JPWO2017078114A1 - 乳性飲料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、不溶性セルロースを含み、かつ、平均脂肪球径が1〜10μmである乳性飲料に関する。この乳性飲料は、脂肪に由来する濃厚感を付与でき、嗜好性を高めることができ、さらに飲料が低粘度であってもこの特徴を発揮することができる。また、乳性飲料の平均脂肪球径を1〜10μmとすることで、飲用したときの風味の濃厚感やフレーバーリリース(香りの広がり)が向上するため、従来の乳性飲料と比較して、本発明の乳性飲料は、同じ配合や組成であっても、全体的に風味豊かとなり、嗜好性を高めることができる。
Description
本願は、先行する日本国特許出願である特願2015−217301号(出願日:2015年11月5日)に基づくものであって、その優先権の利益を主張するものであり、その開示内容全体は参照することによりここに組み込まれる。
本発明は、脂肪に由来する濃厚感を付与でき、嗜好性を高めることができ、さらに飲料が低粘度であってもこの特徴を発揮することができる風味の良好な乳性飲料およびその製造方法に関する。具体的には、不溶性セルロースを配合し、10℃での粘度が20cp以下であり、平均脂肪球径が1〜10μmである風味の良好な乳性飲料に関する。
乳飲料、及び乳入り清涼飲料は、乳(牛乳)由来のミルクの風味と、コーヒー、紅茶、抹茶、ココア、果汁などの風味を高い嗜好性で同時に楽しむことができる。中でも、コーヒー乳飲料やフルーツ乳飲料など市場に定着したものもある。
これらの乳飲料、及び乳入り清涼飲料におけるミルクの風味のうち、嗜好性に影響されるものとして、脂肪に由来する濃厚感がある。脂肪は、その比重が軽く、浮上しやすいため、乳飲料や乳入り清涼飲料の製造においては、均質化処理などで脂肪球径を小さくする方法(平均脂肪球径1μm未満)がとられている。これにより、乳飲料や乳入り清涼飲料において脂肪の浮上を抑制できる。
すなわち、従来は、平均脂肪球径を1μm未満(例えば、0.9μm以下)にすることが、乳飲料、及び乳入り清涼飲料を製造する上で技術常識であった。
例えば、特開2013−34456号公報(特許文献1)には、乳化剤及び油脂を含有する飲料を用いて、均質化工程の均質化圧を10MPa以下として処理することによって、飲料に含有する油脂の平均粒子径を1μm〜10μmとし、これによって、風味がよく、且つ安定性の良い飲料を製造したことが記載されている。
しかしながら、この特許文献1に記載の方法は、脂肪球を安定化させるために、乳化剤の使用を前提とするものである。このため、特許文献1に記載の方法を使用する場合、乳化剤の添加に由来する乳化剤独特の風味への影響も発生し、乳飲料や乳入り清涼飲料としての嗜好性の低下が懸念される。
他の方法として、乳脂肪の浮上を抑制する目的で、乳飲料や乳入り清涼飲料の粘度を高めることも考えられるが、過剰に粘度を高めることになり、乳飲料や乳入り清涼飲料としての嗜好性の低下が懸念される。
したがって、低粘度でありながらも、平均脂肪球径が1〜10μmである乳性飲料の開発が課題となる。
本発明者らは今般、乳性飲料に不溶性セルロースを配合し、所定の均質化などのせん断をかけることによって、10℃での粘度が20cp以下であるような低粘度でありながらも、平均脂肪球径が1〜10μmである乳性飲料を製造できることを見出した。
また、得られた乳性飲料は、一般的な均質化済みの乳性飲料(平均脂肪球径1μm以下)と比較して、平均脂肪球径が1〜10μmと大きく、脂肪に由来する濃厚感を高めながらも、保存における脂肪浮上も抑制できるものであった。
本発明はこれら知見に基づくものである。
本発明はこれら知見に基づくものである。
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1] 不溶性セルロースを含み、かつ、平均脂肪球径が1〜10μmである、乳性飲料。
[2] 不溶性セルロースを0.05〜1重量%含む、前記[1]の乳性飲料。
[3] 10℃での粘度が20cp以下である、前記[1]又は[2]の乳性飲料。
[4] 10℃での粘度が1〜20cpである、前記[1]〜[3]のいずれかの乳性飲料。
[5] 不溶性セルロースが結晶セルロースである、前記[1]〜[4]のいずれかの乳性飲料。
[6] 乳性飲料のpHが5〜7.5である、前記[1]〜[5]のいずれかの乳性飲料。
[7] コーヒー入りの乳性飲料である、前記[1]〜[6]のいずれかの乳性飲料。
[8] 不溶性セルロースを配合し、均質化処理を行うことによって乳性飲料の平均脂肪球径を1〜10μmに調整することを含んでなる、乳性飲料の製造方法。
