JP2015201491A - 冷却器付きリアクトル - Google Patents

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Abstract

【課題】本明細書は、コイルと冷却器の間に放熱シートを備えた冷却器付きリアクトルにおいて、コイルの巻線の熱膨張により放熱シートが引き延ばされることによるリアクトルの冷却効率の低下を抑制する技術を提供する。【解決手段】本明細書が開示する冷却器付きリアクトル100は、コア3に巻回されているコイル2の巻回径方向における一側面と対向するように配置されている冷却器4と、コイル2の一側面と冷却器4の間に挟まれている放熱シートと、櫛歯63aがコイルの巻線21と巻線21の間に挿入されている櫛部材63を備えている。【選択図】図2

Description

本明細書が開示する技術は、冷却器を備えたリアクトル(冷却器付きリアクトル)に関する。リアクトルは、コイルを利用した受動素子であり、インダクタと呼ばれることもある。
リアクトルは、力率改善、高調波電流の抑制(直流電流の平滑化)等のために用いられる。例えば、リアクトルは電動車両の電力変換装置に用いられる。電動車両はモータを駆動力とするため、駆動回路にリアクトルを備えることが多い。電動車両では、数十キロワットクラスの高出力モータを利用するため、その駆動回路に用いるリアクトルも大容量となる。それゆえ、リアクトルの発熱量が大きい。なお、本明細書では、「電動車両」には、電気自動車、ハイブリッド車、及び、燃料電池車を含む。
冷却のためにリアクトルに冷却器を備えることがある。なお、冷却器は、内部を冷媒が流れるタイプもあれば、単なる放熱板の場合もあり得る。後者の場合、リアクトルを固定する筐体(リアクトルを含む電力変換装置の筺体)が放熱板として機能する場合もある。また、リアクトルのコイルと冷却器の間に放熱シートを備える場合もあり、例えば、特許文献1に、その構造が開示されている。リアクトルを冷却器に強く圧接することで放熱シートがコイルと冷却器によく密着していることが伝熱効率を高めるためにも良い。特許文献1では、冷却器の側に、放熱シートを収容する凹部が設けられており、圧接する力により変形した放熱シートがコイルの外側へ逃げることを防止ししつつ、放熱シートの密着性を高める技術が開示されている。
特許文献2、3にも、リアクトルの冷却効率を高める技術が開示されている。特許文献2には、放熱シートにコイルの巻線と巻線の間に位置する溝が設けられており、その溝とコイルの間が封止性の樹脂で埋められている構成が開示されている。隙間に埋められた樹脂により放熱シートへの伝熱効率が高められる。また、特許文献3には、コイルが巻回軸方向で分割されており、その分割したことで生じた隙間に冷却器から突出する突起が入り込んでいる構成が開示されている。この分割による隙間をコイルの発熱しやすい箇所に設けることにより、コイルの熱が隙間に入り込んでいる突起へと効率よく放熱される。
特開2013−118208号公報 特開2012−169643号公報 特開2008−210976号公報
高容量のリアクトルでは、コイルの発熱によりコイルの巻線が熱膨張する場合がある。最近の放熱シートは柔軟性が高くコイルを冷却器に強く圧接することでコイルによく密着する。そのため、巻線の熱膨張によりコイルと冷却器の間に位置する放熱シートが圧縮される。リアクトルの動作状況により巻線の熱膨張は繰り返し引き起こされる。即ち、放熱シートには、熱膨張による圧縮力が繰り返し加わる。この繰り返し加わる圧縮力により放熱シートがコイルの外側へと押し出されると共に引き延ばされる。経時劣化が進むと放熱シートの柔軟性が低下する。その結果、繰り返し引き延ばされているうちに放熱シートとコイルの間に隙間が発生する場合がある。この隙間により放熱シートのコイルへの密着性が低下し、リアクトルの冷却効率が低下する虞がある。
