波数:1Hz
(3)測定温度:5℃
(4)ひずみ率:1%
貯蔵弾性率G’は、以下の測定機器および測定条件により測定した。
(1)測定機器:レオメーター、ARES−2KFRTN1(レオメトリーク・サイエンティフィック・エフ・イー社製)
(2)周波数:1Hz
(3)測定温度:5℃
(4)ひずみ率:1%
<試験例1>
フレッシュクリーム(原料乳から乳脂肪分以外の成分を常法により除去して得た乳脂肪含量48%のフレッシュクリーム)に脱脂乳を添加して、乳脂肪含量を45%に調整した。さらに、60℃まで加温し、カゼインナトリウムを添加し、溶解させた後、あら煮釜にて加熱殺菌(80℃達温)して乳主原クリームを調製した。カゼインナトリウムの添加量は、当該乳主原クリームの全量中の含有量が0.5%となる量とした。
調製した乳主原クリームを2つに分け、それぞれを、均質機(三丸機械工業株式会社製、H3−1C)を用いて、均質化温度65℃にて均質化し、その後、5℃まで冷却し、同温度にて24時間エージング処理して2種の原料クリームを得た。
2つに分けた乳主原クリームのうち、一方の均質化圧力は0MPa、他方の均質化圧力は12MPaとした。均質化後の平均脂肪球径は、0MPaで均質化したものが3.8μm、12MPaで均質化したものが2.4μmであった。平均脂肪球径の測定は、冷却・エージング後に行った。
フレッシュクリーム(原料乳から乳脂肪分以外の成分を常法により除去して得た乳脂肪含量48%のフレッシュクリーム)に脱脂乳を添加して、乳脂肪含量を45%に調整した。さらに、60℃まで加温し、カゼインナトリウムを添加し、溶解させた後、あら煮釜にて加熱殺菌(80℃達温)して乳主原クリームを調製した。カゼインナトリウムの添加量は、当該乳主原クリームの全量中の含有量が0.5%となる量とした。
調製した乳主原クリームを2つに分け、それぞれを、均質機(三丸機械工業株式会社製、H3−1C)を用いて、均質化温度65℃にて均質化し、その後、5℃まで冷却し、同温度にて24時間エージング処理して2種の原料クリームを得た。
2つに分けた乳主原クリームのうち、一方の均質化圧力は0MPa、他方の均質化圧力は12MPaとした。均質化後の平均脂肪球径は、0MPaで均質化したものが3.8μm、12MPaで均質化したものが2.4μmであった。平均脂肪球径の測定は、冷却・エージング後に行った。
上記2種の原料クリームのうち、平均脂肪球径3.8μmの原料クリームを第一原料クリーム、平均脂肪球径2.4μmの原料クリームを第二原料クリームとして用い(平均脂肪球径差:1.4μm)、それらを表1に示す比率(第一原料クリーム/第二原料クリーム、質量比)で混合することにより、試料1−2〜1−6のホイップ用クリームを調製した。
また、第一原料クリーム、第二原料クリームをそれぞれ試料1−1、1−7とした。
得られたホイップ用クリームについて、以下の手順で保形性を評価した。
また、第一原料クリーム、第二原料クリームをそれぞれ試料1−1、1−7とした。
得られたホイップ用クリームについて、以下の手順で保形性を評価した。
[保形性の評価]
室温(26℃)条件下、ホイップ用クリーム1000gにグラニュー糖80gを添加し、これを、ホイッパー(株式会社愛工舎社製「MAJOR premier」)を用いてホイップしてホイップクリームとした。ホイップは、回転速度180rpmで、貯蔵弾性率G’が約4000Paとなるまで行った。なお、ケーキ等の保形性が要求される用途に使用する際に好適なホイップクリームの硬さは、貯蔵弾性率G’として3500Pa〜5000Pa程度である。
ホイップ後、得られたホイップクリームを5℃で1日間冷蔵保存し、冷蔵保存後の貯蔵弾性率G’(Pa)を測定した。
室温(26℃)条件下、ホイップ用クリーム1000gにグラニュー糖80gを添加し、これを、ホイッパー(株式会社愛工舎社製「MAJOR premier」)を用いてホイップしてホイップクリームとした。ホイップは、回転速度180rpmで、貯蔵弾性率G’が約4000Paとなるまで行った。なお、ケーキ等の保形性が要求される用途に使用する際に好適なホイップクリームの硬さは、貯蔵弾性率G’として3500Pa〜5000Pa程度である。
