JP6022174B2 - 乳脂肪クリーム及びその製造方法 - Google Patents
乳脂肪クリーム及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6022174B2 JP6022174B2 JP2012059473A JP2012059473A JP6022174B2 JP 6022174 B2 JP6022174 B2 JP 6022174B2 JP 2012059473 A JP2012059473 A JP 2012059473A JP 2012059473 A JP2012059473 A JP 2012059473A JP 6022174 B2 JP6022174 B2 JP 6022174B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cream
- milk
- fat
- milk fat
- homogenization
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Description
(1)脂肪球のメディアン径が2.0μm以下であることを特徴とする乳脂肪クリーム。
(2)原料乳からクリームを分離するクリーム分離工程と、前記分離工程によって分離された分離クリームを殺菌するクリーム殺菌工程とを含む乳脂肪クリームの製造方法において、前記クリーム分離工程前に原料乳を均質処理する原料乳均質工程を含むことを特徴とする脂肪球のメディアン径が2.0μm以下である乳脂肪クリームの製造方法。
(3)前記原料乳均質工程における均質処理の均質圧が5.0MPa以上であることを特徴とする(2)記載の脂肪球のメディアン径が2.0μm以下である乳脂防クリームの製造方法。
(4)前記クリーム殺菌工程前及び/又は前記クリーム殺菌工程後に、分離したクリームを均質処理するクリーム均質処理工程を含むことを特徴とする(2)乃至(3)記載の脂肪球のメディアン径が2.0μm以下である乳脂肪クリームの製造方法。
本発明における乳脂肪クリームとは、乳等省令上の「種類別 クリーム」であり、乳化剤や安定剤などの添加物を含まないものである。乳脂肪クリームは、通常、原料乳をディスク型の遠心分離機を通してクリームと脱脂乳に分離するクリーム分離工程、分離されたクリームを殺菌するクリーム殺菌工程、殺菌後のクリームを冷却するクリーム冷却工程を経て製造される。また、必要に応じて殺菌工程前及び/又は殺菌工程後にクリームを均質化するクリーム均質工程を経ることもある。本発明の乳脂防クリームは、前記の工程に加えて、クリーム分離工程前に、原料乳に均質処理を行なう原料乳均質工程を経ることを特徴とする。
なお、従来から行なわれているクリーム均質工程は、高脂肪のクリームに対して均質処理を行なうため、例えば2.0MPa以上の高い均質圧で均質処理を行なうと、微粒子化によって増加した脂肪球表面積を被覆するだけのタンパク質が不足し、脂肪球同士の凝集や合一が発生する。その結果、脂肪球のメディアン径は増大してしまい、2.0μm以下とすることができなかった。したがって、クリーム均質工程では2.0MPa未満の低い均質圧での均質処理を行なうことが一般的であるが、このような低い均質圧では、脂肪球のメディアン径を2.0μm以下とすることはできなかった。
原料乳を60℃まで加温した後、遠心分離機にて脂肪率45%のクリームを分離した。得られたクリームをプレート式殺菌機に通液し、120℃、2秒の殺菌処理を行なった。その後、約50℃までプレート冷却し、均質圧1.0MPaで均質処理した。均質処理後のクリームをパウチに700g採取し、冷却して乳脂肪クリーム(比較例品1)を得た。得られた乳脂肪クリームは5℃で保存した。
原料乳を60℃まで加温した後、遠心分離機にて脂肪率45%のクリームを分離した。得られたクリームを均質圧1.0MPaで均質処理した後、プレート式殺菌機に通液し、120℃、2秒の殺菌処理を行なった。その後、約50℃までプレート冷却し、均質圧1.0MPaで均質処理した。均質処理後のクリームをパウチに700g採取し、冷却して乳脂肪クリーム(比較例品2)得た。得られた乳脂肪クリームは5℃で保存した。
原料乳を60℃まで加温した後、遠心分離機にて脂肪率45%のクリームを分離した。得られたクリームを均質圧1.0MPaで均質処理し、プレート式殺菌機に通液して120℃、2秒の殺菌処理を行なった。その後、約50℃までプレート冷却し、クリームをパウチに700g採取し、冷却して乳脂肪クリーム(比較例品3)を得た。得られた乳脂肪クリームは5℃で保存した。
原料乳を60℃まで加温した後、遠心分離機にて脂肪率45%のクリームを分離した。得られたクリームをプレート式殺菌機に通液し、120℃、2秒の殺菌処理を行なった。その後、約50℃までプレート冷却し、均質圧2.0MPaで均質処理を行った。均質処理後のクリームをパウチに700g採取し、冷却して乳脂肪クリーム(比較例品4)を得た。得られた乳脂肪クリームは5℃で保存した。
原料乳を60℃まで加温した後、遠心分離機にて脂肪率45%のクリームを分離した。得られたクリームをプレート式殺菌機に通液し、120℃、2秒の殺菌処理を行なった。その後、約50℃までプレート冷却し、均質圧5.0MPaで均質処理した。均質処理後のクリームをパウチに700g採取し、冷却して乳脂肪クリーム(比較例品5)を得た。得られた乳脂肪クリームは5℃で保存した。