本明細書が開示する技術は、上記課題に鑑みて創作された。その目的は、コイルと冷却器の間に放熱シートを備えた冷却器付きリアクトルにおいて、コイルの巻線の熱膨張により放熱シートが引き延ばされることによるリアクトルの冷却効率の低下を抑制することにある。
本明細書が開示する冷却器付きリアクトルは、コアに巻回されているコイルとコイルの巻回径方向における一側面に対向するように冷却器を備えている。このコイルの一側面と冷却器の間には放熱シートが備えられている。放熱シートはコイルと冷却器に挟まれることでコイルと冷却器に密着している。本明細書が開示するリアクトルには、さらに、巻線と巻線の間に意図的に隙間が設けられ、その隙間に放熱シートの一部が入り込む。巻線間の隙間に放熱シートが入り込むことで、コイルの巻線が熱膨張した場合、圧縮された放熱シートがこの隙間に進入し、コイルの外側へと押し出される放熱シートの量を抑えることができる。
巻線間の隙間を設けるための一実施形態は以下の通りである。本明細書が開示する冷却器付きリアクトルは、櫛部材を備えている。そして、櫛部材の各櫛歯がコイルの巻線と巻線の間に挿入されている。櫛歯がコイルの巻線間に挿入されることで、巻線間の間隔が櫛歯の板厚に応じた間隔に保持される。
このような構成を採用することにより、巻線間に隙間が意図的に設けられ、その隙間に放熱シートを入り込ませることができる。コイルの巻線が熱膨張した場合、巻線間の隙間に圧縮された放熱シートが進入するため、コイルの外側へと押し出される放熱シートの量を低減することができる。即ち、放熱シートに繰り返し圧縮力が作用しても、巻線間の隙間に放熱シートが進入してくるため、コイルと放熱シートの密着性が低下することを抑えることができる。一方、圧縮力が作用したときに隙間に進入した放熱シートは隙間にとどまることになり、コイルと接触する面積が増大する。即ち、密着性が低下しても、コイルと放熱シートの接触面積が拡大することで、冷却効率の低下分の幾らかが補われる。
さらに、コイルの一側面と対向する冷却器の側面に、コイルの巻線と巻線の間に位置する突条が設けられていても良い。突条は、巻線に沿って伸びている。また、各巻線間、あるいは、幾つかの巻線間に位置するように複数の突条が設けられていてもよい。
このような構成によれば、コイルの巻線が熱膨張した際、圧縮された放熱シートは、巻線間に位置する突条に沿って、巻線間の隙間に入り込む。即ち、熱膨張により圧縮されコイルの外側へ移動しようとする放熱シートは、突条に遮られ巻線間の隙間へと移動が促される。よって、コイルの外側へと押し出される放熱シートの量をさらに低減することができる。
なお、櫛部材は、必ずしも全ての巻線間に入り込む櫛歯を有していなくともよい。例えば、2回の巻線ごとに一つの櫛歯が挿入されていてもよい。突条も同様である。
本明細書が開示する技術によれば、コイルと冷却器の間に放熱シートを備えた冷却器付きリアクトルにおいて、コイルの巻線が熱膨張した場合、圧縮された放熱シートがコイルの外側へと押し出されることを抑制し、リアクトルの冷却効率が低下することを抑えることができる。本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
第1実施例の冷却器付きリアクトルの分解斜視図である。 冷却器付きリアクトルの斜視図である。 図2の矢印IIIの方向から見た冷却器付きリアクトルの側面図である。 図3のIV−IV線における断面図である。 図3の二点鎖線Vで囲んだ範囲の拡大図である。 第2実施例の冷却器付きリアクトルの図4と同様の断面図である。 第3実施例の冷却器付きリアクトルの図3と同様の側面図である。 図7の二点鎖線VIIIで囲んだ範囲の拡大図である。 第4実施例の冷却器付きリアクトルの図3と同様の側面図である。