ホイップ後、得られたホイップクリームを5℃で1日間冷蔵保存し、冷蔵保存後の貯蔵弾性率G’(Pa)を測定した。
測定結果を表1に示す。冷蔵保存前の貯蔵弾性率G’はほぼ同じであるため、冷蔵保存前の貯蔵弾性率G’が高いほど、冷蔵保存による貯蔵弾性率G’の低下が少なく、保形性に優れることを示す。
また、測定結果から、横軸に、ホイップ用クリームの調製に用いた原料クリームの総量(第一原料クリームと第二原料クリームとの合計量)中の第二原料クリームの割合(%)、縦軸に、冷蔵保存後の貯蔵弾性率G’をとったグラフを図1に示す。
グラフ中の点線は、貯蔵弾性率G’=500Paの位置を示す。上記の冷蔵保存後の貯蔵弾性率G’が500Pa以上であれば、そのホイップクリームをスポンジケーキの側面と上面に塗ってショートケーキを作製し、このショートケーキを同様の条件で冷蔵保存したときに、胴ぶくれが起こらないなど、保形性に関して問題がないといえる。
また、測定結果から、横軸に、ホイップ用クリームの調製に用いた原料クリームの総量(第一原料クリームと第二原料クリームとの合計量)中の第二原料クリームの割合(%)、縦軸に、冷蔵保存後の貯蔵弾性率G’をとったグラフを図1に示す。
グラフ中の点線は、貯蔵弾性率G’=500Paの位置を示す。上記の冷蔵保存後の貯蔵弾性率G’が500Pa以上であれば、そのホイップクリームをスポンジケーキの側面と上面に塗ってショートケーキを作製し、このショートケーキを同様の条件で冷蔵保存したときに、胴ぶくれが起こらないなど、保形性に関して問題がないといえる。
表1、図1に示すとおり、ホイップ用クリームの調製に用いた原料クリームの総量中の第二原料クリームの割合が12.5%以上のホイップ用クリーム(試料1−3〜1−6)は、ホイップして冷蔵保存した後の貯蔵弾性率G’が、第一原料クリームのみを用いた試料1−1に比べて大きく向上していた。また、それらの貯蔵弾性率G’は、総量中の第二原料クリームの割合に単純に比例するのではなく、12.5%以上添加したときに大きく向上し、わずか12.5%の添加でも、第二原料クリームのみを用いた試料1−7に近い値にまで上昇した。
<試験例2>
フレッシュクリーム(乳脂肪含量48%)を、試験例1と同様に、乳脂肪含量を45%に調整し、殺菌した。
このフレッシュクリームを2つに分け、それぞれを、均質機(三丸機械工業株式会社製、H3−1C)を用いて、均質化温度65℃にて均質化し、その後、5℃まで冷却し、次いで同温度にて24時間エージング処理を行って2種の原料クリームを得た。
2つに分けたフレッシュクリームのうち、一方の均質化圧力は0MPa、他方の均質化圧力は4MPaとした。均質化後の平均脂肪球径は、0MPaで均質化したものが3.7μm、4MPaで均質化したものが3.1μmであった。平均脂肪球径の測定は、冷却・エージング後に行った。
フレッシュクリーム(乳脂肪含量48%)を、試験例1と同様に、乳脂肪含量を45%に調整し、殺菌した。
このフレッシュクリームを2つに分け、それぞれを、均質機(三丸機械工業株式会社製、H3−1C)を用いて、均質化温度65℃にて均質化し、その後、5℃まで冷却し、次いで同温度にて24時間エージング処理を行って2種の原料クリームを得た。
2つに分けたフレッシュクリームのうち、一方の均質化圧力は0MPa、他方の均質化圧力は4MPaとした。均質化後の平均脂肪球径は、0MPaで均質化したものが3.7μm、4MPaで均質化したものが3.1μmであった。平均脂肪球径の測定は、冷却・エージング後に行った。
上記2種の原料クリームのうち、平均脂肪球径3.7μmの原料クリームを第一原料クリーム、平均脂肪球径3.1μmの原料クリームを第二原料クリームとして用い(平均脂肪球径差:0.6μm)、それらを表2に示す比率(第一原料クリーム/第二原料クリーム、質量比)で混合することにより、試料2−2〜2−3のホイップ用クリームを調製した。
