JP2014067907A - コア、それを用いた巻線部品及びスイッチング電源装置 - Google Patents

コア、それを用いた巻線部品及びスイッチング電源装置 Download PDF

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正浩 蒲生
Katsushi Yasuhara
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Abstract

【課題】発熱量が小さく、温度上昇が抑えられたコアと、このようなコアを用いた巻線部品と、このような巻線部品を用いたスイッチング電源装置とのうち少なくとも1つを提供すること。
【解決手段】コア1は、巻線20が巻き回される主脚部2と、主脚部2を介して互いに対向する位置に設けられた第1梁部3及び第2梁部4と、第1梁部3及び第2梁部4の少なくとも一方に、磁束Mの方向と平行な方向に延在する少なくとも1つの溝10とを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、トランス、チョークコイル等の巻線部品に用いるコアに関し、特に、発熱を低減し温度上昇が抑制されたコアに関する。また、本発明は、このようなコアを用いたトランス、チョークコイル等の巻線部品に関する。また、本発明は、このようなトランス、チョークコイル等の巻線部品を用いたスイッチング電源装置に関する。
スイッチング電源装置等に用いられるトランス又はチョークコイルは、動作時において発熱することから、発熱量が小さく放熱特性の優れたコアを採用することが望ましい。コアの温度上昇を抑制する手法としては、コア自体を発熱させないようにするため、コアに低損失な磁性材料を使用する方法が挙げられる。また、コア自体を発熱させない他の方法として、コア形状を工夫する方法が挙げられる。
例えば、特許文献1に記載のE型コアは、中心脚部の断面積を外側脚部の断面積よりも大きくすることで蓄熱しやすい中心脚部の温度上昇を抑えることが可能になるとされている。特許文献1に記載されたコアは、中心脚部に放熱用孔が設けられており、放熱用孔内の外気を介して放熱を行える。また、必要により前記放熱用孔に熱伝導率の高い放熱用部材を挿入して放熱特性を向上させることが可能になるとされている。
特開2002−203726号公報
しかし、上述の特許文献1に記載された技術を用いても、特に発熱量の大きいトランスやチョークコイルにおいては、温度上昇の抑制が不十分となる問題があり、更なるコアの発熱低減のための改善が望まれている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、発熱量が小さく、温度上昇が抑制されたコアを提供することである。また、本発明の他の目的は、このようなコアを用いたトランス、チョークコイル等の巻線部品を提供することである。また、本発明の他の目的は、このようなトランス、チョークコイル等の巻線部品を用いたスイッチング電源装置を提供することである。
本発明は、巻線が巻き回される主脚部と、前記主脚部を介して互いに対向する位置に設けられた第1梁部及び第2梁部と、前記第1梁部及び前記第2梁部の少なくとも一方に、磁束の方向と平行な方向に延在する少なくとも1つの溝と、を含むことを特徴とするコアである。
このコアは、対向して配置される第1梁部及び第2梁部の少なくとも一方に、磁束の方向と平行に少なくとも1つの溝を有している。この溝が、コアの歪み及び内部応力を緩和するので、コアの磁気損失が低減される。その結果、本発明は、発熱量が小さく、温度上昇が抑制されたコアを提供することができる。
本発明において、前記溝は、前記第1梁部に設けられ、前記第1梁部の単位磁束当たりの断面積をS1、前記第2梁部の単位磁束当たりの断面積をS2とした場合、S1>S2であることが好ましい。第2梁部が冷却機能を有する部材に取り付けられる場合、第1梁部は前記部材から離れた位置に配置されるので、第2梁部と比較して冷却に不利である。S1>S2とすることで、第1梁部の磁束密度を第2梁部の磁束密度よりも小さくすることができるので、第1梁部の発熱量を第2梁部の発熱量よりも小さくすることができる。
本発明において、前記第2梁部の厚みは前記第1梁部の厚みよりも小さいことが好ましい。このようにすることで、第1梁部、主脚部、第1側脚部及び第2側脚部と第2梁部との距離が小さくなる。このため、第2梁部が冷却機能を有する部材に取り付けられる場合、第1梁部及び主脚部等で発生した熱を前記部材へ効果的に放熱することもできる。