(第1実施例)図面を参照して実施例の冷却器付きリアクトル100を説明する。図1に冷却器付きリアクトル100の分解斜視図を示す。図2に冷却器付きリアクトル100の斜視図を示す。また、図3に、図2の矢印IIIの方向から見た冷却器付きリアクトル100の側面図を示す。なお、図3において、冷却器4と放熱シート5のみ断面で示していることに留意されたい。また、図中には、座標系が示されており、本明細書では適時その座標系を用いて実施例の説明をする。
冷却器付きリアクトル100は、例えば電動車両の電力変換装置に用いられる。電動車両はモータを駆動力とするため、電力変換装置は、バッテリの電力を昇圧しモータに供給する電力に変換する電圧コンバータ回路を含んでいる。冷却器付きリアクトル100は、その電圧コンバータ回路に備えられている。電動車両では、数十キロワットクラスの高出力なモータを利用するため、その電圧コンバータ回路に用いられるリアクトルも大容量となる。それゆえ、冷却器付きリアクトル100の発熱量は大きい。
図2に示すように、冷却器付きリアクトル100は、コイル2及びコア3を備えているリアクトル本体20と、リアクトル本体20を冷却するための冷却器4により構成されている。リアクトル本体20は、図1に示すように、巻線が巻回されて構成される一対のコイル2と、巻回軸線に沿ってコイル2の巻回軸線の方向(以下、巻回軸方向)の両側からコイル2に挿入されるコア3と、コイル2とコア3の間を絶縁するためのボビン61、62と、後述する櫛部材63により構成されている。リアクトル本体20は、コイル2の下側の部分(Z軸負方向側の部分)が冷却器4の上表面に設けられている窪み41に収容されるように、冷却器4に取り付けられている。リアクトル本体20のコア3には絶縁性のカバー7が取り付けられている。カバー7には、カバー7をリアクトル本体20に取り付けた際にリアクトル本体20の四隅に位置するように取付脚7aが備えられている。取付脚7aに設けられた貫通孔にボルト8を通してカバー7を冷却器4に締結することで、リアクトル本体20が冷却器4に固定される。また、リアクトル本体20のコイル2と冷却器4の間には、後述する放熱シート5が配置されている。
コイル2は、図1に示すように、銅からなる平角線である巻線21がエッジワイズ巻に巻回されて構成されている。即ち、コイル2では、平角線である巻線21の幅広の側面がコイルの巻回軸方向(X軸方向)を向いて積層されるように巻線21が巻回されている。平角線である巻線21の幅広の側面の幅(線幅)は、冷却器付きリアクトル100の電気的な特性若しくは仕様によって適宜設定される。本実施例では、コイル2は、巻回軸方向(X軸方向)から見て矩形状を成すように巻回されている。リアクトル100は一対のコイル2を有しており、その一対のコイル2は巻回径方向(Y軸方向)に平行に並ぶように配置されている。一対のコイルは1本の巻線21で作られており、電気的には直列に接続されている。また、一対のコイル2の巻回軸方向における端面から引出線21aが1本づつ巻回軸方向に沿って延びている。
また、図3によく示されているように、コイル2の巻線21と巻線21の間(以下、巻線21の間)には隙間が存在する。この隙間は後述する櫛部材63の櫛歯63aが挿入されることにより意図的に設けられる。なお、図中では、コイル2の巻線21の間に隙間があることを強調するために、この隙間の間隔が大きく描かれていることに留意されたい。
ボビン61、62は絶縁性の樹脂で作られている。一方のボビン61には、平板の表面に同一方向に延びる一対の筒部61aが設けられている。筒部61aの横断面は、コイル2の内側の形状に倣って矩形状をしている。筒部61aの長さは、コイル2の巻回軸方向(X軸方向)の長さよりも長くなっている。そして、筒部61aには、コア3が通過する矩形の貫通孔が設けられている。また、他方のボビン62には、平板の表面にボビン61の一対の筒部61aが挿入される一対の貫通孔62aが設けられている。図1に示すように、ボビン61の一対の筒部61aが一対のコイル2の内側に挿入された後に筒部61aがボビン62の貫通孔62aに挿入されることで、ボビン61、62がコイル2に取り付けられる。即ち、コイル2は、ボビン61、62の平板の部分により挟まれている。そして、その平板の部分を外側から支持するように後述する櫛部材63が取り付けられる。これにより、ボビン61、62及び櫛部材63がコイル2に固定される。
