JP2014065191A - 印刷装置、及び、印刷方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘッドのノズル開口面へのインクの付着量を低減すること。
【解決手段】インク非吸収性の媒体に向けて、熱可塑性樹脂粒子を含むインクであり50℃における粘度が2.1mPa・s以上であるインクを吐出する複数のノズルと、ノズル毎に設けられた駆動素子と、を備えるヘッドと、媒体を加熱する加熱部と、駆動波形の印加により駆動素子を駆動して、その駆動素子に対応するノズルからインク滴を吐出させる制御部と、を有し、駆動素子に駆動波形が印加されることによりノズルから1番目のインク滴が吐出され、前記1番目のインク滴に付随して吐出される2番目のインク滴および3番目のインク滴のうちの遅い方のインク滴の吐出速度が4.0m/s以上であることを特徴とする印刷装置。
【選択図】図5

Description

本発明は、印刷装置、及び、印刷方法に関する。
印刷装置として、ノズルからインク滴を吐出するヘッドを有するインクジェットプリンター(以下、プリンター)が知られている。近年、プリンターには、用紙や布、プラスチックフィルム等の種々の媒体に画像を印刷することが要求されている。例えば、プラスチックフィルム等のインクを吸収しない非吸収性の媒体に画像を印刷するために、熱可塑性樹脂粒子を含むインクを使用するプリンターが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。熱可塑性樹脂粒子を含むインクを使用することで、インクの乾燥後に媒体上にて強固な樹脂膜を形成することができ、印刷物の耐擦性を確保することができる。
特開2010−221670号公報
インク非吸収性の媒体に着弾したインク滴は流動し易い。そのため、インク非吸収性の媒体を使用するプリンターでは、媒体に着弾したインク滴の乾燥を早めてインク滴の流動を抑えるために、媒体を加熱しながら印刷を実施する必要がある。一方、ノズルからインク滴が吐出される際に、メインのインク滴と共に、メインのインク滴に付随して微小なインク滴が発生する場合がある。このメインのインク滴に付随して発生した微小なインク滴が途中で速度を失い、ミストとして舞い上がると、ヘッドのノズル開口面に付着してしまう場合がある。上記のように、インク非吸収性の媒体を使用するプリンターでは、媒体を加熱する熱の影響によりヘッドのノズル開口面の温度が高くなっており、ヘッドのノズル開口面にインクミストが付着すると、インクが乾燥し、ノズル開口面に固着してしまう。その結果、ヘッドのノズル開口面にてインクが堆積し、堆積したインクによりノズルからのインク滴の吐出が阻害されてしまう。
そこで、本発明では、ヘッドのノズル開口面へのインク付着量を低減する印刷装置、及び、印刷方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決する為の主たる発明は、インク非吸収性の媒体に向けて、熱可塑性樹脂粒子を含むインクであり50℃における粘度が2.1mPa・s以上であるインクを吐出する複数のノズルと、前記ノズル毎に設けられた駆動素子と、を備えるヘッドと、前記媒体を加熱する加熱部と、駆動波形の印加により前記駆動素子を駆動して、当該駆動素子に対応する前記ノズルからインク滴を吐出させる制御部と、を有し、前記駆動素子に前記駆動波形が印加されることにより前記ノズルから1番目のインク滴が吐出され、前記1番目のインク滴に付随して吐出される2番目のインク滴および3番目のインク滴のうちの遅い方のインク滴の吐出速度が4.0m/s以上であることを特徴とする印刷装置である。
本発明の他の特徴は、本明細書、及び添付図面の記載により、明らかにする。
印刷システムの全体構成を示すブロック図である。 図2Aはプリンターの概略断面図であり、図2Bはプリンターの概略上面図である。 図3Aはヘッドの構造を説明する概略断面図であり、図3Bは、ノズルからインク滴を吐出させるための駆動波形を説明する図である。 ノズルから吐出されるインク滴を説明する図である。 図5Aは本実施例と比較例におけるインク滴の吐出速度の違いと3滴目のミスト化を評価した結果を示す表であり、図5Bは本実施例と比較例における非吐出ノズルの発生数を示す表である。 図6Aから図6Cは本実施例と比較例における1〜3滴目の速度の変化を示すグラフである。 図7Aは印刷方法を示すフローであり、図7Bはワイピング処理を説明する図である。
===開示の概要===