また、第一原料クリーム、第二原料クリームをそれぞれ試料2−1、2−4とした。
得られたホイップ用クリームについて、試験例1と同様の手順で保形性を評価した。結果を表2と図2に示す。
また、第一原料クリーム、第二原料クリームをそれぞれ試料2−1、2−4とした。
得られたホイップ用クリームについて、試験例1と同様の手順で保形性を評価した。結果を表2と図2に示す。
表2、図2に示すとおり、第一原料クリームの平均脂肪球径と、第二原料クリームの平均脂肪球径との差が0.6μmの場合でも、保形性の評価結果には試験例1と同様の傾向が見られた。
<試験例3>
試験例2で調製した2種の原料クリームのうち、平均脂肪球径3.7μmの原料クリームを第一原料クリーム、平均脂肪球径3.1μmの原料クリームを第二原料クリームとして用い、それらを表3に示す比率(第一原料クリーム/第二原料クリーム、質量比)で混合することにより、試料3−2〜3−4のホイップ用クリームを調製した。混合は試験例1と同様の条件で実施した。
また、第一原料クリーム、第二原料クリームをそれぞれ試料3−1、3−5とした。
なお、試料3−1、3−2、3−4、3−5はそれぞれ、試験例2の試料2−1〜2−4と同じである。
得られたホイップ用クリームについて、以下の手順で風味を評価した。
試験例2で調製した2種の原料クリームのうち、平均脂肪球径3.7μmの原料クリームを第一原料クリーム、平均脂肪球径3.1μmの原料クリームを第二原料クリームとして用い、それらを表3に示す比率(第一原料クリーム/第二原料クリーム、質量比)で混合することにより、試料3−2〜3−4のホイップ用クリームを調製した。混合は試験例1と同様の条件で実施した。
また、第一原料クリーム、第二原料クリームをそれぞれ試料3−1、3−5とした。
なお、試料3−1、3−2、3−4、3−5はそれぞれ、試験例2の試料2−1〜2−4と同じである。
得られたホイップ用クリームについて、以下の手順で風味を評価した。
[風味の評価]
室温(26℃)条件下、ホイップ用クリーム1000gにグラニュー糖80gを添加し、これを、ホイッパー(株式会社愛工舎社製「MAJOR premier」)を用いてホイップしてホイップクリームとした。ホイップは、回転速度180rpmで、貯蔵弾性率G’が約4000Paとなるまで行った。
得られたホイップクリームの風味を、専門パネラー15名による官能試験にて評価した。評価サンプル(作製したホイップクリーム)を以下の評価基準で評価し、各パネラーの評点の合計をその評価サンプルの総得点とした。総得点45点以上(15名の評点の平均が3以上)を合格点とした。結果を表3に示す。また、評価結果から、横軸に、ホイップ用クリームの全量(100%)中の第二原料クリームの割合(%)、縦軸に、総得点をとったグラフを図3に示す。グラフ中の点線は、総得点=45点の位置を示す。
(評価基準)
5点:乳風味を強く感じた。
4点:乳風味をやや強く感じた。
3点:乳風味を普通に感じた。
2点:乳風味をやや感じた。
1点:乳風味をあまり感じない。
室温(26℃)条件下、ホイップ用クリーム1000gにグラニュー糖80gを添加し、これを、ホイッパー(株式会社愛工舎社製「MAJOR premier」)を用いてホイップしてホイップクリームとした。ホイップは、回転速度180rpmで、貯蔵弾性率G’が約4000Paとなるまで行った。
得られたホイップクリームの風味を、専門パネラー15名による官能試験にて評価した。評価サンプル(作製したホイップクリーム)を以下の評価基準で評価し、各パネラーの評点の合計をその評価サンプルの総得点とした。総得点45点以上(15名の評点の平均が3以上)を合格点とした。結果を表3に示す。また、評価結果から、横軸に、ホイップ用クリームの全量(100%)中の第二原料クリームの割合(%)、縦軸に、総得点をとったグラフを図3に示す。グラフ中の点線は、総得点=45点の位置を示す。