[1] 不溶性セルロースを含み、かつ、平均脂肪球径が1〜10μmである、乳性飲料。
[2] 不溶性セルロースを0.05〜1重量%含む、前記[1]の乳性飲料。
[3] 10℃での粘度が20cp以下である、前記[1]又は[2]の乳性飲料。
[4] 10℃での粘度が1〜20cpである、前記[1]〜[3]のいずれかの乳性飲料。
[5] 不溶性セルロースが結晶セルロースである、前記[1]〜[4]のいずれかの乳性飲料。
[6] 乳性飲料のpHが5〜7.5である、前記[1]〜[5]のいずれかの乳性飲料。
[7] コーヒー入りの乳性飲料である、前記[1]〜[6]のいずれかの乳性飲料。
[8] 不溶性セルロースを配合し、均質化処理を行うことによって乳性飲料の平均脂肪球径を1〜10μmに調整することを含んでなる、乳性飲料の製造方法。
また本発明の別の態様は、以下に記載の事項をその特徴とする。
[1’]不溶性セルロースを配合し、10℃での粘度が20cp以下であり、平均脂肪球径が1〜10μmである乳性飲料。
[2’]不溶性セルロースを0.05〜1重量%配合する、前記[1’]の乳性飲料。
[3’]10℃での粘度が1〜20cpである、前記[1’]又は[2’]の乳性飲料。
[4’]不溶性セルロースが結晶セルロースである、前記[1’]〜[3’]のいずれかの乳性飲料。
[5’]乳性飲料がpH5〜7.5の乳性飲料である、前記[1’]〜[4’]のいずれかの乳性飲料。
[6’]乳性飲料がコーヒー入りの乳性飲料である、前記[1’]〜[4’]のいずれかの乳性飲料。
[7’]不溶性セルロースを配合し、10℃での粘度が20cp以下に調整し、平均脂肪球径を1〜10μmに調整する乳性飲料の製造方法。
[1’]不溶性セルロースを配合し、10℃での粘度が20cp以下であり、平均脂肪球径が1〜10μmである乳性飲料。
[2’]不溶性セルロースを0.05〜1重量%配合する、前記[1’]の乳性飲料。
[3’]10℃での粘度が1〜20cpである、前記[1’]又は[2’]の乳性飲料。
[4’]不溶性セルロースが結晶セルロースである、前記[1’]〜[3’]のいずれかの乳性飲料。
[5’]乳性飲料がpH5〜7.5の乳性飲料である、前記[1’]〜[4’]のいずれかの乳性飲料。
[6’]乳性飲料がコーヒー入りの乳性飲料である、前記[1’]〜[4’]のいずれかの乳性飲料。
[7’]不溶性セルロースを配合し、10℃での粘度が20cp以下に調整し、平均脂肪球径を1〜10μmに調整する乳性飲料の製造方法。
本発明の別の一つの態様は、不溶性セルロースを配合し、10℃での粘度が20cp以下であり、平均脂肪球径が1〜10μmである乳性飲料である。
本発明の乳性飲料によれば、従来なしえなかった、低粘度でありながらも、濃厚感を楽しめる嗜好性の高い乳飲料、例えばコーヒー乳飲料やフルーツ乳飲料などを提供することができる。また、本発明によれば、乳性飲料の平均脂肪球径を1〜10μmとすることができるので、飲用したときの風味の濃厚感やフレーバーリリース(香りの広がり)を向上させることができる。このため、本発明の乳性飲料は、従来の乳性飲料と比較して、同じ配合や組成であっても、全体的に風味豊かとすることができ、嗜好性をより高めることができる。さらに本発明の乳性飲料では、所定の保存期間を経た後であっても脂肪浮上が抑制されるため、製品としても安定したものを提供できる。
乳性飲料
本発明は、前記したように、不溶性セルロースを含み、かつ、平均脂肪球径が1〜10μmである、乳性飲料に関する。本発明による乳性飲料は、低粘度のものであることが好ましい。なおここでいう「低粘度」とは、乳性飲料として飲み易いといえる粘度を意味し、例えば、後述するように、10℃での粘度が20cp以下である場合をいう。
本発明は、前記したように、不溶性セルロースを含み、かつ、平均脂肪球径が1〜10μmである、乳性飲料に関する。本発明による乳性飲料は、低粘度のものであることが好ましい。なおここでいう「低粘度」とは、乳性飲料として飲み易いといえる粘度を意味し、例えば、後述するように、10℃での粘度が20cp以下である場合をいう。
本発明において乳性飲料とは、乳を含んでいる飲料であれば特に制限はなく、例えば、乳飲料、乳入り清涼飲料などが挙げられる。乳飲料や乳入り清涼飲料において、風味の付与は任意であり、例えば、コーヒー乳飲料(カフェオレ)、フルーツ乳飲料(フルーツオレ)、茶系乳飲料(ミルクティーや抹茶オレ)、ココア乳飲料など公知の風味を付与することができる。
