JP2014066825A - マイクロミラーアレイの製法 - Google Patents
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Abstract
【課題】特性の揃ったアレイを効率的に量産することのできるマイクロミラーアレイの製法を提供する。
【解決手段】本発明のマイクロミラーアレイの製法は、長尺状でかつ光透過性の第1の樹脂フィルム(ベースフィルム1)の加工対象面に、断面が三角形状でかつ上記フィルムの表面から斜めに突出する2つの傾斜面の間の頂角が90°に設定された突条Tを、フィルム長手方向に平行に複数条形成する工程と、各突条Tが形成された第1の樹脂フィルムの上に、光透過性の第2の樹脂フィルム(スペーサフィルム2)を重ねて密着させる工程と、上記重ねた状態の樹脂フィルムを、所定形状の芯材Cを用いて巻き取り、第1および第2の樹脂フィルムが交互に重なるロール状の積層体3を形成する工程と、上記ロール状の積層体3を、芯材Cの軸と平行な方向に所定の間隔でスライスする工程と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のマイクロミラーアレイの製法は、長尺状でかつ光透過性の第1の樹脂フィルム(ベースフィルム1)の加工対象面に、断面が三角形状でかつ上記フィルムの表面から斜めに突出する2つの傾斜面の間の頂角が90°に設定された突条Tを、フィルム長手方向に平行に複数条形成する工程と、各突条Tが形成された第1の樹脂フィルムの上に、光透過性の第2の樹脂フィルム(スペーサフィルム2)を重ねて密着させる工程と、上記重ねた状態の樹脂フィルムを、所定形状の芯材Cを用いて巻き取り、第1および第2の樹脂フィルムが交互に重なるロール状の積層体3を形成する工程と、上記ロール状の積層体3を、芯材Cの軸と平行な方向に所定の間隔でスライスする工程と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、コーナーリフレクタ型の単位光学素子により、被投影物の鏡映像を空間に結像させるマイクロミラーアレイの製法に関するものである。
3次元または2次元の物体,画像等を空間に結像する結像光学素子として、「互いに直交する2つ(一対)の鏡面」(コーナーリフレクタ)を有する単位光学素子を、基板(基盤)の縦横に格子状に多数個配列したマイクロミラーアレイが、近年注目を集めている(特許文献1を参照)。
このマイクロミラーアレイを、切削や射出成形等を用いずに簡便に製作する方法として、特許文献2には、断面が方形の透明棒状部材(直方体材)を多数本平行に並べて密着させて形成したシート(パネル)を2枚用いて、そのうちの一方を互いの光反射面が直交するように90°回転させた状態で、この2枚を上下に重ねて貼り合わせる方法が開示されている。
また、特許文献3には、平板(フィルム)状ミラーの光反射面を同一方向に向けて多重に積層したミラーブロックを、積層方向に等間隔で切断してスライスし、得られたミラーシートを2枚用いて、そのうちの一方を互いの光反射面が直交するように90°回転させ、この2枚を上下に重ねて貼り合わせる方法が提案されている。
しかしながら、上記特許文献2,3のようなマイクロミラーアレイの製法では、多数の棒状やフィルム状等の部材を、何度も積層や接着,切断等を繰り返し行っており、作業は単純であるが、工程がバッチ式処理であるため、生産性が悪いという問題がある。また、上記のように立体構造を持った多数の部材を、何度も貼り合わせたりするため、アレイ中に気泡が巻き込まれることが多く、この気泡により結像像がぼやける等の不具合が生じるおそれが高い。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、特性の揃ったアレイを効率的に量産することのできるマイクロミラーアレイの製法の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、複数のコーナーリフレクタを備えるマイクロミラーアレイを製造する方法であって、長尺状でかつ光透過性の第1の樹脂フィルムの加工対象面に、断面が三角形状でかつ上記フィルムの表面から斜めに突出する2つの傾斜面の間の頂角が90°に設定された突条を、フィルム長手方向に平行に所定間隔で複数条形成する工程と、上記各突条が形成された第1の樹脂フィルムの上に、スペーサとなる光透過性の第2の樹脂フィルムを重ねて密着させる工程と、上記重ねた状態の樹脂フィルムを、所定形状の芯材を用いて巻き取り、上記第1および第2の樹脂フィルムが交互に重なるロール状の積層体を形成する工程と、上記ロール状の積層体を、上記芯材の軸と平行な方向に所定の間隔で切断し、平板状のマイクロミラーアレイを得る工程と、を備えるマイクロミラーアレイの製法をその要旨とする。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意工夫を重ね、長尺状でかつ光透過性の樹脂フィルムを用いることを着想した。そして、ロール・トゥ・ロールプロセスにより、この樹脂フィルムの加工対象面(幅広の表面)に、断面が直角三角形状の特殊な「突条」を、フィルム長手(流れ)方向に連続して形成し、これをロール状の積層体として巻き上げるとともに、得られたロール状の積層体を、ロール巻回方向に直交する方向(ロールの軸方向)に所定厚みでスライスすることにより、不良が少なく品質の揃ったマイクロミラーアレイを、効率的に連続生産できることを見出し、本発明に到達した。