(評価基準)
5点:乳風味を強く感じた。
4点:乳風味をやや強く感じた。
3点:乳風味を普通に感じた。
2点:乳風味をやや感じた。
1点:乳風味をあまり感じない。
表3、図3に示すとおり、ホイップ用クリームの調製に用いた原料クリームの総量中の第一原料クリームの割合が25%以上であると、良好な乳風味を有していた。
<試験例4>
試験例1で用いたのとは異なるロットのフレッシュクリーム(原料乳から乳脂肪分以外の成分を常法により除去して得た乳脂肪含量48%のフレッシュクリーム)に脱脂乳を添加して、乳脂肪含量を45%に調整した。
乳脂肪含量を45%に調整したフレッシュクリームを3つに分け、それぞれを、120℃、15秒の条件でUHT殺菌し、均質機(三丸機械工業株式会社製、H3−20A)を用いて、均質化温度65℃にて均質化し、その後、5℃まで冷却し、次いで同温度にて24時間エージング処理して3種の原料クリームを得た。
3つに分けたフレッシュクリームのうち、1つの均質化圧力は2.5MPa、1つの均質化圧力は2.0MPa、残りの1つの均質化圧力は1.0MPaとした。均質化後の平均脂肪球径は、1.0MPaで均質化したものが3.7μm、2.0MPaで均質化したものが3.5μm、2.5MPaで均質化したものが3.1μmであった。平均脂肪球径の測定は、冷却・エージン処理後に行った。
試験例1で用いたのとは異なるロットのフレッシュクリーム(原料乳から乳脂肪分以外の成分を常法により除去して得た乳脂肪含量48%のフレッシュクリーム)に脱脂乳を添加して、乳脂肪含量を45%に調整した。
乳脂肪含量を45%に調整したフレッシュクリームを3つに分け、それぞれを、120℃、15秒の条件でUHT殺菌し、均質機(三丸機械工業株式会社製、H3−20A)を用いて、均質化温度65℃にて均質化し、その後、5℃まで冷却し、次いで同温度にて24時間エージング処理して3種の原料クリームを得た。
3つに分けたフレッシュクリームのうち、1つの均質化圧力は2.5MPa、1つの均質化圧力は2.0MPa、残りの1つの均質化圧力は1.0MPaとした。均質化後の平均脂肪球径は、1.0MPaで均質化したものが3.7μm、2.0MPaで均質化したものが3.5μm、2.5MPaで均質化したものが3.1μmであった。平均脂肪球径の測定は、冷却・エージン処理後に行った。
上記3種の原料クリームのうち、平均脂肪球径3.7μmの原料クリームを第一原料クリーム、平均脂肪球径3.1μmの原料クリームを第二原料クリームとして用い(平均脂肪球径差0.6μm)、それらを第一原料クリーム/第二原料クリーム=75/25(質量比)で混合することにより、実施例1のホイップ用クリーム(ブレンド品)を調製した。このホイップ用クリームの平均脂肪球径は3.5μmであった。
また、平均脂肪球径3.5μmの原料クリームを、比較例1のホイップ用クリーム(ノンブレンド品)とした。
また、平均脂肪球径3.5μmの原料クリームを、比較例1のホイップ用クリーム(ノンブレンド品)とした。
得られたホイップ用クリームについて、試験例1と同様の手順で保形性を評価した。結果を図4に示す。
図4に示すように、平均脂肪球径が同じホイップ用クリームでも、平均脂肪球径差が0.5μmの2種の原料クリームを混合して得た実施例1のホイップ用クリームは、比較例1のホイップ用クリームに比べて、ホイップして冷蔵保存した後の貯蔵弾性率G’が大きく向上していた。
図4に示すように、平均脂肪球径が同じホイップ用クリームでも、平均脂肪球径差が0.5μmの2種の原料クリームを混合して得た実施例1のホイップ用クリームは、比較例1のホイップ用クリームに比べて、ホイップして冷蔵保存した後の貯蔵弾性率G’が大きく向上していた。
<試験例5>