本発明の実施の形態を、本明細書の記載、及び添付図面を用いて説明する。
インク非吸収性の媒体に向けて、熱可塑性樹脂粒子を含むインクであり50℃における粘度が2.1mPa・s以上であるインクを吐出する複数のノズルと、前記ノズル毎に設けられた駆動素子と、を備えるヘッドと、前記媒体を加熱する加熱部と、駆動波形の印加により前記駆動素子を駆動して、当該駆動素子に対応する前記ノズルからインク滴を吐出させる制御部と、を有し、前記駆動素子に前記駆動波形が印加されることにより前記ノズルから1番目のインク滴が吐出され、前記1番目のインク滴に付随して吐出される2番目のインク滴および3番目のインク滴のうちの遅い方のインク滴の吐出速度が4.0m/s以上であることを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、インクミストの発生を抑え、ヘッドのノズル開口面へのインク付着量を低減することができる。
かかる印刷装置であって、前記1番目のインク滴の吐出速度が7.0m/s以下であることを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、3番目のインク滴の吐出速度が遅くなってしまうことを抑制することができ、ヘッドのノズル開口面へのインク付着量を低減することができる。
かかる印刷装置であって、前記ノズルの開口部が設けられた前記ヘッドのノズル開口面に当接するワイパー部材を有し、前記制御部は、前記ノズル開口面に前記ワイパー部材を当接させた状態で、前記ノズル開口面と前記ワイパー部材とを相対移動させることにより、前記ノズル開口面に付着した異物を払拭することを特徴とする印刷装置である。
このような印刷装置によれば、ノズル開口面にて堆積したインクを拭き取ることが出来、堆積したインクによりノズルからのインク滴の吐出が阻害されてしまうことを抑制できる。
また、(1)インク非吸収性の媒体に向けて、熱可塑性樹脂粒子を含むインクであり50℃における粘度が2.1mPa・s以上であるインクを吐出する複数のノズルと、前記ノズル毎に設けられた駆動素子と、を備えるヘッドによる印刷方法であって、(2)駆動波形の印加により前記駆動素子を駆動して、当該駆動素子に対応する前記ノズルから、加熱されている前記媒体に向けて、インク滴を吐出し、前記駆動素子に前記駆動波形が印加されることにより前記ノズルから1番目のインク滴が吐出され、前記1番目のインク滴に付随して吐出される2番目のインク滴および3番目のインク滴のうちの遅い方のインク滴の吐出速度を4.0m/s以上にする、(3)ことを特徴とする印刷方法である。
このような印刷方法によれば、インクミストの発生を抑え、ヘッドのノズル開口面へのインク付着量を低減することができる。
===印刷システム===
「印刷装置」をインクジェットプリンター(以下、プリンターと呼ぶ)とし、プリンターとコンピューターが接続された印刷システムを例に挙げて、実施形態を説明する。
本実施形態のプリンター1は、インク非吸収性の媒体に画像を印刷する。インク非吸収性の媒体とは、インク吸収層を備えていない媒体である。インク非吸収性の媒体として、例えば、インクジェット印刷用に表面処理されていないプラスチックフィルムや、紙等の基材上にプラスチックコーディングがなされたりプラスチックフィルムが接着されたりしているもの等が挙げられる。ここでいうプラスチックとは、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。
また、本実施形態のプリンター1は、熱可塑性樹脂粒子を含むインク(以下、樹脂インクとも呼ぶ)であり50℃における粘度が2.1mPa・s以上であるインクを使用することを特徴とする。そのようなインクとして、例えば、特開2010−221670号公報に記載されているものが挙げられる。樹脂インクは、乾燥すると、媒体上にて着色剤を覆うように強固な樹脂膜を形成する。従って、インク非吸収性の媒体に画像を印刷する場合、樹脂インクを使用することで、画像に耐擦性を付与することができる。
図1は、印刷システムの全体構成を示すブロック図である。図2Aは、ヘッド41の移動方向から見たプリンター1の概略断面図であり、図2Bは、プリンター1の概略上面図である。図3Aは、ヘッド41(一部)の構造を説明する概略断面図であり、図3Bは、ノズルNzからインク滴を吐出させるための駆動波形Wを説明する図である。プリンター1は、コントローラー10と、搬送ユニット20と、キャリッジユニット30と、ヘッドユニット40と、乾燥ユニット50と、ワイパーユニット80と、検出器群60と、を有する。プリンター1はコンピューター70と通信可能に接続されており、コンピューター70内にインストールされているプリンタードライバーによって、プリンター1に画像を印刷させるための印刷データが作成され、その印刷データがプリンター1に送信される。