実施例品1〜4、比較例品1〜5について、脂肪球のメディアン径を測定した。
脂肪球のメディアン径測定には、レーザー回折式粒度分布測定装置(SALD-3100、島津製作所社製)を用いた。
実施例品1〜4、比較例品1〜5について、乳化安定性の指標として振動耐性試験と、コーヒー適性の指標としてコーヒー適性試験を行なった。
(振動耐性試験)
振動耐性試験は、クリーム調製後5℃で24時間保存したもの(5℃保存品)と、一時的温度処理(25℃、1時間温浴)した後、5℃で24時間保存したもの(ヒートショック(HS)25℃処理品)を、それぞれ200gを250ml容量のカートン容器に入れ、20℃で167回/分の振とうを与えたとき、クリームが凝固するまでの回数を求めた。乳化安定性については、振動耐性試験(5℃保存品、ヒートショック(HS)25℃処理品)より、○、×の2段階で評価した。具体的には、5℃保存品で振動回数10,000回以上、HS25℃処理品で振動回数8,000回以上のものを○、この条件を満たさないものを×とした。
(コーヒー適性試験)
コーヒー適性試験は、まず、市販のインスタントコーヒーを85℃の温湯に溶解して3.0質量%濃度のコーヒー液とした。このコーヒー液100mlに5gのクリームを添加して、スプーンで10回攪拌後にその状態を目視にて評価した。コーヒー適性試験の評価は、目視によりフェザリング、オイルオフの評価を行ない、評価点は3回ずつ試験して評価した点数の平均値から求めた。フェザリング、オイルオフのそれぞれの評価基準は以下の通りである。
(1)フェザリング
1点(明確にフェザリングが発生)
2点(フェザリング様の白色物が表面にある)
3点(フェザリングが発生しない)
(2)オイルオフ
1点(表面に油膜が生じ、明確にオイルオフが発生)
2点(油滴が表面に散在している)
3点(オイルオフが生じない)
試験例1、試験例2の結果をあわせて表1に示す。
原料乳を60℃まで加温したものを均質圧0.0MPaで均質処理し、その後遠心分離機にて脂肪率45%のクリームを分離した。得られたクリームをプレート式殺菌機に通液し、120℃、2秒の殺菌処理を行なった。殺菌後、約50℃までプレート冷却したのち、クリームをパウチに700g採取し、冷却して乳脂肪クリーム(比較例品6)を得た。得られた乳脂肪クリームは5℃で保存した。
原料乳を60℃まで加温したものを均質圧1.0MPaで均質処理し、その後遠心分離機にて脂肪率45%のクリームを分離した。得られたクリームをプレート式殺菌機に通液し、120℃、2秒の殺菌処理を行なった。殺菌後、約50℃までプレート冷却したのち、クリームをパウチに700g採取し、冷却して乳脂肪クリーム(比較例品7)を得た。得られた乳脂肪クリームは5℃で保存した。
原料乳を60℃まで加温したものを均質圧2.0MPaで均質処理し、その後遠心分離機にて脂肪率45%のクリームを分離した。得られたクリームをプレート式殺菌機に通液し、120℃、2秒の殺菌処理を行なった。殺菌後、約50℃までプレート冷却したのち、クリームをパウチに700g採取し、冷却して乳脂肪クリーム(比較例品8)を得た。得られた乳脂肪クリームは5℃で保存した。
実施例品1、実施例品5および6、比較例品6〜8について、試験例1および試験例2と同様の方法によって、脂肪球のメディアン径の測定、振動耐性試験及びコーヒー適性試験を実施した。結果を表2に示す。
Claims (3)
- 原料乳からクリームを分離するクリーム分離工程と、
前記分離工程によって分離された分離クリームを殺菌するクリーム殺菌工程とを含む乳脂肪クリームの製造方法において、
前記クリーム分離工程前に原料乳を均質処理する原料乳均質工程を含み、
メディアン径の異なるフレッシュクリームを混合する工程を含まない
ことを特徴とする脂肪球のメディアン径が1.75μm未満である乳脂肪クリームの製造方法。 - 前記原料乳均質工程における均質処理の均質圧が5.0MPa以上であることを特徴とする請求項2記載の脂肪球のメディアン径が1.75μm未満である乳脂肪クリームの製造方法。
- 前記クリーム殺菌工程前及び/又は前記クリーム殺菌工程後に分離クリームを均質処理する分離クリーム均質処理工程を含むことを特徴とする請求項1乃至2記載の脂肪球のメディアン径が1.75μm未満である乳脂肪クリームの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012059473A JP6022174B2 (ja) | 2012-03-15 | 2012-03-15 | 乳脂肪クリーム及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012059473A JP6022174B2 (ja) | 2012-03-15 | 2012-03-15 | 乳脂肪クリーム及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013192460A JP2013192460A (ja) | 2013-09-30 |
JP6022174B2 true JP6022174B2 (ja) | 2016-11-09 |
Family
ID=49392154