混合する原料クリームに含まれる脂肪の種類が保形性に与える影響を評価するために、試験例1の試料1−1〜1−7における第一原料クリーム、第二原料クリームを、表4に示すものに変更した以外は試験例1と同様にしてホイップ用クリームを調製した。
得られたホイップ用クリームについて、試験例1と同様の手順で保形性を評価した。結果を、試験例1の結果とともに図5に示す。図5は、横軸に、ホイップ用クリームの調製に用いた原料クリームの総量中の第二原料クリームの割合(%)、縦軸に、冷蔵保存後の貯蔵弾性率G’をとったグラフである。グラフ中の点線は、貯蔵弾性率G’=500Paの位置を示す。
混合する原料クリームに含まれる脂肪の種類が保形性に与える影響を評価するために、試験例1の試料1−1〜1−7における第一原料クリーム、第二原料クリームを、表4に示すものに変更した以外は試験例1と同様にしてホイップ用クリームを調製した。
得られたホイップ用クリームについて、試験例1と同様の手順で保形性を評価した。結果を、試験例1の結果とともに図5に示す。図5は、横軸に、ホイップ用クリームの調製に用いた原料クリームの総量中の第二原料クリームの割合(%)、縦軸に、冷蔵保存後の貯蔵弾性率G’をとったグラフである。グラフ中の点線は、貯蔵弾性率G’=500Paの位置を示す。
比較例2〜4で用いた原料クリームを以下に示す。
フレッシュクリームA1:乳脂肪含量45%の市販品フレッシュクリームを用いた。
コンパウンドクリームA2:乳脂肪含量10%、植物性脂肪含量35%の市販品コンパウンドクリームを用いた。
乳主原クリームB1:乳化剤、安定剤を含む乳脂肪含量40%の市販品乳主原クリームを用いた。
コンパウンドクリームB2:乳脂肪含量18%、植物性脂肪含量27%の市販品コンパウンドクリームを用いた。
コンパウンドクリームC1:乳脂肪含量15%、植物性脂肪含量25%であり、乳化剤、安定剤、pH調整剤が添加されたコンパウンドクリームを用いた。
乳主原クリームC2:乳脂肪含量40%であり、乳蛋白質、乳化剤、安定剤が添加された乳主原クリームを用いた。
フレッシュクリームA1:乳脂肪含量45%の市販品フレッシュクリームを用いた。
コンパウンドクリームA2:乳脂肪含量10%、植物性脂肪含量35%の市販品コンパウンドクリームを用いた。
乳主原クリームB1:乳化剤、安定剤を含む乳脂肪含量40%の市販品乳主原クリームを用いた。
コンパウンドクリームB2:乳脂肪含量18%、植物性脂肪含量27%の市販品コンパウンドクリームを用いた。
コンパウンドクリームC1:乳脂肪含量15%、植物性脂肪含量25%であり、乳化剤、安定剤、pH調整剤が添加されたコンパウンドクリームを用いた。
乳主原クリームC2:乳脂肪含量40%であり、乳蛋白質、乳化剤、安定剤が添加された乳主原クリームを用いた。
フレッシュクリームとコンパウンドクリームとの混合は、洋菓子店などで行われているが、該混合により得たホイップ用クリームの保形性は、図5の比較例2の結果に示すとおり、それぞれを単品で用いた場合の保形性よりも悪くなっていた。
第一原料クリームとして乳主原クリーム、第二原料クリームとしてコンパウンドクリームを混合して得たホイップ用クリームの保形性は、図5の比較例3の結果に示すとおり、第二原料クリームの添加部数が100部以上になると第二原料クリーム単品の保形性に近づいたが、試験例1の同じ混合比率の試料よりも劣っていた。
第一原料クリームとしてコンパウンドクリーム、第二原料クリームとして乳主原クリームを混合して得たホイップ用クリームの保形性は、図5の比較例4の結果に示すとおり、保形性の悪い第一原料クリーム単品の保形性とほぼ同じであった。
これに対し、試験例1では、ホイップ用クリームの調製に用いた原料クリームの総量中の第二原料クリームの割合が12.5%以上となるように第一原料クリームと第二原料クリームとを混合することで、得られるホイップ用クリームの保形性が、第一原料クリームの保形性を大きく上回るものとなっていた。