本発明において乳とは、液状の形態であればよく、例えば、牛、山羊、めん羊乳(ひつじ乳)等の獣乳(獣から搾乳した生乳)、獣乳の加工物(例えば、脱脂乳、部分脱脂乳、脱脂濃縮乳、部分脱脂濃縮乳、成分調整乳、クリーム、バターミルク等の液状の乳加工物、脱脂粉乳、部分脱脂粉乳、バター、発酵乳、チーズ等を液状に還元した乳加工物)、大豆乳、ココナッツミルク等の植物乳、植物乳の加工物(液状に還元した乳加工物)、人工乳(食用油脂、水、乳化剤等を混合し、水中油型乳化物とする、液状の乳加工物)などが挙げられる。
本発明の乳性飲料は、脂肪分と無脂乳固形分とで構成される。ここでいう、無脂乳固形分は、当該乳性飲料の全固形分より、乳脂肪分や乳に由来しない固形分(具体的には、植物性脂肪分、砂糖、コーヒー原料、茶原料、果実、甘味料など)を引いたものをいう。
本発明の乳性飲料における脂肪分は、その濃度に特に制限はないが、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは0.5〜8重量%、さらに好ましくは0.5〜7重量%、さらに好ましくは0.5〜6重量%、さらに好ましくは0.5〜5重量%、特に好ましくは0.5〜5重量%である。本発明の乳性飲料の脂肪分が0.5重量%以上であれば、脂肪に由来する濃厚感が付与できるため、好ましい。また、本発明の乳性飲料の脂肪分が10重量%以下であれば、脂肪に由来する濃厚感が適度に付与できるため、好ましい。本発明の乳性飲料の脂肪分には、乳脂肪、植物脂肪など公知の脂肪原料を使用することができる。
本発明の乳性飲料における無脂乳固形分は、その濃度に特に制限はないが、好ましくは0.5〜10重量%、より好ましくは0.5〜8重量%、さらに好ましくは1〜7重量%、さらに好ましくは1〜6重量%、特に好ましくは2〜5重量%である。本発明の乳性飲料の無脂乳固形分が0.5重量%以上であれば、ミルク感を付与できるため、好ましい。また、本発明の乳性飲料の無脂乳固形分が10重量%以下であれば、低粘度のままで、ミルク感を適度に付与できるため、好ましい。
本発明の乳性飲料における乳たんぱく質量は、その濃度に特に制限はないが、好ましくは0.2〜3.5重量%、より好ましくは0.2〜3重量%、さらに好ましくは0.3〜2.5重量%、さらに好ましくは0.3〜2重量%、特に好ましくは0.7〜1.8重量%である。本発明の乳性飲料の乳たんぱく質量が0.2重量%以上であれば、ミルク感を付与できるため、好ましい。また、本発明の乳性飲料の乳たんぱく質量が3.5重量%以下であれば、低粘度のままで、ミルク感を適度に付与できるため、好ましい。
本発明の乳性飲料における平均脂肪球径は、脂肪に由来する濃厚感を付与する観点から、1〜10μm、好ましくは1〜8μm、より好ましくは1〜6μm、さらに好ましくは1〜5μm、さらに好ましくは1〜4μm、特に好ましくは1.5〜3μmである。本発明の乳性飲料の平均脂肪球径が1μm未満であれば、脂肪に由来する濃厚感が付与できず、好ましくない。また、本発明の乳性飲料の平均脂肪球径が10μmを超えると、脂肪の浮上を抑制できず、また、浮上した脂肪が固化し、再分散性が低下するため、好ましくない。
本発明において、平均脂肪球径は、粒度分布測定装置による平均粒子径の測定において、公知の原理を用いて測定することができる。本発明では、平均脂肪球径の測定に、平均粒子径を簡便で安価に測定でき、汎用性も高いため、粒度分布測定装置を使用することが好ましく、具体例としては、レーザー回折式の粒度分布測定装置SALD−2200システム(株式会社島津製作所製)などが挙げられる。この粒度分布測定装置は、いったん導入して設置すれば長期的に安定して使用できる。
本発明において、粒度分布測定装置による平均粒子径の測定値は、レーザー回折・散乱法により、乳性飲料などの分散体の粒度分布を測定した結果に対する平均粒子径である。ここで、平均粒子径とは、測定対象とした粒子径範囲を小さな区間に分割し、各区間の代表粒子径を計算し、それに、各区間ごとの相対粒子量を掛けて合算し、最後に相対粒子量の合計(100%)で除したものである。なお、このとき、必要に応じて、乳性飲料の試料を超音波処理して、脂肪球を再分散させた状態を想定することも可能である。
本発明の乳性飲料は、前記したように、典型的には低粘度である。ここで粘度は、通常、乳性飲料の10℃での粘度について評価する。
本発明の乳性飲料の10℃での粘度は、乳性飲料の飲みやすさの観点から、20cp以下、好ましくは1〜20cp、より好ましくは1.5〜15cp、さらに好ましくは2〜12cp、特に好ましくは2〜10cpである。本発明の乳性飲料の粘度が20cpを超えると、乳性飲料自体の粘度が高く、飲みにくいものとなり、好ましくない。