プリンター1内のコントローラー10は、プリンター1における全体的な制御を行うためのものである。インターフェース部11は、外部装置であるコンピューター70との間でデータの送受信を行う。CPU12は、プリンター1の全体的な制御を行うための演算処理装置であり、ユニット制御回路14を介して各ユニットを制御する。メモリー13は、CPU12のプログラムを格納する領域や作業領域等を確保するためのものである。検出器群60は、プリンター1内の状況を監視し、その検出結果をコントローラー10に出力するためのものである。
搬送ユニット20は、搬送ローラー21によって画像の印刷対象である媒体S(インク非吸収性の媒体)を印刷可能な位置にセットし、媒体Sを搬送方向の下流側に搬送するためのものである。なお、図2Aでは、ロール状に巻かれた連続媒体を示すがこれに限らず、所定のサイズにカットされた媒体を使用してもよい。
キャリッジユニット30は、キャリッジ31に搭載されたヘッド41を、ガイドレール32に沿わせて、媒体Sの搬送方向と交差する方向(一般的には直交する方向)である移動方向に移動するためのものである。
ヘッドユニット40は、媒体Sに向けてインクを吐出するヘッド41と、媒体Sを裏面から支持するプラテン42と、インク受け部43a,43bと、キャップ44とを有する。図3Aに示すように、ヘッド41は、インクを吐出する複数のノズルNzと、ノズルNz毎に設けられる複数の圧力室411と、インクの色毎に設けられる共通インク室412と、圧力室411と共通インク室412を繋ぐインク供給路413と、ノズルNz毎に設けられる複数のピエゾ素子PZT(駆動素子に相当)と、を有する。共通インク室412は、インク供給路413を介して複数の圧力室411と連通し、各圧力室411は対応する1つのノズルNzと連通しており、インクカートリッジに貯留されたインクは、まず、共通インク室412に供給され、その後に圧力室411に移動して、ノズルNzから吐出される。
また、ヘッド41にはノズルNzの開口部が形成されると共に、吐出するインクの色毎にノズル開口が並んだノズル列が形成されたノズル開口面が形成されている。例えば、ブラックインクを吐出するブラックノズル列や、シアンインクを吐出するシアンノズル列、マゼンタインクを吐出するマゼンタノズル列、イエローインクを吐出するイエローノズル列等が構成されている。
また、ピエゾ素子PZTは、そのピエゾ素子PZTに対応する圧力室411を構成する弾性板414に接合されている。コントローラー10(制御部に相当)が図3Bに示す駆動波形Wをピエゾ素子PZTに印加することで、そのピエゾ素子PZTに対応するノズルNzからインク滴が吐出される。
具体的に説明すると、駆動波形Wは、中間電位Vcからその中間電位Vcより相対的に低い最低電位Vlまで電位を下降させる第1要素S1と、最低電位Vlからその最低電位Vlより相対的に高い最高電位Vhまで電位を上昇させる第2要素S2と、最高電位Vhからその最高電位Vhより相対的に低い中間電位Vcに電位を戻す第3要素S3と、を有する。第1要素S1がピエゾ素子PZTに印加されることでピエゾ素子PZTの圧力室側への撓みが小さくなり、それに伴い圧力室411が膨張する。その後、第2要素S2がピエゾ素子PZTに印加されることでピエゾ素子PZTの圧力室側への撓みが大きくなり、圧力室411が収縮し、ノズルNzからインク滴が吐出される。最後に、第3要素S3がピエゾ素子PZTに印加されると、ピエゾ素子PZTの撓み量及び圧力室411の容積が元に戻る。
インク受け部43a,43b及びキャップ44は、ヘッド41の移動方向における非印刷領域に(即ち、媒体Sが通過しない領域に)配置され、キャリッジ31により移動方向に移動するヘッド41のノズル開口面と対向可能な位置に配置されている。インク受け部43a,43bは、フラッシング処理時にノズルNzから吐出されるインクを受ける。キャップ44は、クリーニング時にヘッド41のノズル開口面に密着してポンプによりノズルNzからインクを吸引したり、印刷停止時にはヘッド41のノズル開口面に密着してノズル開口を封止してノズルNzからのインク溶媒の蒸発を抑制したりする。