第一原料クリームとして乳主原クリーム、第二原料クリームとしてコンパウンドクリームを混合して得たホイップ用クリームの保形性は、図5の比較例3の結果に示すとおり、第二原料クリームの添加部数が100部以上になると第二原料クリーム単品の保形性に近づいたが、試験例1の同じ混合比率の試料よりも劣っていた。
第一原料クリームとしてコンパウンドクリーム、第二原料クリームとして乳主原クリームを混合して得たホイップ用クリームの保形性は、図5の比較例4の結果に示すとおり、保形性の悪い第一原料クリーム単品の保形性とほぼ同じであった。
これに対し、試験例1では、ホイップ用クリームの調製に用いた原料クリームの総量中の第二原料クリームの割合が12.5%以上となるように第一原料クリームと第二原料クリームとを混合することで、得られるホイップ用クリームの保形性が、第一原料クリームの保形性を大きく上回るものとなっていた。
<比較例5>
特開平10−127245号の実施例4に記載の組成(バター:26.0%、濃縮ホエイタンパク質:5.0%、大豆たんぱく質:2.0%、乳糖10.0%、リン酸水素2ナトリウム:1.5%、グリセリン脂肪酸エステル:0.4%、香料:0.1%、溶解水:30.0%)に従って、以下の手順で2種のクリームを調製した。
バターは予め加熱溶解し、塩類は温水で溶解させた後、すべての原材料をタンク内で加熱混合し、80℃達温にて殺菌した。得られた混合液を二分し、高圧ホモゲナイザーを用いて一方を4×107Paの圧力で、他方を1×107Paの圧力で乳化し、5℃で冷却して、次いで5℃で24時間エージング処理して2種類の原料クリームを得た。
これらの原料クリームを1:1(質量比)で混合して混合クリームを調製した。
得られた混合クリームについて、試験例1と同様の手順で保形性を評価したが、適当な保形性(冷蔵保存後の貯蔵弾性率G’が500Pa以上)を有するホイップクリームは得られなかった。
特開平10−127245号の実施例4に記載の組成(バター:26.0%、濃縮ホエイタンパク質:5.0%、大豆たんぱく質:2.0%、乳糖10.0%、リン酸水素2ナトリウム:1.5%、グリセリン脂肪酸エステル:0.4%、香料:0.1%、溶解水:30.0%)に従って、以下の手順で2種のクリームを調製した。
バターは予め加熱溶解し、塩類は温水で溶解させた後、すべての原材料をタンク内で加熱混合し、80℃達温にて殺菌した。得られた混合液を二分し、高圧ホモゲナイザーを用いて一方を4×107Paの圧力で、他方を1×107Paの圧力で乳化し、5℃で冷却して、次いで5℃で24時間エージング処理して2種類の原料クリームを得た。
これらの原料クリームを1:1(質量比)で混合して混合クリームを調製した。
得られた混合クリームについて、試験例1と同様の手順で保形性を評価したが、適当な保形性(冷蔵保存後の貯蔵弾性率G’が500Pa以上)を有するホイップクリームは得られなかった。
<比較例6>
乳脂肪含量47%のフレッシュクリーム(平均脂肪球径3.6μm)と、総脂肪含量38%の市販のコーヒークリーム(乳化剤、安定剤入り。平均脂肪球径0.9μm)とを、1:1(質量比)で混合して混合クリームを調製した。
得られた混合クリームについて、試験例1と同様の手順で保形性を評価したが、ケーキ等に使用する際に好適な硬さ(ホイップ直後の貯蔵弾性率G’が3500〜5000Pa)が得られなかった(ホイップしなかった)。
乳脂肪含量47%のフレッシュクリーム(平均脂肪球径3.6μm)と、総脂肪含量38%の市販のコーヒークリーム(乳化剤、安定剤入り。平均脂肪球径0.9μm)とを、1:1(質量比)で混合して混合クリームを調製した。
得られた混合クリームについて、試験例1と同様の手順で保形性を評価したが、ケーキ等に使用する際に好適な硬さ(ホイップ直後の貯蔵弾性率G’が3500〜5000Pa)が得られなかった(ホイップしなかった)。
<実施例2>
