JP2014065603A - エレベータ制御システムおよび方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エレベータが設置された建物内で有害ガスが発生した場合に備えたエレベータ制御システムまたは方法を提供する。
【解決手段】エレベータ制御装置は、平常時に乗りかごが停止する着床階に設置され有害ガスを検出する有害ガス検出装置によって有害ガスが検出されたときに、有害ガスが検出された着床階、検出された有害ガスの種類を表す情報を含む信号を受信する。エレベータ制御装置は、有害ガスが検出されたときに、エレベータを平常運転モードから避難運転モードに切り替え、有害ガスが検出された着床階の情報と、検出された有害ガスの種類の情報に基づいて、乗りかごが避難運転時に停止可能な避難運転時着床階を決定し、乗りかごを避難運転時着床階のみに着床させる。
【選択図】図10

Description

本発明の実施形態は、エレベータが設置された建物内で有害ガスが発生した場合に備えたエレベータ制御システムおよび方法に関する。
エレベータが設置された建物内で火災が発生したときの、エレベータの制御に関しては、様々な技術が検討されている。火災が発生すると、建物内に設置された火災検出装置によって出火による発煙、温度上昇を検出し、煙と炎は上方に昇るため、通常、最下階を避難階として設定する。このようにして、火災が発生した建物の在館者を煙と炎から遠ざけ、在館者の安全な避難を図る。
しかし、建物内で火災が発生したときのエレベータの制御を、そのまま建物内で人体に危険を及ぼす有害ガスが発生したときのエレベータの制御に適応することは適切ではない。火災による煙と炎は上方に昇るが、有害ガスは、その種類によって移動方向が異なるためである。したがって、建物内で有害ガスが発生したときに、火災発生時と同様に、最下階を避難階として設定するエレベータの制御を行うと、有害ガスによる被害を受ける在館者が増える場合もあるという問題点がある。
特許文献1には、制御装置とそれにより制御される乗りかごを備えたエレベータにおいて、エレベータの塔内に設置され、あるいはエレベータ乗場に設置されたガスセンサによりエレベータをガス濃度の最も低い階または場所に誘導するエレベータの運転装置が開示されている。しかし、例えば、建物内で有害ガスが発生した直後の時点において有害ガス濃度の最も低い階に、有害ガスの種類によっては、時間の経過とともに有害ガスが移動してくるため、かえって有害ガスによる被害を受ける在館者が増える場合もあるという問題点は解消されない。
実開平3−28179号公報
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、エレベータが設置された建物内で有害ガスが発生した場合に備えたエレベータ制御システムまたは方法を提供することを目的とする。
本発明の実施形態によるエレベータ制御システムは、建物に設置されたエレベータの乗りかごと、エレベータ制御装置とを含む。エレベータ制御装置は、エレベータの動作を制御するとともに、平常時に乗りかごが停止する着床階のそれぞれに少なくとも1つ設置され、少なくとも1種類の有害ガスを検出する有害ガス検出装置によって有害ガスが検出されたときに、有害ガスを検出した有害ガス検出装置が設置されている着床階、および検出された有害ガスの種類を表す情報を含む有害ガス検出信号を受信する。また、エレベータ制御装置は、複数の有害ガス検出装置のいずれかによって有害ガスが検出されたときに、エレベータを平常運転モードから避難運転モードに切り替えるとともに、有害ガス検出信号に含まれる有害ガスを検出した有害ガス検出装置が設置されている着床階の情報、および検出された有害ガスの種類の情報に基づいて、乗りかごが避難運転時に停止可能な避難運転時着床階を決定し、乗りかごを避難運転時着床階のみに着床させる。
本願における一実施形態にしたがったエレベータシステムの機能構成の概要を説明するための機能ブロック図である。 図1に例示したシステムにおけるエレベータの呼び系統を説明するための機能ブロック図である。 一実施形態における乗りかごの室内から乗りかごドア方向を見た断面の一例を表す図である。 一実施形態による乗りかご内の操作盤の一例の外観を表す図である。 一実施形態による乗りかご内呼び機構および乗りかごドア開閉操作機構の機能を説明するための機能ブロック図である。 一実施形態による乗場呼び機構の機能を説明するための機能ブロック図である。 第1の実施形態にしたがったエレベータ制御システムを説明するための機能ブロック図の一例である。 第1の実施形態における有害ガスのデータベースの一例である。 第1の実施形態において、乗りかごが避難運転時に停止可能な避難運転時着床階の決定方法を説明するための図である。 第1の実施形態におけるエレベータ制御システムの動作例を説明するためのフローチャートである。 第2の実施形態におけるエレベータ制御システムの動作例を説明するためのフローチャートである。 第3の実施形態における有害ガスのデータベースの一例である。 第3の実施形態において、乗りかごが避難運転時に停止可能な避難運転時着床階の決定方法を説明するための図である。 第3の実施形態におけるエレベータ制御システムの動作例を説明するためのフローチャートである。 第4の実施形態におけるエレベータ制御システムの動作例を説明するためのフローチャートである。 第5の実施形態にしたがったエレベータ制御システムを説明するための機能ブロック図の一例である。 第5の実施形態に特有なエレベータ制御システムの動作例を説明するためのフローチャートである。 第6の実施形態にしたがったエレベータ制御システムを説明するための機能ブロック図の一例である。 第7の実施形態にしたがったエレベータ制御システムを説明するための機能ブロック図の一例である。 第8の実施形態にしたがったエレベータ制御システムを説明するための機能ブロック図の一例である。 第9の実施形態にしたがったエレベータシステムの機能構成の概要を説明するための機能ブロック図である。 複数のエレベータの着床階の一例を表した図である。 第10の実施形態にしたがったエレベータシステムの機能構成の概要を説明するための機能ブロック図である。
以下、適宜、図面を参照しながら本発明の一例としての実施形態の説明を行う。尚、それぞれの図において、同一の部分または対応する部分には同一の参照符号を付すとともに、重複した説明は省略する場合がある。
(第1の実施形態)
本発明の実施形態にしたがったエレベータ制御システムは、建物に設置されたエレベータの乗りかごと、エレベータ制御装置とを含む。エレベータ制御装置は、エレベータの動作を制御するとともに、平常時に乗りかごが停止する着床階のそれぞれに少なくとも1つ設置され、少なくとも1種類の有害ガスを検出する有害ガス検出装置によって有害ガスが検出されたときに、有害ガスを検出した有害ガス検出装置が設置されている着床階、および検出された有害ガスの種類を表す情報を含む有害ガス検出信号を受信する。
また、エレベータ制御装置は、複数の有害ガス検出装置のいずれかによって有害ガスが検出されたときに、エレベータを平常運転モードから避難運転モードに切り替えるとともに、有害ガス検出信号に含まれる有害ガスを検出した有害ガス検出装置が設置されている着床階の情報、および検出された有害ガスの種類の情報に基づいて、乗りかごが避難運転時に停止可能な避難運転時着床階を決定し、乗りかごを避難運転時着床階のみに着床させる。エレベータ制御装置は、検出された有害ガスの種類の情報に基づいて、有害ガスが上方に移動するのか、下方に移動するのかを判断する。
図1ないし図10を適宜参照しながら第1の実施形態の機能構成および動作に関し、詳細な説明を行う。図1に本願における一実施形態にしたがったエレベータシステムの機能構成の概要を説明するための機能ブロック図を示す。尚、この図は、本実施形態に関連する機能要素と、それらの関連を示すものであって、構成要素の物理的配置あるいは物理的構成を表すものではない。また、通常のエレベータシステムの構成要素であるが、本実施形態に直接的には関連しない機能要素は、図に示していない。図1においては、例としてエレベータの着床階の数が4の場合を示しているが、本実施形態は、2以上の任意の正数の着床階が存在する場合にも実施可能であることは明らかであろう。
エレベータがロープ式の場合には、図1に示すように、エレベータシステムの運行を制御するエレベータ制御装置102は、エレベータ機械室あるいは昇降路内に設置され、乗りかご104を昇降させる巻上機106を制御する。乗りかご104には、エレベータを利用する搭乗者、積荷等を収容する乗りかご室104aが設けられている。その一端で乗りかご104を吊り下げるロープの他端には釣合おもり108が取り付けられている。釣合おもり108の重量は、乗りかご室104aに定格の1/2の荷重が積載されているときに乗りかご104と釣り合うように設定されている。乗りかご104は、建物に設けられた昇降路110内を昇降する。一実施形態において、昇降路110の内壁には、乗りかご104の着床階の近傍に、例えば、突起が設けられており、この突起を検出することによって乗りかご104の位置を検出することができる。昇降路110の内壁に、突起に代えて、例えば、RFIDを設けてもよい。尚、本願において乗りかご104の位置とは、乗りかご104が昇降する方向、すなわち鉛直方向の位置を意味する。また、巻上機106に含まれる電動機には回動量を検出する、例えば、ロータリーエンコーダ等が内蔵されており、巻上機106の回動量を検出することができる。巻上機106の回動量は乗りかご104の昇降距離に比例するため、乗りかご104の位置に対応するデータを検出することができる。巻上機106の回動量は、エレベータ制御装置102に伝達される。尚、エレベータが油圧式の場合には、エレベータ制御装置102は、乗りかご104を昇降させる油圧ジャッキ(図示せず)を制御する。
また、エレベータ制御装置102は、乗りかご104に設けられ、乗りかご104内の機器を制御する乗りかご制御装置112に、指示データ、監視データ、その他必要なデータを伝達する。エレベータ制御装置102は、また、乗りかご制御装置112から必要なデータを受信する。エレベータ制御装置102が乗りかご制御装置112から受信するデータには、乗りかご呼び信号、乗りかご室104a内の荷重等が含まれる。一実施形態においては、エレベータ制御装置102が乗りかご制御装置112から受信するデータには、乗りかご室104aの乗りかごドア114の開閉状態を表す乗りかごドア開閉状態信号、あるいは乗りかご104の位置を表す乗りかご位置信号が、さらに、含まれる。ここで、エレベータ制御装置102は、乗りかご制御装置112を介して、乗りかご呼び信号を受信すると、乗りかご呼び登録を行う。尚、乗りかごドア114には、乗りかご104が、ある着床階に着床し、かつ停止したときに、その着床階の乗場ドアに係合し、乗りかごドア114に連動して乗場ドアを開閉させるための係合部材が設けられている。
乗りかご104には、乗りかご室104aの乗りかごドア114の開閉状態を検出し、乗りかごドア開閉状態信号を出力する乗りかごドア開閉状態検出装置(図示せず)と、乗りかご室104a内の荷重を検出し、検出した荷重を表す荷重信号を出力する荷重検出装置(図示せず)が設けられている。尚、乗りかごドア114は、通常、乗りかご104の上部に搭載された電動機(図示せず)の動力によって開閉する。一実施形態において、乗りかご104には、前述したように、乗りかご104の着床階の近傍の昇降路110の内壁に設けられた突起等を検出することによって、乗りかご104の位置を検出し、乗りかご位置信号を出力する乗りかご位置検出装置(図示せず)が設けられている。乗りかごドア開閉状態検出装置から出力される乗りかごドア開閉状態信号、および荷重検出装置から出力される乗りかご室104a内の荷重信号等は、乗りかご制御装置112に伝達される。乗りかご制御装置112は、受信した乗りかごドア開閉状態信号および荷重信号をエレベータ制御装置102に伝達する。一実施形態においては、乗りかご位置検出装置から出力される乗りかご位置信号も、乗りかご制御装置112に伝達される。乗りかご制御装置112は、受信した乗りかご位置信号をエレベータ制御装置102に伝達する。
乗りかご室104a内には、乗りかご内操作盤116が設けられている。乗りかご内操作盤116は、乗りかご室104aの内壁のうち、乗りかごドア114側であって、乗りかごドア114の脇で、乗りかご104の搭乗者が操作し易い場所に設けられる。
乗りかご内操作盤116には、乗りかご内呼び機構(図示せず)および戸開閉機構(図示せず)が包含されている。乗りかご内呼び機構には、乗りかご室104aの搭乗者が乗りかご104の行き先階を指定するための人為的な操作を入力するための、例えば乗りかご呼びボタン等の、乗りかご呼び入力部と、乗りかご呼び入力部に入力された行き先階を指定する人為的操作の入力にしたがって乗りかご呼び信号を出力する乗りかご呼び検出装置とが含まれる。ここで、乗りかご呼び入力部の数は、通常、着床階の数に等しい。乗りかご呼び検出装置は、それぞれの乗りかご呼び入力部に対応して設けられる場合もあり、すべての乗りかご呼び入力部に対応して設けられる場合もある。また、最近の乗りかご内呼び機構には、それぞれの乗りかご呼び入力部の少なくとも一部または周囲部分を、例えば照明することによって、所定の色で輝かせる乗りかご呼びボタン灯等の乗りかご呼び入力部発色機構を含む物が多い。乗りかご内操作盤116に関しては、後ほど詳細に説明を行う。
また、乗りかご室104a内には、一実施形態において、乗りかご内表示装置(図示せず)等も設けられている。乗りかご内表示装置は、乗りかご内操作盤116に設けられることもある。さらに、他の実施形態において、乗りかご104には、さらに、乗りかご内音声アナウンス装置(図示せず)が設けられている。
乗りかごドア114を開閉させる際の動力源である電動機、および前述した、乗りかごドア開閉状態検出装置、荷重検出装置、乗りかご内操作盤116、乗りかご内表示装置等の、乗りかご104に設けられ所定の動作を行う装置は、乗りかご制御装置112に接続されている。乗りかご104に乗りかご位置検出装置が設けられている場合には、当該乗りかご位置検出装置も、乗りかご制御装置112に接続されている。
乗りかご104の各着床階の乗場には、乗場ドア120が設けられている。乗場ドア120には、前述したように、乗りかご104が、ある着床階に着床し、かつ停止したときに、乗りかごドア114に設けられた係合部材に係合する係合子が設けられている。
また、乗場ドア120には、安全のため、乗りかご104が着床階に着床し、かつ停止しない限り、開閉しないように乗場ドアロック機構が設けられている。また、各着床階の乗場には、通常、乗場ドア120を開閉させる動力源は設けられていない。
乗りかご104が、乗場着床階に着床し停止すると、乗りかごドア114に設けられた係合部材は、乗場ドア120に設けられた係合子に係合する。一実施形態において、乗りかごドア114に設けられた係合部材は、乗場ドア120に設けられた係合子に係合すると、乗場ドア120に設けられた乗場ドアロック機構による乗場ドア120のロック状態を解除する。乗りかご104に設けられた電動機等の動力源は乗りかごドア114を開くように動作し、乗りかごドア114に設けられた係合部材は、乗りかごドア114とともにドアが開く方向に移動する。乗場ドア120に設けられた係合子は乗りかごドア114に設けられた係合部材に係合した状態にあるため、乗場ドア120に設けられた係合子および乗場ドア120は、乗りかごドア114に連動してドアが開く方向に移動する。
乗りかご104に設けられた電動機等の動力源が乗りかごドア114を閉じるように動作すると、乗場ドア120に設けられた係合子は乗りかごドア114に設けられた係合部材に係合した状態にあるため、乗場ドア120は、乗りかごドア114に連動してドアが閉じる方向に移動する。すなわち、乗りかご104に設けられた電動機等の動力源によって乗りかごドア114が開閉し、乗場ドア120は、乗りかごドア114に係合することによって乗りかごドア114に連動して開閉する。
このように、乗りかごドア114および乗場ドア120は、連動して開閉するため、本願では乗りかごドア114および乗場ドア120を総称してエレベータドアと言うことがある。
乗りかごドア114が完全に閉じると、乗場ドア120に設けられた乗場ドアロック機構によって、再び乗場ドア120はロックされ、乗場側からは乗場ドア120を開けられない状態に戻る。
建物内で有害ガスが発生していない平常時に乗りかご104が停止する各着床階の乗場には、エレベータ制御装置102に接続された乗場制御装置118が設けられている。ここで、本願において、有害ガスは、人体に対して何らかの悪影響を及ぼす可能性がある気体を意味し、例えば、一酸化炭素、硫化水素等の有毒ガス、容易に爆発するガス、メタンガス等の可燃性ガス等が該当する。後ほど詳細に説明を行うが、各着床階の乗場において、乗場制御装置118には、少なくとも、エレベータを利用しようとして乗場に居る在館者(エレベータ利用待機者)にエレベータの運行状況を示す乗場表示装置(図示せず)と、乗場ドア120の近傍の壁に設けられた乗場操作盤122が接続されている。
乗場操作盤122には、乗場呼び機構(図示せず)が包含されている。乗場呼び機構には、エレベータ利用待機者が乗りかご104をエレベータ利用待機者が居る着床階に呼び寄せるための人為的な操作を入力するための、例えば乗場呼びボタン等の、乗場呼び入力部と、乗場呼び入力部に入力された乗りかご104を呼び寄せる人為的操作を検出し、乗場呼び信号を出力する乗場呼び検出装置とが含まれる。ここで、乗場呼び入力部の数は、着床階のうち最上階および最下階においては、それぞれ、降り呼び用の入力部および昇り呼び用の入力部の1つであり、最上階と最下階の間の中間階においては降り呼び用の入力部および昇り呼び用の入力部の2つである。乗場呼び検出装置は、それぞれの乗場呼び入力部に対応して設けられる場合もあり、1または2の乗場呼び入力部に対応して設けられる場合もある。また、最近の乗場呼び機構には、それぞれの乗場呼び入力部の少なくとも一部または周囲部分を、例えば照明することによって、所定の色で輝かせる乗場呼びボタン灯等の乗場呼び入力部発色機構を含む物が多い。
エレベータ利用待機者は、乗場呼び機構の乗場呼び入力部の昇り呼び用の入力部または降り呼び用の入力部を介して、当該乗場がある着床階の上方階に行くのか、または下方階に行くのかを指定する。この操作に応じて、乗場呼び機構の乗場呼び検出装置は、エレベータ利用待機者による乗りかご104の行き先方向の指定操作にしたがった乗場呼びを検出し、指定された乗りかご104の行き先方向を表す乗場呼び信号を、乗場制御装置118に伝達する。乗場呼び信号を受信した乗場制御装置118は、受信した乗場呼び信号をエレベータ制御装置102に伝達する。エレベータ制御装置102は、乗場呼び信号を受信すると、乗場呼び登録を行う。
また、多くの場合、それぞれの乗場にはエレベータ制御装置102から、乗場制御装置118を介して伝達されるエレベータの運転状況を表示する乗場表示装置(図示せず)が設けられている。乗場表示装置は、乗場操作盤122に設けられることもある。乗場には、さらに、乗場制御装置118に接続された乗場音声アナウンス装置(図示せず)を設けることもできる。
エレベータが設置されている建物には、防災のために、乗りかご104の着床階のそれぞれに少なくとも1つの有害ガス検出装置124が設置されている。有害ガス検出装置124は、少なくとも1種類の有害ガスを検出する。複数の有害ガスを検出する有害ガス検出装置124は、例えば、それぞれ異なる種類の有害ガスを検出する有害ガス検出器を、複数、含む。有害ガス検出装置124は、有害ガスを検出したときに、有害ガスを検出した旨、および検出した有害ガスの種類を表す情報を含む信号を出力する。尚、図1においては有害ガス検出装置124が各着床階に一つずつ設置されている状態を示しているが、これは例示であって、実際には適切な箇所に適切な数の有害ガス検出装置124が設置される。一実施形態においては、有害ガス検出装置124は、少なくとも各着床階の乗場のそれぞれに設置される。後ほど述べる任意の実施形態においても、有害ガス検出装置124を、それぞれの着床階の乗場のそれぞれに少なくとも1つ設置することができる。有害ガス検出装置124は、有害ガスを検出する、1または複数の有害ガスセンサを包含する。有害ガスセンサとしては、触媒センサ、半導体センサ、熱伝導式センサ、電気化学センサ等の様々な形式の物がある。
それぞれの有害ガス検出装置124は、例えば、建物管理システム126に接続され、建物管理システム126はエレベータ制御装置102に接続されている。エレベータ制御装置102は、有害ガス検出装置124によって有害ガスが検出されたときに、有害ガスを検出した有害ガス検出装置124が設置されている着床階、および検出された有害ガスの種類を表す情報を含む有害ガス検出信号を、建物管理システム126を介して、有害ガス検出装置124から受信する。
エレベータ制御装置102は、複数の有害ガス検出装置124のいずれかによって有害ガスが検出され、有害ガス検出信号を受信したときに、エレベータを平常運転モードから避難運転モードに切り替える。このとき、エレベータ制御装置102は、さらに、受信した有害ガス検出信号に含まれる、有害ガスを検出した有害ガス検出装置124が設置されている着床階、および検出された有害ガスの種類に基づいて、乗りかご104が避難運転時時に着床可能な避難運転時着床階を決定する。また、他の実施形態において、エレベータ制御装置102は、乗りかご104が避難運転時に着床可能な避難運転時着床階に加えて、エレベータの避難階を決定する。ここで、本願において、避難階は、建物内で有害ガスが発生し、在館者がエレベータを利用して避難する場合に、乗りかごの搭乗者が降車する乗りかごの行き先階を意味する。したがって、避難階としては、有害ガスが検出されていない着床階が選択される。他の実施形態において、有害ガスが検出されていない着床階が存在しない場合には、有害ガスの濃度が可能な限り小さな着床階が避難階として選択される場合もある。また、避難運転時着床階は、エレベータが平常運転モードで動作している場合の着床階の中の一部の着床階であり、エレベータが避難運転モードに切り替えられた後には、乗りかご104は、平常運転モードで動作している場合の着床階ではあるが避難運転時着床階ではない着床階には停止しない。エレベータ制御装置102が有害ガス検出信号を受信したときの動作に関しては後ほど詳細に説明する。
以上述べた、エレベータ制御装置102、乗りかご制御装置112および乗場制御装置118は、いずれも、CPU、ROM、RAMまたは磁気記憶装置等のハードウェア資源と、エレベータ制御に必要なソフトウェアを含む、いわゆる組み込みシステムによって実装することができるし、ハードウェアによって実装することもできる。
図2に、図1に示したシステムにおけるエレベータの呼び系統を説明するための機能ブロック図を示す。この図も、図1と同様に、本実施形態に関連する機能要素と、それらの関連を示すものであって、構成要素の物理的配置あるいは物理的構成を表すものではない。また、通常のエレベータシステムの構成要素であるが、本実施形態に直接的には関連しない機能要素は、図2に示していない。図2においても、例としてエレベータの着床階の数が4の場合を示しているが、本実施形態を、2以上の任意の正数の着床階が存在する場合にも実施可能であることは明らかであろう。尚、図2には、既に図1に示した機能構成要素も示しているが、これらの機能構成要素については、図2において同一の参照符号を付しており、詳細な説明は省略する。
前述したように、エレベータ制御装置102は、乗りかご104に設置された乗りかご制御装置112と接続され、乗りかご制御装置112に、指示データ、監視データ、その他必要なデータを伝達するとともに、乗りかご制御装置112から必要なデータを受信する。乗りかご制御装置112には、乗りかご室104a内に設けられた乗りかご内操作盤116に接続されている。
図3に、一実施形態における乗りかごの室104aの内部から乗りかごドア114の方向を見た断面の一例を表す図を示す。乗りかご内操作盤116は、通常、乗りかごドア114の戸袋の乗りかご室内側であって乗りかごドア114の近傍に、乗りかご室104aに搭乗する成人が操作し易い高さに設けられる。
乗りかご室104aの床板302と乗りかご枠の下張りとの間には、複数の防振ゴム304が設けられている。防振ゴム304は、乗りかご104の昇降方向の振動が、直接、乗りかご室104aに伝わることを防止している。また、乗りかご室104aの床板302と乗りかご枠の下張りとの間には、乗りかご室104aの搭乗者および乗りかご室104aの積載物の総重量、すなわち、乗りかご室内の荷重を、検出する荷重検出装置306が設置されている。
荷重検出装置306は、乗りかご室104a内の荷重を、電気信号の形態の荷重信号として出力する。荷重検出装置306には、例えば、乗りかご室104a内の荷重に応じて圧縮する弾性体が設けられている。この弾性体には荷重検出器が、例えば、適切な接着剤によって取り付けられている。
荷重検出器としては、構造が簡単であり、質量および容積が小さく、出力を電気信号として得られ、かつ精度および価格も適切な、歪みゲージを用いることができる。歪みゲージは、例えば、薄い絶縁体上にジグザグ形状に形成された薄い金属の抵抗体が取り付けられた構造をしている。乗りかご室104aに人間または物が乗ることによって床板302にかかる荷重が増加すると、防振ゴム304が撓み、床板302が下方に変位し、荷重検出装置306に取り付けられている弾性体が圧縮するとともに、歪みゲージも同じ割合で圧縮する。歪みゲージが圧縮すると、歪みゲージの金属抵抗体は、圧縮により断面積が増えるとともに、長さが短くなり、その結果、歪みゲージの抵抗値が小さくなる。歪みゲージの抵抗値の変化は微少な値であるため、例えば、ホイートストンブリッジ(Wheatstone bridge)回路等のブリッジ回路に歪みゲージを組み込んで、歪みゲージの抵抗値の変化を電圧に変換する。ブリッジ回路の出力電圧は、例えば、演算増幅器によって、適宜、増幅される。一実施形態においては、演算増幅器からの出力電圧を、アナログ/ディジタル変換器によってディジタル値に変換する。
荷重検出装置306によって検出され、出力される乗りかご室104a内の荷重を表す荷重信号は、乗りかご制御装置112に伝達される。乗りかご室104a内の荷重を表す荷重信号を受信した乗りかご制御装置112は、荷重信号をエレベータ制御装置102に伝達する。
また、図1を参照しながら行った説明において前述したように、乗りかご104には、乗りかご室104aの乗りかごドア114の開閉状態を検出し、乗りかごドア開閉状態信号を乗りかご制御装置112に向けて出力する乗りかごドア開閉状態検出装置(図示せず)が設けられている。乗りかご制御装置112は、受信した乗りかごドア開閉状態信号をエレベータ制御装置102に伝達する。さらに、一実施形態においては、乗りかご104には、前述したように、乗りかご104の着床階の近傍の昇降路110の内壁に設けられた突起等を検出することによって、乗りかご104の位置を検出し、乗りかご位置信号を乗りかご制御装置112に向けて出力する乗りかご位置検出装置(図示せず)が設けられている。乗りかご制御装置112は、受信した乗りかご位置信号をエレベータ制御装置102に伝達する。尚、乗りかご104の位置を検出する機構および乗りかご104の位置を伝達する形態は多岐にわたり、前述した乗りかご104の位置を検出する機構および乗りかご104の位置を伝達する形態は、例示であって、本願を限定するものではない。
図4に、一実施形態による乗りかご室内の操作盤110の一例の外観を表す図を示す。図に示すように、乗りかご内操作盤116には、複数の乗りかご呼び入力部402を含む乗りかご内呼び機構202、エレベータのドアを開くための戸開ボタン404、およびエレベータのドアを閉じるための戸閉ボタン406等が設けられている。
乗りかご内呼び機構202の乗りかご呼び入力部402は、乗りかご104の搭乗者によって、乗りかご104の行き先階を指定する操作が入力される機能部である。乗りかご呼び入力部402は、それぞれ乗りかご104が着床する階床に対応して設けられ、乗りかご呼び入力部402の数は、通常、着床階の数に等しい。また、それぞれの乗りかご呼び入力部402には着床階を表す数字、英文字等の文字あるいは記号等が表示されている。乗りかご呼び入力部402は、例えば、乗りかご呼びボタンであり、乗りかご搭乗者が乗りかご104の行き先階を指定するための人為的な操作がそれぞれ入力される。
前述したように、乗りかご内操作盤116には、乗りかご内表示装置204も設けられている。平常時においては、乗りかご内表示装置204には、通常、乗りかご104が昇降中には乗りかご104の近傍の階床、乗りかご104が着床中には乗りかご104が着床している階床が表示される。一実施形態においては、乗りかご内表示装置204には、文字によるメッセージが表示される。
また、乗りかご内操作盤116には、通常、乗りかご室104aの搭乗者に対して音声アナウンスを出力する乗りかご内音声アナウンス装置408も設けられている。乗りかご内音声アナウンス装置408は、エレベータ制御装置102から、乗りかご制御装置112を介して、伝達された信号を受信し、予め定められた音声出力指示にしたがって、音声アナウンスを出力する。
図5に、乗りかご内操作盤116に設けられている、一実施形態による乗りかご内呼び機構202、および戸開ボタン404と戸閉ボタン406を含む乗りかごドア開閉操作機構の機能を説明するための機能ブロック図を示す。乗りかご内呼び機構202は、複数の乗りかご呼び入力部402と乗りかご呼び検出装置502を含む。乗りかご呼び入力部402の数は、通常、乗りかご104の着床階の数に等しい。乗りかご呼び検出装置502は、いずれかの乗りかご呼び入力部402に乗りかご104の搭乗者によって行き先階を指定する人為的な操作が入力されたことを検出し、当該操作が入力された乗りかご呼び入力部402に対応する行き先階を表す乗りかご呼び信号を、乗りかご制御装置112を介して、エレベータ制御装置102に向けて出力する。エレベータ制御装置102は、乗りかご呼び検出装置502から出力された乗りかご呼び信号を、建物内で有害ガスが発生していない平常時に受信すると、乗りかご呼び登録を行う。但し、後ほど詳細に説明を行うが、エレベータ制御装置102は、避難運転時に乗りかご呼び信号を受信したときには、乗りかご呼びに対応する行き先階によっては乗りかご呼び登録を行わないことがある。
乗りかごドア開閉操作機構に含まれる戸開ボタン404または戸閉ボタン406が乗りかご104の搭乗者によって押下されると、乗りかごドア開閉操作検出装置504によって乗りかごドア114を開く操作または閉じる操作が検出される。戸開ボタン404、戸閉ボタン406および乗りかごドア開閉操作検出装置504は、乗りかごドア開閉操作機構を構成する。乗りかごドア開閉操作検出装置504は、検出した乗りかごドア114を開く操作または閉じる操作を表すドア開閉操作検出信号を、乗りかご制御装置112を介して、エレベータ制御装置102に向けて出力する。エレベータ制御装置102は、乗りかごドア開閉操作検出装置504から出力されたドア開閉操作検出信号を、建物内で有害ガスが発生していない平常時に受信すると、ドア開閉操作検出信号に応じて、乗りかごドア114を開く指示または閉じる指示を、乗りかご制御装置112を介して、乗りかごドア開閉駆動装置(図示せず)に対して出力する。但し、後ほど説明を行う他の実施形態においては、エレベータ制御装置102は、避難運転時に乗りかごドア114を閉じる操作を表すドア開閉操作検出信号を受信したときに、乗りかごドア114を閉じる指示を出力しないことがある。
尚、図5では乗りかご呼び検出装置502および乗りかごドア開閉操作検出装置が、異なる伝送路を介して、それぞれ乗りかご制御装置112と通信可能に接続された形態を示しているが、これは例示であって、乗りかご呼び検出装置502および乗りかごドア開閉操作検出装置と、乗りかご制御装置112との接続形態は図5に示した形態に限定されない。多重伝送技術を用いることによって、乗りかご呼び検出装置502および乗りかごドア開閉操作検出装置を、1つの伝送路を介して、乗りかご制御装置112と通信可能に接続する形態も実施可能である。
図1を参照しながら行った説明において述べたように、エレベータの各着床階の乗場には、エレベータ制御装置102に接続された乗場制御装置118が設けられ、それぞれの乗場制御装置118には乗場操作盤122が接続されている。乗場操作盤122には、エレベータ利用待機者の乗場からの呼びを検出し、乗場呼び信号を出力する乗場呼び機構206が設けられている。乗場呼び機構206に含まれる乗場呼び検出装置は、対応する乗場制御装置118に接続されている。
一実施形態による乗場呼び機構206の機能を説明するための機能ブロック図を、図6に示す。乗場呼び機構206には乗場呼び入力部602と乗場呼び検出装置604が含まれる。乗場呼び入力部602には、エレベータ利用待機者によって、乗りかご104をエレベータ利用待機者が居る着床階に呼び寄せるための人為的な操作が入力される。乗場呼び入力部602の数は、乗場がある着床階によって異なる。着床階のうち最上階または最下階の乗場における乗場呼び入力部602の数は、それぞれ、降り呼び用の乗場入力部602または昇り呼び用の乗場入力部602の1つである。最上階と最下階の間の中間階の乗場における乗場呼び入力部602の数は、降り呼び用の乗場入力部602および昇り呼び用の乗場入力部602の2つである。図6は、降り呼び用と昇り呼び用の2つの乗場入力部602乗場入力部602を含む、中間階の乗場における乗場呼び機構206を示している。乗場呼び入力部602は、例えば、呼びボタン等によって実装される。乗場呼び入力部602の操作面には、上方向または下方向を表す、矢印または三角形等の標章が表示されることが多い。
乗場呼び検出装置604は、乗場呼び入力部602に入力された乗りかご104を呼び寄せる人為的操作に対応する昇り呼びまたは降り呼びの乗場呼びを検出し、乗場呼び信号を、乗場制御装置118を介して、エレベータ制御装置102に向けて出力する。乗場呼び信号には、乗場呼びの操作が行われた着床階の情報、およびエレベータ利用待機者の操作によって指定された乗りかご104の行き先方向(昇る方向または降りる方向)の情報が含まれる。エレベータ制御装置102は、建物内で有害ガスが発生していない平常時に乗場呼び信号を受信すると、乗場呼び登録を行う。但し、後ほど詳細に説明を行うが、エレベータ制御装置102は、避難運転時に乗場呼び信号を受信したときには、乗場呼び信号が出力された階床によっては乗場呼び登録を行わないことがある。
以上述べたように、建物内で有害ガスが発生していない平常時に乗りかご呼び検出装置502からの乗りかご呼び信号、および乗場呼び検出装置604からの乗場呼び信号を受信すると、エレベータ制御装置102は、乗りかご呼び登録および乗場呼び登録を行う。エレベータ制御装置102は、乗りかご呼び登録および乗場呼び登録、および乗りかご104の位置に応じて、適切にエレベータを運行させる。尚、本願においては、乗りかご呼び登録および乗場呼び登録を総称して呼び登録という場合がある。建物内で有害ガスが発生し、エレベータが平常運転モードから避難運転モードに切り替えられたときの呼び登録動作に関しては、後ほど詳細に述べる。
図2に戻り、図に示した形態においては、乗りかご内操作盤116には、乗りかご内表示装置204も設けられている。乗りかご内表示装置204には、乗りかご制御装置112を介して、エレベータ制御装置102からエレベータの運行状況が伝達され、乗りかご104の搭乗者にエレベータの運行状況が報知される。尚、乗りかご内表示装置204は、必ずしも乗りかご内操作盤116に設ける必要はなく、乗りかご104内の適切な位置に設けることもできる。また、図4を参照しながら行った説明において述べたように、乗りかご内操作盤116には、通常、乗りかご内音声アナウンス装置408も設けられている。
さらに、図2に示した形態においては、乗場操作盤122には、乗場表示装置208も設けられている。乗場表示装置208には、乗場制御装置118を介して、エレベータ制御装置102からエレベータの運行状況が伝達され、乗場に居るエレベータ利用待機者にエレベータの運行状況が報知される。尚、乗場表示装置208は、必ずしも乗場操作盤122に設ける必要はなく、乗場ドア120近傍の適切な位置に設けることもできる。また、図には示していないが、乗場に乗場音声アナウンス装置を設けることもできる。
図7に、本実施形態におけるエレベータ制御システムを説明するための機能ブロック図の一例を示す。図7は、複数の機能要素の論理的な関係を示すものであって、物理的な関係を示すものではない。尚、図7にはエレベータ制御装置102の機能を説明するために、既に図1、図5および図6に示した機能構成要素も示しているが、これらの機能構成要素については、図7において同一の参照符号を付しており、説明は省略する。また、エレベータ制御装置に、通常、含まれる機能構成要素であっても、本実施形態の説明に不要な機能構成要素は示していないが、エレベータ制御装置102は、通常のエレベータ制御装置が備える機能構成要素を含む。
一実施形態において、エレベータ制御装置102は、有害ガス検出信号受信部702、避難運転時着床階決定部704、呼び登録制御部706および運行制御部708を包含している。
エレベータ制御装置102の有害ガス検出信号受信部702は、有害ガス検出装置124によって有害ガスが検出されたときに、建物管理システム126を介して、いずれかの有害ガス検出装置124から受信される有害ガス検出信号が受信されているか否かを、常に監視している。前述したように、有害ガス検出信号には、有害ガスを検出した有害ガス検出装置124が設置されている着床階、および検出された有害ガスの種類を表す情報が含まれる。有害ガス検出信号受信部702は、建物管理システム126を介して、有害ガス検出信号を受信したときは、受信した有害ガス検出信号に含まれる情報を、エレベータ制御装置102の避難運転時着床階決定部704に伝達する。
避難運転時着床階決定部704は、有害ガス検出信号受信部702から避難運転モードに切り替える運転モード切替信号を受信すると、エレベータを平常運転モードから避難運転モードに切り替えるともに有害ガス検出信号に含まれる情報を受信する。この動作によって、エレベータは平常運転モードから避難運転モードに切り替わり、避難運転時着床階決定部704は、有害ガス検出信号に含まれる有害ガスを検出した有害ガス検出装置124が設置されている着床階、および有害ガス検出装置124によって検出された有害ガスの種類を表す情報を取得する。
避難運転時着床階決定部704は、それぞれの着床階に少なくとも1つ設置された有害ガス検出装置が検出する有害ガスの標準気圧(1気圧)、室温(例えば22℃)における空気を基準とする比重のデータを、例えば、図8に示すようなデータベースとして保存している。データベースにおける有害ガスの空気を基準とする比重は、図8(a)に示すように1と比較した大小のみで表すこともできるし、図8(b)に示すように1と比較したランクで表すこともできるし、比重の値で表すこともできる。有害ガス検出装置124によって検出された有害ガスの空気を基準とする比重は、上記のデータベースを参照することによって特定される。避難運転時着床階決定部704は、有害ガスを検出した有害ガス検出装置124が設置されている着床階、および有害ガス検出装置124によって検出された有害ガスの空気を基準とする比重に基づいて、乗りかご104が避難運転時に停止可能な避難運転時着床階を決定する。ここで、建物内で有害ガスが発生しておらず、有害ガス検出信号受信部702から避難運転モードに切り替える運転モード切替信号を受信していない平常時においては、避難運転時着床階決定部704は、すべての着床階を避難運転時着床階に設定している。
一例として、図9に示すようにエレベータの着床階が1階ないし14階であり、有害ガスが検出された着床階が7階および8階である場合を想定する。避難運転時着床階決定部704は、有害ガスを検出した有害ガス検出装置124が設置されている着床階が7階および8階である旨の情報とともに、検出された有害ガスの種類を表す情報を取得する。検出された有害ガスが、例えば、図8に示した有害ガスPまたはQである旨の情報を取得した場合、有害ガスPおよびQは空気に比べて軽く、時間の経過とともに有害ガスが検出された着床階から上の着床階に移動するため、避難運転時着床階決定部704は、有害ガスが検出された着床階である7階および8階より下の着床階、例えば、1階ないし6階を乗りかご104が避難運転時に停止可能な避難運転時着床階と決定する(図9(a)参照)。または、避難運転時着床階決定部704は、避難運転時においては、7階ないし14階には乗りかご104を着床させない旨を決定する。尚、避難運転時において乗りかご104を着床させない階床を避難運転時不着床階ということがある。検出された有害ガスが、例えば、図8に示した有害ガスRまたはSである旨の情報を取得した場合、有害ガスRおよびSは空気に比べて重く、時間の経過とともに有害ガスが検出された着床階から下の着床階に移動するため、避難運転時着床階決定部704は、有害ガスが検出された着床階である7階および8階より上の着床階、例えば、9階ないし14階を乗りかご104が避難運転時に停止可能な避難運転時着床階と決定する(図9(b)参照)。または、避難運転時着床階決定部704は、1階ないし8階を避難運転時不着床階と決定する。尚、より安全を期すため、避難運転時着床階決定部704は、有害ガスが検出された着床階近傍の着床階、例えば、有害ガスが検出された着床階に隣接する着床階も避難運転時不着床階と決定してもよい。
以上、説明を行ったように、エレベータ制御装置102は、複数の有害ガス検出装置124のいずれかによって有害ガスが検出されたときに、エレベータを平常運転モードから避難運転モードに切り替えるとともに、有害ガスを検出した有害ガス検出装置124が設置されている着床階、および検出された有害ガスの種類に基づいて、乗りかご104が避難運転時に停止可能な避難運転時着床階を決定する。
避難運転時着床階決定部704は決定した避難運転時着床階を表す情報を、エレベータ制御装置102の呼び登録制御部706に伝達する。
呼び登録制御部706には、乗りかご104の搭乗者による乗りかご呼び入力部402への入力操作が行われたときに乗りかご呼び検出装置502から出力される乗りかご呼び信号、および乗場に居るエレベータ利用待機者による乗場呼び入力部602への入力操作が行われたときに乗場呼び検出装置604から出力される乗場呼び信号が伝達される。
前述したように、呼び登録制御部706は、建物内で有害ガスが発生していない平常時に乗りかご呼び信号、乗場呼び信号を受信すると、受信した乗りかご呼び信号によって表される乗りかご104の搭乗者の行き先指定階、および乗場呼び信号によって表される乗場呼び信号が出力された着床階を、呼び信号を受信した順序に関連付けて登録する。また、呼び登録制御部706は、登録した乗場呼び、乗りかご呼び、登録した順序、乗りかご104の位置および昇降方向等に応じて、乗りかご104の行き先階を決定し、決定した行き先階の情報をエレベータ制御装置102の運行制御部708に伝達する。運行制御部708は、呼び登録制御部706から受信した行き先階情報にしたがって、乗りかご104を行き先階情報に対応する着床階に昇降させる信号を巻上機106に出力する。
建物内で有害ガスが発生したときの呼び登録制御部706の動作は、平常運転時の動作とは異なる。エレベータが平常運転モードから避難運転モードに切り替えられた時に避難運転時不着床階からの乗場呼びが既に登録されているときには、呼び登録制御部706は、避難運転時不着床階からの既登録の乗場呼びを取り消す。また、エレベータが平常運転モードから避難運転モードに切り替えられた時に乗りかご呼びが既に登録されているときには、呼び登録制御部706は、避難運転時不着床階を行き先階に指定している既登録の乗りかご呼びを取り消す。
避難運転モードに切り替えられた後における呼びについては、呼び登録制御部706は、避難運転時不着床階からの乗場呼び、および避難運転時不着床階方向の乗場呼びを無効にし、登録しないが、その他の乗場呼びは登録する。また、呼び登録制御部706は、避難運転時不着床階を行き先階に指定している乗りかご呼びを無効にし、登録しないが、避難運転時着床階を行き先階に指定している乗りかご呼びは登録する。
呼び登録制御部706は、上述したように登録した乗場呼び、乗りかご呼び、登録した順序、乗りかご104の位置および昇降方向等に応じて、乗りかご104の行き先階を決定し、決定した行き先階の情報をエレベータ制御装置102の運行制御部708に伝達する。運行制御部708は、呼び登録制御部706から受信した行き先階情報にしたがって、乗りかご104を行き先階情報に対応する着床階に昇降させる信号を巻上機106に出力する。呼び登録制御部706が登録した呼びに対応する乗りかご104の行き先階は、避難運転時着床階決定部704が決定した避難運転時着床階のみであるため、乗りかご104は避難運転時着床階のみに着床する。
ここで、有害ガスは時間の経過とともに移動するためと、有害ガスが検出される着床階が変化することがあるため、前述したように、有害ガス検出信号受信部702は、いずれかの有害ガス検出装置124から受信される有害ガス検出信号が受信されているか否かを、常に監視している。有害ガス検出信号受信部702が受信する有害ガス検出信号に含まれる情報が変化したときには、避難運転時着床階決定部704が決定する避難運転時着床階、換言すれば避難運転時不着床階は更新される。