本発明の乳性飲料の10℃での粘度は、乳性飲料の飲みやすさの観点から、20cp以下、好ましくは1〜20cp、より好ましくは1.5〜15cp、さらに好ましくは2〜12cp、特に好ましくは2〜10cpである。本発明の乳性飲料の粘度が20cpを超えると、乳性飲料自体の粘度が高く、飲みにくいものとなり、好ましくない。
本発明の乳性飲料の粘度は、公知の回転式粘度計(B型粘度計)などにより測定することができる。
本発明の乳性飲料には、商品特性に合わせて、獣乳以外や植物乳以外の食品、各種の食品添加物などを任意に添加できる。ここで、例えば、食品には、コーヒー、茶、果汁、ココア、チョコレート、糖類、高甘味度甘味料などが挙げられ、食品添加物には、安定剤、乳化剤、増粘剤、防腐剤、カルシウムなどのミネラル類、香料などが挙げられる。
本発明の乳性飲料は、商品特性に合わせて、そのpHを調整することができる。pHの調整は、適宜、慣用のpH調整剤(例えば、重そう)を使用して行ってもよい。例えば、本発明の乳性飲料のpHを5〜7.5、好ましくはpHを5.5〜7.5、より好ましくはpHを6〜7.5、さらに好ましくはpHを6〜7にすることができる。
本発明の乳性飲料は、商品特性に合わせて、そのpHを調整することができる。pHの調整は、適宜、慣用のpH調整剤(例えば、重そう)を使用して行ってもよい。例えば、本発明の乳性飲料のpHを5〜7.5、好ましくはpHを5.5〜7.5、より好ましくはpHを6〜7.5、さらに好ましくはpHを6〜7にすることができる。
本発明において、不溶性セルロースは、結晶セルロース、微結晶セルロース、発酵セルロースなど、公知の原料を使用することができ、乳性飲料に対する添加量は、好ましくは0.05〜1重量%、より好ましくは0.08〜0.8重量%、さらに好ましくは0.09〜0.6重量%、特に好ましくは0.1〜0.5重量%である。本発明の不溶性セルロースの添加量が0.05重量%であれば、本発明の乳性飲料のような低粘度で平均脂肪球径の大きい場合であっても、脂肪浮上を抑制でき、好ましい。また、本発明の不溶性セルロースの添加量が1重量%以下であれば、不溶性セルロースによる風味への影響も小さく、好ましい。
一般的に、不溶性セルロースは、飲料中の沈殿しやすい物質(ココア粉末など)の沈殿を抑制する目的で使用されるが、本発明のように乳性飲料中の浮上しやすい物質(平均脂肪球径が1〜10μmの脂肪分)の浮上を抑制することは、本発明で初めて見出されたものであり、これまでに脂肪浮上を抑制する概念は知られていなかった。このため、本発明においては、平均脂肪球径が1〜10μmである脂肪分の乳性飲料における浮上を、不溶性セルロースを使用することによって、実現することができる。因みに、慣用の乳化剤を使用することによっては、乳化状態を安定させることは可能であるが、乳における脂肪球の浮上自体を抑えることはできない。
すなわち、本発明の別の一つの態様によれば、不溶性セルロースを配合する、10℃での粘度が20cp以下であり、平均脂肪球径が1〜10μmである乳性飲料の脂肪浮上抑制方法が提供される。
本発明の乳性飲料としては、例えば、コーヒー乳飲料、乳入りコーヒー飲料、紅茶乳飲料、乳入り紅茶飲料、抹茶乳飲料、乳入り抹茶飲料、フルーツ乳飲料、乳入りフルーツ飲料など公知の乳入り飲料が挙げられる。
乳性飲料の製造方法
本発明の乳性飲料は、公知の乳飲料の製造方法により、製造することができる。具体的には、不溶性セルロースを含む原料(原料乳)を調合し、所定の均質化圧で平均脂肪球径を1〜10μmとなるように均質化し、牛乳などで実績のある条件で加熱殺菌し、冷却することで得られる。ここで望ましい均質化圧とは、例えば、1〜25MPaであり、好ましくは1〜15MPaである。より好ましくは、均質化は、1〜10MPaという、従来よりも軽めの均質化圧で処理する。
またここで原料乳は、乳に加えて、コーヒー原料、茶原料、果実等の風味成分や、甘味料、植物油脂などの飲料成分を適宜含むものである。
本発明の乳性飲料は、公知の乳飲料の製造方法により、製造することができる。具体的には、不溶性セルロースを含む原料(原料乳)を調合し、所定の均質化圧で平均脂肪球径を1〜10μmとなるように均質化し、牛乳などで実績のある条件で加熱殺菌し、冷却することで得られる。ここで望ましい均質化圧とは、例えば、1〜25MPaであり、好ましくは1〜15MPaである。より好ましくは、均質化は、1〜10MPaという、従来よりも軽めの均質化圧で処理する。
またここで原料乳は、乳に加えて、コーヒー原料、茶原料、果実等の風味成分や、甘味料、植物油脂などの飲料成分を適宜含むものである。