本発明において、前記主脚部の単位磁束当たりの断面積をS3とした場合、S1>S3であることが好ましい。このようにすることで、第2梁部が冷却機能を有する部材に取り付けられる場合には、前記部材から最も離れているために放熱性が最も不利な部分である第1梁部の磁束密度が低くなり、放熱特性が優れ、温度上昇を抑制する構造を得ることが可能となる。
本発明において、前記第1梁部の端部側及び前記第2梁部の端部側に設けられる少なくとも1つの側脚部をさらに含み、前記側脚部の単位磁束当たりの断面積をS4とした場合、S1>S4を満たすことが好ましい。このようにすれば、前記部材から最も離れているために放熱性が最も不利な部分である第1梁部の磁束密度が低くなり、放熱特性が優れ、温度上昇を抑制する構造を得ることが可能となる。
本発明において、前記第1梁部の端部側及び前記第2梁部の端部側に設けられる少なくとも1つの側脚部をさらに含み、前記主脚部の単位磁束当たりの断面積をS3とし、前記側脚部の単位磁束当たりの断面積をS4とした場合、前記S1、前記S2、前記S3、前記S4は、S1>S3>S2を満たし、更にS1>S4>S2を満たすことが好ましい。このようにすることで、第2梁部が冷却機能を有する部材に取り付けられる場合には、この部材から離れるほど磁束密度が低くなり、さらに放熱特性が優れ、温度上昇を抑制する構造を得ることが可能となる。
本発明において、前記溝は、前記第1梁部に設けられ、前記第2梁部が、放熱用の部材に取り付けられることが好ましい。第2梁部が放熱用の部材に取り付けられることにより、第1梁部は放熱用の部材から離れた位置に配置されることになるので、第2梁部と比較して冷却に不利である。しかし、第1梁部には溝が設けられているので、第1梁部の発熱が抑制される。その結果、コアの温度上昇が低減される。
本発明において、前記溝は、前記第1梁部に、複数設けられていることが好ましい。このようにすることで、コアの発熱量はさらに低減し、温度上昇がさらに抑えられる。
本発明は、前記溝は、前記第1梁部の厚みと同じ深さであることが好ましい。このようにすることで、コアの発熱量はさらに低減し、温度上昇がさらに抑えられる。
本発明は、上記コアを用いたことを特徴とする巻線部品である。前記コアを用いることにより、発熱及び温度上昇の小さい巻線部品が提供されることから、巻線部品の許容電流を増やしたり、巻線部品を小型化したりすることが可能となる。
本発明は、上記巻線部品を備えたことを特徴とするスイッチング電源装置である。このスイッチング電源装置によれば、巻線部品の温度上昇が低減されることから、信頼性の高いスイッチング電源装置を提供することが可能となる。
本発明は、発熱量が小さく、温度上昇が抑制されたコアを提供することができる。また、本発明は、このようなコアを用いた巻線部品を提供することができる。また、本発明は、このような巻線部品を用いたスイッチング電源装置を提供することができる。
図1は、本実施形態に係るコアを示す斜視図である。 図2は、本実施形態に係るコアの側面図である。 図3は、図2のA−A断面図である。 図4は、図2のB−B断面図である。 図5は、図2のC−C断面図である。 図6は、図2のD−D断面図である。 図7は、溝の説明図である。 図8は、溝の説明図である。 図9は、溝の説明図である。 図10は、溝の説明図である。 図11は、本実施形態に係るEI型のコアを示す斜視図である。 図12は、スイッチング電源装置の構成を示すブロック図である。 図13は、スイッチング電源装置を備えた自動車の主要部分を概略的に示すブロック図である。
本発明を実施するための形態(本実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係るコアを示す斜視図である。図2は、本実施形態に係るコアの側面図である。図3は、図2のA−A断面図、図4は、図2のB−B断面図、図5は、図2のC−C断面図(奥行方向を図3及び図4に合わせるために90度回転させて記載している)、図6は、図2のD−D断面図(図5と同様に、90度回転させて記載している)である。コア1は、巻線20が巻き回される焼結体のコアである。本実施形態において、コア1は、フェライトの焼結体であるが、コア1の材料はこれに限定されるものではない。フェライトは、元々磁気損失が小さいので、コア1の材料として好ましい。