次に、図10に示すフローチャートを参照しながら、本実施形態におけるエレベータ制御システムの動作説明を行う。ステップS1002においてエレベータ制御装置102は平常運転モードで動作している。ステップS1004で、エレベータ制御装置102の有害ガス検出信号受信部702は、建物管理システム126を介して、有害ガス検出信号が受信されているか否かを判断する。有害ガス検出信号が受信されていない場合には、動作はステップS1002に戻り、平常運転モード動作を継続する。有害ガス検出信号が受信されているとステップS1004で判断すると、有害ガス検出信号受信部702は、建物管理システム126を介して受信した有害ガス検出信号に含まれる情報を、エレベータ制御装置102の避難運転時着床階決定部704に伝達する。
ステップS1006で、避難運転時着床階決定部704は、運転モードを避難運転モードに切り替える。この段階でエレベータ制御装置102は平常運転モードから避難運転モードに切り替わる。
ステップS1008で、避難運転時着床階決定部704は、ステップS1004で有害ガス検出信号受信部702から伝達された有害ガス検出信号に含まれる情報に基づいて、避難運転時着床階を決定する。前述したように、有害ガス検出信号には、有害ガスを検出した有害ガス検出装置124が設置されている着床階、および検出された有害ガスの種類を表す情報が含まれる。避難運転時着床階決定部704は、検出された有害ガスが空気に比べて軽い場合には有害ガスを検出した有害ガス検出装置124が設置されている着床階より下方の着床階を乗りかご104が避難運転時に停止可能な避難運転時着床階に決定し、検出された有害ガスが空気に比べて重い場合には有害ガスを検出した有害ガス検出装置124が設置されている着床階より上方の着床階を乗りかご104が避難運転時に停止可能な避難運転時着床階に決定する。平常運転時において着床階であっても避難運転時着床階ではない階床には、避難運転時には乗りかご104は停止しない。避難運転時着床階ではない着床階を避難運転時不着床階という。避難運転時着床階決定部704は決定した避難運転時着床階を表す情報を、エレベータ制御装置102の呼び登録制御部706に伝達する。
ステップS1010で、呼び登録制御部706は、避難運転時不着床階からの既に登録した乗場呼び、および避難運転時不着床階を行き先階に指定する既に登録した乗りかご呼びの登録を取り消す。
ステップS1012で、呼び登録制御部706は、避難運転モードに切り替えられた後における呼びを処理する。すなわち、呼び登録制御部706は、避難運転時不着床階からの避難運転モードに切替後の乗場呼び、および避難運転時不着床階方向の避難運転モードに切替後の乗場呼びは登録しないが、その他の避難運転モードに切替後の乗場呼びは登録する。また、呼び登録制御部706は、避難運転時不着床階を行き先階に指定している避難運転モードに切替後の乗りかご呼びは登録しないが、避難運転時着床階を行き先階に指定している避難運転モードに切替後の乗りかご呼びは登録する。
次にステップS1014で、呼び登録制御部706は、ステップS1012で登録した乗場呼び、乗りかご呼び、登録した順序、乗りかご104の位置および昇降方向等に応じて、乗りかご104の行き先階を決定し、決定した行き先階の情報をエレベータ制御装置102の運行制御部708に伝達する。運行制御部708は、呼び登録制御部706から受信した行き先階情報にしたがって、乗りかご104を行き先階情報に対応する着床階に昇降させる信号を巻上機106に出力する。この結果、乗りかご104は、呼び登録制御部706が登録した呼び等にしたがって、昇降する。
次いで動作はステップS1004に戻り、有害ガス検出信号受信部702は、建物管理システム126を介して、有害ガス検出信号が受信されているか否かを判断する。ステップS1004で、有害ガス検出信号受信部702が、有害ガス検出信号が依然として受信されていると判断すると、前述したステップS1008ないしステップS1014における動作が繰り返し実行される。
ステップS1004で、有害ガス検出信号受信部702が、有害ガス検出信号が受信されなくなった判断すると、有害ガス検出信号受信部702は、有害ガス検出信号が受信されていない旨を避難運転時着床階決定部704に伝達する。この情報を受けた避難運転時着床階決定部704は、運転モードを避難運転モードから平常運転モードに切り替える。この段階でエレベータ制御装置102は避難運転モードから平常運転モードに復旧し、避難運転は終了する。
本実施形態によれば、エレベータが設置されている建物内で有害ガスが発生したときに、有害ガスを検出した有害ガス検出装置が設置されている着床階の情報、および検出された有害ガスの種類の情報に基づいて、エレベータの乗りかごが停止可能な避難運転時着床階を決定することによって、安全な避難運転が可能となる。
(第2の実施形態)
次に、図7ないし図9、および図11を参照しながら、第1の実施形態を応用した第2の実施形態の説明を行う。本実施形態にしたがったエレベータ制御システムは、第1の実施形態にしたがったエレベータ制御システムにおいて、避難運転時着床階の中の少なくとも1つの階床を乗りかごの搭乗者が降車する乗りかごの行き先階である避難階として決定する。ここで、「避難階」という用語は、一般的には異なる意味で使用される場合もあるが、本願においては、建物内で有害ガスが発生し、在館者がエレベータを利用して避難する場合に、乗りかごの搭乗者が降車する乗りかごの行き先階を意味する。避難階は、避難運転時着床階の中から選択される。
本実施形態の説明においては、重複を避けるため、主に、第1の実施形態と異なる内容を述べ、第1の実施形態と同一の内容に関しては説明を割愛する。本実施形態におけるエレベータ制御装置102の構成は、形式的には、図7に示した第1の実施形態と同一とすることができる。しかし、避難運転時着床階決定部704および呼び登録制御部706の動作が、第1の実施形態における動作と異なる。
本実施形態における避難運転時着床階決定部704は、有害ガスを検出した有害ガス検出装置124が設置されている着床階、および有害ガス検出装置124によって検出された有害ガスの空気を基準とする比重に基づいて、乗りかご104が避難運転時に停止可能な避難運転時着床階を決定するとともに、決定した避難運転時着床階の中の少なくとも1つの階床を避難階として決定する。
一例として、第1の実施形態の説明において、図8および図9を参照しながら説明を行った場合を想定する。図9(a)に示した状況においては、7階および8階で空気に比べて軽い有害ガスが検出され、避難運転時着床階決定部704は、1階ないし6階を乗りかご104が避難運転時に停止可能な避難運転時着床階と決定するとともに、決定した避難運転時着床階である1階ないし6階の中から避難階を決定する。建物内で空気に比べて軽い有害ガスが検出されたときには、避難運転時着床階決定部704は、有害ガスの移動に要する時間が最も長い、建物の最も下の階床(図9に示した例においては1階)を避難階として決定することができる。
図9(b)に示した状況においては、7階および8階で空気に比べて重い有害ガスが検出され、避難運転時着床階決定部704は、9階ないし14階を乗りかご104が避難運転時に停止可能な避難運転時着床階と決定するとともに、決定した避難運転時着床階である9階ないし14階の中から避難階を決定する。建物内で空気に比べて重い有害ガスが検出されたときには、避難運転時着床階決定部704は、有害ガスの移動に要する時間が最も長い、建物の最も上の階床(図9に示した例においては14階)を避難階として決定することができる。
また、避難運転時着床階決定部704は、決定した避難運転時着床階の中に、建物と外部との出入り口がある階床、または他の建物への連絡通路がある階床を避難階として決定することができる。建物と外部との出入り口がある階床、または他の建物への連絡通路がある階床を避難階として決定することによって、避難者は有害ガスが発生した建物から速やかに退出することができる。さらに、避難運転時着床階決定部704は、決定した避難運転時着床階の中から複数の避難階を決定することもできる。例えば、避難階を2つ決定し、避難運転ごとに避難階を切り替えることによって、避難階における避難者の混乱を緩和することができる。
避難運転時着床階決定部704は決定した避難運転時着床階を表す情報とともに避難階を表す情報を、エレベータ制御装置102の呼び登録制御部706に伝達する。本実施形態における呼び登録制御部706の動作は、第1の実施形態における動作と概ね同一であるが、建物内で有害ガスが発生したときの乗りかご呼びの処理動作が第1の実施形態における動作と異なる。すなわち、エレベータが平常運転モードから避難運転モードに切り替えられた時に乗りかご呼びが既に登録されているときには、呼び登録制御部706は、既登録の乗りかご呼びを、すべて取り消す。また、呼び登録制御部706は、避難運転モードに切り替えられた後に、乗りかご呼び検出装置502から新たに受信する乗りかご呼びを無効にし、登録しない。呼び登録制御部706は、避難運転時着床階決定部704によって決定された避難階を行き先階とする乗りかご呼びを登録する。したがって、エレベータの動作が避難運転モードに切り替えられた後は、乗りかご104の搭乗者は乗りかご104の行き先階を指定できず、避難運転時着床階決定部704によって決定された避難階を行き先階とする乗りかご呼びのみが登録される。
次に、図11に示すフローチャートを参照しながら、本実施形態におけるエレベータ制御システムの動作説明を行う。本実施形態においては図10に示した第1の実施形態におけるステップS1008ないしステップS1012における動作が第1の実施形態と異なり、ステップS1002ないしステップS1006、およびステップS1014における動作は第1の実施形態と同一である。
ステップS1006で、避難運転時着床階決定部704が、運転モードを避難運転モードに切り替えた後、動作はステップS1108に進む。
ステップS1108で、避難運転時着床階決定部704は、第1の実施形態と同様に避難運転時着床階を決定するとともに、決定した避難運転時着床階の中の少なくとも1つの階床を避難階として決定する。避難運転時着床階決定部704は決定した避難運転時着床階および避難階を表す情報を、エレベータ制御装置102の呼び登録制御部706に伝達する。
ステップS1110で、呼び登録制御部706は、避難運転時不着床階からの既に登録した乗場呼び、および既に登録した乗りかご呼びの登録を、すべて取り消す。
ステップS1112で、呼び登録制御部706は、避難運転モードに切り替えられた後における呼びを処理する。すなわち、呼び登録制御部706は、避難運転時不着床階からの避難運転モードに切替後の乗場呼び、および避難運転時不着床階方向の避難運転モードに切替後の乗場呼びは登録しないが、その他の避難運転モードに切替後の乗場呼びは登録する。また、呼び登録制御部706は、避難運転モードに切替後に乗りかご呼び検出装置502から新たに受信する乗りかご呼びは登録せず、避難運転時着床階決定部704によって決定された避難階を行き先階とする乗りかご呼びを登録する。次いで動作はステップS1014に進むが、ステップS1014における動作は、第1の実施形態と同様に、乗りかご104を、呼び登録制御部706が登録した呼び等にしたがって、昇降させる。ここで、一実施形態において、ある避難運転時着床階からの乗場呼び登録に応答させた後、他の避難運転時着床階からの乗場呼び登録がある場合でも、乗りかご104を他の避難運転時着床階に停止させることなく、避難階に移動させることもできる。
本実施形態によれば、第1の実施形態による効果に加えて、有害ガスが発生した建物の在館者を、より確実に避難させることができる避難運転が可能となる。また、ある避難運転時着床階からの乗場呼び登録に応答させた後、直ちに乗りかご104を避難階に移動させる実施形態によれば、乗りかご室104a内に有害ガスが侵入する可能性を減らし、乗りかご室104aの搭乗者に有害ガスの影響が及ぶ可能性を低減することができる。
(第3の実施形態)
次に、図7、図12、図13および図14を参照しながら、第1の実施形態を応用した第3の実施形態の説明を行う。本実施形態における有害ガス検出装置124は、有害ガスを検出したときに、有害ガスを検出した旨、および検出した有害ガスの種類を表す情報のみならず、有害ガスの濃度を表す情報を含む信号を出力する。本実施形態にしたがったエレベータ制御システムは、有害ガスを検出した有害ガス検出装置が設置されている着床階、および検出された有害ガスの種類を表す情報のみならず有害ガスの濃度を表す情報を含む有害ガス検出信号を受信し、有害ガスの濃度が所定の基準濃度を超えているときに、エレベータを平常運転モードから避難運転モードに切り替える。また、本実施形態にしたがったエレベータ制御システムは、有害ガスを検出した有害ガス検出装置が設置されている着床階、および検出された有害ガスの種類を表す情報のみならず有害ガスの濃度を表す情報に基づいて、避難運転時着床階を決定する。
本実施形態の説明においては、重複を避けるため、主に、第1の実施形態と異なる内容を述べ、第1の実施形態と同一の内容に関しては説明を割愛する。本実施形態におけるエレベータ制御装置102の構成は、形式的には、図7に示した第1の実施形態と同一とすることができる。しかし、避難運転時着床階決定部704の動作が、第1の実施形態における動作と異なる。
前述したように、有害ガス検出信号受信部702は、建物管理システム126を介して、いずれかの有害ガス検出装置124から受信される有害ガス検出信号が受信されているか否かを、常に監視している。本実施形態における有害ガス検出信号には、有害ガスを検出した有害ガス検出装置124が設置されている着床階、および検出された有害ガスの種類を表す情報に加えて、有害ガスの濃度を表す情報が含まれる。有害ガス検出信号受信部702は、有害ガス検出信号を受信すると、有害ガスの濃度を表す情報を含む有害ガス検出信号に含まれる情報を、避難運転時着床階決定部704に伝達する。
避難運転時着床階決定部704は、有害ガス検出信号受信部702から有害ガス検出信号に含まれる情報を受信すると、有害ガスを検出した有害ガス検出装置が設置されている着床階、および検出された有害ガスの種類を表す情報のみならず有害ガスの濃度を表す情報を取得する。
本実施形態においては、エレベータの運転モードの切替、および避難運転時着床階の決定に際して、有害ガスの濃度の基準値(有害ガスの基準濃度)が必要であるため、避難運転時着床階決定部704は、図8に例示したデータベースとは異なるデータベースを保存している。避難運転時着床階決定部704は、必要に応じて、このデータベースを参照する。
本実施形態におけるデータベースの一例を図12に示す。図12に示すデータベースでは、図8に例示したデータベースに、それぞれの着床階に少なくとも1つ設置された有害ガス検出装置が検出する各有害ガスに、空気を基準とする有害ガスの比重および有害ガスの基準濃度が、さらに、関連付けられている。有害ガスの基準濃度は、有害ガスの種類によって異なる。ここで、有害ガスの基準濃度は、人体に対して何らかの悪影響を及ぼす可能性がある濃度の限界を意味し、有害ガスの濃度が基準濃度を超えると、人体に対して何らかの悪影響を及ぼす虞がある。したがって、有害ガスによって悪影響を受けやすい年齢、疾患、体質等、考えられるすべての要因を考慮に入れて、有害ガスの基準濃度を安全側に設定すべきである。尚、図8に例示したデータベースと同様に、有害ガスの空気を基準とする比重は、図12(a)に示すように1と比較した大小のみで表すこともできるし、図12(b)に示すように1と比較したランクで表すこともできるし、比重の値で表すこともできる。
避難運転時着床階決定部704は、有害ガスの濃度が所定の基準濃度を超えているか否かを判定し、有害ガスの濃度が所定の基準濃度を超えているときに、エレベータを平常運転モードから避難運転モードに切り替えるとともに、有害ガスを検出した有害ガス検出装置124が設置されている着床階、有害ガス検出装置124によって検出された有害ガスの空気を基準とする比重のみならず有害ガスの濃度に基づいて、乗りかご104が避難運転時に停止可能な避難運転時着床階を決定する。
一例として、図13に示すように、図9と同様に、エレベータの着床階が1階ないし14階であり、有害ガスが検出された着床階が7階および8階である場合を想定する。避難運転時着床階決定部704は、有害ガスを検出した有害ガス検出装置124が設置されている着床階が7階および8階である旨の情報、検出された有害ガスの種類を表す情報とともに有害ガスの濃度を表す情報を取得する。検出された有害ガスが、例えば図13(a)に示すように、図12に示した有害ガスQであり有害ガスQの濃度が7階においては基準濃度qに比べて小さく、8階においては基準濃度qに比べて大きい旨の情報を取得した場合、避難運転時着床階決定部704は、8階で検出された有害ガスQの濃度が基準濃度qに比べて大きいため、先ず、運転モードを平常運転モードから避難運転モードに切り替える。また、避難運転時着床階決定部704は、8階を避難運転時不着床階と、7階を避難運転時着床階と決定する。さらに、有害ガスQは空気に比べて軽いため、避難運転時着床階決定部704は、9階ないし14階を避難運転時不着床階と、1階ないし6階を避難運転時着床階と決定する(図13(a)参照)。
検出された有害ガスが、例えば図13(b)に示すように、図12に示した有害ガスRであり有害ガスRの濃度が7階においては基準濃度rに比べて大きく、8階においては基準濃度rに比べて小さい旨の情報を取得した場合、避難運転時着床階決定部704は、7階で検出された有害ガスRの濃度が基準濃度rに比べて大きいため、先ず、運転モードを平常運転モードから避難運転モードに切り替える。また、避難運転時着床階決定部704は、7階を避難運転時不着床階と、8階を避難運転時着床階と決定する。また、有害ガスRは空気に比べて重いため、避難運転時着床階決定部704は、1階ないし6階を避難運転時不着床階と、9階ないし14階を避難運転時着床階と決定する(図13(b)参照)。
次に、図14に示すフローチャートを参照しながら、本実施形態におけるエレベータ制御システムの動作説明を行う。本実施形態においては図10に示した第1の実施形態におけるステップS1002ないしステップS1004、およびステップS1006、およびステップS1010ないしステップS1014における動作は第1の実施形態と同一であるため、異なる点だけを説明する。
ステップS1004で、有害ガス検出信号受信部702が有害ガス検出信号を受信すると、有害ガス検出信号受信部702は、有害ガス検出信号に含まれる情報を避難運転時着床階決定部704に伝達する。避難運転時着床階決定部704は有害ガス検出信号に含まれる情報を取得し、ステップS1404で、検出された有害ガスの濃度が所定の基準濃度を超えているか否かを判断する。検出された有害ガスの濃度が所定の基準濃度を超えていないときには、動作はステップS1002に戻り、次いでステップS1004で有害ガス検出信号受信部702は有害ガス検出信号の受信状況を継続して監視する。
ステップS1404で、避難運転時着床階決定部704が検出された有害ガスの濃度が所定の基準濃度を超えていると判断すると、避難運転時着床階決定部704は、ステップS1006で、エレベータを平常運転モードから避難運転モードに切り替える。
次いでステップS1408で、避難運転時着床階決定部704は、有害ガス検出信号に含まれる情報、すなわち有害ガスを検出した有害ガス検出装置124が設置されている着床階、および検出された有害ガスの種類を表す情報、および検出された有害ガスの濃度を表す情報に基づいて、図12および図13を参照しながら例示的に説明した方法等により避難運転時着床階を決定する。
以後、動作は、図10を参照しながら既に説明したステップS1010ないしステップS1014に進む。
本実施形態によれば、建物内で有害ガスが発生した際の避難運転時着床階を有害ガスの濃度を加味して決定するため、第1の実施形態による効果に加えて、乗りかご104が避難運転時に停止可能な避難運転時着床階を、より適切に決定することができる。
(第4の実施形態)
次に、図7、図12、図13および図15を参照しながら、第3の実施形態を応用した第4の実施形態の説明を行う。本実施形態にしたがったエレベータ制御システムは、第3の実施形態にしたがったエレベータ制御システムにおいて、避難運転時着床階の中の少なくとも1つの階床を乗りかごの搭乗者が降車する乗りかごの行き先階である避難階として決定する。
本実施形態の説明においては、重複を避けるため、主に、第3の実施形態と異なる内容を述べ、第3の実施形態と同一の内容に関しては説明を割愛する。本実施形態におけるエレベータ制御装置102の構成は、形式的には、図7に示した第1の実施形態と同一とすることができる。しかし、避難運転時着床階決定部704および呼び登録制御部706の動作が、第1の実施形態における動作と異なる。
本実施形態における避難運転時着床階決定部704は、有害ガスを検出した有害ガス検出装置124が設置されている着床階、および検出された有害ガスの種類を表す情報のみならず有害ガスの濃度を表す情報を含む有害ガス検出信号を受信し、有害ガスの濃度が所定の基準濃度を超えているときに、エレベータを平常運転モードから避難運転モードに切り替える点においては第3の実施形態における避難運転時着床階決定部704の動作と同一である。しかし、本実施形態における避難運転時着床階決定部704は、有害ガスを検出した有害ガス検出装置124が設置されている着床階、および有害ガス検出装置124によって検出された有害ガスの空気を基準とする比重に加えて、検出された有害ガスの濃度に基づいて、乗りかご104が避難運転時に停止可能な避難運転時着床階を決定するとともに、決定した避難運転時着床階の中の少なくとも1つの階床を避難階として決定する。
避難運転時着床階決定部704が、エレベータを平常運転モードから避難運転モードに切り替える動作、および乗りかご104が避難運転時に停止可能な避難運転時着床階を決定する動作は、図12および図13を参照しながら説明を行った第3の実施形態における動作と同一であり、既に詳述したため、説明を割愛する。しかし、本実施形態における避難運転時着床階決定部704は、決定した避難運転時着床階の中の少なくとも1つの階床を避難階として決定する点で、第3の実施形態における動作と異なる。
次に、図15に示すフローチャートを参照しながら、本実施形態におけるエレベータ制御システムの動作説明を行う。本実施形態においては図14に示した第3の実施形態におけるステップS1408ないしステップS1012における動作が第3の実施形態と異なり、ステップS1002ないしステップS1006、およびステップS1014における動作は第3の実施形態と同一である。
ステップS1006で、避難運転時着床階決定部704が、運転モードを避難運転モードに切り替えた後、動作はステップS1508に進む。
ステップS1508で、避難運転時着床階決定部704は、第3の実施形態と同様に避難運転時着床階を決定するとともに、決定した避難運転時着床階の中の少なくとも1つの階床を避難階として決定する。避難運転時着床階決定部704は決定した避難運転時着床階および避難階を表す情報を、エレベータ制御装置102の呼び登録制御部706に伝達する。次いで動作はステップS1110における既に登録した呼びの処理、ステップS1112における避難運転モードに切り替えられた後における呼びの処理、ステップS1014における乗りかご104の昇降制御に進むが、これらのステップにおける動作は図11を参照しながら説明を行った第2の実施形態における動作と同一であり、重複を避けるため詳細な説明は割愛する。ここで、ステップS1014において、ある避難運転時着床階からの乗場呼び登録に応答させた後、他の避難運転時着床階からの乗場呼び登録がある場合でも、乗りかご104を他の避難運転時着床階に停止させることなく、避難階に移動させることもできる。
本実施形態によれば、第3の実施形態による効果に加えて、有害ガスが発生した建物の在館者を、より確実に避難させることができる避難運転が可能となる。また、ある避難運転時着床階からの乗場呼び登録に応答させた後、直ちに乗りかご104を避難階に移動させる実施形態によれば、乗りかご室104a内に有害ガスが侵入する可能性を減らし、乗りかご室104aの搭乗者に有害ガスの影響が及ぶ可能性を低減することができる。
(第5の実施形態)
次に、図16および図17を参照しながら、第1の実施形態ないし第4の実施形態のいずれかを応用した第5の実施形態の説明を行う。本実施形態にしたがったエレベータ制御システムは、第1の実施形態ないし第4の実施形態のいずれかにしたがったエレベータ制御システムにおける乗りかご104に設けられ、乗りかご室104a内の有害ガスの濃度が所定の基準濃度を超えているときに有害ガス検出信号を出力する乗りかご内有害ガス検出装置を包含し、乗りかご内有害ガス検出装置によって有害ガス検出信号が出力されたときに、エレベータ制御装置102は、決定した避難運転時着床階のうち乗りかご104の最寄り階に乗りかご104を移動させ、最寄り階で乗りかご104の搭乗者が降りた後にエレベータの利用を禁止する。
本実施形態の説明においては、重複を避けるため、第1の実施形態ないし第4の実施形態と異なる内容を述べ、第1の実施形態ないし第4の実施形態と同一の内容に関しては説明を割愛する。
図16に、本実施形態におけるエレベータ制御システムを説明するための機能ブロック図の一例を示す。図16は、複数の機能要素の論理的な関係を示すものであって、物理的な関係を示すものではない。尚、図16にはエレベータ制御装置102の機能を説明するために、既に図7に示した機能構成要素も示しているが、これらの機能構成要素については、図16において同一の参照符号を付しており、説明は省略する。また、エレベータ制御装置に、通常、含まれる機能構成要素であっても、本実施形態の説明に不要な機能構成要素は示していないが、エレベータ制御装置102は、通常のエレベータ制御装置が備える機能構成要素を含む。また、図17に、本実施形態におけるエレベータ制御システムの動作の一例を表すフローチャートを示す。ここで、図17は本実施形態において特有な動作のみを示す。また、本実施形態において、少なくともエレベータの利用が禁止されるまでは、図17に示す動作に並行して、図10、図11、図14および図15にそれぞれ例示した第1の実施形態ないし第4の実施形態のいずれかの動作が実行される。
本実施形態は、乗りかご104を除く建物内で有害ガスが発生していないときにも実施可能であるが、以下の説明および図17においては建物内で有害ガスが発生し、エレベータ制御装置102は避難運転モードで動作している(ステップS1702)場合の動作を説明する。エレベータ制御装置102の最寄り階特定部1608は、乗りかご104に設けられ、乗りかご室104a内の有害ガスの濃度が所定の基準濃度を超えているときに有害ガス検出信号を出力する乗りかご内有害ガス検出装置1602から有害ガス検出信号が受信されているか否かを、常に、監視している(ステップS1704)。有害ガス検出信号が受信されていないと判断された場合には、平常運転が継続して実行される。
ステップS1704で、最寄り階特定部1608は、有害ガス検出信号が受信されていると判断すると、ステップS1706で、避難運転時着床階決定部704から避難運転時着床階の情報を取得する。尚、前述したように、建物内で有害ガスが発生していない平常時においては、難運転時着床階決定部704は、すべての着床階を避難運転時着床階に設定している。また、最寄り階特定部1608は、ステップS1708で、乗りかご位置検出装置1604によって検出されている乗りかご104の位置情報を、乗りかご位置特定制御部1610を介して、取得する。尚、ステップS1706およびステップS1708における動作は図17に示した順序と逆にしてもよいし、同時に行ってもよい。
避難運転時着床階の情報および乗りかご104の位置情報を取得すると、ステップS1710で、最寄り階特定部1608は、避難運転時着床階の情報および乗りかご104の位置情報に基づいて、避難運転時着床階の中で乗りかご104に最も近い最寄り階を特定する。最寄り階特定部1608は、特定した最寄り階を呼び登録制御部706に伝達する。呼び登録制御部706は、既に登録した他の呼びがある場合には、ステップS1712で、既に登録した他の呼び登録を取り消し、最寄り階特定部1608によって特定された最寄り階を、乗りかご104の行き先階として乗りかご呼び登録する。また、呼び登録制御部706は、新たな乗場呼びおよび乗りかご呼びを無効にする。すなわち、呼び登録制御部706は、新たな乗場呼びおよび乗りかご呼びを登録せず、最寄り階を行き先階とする乗りかご呼びのみが呼び登録制御部706に登録された状態になる。
次いでステップS1714で、呼び登録制御部706は、ステップS1712で登録した乗りかご呼びにしたがって、乗りかご104を最寄り階に移動させる指示を運行制御部708に伝達する。その後、乗りかご104は最寄り階に着床し、エレベータドアが開かれ、乗りかご104の搭乗者は乗りかご104から降りる。
次いでステップS1716で、エレベータ制御装置102は、最寄り階で乗りかご104から搭乗者が降りたことを確認する。乗りかご104から搭乗者が降りたことの確認は、例えば、乗りかご104に設けられている荷重検出装置306から、例えば、エレベータ制御装置102の乗りかごドア開閉指示部1612が、乗りかご室104a内の荷重がゼロである情報を取得することによって実行される。また、乗りかご室104a内に人感センサ等を設置することによっても、乗りかご104に搭乗者が居ないことを確認することができる。最寄り階で乗りかご104から搭乗者が降りたことが確認されると、乗りかごドア開閉指示部1612は、乗りかごドア114を閉じる指示を乗りかごドア開閉駆動装置1606に伝達し、エレベータドアが閉じる。
次にステップS1718で、エレベータ制御装置102は、エレベータの利用を禁止する。ステップS1712で、呼び登録制御部706は、最寄り階を行き先階とする乗りかご呼びのみを登録し、ステップS1714で、最寄り階を行き先階とする乗りかご呼びに応答しているため、呼び登録制御部706には呼びが登録されていない状態になっている。したがって、乗りかご104が最寄り階から移動することはない。また、乗りかごドア開閉指示部1612は、呼び登録制御部706に呼びが登録されていないときは、乗りかごドア114を開ける指示を乗りかごドア開閉駆動装置1606に出さないため、最寄り階でエレベータドアは閉じたままの状態となる。このようにしてエレベータを利用することができない状態となる。
本実施形態によれば、第1の実施形態ないし第4の実施形態による効果に加えて、乗りかご室内の有害ガスを監視することによって、有害ガスが乗りかご室内で検出されたときに、乗りかごの搭乗者を素早く安全な着床階に避難させることが可能となる。
(第6の実施形態)
前述したように、乗りかごドア114および乗場ドア120、すなわちエレベータドアは、次のような動作によって開閉する。乗りかご104が、ある着床階に着床し、かつ停止したときに、乗りかごドア114に設けられた係合部材が乗場ドア120に設けられた係合子に係合することによって、乗りかごドア114と乗場ドア120が係合する。乗りかごドア114と乗場ドア120が係合すると、乗りかご104に設けられた電動機等の動力源は乗りかごドア114を開くように動作し、乗りかごドア114に係合している乗場ドア120も乗りかごドア114に連動して開く。エレベータドアが閉じるときも、乗りかご104に設けられた電動機等の動力源によって乗りかごドア114が閉じ、乗場ドア120は乗りかごドア114に連動して閉じる。
ここで、エレベータドアは、乗りかご内操作盤116に設けられた戸開ボタン404または戸閉ボタン406が乗りかご104の搭乗者によって押下されないときには、完全に開いた状態から予め定められた時間が経過後、閉じ始める。エレベータドアが閉じつつある状態で戸開ボタン404が押下されると、エレベータドアは再び開き、エレベータドアが完全に開いた状態で戸開ボタン404が押下されると、エレベータドアが開いている時間が延長される。戸閉ボタン406が乗りかご104の搭乗者によって押下されると、エレベータドアは閉じ始める。
しかし、建物に有害ガスが発生したためエレベータを利用して避難しようとするエレベータ利用待機者が、乗りかご104に乗車する前、または乗車しようとする際に、乗りかご内操作盤116の戸閉ボタン406が押下され、エレベータドアが閉じてしまうと、乗りかご104に乗りそびれるエレベータ利用待機者が発生する虞がある。このような事態が発生すると、在館者の避難に要する時間が長くなるという問題点がある。また、エレベータドアが通常よりも早く閉じてしまうと、エレベータを利用して避難しようとするエレベータ利用待機者が乗りかご104に乗車しようとする際に、エレベータドアが乗りかご104に乗車しようとする者に接触したり、挟んでしまう可能性が増大する。
本実施形態にしたがったエレベータ制御システムは、第1の実施形態ないし第4の実施形態のいずれかにしたがったエレベータ制御システムにおける乗りかご104に設けられ、乗りかご104の搭乗者による乗りかごドアの開閉指示を検出する乗りかごドア開閉操作検出装置504を包含し、エレベータを平常運転モードから避難運転モードに切り替える場合に、エレベータ制御装置102は、乗りかごドア開閉操作検出装置504によって検出された乗りかごドア114を閉じる指示を無効にする。
図18を参照しながら、第1の実施形態ないし第4の実施形態のいずれかを応用した第6の実施形態の説明を行う。本実施形態の説明においては、重複を避けるため、第1の実施形態ないし第4の実施形態と異なる内容を述べ、第1の実施形態ないし第4の実施形態と同一の内容に関しては説明を割愛する。図18は、本実施形態におけるエレベータ制御システムを説明するための機能ブロック図の一例である。図18に示すエレベータ制御装置102には、乗りかごドア開閉操作検出装置504から出力される乗りかごドア開閉操作検出信号を受信し、乗りかごドア開閉駆動装置1606に乗りかごドア114を開閉する指示を出力する乗りかごドア開閉指示部1612が付加されている。ここで、図18は、複数の機能要素の論理的な関係を示すものであって、物理的な関係を示すものではない。尚、図18にはエレベータ制御装置102の機能を説明するために、既に図7に示した機能構成要素も示しているが、これらの機能構成要素については、図18において同一の参照符号を付しており、説明は省略する。また、エレベータ制御装置に、通常、含まれる機能構成要素であっても、本実施形態の説明に不要な機能構成要素は示していないが、エレベータ制御装置102は、通常のエレベータ制御装置が備える機能構成要素を含む。本実施形態において特有なエレベータ制御システムの動作は、図10、図11、図14および図15にそれぞれ例示した第1の実施形態ないし第4の実施形態のいずれかにおける動作に並行して実行される。
前述したように、エレベータ制御装置102の有害ガス検出信号受信部702は、有害ガス検出信号が受信されていると判断すると、受信した有害ガス検出信号に含まれる情報をエレベータ制御装置102の避難運転時着床階決定部704に伝達し、有害ガス検出信号に含まれる情報を受信した避難運転時着床階決定部704は、エレベータの運転モードを避難運転モードに切り替える。
この場合、避難運転時着床階決定部704は、エレベータの運転モードを避難運転モードに切り替えた旨を、エレベータ制御装置102の乗りかごドア開閉指示部1612に伝達する。エレベータの運転モードを避難運転モードに切り替えた旨を受信すると、乗りかごドア開閉指示部1612は、乗りかごドア開閉操作検出装置504によって検出され、出力される乗りかごドア114を閉じる指示を表すドア開閉操作検出信号を無効にする。したがって、エレベータの運転モードが避難運転モードに切り替えられた場合、乗りかご104の搭乗者によって戸閉ボタン406が押下されても、乗りかごドア開閉指示部1612から乗りかごドア開閉駆動装置1606に乗りかごドア114を閉じる指示は出力されず、エレベータドアは閉じない。尚、乗りかごドア開閉操作検出装置504によって検出され、出力される乗りかごドア114を開ける指示を表すドア開閉操作検出信号は無効にされない。
本実施形態によれば、第1の実施形態ないし第4の実施形態による効果に加えて、エレベータが避難運転モードで動作中には、乗りかごドア開閉操作検出装置504で検出された乗りかごドア114を閉じる指示を無効にすることによって、エレベータを利用して避難する時間が無用に長くなることを防止するとともに、エレベータを利用して避難しようとする者が乗りかご104に乗車しようとする際のエレベータドアとの接触事故を低減することが可能となる。
(第7の実施形態)
有害ガスの発生等、建物の中で異常事態が発生し、エレベータが避難運転モードに切り替わると、在館者は事情が分からないため、当惑あるいは混乱し、適切な避難行動がとれない虞がある。建物の中で異常事態が発生した場合には、在館者に適切な情報を伝えることによって、在館者の適切な避難を支援することができる。
本実施形態にしたがったエレベータ制御システムは、第1の実施形態ないし第4の実施形態のいずれかにしたがったエレベータ制御システムに、視覚的に、または聴覚的に、情報を報知する報知装置が付加されている。本実施形態におけるエレベータ制御装置102は、複数の有害ガス検出装置124のいずれかによって有害ガスが検出されているときに、建物内で有害ガスが発生した旨、および有害ガスが検出された着床階、およびエレベータを避難運転モードに切り替えた旨、および避難運転時着床階もしくは避難運転時不着床階、および検出された有害ガスの種類に応じて判定した有害ガスの上下方向の移動方向の情報を、報知装置に報知させる。
図19に、本実施形態におけるエレベータ制御システムを説明するための機能ブロック図の一例を示す。図19を参照しながら、第1の実施形態ないし第4の実施形態のいずれかを応用した第7の実施形態の説明を行う。本実施形態の説明においては、重複を避けるため、第1の実施形態ないし第4の実施形態と異なる内容を述べ、第1の実施形態ないし第4の実施形態と同一の内容に関しては説明を割愛する。図19に示すエレベータ制御システムには、乗場に設けられ、視覚的に、または聴覚的に、情報を乗場で報知する乗場報知装置1902と、乗りかご104に設けられ、視覚的に、または聴覚的に、情報を乗りかご室内に報知する乗りかご内報知装置1904が設けられている。視覚的に情報を報知する報知装置は表示装置であり、聴覚的に情報を報知する報知装置は音声出力装置である。また、エレベータ制御装置102には、乗場報知装置1902を制御する乗場報知装置制御部1906と、乗りかご内報知装置1904を制御する乗りかご内報知装置制御部1908が付加されている。ここで、図19は、複数の機能要素の論理的な関係を示すものであって、物理的な関係を示すものではない。尚、図19にはエレベータ制御装置102の機能を説明するために、既に図7に示した機能構成要素も示しているが、これらの機能構成要素については、図19において同一の参照符号を付しており、説明は省略する。また、エレベータ制御装置に、通常、含まれる機能構成要素であっても、本実施形態の説明に不要な機能構成要素は示していないが、エレベータ制御装置102は、通常のエレベータ制御装置が備える機能構成要素を含む。本実施形態において特有なエレベータ制御システムの動作は、図10、図11、図14および図15にそれぞれ例示した第1の実施形態ないし第4の実施形態のいずれかにおける動作に並行して実行される。
前述したように、建物内に設置された有害ガス検出装置124によって有害ガスが検出されると、エレベータ制御装置102の避難運転時着床階決定部704は、有害ガス検出信号に含まれる情報を受信する。有害ガス検出信号に含まれる情報を受信した避難運転時着床階決定部704は、エレベータを平常運転モードから避難運転モードに切り替えるとともに、有害ガスを検出した有害ガス検出装置が設置されている着床階、および検出された有害ガスの種類を特定する。また、避難運転時着床階決定部704は、有害ガスの種類から有害ガスの空気を基準とする比重を特定し、有害ガスの上下方向の移動方向を判定する。さらに、避難運転時着床階決定部704は、特定した有害ガスを検出した有害ガス検出装置が設置されている着床階、および判定した有害ガスの上下方向の移動方向に基づいて、避難運転時着床階または避難運転時不着床階を決定する。
本実施形態において、避難運転時着床階決定部704は、建物内で有害ガスが発生した旨、および有害ガスが検出された着床階、およびエレベータを避難運転モードに切り替えた旨、および避難運転時着床階もしくは避難運転時不着床階、および検出された有害ガスの種類に応じて判定した有害ガスの上下方向の移動方向の情報を、エレベータ制御装置102の乗場報知装置制御部1906および乗りかご内報知装置制御部1908に伝達する。避難運転時着床階決定部704から上記情報を受信すると、乗場報知装置制御部1906は、建物内で有害ガスが発生した旨、および有害ガスが検出された着床階、および避難運転時着床階もしくは避難運転時不着床階、および検出された有害ガスの種類に応じて判定した有害ガスの上下方向の移動方向の情報を、乗場報知装置1902に報知させる。乗場報知装置制御部1906は、さらに、エレベータを避難運転モードに切り替えた旨の情報を、乗場報知装置1902に報知させてもよい。ここで、建物内の有害ガス発生状況が変化した場合には、乗場報知装置1902によって報知される情報の内容は更新される。尚、乗場報知装置1902が視覚的に情報を報知する装置である場合には、前述した乗場表示装置208を乗場報知装置1902として用いることもできる。
一方、乗りかご内報知装置制御部1908は、避難運転時着床階決定部704から上記情報を受信すると、建物からの退避方法、または避難時の注意事項等の情報を、乗りかご内報知装置1904に報知させる。乗りかご内報知装置制御部1908は、さらに、エレベータを避難運転モードに切り替えた旨の情報を、乗りかご内報知装置1904に報知させてもよい。尚、乗りかご内報知装置1904が視覚的に情報を報知する装置である場合には、前述した乗りかご内表示装置204を乗りかご内報知装置1904として用い、乗りかご内報知装置1904が聴覚的に情報を報知する装置である場合には、乗りかご内音声アナウンス装置408を乗りかご内報知装置1904として用いることもできる。
本実施形態によれば、第1の実施形態ないし第4の実施形態による効果に加えて、建物の中で有害ガスが検出された場合に、エレベータを利用して避難しようとする在館者に適切な情報を報知することによって、在館者の適切な避難を支援することができる。
(第8の実施形態)
次に、第1の実施形態ないし第4の実施形態のいずれかを応用した第8の実施形態の説明を行う。本実施形態にしたがったエレベータ制御システムは、第1の実施形態ないし第4の実施形態のいずれかにしたがったエレベータ制御システムに、エレベータ制御システムの外部への連絡用の連絡装置が付加されている。本実施形態におけるエレベータ制御装置102は、複数の有害ガス検出装置のいずれかによって有害ガスが検出されたときに、建物内で有害ガスが発生した旨と救助要請を、連絡装置に外部へ連絡させる。また、一実施形態において、エレベータ制御装置102は、複数の有害ガス検出装置のいずれかによって有害ガスが検出されたときに、さらに、建物内で発生した有害ガスの種類を連絡装置に外部へ連絡させる。
図20に、本実施形態におけるエレベータ制御システムを説明するための機能ブロック図の一例を示す。図20を参照しながら、第1の実施形態ないし第4の実施形態のいずれかを応用した第8の実施形態の説明を行う。本実施形態の説明においては、重複を避けるため、第1の実施形態ないし第4の実施形態と異なる内容を述べ、第1の実施形態ないし第4の実施形態と同一の内容に関しては説明を割愛する。図20に示すエレベータ制御システムには、エレベータ制御システムの外部との通信機能を有する連絡装置2002が設けられている。連絡装置の連絡先である外部としては、例えば、防災センタ、消防署、エレベータ保守機関等がある。ここで、図20は、複数の機能要素の論理的な関係を示すものであって、物理的な関係を示すものではない。尚、図20にはエレベータ制御装置102の機能を説明するために、既に図7に示した機能構成要素も示しているが、これらの機能構成要素については、図20において同一の参照符号を付しており、説明は省略する。また、エレベータ制御装置に、通常、含まれる機能構成要素であっても、本実施形態の説明に不要な機能構成要素は示していないが、エレベータ制御装置102は、通常のエレベータ制御装置が備える機能構成要素を含む。本実施形態において特有なエレベータ制御システムの動作は、図10、図11、図14および図15にそれぞれ例示した第1の実施形態ないし第4の実施形態のいずれかにおける動作に並行して実行される。
建物内に設置された有害ガス検出装置124によって有害ガスが検出されると、エレベータ制御装置102の避難運転時着床階決定部704は、有害ガス検出信号に含まれる情報の受信等の前述した動作を実行するとともに、建物内で有害ガスが発生した旨と救助要請を、自動的に、連絡装置2002に外部へ連絡させる。また、一実施形態においては、避難運転時着床階決定部704は、さらに、建物内で発生した有害ガスの種類を、自動的に、連絡装置2002に外部へ連絡させる。
本実施形態によれば、第1の実施形態ないし第4の実施形態による効果に加えて、建物の中で有害ガスが検出された場合に、建物内で有害ガスが発生した旨と救助要請を外部へ連絡することによって、速やかな救助活動の実行が期待できる。また、建物内で発生した有害ガスの種類を、さらに、外部へ連絡する実施形態によれば、救助要請を受けた外部側で適切な準備を行うことができるため、より円滑な救助活動の実行が期待できる。
(第9の実施形態)
次に、第1の実施形態ないし第4の実施形態のいずれかを応用した第9の実施形態の説明を行う。本実施形態にしたがったエレベータ制御システムは、第1の実施形態ないし第4の実施形態のいずれかにしたがったエレベータ制御システムに、人為的な操作によって、エレベータを避難運転モードから、乗りかごが任意の着床階に移動可能な救助運転モードに切り替えるための運転モード切替装置が付加されている。本実施形態におけるエレベータ制御装置102は、運転モード切替装置から救助運転モードに切り替える信号を受信すると、エレベータの運転モードを救助運転モードに移行させる。
図21に、本実施形態にしたがったエレベータシステムの機能構成の概要を説明するための機能ブロック図を示す。尚、この図は、本実施形態に関連する機能要素と、それらの関連を示すものであって、構成要素の物理的配置あるいは物理的構成を表すものではない。また、通常のエレベータシステムの構成要素であるが、本実施形態に直接的には関連しない機能要素は、図に示していないが、エレベータシステムは、通常のエレベータシステムが備える機能構成要素を含む。図21においては、例としてエレベータの着床階の数が4の場合を示しているが、本実施形態は、2以上の任意の正数の着床階が存在する場合にも実施可能であることは明らかであろう。
図21を参照しながら、第1の実施形態ないし第4の実施形態のいずれかを応用した第9の実施形態の説明を行う。本実施形態の説明においては、重複を避けるため、第1の実施形態ないし第4の実施形態と異なる内容を述べ、第1の実施形態ないし第4の実施形態と同一の内容に関しては説明を割愛する。また、図21には本実施形態にしたがったエレベータシステムの機能を説明するために、既に図1に示した機能構成要素も示しているが、これらの機能構成要素については、図21において同一の参照符号を付しており、説明は省略する。図21に示すエレベータシステムには、人為的な操作によって、エレベータを避難運転モードから、乗りかご104が任意の着床階に移動可能な救助運転モードに切り替えるための運転モード切替装置2102が付加されている。運転モード切替装置2102は、予め定められた場所に設置される。運転モード切替装置2102を、例えば、建物の出入り口がある着床階の乗場、他の着床階の乗場、または乗りかご104に設けることができるが、救助者が近づきやすい場所に設けることが好ましい。通常、有害ガス発生時における救助に習熟し救助能力を有する消防士等の救助者のみが、運転モード切替装置2102を操作することができる。
運転モード切替装置2102は、エレベータ制御装置102に接続されている。例えば、運転モード切替装置2102は、エレベータ制御装置102の呼び登録制御部706に接続されている。運転モード切替装置2102に運転モードを救助運転モードに切り替える人為的な操作が入力されると、運転モード切替装置2102は、エレベータの運転モードを救助運転モードに切り替えるための救助運転モード切替信号をエレベータ制御装置102に向けて出力する。
エレベータ制御装置102は、運転モード切替装置2102から救助運転モード切替信号を受信すると、エレベータの運転モードを、乗りかご104が任意の着床階に移動可能な救助運転モードに移行させる。図10、図11、図14および図15にそれぞれ例示した第1の実施形態ないし第4の実施形態のいずれかにおいて、エレベータが避難運転モードで動作しているときには、エレベータ制御装置102の呼び登録制御部706は、乗りかご104が、有害ガスが検出された着床階および有害ガスが移動する方向の着床階に行かないように、所定の乗場呼びおよび乗りかご呼びを無効にし、登録しない。すなわち、エレベータが避難運転モードで動作しているときには、所定の乗場呼びおよび乗りかご呼びの登録が制限されている。運転モード切替装置2102から救助運転モード切替信号を受信すると、エレベータ制御装置102の呼び登録制御部706は、所定の乗場呼びおよび乗りかご呼びの登録を制限している状態を解除し、任意の乗場呼び検出装置604から乗場呼び信号を受信したときには当該乗場呼びを登録し、乗りかご呼び検出装置502から任意の行き先階を表す乗りかご呼び信号を受信したときには当該乗りかご呼びを登録する。このようにして避難運転モードは解除され、エレベータの運転モードは、乗りかご104が任意の着床階に移動可能な救助運転モードに移行する。
エレベータの運転モードが救助運転モードに切り替えられると、任意の着床階に居る逃げ遅れた在館者を救助するために、救助者によるエレベータを用いた救助活動が開始される。
本実施形態によれば、第1の実施形態ないし第4の実施形態による効果に加えて、エレベータの運転モードを、乗りかご104の着床階が制限されている避難運転モードから救助運転モードに切り替えることによって、エレベータを用いた救助活動を有効に行うことができる。
(第10の実施形態)
次に、図22および図23を適宜参照しながら、第3の実施形態または第4の実施形態を応用した第10の実施形態の説明を行う。建物内で有害ガスが発生した場合、同一階床であっても、一般的には、場所によって有害ガスの濃度が同一であるとは限らない。また、複数のエレベータが設置された建物も存在する。本実施形態においては、建物には複数のエレベータが設置されている。一例として、建物には図22に示すようにエレベータAとエレベータBの2つのエレベータが設置されている場合を想定する。尚、本実施形態におけるエレベータの数は2に限定されるものではなく、建物に設置されているエレベータの数は任意の複数である。また、平常時における、エレベータAの着床階は1階ないし14階のすべての階床であり、エレベータBの着床階は1階ないし14階の中の奇数階、すなわち、1階、3階、5階、7階、9階、11階および13階である場合を想定する。この場合、1階ないし14階の中の奇数階は、エレベータAおよびエレベータBに共通する着床階である。図22においては、平常時における各エレベータの着床階を丸印で表している。尚、図22に示した各エレベータの着床階も例示であって、共通する着床階が存在する範囲において、エレベータの着床階は任意である。
図23に、本実施形態におけるエレベータ制御システムを説明するための機能ブロック図の一例を示す。ここで、図23は、複数のエレベータの中の1つのエレベータシステムに関する機能ブロック図の一例である。本実施形態の説明においては、重複を避けるため、第1の実施形態、第3の実施形態または第4の実施形態と異なる内容を述べ、第1の実施形態、第3の実施形態または第4の実施形態と同一の内容に関しては説明を割愛する。また、図23は、複数の機能要素の論理的な関係を示すものであって、物理的な関係を示すものではない。尚、図23にはエレベータ制御装置102の機能を説明するために、既に図7に示した機能構成要素も示しているが、これらの機能構成要素については、図23において同一の参照符号を付しており、説明は省略する。また、エレベータ制御装置に、通常、含まれる機能構成要素であっても、本実施形態の説明に不要な機能構成要素は示していないが、エレベータ制御装置102は、通常のエレベータ制御装置が備える機能構成要素を含む。図23に示すエレベータ制御システムには、エレベータのそれぞれの着床階の乗場に設けられ、視覚的に、または聴覚的に、情報を乗場で報知する乗場報知装置1902が設けられている。視覚的に情報を報知する報知装置は表示装置であり、聴覚的に情報を報知する報知装置は音声出力装置である。乗場報知装置1902が視覚的に情報を報知する装置である場合には、前述した乗場表示装置208を乗場報知装置1902として用いることもできる。また、図1に示した有害ガス検出装置124は、少なくともエレベータのそれぞれの着床階の乗場に設置されている。したがって、図22に示した、エレベータAにおいては1階ないし14階のすべての階床の乗場に、エレベータBにおいては1階ないし14階の中の奇数階の階床の乗場に、乗場報知装置1902および有害ガス検出装置124が設置されている。
第3の実施形態の説明において述べたように、避難運転時着床階決定部704は、有害ガス検出信号受信部702から、有害ガスの濃度を表す情報も含む有害ガス検出信号に含まれる情報を受信すると、有害ガスの濃度が所定の基準濃度を超えているか否かを判定する。また、避難運転時着床階決定部704は、避難運転時着床階決定部704を含むエレベータ制御装置102が制御するエレベータの着床階の乗場に設置されている有害ガス検出装置124によって検出された有害ガスの濃度を表す情報を着床階に関連付けて有害ガス濃度情報取得部2302に伝達する。例えば、図22に示したエレベータAのエレベータ制御装置102Aの避難運転時着床階決定部704Aは、1階ないし14階にあるエレベータAの乗場に設置されている有害ガス検出装置124Aによって検出された有害ガスの濃度を表す情報をエレベータAの着床階である1階ないし14階に関連付けて有害ガス濃度情報取得部2302Aに伝達する。
また、図22に示したエレベータBのエレベータ制御装置102Bの避難運転時着床階決定部704Bは、1階ないし14階の中の奇数階にあるエレベータBの乗場に設置されている有害ガス検出装置124Bによって検出された有害ガスの濃度を表す情報をエレベータBの着床階である1階ないし14階の中の奇数階に関連付けて有害ガス濃度情報取得部2302Bに伝達する。
エレベータAのエレベータ制御装置102Aの有害ガス濃度情報取得部2302Aは、エレベータAの着床階に関連付けられた、エレベータAの乗場に設置されている有害ガス検出装置124Aによって検出された有害ガスの濃度を表す情報を避難運転時着床階決定部704Aから取得するとともに、エレベータBのエレベータ制御装置102Bから、エレベータBの着床階に関連付けられた、エレベータBの乗場に設置されている有害ガス検出装置124Bによって検出された有害ガスの濃度を表す情報を取得する。
同様に、エレベータBのエレベータ制御装置102Bの有害ガス濃度情報取得部2302Bは、エレベータBの着床階に関連付けられた、エレベータBの乗場に設置されている有害ガス検出装置124Bによって検出された有害ガスの濃度を表す情報を避難運転時着床階決定部704Bから取得するとともに、エレベータAのエレベータ制御装置102Aから、エレベータAの着床階に関連付けられた、エレベータAの乗場に設置されている有害ガス検出装置124Aによって検出された有害ガスの濃度を表す情報を取得する。このようにして、エレベータAおよびエレベータBの乗場に設置されている有害ガス検出装置124によって検出された有害ガスの濃度を表す情報が、エレベータ制御装置102Aおよびエレベータ制御装置102Bの間で共有される。
また、エレベータAのエレベータ制御装置102Aの有害ガス濃度情報取得部2302Aは、エレベータBと共通する着床階、すなわち1階ないし14階の中の奇数階のそれぞれの乗場に関して、エレベータAの乗場の有害ガス検出装置124Aによって検出された有害ガスの濃度と、エレベータBの乗場の有害ガス検出装置124Bによって検出された有害ガスの濃度を比較し、検出された有害ガスの濃度が小さな乗場を特定するとともに、特定した乗場における有害ガスの濃度が所定の基準濃度に満たない安全な値であるか否かを判定する。例えば、7階のエレベータAの乗場の有害ガス検出装置124Aによって検出された有害ガスの濃度に比較して、7階のエレベータBの乗場の有害ガス検出装置124Bによって検出された有害ガスの濃度が小さく、かつ有害ガス検出装置124Bによって検出された有害ガスの濃度が所定の基準濃度に満たない安全な値であると判定した場合には、有害ガス濃度情報取得部2302Aは、7階についてはエレベータBの乗場を安全な乗場として特定する。
同様に、エレベータBのエレベータ制御装置102Bの有害ガス濃度情報取得部2302Bは、エレベータAと共通する着床階、すなわち1階ないし14階の中の奇数階のそれぞれの乗場に関して、エレベータBの乗場の有害ガス検出装置124Bによって検出された有害ガスの濃度と、エレベータAの乗場の有害ガス検出装置124Aによって検出された有害ガスの濃度を比較し、検出された有害ガスの濃度が小さな乗場を特定するとともに、特定した乗場における有害ガスの濃度が所定の基準濃度に満たない安全な値であるか否かを判定する。
エレベータAのエレベータ制御装置102Aの有害ガス濃度情報取得部2302A、およびエレベータBのエレベータ制御装置102Bの有害ガス濃度情報取得部2302Bは、双方のエレベータに共通する着床階に存在し、検出された有害ガスの濃度が小さく、かつ所定の基準濃度に満たない安全な乗場を特定すると、それぞれ、エレベータ制御装置102Aの乗場報知装置制御部1906Aおよびエレベータ制御装置102Bの乗場報知装置制御部1906Bに、特定した安全な乗場に対応するエレベータの利用を促す報知を行うように指示する。エレベータ制御装置102Aの乗場報知装置制御部1906Aおよびエレベータ制御装置102Bの乗場報知装置制御部1906Bは、それぞれ、エレベータAとエレベータBに共通する着床階の乗場に設けられたエレベータAの乗場報知装置1902AおよびエレベータBの乗場報知装置1902Bのそれぞれに、乗場報知装置制御部1906によって特定された安全な乗場に対応するエレベータの利用を促す報知を実行させる。前述した例のように、7階についてはエレベータBの乗場を安全な乗場として特定された場合には、7階にあるエレベータAの乗場報知装置1902Aは、エレベータBの利用を促す報知を行い、7階にあるエレベータBの乗場報知装置1902Bは、エレベータAの利用は控えエレベータBの利用を促す報知を行う。
以上の説明においては、建物に設置されているエレベータがエレベータAとエレベータBの場合について述べたが、建物に設置されているエレベータの数は2に限定されず、任意の複数の場合にも同様な構成、動作によって本実施形態を実施することができることは明らかである。また、本実施形態において特有なエレベータ制御システムの動作は、図14および図15にそれぞれ例示した第3の実施形態および第4の実施形態のいずれかにおける動作に並行して実行される。
本実施形態によれば、第3の実施形態および第4の実施形態による効果に加えて、ある階床で平常時には複数のエレベータを利用することができる場合、有害ガスが発生したときに、在館者に安全な乗場を報知することによって、在館者の避難を支援することができる。
以上、説明を行った第1の実施形態ないし第10の実施形態によれば、エレベータが設置された建物内で有害ガスが発生した場合に備えたエレベータ制御システムまたは方法が提供される。
尚、本発明は上記の実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で開示した構成要素を変形して具体化できる。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示した全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