コア3はC字形状であり、そのC字の両端は直線に平行に延びている。2つのC字形状のコア3が組み合わさることで環状のコアとなる。また、コア3の延伸方向と直交する断面は矩形である。図1に示すように、コア3のC字形状の両端がボビン61の一対の筒部61aに挿入される。一対の筒部61aは一対のコイル2の内側に挿入される。即ち、コア3のC字形状の両端が一対のコイル2の内側に挿入される。ボビン61、62の巻回軸方向の両側から2つのコア3の直線に延びる両端が筒部61に挿入されることにより、一対のコイル2の内側を通過する環状のコアが構成される。即ち、コイル2は、ボビン61の筒部61aを介してC字形状のコア3により構成された環状のコアの直線に延びる部分に巻回されている。なお、コア3は、磁性体で作られており、例えば、磁性体粒子を含む紛体を焼結や圧縮成形といった加工法により固められることで作られる。
冷却器4は、熱伝導性の高い金属、具体的にはアルミニウムで作られている。冷却器4は、電力変換装置のケースの一部であり、図中ではリアクトル本体20が取り付けられる箇所のみを示している。図3によく表されているように、リアクトル本体20のコイル2の下側の部分は、冷却器4の上表面に設けられている窪み41に収容されている。コイル2の巻回径方向における一側面である下面2aは、冷却器4の窪み41の底面41aと対向するように配置されている。そして、コイル2の下面2aと窪み41の底面41aの間には、次に説明する放熱シート5が配置されている。コイル2から発生した熱は、放熱シート5を介して冷却器4に伝わる。
放熱シート5は、シリコンをベースとしたラバーシートであり、熱伝導率が高く、柔軟性が高い。放熱シートの一例は、サーコン(登録商標)シートである。放熱シート5の熱伝導率は17W/m・K程度であり、放熱シート5の柔軟性は、ゴム硬度(JIS A)で表すと、約20〜100Hs程度である。リアクトル本体20は、ボルト8により冷却器4に締結されており、この締結力により、コイル2の下面2aと冷却器4の窪み41の底面41aの間に位置する放熱シート5が挟まれている。即ち、この締結力により、放熱シート5がコイル2の下面2a及び窪み41の底面41aによく密着している。
図1、4を参照して櫛部材63について説明する。図4は、図3のIV−IV線における断面図である。なお、図4では、カバー7の図示は省略している。図1に示すように、櫛部材63には複数の平板の櫛歯63aが、その幅広の側面が対向するように平行に並んでいる。櫛歯63aの板厚はすべて同一であり、その間隔もすべて同一である。図4に示すように、一つの櫛歯63aは隣り合う巻線21の間に挿入されている。櫛歯63aが隣り合う巻線21の間に挿入されることで、隣り合う巻線21の間に櫛歯63aの板厚に相当する隙間22が設けられる。即ち、櫛歯63aが挿入されている巻線21の間には、すべて櫛歯63aの板厚に相当する隙間22が設けられている。隙間22の距離G1は、櫛歯63aの板厚に相当する長さとなる。隙間22の距離G1は、例えば、0.5〜3mm程度である。
図5を参照して、巻線21の間に意図的に設けられた隙間の効果について説明する。図5は、図3の二点鎖線Vで囲んだ範囲の拡大図である。図5に示すように、柔軟性の高い放熱シート5は、巻線21の間の隙間22に入り込んでいる。別言すれば、隙間22の間に位置する放熱シート5の上表面5aは、コイル2の下面2aよりも上方に位置している。即ち、放熱シート5がコイル2によく密着している。