また、加熱殺菌は、例えば、プレート式加熱殺菌機により100〜150℃で1秒〜1分間の殺菌、プレート式加熱殺菌機により80〜100℃で15秒〜2分間の殺菌、バッチ式加熱殺菌により60〜70℃で20〜40分間、バッチ式加熱殺菌により100〜120℃で1〜5分間である。
またここで、冷却は、冷却手段としては特に制限はなく、慣用の手段によって冷却することができる。冷却する温度は、保存温度かそれに近い温度とすることが望ましく、通常、常温(20〜30℃)以下、例えば、10℃以下とするのがよい。
本発明の乳性飲料は、容器に充填後、保存することができる。このとき、不溶性セルロースを添加しない場合、保存中の脂肪浮上を抑制できないが、本発明の乳性飲料では、これを抑制できる。保存温度は、特に制限はないが、好ましくは常温(20〜30℃)以下、より好ましくは0〜30℃、さらに好ましくは0〜20℃、さらに好ましくは0〜15℃、特に好ましくは0〜10℃である。本発明の乳性飲料においても、保存温度が低ければ、その保存性が高まる。
よって本発明の別の態様によれば、不溶性セルロースを配合し、均質化処理を行うことによって乳性飲料の平均脂肪球径を1〜10μmに調整することを含んでなる、乳性飲料の製造方法が提供される。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。なお、%はいずれも重量基準である。
(実施例1A)
コーヒー原料としてコーヒーエキス27g、甘味料として砂糖40g、脱脂粉乳27g、および結晶セルロース(商品名「アビセルBV1518」、エフエムシー・ケミカルズ株式会社製)5g(0.5重量%に相当)に対して合計895gとなるよう原料水に添加後、攪拌溶解した。当該ミックスを35MPaで均質化処理した後、生クリーム105gを加えてベースミックスとした。これをバッチ式加熱殺菌にて110℃1分間の加熱殺菌を行い、殺菌後10℃以下に冷却し、所定容器に充填したものを実施例1Aのコーヒー乳飲料とした。
コーヒー原料としてコーヒーエキス27g、甘味料として砂糖40g、脱脂粉乳27g、および結晶セルロース(商品名「アビセルBV1518」、エフエムシー・ケミカルズ株式会社製)5g(0.5重量%に相当)に対して合計895gとなるよう原料水に添加後、攪拌溶解した。当該ミックスを35MPaで均質化処理した後、生クリーム105gを加えてベースミックスとした。これをバッチ式加熱殺菌にて110℃1分間の加熱殺菌を行い、殺菌後10℃以下に冷却し、所定容器に充填したものを実施例1Aのコーヒー乳飲料とした。
実施例1Aのコーヒー乳飲料は、乳脂肪分5重量%、無脂乳固形分3重量%であり、10℃での粘度は10cp(B型粘度計による測定)、平均脂肪球径は2.9μm(粒度分布系SALD−2200による測定)であった。得られたコーヒー乳飲料のpHは7.0であった。
得られたコーヒー乳飲料について、下記の評価試験を行った。
実施例1Aのコーヒー乳飲料を10℃14日間保存した。保存後、コーヒー乳飲料の状態を観察したところ、脂肪浮上は見られなかった。
また、コーヒー乳飲料について、専門パネラー5名による風味の官能評価試験を実施した。その結果、実施例1Aのコーヒー乳飲料は、濃厚感があり、後味がすっきりとしたものであった。
実施例1Aのコーヒー乳飲料を10℃14日間保存した。保存後、コーヒー乳飲料の状態を観察したところ、脂肪浮上は見られなかった。
また、コーヒー乳飲料について、専門パネラー5名による風味の官能評価試験を実施した。その結果、実施例1Aのコーヒー乳飲料は、濃厚感があり、後味がすっきりとしたものであった。
(比較例1)
結晶セルロースを使用しない以外は、実施例1Aと同様にして、比較例1のコーヒー乳飲料を調製した。具体的には以下のようにして調製した。
コーヒー原料としてコーヒーエキス27g、甘味料として砂糖40g、および脱脂粉乳27gに対して合計895gとなるよう原料水に添加後、攪拌溶解した。当該ミックスを35MPaで均質化処理した後、生クリーム105gを加えてベースミックスとした。これをバッチ式加熱殺菌にて110℃1分間の加熱殺菌を行い、殺菌後10℃以下に冷却し、所定容器に充填したものを比較例1のコーヒー乳飲料とした。
結晶セルロースを使用しない以外は、実施例1Aと同様にして、比較例1のコーヒー乳飲料を調製した。具体的には以下のようにして調製した。
コーヒー原料としてコーヒーエキス27g、甘味料として砂糖40g、および脱脂粉乳27gに対して合計895gとなるよう原料水に添加後、攪拌溶解した。当該ミックスを35MPaで均質化処理した後、生クリーム105gを加えてベースミックスとした。これをバッチ式加熱殺菌にて110℃1分間の加熱殺菌を行い、殺菌後10℃以下に冷却し、所定容器に充填したものを比較例1のコーヒー乳飲料とした。