コア1は、E型コアである第1コア1Aと、同じくE型コアである第2コア1Bとを組み合わせたEE型のコアである。コア1は、主脚部2と、第1梁部3と、第2梁部4とを含む。本実施形態において、コア1は、さらに側脚部としての第1側脚部5と第2側脚部6とを含む。主脚部2には、巻線20が巻き回される。主脚部2は、第1コア1Aの第1主脚部2Aと第2コア1Bの第2主脚部2Bとが組み合わされたものである。第1主脚部2Aは、第1梁部3と連結し、一体化している。第2主脚部2Bは、第2梁部4と連結し、一体化している。このような構造により、主脚部2は、第1梁部3と第2梁部4とを接続する。
第1梁部3は、第1コア1Aの一部である。第2梁部4は、第2コア1Bの一部である。第1梁部3と第2梁部4とは、主脚部2を介して互いに対向する位置に設けられている。第1側脚部5は第1梁部3及び第2梁部4の一方の端部側に設けられ、第2側脚部6は他方の端部側に設けられる。第1側脚部5は、第1コア1A側の第1部分5Aと第2コア1B側の第2部分5Bとを有している。同様に、第2側脚部6は、第1コア1A側の第1部分6Aと第2コア1B側の第2部分6Bとを有している。このような構造により、第1梁部3の両方の端部と第2梁部4の両方の端部との間には、第1側脚部5と第2側脚部6とが配置され、一体化している。このような構造により、コア1の全体形状はEE型となっている。なお、本実施形態において、側脚部は、第1梁部3の端部側及び第2梁部4の端部側の少なくとも一方に設けられていればよい。すなわち、第1側脚部5と第2側脚部6とは、少なくとも一方でよい。
組み立てられたコア1をトランス又はチョークコイル等の巻線部品に使用する場合は、コア1の主脚部2に巻線20を巻き回す。そして、巻線20の軸線方向に沿って発生した磁束Mは、主脚部2から第1梁部3又は第2梁部4を経由し、第1側脚部5及び第2側脚部6へと周回させることにより磁気回路を形成する。
溝10は、第1梁部3の外面3oに、コア1の第1梁部3の内部を通過する磁束Mの方向と平行な方向に延在している。本実施形態において、溝10は、第1梁部3に設けられているが、後述するように、第2梁部4に設けられていてもよい。溝10は、第1梁部3の磁束M方向における両端部、すなわち、第1側脚部5が設けられている側の端部3T1と第2側脚部6とが設けられている側の端部3T2とを貫通している。溝10は、コア1を焼結する前の成型体を製造するときに設けられてもよいし、成型体を焼結して得られた焼結体を機械加工等することによって形成されてもよい。
本実施形態において、コア1は、焼結体であり、焼成時の内部と外部との温度差等の影響により、歪みが発生し、結果として内部応力を有する。コア1が歪み及び内部応力を有していると、コア1の磁気損失(コアロス)が増加し、発熱量も増加するので、コア1の温度上昇が大きくなる。本実施形態において、コア1の第1梁部3の少なくとも一部が溝10によって分断されている。このような構造にすると、溝10がコア1を分断することによって形成された分断面11は自由面になる。このため、分断面11によってコア1の歪み及び内部応力が緩和される。その結果、コア1の磁気損失が低減され、発熱量も低減されるので、コア1の温度上昇が抑制される。
コア1の温度上昇が抑制されると、コア1を用いた巻線部品の性能を向上させることができる。また、コア1を用いた巻線部品の性能が、溝10を有していないコアを用いた巻線部品よりも良好であれば、コア1を用いた巻線部品を小型化することができる。また、コア1は、溝10を設けることにより、第1コア1Aが複数の部材に分割されないので、従来と変わらない工程で、コア1を組み立てることができる。
上述したように、コア1は、第1梁部3に溝10が設けられている。また、本実施形態において、コア1は、図2に示すように、第2梁部4が、例えば金属製のベース部材30に取り付けられる。コア1は、図3に示すように第1梁部3の断面積をA1、図4に示すように第2梁部4の断面積をA2、図5に示すように主脚部2(この例では第1主脚部2A)の断面積をA3、図6に示すように側脚部(この例では第1側脚部5の第2部分5B)の断面積をA4とする。第1側脚部5と第2側脚部6とは、いずれも断面積が同一である。断面積とは、図2に示すように、主脚部2に巻線20を巻き回した場合、磁束Mと直交する方向における面積をいう。
本実施形態においては、A1>A2の関係がある。第1梁部3と第2梁部4とには同じ量の磁束が流れる。このため、第1梁部3と第2梁部4との単位磁束当たりの断面積をそれぞれS1、S2とすると、S1>S2となる。本実施形態においては、第1梁部3の奥行と第2梁部4の奥行とが一致している。このため、A1>A2とするために、図2に示すように、第2梁部4の厚みDcは、第1梁部3の厚みDbよりも小さい。S1>S2とすることで、第1梁部3の磁束密度を第2梁部4の磁束密度よりも小さくすることができるので、第1梁部3の発熱量を第2梁部4の発熱量よりも小さくすることができる。