フレッシュクリーム(原料乳から乳脂肪分以外の成分を常法により除去して得た乳脂肪含量48%のフレッシュクリーム)20kgに脱脂乳を添加して乳脂肪含量を40%に調整した。これを60℃まで加温した後、さらに、カゼインナトリウムを添加し、溶解させた後、UHT殺菌機で加熱殺菌(120℃15秒間)して乳主原クリーム20kgを調製した。カゼインナトリウムの添加量は、当該乳主原クリームの全量中の含有量が0.5%となる量とした。
調製した乳主原クリーム(乳脂肪含量40%)を2つに分け、それぞれを、均質機(三丸機械工業株式会社製、H3−20A)を用いて、均質化温度65℃にて均質化し、その後、5℃まで冷却して2種の原料クリームを得た。2つに分けた乳主原クリームのうち、一方の均質化圧力は0MPa、他方の均質化圧力は4.5MPaとした。均質化後の平均脂肪球径は、0MPaで均質化したものが3.8μm、4.5MPaで均質化したものが3.1μmであった。平均脂肪球径の測定は、冷却後に行った。
フレッシュクリーム(原料乳から乳脂肪分以外の成分を常法により除去して得た乳脂肪含量48%のフレッシュクリーム)20kgに脱脂乳を添加して乳脂肪含量を40%に調整した。これを60℃まで加温した後、さらに、カゼインナトリウムを添加し、溶解させた後、UHT殺菌機で加熱殺菌(120℃15秒間)して乳主原クリーム20kgを調製した。カゼインナトリウムの添加量は、当該乳主原クリームの全量中の含有量が0.5%となる量とした。
調製した乳主原クリーム(乳脂肪含量40%)を2つに分け、それぞれを、均質機(三丸機械工業株式会社製、H3−20A)を用いて、均質化温度65℃にて均質化し、その後、5℃まで冷却して2種の原料クリームを得た。2つに分けた乳主原クリームのうち、一方の均質化圧力は0MPa、他方の均質化圧力は4.5MPaとした。均質化後の平均脂肪球径は、0MPaで均質化したものが3.8μm、4.5MPaで均質化したものが3.1μmであった。平均脂肪球径の測定は、冷却後に行った。
上記2種の原料クリームのうち、平均脂肪球径3.8μmの原料クリームを第一原料クリーム、平均脂肪球径3.1μmの原料クリームを第二原料クリームとして用い(平均脂肪球径差:0.7μm)、それらを第一原料クリーム/第二原料クリーム=70/30(質量比)で混合し、エージングすることにより、ホイップ用クリームを調製した。また、エージングは、5℃、24時間の条件で行った。
得られたホイップ用クリーム1000gにグラニュー糖80gを添加し、室温(26℃)条件下、ホイッパー(株式会社愛工舎社製「MAJOR premier」)を用いてホイップしてホイップクリームとした。ホイップは、回転速度180rpmで、貯蔵弾性率G’が約4000Paとなるまで行った。得られたホイップクリームをスポンジケーキの側面と上面にナッペし、スポンジケーキの間にホイップドクリームをサンドして、ショートケーキを作製した。
このショートケーキの風味は、ホイップ用クリームとして第一原料クリームのみを用いた場合と同等の良好なものであった。また、このショートケーキを5℃で1日間冷蔵保存したところ、保形性にも問題はなく、冷蔵保存前の形状が維持されていた。
このショートケーキの風味は、ホイップ用クリームとして第一原料クリームのみを用いた場合と同等の良好なものであった。また、このショートケーキを5℃で1日間冷蔵保存したところ、保形性にも問題はなく、冷蔵保存前の形状が維持されていた。
<実施例3>
フレッシュクリーム(原料乳から乳脂肪分以外の成分を常法により除去して得た乳脂肪含量48%のフレッシュクリーム)20kgに脱脂乳を添加して乳脂肪含量を40%に調整した。
このフレッシュクリームを2つに分け、一方について、60℃まで加温し、カゼインナトリウムを添加し、溶解させた。その後、あら煮釜で加熱殺菌(80℃達温)して乳主原クリームを調製した。カゼインナトリウムの添加量は、当該乳主原クリームの全量中の含有量が0.5%となる量とした。この乳主原クリームを、均質機(三丸機械工業株式会社製、H3−1C)を用いて、均質化温度65℃、均質化圧力11MPaにて均質化し、その後、5℃まで冷却した。これにより、平均脂肪球径2.5μmの原料クリームを得た。