比較例1のコーヒー乳飲料は、乳脂肪分5重量%、無脂乳固形分3重量%であり、の10℃での粘度は3cp(B型粘度計による測定)、平均脂肪球径は2.9μm(粒度分布系SALD−2200による測定)であった。得られたコーヒー乳飲料のpHは7.0であった。
得られたコーヒー乳飲料について、実施例1Aと同様にして、評価試験を行った。
比較例1のコーヒー乳飲料を10℃4日間保存した。保存後、コーヒー乳飲料の状態を観察したところ、脂肪浮上が起こり、脂肪分が上面で固まった。
また、コーヒー乳飲料について、専門パネラー5名による風味の官能評価試験を実施した。その結果、比較例1のコーヒー乳飲料は、後味がすっきりとしていたものの、濃厚感は弱いものであった。
比較例1のコーヒー乳飲料を10℃4日間保存した。保存後、コーヒー乳飲料の状態を観察したところ、脂肪浮上が起こり、脂肪分が上面で固まった。
また、コーヒー乳飲料について、専門パネラー5名による風味の官能評価試験を実施した。その結果、比較例1のコーヒー乳飲料は、後味がすっきりとしていたものの、濃厚感は弱いものであった。
(実施例1B)
コーヒー原料としてコーヒーエキス12g、甘味料として砂糖45g、脱脂粉乳40g、生クリーム40g、植物油脂28g、結晶セルロース(商品名「アビセルBV1518」、エフエムシー・ケミカルズ株式会社製)2.5g、および香料1gに対して、合計1000gとなるよう原料水に添加後、攪拌溶解して殺菌前のベースミックスとした。当該ベースミックスを5MPaで均質化処理した後に、バッチ式加熱殺菌にて110℃1分間の加熱殺菌を行い、殺菌後10℃以下に冷却し、所定容器に充填したものを実施例1Bのコーヒー乳飲料とした。
コーヒー原料としてコーヒーエキス12g、甘味料として砂糖45g、脱脂粉乳40g、生クリーム40g、植物油脂28g、結晶セルロース(商品名「アビセルBV1518」、エフエムシー・ケミカルズ株式会社製)2.5g、および香料1gに対して、合計1000gとなるよう原料水に添加後、攪拌溶解して殺菌前のベースミックスとした。当該ベースミックスを5MPaで均質化処理した後に、バッチ式加熱殺菌にて110℃1分間の加熱殺菌を行い、殺菌後10℃以下に冷却し、所定容器に充填したものを実施例1Bのコーヒー乳飲料とした。
実施例1Bのコーヒー乳飲料は、乳脂肪分1.9重量%、無脂乳固形分4重量%であり、10℃での粘度は5cp(B型粘度計による測定)、平均脂肪球径は1.5μm(粒度分布系SALD−2200による測定)であった。得られたコーヒー乳飲料のpHは7.0であった。
(比較例2)
結晶セルロースの代わりに、増粘剤であるカラギーナン(商品名「カラギニンCSI-1」、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)0.13gを加えた以外は、実施例1Bと同様にして、比較例2のコーヒー乳飲料を調製した。
結晶セルロースの代わりに、増粘剤であるカラギーナン(商品名「カラギニンCSI-1」、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製)0.13gを加えた以外は、実施例1Bと同様にして、比較例2のコーヒー乳飲料を調製した。
比較例2のコーヒー乳飲料は、乳脂肪分1.9重量%、無脂乳固形分4重量%であり、10℃での粘度は5cp(B型粘度計による測定)、平均脂肪球径は1.5μm(粒度分布系SALD−2200による測定)であった。得られたコーヒー乳飲料のpHは7.0であった。
(比較例3)
結晶セルロースの代わりに、増粘剤であるキサンタンガム(商品名「ネオソフトXC」、太陽化学株式会社製)0.13gを加えた以外は、実施例1Bと同様にして、比較例3のコーヒー乳飲料を調製した。
結晶セルロースの代わりに、増粘剤であるキサンタンガム(商品名「ネオソフトXC」、太陽化学株式会社製)0.13gを加えた以外は、実施例1Bと同様にして、比較例3のコーヒー乳飲料を調製した。
比較例3のコーヒー乳飲料は、乳脂肪分1.9重量%、無脂乳固形分4重量%であり、10℃での粘度は5cp(B型粘度計による測定)、平均脂肪球径は1.5μm(粒度分布系SALD−2200による測定)であった。得られたコーヒー乳飲料のpHは7.0であった。
(実施例1B、比較例2および比較例3で得られたコーヒー乳飲料に関する評価試験)
得られた各コーヒー乳飲料について、下記の評価試験を行った 。
・試験1(物性評価)
各コーヒー乳飲料を10℃14日間保存した後、コーヒー乳飲料の状態を目視で観察した。評価は下記の基準にて行った。
(評価基準)