第2梁部4が取り付けられるベース部材30は、コア1の熱を放熱させる機能を有している。このため、第2梁部4よりもベース部材30から離れた位置に配置される第1梁部3は、ベース部材30に対する放熱特性が第2梁部4よりも低下する。S1>S2として第1梁部3の発熱量を第2梁部4の発熱量よりも小さくすることにより、第1梁部3の温度上昇を抑制することができる。さらに、本実施形態では、第2梁部4の厚みDcが第1梁部3の厚みDbよりも小さいことから、第1梁部3、主脚部2、第1側脚部5及び第2側脚部6とベース部材30との距離が小さくなる。その結果、これらの部分で発生した熱をベース部材30へ効果的に放熱することもできる。
本実施形態においては、A1>A3/2とすることが好ましい。主脚部2の断面積A3を2で除しているのは、コア1の主脚部2には、第1梁部3、第2梁部4、第1側脚部5又は第2側脚部6の2倍の磁束が形成されるからである。したがって、第1梁部3と第2梁部4と主脚部2との単位磁束当たりの断面積をそれぞれS1、S2、S3とすると、S1>S2及びS1>S3となる。また、コア1が第1側脚部5と第2側脚部6との少なくとも一方を有する場合、第1側脚部5及び第2側脚部6の単位磁束当たりの断面積をS4とすると、S1>S4とすることが好ましい。
このようにすることで、コア1は、ベース部材30からの距離が最大であるため放熱性が最も不利となる第1梁部3において、その磁束密度は最小となるため、発熱の少ない構造を得ることが可能となる。さらに、第2梁部4の厚みDcが低減されていることから、第1梁部3、主脚部2、第1側脚部5及び第2側脚部6とベース部材30との距離が小さくなる。したがって、これらの部分で発生した熱をベース部材30へ効果的に放熱することができる。
コア1は、S1>S3>S2を満たすことがさらに好ましい。また、コア1が第1側脚部5と第2側脚部6との少なくとも一方を有する場合は、それに加えてS1>S4>S2の条件満たすことが好ましい。このようにすることで、コア1は、ベース部材30から離れるほど磁束密度が低くなり、発熱の少ない構造を得ることが可能となる。しかも、S3がS2よりも大きく設定されていることから、第1梁部3からベース部材30への放熱ルートを十分に確保することが可能となる。
本実施形態において、溝10は、第2梁部4が取り付けられるベース部材30とは反対側の第1梁部3に設けられる。第1梁部3は、第2梁部4よりもベース部材30から離れた位置に配置されるため、ベース部材30に対する放熱特性が第2梁部4よりも低下して、温度が上昇する傾向がある。しかし、第1梁部3は溝10を有しているので、発熱量が抑制される。その結果、第1梁部3がベース部材30から離れた位置に配置されていても、コア1全体の温度上昇は抑制される。このように、コア1は、ベース部材30に取り付けられる部分から離れた部分の温度が上昇しやすいので、この部分に溝10が設けられることが好ましい。
なお、第1梁部3に溝10を設けることで、第1梁部3自体の断面積低下を招き、磁束密度は増大することとなるが、本実施形態は、第1梁部3の単位磁束密度あたりの断面積S1がその他の部分よりも大きくしている。このため、溝10による応力緩和の効果を大きく際立たせることができる。
第2梁部4がベース部材30に取り付けられている場合に、例えば、主脚部2の断面積を大きくして第1梁部3から第2梁部4への放熱特性を向上させ、第1梁部3の昇温を抑制する手法もある。この手法は、主脚部2の断面積が大きくなり、その結果として、巻線20全体の外形も大きくなる。これに対して、コア1は、第1梁部3に溝10を設けてこの部分の発熱を抑制しているので、主脚部2の断面積を大きくしなくてもよい。その結果、コア1は、全体の温度上昇が抑制され、かつ巻線20の部分における外形の増大も抑制できるので、コア1を用いたトランス及びチョークコイル等の巻線部品をコンパクトにすることができる。次に、溝10についてより詳細に説明する。
図7から図10は、溝の説明図である。これらの図は、図2のA−A断面図又はA−A矢視図に相当する。上述した溝10は、断面形状、すなわち延在方向と直交する方向の断面形状(以下同様)がV字形状であったが、図7に示す溝10aのように断面形状が矩形であってもよい。上述した溝10及び図7に示す溝10aは、溝の深さ(溝深さDs)が、第1梁部3の厚みDbのほぼ半分になっている。溝深さDsが深い方が、歪み及び内部応力を緩和する効果が大きくなるので、コア1の発熱及び温度上昇をより効果的に抑制することができる。このため、図8に示す溝10bのように、溝深さDsを第1梁部3の厚みDbと同じ大きさとしてもよい。このようにすることで、コア1の発熱及び温度上昇をさらに抑制することができる。