乾燥ユニット50は、媒体Sに着弾したインクを乾燥させるためのものであり、ヒーター51(例:赤外線ヒーター)と、ファン52と、を有する。ヒーター51(加熱部に相当)は、図2Aに示すように、キャリッジ31及びヘッド41よりも上方の位置であり、プラテン42と対向する位置に配置され、プラテン42に支持される媒体Sの全域を加熱する。ファン52は、ヘッド41のノズル開口面と媒体Sとの間に風を流す。
前述のように、本実施形態のプリンター1は、インク非吸収性の媒体Sに樹脂インクを吐出することによって画像を印刷する。インク非吸収性の媒体Sに着弾した樹脂インクは、媒体S上にて流動し易い。そのため、着弾した位置にて樹脂インクが定着するように樹脂インクを乾燥させないと、所望の画像を印刷することができなくなってしまう。そこで、ヒーター51で媒体Sを加熱し、ファン52により媒体S上の樹脂インクに風を吹き付けることで、媒体Sに着弾した樹脂インクの速乾性を高めることができ、媒体S上での樹脂インクの流動を抑えることができる。
なお、ファン52の風によりヒーター51の加熱むらを抑制することができる。また、媒体Sの表面温度が45℃以上60℃以下であることが好ましい。また、ヒーター51の熱によるヘッド41の過度な加熱を防止するために、キャリッジ31のノズル開口面以外に断熱材や放熱材を設けるとよい。また、本実施形態では、ヘッド41の上方から媒体Sを加熱しているが、これに限らず、プラテン42内にヒーターを設けて下方から媒体Sを加熱してもよい。また、プラテン42よりも搬送方向の上流側にて印刷前の媒体Sを加熱してもよいし、プラテン42よりも搬送方向の下流側にて印刷後の媒体Sを加熱してもよい。また、ファン52は設けなくてもよい。
このような構成のプリンター1において、コントローラー10は、キャリッジ31によりヘッド41を移動方向に移動させつつノズルNzからインク滴を吐出させる吐出動作と、搬送ユニット20により媒体Sを搬送方向の下流側に搬送する搬送動作と、を交互に繰り返す。その結果、先の吐出動作で形成されたドットの位置とは異なる位置に、後の吐出動作でドットが形成されるため、媒体S上に2次元の画像が印刷される。なお、以下の説明では、ヘッド41が移動方向に1回移動する動作を「パス」ともいう。
===インクミストの課題と解決手段===
図4は、ヘッド41のノズル開口面41aに設けられたノズルNzの開口部から吐出されるインク滴を説明する図である。ピエゾ素子PZT(図3A)に駆動波形W(図3B)が印加されると、ノズルNzからインクのメニスカス(ノズル開口から露出しているインクの自由表面)が柱状に伸び、そのインク柱がノズルNz近傍で分断されることによりインク滴が吐出される。また、インク滴が飛翔中に先端部のメイン滴と後端部の微小滴に分離したり、インク柱が分断された後にメニスカスの振動で微小滴が吐出されたりする。つまり、ピエゾ素子PZTに駆動波形Wが印加されると、メインのインク滴と共に、メイン滴に付随して複数の微小なインク滴が発生する。なお、メイン滴に付随して発生する複数の微小なインク滴とは、微小なインク滴を発生させるために駆動波形を印加しているのではなく、メイン滴を吐出した際に意図せず発生したインク滴を指す。
本明細書では、ピエゾ素子PZTに駆動波形Wが印加されることによりノズルNzから吐出される複数のインク滴のうち、飛翔中に最も媒体S側(下側)に位置するメインのインク滴を「1番目のインク滴」や「1滴目」と呼び、1番目のインク滴に付随して吐出され、1滴目の次に媒体S側に位置する微小なインク滴を「2番目のインク滴」や「2滴目」と呼び、1番目のインク滴に付随して吐出され、2滴目の次に媒体S側に位置する微小なインク滴を「3番目のインク滴」や「3滴目」と呼ぶ。
1滴目のメインのインク滴に比べると、2滴目や3滴目の微小なインク滴は、インク重量が小さく吐出速度が遅いため、空気抵抗の影響を受けて飛翔中に媒体Sに向かう速度を失い易い。速度を失った2滴目や3滴目は、媒体Sに着弾せずにミストとして舞い上がり、ヘッド41のノズル開口面41aに付着してしまう場合がある。
また、前述のように、本実施形態のプリンター1では、インク非吸収性の媒体Sに樹脂インクを吐出するので、媒体Sに着弾した樹脂インクを乾燥させて、媒体S上での樹脂インクの流動を抑える必要がある。そのため、プリンター1内には媒体Sを加熱するための高温のヒーター51が設けられている。よって、ヒーター51からの熱や媒体Sからの輻射熱の影響で、プリンター1内の環境温度は高まり(例えば40℃となり)、ヘッド41内のインク温度も高まってしまう(例えば50℃となる)。インクは温度が高くなるにしたがって粘度が低下する。また、インクの粘度が低下し過ぎると(例えば50℃におけるインク粘度が1.7mPa・s以下であると)、ノズルNzから柱状に伸びるメニスカスが長くなり(長く尾を引くようになり)、微小なインク滴が発生し易くなってしまう。