A: 脂肪浮上は生じず、安定な状態が維持できた
B: 脂肪が浮いて一部がかたまり、再分散しなかった
C: 脂肪浮上が起こり、脂肪分が上面で固まった
得られた各コーヒー乳飲料について、下記の評価試験を行った 。
・試験1(物性評価)
各コーヒー乳飲料を10℃14日間保存した後、コーヒー乳飲料の状態を目視で観察した。評価は下記の基準にて行った。
(評価基準)
A: 脂肪浮上は生じず、安定な状態が維持できた
B: 脂肪が浮いて一部がかたまり、再分散しなかった
C: 脂肪浮上が起こり、脂肪分が上面で固まった
・試験2(官能評価)
各コーヒー乳飲料について、専門パネラー5名による風味の官能評価試験を実施した。評価は下記の基準にて行った。
(評価基準)
A: 濃厚感があり、後味がすっきりとしていた
B: 濃厚感はあるが、後味に糊っぽさを感じた
C: 濃厚感はあるが、後味が糊っぽい
各コーヒー乳飲料について、専門パネラー5名による風味の官能評価試験を実施した。評価は下記の基準にて行った。
(評価基準)
A: 濃厚感があり、後味がすっきりとしていた
B: 濃厚感はあるが、後味に糊っぽさを感じた
C: 濃厚感はあるが、後味が糊っぽい
結果は下記の通りであった。
(実施例2)
コーヒー原料としてコーヒーエキス1.5kg、インスタントコーヒー0.3kg、甘味料として砂糖4kg、脱脂粉乳4.2kg、生クリーム2kg、植物油脂2.8kg、および結晶セルロース(商品名「アビセルBV1518」、エフエムシー・ケミカルズ株式会社製)0.25kg(0.25重量%に相当)に対し、合計100kgとなるよう原料水に添加後、攪拌溶解して殺菌前のベースミックスとした。当該ベースミックスを10MPaで均質化処理した後に、プレート式殺菌機にて130℃2秒間の加熱殺菌を行い、殺菌後10℃以下に冷却し、所定容器に充填したものを実施例2のコーヒー乳飲料とした。
コーヒー原料としてコーヒーエキス1.5kg、インスタントコーヒー0.3kg、甘味料として砂糖4kg、脱脂粉乳4.2kg、生クリーム2kg、植物油脂2.8kg、および結晶セルロース(商品名「アビセルBV1518」、エフエムシー・ケミカルズ株式会社製)0.25kg(0.25重量%に相当)に対し、合計100kgとなるよう原料水に添加後、攪拌溶解して殺菌前のベースミックスとした。当該ベースミックスを10MPaで均質化処理した後に、プレート式殺菌機にて130℃2秒間の加熱殺菌を行い、殺菌後10℃以下に冷却し、所定容器に充填したものを実施例2のコーヒー乳飲料とした。
実施例2のコーヒー乳飲料は、脂肪分3.8重量%、無脂乳固形分4重量%であり、10℃での粘度は4cp(B型粘度計による測定)、平均脂肪球径は1.3μm(粒度分布系SALD−2001による測定)であった。得られたコーヒー乳飲料のpHは6.8であった。
実施例2のコーヒー飲料を10℃21日間保存しても、脂肪浮上は見られなかった。
(実施例3)
ベースミックスを5MPaで均質化処理した以外は、実施例2と同様にして、実施例3のコーヒー乳飲料を調製した。具体的には以下のようにして調製した。
コーヒー原料としてコーヒーエキス1.5kg、インスタントコーヒー0.3kg、甘味料として砂糖4kg、脱脂粉乳4.2kg、生クリーム2kg、植物油脂2.8kg、および結晶セルロース(商品名「アビセルBV1518」、エフエムシー・ケミカルズ株式会社製)0.25kg(0.25重量%に相当)に対し、合計100kgとなるよう原料水に添加後、攪拌溶解して殺菌前のベースミックスとした。当該ベースミックスを5MPaで均質化処理した後に、プレート式殺菌機にて130℃2秒間の加熱殺菌を行い、殺菌後10℃以下に冷却し、所定容器に充填したものを実施例3のコーヒー乳飲料とした。実施例3のコーヒー乳飲料は、脂肪分3.8重量%、無脂乳固形分4重量%であり、10℃での粘度は4cp(B型粘度計による測定)、平均脂肪球径は1.8μm(粒度分布系SALD−2200による測定)であった。得られたコーヒー乳飲料のpHは6.8であった。
ベースミックスを5MPaで均質化処理した以外は、実施例2と同様にして、実施例3のコーヒー乳飲料を調製した。具体的には以下のようにして調製した。
コーヒー原料としてコーヒーエキス1.5kg、インスタントコーヒー0.3kg、甘味料として砂糖4kg、脱脂粉乳4.2kg、生クリーム2kg、植物油脂2.8kg、および結晶セルロース(商品名「アビセルBV1518」、エフエムシー・ケミカルズ株式会社製)0.25kg(0.25重量%に相当)に対し、合計100kgとなるよう原料水に添加後、攪拌溶解して殺菌前のベースミックスとした。当該ベースミックスを5MPaで均質化処理した後に、プレート式殺菌機にて130℃2秒間の加熱殺菌を行い、殺菌後10℃以下に冷却し、所定容器に充填したものを実施例3のコーヒー乳飲料とした。実施例3のコーヒー乳飲料は、脂肪分3.8重量%、無脂乳固形分4重量%であり、10℃での粘度は4cp(B型粘度計による測定)、平均脂肪球径は1.8μm(粒度分布系SALD−2200による測定)であった。得られたコーヒー乳飲料のpHは6.8であった。
実施例3のコーヒー飲料を10℃21日間保存しても脂肪浮上は見られなかった。
(実施例4)
ベースミックスを2MPaで均質化処理した以外は、実施例2と同様にして、実施例4のコーヒー乳飲料を調製した。具体的には以下のようにして調製した。
コーヒー原料としてコーヒーエキス1.5kg、インスタントコーヒー0.3kg、甘味料として砂糖4kg、脱脂粉乳4.2kg、生クリーム2kg、植物油脂2.8kg、および結晶セルロース(商品名「アビセルBV1518」、エフエムシー・ケミカルズ株式会社製)0.25kg(0.25重量%に相当)に対し、合計100kgとなるよう原料水に添加後、攪拌溶解して殺菌前のベースミックスとした。当該ベースミックスを2MPaで均質化処理した後に、プレート式殺菌機にて130℃2秒間の加熱殺菌を行い、殺菌後10℃以下に冷却し、所定容器に充填したものを実施例4のコーヒー乳飲料とした。
ベースミックスを2MPaで均質化処理した以外は、実施例2と同様にして、実施例4のコーヒー乳飲料を調製した。具体的には以下のようにして調製した。
コーヒー原料としてコーヒーエキス1.5kg、インスタントコーヒー0.3kg、甘味料として砂糖4kg、脱脂粉乳4.2kg、生クリーム2kg、植物油脂2.8kg、および結晶セルロース(商品名「アビセルBV1518」、エフエムシー・ケミカルズ株式会社製)0.25kg(0.25重量%に相当)に対し、合計100kgとなるよう原料水に添加後、攪拌溶解して殺菌前のベースミックスとした。当該ベースミックスを2MPaで均質化処理した後に、プレート式殺菌機にて130℃2秒間の加熱殺菌を行い、殺菌後10℃以下に冷却し、所定容器に充填したものを実施例4のコーヒー乳飲料とした。
実施例4のコーヒー乳飲料は、脂肪分3.8重量%、無脂乳固形分4重量%であり、10℃での粘度は4cp(B型粘度計による測定)、平均脂肪球径は2.2μm(粒度分布系SALD−2200による測定)であった。得られたコーヒー乳飲料のpHは6.8であった。
実施例4のコーヒー飲料を10℃21日間保存しても脂肪浮上は見られなかった。
以上のように、本発明の乳性飲料は、低粘度で、平均脂肪球径が1〜10μmであっても、保存中の脂肪浮上を抑制することができ、従来の乳性飲料と比較して、脂肪に由来する濃厚感を向上させることができる。また、乳性飲料の平均脂肪球径を1〜10μmとすることによって、飲用したときの風味の濃厚感やフレーバーリリース(香りの広がり)が向上するため、従来の乳性飲料と比較して、同じ配合や組成であっても、全体的に風味豊かとなる。このため、飲料としての、嗜好性を高めることができる。したがって、本発明の乳性飲料は、嗜好性の高い乳性飲料の製品、例えば、コーヒー乳飲料、乳入りコーヒー飲料、紅茶乳飲料、乳入り紅茶飲料、抹茶乳飲料、乳入り抹茶飲料、フルーツ乳飲料、乳入りフルーツ飲料など公知の乳入り飲料などに適したものといえる。
Claims (8)
- 不溶性セルロースを含み、かつ、平均脂肪球径が1〜10μmである、乳性飲料。
- 不溶性セルロースを0.05〜1重量%含む、請求項1に記載の乳性飲料。
- 10℃での粘度が20cp以下である、請求項1又は2に記載の乳性飲料。
- 10℃での粘度が1〜20cpである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の乳性飲料。
- 不溶性セルロースが結晶セルロースである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の乳性飲料。
- 乳性飲料のpHが5〜7.5である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の乳性飲料。
- コーヒー入りの乳性飲料である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の乳性飲料。
- 不溶性セルロースを配合し、均質化処理を行うことによって乳性飲料の平均脂肪球径を1〜10μmに調整することを含んでなる、乳性飲料の製造方法。
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