溝深さDsが主脚部2(図8に示す例では第1主脚部2A)の範囲まで深くなると、主脚部2の断面積が小さくなる。その結果、主脚部2の磁束密度が大きくなって主脚部2の発熱量が増加する。このため、溝深さDsの最大値は、第1梁部3の厚みDbまでとすることが好ましい。このようにすることで、主脚部2の発熱の増加を回避しつつ、第1梁部3の発熱を抑制することができるので、コア1の温度上昇を効果的に抑制することができる。
図9に示す第1梁部3は、複数の溝10cを有している。また、図10に示す第1梁部3のように、第1梁部3の外面3oと内面(第2梁部4と対向する面)3iとの両方に、それぞれ溝10doと溝10diとを設けてもよい。このようにすれば、トータルでの溝深さを大きくすることができるので、コア1の発熱及び温度上昇を効果的に抑制することができる。
図11は、本実施形態に係るEI型のコアを示す斜視図である。コア1eは、E型コア1Aeと、第2梁部としてのI型コア4eとを有する。E型コア1Aeは、主脚部2と、第1梁部3eと、第1側脚部5と、第2側脚部6とを有する。第1梁部3eと、第2梁部としてのI型コア4eとは、主脚部2を介して互いに対向する位置に設けられている。また、第1側脚部5は第1梁部3e及びI型コア4eの一方の端部側に設けられ、第2側脚部6は他方の端部側に設けられる。このような構造により、第1梁部3eの両方の端部とI型コア4eの両方の端部との間には、第1側脚部5と第2側脚部6とが配置される。
第1梁部3eは、上述したコア1の第1梁部3と同様に、磁束の方向と平行な方向に向かって延在する溝10を有している。EI型のコア1eも、溝10を有しているので、EE型のコア1と同様に、溝10が第1梁部3の少なくとも一部を分断することによってコア1eの磁気損失が低減され、発熱量も低減されるので、コア1eの温度上昇が抑制される。
本実施形態においては、1つの主脚部と2つの側脚部とを有する、いわゆる日の字型コア、EE型コア又はEI型コアを例に説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。したがって、本発明をロの字型コア、UU字コア、UI字コアなどに適用することも可能である。UU字コアとはU字型のコアを2つ用いたコアであり、UI字コアとはU字型のコアとI字型のコアを用いたコアである。これらロの字型コア、UU字コア、UI字コアは、巻線が巻き回される主脚部と、主脚部と略平行に配置された1つの側脚部と、主脚部及び側脚部の一端同士を接続する第1梁部と、主脚部及び側脚部の他端同士を接続する第2梁部とを有する環状体である。なお、側脚部を有する各形状のコアにおいて、側脚部にも巻線が巻き回される場合もある。
図12は、スイッチング電源装置の構成を示すブロック図である。コア1、1eを用いた巻線部品は、スイッチング電源装置に用いることが可能である。図12に示すスイッチング電源装置200は、直流入力電圧Vinを直流出力電圧Voutに変換するための装置(DC/DCコンバーター)である。スイッチング電源装置200は、入力フィルタ201と、直流入力電圧Vinを交流に変換するスイッチング回路202と、スイッチング回路202の出力を変圧するトランス203と、トランス203の出力を整流する整流回路204と、整流回路204の出力を平滑化する平滑回路205とを備えている。このようなスイッチング電源装置200において、トランス203のコア又は平滑回路205に用いられるチョークコイルのコア等として上述したコア1、1eを用いれば、トランス203の温度上昇が抑制されることから、スイッチング電源装置200の信頼性を高め、性能を向上させることができる。図12に示したスイッチング電源装置200は、特に自動車用のスイッチング電源装置として利用することが好適である。
図13は、スイッチング電源装置を備えた自動車の主要部分を概略的に示すブロック図である。図13に示すように、図12に示すスイッチング電源装置200を自動車用に用いた場合、スイッチング電源装置200は、高圧バッテリー210と電気機器220及び低圧バッテリー230との間に設けられ、高圧バッテリー210から供給される約144V又は約288Vの高電圧を約14Vに降圧し、これを電気機器220に供給するとともに、低圧バッテリー230を充電する役割を果たす。電気機器220としては、自動車に備えられるエアコン又はオーディオ等が挙げられる。
高圧バッテリー210への充電は、発電装置240から供給される電力によって行われる。また、高圧バッテリー210の出力はモータ250にも供給され、モータ250は、高圧バッテリー210から供給される高電圧(約144V又は約288V)に基づいて駆動系260を駆動する。なお、燃料電池車においては燃料電池本体が発電装置240となり、ハイブリッド車においてはモータ250が発電装置240を兼ねることになる。
(評価例)
上述した実施形態のEI型のコア1eの実動作時における温度上昇を評価した。温度上昇は、次の方法で測定した。まず、コア1eの初期温度を100℃とし、初期温度が安定した後、周波数100kHz、主脚部2における最大磁束密度230mTの条件でコア1eを励磁し、コア1eの温度が安定したところで、熱電対でコア1eの温度を測定した。
評価結果を表1に示す。コアAは、Mn−Zn系フェライトコアであり、コアBは、Mn−Zn−Ti系フェライトコアである。評価結果は、溝10を有さない以外はコア1eと同一寸法及び同一形状のコアの温度上昇に対する、溝10を有するコア1eの温度上昇の比率で表した。コアA、コアBは、いずれも溝深さDsを変化させた。溝深Dsさは、溝10が設けられている第1梁部3eの厚みに対する比率である。表1の結果から、溝10を有するコア1eは、溝10を有さないコアに対して温度上昇が抑制された。また、溝深さDsが大きくなるにしたがって、コア1eの温度上昇が抑制されることが分かった。
Figure 2014067907
以上、本実施形態を説明したが、上述した内容により本実施形態が限定されるものではない。また、上述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、上述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。また、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
1、1e コア
1A 第1コア
1B 第2コア
1Ae E型コア
2 主脚部
2A 第1主脚部
2B 第2主脚部
3o 外面
3T1、3T2 端部
3、3e 第1梁部
4 第2梁部
4e I型コア
5 第1側脚部
6 第2側脚部
10、10a、10b、10c、10do、10di 溝
11 分断面
20 巻線
30 ベース部材
200 スイッチング電源装置

Claims (11)

  1. 巻線が巻き回される主脚部と、
    前記主脚部を介して互いに対向する位置に設けられた第1梁部及び第2梁部と、
    前記第1梁部及び前記第2梁部の少なくとも一方に、磁束の方向と平行な方向に延在する少なくとも1つの溝と、
    を含むことを特徴とするコア。
  2. 前記溝は、前記第1梁部に設けられ、
    前記第1梁部の単位磁束当たりの断面積をS1、前記第2梁部の単位磁束当たりの断面積をS2とした場合、
    S1>S2
    である、請求項1に記載のコア。
  3. 前記第2梁部の厚みは前記第1梁部の厚みよりも小さい、請求項2に記載のコア。
  4. 前記主脚部の単位磁束当たりの断面積をS3とした場合、
    S1>S3
    である、請求項2又は3に記載のコア。
  5. 前記第1梁部の端部側及び前記第2梁部の端部側に設けられる少なくとも1つの側脚部をさらに含み、前記側脚部の単位磁束当たりの断面積をS4とした場合、
    S1>S4
    を満たす、請求項2又は3に記載のコア。
  6. 前記第1梁部の端部側及び前記第2梁部の端部側に設けられる少なくとも1つの側脚部をさらに含み、前記主脚部の単位磁束当たりの断面積をS3とし、前記側脚部の単位磁束当たりの断面積をS4とした場合、
    前記S1、前記S2、前記S3、前記S4は、
    S1>S3>S2を満たし、更にS1>S4>S2を満たす、請求項2又は3に記載のコア。
  7. 前記溝は、前記第1梁部に設けられ、
    前記第2梁部が、放熱用の部材に取り付けられる、請求項1から6のいずれか1項に記載のコア。
  8. 前記溝は、前記第1梁部に、複数設けられている、請求項1から6のいずれか1項に記載のコア。
  9. 前記溝は、前記第1梁部の厚みと同じ深さである、請求項1から6のいずれか1項に記載のコア。
  10. 請求項1から9のいずれか1項に記載のコアを用いたことを特徴とする巻線部品。
  11. 請求項10に記載の巻線部品を備えたことを特徴とするスイッチング電源装置。
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