また、本実施形態のプリンター1では、高温のヒーター51からの熱や媒体Sからの輻射熱の影響で、ヘッド41のノズル開口面41aが加熱されている。例えば、媒体Sの表面温度を45℃〜60℃にすると、ノズル開口面41aの温度は40℃〜55℃まで上がってしまう。
そのため、本実施形態のプリンター1では、ノズル開口面41aにインクミストが付着してしまうと、付着したインクが高温のノズル開口面41aで乾燥し、ノズル開口面41aに固着してしまう。また、本実施形態のプリンター1では、インク非吸収性の媒体に印刷する画像の耐擦性を高めるために樹脂インクを使用するので、ノズル開口面41aに付着して乾燥したインクは樹脂膜を形成し、ノズル開口面41aからインクが剥がれ難くなってしまう。その他、インクの速乾性を高めるために、例えば保湿剤の量を減らしたインクを使用する場合には、更に、ノズル開口面41aにてインクが乾燥し易く、ノズル開口面41aに固着してしまう。
その結果、ヘッド41のノズル開口面41aにインクが固着し、固着したインクによりノズルNzの開口部が塞がれてしまい、ノズルNzからのインク滴の吐出が阻害されてしまう。例えば、ノズルNzから規定量のインクが吐出されなかったり、ノズルNzから吐出されたインク滴の飛翔方向がずれたり、最もひどい場合には、ノズルNzが固着したインクによって完全に塞がれインクを吐出できなくなったりと、吐出不良が発生し、印刷画像の画質が劣化してしまう。また、このようにノズル開口面41aで固着してしまったインクは、通常のフラッシング処理やインク吸引では排除することができない。従って、本実施形態のプリンター1及び印刷方法では、ヘッド41のノズル開口面41aへのインクの付着量を低減することが課題となる。
そこで、本実施形態のプリンター1では、前述のように、50℃における粘度が2.1mPa・s以上である樹脂インクを使用することを特徴とする。このように、一般的な樹脂インクに比べて高温(50℃)での粘度が高い樹脂インクを使用することで、ヒーター51の熱によりプリンター1内の環境温度が高まりヘッド41内のインク温度が高まっても、ノズルNzから柱状に伸びるメニスカスの長さ(インクの尾引き)を抑えることができる。よって、微小なインク滴の発生が抑制され、ヘッド41のノズル開口面41aへのインク付着量を低減することができる。
更に、本実施形態のプリンター1では、微小なインク滴の発生を抑制するために、インク滴の吐出速度を所定の速度にする。以下、本実施形態のプリンター1におけるインク滴の吐出速度について詳しく説明する。
===インク滴の吐出速度===
図5Aは、本実施例と比較例におけるインク滴の吐出速度の違いと3滴目のミスト化を評価した結果を示す表であり、図5Bは、本実施例と比較例における非吐出ノズルの発生数を示す表である。図6Aから図6Cは、本実施例と比較例における1滴目〜3滴目の速度の変化を示すグラフである。以下での説明のため、図4に示すように、ヘッド41のノズル開口面(本実施形態では下面)41aの位置を基準位置とし、ノズル開口面41aから下方の或る地点までの距離をペーパーギャップ(PG)と呼ぶ。例えば、ノズル開口面41aから1mm下方の地点をペーパーギャップ1mmの地点と呼ぶ。また、本実施形態のプリンター1では、ヘッド41のノズル開口面41aから媒体Sまでの距離を3mmとする。
そして、下記に示す条件(本実施例、第1比較例、第2比較例)で、本実施形態のプリンター1のノズルNzからインク滴をさせ、インク滴の速度を測定した(図5A及び図6A〜図6C)。なお、インク滴を可視化する装置を用いて、ペーパーギャップ0.75mmの地点と1.25mmの地点において、媒体S(下方)に向かう1滴目〜3滴目の速度を測定した。
また、下記に示す条件で、360個のノズルNzから、A1サイズの複数枚の用紙Sに向けて連続してインク滴を吐出させ、ノズルNzからインク滴が吐出されなくなってしまった非吐出ノズルの発生数を取得した(図5B)。
なお、図6Aから図6Cに示す各グラフには、ペーパーギャップ0.75mm及び1.25mmの地点での各インク滴の速度に基づく近似直線を示す。また、横軸がペーパーギャップPG(mm)を表し、縦軸が媒体S(下方)に向かうインク滴の速度(m/s)を表す。つまり、各グラフは、ペーパーギャップPGの距離分だけノズル開口面41aから下方に位置する地点でのインク滴の速度(m/s)を表す。グラフ内では、1滴目の速度結果を細線と丸(●)で示し、2滴目の速度結果を細線と三角(▲)で示し、3滴目の速度結果を太線と四角(■)で示す。