冷却器付きリアクトル100は大容量であり、コイル2の発熱により巻線21が熱膨張する。そのため、巻線21の熱膨張によりコイル2と冷却器4の間に位置する放熱シート5が圧縮される。図5の巻線21に描かれた太線矢印に示すように巻線21が熱膨張すると、巻線21に密着している放熱シート5は膨張した分だけ巻線21の外側に押し出される。従来の冷却器付きリアクトルでは、巻線は密に巻かれており、巻線の間にはほとんど隙間が存在しない。そのため、巻線の外側に押し出された放熱シートは、ほとんどがコイルの外側へと押し出され、コイルと放熱シートの密着性が低下する。一方、実施例の冷却器付きリアクトル100では、巻線21の間に隙間22が設けられている。これにより、巻線21の外側に押し出された放熱シート5の一部は図5の放熱シート5に描かれている上向きの太線矢印に示すように、巻線21の間の隙間22に進入する。即ち、隙間22に進入する放熱シートの分だけコイル2の外側に押し出される放熱シートの量を低減することができる。即ち、放熱シート5に熱膨張による圧縮力が加わっても、コイル2と放熱シート5の密着性が低下することを抑えることができる。
また、巻線の熱膨張はリアクトルの動作状況により繰り返し引き起こされる。即ち、放熱シート5には圧縮力が繰り返し加わる。従来の冷却器付きリアクトルでは、巻線の間にはほとんど隙間が無い。繰り返し加わる圧縮力により放熱シートはコイルの外側へと押し出されると共に、引き延ばされる。経時劣化が進むと放熱シートの柔軟性が低下する。その結果、引き延ばされているうちに放熱シートとコイルの間に隙間が発生する虞がある。この隙間により放熱シートのコイルへの密着性が低下し、リアクトルの冷却効率が低下する。しかし、実施例の冷却器付きリアクトル100では、巻線21の間に隙間22が設けられている。放熱シート5に繰り返し圧縮力が加わっても、隙間22に放熱シート5が進入するため、隙間22に放熱シート5が留まることができる。即ち、コイル2と放熱シート5の接触面積を拡大することができる。よって、経時劣化により柔軟性が低下しても、放熱シート5の接触面積が拡大することで、冷却器付きリアクトル100の冷却効率の低下分の幾らかが補われる。
(第2実施例)図6を参照して、第2実施例の冷却器付きリアクトル200について説明する。図6は、図4と同様の方向から見た冷却器付きリアクトル200の断面図である。冷却器付きリアクトル200は櫛部材163以外の構成は第1実施例の冷却器付きリアクトル100と同じである。以下では、構成の異なる櫛部材163について説明する。図6に示すように、櫛部材163は、2種類の板厚の櫛歯163a、163bを備えている。櫛歯163bの板厚は櫛歯163aの板厚よりも大きい。複数の櫛歯163bは、櫛部材163の巻回軸方向(X軸方向)における中央に並んで配置されており、複数の櫛歯163aは、櫛歯163bの巻回軸方向における両側に並んで配置されている。櫛歯163a、163bは隣り合う巻線21の間に挿入されている。櫛歯163aが巻線21の間に挿入されることで、巻線21の間には櫛歯163aの板厚に相当する隙間122aが設けられる。さらに、櫛歯163bが巻線21の間に挿入されることで、巻線21の間には櫛歯163bの板厚に相当する隙間122bが設けられる。即ち、コイル102は、巻回軸方向の中央に位置する巻線21の間には隙間122bが設けられており、巻回軸方向の両端に位置する巻線21の間には隙間122aが設けられている。そして、隙間122bの距離G3は隙間122aの距離G2よりも大きい。
図6によく表されているように、2つのC字形状のコア3が組み合わさることで構成される環状のコアは、コア3の端面同士が対向することで構成される隙間31を有している。隙間31は、コイル102の巻回軸方向における中央に位置している。一般にコアに隙間を有するコイルの発熱は巻回軸方向に沿って一様ではなく、この隙間の近傍が他の箇所に比べ発熱が大きくなっている。これは、コアの隙間から磁束が漏れ、その漏れた磁束がコイルの巻線を通過することでコイルに渦損失が生じるからである。