2つに分けたフレッシュクリームの他方は、そのままあら煮釜で加熱殺菌(80℃達温)した。その後、均質機(三丸機械工業株式会社製、H3−1C)を用いて、均質化温度65℃、均質化圧力0MPaにて均質化し、その後、5℃まで冷却した。これにより、平均脂肪球径3.8μmの原料クリームを得た。
フレッシュクリーム(原料乳から乳脂肪分以外の成分を常法により除去して得た乳脂肪含量48%のフレッシュクリーム)20kgに脱脂乳を添加して乳脂肪含量を40%に調整した。
このフレッシュクリームを2つに分け、一方について、60℃まで加温し、カゼインナトリウムを添加し、溶解させた。その後、あら煮釜で加熱殺菌(80℃達温)して乳主原クリームを調製した。カゼインナトリウムの添加量は、当該乳主原クリームの全量中の含有量が0.5%となる量とした。この乳主原クリームを、均質機(三丸機械工業株式会社製、H3−1C)を用いて、均質化温度65℃、均質化圧力11MPaにて均質化し、その後、5℃まで冷却した。これにより、平均脂肪球径2.5μmの原料クリームを得た。
2つに分けたフレッシュクリームの他方は、そのままあら煮釜で加熱殺菌(80℃達温)した。その後、均質機(三丸機械工業株式会社製、H3−1C)を用いて、均質化温度65℃、均質化圧力0MPaにて均質化し、その後、5℃まで冷却した。これにより、平均脂肪球径3.8μmの原料クリームを得た。
上記2種の原料クリームのうち、フレッシュクリームを均質化した平均脂肪球径3.8μmの原料クリームを第一原料クリーム、乳主原クリームを均質化した平均脂肪球径2.5μmの原料クリームを第二原料クリームとして用い(平均脂肪球径差:1.3μm)、それらを第一原料クリーム/第二原料クリーム=60/40(質量比)で混合し、エージングすることにより、ホイップ用クリームを調製した。また、エージングは、5℃、24時間の条件で行った。
得られたホイップ用クリームを用い、実施例4と同様の手順でショートケーキを作製した。
このショートケーキの風味は、ホイップ用クリームとして第一原料クリームのみを用いた場合と同等の良好なものであった。また、このショートケーキを5℃で1日間冷蔵保存したところ、保形性にも問題はなく、冷蔵保存前の形状が維持されていた。
このショートケーキの風味は、ホイップ用クリームとして第一原料クリームのみを用いた場合と同等の良好なものであった。また、このショートケーキを5℃で1日間冷蔵保存したところ、保形性にも問題はなく、冷蔵保存前の形状が維持されていた。
Claims (3)
- 平均脂肪球径がそれぞれ異なる複数の原料クリームを混合してホイップ用クリームを製造する方法であって、
前記複数の原料クリームの油脂源がそれぞれ、原料乳から乳脂肪分以外の成分を除去したクリームであり、
前記複数の原料クリームの平均脂肪球径がそれぞれ2μm以上4μm以下の範囲内であり、
前記複数の原料クリームのうち、平均脂肪球径が最も大きい第一原料クリームの平均脂肪球径x1と、平均脂肪球径が最も小さい第二原料クリームの平均脂肪球径x2との差が0.4μm以上であり、
前記複数の原料クリームの総量のうち、前記第一原料クリームの割合が25質量%以上、前記第二原料クリームの割合が12.5質量%以上である、ホイップ用クリームの製造方法。 - 前記第一原料クリームの乳脂肪含量と、前記第二原料クリームの乳脂肪含量との差が32質量%以下である、請求項1に記載のホイップ用クリームの製造方法。
- 前記複数の原料クリームが、1つの原料クリームを複数に分ける工程と、複数に分けた原料クリームをそれぞれ異なる圧力で均質化する工程とを経て調製されたものである、請求項1または2に記載のホイップ用クリームの製造方法。
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