本発明のマイクロミラーアレイの製法は、ロール・トゥ・ロールプロセスにより、長尺状でかつ光透過性の第1の樹脂フィルムの加工対象面に、2つの傾斜面のなす頂角が90°に設定された断面三角形状の突条を、フィルム長手方向に平行に所定間隔で複数形成する。ついで、この第1の樹脂フィルムの上に、上記突条の三角形状を保護するための第2の樹脂フィルム(スペーサ)を重ね合わせ、これらの樹脂フィルムを所定形状の芯材を用いて巻き取り、ロール状の積層体を形成する。そして、このロール状の積層体を、上記芯材の軸と平行な方向に所定の間隔で切断(板状にスライス)する。これにより、本発明のマイクロミラーアレイの製法は、上記切断後の断面(板状の表裏面)に多数のコーナーリフレクタが並んだ状態で露出する、平板状のマイクロミラーアレイを、連続的にかつ効率的に作製することができる。
また、本発明のマイクロミラーアレイの製法において、上記第1の樹脂フィルムの加工対象面に突条を形成する工程と、この第1の樹脂フィルムに第2の樹脂フィルムを重ねる工程との間に、上記第1の樹脂フィルムの各突条の傾斜面の表面に光反射性の層を形成する工程を備える場合は、この光反射性層内側の上記各傾斜面を、高率で光を反射する光反射面(コーナーリフレクタ)とすることができる。
さらに、本発明のマイクロミラーアレイの製法のなかでも、上記第1の樹脂フィルムの加工対象面に突条を形成する工程が、熱可塑性の樹脂フィルムを準備する工程と、この樹脂フィルムを加熱して昇温させる工程と、この加熱された樹脂フィルムの表面に、上記突条の三角形状に対応する複数のV字状溝を有するロールまたは成形型を押し付け、上記樹脂フィルムの一面側に、上記各突条を転写形成する工程と、からなるものである場合、上記断面が直角三角形状の「突条」を、フィルムの長手方向に連続して効率良く形成することができる。
そして、上記第1の樹脂フィルムの加工対象面に突条を形成する工程が、樹脂フィルムの材料を溶剤に溶解させた液状組成物を準備する工程と、この液状組成物を、上記突条の三角形状に対応する複数のV字状溝を有する平板の上に塗布する工程と、上記液状組成物を固化させてフィルム状とする工程と、上記固化したフィルムと一体に上記V字状溝内の突条を平板から剥離する工程と、からなるものである場合も、上記と同様、断面が直角三角形状の「突条」を、フィルムの長手方向に連続して効率良く形成することができる。
つぎに、本発明の実施の形態を、図面にもとづいて詳しく説明する。
図1は、本発明のマイクロミラーアレイの製法を原理的に説明する図である。
本実施形態におけるマイクロミラーアレイの製法は、図1(a)のように、ロール・トゥ・ロールプロセスにより、長尺状でかつ光透過性の第1の樹脂フィルム(ベースフィルム1)と第2の樹脂フィルム(スペーサフィルム2)との間に、熱ロール(H)等によって形成された「頂角が90°の断面三角形状の突条T」が挟持されたロール状の積層体3(符号Cは芯材)を形成するとともに、この積層体3を、図1(b)のように、切刃B等を用いて、ロールの軸方向に所定の厚みでスライスすることにより、図1(c)のように、スライスの断面(切断面)に、上記突条Tの角部(傾斜面1b,1b)を利用したコーナーリフレクタが多数露出する、平板状のマイクロミラーアレイAを製造する。これが、本発明のマイクロミラーアレイの製法の特徴である。
本実施形態におけるマイクロミラーアレイの製法は、図1(a)のように、ロール・トゥ・ロールプロセスにより、長尺状でかつ光透過性の第1の樹脂フィルム(ベースフィルム1)と第2の樹脂フィルム(スペーサフィルム2)との間に、熱ロール(H)等によって形成された「頂角が90°の断面三角形状の突条T」が挟持されたロール状の積層体3(符号Cは芯材)を形成するとともに、この積層体3を、図1(b)のように、切刃B等を用いて、ロールの軸方向に所定の厚みでスライスすることにより、図1(c)のように、スライスの断面(切断面)に、上記突条Tの角部(傾斜面1b,1b)を利用したコーナーリフレクタが多数露出する、平板状のマイクロミラーアレイAを製造する。これが、本発明のマイクロミラーアレイの製法の特徴である。
上記製法について詳しく説明すると、上記ロール状の積層体3を形成する過程〔図1(a)参照〕は、ベースフィルム1の加工対象面(上面1a)に、熱ロール(ホットロールH)等を用いて、フィルム1の長手(流れ)方向に沿った突条Tを転写形成する工程と、これら各突条Tの表面に、スパッタ装置S等により光反射性の層(金属層M)を形成する工程と、このベースフィルム1の上にスペーサフィルム2を重ねる工程と、上記重ねた状態の各フィルム1,2を芯材Cの周りに巻き付け、ロール状の積層体3を形成する工程と、からなる。
上記各工程をより詳しく説明すると、ベースフィルム1の加工対象面(上面1a)に突条Tを形成する工程としては、V字状溝が形成されたロールを押し付けて転写する方法〔図2(a)参照〕、V字状溝を有する成形型(プレス型)を用いる方法〔図2(b)参照〕、あるいは、V字状溝を有する平板状の基板に樹脂材料をキャストする方法(図示省略)等が用いられる。
まず、図2(a)のように、上記突条Tの三角形状に対応する複数のV字状溝を有するロール(ホットロール)Hを用いる場合は、ロール状に巻回された原反(図示省略)から繰り出されたベースフィルム1を加熱して昇温させ、昇温したベースフィルム1の上面1aに上記ロールHを押し付けて、ベースフィルム1の加工対象面に、所定形状の突条Tを賦形する。これにより、上記フィルム1の上面1aに、フィルム長手方向に平行な複数の突条T〔断面が三角形状でかつフィルム1の上面1aから斜めに突出する2つの傾斜面1b,1bの間の頂角1cが90°、図2(c)参照〕を、連続的に賦形することができる。なお、図2(a)中の符号B1は、ベースフィルム1を支持するバックアップロールである。
また、図2(b)のように、上記突条Tの三角形状に対応する複数のV字状溝を有する成形型(ホットプレス)Pを用いる場合、上記ホットロールHの場合と同様、ロール状に巻回された原反(図示省略)から繰り出されたベースフィルム1を加熱して昇温させ、昇温したベースフィルム1の上面1aに、上記成形型Pを所定時間押し付けることにより、フィルム長手方向に平行な複数の突条T〔断面形状は図2(c)参照〕を、間欠的に形成(賦形)することができる。なお、図2(b)中の符号B2は、ベースフィルム1を支持するバックアップボードである。
さらに、平板状基板に樹脂材料をキャストする方法の場合は、樹脂フィルム(ベースフィルム1)の材料を溶剤に溶解させた液状組成物を準備し、この液状組成物を、上記突条Tの三角形状に対応する複数のV字状溝を有する平板状の基板(図示せず)の上に塗布して、この液状組成物を熱や光等により固化させる。この方法によれば、上記固化したベースフィルム1と一体に、上記V溝内の樹脂を平板状基板から剥離するだけで、フィルム長手方向に平行な複数の突条T〔断面形状は図2(c)参照〕を有するベースフィルム1を得ることができる。なお、上記ベースフィルム1を連続した帯状(長尺状)に作製する場合は、上記樹脂材料をキャストする基板として、平板状の基板が突条長手方向(流れ方向)に繋がった「無端ベルト(エンドレスベルト)」様の基板を使用することができる。
上記各ベースフィルム1に設けられた各突条Tは、図2(c)のように、フィルム幅方向の幅wが7〜1500μm程度、ベースフィルム1表面からの高さhが3.5〜750μm程度に形成されており、コーナーリフレクタを構成する各光反射面(傾斜面1b)の長さxが5〜1060μm程度、好ましくは50〜500μmのサイズになるように形成されている。
なお、上記ホットロール〔図2(a)〕またはホットプレス〔図2(b)〕を用いる際は、空気の巻き込みや巻き込まれた空気による圧痕の発生と、熱によるフィルムの劣化等とを防止するために、加熱・加圧作業(ロールまたは成形型の押し付け作業)は、減圧雰囲気下で行うことが望ましい。
また、上記ベースフィルム1を構成する樹脂としては、突条Tをホットロールまたはホットプレスで作製する場合、加熱・加圧により変形する樹脂が使用される。具体的には、ポリイミド樹脂,エポキシ樹脂,ポリエーテル樹脂,ポリアミド樹脂,フェノキシ樹脂,アクリル樹脂,ポリカルボジイミド樹脂,フッ素樹脂,ポリエステル樹脂,ポリウレタン樹脂,ポリアミドイミド樹脂,ポリカーボネート樹脂,ポリスチレン樹脂,フェノール樹脂,メラミン樹脂,ポリメタクリル酸メチル樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が使用される。なお、上記ベースフィルム1は、単独の樹脂からなるものでも、2種以上の樹脂を組み合わせた混合物からなるものでも、これらの積層物からなるものでもよい。なかでも、樹脂の硬度(可撓性)が適度で、フィルムとしての保形性も高い、熱可塑性ポリイミドフィルム,ポリエステル樹脂フィルム,エポキシ樹脂を含有する熱硬化性樹脂フィルム等が、好適である。
また、上記ベースフィルム1の厚さ(全厚)は、上記突条Tの設計高さhにも寄るが、通常10〜1000μm、好ましくは50〜500μmのものが使用される。上記ベースフィルム1の全厚が薄すぎると、フィルムが加工中(ロール・トゥ・ロールプロセスの走行中)に切れるおそれがあり、逆に厚すぎると、フィルムが曲がりにくく、加工が難しくなる傾向がみられる。
つぎに、上記各突条Tが形成されたベースフィルム1の表面に、光反射性の層(金属層M)を形成する工程は、スパッタ装置S,蒸着等の真空成膜法を用いたドライプロセス、あるいは、無電解めっきや、ナノ粒子や金属塩等を塗布するコーティング法等を用いたウエットプロセスにより行われる。なかでも、形成される金属層Mのベースフィルム1に対する密着力の高い、スパッタ法(スパッタ装置S)が好適に用いられる。
上記金属層Mを形成する金属材料としては、銀,アルミニウム,モリブデン,クロム等の光反射率の高い金属や、それらを含む合金が好ましい。なかでも、銀やアルミニウムが好適に用いられる。また、上記金属層Mの厚さは、通常20〜1000nm、好ましくは50〜500nmである。上記金属層Mの厚さが薄すぎると、光反射面の光反射率が低くなり、結像(空間像)に必要な光量が不足する傾向がみられる。逆に厚すぎると、プロセス中で曲げた時に、金属層Mにクラックが入る、または、剥がれる等の欠陥が生じるおそれがある。
なお、上記金属層Mのさらに上側に(積層して)光吸収膜を形成してもよい。この光吸収膜により、上記突条T列に重ねて積層された次の突条T列〔図1(c)参照〕で生じる不要な光(空間像の結像に関与する、コーナーリフレクタ内の各光反射面でそれぞれ一回ずつ合計二回反射する正規反射光以外の「多重散乱光」や「迷光」等)の発生が抑制されるため、より鮮明な結像(空間像)を得ることができる。
つぎに、上記ベースフィルム1の上にスペーサフィルム2を重ねる工程は、上記金属層Mが形成された突条Tの表面に、ベースフィルム1を後記する芯材Cの周りに巻き付けた際にフィルムの周回間にできる隙間を埋めるとともに上記突条Tの形状を保護ためのスペーサフィルム2を、重ねて貼り合わせる工程である。
上記スペーサフィルム2としては、ポリイミド樹脂,エポキシ樹脂,ポリエーテルイミド樹脂,ポリアミド樹脂,フェノキシ樹脂,アクリル樹脂,ポリカルボジイミド樹脂,ポリエステル樹脂,ポリウレタン樹脂,ポリアミドイミド樹脂,フッ素樹脂,シリコーン樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂からなるフィルムが用いられ、なかでも、加熱および加圧により接着性を発揮するアクリル樹脂フィルム,エポキシ樹脂フィルム等が、好適に使用される。
また、上記スペーサフィルム2は、単独の樹脂からなるものでも、2種以上の樹脂を組み合わせた混合物からなるものでも、これらを積層した多層構造のフィルムでもよい。多層構造のフィルムの場合、その表面層には、粘着性を備えるアクリル樹脂等が、好適に用いられる。また、上記多層構造のフィルムの場合、通常、基材とするフィルムの両側(表面側および裏面側)に、塗工等の方法で樹脂被膜を積層し、多層構造とする。最外層に用いる樹脂としては、基材を構成する樹脂が軟化しない温度で溶融して接着する樹脂(軟化点の低い樹脂)を使用することが好ましく、特に、基材樹脂のよりも軟化点が20℃以上低い樹脂を使用することが望ましい。上記基材を構成する樹脂フィルムとしては、ポリアミド,ポリエステル,ポリイミド,ポリエーテルイミド等、100℃以上の耐熱性を有する樹脂フィルムが好適に用いられ、特に、熱硬化性エポキシ樹脂製のフィルムが最適である。なお、ここで「軟化温度」とは、熱機械分析(TMA)を用いて、10℃/min,荷重0.0098N/mmの条件下で変位量を測定することにより得られる「収縮変化率」が最大になる時の温度をいう。
また、上記スペーサフィルム2の厚さ(全厚)は、上記突条Tの高さhに応じて設定すればよく、通常10〜1000μm、好ましくは50〜500μmのものが使用される。上記ベースフィルム1と同様、その全厚が薄すぎると、フィルムが走行中に切れるおそれがあり、逆に厚すぎると、フィルムが曲がりにくく、加工が難しくなる傾向がみられる。
つぎに、上記各フィルム1,2を芯材Cの周りに巻き付ける工程は、図1(a)のように、所定形状の芯材Cに、上記重なった状態のベースフィルム1およびスペーサフィルム2を巻き付けることにより行われる。
上記芯材Cには、中実または中空の金属製筒状体が用いられており、後の工程で、外周に巻き付けたフィルム(積層体3)をスライスすることを考慮して、その外形が、断面略正方形または長方形の四角柱状筒状体が使用されている。すなわち、巻回後の積層体3は、芯材Cの角部に対応する曲部をスライスに供することができず、製品としての板状マイクロミラーアレイAは、積層体3の平坦な部分からのみ得られる。そのため、上記フィルム1,2を巻き付ける芯材Cも、その周面に平坦(直線)部分が多い方が、積層体3の無駄(捨てる部分)が少なく、スライス後の板状マイクロミラーアレイAの収率が向上する。したがって、上記芯材Cの軸方向断面形状としては、角部が少なく直線部が長いもの、具体的には、できるだけ径の大きな三角形(三角柱)や、上記長方形のなかでも、長辺が短辺に比べて極端に長い長方形(板状の四角柱)等とすることが望ましい。
なお、上記ロール状の積層体3を形成する過程、すなわち、図1(a)に示す一連の過程(突条Tを形成する工程−金属層Mを形成する工程−スペーサフィルム2を重ねる工程−フィルム1,2を芯材Cに巻き取る工程)は、先にも述べたように、ロール・トゥ・ロールプロセスで行うことが好ましく、さらには、これらの工程を、減圧された単一のチャンバー内で連続で行うことが望ましい。この方法により、空気に触れることによる劣化が少なく、気泡の巻き込みの少ない高品質なマイクロミラーアレイを、短時間で効率良く製造することができる。
つぎに、上記で得られた積層体3(ロール状)のスライスを行う前に、積層体3内に含まれる気体(気泡)を追い出し、各フィルム1,2を完全に密着させるための「加熱養生工程」を行う。
この加熱養生工程は、樹脂フィルム(1,2)の熱流動性等の熱特性および接着性等を考慮して行われるもので、積層体3を、通常70〜250℃、好ましくは80〜210℃の温度で加熱するとともに、この積層体3に0.49〜2.94MPa、好ましくは0.78〜2.45MPa程度の圧力を加えて加圧(圧締め)し、積層体3内の脱気と一体化を行う。
なお、上記加熱・加圧の条件は、使用する樹脂により異なる。また、加圧に換えて、減圧により脱気してもよい。さらに、芯材Cに巻回後の積層体3(フィルム1,2)の密着が充分であれば、上記加熱養生工程を省略してもよい。
つぎに、上記積層体3をスライスする工程は、図1(b)のように、積層体3を、上記芯材Cの軸と平行な方向に所定の間隔で切断(板状にスライス)する。
上記積層体3の切断は、切刃Bや、回転刃,ワイヤーソー等を用いて、積層体3を(その中に埋め込まれた)突条Tの連続方向と直交する方向に薄くスライスするもので、その切断間隔(アレイAの厚さ)が20〜500μm、好ましくは50〜400μmになるように行われる。この切断(スライス)により、図1(c)に示すような、その断面と垂直にコーナーリフレクタ(頂角1cを挟んで直交する一対の傾斜面1b,1b)が多数露出する平板状のマイクロミラーアレイAを得る。
なお、上記得られたマイクロミラーアレイAが薄すぎて、アレイAのみで平坦性を保てない場合は、このアレイAを透明な基板等に取り付け(保持)してもよい。
また、上記実施形態では、上記ベースフィルム1(第1の樹脂フィルム)の加工対象面に突条を形成する工程と、このベースフィルム1にスペーサフィルム2(第2の樹脂フィルム)を重ねる工程との間に、ベースフィルム1の表面(突条T側)に光反射性の層(金属層M)を形成する工程を備える例を示したが、この金属層Mを設けずに、マイクロミラーアレイを作製することもできる。
この場合、上記空間像の結像は、上記ベースフィルム1とスペーサフィルム2との界面(各突条Tの傾斜面1b,1bの内側。すなわち、コーナーリフレクタ。)で生じる「光の全反射」により得られる。そのため、上記のようにベースフィルム1の表面に金属層Mを形成しない場合は、上記各突条Tの内側に進入した光が全反射を起こすように、ベースフィルム1の材料に、スペーサフィルム2より光屈折率の高い材料が用いられる。例えば、ベースフィルム1の材料として、ポリカーボネート樹脂,ポリスチレン樹脂,フェノール樹脂,メラミン樹脂,ポリメタクリル酸メチル樹脂等の高屈折率樹脂(光屈折率が1.6〜1.7程度)を用いた場合、スペーサフィルム2には、フッ素樹脂,シリコーン樹脂等の低屈折率樹脂(光屈折率が1.35〜1.4程度)が用いられる。
以上の実施形態の製法によれば、不良が少なく品質の揃ったマイクロミラーアレイを、手間なく効率的に量産することができる。
つぎに、実施例について説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図3は、本発明の実施例1のマイクロミラーアレイの製法の概略構成図である。この実施例1のマイクロミラーアレイの製法は、ベースフィルムの突条の作製に、図2(a)に記載のようなホットロール(H)を用い、ロール・トゥ・ロールプロセスによりアレイの製造を行っている。なお、原反(ベースフィルム)の繰り出しから巻き取りまでの工程は、減圧雰囲気下(気圧0.5Paのチャンバー内)で行っている。また、実施の形態と同様の機能を有する構成部材には同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
図3は、本発明の実施例1のマイクロミラーアレイの製法の概略構成図である。この実施例1のマイクロミラーアレイの製法は、ベースフィルムの突条の作製に、図2(a)に記載のようなホットロール(H)を用い、ロール・トゥ・ロールプロセスによりアレイの製造を行っている。なお、原反(ベースフィルム)の繰り出しから巻き取りまでの工程は、減圧雰囲気下(気圧0.5Paのチャンバー内)で行っている。また、実施の形態と同様の機能を有する構成部材には同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
マイクロミラーアレイの作製には、以下の樹脂フィルムを使用した。
〈ベースフィルム〉
熱可塑性ポリイミド樹脂フィルム 幅:300mm 厚さ:100μm (東洋紡績社製,透明ポリイミド系フィルム タイプHM,軟化温度225℃)
〈スペーサフィルム〉
フッ素/アクリル系(ポリフッ化ビニリデン)樹脂フィルム 幅:298mm 厚さ:100μm (電気化学工業社製,デンカDX−14S,軟化温度150℃)
〈ベースフィルム〉
熱可塑性ポリイミド樹脂フィルム 幅:300mm 厚さ:100μm (東洋紡績社製,透明ポリイミド系フィルム タイプHM,軟化温度225℃)
〈スペーサフィルム〉
フッ素/アクリル系(ポリフッ化ビニリデン)樹脂フィルム 幅:298mm 厚さ:100μm (電気化学工業社製,デンカDX−14S,軟化温度150℃)
〔フィルム積層体の作製〕
減圧雰囲気下(0.5Pa)で、材料となる熱可塑性ポリイミド樹脂フィルム(ベースフィルム:軟化温度225℃)を原反ロールR1から繰り出し、ヒーター等(図示省略)を用いて200℃まで昇温させた後、突条の三角形状に対応する複数のV字状溝を有するホットロールH(温度250℃)とバックアップロールB1の間を通過させ、このベースフィルムの加工対象面(図では下面)に、フィルム長手方向に平行な複数の突条(断面が三角形状でかつフィルムの下面から斜めに突出する2つの傾斜面の間の頂角の角度が90°の突条)を形成した。ついで、突条の形成されたベースフィルムをスパッタ装置に導入し、ベースフィルムの下面(加工対象面)に銀(Ag)をスパッタした。その後、フッ素/アクリル系樹脂フィルム(スペーサフィルム:軟化温度150℃)を原反ロールR2から繰り出して挟み込み、密着させた状態で、上記ベースフィルムとスペーサフィルムとが500層重なるまで、断面が正方形の芯材Cに巻き取った。なお、ベースフィルムに賦形された各突条の断面形状は、2つの傾斜面(断面の斜辺)の長さがそれぞれ140μm、フィルム表面からの高さが100μmであった。
減圧雰囲気下(0.5Pa)で、材料となる熱可塑性ポリイミド樹脂フィルム(ベースフィルム:軟化温度225℃)を原反ロールR1から繰り出し、ヒーター等(図示省略)を用いて200℃まで昇温させた後、突条の三角形状に対応する複数のV字状溝を有するホットロールH(温度250℃)とバックアップロールB1の間を通過させ、このベースフィルムの加工対象面(図では下面)に、フィルム長手方向に平行な複数の突条(断面が三角形状でかつフィルムの下面から斜めに突出する2つの傾斜面の間の頂角の角度が90°の突条)を形成した。ついで、突条の形成されたベースフィルムをスパッタ装置に導入し、ベースフィルムの下面(加工対象面)に銀(Ag)をスパッタした。その後、フッ素/アクリル系樹脂フィルム(スペーサフィルム:軟化温度150℃)を原反ロールR2から繰り出して挟み込み、密着させた状態で、上記ベースフィルムとスペーサフィルムとが500層重なるまで、断面が正方形の芯材Cに巻き取った。なお、ベースフィルムに賦形された各突条の断面形状は、2つの傾斜面(断面の斜辺)の長さがそれぞれ140μm、フィルム表面からの高さが100μmであった。
〔フィルムの一体化(加熱養生)工程〕