また、図5Aの表には、3滴目の媒体着弾に関する評価結果を示す。ペーパーギャップ3mmの地点において、3滴目の下方に向かう速度が0m/sよりも大きい場合には3滴目の媒体着弾を「○(合格)」とし、3滴目の下方に向かう速度が0m/s以下の場合には3滴目の媒体着弾を「×(不合格)」とした。
そして、本実施例では、前述のように、熱可塑性樹脂粒子を含むインクであり50℃における粘度が2.1mPa・sであるインクを使用し、図3Bに示す駆動波形Wをピエゾ素子PZTに印加することによりノズルNzからインク滴を吐出させた。
第1比較例では、熱可塑性樹脂粒子を含むインクであり50℃における粘度が本実施例よりも低い1.8mPa・sであるインクを使用し、図3Bに示す駆動波形Wをピエゾ素子PZTに印加することによりノズルNzからインク滴を吐出させた。
第2比較例では、第1比較例と同様に、熱可塑性樹脂粒子を含むインクであり50℃における粘度が1.8mPa・sであるインクを使用した。ただし、第2比較例では、第1比較例で使用した駆動波形Wに比べて、駆動波形Wにおける最高電位Vhと最低電位Vlの電位差が大きい駆動波形Wをピエゾ素子PZTに印加することによりノズルNzからインク滴を吐出させた。
その結果、本実施例では、図5A及び図6Aに示すように、ペーパーギャップ1.25mmの地点での1滴目(メインのインク滴)の速度が6.9m/sであり、2滴目の速度が5.0m/sであり、3滴目の速度が4.2m/sであるという結果が得られた。一方、第1比較例では、図5A及び図6Bに示すように、ペーパーギャップ1.25mmの地点での1滴目の速度が6.9m/sであり、2滴目の速度が5.0m/sであり、3滴目の速度が3.3m/sであるという結果が得られた。つまり、本実施例は、第1比較例に比べて、3滴目の速度が速くなるという結果が得られた。この理由は定かではないが、本実施例では、第1比較例に比べて、50℃におけるインク粘度を上げたことにより、インク吐出時におけるノズルNzのメニスカスの挙動が変わったことが影響していると考えられる。
また、第2比較例では、図5A及び図6Cに示すように、ペーパーギャップ1.25mmの地点での1滴目の速度が8.2m/sであり、2滴目の速度が5.7m/sであり、3滴目の速度が2.4m/sであるという結果が得られた。つまり、第2比較例は、第1比較例に比べて、1滴目の速度が速くなるという結果が得られた。これは、第2比較例では、第1比較例に比べて、駆動波形Wの最低電位Vlと最高電位Vhの電位差を大きくしたため、圧力室411内のインクに強い圧力がかかってノズルNzからインク滴が吐出されたからと考えられる。
また、本実施例では、図6Aのグラフに示すように、ペーパーギャップ1.25mmの地点における全インク滴(1滴目〜3滴目)の下方に向かう速度が4.0m/s以上であり、ペーパーギャップ3mmの地点において(媒体Sが位置する地点において)、全インク滴が下方に向かう速度を有するという結果が得られた。即ち、媒体Sに着弾するまで全インク滴の速度が0m/sよりも大きいという結果が得られた。従って、本実施例によれば、1滴目〜3滴目の全インク滴がミストとして舞い上がることなく媒体Sに着弾するため、ノズル開口面41aに付着するインク量を低減することができる。その結果、ノズル開口面にインクが堆積することなく、堆積したインクによりノズルNzからのインク滴の吐出が阻害されてしまうことを防止できる。このことは、図5Bに示すように、本実施例では、A1サイズの7枚の用紙Sに対してノズルNzから連続してインク滴を吐出させても、360個の全ノズルNzから正常にインクが吐出され、非吐出ノズルの発生数がゼロ個である結果からも言える。
一方、第1比較例では、図6Bのグラフに示すように、ペーパーギャップ1.25mmの地点における1滴目〜2滴目の下方に向かう速度は4.0m/s以上であるが、3滴目の下方に向かう速度は4.0m/sよりも小さく、ペーパーギャップ3mmの地点(媒体Sが位置する地点)において、1滴目〜2滴目は下方に向かう速度を有するが、3滴目は下方に向かう速度を有さないという結果が得られた。具体的には、3滴目はペーパーギャップ2.5mmの地点で速度が0m/sに達し、その地点でミストとして舞い上がり、ノズル開口面41aに付着してしまう虞がある。
