JP2014065425A - 歩行型作業機の変速レバー牽制構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】変速装置の複数段の夫々に対応する複数の変速位置に変速レバー59を案内するガイド溝65が形成された案内部材64と、高速バック走行に対応する後進2速溝R2への変速レバー59の移動を牽制する牽制姿勢と後進2速溝R2への変速レバー59の移動を許容する牽制解除姿勢とに姿勢変更自在な牽制板72とが備えられ、牽制板72は、牽制姿勢では、ガイド溝65が形成されたガイド面視において、後進2速溝R2を覆い後進2速溝R2の溝横幅方向に沿う姿勢となり、牽制解除姿勢では、ガイド面視において、後進2速溝R2から外れた位置でガイド面に直交する溝上下方向に沿う姿勢となる。
【選択図】図8
Description
しかしながら、この場合には、接当ボルトを溝上下方向に沿う回動軸芯周りで牽制解除位置に回転させたときに、ガイド溝が形成されているガイド面に沿う方向において、ガイド溝から外れた位置で接当ボルトの全長に亘って接当ボルトを退避させるスペースを案内部材に設けなければならない。したがって、案内部材がガイド面に沿う方向に大型化してしまう問題がある。
牽制部材を牽制姿勢にしたとき、特定ガイド溝の溝横幅方向に沿う姿勢となった牽制部材により、特定変速位置に対応する特定ガイド溝が覆われ、変速レバーが特定ガイド溝に移動できないように牽制される。したがって、牽制部材を牽制姿勢とすることにより、特定変速位置への変速レバーの移動が牽制され、変速レバーの操作ミスによって操縦者の意図しない動作が現出されることを防止できる。
そして、牽制部材を牽制解除姿勢にしたとき、牽制部材が特定ガイド溝から外れた位置となり、変速レバーを特定ガイド溝に移動できるようになる。この際、牽制部材の姿勢がガイド面に直交する溝上下方向に沿う姿勢となる。よって、牽制部材を牽制解除姿勢にしたとき、牽制部材が特定ガイド溝の溝横幅方向に占めるスペースを、牽制部材を牽制姿勢にしたときに比べて小さくできる。したがって、牽制解除姿勢の牽制部材を退避させるために必要となる案内部材のガイド溝から外れた部分の寸法を小さくできるので、案内部材の大型化を回避でき、簡素かつコンパクトな構成の牽制構造にできる。
牽制部材は溝前後方向に沿う軸芯周りで回動自在とされているので、牽制部材を牽制姿勢としているときに、誤って特定ガイド溝へ変速レバーが強く押されて移動されようとしても、牽制部材は溝前後方向に動かない。したがって、牽制部材を牽制姿勢にしたときに、特定ガイド溝へ変速レバーが移動されようとしても、変速レバーの操作力で牽制部材が牽制解除姿勢になることが回避され、信頼性の高い牽制構造にできる。しかも、牽制部材は、溝前後方向に沿う軸芯周りで回動するだけで、牽制姿勢と牽制解除姿勢とに姿勢変更することができ、牽制部材を姿勢変更させるための構成の簡素化を図ることができる。さらに、牽制部材が特定ガイド溝の溝前後方向の前方側部位に備えられていることにより、
特定ガイド溝の前方側部位で変速レバーが食い止められるので、特定ガイド溝に変速レバーが移動することを確実に防止でき、変速装置が不意に変速することを防止できる。
牽制部材における牽制姿勢と牽制解除姿勢との切り替えを回動軸の回動によりスムーズに行うことができる。この際、回動軸に牽制部材を取り付けてあることにより、特定ガイド溝の溝横幅方向にスペースをとらない。そして、ロック部材により回動軸をロック自在としているので、牽制姿勢と牽制解除姿勢との夫々において牽制部材を確実にロックできる。これにより、牽制部材が牽制姿勢と牽制解除姿勢との間で勝手に姿勢変更されることを防止でき、信頼性の高い牽制構造にできる。
牽制部材を牽制解除姿勢にしたとき、牽制部材は、特定ガイド溝と溝横幅方向でその特定ガイド溝に隣接する別のガイド溝との間のスペースにおいて、ガイド面に直交する溝上下方向に沿う姿勢となる。そのため、元々備えられる特定ガイド溝と溝横幅方向でその特定ガイド溝に隣接する別のガイド溝との間隙を利用して、牽制部材を牽制解除姿勢にしたときの退避スペースを確保することができる。よって、牽制部材を退避させるスペースとして新たなスペースを確保しなくてもよく、案内部材のコンパクト化を効果的に図ることができる。
[基本構成]