巻き取った積層体は、一旦大気下に取り出した後、減圧可能な電気炉に入れて、減圧(0.5Pa)雰囲気下で、160℃×1時間加熱した。
巻き取った積層体は、一旦大気下に取り出した後、減圧可能な電気炉に入れて、減圧(0.5Pa)雰囲気下で、160℃×1時間加熱した。
〔積層体のスライス工程〕
積層体の温度が充分に温度が下がったことを確認した後、積層体の平坦な部分(角部を除く)を、ワイヤーソーを用いて、芯材Cの軸と平行な平面(突条の連続方向と直交する平面)を断面として150μm間隔でスライスし、厚さ(全厚)150μmのマイクロミラーアレイを得た。そして、このアレイを、接着剤を用いて、厚さ0.9mmのガラス板に固定し、実施例1の結像光学素子とした。
積層体の温度が充分に温度が下がったことを確認した後、積層体の平坦な部分(角部を除く)を、ワイヤーソーを用いて、芯材Cの軸と平行な平面(突条の連続方向と直交する平面)を断面として150μm間隔でスライスし、厚さ(全厚)150μmのマイクロミラーアレイを得た。そして、このアレイを、接着剤を用いて、厚さ0.9mmのガラス板に固定し、実施例1の結像光学素子とした。
[実施例2]
実施例2のマイクロミラーアレイは、ベースフィルムの突条の作製に、図2(b)に記載のようなホットプレス(成形型は300mm角)を用い、ロール・トゥ・ロールプロセスによりアレイの製造を行った。なお、原反(ベースフィルム)の繰り出しから巻き取りまでの工程は、減圧雰囲気下(気圧0.5Paのチャンバー内)で行っている。
実施例2のマイクロミラーアレイは、ベースフィルムの突条の作製に、図2(b)に記載のようなホットプレス(成形型は300mm角)を用い、ロール・トゥ・ロールプロセスによりアレイの製造を行った。なお、原反(ベースフィルム)の繰り出しから巻き取りまでの工程は、減圧雰囲気下(気圧0.5Paのチャンバー内)で行っている。
マイクロミラーアレイの作製には、以下の樹脂フィルムを使用した。
〈ベースフィルム〉
フッ素/アクリル系(ポリフッ化ビニリデン)樹脂フィルム 幅:300mm 厚さ:100μm (電気化学工業社製,デンカDX−14S,軟化温度150℃)
〈スペーサフィルム〉
熱硬化性エポキシ樹脂フィルム 幅:298mm 厚さ:100μm (軟化温度100℃)
上記熱硬化性エポキシ樹脂フィルム(スペーサフィルム)は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(組成A)に、酸無水物硬化剤(組成B)と、カルボキシル基含有液状ゴム(組成C)とを、所定時間反応させることによりBステージ化し、フィルムに成形したものである。具体的には、以下のA〜Cの組成を混合し、50℃で5時間反応させ、上記熱硬化性エポキシ樹脂フィルム(スペーサフィルム)を得た。
組成A:ビスフェノールA型エポキシ樹脂 (油化シェルエポキシ社製,エピコート827) 100g
組成B:メチルヘキサヒドロ無水フタル酸 144g
組成C:CTBN変成エポキシ樹脂(東都化成社製,YR450) 100g
〈ベースフィルム〉
フッ素/アクリル系(ポリフッ化ビニリデン)樹脂フィルム 幅:300mm 厚さ:100μm (電気化学工業社製,デンカDX−14S,軟化温度150℃)
〈スペーサフィルム〉
熱硬化性エポキシ樹脂フィルム 幅:298mm 厚さ:100μm (軟化温度100℃)
上記熱硬化性エポキシ樹脂フィルム(スペーサフィルム)は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(組成A)に、酸無水物硬化剤(組成B)と、カルボキシル基含有液状ゴム(組成C)とを、所定時間反応させることによりBステージ化し、フィルムに成形したものである。具体的には、以下のA〜Cの組成を混合し、50℃で5時間反応させ、上記熱硬化性エポキシ樹脂フィルム(スペーサフィルム)を得た。
組成A:ビスフェノールA型エポキシ樹脂 (油化シェルエポキシ社製,エピコート827) 100g
組成B:メチルヘキサヒドロ無水フタル酸 144g
組成C:CTBN変成エポキシ樹脂(東都化成社製,YR450) 100g
〔フィルム積層体の作製〕
減圧雰囲気下(0.5Pa)で、材料となるフッ素/アクリル系樹脂フィルム(ベースフィルム:軟化温度150℃)を原反ロールから繰り出し、ヒーター等を用いて120℃まで昇温させた後、突条の三角形状に対応する複数のV字状溝を有する成形型(温度170℃)を加重1MPaで1分間押し付け、このベースフィルムの加工対象面に、フィルム長手方向に平行な複数の突条(断面が三角形状でかつフィルムの下面から斜めに突出する2つの傾斜面の間の頂角の角度が90°の突条)を形成した。ついで、突条の形成されたベースフィルムをスパッタ装置に導入し、ベースフィルムの下面(加工対象面)に銀(Ag)をスパッタした。その後、熱硬化性エポキシ樹脂フィルム(スペーサフィルム:軟化温度100℃)を原反ロールから繰り出して挟み込み、密着させた状態で、上記ベースフィルムとスペーサフィルムとが500層重なるまで、断面が正方形の芯材に巻き取った。なお、ベースフィルムに賦形された各突条の断面形状は、2つの傾斜面(断面の斜辺)の長さがそれぞれ140μm、フィルム表面からの高さが100μmであった。
減圧雰囲気下(0.5Pa)で、材料となるフッ素/アクリル系樹脂フィルム(ベースフィルム:軟化温度150℃)を原反ロールから繰り出し、ヒーター等を用いて120℃まで昇温させた後、突条の三角形状に対応する複数のV字状溝を有する成形型(温度170℃)を加重1MPaで1分間押し付け、このベースフィルムの加工対象面に、フィルム長手方向に平行な複数の突条(断面が三角形状でかつフィルムの下面から斜めに突出する2つの傾斜面の間の頂角の角度が90°の突条)を形成した。ついで、突条の形成されたベースフィルムをスパッタ装置に導入し、ベースフィルムの下面(加工対象面)に銀(Ag)をスパッタした。その後、熱硬化性エポキシ樹脂フィルム(スペーサフィルム:軟化温度100℃)を原反ロールから繰り出して挟み込み、密着させた状態で、上記ベースフィルムとスペーサフィルムとが500層重なるまで、断面が正方形の芯材に巻き取った。なお、ベースフィルムに賦形された各突条の断面形状は、2つの傾斜面(断面の斜辺)の長さがそれぞれ140μm、フィルム表面からの高さが100μmであった。
〔フィルムの一体化(加熱養生)工程〕
巻き取った積層体は、一旦大気下に取り出した後、その状態で加圧可能な電気炉に入れ、加圧(1.96MPa)雰囲気下で、140℃×1時間加熱した。
巻き取った積層体は、一旦大気下に取り出した後、その状態で加圧可能な電気炉に入れ、加圧(1.96MPa)雰囲気下で、140℃×1時間加熱した。
〔積層体のスライス工程〕
積層体の温度が充分に温度が下がったことを確認した後、積層体の平坦な部分(角部を除く)を、ワイヤーソーを用いて、芯材の軸と平行な平面(突条の連続方向と直交する平面)を断面として150μm間隔でスライスし、実施例2のマイクロミラーアレイ(厚さ150μm)を得た。そして、このアレイを、接着剤を用いて、厚さ0.9mmのガラス板に固定し、実施例2の結像光学素子とした。
積層体の温度が充分に温度が下がったことを確認した後、積層体の平坦な部分(角部を除く)を、ワイヤーソーを用いて、芯材の軸と平行な平面(突条の連続方向と直交する平面)を断面として150μm間隔でスライスし、実施例2のマイクロミラーアレイ(厚さ150μm)を得た。そして、このアレイを、接着剤を用いて、厚さ0.9mmのガラス板に固定し、実施例2の結像光学素子とした。
[実施例3]
実施例3のマイクロミラーアレイは、まず、表面に、長手方向に平行な複数の突条(断面が三角形状でかつフィルムの下面から斜めに突出する2つの傾斜面の間の頂角の角度が90°の突条)を有する樹脂フィルム(ベースフィルム)の原反を作製する。
実施例3のマイクロミラーアレイは、まず、表面に、長手方向に平行な複数の突条(断面が三角形状でかつフィルムの下面から斜めに突出する2つの傾斜面の間の頂角の角度が90°の突条)を有する樹脂フィルム(ベースフィルム)の原反を作製する。
〈ベースフィルム作製用液状樹脂組成物〉
樹脂ワニス (宇部興産社製,ポリイミドワニス U−ワニス−A,固形分18wt%,硬化温度350℃)
ベースフィルムの材料を溶剤に溶解させた液状樹脂組成物(ワニス)を準備し、加熱乾燥炉(オーブン)内を走行するベルトコンベア〔突条の三角形状に対応する複数のV字状溝〈図2(c)を反転させた形状〉を有するエンドレスベルト〕を用いて、ベースフィルムの作製を行った。
樹脂ワニス (宇部興産社製,ポリイミドワニス U−ワニス−A,固形分18wt%,硬化温度350℃)
ベースフィルムの材料を溶剤に溶解させた液状樹脂組成物(ワニス)を準備し、加熱乾燥炉(オーブン)内を走行するベルトコンベア〔突条の三角形状に対応する複数のV字状溝〈図2(c)を反転させた形状〉を有するエンドレスベルト〕を用いて、ベースフィルムの作製を行った。
〈ベースフィルムの作製〉
上記ワニスを、上記ベルトコンベア(エンドレスベルト様の基板)上に、アプリケーター等を用いて、上記V字状溝を埋め込むように均一に塗布(コート)し、その状態で、約100℃に設定した上記加熱乾燥炉内を通過(10分)させ、上記ワニス中の溶剤を揮発させて半硬化させ、成膜した。ついで、この半硬化した樹脂フィルムをベルトコンベア(基板)から離型させ、離型紙等の剥離性スペーサを挟み込みながら、フィルムをロール状に巻き取った。なお、上記樹脂フィルム表面に形成された各突条の断面形状は、上記実施例1,2と同様、2つの傾斜面(断面の斜辺)の長さがそれぞれ140μm、フィルム表面からの高さが100μmであった。
上記ワニスを、上記ベルトコンベア(エンドレスベルト様の基板)上に、アプリケーター等を用いて、上記V字状溝を埋め込むように均一に塗布(コート)し、その状態で、約100℃に設定した上記加熱乾燥炉内を通過(10分)させ、上記ワニス中の溶剤を揮発させて半硬化させ、成膜した。ついで、この半硬化した樹脂フィルムをベルトコンベア(基板)から離型させ、離型紙等の剥離性スペーサを挟み込みながら、フィルムをロール状に巻き取った。なお、上記樹脂フィルム表面に形成された各突条の断面形状は、上記実施例1,2と同様、2つの傾斜面(断面の斜辺)の長さがそれぞれ140μm、フィルム表面からの高さが100μmであった。
〔ベースフィルムの完全硬化工程〕
巻き取ったベースフィルムは、減圧可能なオーブンに入れて、減圧(0.5Pa)雰囲気下で、350℃×2時間加熱することにより、完全に硬化させた。なお、上記突条を含むベースフィルムの全厚は、完全硬化後で150μmであった。
巻き取ったベースフィルムは、減圧可能なオーブンに入れて、減圧(0.5Pa)雰囲気下で、350℃×2時間加熱することにより、完全に硬化させた。なお、上記突条を含むベースフィルムの全厚は、完全硬化後で150μmであった。
〔フィルム積層体の作製〕
フィルム積層体の作製は、前記実施例1と同様の装置(図3参照)および方法で行った。ただし、本実施例3におけるベースフィルムは、その加工対象面(図では下面)に既に突条が形成されているため、図3中のホットロールHとバックアップロールB1は使用していない。また、使用したスペーサフィルムは、前記実施例2と同様のものである。