同様に、第2比較例でも、図6Cのグラフに示すように、ペーパーギャップ1.25mmの地点における3滴目の下方に向かう速度が4.0m/sよりも小さく、ペーパーギャップ3mmの地点(媒体Sが位置する地点)において、3滴目は下方に向かう速度を有さないという結果が得られた。具体的には、3滴目はペーパーギャップ2.2mmの地点で速度が0m/sに達し、その地点でミストとして舞い上がり、ノズル開口面41aに付着してしまう虞がある。
つまり、第1比較例と第2比較例では、3滴目を媒体Sに着弾させることができず、3滴目がミストとして舞い上がってノズル開口面41aに付着し、ノズルNzからのインク滴の吐出を阻害してしまう虞がある。このことは、図5Bに示すように、A1サイズの用紙Sに向けてノズルNzから連続してインク滴を吐出させると、第1比較例では360個のノズルのうち5個のノズルが非吐出ノズルとなり、第2比較例では360個のノズルのうち10個のノズルが非吐出ノズルになった結果からも言える。また、印刷枚数を3枚、5枚、7枚に増やすにしたがって、第1比較例では非吐出ノズル数が20個、30個、50個と増え、第2比較例では非吐出ノズル数が30個、50個、80個と増えた。つまり、ノズルNzからインク滴を吐出させる回数が増えるにしたがって、ミストとなる3滴目が増え、ノズル開口面41aに付着するインク量が増えるという結果が得られた。
以上の結果、本実施形態のプリンター1では、ピエゾ素子PZTに駆動波形Wが印加されることによりノズルNzから吐出される2滴目と3滴目(2番目のインク滴と3番目のインク滴)の吐出速度を4.0m/s以上にする。なお、ここでいう吐出速度とは、ノズル開口面41aから媒体S側に1.25mm離れた地点において、媒体Sに向かうインク滴の速度である。
そうすることで、ノズルNzからインク滴を吐出させる際に発生する微小なインク滴(2滴目や3滴目)を媒体Sに着弾させることができ、微小なインク滴が飛翔中に速度を失いミストとして舞い上がりノズル開口面41aに付着してしまうことを抑制することができる。つまり、ノズル開口面41aに付着するインク量を低減することができる。
従って、本実施形態のプリンター1のように、媒体Sを加熱するヒーター51によりノズル開口面41aの温度が高くなるため、ノズル開口面41aにインクが固着し易く、また、樹脂インクを使用するため、ノズル開口面41aに付着したインクが剥がれ難くなる場合であっても、ノズル開口面41aに付着するインク量が低減されるので、ノズル開口面41aに堆積したインクによりノズルNzからのインク滴の吐出が阻害されてしまうことを防止できる。その結果、ノズルNzから規定量のインクを吐出させ、媒体S上の目標の位置にインク滴を着弾させることができ、印刷画像の画質劣化を抑制することができる。
また、図5Aに示すように、第2比較例は、第1比較例に比べて、ペーパーギャップ1.25mmの地点での1滴目の速度は速いが(8.2m/s>6.9m/s)、3滴目の速度は遅い(2.4m/s<3.3m/s)という結果が得られた。つまり、1滴目の速度を速くし過ぎると、3滴目が遅くなるという結果が得られた。この理由は定かではないが、第2比較例では、第1比較例に比べて、駆動波形Wの最低電位Vlと最高電位Vhの電位差を大きくしたため、インク吐出時におけるノズルNzのメニスカスの挙動が変わったことが影響していると考えられる。従って、本実施例でも、ペーパーギャップ1.25mmの地点での1滴目の吐出速度を6.9m/sよりも速くし過ぎてしまうと、3滴目の吐出速度が遅くなり、3滴目が飛翔中に速度を失ってミストとして舞い上がり、ノズル開口面41aに付着してしまう虞がある。
そこで、本実施形態のプリンター1では、ピエゾ素子PZTに駆動波形Wが印加されることによりノズルNzから吐出される1滴目(1番目のインク滴)の吐出速度を7.0m/s以下にする。なお、ここでいう吐出速度とは、ノズル開口面41aから媒体S側に1.25mm離れた地点において、媒体Sに向かうインク滴の速度である。
そうすることで、3滴目の吐出速度が遅くなり、3滴目がミスト化してしまうことを抑制することができる。つまり、3滴目を媒体Sに着弾させることができ、ノズル開口面41aに付着するインク量を低減することができる。
===印刷方法===