図1に示すのは、変速レバー59により変速操作が可能とされた2輪型の歩行型耕耘機10(「歩行型作業機」に相当)である。歩行型耕耘機10には、エンジン11と、駆動車輪12と、ミッションケース13と、ヒッチ14と、運転操作部15とが備えられている。エンジン11が搭載された載置フレーム17と、ヒッチ14が取り付けられた枠フレーム18とは、共にミッションケース13にボルト止めされて一体され、走行機体の一部を構成している。操縦者が歩行しながら操作を行う通常作業のとき、図1に示すように、ヒッチ14にはロータリ作業装置20が連結されている。エンジン11の動力は、ベルト連動機構21により変速装置22の入力軸23に伝動され、駆動車輪12を支持する駆動車軸24を駆動するとともに、ロータリ作業装置20を作動させる動力取出し部34を駆動するように構成されている。
変速装置22について説明する。
図2および図3に示すように、変速装置22は、走行機体の速度を複数段に変速自在とするものであり、ミッションケース13内に格納されている。変速装置22には、ギヤ変速部Aと、ギヤ変速部Aの出力軸25の動力を、駆動車軸24へとチェーン伝動する車軸伝動部Bとが備えられている。
ギヤ変速部Aには、入力軸23と、伝動軸27と、第1変速軸28と、第2変速軸29と、出力軸25とが備えられるとともに、第1シフト軸30と、第2シフト軸31と、第3シフト軸32とが備えられている。これにより、ギヤ変速部Aに、高低二段の副変速機構C、前進と後進とを切換可能な正逆転変速機構D、および前進2速と前進3速とを切換可能な正転変速機構Eとが構成され、ギヤ変速部Aにおいて前進六段・後進二段の変速が可能に構成されている。つまり、副変速機構Cを低速状態に切り換えている場合には、正逆転変速機構Dにより前進1速と後進1速とが切換自在であり、正逆転変速機構Dにより前進1速に切り換えているときに、正転変速機構Eにより前進2速と前進3速とに切り換えることができる。副変速機構Cを高速状態に切り換えている場合には、正逆転変速機構Dにより前進4速と後進2速とが切換自在であり、正逆転変速機構Dにより前進4速に切り換えているときに、正転変速機構Eにより前進5速と前進6速とに切り換えることができる。
なお、伝動軸27はミッションケース13を貫通して外部に延出されており、その先端部には、スプライン加工(図示せず)が施されて動力取出し部34が形成されている。
図3(a)に示すように、低速駆動シフトギヤ35を操作する第1シフター55は第1シフト軸30に、第2シフトギヤ40を操作する第2シフター56は第2シフト軸31に、そして第3シフト回転体46を操作する第3シフター57は第3シフト軸32に夫々嵌装されている。
まず、図3(a)に示す変速レバー59を上方に大きく揺動すると、先端操作部58により操作板60が下方移動され、傾斜孔63の上側傾斜辺63aが第1被操作部55aに接触してこれを図3(b)における左方へ横移動させる。これにより、副変速機構Cが低速状態に切換わり、かつ、上操作片58aが第3被操作部57aに入り込んだ状態となる。このとき、下操作片58bはいずれの被操作片にも係合していない。それから変速レバー59の左右揺動によって第3被操作部57aのみが操作され、変速レバー59を左に揺動して前進1速溝F1に移動させれば前進1速が現出され、変速レバー59を右に揺動して後進1速溝R1に移動させれば後進1速が現出される。
通常走行時に、変速レバー59の操作ミスにより高速バック走行が現出されないようにするために、ガイド溝65のうち後進2速溝R2には、図4〜図8に示すように、後進2速溝R2に変速レバー59が移動できないように牽制可能な牽制構造71が備えられている。
牽制構造71には、牽制板72(「牽制部材」に相当)と、回動軸73と、操作具74と、フランジナット76(「ロック部材」に相当)とが備えられている。牽制板72は、長方形状の板体からなり、案内部材64における上面部66の下方側に配置されており、案内部材64の内部に備えられている。牽制板72は、図4及び図5に示すように、後進2速溝R2(特定変位置に相当する)への変速レバー59の移動を牽制する牽制姿勢と、図6及び図7に示すように、後進2速溝R2(特定変位置に相当する)への変速レバー59の移動を許容する牽制解除姿勢とに姿勢変更自在に構成されている。牽制板72は、牽制姿勢において後進2速溝R2の溝横幅方向(図中X方向)の全長よりも長い長さを有しており、その中間部にて、牽制板72における遊端部が、回動軸73側に近づくように折れ曲げされた屈曲状に形成されている。また、牽制板72は、図4及び図5に示すように、牽制姿勢において後進2速溝R2の溝前後方向(図中Y方向)の全長と略同じ長さを有している。これにより、牽制板72は、牽制姿勢において、後進2速溝R2の全体を覆うように備えられている。