〈スペーサフィルム〉
熱硬化性エポキシ樹脂フィルム 幅:250mm 厚さ:100μm (軟化温度100℃)
フィルム積層体の作製は、前記実施例1と同様の装置(図3参照)および方法で行った。ただし、本実施例3におけるベースフィルムは、その加工対象面(図では下面)に既に突条が形成されているため、図3中のホットロールHとバックアップロールB1は使用していない。また、使用したスペーサフィルムは、前記実施例2と同様のものである。
〈スペーサフィルム〉
熱硬化性エポキシ樹脂フィルム 幅:250mm 厚さ:100μm (軟化温度100℃)
減圧雰囲気下(0.5Pa)で、材料となる熱可塑性ポリイミド樹脂フィルム(上記ベースフィルム:幅250mm,軟化温度225℃)を原反ロールR1から繰り出し(離型紙等は取り除く)、スパッタ装置に導入して、ベースフィルムの下面(加工対象面)に銀(Ag)をスパッタした。ついで、熱硬化性エポキシ樹脂フィルム(スペーサフィルム:軟化温度100℃)を原反ロールR2から繰り出して挟み込み、密着させた状態で、上記ベースフィルムとスペーサフィルムとが500層重なるまで、断面が正方形の芯材Cに巻き取った。
〔フィルムの一体化(加熱養生)工程〕
前記実施例2と同様に、巻き取った積層体は、一旦大気下に取り出した後、芯材Cごと加圧可能な電気炉に入れて、加圧(1.96MPa)雰囲気下で、140℃×1時間加熱した。
前記実施例2と同様に、巻き取った積層体は、一旦大気下に取り出した後、芯材Cごと加圧可能な電気炉に入れて、加圧(1.96MPa)雰囲気下で、140℃×1時間加熱した。
〔積層体のスライス工程〕
前記実施例2と同様、積層体の温度が充分に温度が下がったことを確認した後、積層体の平坦な部分(角部を除く)を、ワイヤーソーを用いて、芯材Cの軸と平行な平面(突条の連続方向と直交する平面)を断面として150μm間隔でスライスし、実施例3のマイクロミラーアレイ(厚さ150μm)を得た。そして、このアレイを、接着剤を用いて、厚さ0.9mmのガラス板に固定し、実施例3の結像光学素子とした。
前記実施例2と同様、積層体の温度が充分に温度が下がったことを確認した後、積層体の平坦な部分(角部を除く)を、ワイヤーソーを用いて、芯材Cの軸と平行な平面(突条の連続方向と直交する平面)を断面として150μm間隔でスライスし、実施例3のマイクロミラーアレイ(厚さ150μm)を得た。そして、このアレイを、接着剤を用いて、厚さ0.9mmのガラス板に固定し、実施例3の結像光学素子とした。
上記実施例1〜3の結像光学素子(マイクロミラーアレイ)を用いて、図4に示すように、画像Iを空間に投影する実験を行ったところ、いずれの光学素子も、その上方に鮮明な空間像I’が結像することが確認できた。
本発明のマイクロミラーアレイ製法によれば、不良が少なく品質の揃ったマイクロミラーアレイを効率的に量産できるため、マイクロミラーアレイのコストを低減することができる。
1 ベースフィルム
2 スペーサフィルム
3 積層体
C 芯材
M 金属層
T 突条
2 スペーサフィルム
3 積層体
C 芯材
M 金属層
T 突条
Claims (4)
- 複数のコーナーリフレクタを備えるマイクロミラーアレイを製造する方法であって、
長尺状でかつ光透過性の第1の樹脂フィルムの加工対象面に、断面が三角形状でかつ上記フィルムの表面から斜めに突出する2つの傾斜面の間の頂角が90°に設定された突条を、フィルム長手方向に平行に所定間隔で複数条形成する工程と、
上記各突条が形成された第1の樹脂フィルムの上に、スペーサとなる光透過性の第2の樹脂フィルムを重ねて密着させる工程と、
上記重ねた状態の樹脂フィルムを、所定形状の芯材を用いて巻き取り、上記第1および第2の樹脂フィルムが交互に重なるロール状の積層体を形成する工程と、
上記ロール状の積層体を、上記芯材の軸と平行な方向に所定の間隔で切断し、平板状のマイクロミラーアレイを得る工程と、
を備えることを特徴とするマイクロミラーアレイの製法。 - 上記第1の樹脂フィルムの加工対象面に突条を形成する工程と、この第1の樹脂フィルムに第2の樹脂フィルムを重ねる工程との間に、
上記第1の樹脂フィルムの各突条の傾斜面の表面に光反射性の層を形成する工程を備える請求項1記載のマイクロミラーアレイの製法。 - 上記第1の樹脂フィルムの加工対象面に突条を形成する工程が、
熱可塑性の樹脂フィルムを準備する工程と、
この樹脂フィルムを加熱して昇温させる工程と、
この加熱された樹脂フィルムの表面に、上記突条の三角形状に対応する複数のV字状溝を有するロールまたは成形型を押し付け、上記樹脂フィルムの一面側に、上記各突条を転写形成する工程と、からなる請求項1または2記載のマイクロミラーアレイの製法。 - 上記第1の樹脂フィルムの加工対象面に突条を形成する工程が、
樹脂フィルムの材料を溶剤に溶解させた液状組成物を準備する工程と、
この液状組成物を、上記突条の三角形状に対応する複数のV字状溝を有する平板の上に塗布する工程と、上記液状組成物を固化させてフィルム状とする工程と、
上記固化したフィルムと一体に上記V字状溝内の突条を平板から剥離する工程と、
からなる請求項1または2記載のマイクロミラーアレイの製法。
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- 2012-09-25 JP JP2012211266A patent/JP2014066825A/ja active Pending
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