コイル102では、隙間31の近傍である巻回軸方向における中央に位置する巻線21の発熱が大きく、中央に位置する巻線21の熱膨張が他の巻線21に比べ大きくなっている。熱膨張が大きい箇所では巻線により押し出される放熱シートの量が多くなる。押し出される放熱シートが進入する巻線の間の隙間を大きくすることがコイルの外側に押し出される放熱シートの量を減らすためにも効果的である。第2実施例の構成によれば、コア3の隙間31が位置しているコイル102の巻回軸方向における中央で巻線21の間の隙間を大きくしている。即ち、コイル102の発熱が大きい箇所で巻線21の間の隙間を大きくしている。したがって、熱膨張が大きい箇所で押し出される放熱シートをより多く巻線21の間の隙間に進入させることができる。つまり、放熱シートがコイル102の外側に押し出される量を第1実施例に比べ効率的に低減することができる。
また、巻線の間に隙間を意図的に設けることは、コイルの巻回軸方向における長さが大きくなり、リアクトルの体格が大きくなる原因となる。第2実施例の構成によれば、コイルの発熱が大きい箇所(巻回軸方向における中央)で巻線の間の隙間を大きくし、発熱が小さい箇所(巻回軸方向における両端)では巻線の間の隙間を小さくしている。即ち、熱膨張が大きい箇所では押し出される放熱シートをより多く巻線21の間の隙間に進入させることができる。そして、熱膨張が小さい箇所では隙間の大きさを抑えてリアクトルの体格が大きくなることを防止することができる。つまり、放熱シートの密着性が低下することの防止とリアクトルの体格が大きくなることの抑制を両立することができる。
(第3実施例)図7を参照して、第3実施例の冷却器付きリアクトル300について説明する。図7は、図3と同様の方向から見た冷却器付きリアクトル300の側面図である。図3と同様に、冷却器304と放熱シート305のみ断面で示されている。冷却器付きリアクトル300では、冷却器304以外の構成は、第1実施例の冷却器付きリアクトル100と同じである。以下では、構成の異なる冷却器304について説明する。図7に示すように、冷却器304のコイル2の下側を収容している窪み341の底面341aには複数の三角形状の突条342が設けられている。別言すれば、コイル2の下面2aと対向している冷却器304の底面341aに突条342が設けられている。そして、突条342は、巻線21の間の隙間22に位置している。複数の突条342は巻線21に沿ってコイル2の幅方向(Y軸方向)に延びており、突条342は等間隔で巻回軸方向に平行に並んでいる。隣り合う突条342の頂点間の距離L1の間に巻線が1つ位置している。即ち、1回の巻線ごとに1つ突条342が設けられている。
図8を参照して、突条342の効果について説明する。図8は、図7の二点鎖線VIIIで囲んだ範囲の拡大図である。図8の巻線21に描かれた太線矢印に示すように、巻線21が熱膨張すると、巻線21に密着している放熱シート305は膨張した分だけ巻線21の外側に押し出される。この押し出された放熱シート305は、図8の突条342に沿って描かれている上向き矢印に示すように、突条342の三角形状の斜面に沿って隙間22に進入する。即ち、熱膨張により押し出されコイル2の外側へ移動しようとする放熱シート305は、突条342により外側への移動を遮られつつ、突条342の三角形状の斜面に沿って巻線21の間の隙間22へと移動が促される。第1実施例と比較して、コイルの外側へと押し出される放熱シートの量をさらに低減することができる。
(第4実施例)図9を参照して、第4実施例の冷却器付きリアクトル400について説明する。第4実施例は、第3実施例の変形例である。図9は、図7と同様の方向から見た冷却器付きリアクトル400の側面図である。図7と同様に、冷却器404と放熱シート405のみ断面で示されている。冷却器付きリアクトル400では、冷却器404以外の構成は、第3実施例の冷却器付きリアクトル300と同じである。以下では、構成の異なる冷却器404について説明する。図9に示すように、冷却器404の窪み441の底面441aに設けられている突条442は等間隔に並んでいる。そして、隣り合う突条442の頂点の間の距離L2の間に巻線が2つ位置している。即ち、2回の巻線ごとに1つの突条442が設けられている。
第3実施例の構成では、リアクトル本体320を冷却器304に取り付ける際に、突条342の位置を1回の巻線ごとの隙間22に合わせる必要がある。そのため、精密な公差管理が必要となると共に、1回の巻線ごとに1つの突条342が設けられているため公差管理が煩雑となる。一方、第4実施例の構成によれば、2回の巻線ごとに1つの突条442が設けられている。公差を管理する突条の数を減らすことができ、公差管理の煩雑さを幾分か低減することができる。
また、冷却器に設けられる突条の並びを等間隔にしない変形例を採用してもよい。例えば、巻回軸方向における中央に位置する隣り合う突条の頂点間の距離が端側に位置する隣り合う突条の頂点間の距離よりも小さい構成としてもよい。上述したように、コイルの発熱はコアの隙間がある位置で大きい。本明細書のリアクトルはそのコアの隙間がコイルの巻回軸方向における中央に位置するため、コイルの発熱は巻回軸方向における中央で大きい。発熱が多いコイルの巻回軸方向における中央では突条の数を多くすることで、熱膨張により押し出されることで巻線の間の隙間に進入する放熱シートの量を増やすことができる。一方、発熱が少ないコイルの巻回軸方向における端側では突条の数を少なくすることで、突条と巻線の間の隙間の位置を合わせるための公差管理の煩雑さを幾分か低減することができる。即ち、放熱シートの密着性が低下することの防止と公差管理の煩雑さの低減の両立を図ることができる。
以下、実施例で示した技術に関する留意点を述べる。実施例では、櫛歯は1回の巻線ごとに巻線の間に挿入されていたが、そのような構成には限らない。例えば、櫛歯を2回の巻線ごとに巻線の間に挿入してもよい。また、櫛歯の間隔は等間隔でなくてもよい。例えば、コイルの巻回軸方向における中央では1回の巻線ごとに巻線の間に櫛歯が挿入され、コイルの巻回軸方向における端側では2回の巻線ごとに巻線の間に櫛歯が挿入されてもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2、102、:コイル
3:コア
4、304、404:冷却器
5:放熱シート
7:カバー
8:ボルト
20、320、420:リアクトル本体
21:巻線
61、62:ボビン
63、163:櫛部材
63a、163a、163b:櫛歯
342、442:突条
100、200、300、400:冷却器付きリアクトル
22、122a、122b:隙間
G1、G2、G3:隙間の距離
L1、L2、L3:突条の頂点間の距離

Claims (2)

  1. コアに巻回されているコイルの巻回径方向における一側面と対向するように配置されている冷却器と、
    前記コイルの一側面と前記冷却器の間に挟まれている放熱シートと、
    櫛歯が前記コイルの巻線と巻線の間に挿入されている櫛部材と、
    を備えることを特徴とする冷却器付きリアクトル。
  2. 前記コイルの一側面と対向する前記冷却器の表面に、前記コイルの巻線と巻線の間に位置する突条が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の冷却器付きリアクトル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018121003A (ja) * 2017-01-27 2018-08-02 スミダコーポレーション株式会社 コイル部品、及び、コイル部品の製造方法
JP2020088116A (ja) * 2018-11-22 2020-06-04 トヨタ自動車株式会社 リアクトルユニット

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