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012059473A Active JP6022174B2 (ja) | 2012-03-15 | 2012-03-15 | 乳脂肪クリーム及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6022174B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7465661B2 (ja) * | 2020-01-15 | 2024-04-11 | 雪印メグミルク株式会社 | 展延性の優れたバター及びその製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4397906B2 (ja) * | 2006-03-30 | 2010-01-13 | 森永乳業株式会社 | 生クリームの製造方法 |
JP4382053B2 (ja) * | 2006-03-30 | 2009-12-09 | 森永乳業株式会社 | 生クリームの製造方法 |
JP2009254353A (ja) * | 2008-03-19 | 2009-11-05 | Kaneka Corp | 新規フレッシュクリームおよびその製造方法 |
-
2012
- 2012-03-15 JP JP2012059473A patent/JP6022174B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013192460A (ja) | 2013-09-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2007259784A (ja) | 豆腐ピューレを含有する冷菓 | |
JP2024009284A (ja) | 発酵乳 | |
JP2011234697A (ja) | チーズ乳化物の製造方法及びチーズ乳化物、並びにこれを用いた乳含有飲料 | |
TWI673005B (zh) | 攪拌複合奶油 | |
JP6628606B2 (ja) | 生クリーム含有ホイップドコンパウンドクリーム | |
JP4397906B2 (ja) | 生クリームの製造方法 | |
JP5946662B2 (ja) | 乳脂肪クリーム及びその製造方法 | |
JP6022174B2 (ja) | 乳脂肪クリーム及びその製造方法 | |
JP4382053B2 (ja) | 生クリームの製造方法 | |
JP2015008719A (ja) | 水中油型乳化物の製造法 | |
JP6192266B2 (ja) | 酸性ホイップドクリーム | |
JP6162439B2 (ja) | 乳脂肪クリーム及びその製造方法 | |
JPWO2017078114A1 (ja) | 乳性飲料及びその製造方法 | |
Campbell et al. | Cream alternatives | |
JP2011211925A (ja) | 生クリームの製造方法 | |
RU2748859C2 (ru) | Плавленый сырный продукт с улучшенной плавкостью и твердостью и способ изготовления | |
JP2016119884A (ja) | クリーム様製品の製造方法 | |
JP2005278447A (ja) | れん乳希釈食品およびれん乳希釈食品の製造方法 | |
JP2014068605A (ja) | ホイップ用クリームの製造方法 | |
JP4783803B2 (ja) | 食用クリーム | |
JP6644289B1 (ja) | 低トランス脂肪酸バター様食品の製造方法及び低トランス脂肪酸バター様食品 | |
JP7219210B2 (ja) | 乳脂肪クリームおよびその製造方法 | |
JPS6295133A (ja) | 常温で安定な水中油型エマルジヨンの製造法 | |
JP2017201927A (ja) | 食用起泡性クリーム及び食用ホイップドクリーム | |
JPH04370072A (ja) | ホイップ用クリーム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150303 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20151222 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160106 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160222 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20160614 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160907 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20160915 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20161004 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20161005 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6022174 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |