JP2010081840A - 水中油型乳化組成物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
乳脂等の油脂原料を低減した乳化安定性に優れた高脂肪のクリーム類を提供する。
【解決手段】
油脂原料を含む油相部と水相部とを、加温混合する工程、予備乳化する工程、殺菌する工程、均質化する工程、および冷却する工程からなる水中油型乳化組成物の製造方法において、油相部と水相部を加温混合する工程において第一のクリームを添加すること、および予備乳化する工程の後に第二のクリームを添加することを特徴とする水中油型乳化組成物の製造方法。
【選択図】 なし
乳脂等の油脂原料を低減した乳化安定性に優れた高脂肪のクリーム類を提供する。
【解決手段】
油脂原料を含む油相部と水相部とを、加温混合する工程、予備乳化する工程、殺菌する工程、均質化する工程、および冷却する工程からなる水中油型乳化組成物の製造方法において、油相部と水相部を加温混合する工程において第一のクリームを添加すること、および予備乳化する工程の後に第二のクリームを添加することを特徴とする水中油型乳化組成物の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、高脂肪含量の水中油型乳化組成物を製造するにあたり、クリームを配合することにより、油脂原料の使用量を低減することが可能な水中油型乳化組成物の製造方法に関するものである。
ホイップ用クリームやコーヒー用クリームとして用いることが可能なクリーム類は、油脂、乳成分、乳化剤、安定剤、塩類および水を主原料とする水中油型乳化組成物であり、乳から分離して調製される生クリームに比して、取り扱いやすさや物性が改善されたものである。使用原料の違いにより、バターやバターオイルなどの乳脂肪分に脱脂粉乳などの無脂乳固形分、乳化剤、水等を添加して製造した還元クリームや、乳脂肪分および植物性脂肪分に脱脂粉乳などの無脂乳固形分、乳化剤、安定剤、水等を添加して製造したコンパウンドクリーム等が知られている。
このようなクリーム類には、コーヒー用又は料理用には20〜30%、ホイップ用には40〜50%に調整されるように、その用途に応じて様々な脂肪含量のものが知られているが、クリーム類を製造するにあたっては油相部に大量の油脂原料を用いることが一般的であった(特許文献1)。
しかしながら、大量の油脂原料を使用することで増粘固化や解乳化等が生じる等の問題点から安定な乳化状態を維持させるために乳由来のフォスファチジルコリン(特許文献2)やリン脂質(特許文献3)を添加する技術、脂肪代替物として蛋白質凍結ゲルを使用する技術(特許文献4)が開示されていた。
近年の飼料価格の高騰や新興国などでの乳製品の需要が増加してきている中、干ばつや熱波などさまざまな原因により、乳製品の輸出の供給が減少してきている。これにより日本への輸入量も減少したことによって、国産品への関心が高まり急激に需要が増加しており、特にバターの供給不足に対する問題の対処や、乳製品の需給バランス維持のためにも、乳脂原料を広く活用する技術の開発が課題となっていた。
本発明者らは前記課題を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、油脂原料としての油相成分そのものを低減し、これに代えてクリームの添加量を増加させ、かつクリームを分割して原料に配合することによって、クリーム本来の風味を有した乳化安定性に優れた水中油型乳化組成物を製造できることを見出し、本発明の製造方法を完成させた。
したがって、本発明は、以下の構成を有するものである。
したがって、本発明は、以下の構成を有するものである。
すなわち、油脂原料を含む油相部と水相部とを、加温混合する工程、予備乳化する工程、殺菌する工程、均質化する工程、および冷却する工程からなる水中油型乳化組成物の製造方法において、油相部と水相部を加温混合する工程において第一のクリームを添加すること、および予備乳化する工程の後に第二のクリームを添加することを特徴とする水中油型乳化組成物の製造方法であって、以下の1)〜4)を好ましい態様としている。
1)油脂原料が乳化組成物全量の40質量%以下であること、
2)第一のクリームと第二のクリームの総量が乳化組成物全量の60〜95質量%であること、
3)水中油型乳化組成物の脂肪含量が30〜50質量%であること、
4)水中油型乳化組成物がホイップ用クリームであること。
1)油脂原料が乳化組成物全量の40質量%以下であること、
2)第一のクリームと第二のクリームの総量が乳化組成物全量の60〜95質量%であること、
3)水中油型乳化組成物の脂肪含量が30〜50質量%であること、
4)水中油型乳化組成物がホイップ用クリームであること。
本発明により、油脂原料を含む油相部と水相部を加温混合、予備乳化する工程においてクリームを分割して添加することによって、仕込み用溶解水が低減できるとともに、高脂肪含量のクリーム類を製造することが可能である。
これにより、乳脂等の油脂原料を低減させたにもかかわらず、クリーム類の高脂肪化が可能であって、クリーム本来の風味を維持した乳化安定性に優れた水中油型乳化組成物を提供することが可能である。
次に、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。
ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。尚、本明細書において百分率は特に断りのない限り質量による表示である。
<油相部>
本発明に用いられる油相部とは、油脂原料および油脂に分散する原料を主体とする原料群であって、一般にクリーム類の製造に用いられる食用油脂であればいずれの油脂原料でも使用することができるが、その中でも、乳脂(バター、バターオイル)、ラード、牛脂等の動物性油脂が好ましく、これらの複数の油脂を任意の割合で混合した混合油脂を用いることもできる。また、油中水型の原料あるいは添加物等で油脂に容易に分散する原料も油相部に含めることができる。
本発明に用いられる油相部とは、油脂原料および油脂に分散する原料を主体とする原料群であって、一般にクリーム類の製造に用いられる食用油脂であればいずれの油脂原料でも使用することができるが、その中でも、乳脂(バター、バターオイル)、ラード、牛脂等の動物性油脂が好ましく、これらの複数の油脂を任意の割合で混合した混合油脂を用いることもできる。また、油中水型の原料あるいは添加物等で油脂に容易に分散する原料も油相部に含めることができる。
<水相部>
本発明に用いられる水相部とは、容易に水相に分散する原料群であって、乳成分を主な水溶性成分とする脱脂粉乳、乳蛋白質濃縮物、乳清蛋白質濃縮物(WPC)、乳清蛋白質精製物(WPI)、バターミルクパウダー等を使用することができる。また、添加物等で容易に水相に分散する糖類や食品添加物等の原料を含めることが出来る。
本発明に用いられる水相部とは、容易に水相に分散する原料群であって、乳成分を主な水溶性成分とする脱脂粉乳、乳蛋白質濃縮物、乳清蛋白質濃縮物(WPC)、乳清蛋白質精製物(WPI)、バターミルクパウダー等を使用することができる。また、添加物等で容易に水相に分散する糖類や食品添加物等の原料を含めることが出来る。
<クリーム>
本発明に用いられるクリームとは、生乳、牛乳、または特別牛乳から乳脂肪以外の成分を除去したものであり、乳脂肪分18.0%以上のものであれば、いずれの分離クリームも使用することが可能である。
本発明に用いられるクリームとは、生乳、牛乳、または特別牛乳から乳脂肪以外の成分を除去したものであり、乳脂肪分18.0%以上のものであれば、いずれの分離クリームも使用することが可能である。
<水中油型乳化組成物の製造方法>
本発明の水中油型乳化組成物の製造方法は、以下のようにして実施される。
1)加温混合工程
油脂原料としてバター等を50〜80℃に加温して油相部を調製する。また、乳成分を主な水溶性成分とする脱脂粉乳や糖類等を水に溶解し、50〜80℃に加温して水相部を調製する。さらに第一のクリームを50〜80℃に加温してクリーム溶液を調製する。
本発明の水中油型乳化組成物の製造方法は、以下のようにして実施される。
1)加温混合工程
油脂原料としてバター等を50〜80℃に加温して油相部を調製する。また、乳成分を主な水溶性成分とする脱脂粉乳や糖類等を水に溶解し、50〜80℃に加温して水相部を調製する。さらに第一のクリームを50〜80℃に加温してクリーム溶液を調製する。
なお、各原料の加温には、プレート加熱機、バッチ式加熱機等が用いられる。中でも加温効率の点から、プレート加熱機を用いることが好ましい。
このようにして調製した油相部、水相部、クリーム溶液、およびその他の添加物(乳化剤、安定剤、pH調整剤)をミキサーに投入して原料を加温混合する。なお、水相部やクリーム溶液を加温しながら、他の原料を順次混合することも可能である。
油脂原料の添加量は、乳化組成物全量に対して40質量%以下であることが好ましい。また、第一のクリームの添加量については、後記する第二のクリームの添加量との合計が、乳化組成物全量に対して60〜95質量%であることが好ましく、この範囲に基づいて第一のクリームと第二のクリームの配合比が、1:2〜1:8となるように添加されることが好ましい。
2)予備乳化工程
加温混合した原料は、公知の方法に従って予備乳化を行うことが可能である。なお、予備乳化の条件は適宜設定することが可能であるが、50〜80℃の温度で行うことが好ましい。
加温混合した原料は、公知の方法に従って予備乳化を行うことが可能である。なお、予備乳化の条件は適宜設定することが可能であるが、50〜80℃の温度で行うことが好ましい。
3)予備均質工程
予備乳化が完了した後、予備均質を行う。均質化の方法としては、ホモジナイザー等の均質機を用いて均質化する方法が例示される。
予備乳化が完了した後、予備均質を行う。均質化の方法としては、ホモジナイザー等の均質機を用いて均質化する方法が例示される。
均質化工程における均質化圧力は、均質機の種類、乳化組成物の処理流量やホモバルブの形状、均質化温度等の製造条件の違いによって適宜設定することが可能である。
4)第二のクリームを配合する工程
予備均質が完了した後、さらに原料に第二のクリームを添加する。第二のクリームは、第一のクリームと同様に、50〜80℃に加温したクリーム溶液として使用することが好ましい。第二のクリームの添加量は、前記のとおり、第一のクリーム:第二のクリーム=1:2〜1:8となるように考慮して、添加されることが好ましい。
予備均質が完了した後、さらに原料に第二のクリームを添加する。第二のクリームは、第一のクリームと同様に、50〜80℃に加温したクリーム溶液として使用することが好ましい。第二のクリームの添加量は、前記のとおり、第一のクリーム:第二のクリーム=1:2〜1:8となるように考慮して、添加されることが好ましい。
このように、第二のクリームで分割仕込みを行うことにより、原料仕込み時にミキサーへ投入された第一のクリームと比較して熱履歴が少なく風味劣化の少ないクリームの風味を製品に付与する効果がある。
5)殺菌工程
本殺菌工程は、全ての原料が混合された乳化組成物に対して殺菌処理を行う。殺菌の方法としては、一般にクリーム類の製造に用いられる方法であれば実施可能であるが、例えば高温短時間殺菌法(HTST)、超高温殺菌法(UHT)等が用いられ、中でも殺菌効率と風味の点から超高温殺菌法(UHT)が好ましく用いられる。
本殺菌工程は、全ての原料が混合された乳化組成物に対して殺菌処理を行う。殺菌の方法としては、一般にクリーム類の製造に用いられる方法であれば実施可能であるが、例えば高温短時間殺菌法(HTST)、超高温殺菌法(UHT)等が用いられ、中でも殺菌効率と風味の点から超高温殺菌法(UHT)が好ましく用いられる。
殺菌温度と処理時間は、例えば高温短時間殺菌法(HTST)の場合は82〜85℃で10秒間前後が好ましく、超高温殺菌法(UHT)の場合は、120〜150℃で2〜15秒間が好ましい。
6)均質化工程
均質化の方法としては、殺菌された乳化組成物を、例えばプレート加熱機等により所定の均質化温度になるように加温し、ホモジナイザー等の均質機を用いて均質化する方法が例示される。均質化工程における均質化温度は、60℃以上100℃以下であることが好ましく、より好ましくは60〜90℃である。該範囲の下限値以上に設定することにより均質化効率が向上する。
均質化の方法としては、殺菌された乳化組成物を、例えばプレート加熱機等により所定の均質化温度になるように加温し、ホモジナイザー等の均質機を用いて均質化する方法が例示される。均質化工程における均質化温度は、60℃以上100℃以下であることが好ましく、より好ましくは60〜90℃である。該範囲の下限値以上に設定することにより均質化効率が向上する。
一方、均質化温度の上限値は、実質的には前記殺菌工程での殺菌温度となるが、作業性や最終的に製造される水中油型乳化組成物の風味等の点から100℃以下とすることが好ましい。
均質化工程における均質化圧力は、均質機の種類、乳化組成物の処理流量やホモバルブの形状、均質化温度等の製造条件の違いによって適宜設定することが可能である。
7)冷却工程
均質化工程を経た乳化組成物は、冷却プレート等の熱交換機を用いて、速やかに冷却する。冷却工程は、冷却水による一次冷却とチルド水による二次冷却による構成が可能であり、一次冷却で20〜35℃、二次冷却で5℃以下に冷却する。
均質化工程を経た乳化組成物は、冷却プレート等の熱交換機を用いて、速やかに冷却する。冷却工程は、冷却水による一次冷却とチルド水による二次冷却による構成が可能であり、一次冷却で20〜35℃、二次冷却で5℃以下に冷却する。
プレート式熱交換機による冷却工程を経た後、例えば5℃以下の状態で6〜36時間エージングを行い、本発明の水中油型乳化組成物を製造することができる。
<水中油型乳化組成物>
前記の製造方法にて製造した本発明の水中油型乳化組成物には、一般的なクリーム類に含まれる還元クリーム、コンパウンドクリーム、合成クリーム、およびこれらのクリーム類を原料として含有するクリーム様食品等が例示される。
前記の製造方法にて製造した本発明の水中油型乳化組成物には、一般的なクリーム類に含まれる還元クリーム、コンパウンドクリーム、合成クリーム、およびこれらのクリーム類を原料として含有するクリーム様食品等が例示される。
また、本発明の水中油型乳化組成物の脂肪含量は、目的とするクリーム類に応じて30〜50質量%の範囲で適宜設定することが可能であり、特に40〜50質量%の高脂肪のホイップ用クリームとして製造することが好ましい。
[実施例1]
クリームを50〜80℃に加温して第一のクリーム溶液を調製した。さらに、バター600gを50〜80℃に加温溶解して油相部を調製した。また、脱脂粉乳40g、および乳化剤、安定剤、pH調整剤をそれぞれ水とともに混合して水相部を調製し、50〜80℃に加温した。
クリームを50〜80℃に加温して第一のクリーム溶液を調製した。さらに、バター600gを50〜80℃に加温溶解して油相部を調製した。また、脱脂粉乳40g、および乳化剤、安定剤、pH調整剤をそれぞれ水とともに混合して水相部を調製し、50〜80℃に加温した。
前記で調製した第一のクリーム溶液、油相部、水相部(添加物:乳化剤、安定剤、pH調整剤、を含む)をミキサーを使用して加温混合し、引き続き、50〜80℃の温度で約5分間予備乳化を行った。その後、混合した原料を、三丸機械(株)社製2段均質機を用いて予備均質を行った。このときの均質化処理は2段均質を用い、均質化圧力は全圧2.0MPa、2次圧1.0MPaとした。予備均質が完了した後、50〜80℃に加温されたクリームを第二のクリーム溶液として前記で調製した原料に混合し、すべての原料の混合を完了させた。
次いで、殺菌工程において、UHT(超高温殺菌法)装置(森永エンジニアリング(株)製、連続式プレート殺菌機)により、120℃で15秒間殺菌を行った。殺菌された乳化組成物は、前記UHT装置内のプレート冷却機により次の均質化工程(本均質)における均質化温度まで冷却した。本均質の均質化処理は、前記2段均質機により、均質化圧力は全圧1.5MPa、2次圧1.0MPaとして均質化処理を行った。
均質化処理の後、乳化組成物を5℃以下に冷却し、一晩、冷蔵庫(5℃)でエージングしてホイップ用クリーム(乳または乳製品を主要原料とする食品)を製造した。
製造したホイップ用クリームは、バター使用量:3%、クリーム(第1のクリームおよび第2のクリーム)の使用量:91%であり、脂肪含量は46.2%であり、クリームに近いスッキリとした風味を有するものであった。
[参考例]
本発明の参考例として、クリームの1回仕込みによる方法でホイップ用クリームを製造した。
すなわち、バター3000gを60〜80℃に加温して油相部を調製した。また、脱脂粉乳200g、及び乳化剤、安定剤、pH調整剤を水に加温溶解して水相部を調製した。
本発明の参考例として、クリームの1回仕込みによる方法でホイップ用クリームを製造した。
すなわち、バター3000gを60〜80℃に加温して油相部を調製した。また、脱脂粉乳200g、及び乳化剤、安定剤、pH調整剤を水に加温溶解して水相部を調製した。
前記で調製した油相部、及び水相部(添加物:乳化剤、安定剤、pH調整剤、を含む)をミキサーに投入して混合原料とし、約5分間予備乳化を行った。
予備乳化が完了した後、三丸機械(株)社製2段均質機を用いて、混合原料の予備均質を行った。このときの均質化処理は2段均質を用い、均質化圧力は全圧8.0MPa、2次圧2.0MPaとした。
予備均質が完了した混合原料に、50〜80℃に加温されたクリーム溶液を混合し、すべての原料の混合を完了させた。
次いで、殺菌工程において、UHT(超高温殺菌法)装置(森永エンジニアリング(株)製、連続式プレート殺菌機)により、120℃で15秒間殺菌を行った。殺菌された乳化組成物は、前記UHT装置内のプレート冷却機により次の均質化工程(本均質)における均質化温度まで冷却した。
本均質の均質化処理は、前記2段均質機により、均質化圧力は全圧2.0MPa、2次圧1.0MPaとして均質化処理を行った。
均質化処理の後、乳化組成物をプレート冷却機を用いて5℃まで冷却し、一晩、冷蔵庫(5℃)でエージングしてホイップ用クリーム(乳または乳製品を主要原料とする食品)を製造した。
製造したホイップ用クリームは、バター使用量:15%、クリーム使用量:70%であり、脂肪含量は46.1%であった。
[試験例]
本試験は、前記実施例1に記載されたクリームを分割して仕込む方法で製造されたホイップ用クリーム(本発明)と、前記参考例で記載された従来の方法で製造されたホイップ用クリームの物性について検討するために行った。
(1)試料の調製
前記実施例1で製造したホイップ用クリームを試験品とし、前記参考例で製造したホイップ用クリームを対照品とした。
本試験は、前記実施例1に記載されたクリームを分割して仕込む方法で製造されたホイップ用クリーム(本発明)と、前記参考例で記載された従来の方法で製造されたホイップ用クリームの物性について検討するために行った。
(1)試料の調製
前記実施例1で製造したホイップ用クリームを試験品とし、前記参考例で製造したホイップ用クリームを対照品とした。
(2)試験方法
試験品および対照品について、脂肪分、オーバーラン、脂肪粒子径についてそれぞれ測定した。なお、各測定法はそれぞれ、脂肪分(%)の測定はバブコック法により測定し、オーバーラン(%)はクリームの比重を測定し、脂肪粒子径(平均粒子径(μm):メジアン径(50体積%径)))はパーティクルサイズアナライザー(堀場製作所製、型式:LA-500)にて測定した。
試験品および対照品について、脂肪分、オーバーラン、脂肪粒子径についてそれぞれ測定した。なお、各測定法はそれぞれ、脂肪分(%)の測定はバブコック法により測定し、オーバーラン(%)はクリームの比重を測定し、脂肪粒子径(平均粒子径(μm):メジアン径(50体積%径)))はパーティクルサイズアナライザー(堀場製作所製、型式:LA-500)にて測定した。
(3)試験結果
本試験の結果は表1に示すとおりである。表1は、試験品および対照品の脂肪分、オーバーラン、脂肪粒子径を示している。
本試験の結果は表1に示すとおりである。表1は、試験品および対照品の脂肪分、オーバーラン、脂肪粒子径を示している。
その結果、脂肪分は対照品が46.1%であったのに対し、試験品は46.2%を示し、ほぼ、同様の脂肪分を示す結果となった。本発明の製造方法で製造したとしてもクリームの安定性やホイップ状態は、従来との差はほぼ許容の範囲におさまることが確認された。オーバーランは、対照品が121%(ホイップ時間:1分59秒)であったのに対して、試験品は123%(ホイップ時間:1分54秒)であり、ほぼ同様の値を示した。さらに、脂肪粒子径を測定した結果、対照品が2.32μmであったのに対し、試験品は2.22μmであり、ほぼ同様の値を示し、試験品と対照品におけるクリーム製品中の脂肪球のサイズに変化は確認されなかった。
このように、本発明の方法で製造した試験品と従来の方法で製造した対照品は、ホイップ性等の品質にほぼ相違は認められず、乳脂(バター)が15%使用される従来法に比して、本発明の方法により3%にまで低減できることにより、品質を変えずにより広い範囲での原料活用が可能となった。
ホイップ用クリームの製造工程において、クリームを分割して添加することによって、仕込み用溶解水が低減できるとともに、乳脂等の油脂原料を低減させたにもかかわらず、高脂肪含量のクリーム類を製造することが可能であり、クリーム本来の風味を維持した乳化安定性に優れた水中油型乳化組成物を提供できる。
Claims (5)
- 油脂原料を含む油相部と水相部とを、加温混合する工程、予備乳化する工程、殺菌する工程、均質化する工程、および冷却する工程からなる水中油型乳化組成物の製造方法において、油相部と水相部を加温混合する工程において第一のクリームを添加すること、および予備乳化する工程の後に第二のクリームを添加することを特徴とする水中油型乳化組成物の製造方法。
- 油脂原料が乳化組成物全量の40質量%以下である請求項1に記載の水中油型乳化組成物の製造方法。
- 第一のクリームと第二のクリームの総量が乳化組成物全量の60〜95質量%である請求項1又は2に記載の水中油型乳化組成物の製造方法。
- 水中油型乳化組成物の脂肪含量が30〜50質量%である請求項1〜3のいずれか一項に記載の水中油型乳化組成物の製造方法。
- 水中油型乳化組成物がホイップ用クリームである請求項1〜4のいずれか一項に記載の水中油型乳化組成物の製造方法。
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Cited By (4)
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---|---|---|---|---|
JP2013192459A (ja) * | 2012-03-15 | 2013-09-30 | Snow Brand Milk Products Co Ltd | 乳脂肪クリーム及びその製造方法 |
JP2014068605A (ja) * | 2012-09-28 | 2014-04-21 | Morinaga Milk Ind Co Ltd | ホイップ用クリームの製造方法 |
JP2015008719A (ja) * | 2013-07-02 | 2015-01-19 | 不二製油株式会社 | 水中油型乳化物の製造法 |
WO2017150384A1 (ja) * | 2016-03-01 | 2017-09-08 | 株式会社明治 | 起泡性水中油型乳化物の製造方法 |
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2008
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