歩行型耕耘機10で通常作業を行うときには、牽制板72が牽制姿勢にされ、後進2速へ変速レバー59が移動できないようにされる。
図4、図5に牽制板72を牽制姿勢としたときの図を示している。牽制板72を牽制姿勢にするには、フランジナット76を緩めて、操作具74を前方へ揺動操作して、操作具74の折曲部77の前部が、周縁部67の側端部67Aに当接するまで回動軸73を回動させる。これにより、牽制板72の遮蔽面がガイド面と略平行な状態となり、牽制板72により後進2速溝R2に変速レバー59が移動できないようになる。この際、牽制板72は、ガイド面視において、後進2速溝R2の前方側端部に重複している。変速レバー59により牽制姿勢の牽制板72が押されたとしても、回動軸73の軸芯Pの方向に力が作用するので、回動軸73が回動することはなく、牽制板72の牽制姿勢が解除されることを防止できる。
歩行型耕耘機10でトレーラー作業を行うとき等には、牽制板72が牽制解除姿勢にされ、後進2速に変速レバー59が移動できるようにされる。
図6ないし図8に牽制板72を牽制解除姿勢としたときの図を示している。牽制板72を牽制解除姿勢にするには、フランジナット76を緩めて、操作具74を後方へ揺動操作して、操作具74の折曲部77の後部が、周縁部67の側端部67Aに当接するまで回動軸73を回動させる。これにより、牽制板72が後進2速溝R2から外れた位置に退避され後進2速溝R2に変速レバー59を移動できるようになる。
(1)上記実施形態では、ロック部材としてフランジナット76を挙げたが、これに限られず、回動軸73の回動をロックできればどのようなロック部材でもよい。例えば、回動軸73に、軸芯Pに直交する挿通孔を周方向にずらして2つ形成し、いずれかの挿通孔に一端に屈曲部を形成した固定ピンを挿通するとともに、固定ピンの屈曲部を周縁部67のうちの側端部67Aに引っ掛けることで回動軸73をロックする構造としてもよい。このとき、各挿通孔は、牽制板72の牽制姿勢と牽制解除姿勢にそれぞれ対応している。
22 :変速装置
59 :変速レバー
64 :案内部材
65 :ガイド溝
68 :横側部
71 :牽制構造
72 :牽制板(「牽制部材」)
73 :回動軸
74 :操作具
76 :フランジナット(「ロック部材」)
R2 :後進2速溝(「特定ガイド溝」)
P :軸芯
Claims (4)
- 走行機体の速度を複数段に変速自在な変速装置と、
前記変速装置の変速操作を行う変速レバーと、
前記変速装置の複数段の夫々に対応する複数の変速位置に前記変速レバーを案内するガイド溝が形成された案内部材と、
複数の変速位置のうちの特定変速位置への前記変速レバーの移動を牽制する牽制姿勢と前記特定変速位置への前記変速レバーの移動を許容する牽制解除姿勢とに姿勢変更自在な牽制部材とが備えられ、
前記牽制部材は、前記牽制姿勢では、前記ガイド溝が形成されたガイド面視において、前記特定変速位置に対応する特定ガイド溝を覆い前記特定ガイド溝の溝横幅方向に沿う姿勢となり、前記牽制解除姿勢では、前記ガイド面視において、前記特定ガイド溝から外れた位置で前記ガイド面に直交する溝上下方向に沿う姿勢となる歩行型作業機の変速レバー牽制構造。 - 前記変速レバーは、前記特定ガイド溝に対して、その溝前後方向に移動自在に備えられ、
前記牽制部材は、前記特定ガイド溝の溝前後方向の前方側部位において、前記溝前後方向に沿う軸芯周りで回動自在に備えられている請求項1に記載の歩行型作業機の変速レバー牽制構造。 - 前記溝前後方向に沿う軸芯周りで回動自在で、前記牽制部材が取り付けられた回動軸と、
前記案内部材の横側部に設けられ、前記回動軸の回動をロック自在なロック部材とが備えられている請求項2に記載の歩行型作業機の変速レバー牽制構造。 - 前記ガイド溝は、前記溝横幅方向に沿って並んで複数備えられ、
前記牽制部材は、前記特定ガイド溝と前記溝横幅方向でその特定ガイド溝に隣接する別のガイド溝との間で前記牽制解除姿勢となるように備えられている請求項1〜3のいずれか1項に記載の歩行型作業機の変速レバー牽制構造。
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