102…エレベータ制御装置、 104…乗りかご、 104a…乗りかご室、
106…巻上機、 108…釣合おもり、 110…昇降路、
112…乗りかご制御装置、 114…乗りかごドア、
116…乗りかご内操作盤、 118…乗場制御装置、 120…乗場ドア、
122…乗場操作盤、 124…有害ガス検出装置、
126…建物管理システム、 202…乗りかご内呼び機構、
204…乗りかご内表示装置、 206…乗場呼び機構、
208…乗場表示装置、 302…乗りかご室の床板、 304…防振ゴム、
306…荷重検出装置、 402…乗りかご呼び入力部、
404…戸開ボタン、 406…戸閉ボタン、
408…乗りかご内音声アナウンス装置、 502…乗りかご呼び検出装置、
504…乗りかごドア開閉操作検出装置、 602…乗場呼び入力部、
604…乗場呼び検出装置、 702…有害ガス検出信号受信部、
704…避難運転時着床階決定部、 706…呼び登録制御部、
708…運行制御部、 1602…乗りかご内有害ガス検出装置、
1604…乗りかご位置検出装置、 1606…乗りかごドア開閉駆動装置、
1608…最寄り階特定部、 1610…乗りかご位置特定制御部、
1612…乗りかごドア開閉指示部、 1902…乗場報知装置、
1904…乗りかご内報知装置、 1906…乗場報知装置制御部、
1908…乗りかご内報知装置制御部、 2002…連絡装置、
2102…運転モード切替装置、 2302…有害ガス濃度情報取得部
本発明の実施形態によるエレベータ制御システムは、建物に設置されたエレベータの乗りかごと、平常時に前記乗りかごが停止する着床階のそれぞれに少なくとも1つ設置され、少なくとも1種類の有害ガスを検出する複数の有害ガス検出装置と、エレベータ制御装置と、このエレベータ制御装置へ人為的な操作により前記乗りかごが任意の着床階に移動可能な救助運転モードへの切替信号を出力する運転モード切替装置とを含む。エレベータ制御装置は、前記エレベータの動作を制御するとともに、前記複数の有害ガス検出装置のいずれかから前記有害ガス検出装置が設置されている着床階の情報および検出された前記有害ガスの種類を表す情報を含む有害ガス検出信号を受信する。また、エレベータ制御装置は、前記有害ガス検出信号の受信により前記エレベータを平常運転モードから避難運転モードに切り替え、各情報に基づいて前記乗りかごが避難運転時に停止可能な避難運転時着床階を決定し前記乗りかごを前記避難運転時着床階のみに着床させ、前記運転モード切替装置からの前記切替信号の受信により前記エレベータを前記避難運転モードから前記救助運転モードに切り替える
また、本発明の実施形態によるエレベータ制御方法は、平常時にエレベータの乗りかごが停止する着床階のそれぞれに少なくとも1つ設置され少なくとも1種類の有害ガスを検出する複数の有害ガス検出装置のいずれかから前記有害ガス検出装置が設置されている着床階の情報および検出された前記有害ガスの種類を表す情報を含む有害ガス検出信号を受信するステップと、前記有害ガス検出信号の受信により前記エレベータを平常運転モードから避難運転モードに切り替えるステップと、前記有害ガス検出信号に含まれる各情報に基づいて前記乗りかごが避難運転時に停止可能な避難運転時着床階を決定するステップと、前記乗りかごを前記避難運転時着床階のみに着床させるステップと、人為的な操作により運転モード切替装置から出力された前記乗りかごが任意の着床階に移動可能な救助運転モードへの切替信号の受信により、前記エレベータを前記避難運転モードから前記乗救助運転モードに切り替えるステップとを包含することを特徴としている。

Claims (18)

  1. 建物に設置されたエレベータの乗りかごと、
    前記エレベータの動作を制御するとともに、平常時に前記乗りかごが停止する着床階のそれぞれに少なくとも1つ設置され、少なくとも1種類の有害ガスを検出する有害ガス検出装置によって有害ガスが検出されたときに、前記有害ガスを検出した前記有害ガス検出装置が設置されている着床階、および検出された前記有害ガスの種類を表す情報を含む有害ガス検出信号を受信するエレベータ制御装置とを包含し、
    前記エレベータ制御装置は、複数の前記有害ガス検出装置のいずれかによって有害ガスが検出されたときに、
    前記エレベータを平常運転モードから避難運転モードに切り替えるとともに、
    前記有害ガス検出信号に含まれる前記有害ガスを検出した前記有害ガス検出装置が設置されている着床階の情報、および検出された前記有害ガスの種類の情報に基づいて、前記乗りかごが避難運転時に停止可能な避難運転時着床階を決定し、
    前記乗りかごを前記避難運転時着床階のみに着床させることを特徴とするエレベータ制御システム。
  2. 前記エレベータ制御装置は、
    複数の前記有害ガス検出装置のいずれかによって有害ガスが検出されたときに、
    前記避難運転時着床階の中の少なくとも1つの階床を前記乗りかごの搭乗者が降車する前記乗りかごの行き先階である避難階として決定することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ制御システム。
  3. 建物に設置されたエレベータの乗りかごと、
    前記エレベータの動作を制御するとともに、平常時に前記乗りかごが停止する着床階のそれぞれに少なくとも1つ設置され、少なくとも1種類の有害ガスを検出する有害ガス検出装置によって有害ガスが検出されたときに、前記有害ガスを検出した前記有害ガス検出装置が設置されている着床階、および検出された前記有害ガスの種類、および前記有害ガスの濃度を表す情報を含む有害ガス検出信号を受信するエレベータ制御装置とを包含し、
    前記エレベータ制御装置は、前記有害ガスの濃度が所定の基準濃度を超えているときに、
    前記エレベータを平常運転モードから避難運転モードに切り替えるとともに、
    前記有害ガス検出信号に含まれる前記有害ガスを検出した前記有害ガス検出装置が設置されている着床階、および検出された前記有害ガスの種類、および前記有害ガスの濃度を表す情報に基づいて、前記乗りかごが避難運転時に停止可能な避難運転時着床階を決定し、
    前記乗りかごを前記避難運転時着床階のみに着床させることを特徴とするエレベータ制御システム。
  4. 前記エレベータ制御装置は、
    複数の前記有害ガス検出装置のいずれかによって有害ガスが検出されたときに、
    前記避難運転時着床階の中の少なくとも1つの階床を前記乗りかごの搭乗者が降車する前記乗りかごの行き先階である避難階として決定することを特徴とする請求項3に記載のエレベータ制御システム。
  5. 前記有害ガス検出装置は、少なくとも前記乗場のそれぞれに設置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のエレベータ制御システム。
  6. 前記乗りかごは、
    前記乗りかごの室内の有害ガスの濃度が所定の基準濃度を超えているときに有害ガス検出信号を出力する乗りかご内有害ガス検出装置を包含し、
    前記エレベータ制御装置は、前記乗りかご内有害ガス検出装置によって有害ガス検出信号が出力されたときに、
    前記避難運転時着床階のうち前記乗りかごの最寄り階に前記乗りかごを移動させ、前記最寄り階で前記乗りかごの搭乗者が降りた後に前記エレベータの利用を禁止することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のエレベータ制御システム。
  7. 前記乗りかごは、
    前記乗りかごの搭乗者による乗りかごドアの開閉指示を検出する乗りかごドア開閉操作検出装置を包含し、
    前記エレベータ制御装置は、前記エレベータを平常運転モードから避難運転モードに切り替える場合に、
    前記乗りかごドア開閉操作検出装置によって検出された前記乗りかごドアを閉じる指示を無効にすることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のエレベータ制御システム。
  8. 前記エレベータ制御システムは、
    それぞれの前記乗場に設けられ、視覚的に、または聴覚的に、情報を報知する乗場報知装置を包含し、
    前記エレベータ制御装置は、複数の前記有害ガス検出装置のいずれかによって有害ガスが検出されているときに、
    前記建物内で有害ガスが発生した旨、および前記有害ガスが検出された着床階、および前記避難運転時着床階もしくは避難運転時不着床階、および検出された前記有害ガスの種類に応じて判定した前記有害ガスの上下方向の移動方向の情報を、前記乗場報知装置に報知させることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のエレベータ制御システム。
  9. 前記エレベータ制御システムは、
    前記エレベータ制御システムの外部への連絡用の連絡装置を包含し、
    前記エレベータ制御装置は、複数の前記有害ガス検出装置のいずれかによって有害ガスが検出されたときに、前記建物内で有害ガスが発生した旨と救助要請を、前記連絡装置に前記外部へ連絡させることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のエレベータ制御システム。
  10. 前記エレベータ制御装置は、複数の前記有害ガス検出装置のいずれかによって有害ガスが検出されたときに、さらに、前記建物内で発生した前記有害ガスの種類を前記連絡装置に前記外部へ連絡させることを特徴とする請求項9に記載のエレベータ制御システム。
  11. 前記エレベータ制御システムは、
    人為的な操作によって、前記エレベータを避難運転モードから、前記乗りかごが任意の着床階に移動可能な救助運転モードに切り替えるための運転モード切替装置を包含し、
    前記エレベータ制御装置は、前記運転モード切替装置から救助運転モードに切り替える信号を受信すると、前記エレベータの運転モードを救助運転モードに移行させることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のエレベータ制御システム。
  12. 前記運転モード切替装置は、前記乗りかご内または予め定められた着床階に設置されていることを特徴とする請求項11に記載のエレベータ制御システム。
  13. 前記エレベータ制御システムは、
    前記建物に設置された複数の前記エレベータと、
    前記複数の前記エレベータのそれぞれの着床階の前記乗場に設けられ、視覚的に、または聴覚的に、情報を報知する乗場報知装置と
    を包含し、
    前記有害ガス検出装置は、少なくとも前記複数の前記エレベータのそれぞれの着床階の前記乗場に設置され、
    前記複数の前記エレベータのそれぞれの前記エレベータ制御装置は、
    他のエレベータの着床階の前記乗場において検出された前記有害ガスの濃度を表す情報を取得し、
    複数の前記有害ガス検出装置のいずれかによって有害ガスが検出されたときに、
    同一の着床階にある前記乗場において検出された前記有害ガスの濃度を表す情報に基づいて、前記同一の着床階に存在し、検出された有害ガスの濃度が小さく、かつ所定の基準濃度に満たない安全な乗場を特定し、
    特定した前記安全な乗場に対応するエレベータの利用を促す報知を、前記乗場報知装置に実行させることを特徴とする請求項3または4に記載のエレベータ制御システム。
  14. 平常時にエレベータの乗りかごが停止する着床階のそれぞれに少なくとも1つ設置され、少なくとも1種類の有害ガスを検出する有害ガス検出装置によって有害ガスが検出されたときに、前記有害ガスを検出した前記有害ガス検出装置が設置されている着床階、および検出された前記有害ガスの種類を表す情報を含む有害ガス検出信号を受信するステップと、
    前記有害ガス検出信号が受信されたときに、前記エレベータを平常運転モードから避難運転モードに切り替えるステップと、
    前記有害ガス検出信号が受信されたときに、前記有害ガス検出信号に含まれる前記有害ガスを検出した前記有害ガス検出装置が設置されている着床階の情報、および検出された前記有害ガスの種類を表す情報に基づいて、前記乗りかごが避難運転時に停止可能な避難運転時着床階を決定するステップと、
    前記有害ガス検出信号が受信されたときに、前記乗りかごを前記避難運転時着床階のみに着床させるステップと
    を包含することを特徴とするエレベータ制御方法。
  15. 前記エレベータ制御方法は、
    複数の前記有害ガス検出装置のいずれかによって有害ガスが検出されたときに、
    前記避難運転時着床階の中の少なくとも1つの階床を前記乗りかごの搭乗者が降車する前記乗りかごの行き先階である避難階として決定するステップを包含することを特徴とする請求項14に記載のエレベータ制御方法。
  16. 平常時にエレベータの乗りかごが停止する着床階のそれぞれに少なくとも1つ設置され、少なくとも1種類の有害ガスを検出する有害ガス検出装置によって有害ガスが検出されたときに、前記有害ガスを検出した前記有害ガス検出装置が設置されている着床階、および検出された前記有害ガスの種類、および前記有害ガスの濃度を表す情報を含む有害ガス検出信号を受信するステップと、
    前記有害ガスの濃度が所定の基準濃度を超えているときに、前記エレベータを平常運転モードから避難運転モードに切り替えるステップと、
    前記有害ガスの濃度が所定の基準濃度を超えているときに、前記有害ガス検出信号に含まれる前記有害ガスを検出した前記有害ガス検出装置が設置されている着床階の情報、および検出された前記有害ガスの種類、および前記有害ガスの濃度を表す情報に基づいて、前記乗りかごが避難運転時に停止可能な避難運転時着床階を決定するステップと、
    前記有害ガスの濃度が所定の基準濃度を超えているときに、前記乗りかごを前記避難運転時着床階のみに着床させるステップと
    を包含することを特徴とするエレベータ制御方法。
  17. 前記エレベータ制御方法は、
    前記有害ガスの濃度が所定の基準濃度を超えているときに、
    前記避難運転時着床階の中の少なくとも1つの階床を前記乗りかごの搭乗者が降車する前記乗りかごの行き先階である避難階として決定するステップを包含することを特徴とする請求項16に記載のエレベータ制御方法。
  18. 前記エレベータ制御方法は、
    前記乗りかごの室内の有害ガスの濃度が所定の基準濃度を超えているときに有害ガス検出信号を出力する乗りかご内有害ガス検出装置から有害ガス検出信号を受信するステップと、
    前記乗りかご内有害ガス検出装置から有害ガス検出信号を受信したときに、
    前記避難運転時着床階のうち前記乗りかごの最寄り階に前記乗りかごを移動させるステップと、
    前記最寄り階で前記乗りかごの搭乗者が降りた後に前記エレベータの利用を禁止するステップと
    を包含することを特徴とする請求項14ないし請求項17のいずれかに記載のエレベータ制御方法。
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