図7Aは、本実施形態のプリンター1による印刷方法を示すフローであり、図7Bは、ワイピング処理を説明する図である。図1Aに示すように、本実施形態のプリンター1は、ワイパーユニット80を有する。ワイパーユニット80は、図2Bに示すように移動方向右側の非印刷領域に配置されたワイパー部材81と、ワイパー部材81を移動させる移動機構(不図示)と、を有する。ワイパー部材81は、図7Bに示すように、ヘッド41のノズル開口面41aと当接可能な略板状の部材であり、布で形成されている。また、ワイパー部材81は、ヘッド41のノズル開口面41aと当接した状態で、ノズル開口面41aに対して移動方向に移動可能であり、ノズル開口面41aに付着したインクミストや埃等の異物を払拭する。なお、図7Bでは、ワイパー部材81を移動させる移動機構の詳細な記載を省略する。また、ワイパー部材81は布で形成されたものに限らず、例えば、ゴムなどの弾性部材等で形成されたものでもよい。ただし、ワイパー部材81を布にすることで、ノズル開口面41aに疵が付いてしまうことを防止でき、交換が容易であるため払拭した異物の再付着を防止することができる。
以下、本実施形態のプリンター1による具体的な印刷方法の流れについて説明する。
まず、コントローラー10は、コンピューター70から印刷データを受信すると(S01)、搬送ユニット20により印刷開始位置に媒体Sをセットし、ホームポジション(ここでは移動方向右側の非印刷領域)に配置されたキャップ44で封止されていたヘッド41をキャリッジ31により移動方向の左側に移動させつつ、ヘッド41に設けられたノズルNzからインク滴を吐出させて、媒体Sに画像(一部)を印刷する。即ち、1パスの印刷を実施する(S02)。
1パスの印刷後、コントローラー10は、移動方向左側の非印刷領域に配置されたインク受け部43bと、ヘッド41のノズル開口面41aとを対向させる。そして、搬送ユニット20により媒体Sを搬送方向の下流側に搬送させている間に、コントローラー10は、ヘッド41のクリーニング処理である「フラッシング処理」を実施する(S03)。フラッシング処理とは、ヘッド41に設けられたノズルNzからインク受け部43a,43bに向けて強制的にインク滴を吐出させる処理である。例えば、図3Bに示す駆動波形Wを複数回に亘ってピエゾ素子PZTに印加することで、ノズルNzから強制的にインク滴を吐出させる。その結果、1パスの印刷中に増粘したインクやノズルNz内に混入した異物をノズルNzから吐出させることができ、ノズルNzの目詰まりを解消することができる。従って、ノズルNzが目詰まりしていない状態で次のパスの印刷を実施することができる。
次に、コントローラー10は、前回のワイピング処理から所定時間経過したか否かを確認する(S04)。前回のワイピング処理から所定時間経過していない場合(S04→NO)、次のパスがあれば(S06→NO)、コントローラー10は、再びヘッド41を移動方向の右側に移動させつつノズルNzからインク滴を吐出させて、媒体Sに画像(一部)を印刷し(S02)、フラッシング処理と搬送動作を実施する(S03)。前述のように、本実施形態のプリンター1では、ヒーター51がヘッド41の近傍に設けられているため、プリンター1内の温度が高い。よって、ノズルNzからインクの溶媒が蒸発し易く、ノズルNzが目詰まりし易い。ただし、この印刷方法のように、パスごとにフラッシング処理を実施することで、ノズルNzの目詰まりを抑制することができ、印刷画像の画質劣化を抑制することができる。
一方、前回のワイピング処理から所定時間経過している場合(S04→YES)、コントローラー10(制御部に相当)は、ヘッド41を移動方向右側の非印刷領域に移動して、ワイピング処理を実施する(S05)。具体的には、図7Bに示すように、ヘッド41のノズル開口面41aとワイパー部材81を当接させた状態で、ノズル開口面41aに対してワイパー部材81を移動方向の左側に移動させることにより、ノズル開口面41aに付着した異物(インクミストや埃等)を払拭する。なお、図2Bに示すように、ワイパー部材81の搬送方向の長さはヘッド41の搬送方向の長さと同等である。よって、ワイパー部材81を移動方向に1回移動させるだけで、ワイパー部材81はノズル開口面41aの全域を拭き取ることができる。そして、コントローラー10は、全てのパスの印刷が終了するまで(S06→Yes)、この一連の処理を繰り返す。
前述のように、本実施形態のプリンター1では、2滴目及び3滴目の吐出速度を4.0m/s以上にすることで、ノズル開口面41aに付着するインク量を低減する。ただし、ノズル開口面41aへのインクの付着を完全に防止することは難しい。そのため、この印刷方法のように定期的にワイピング処理を実施するとよい。そうすることで、ノズル開口面41aにインクが堆積し、堆積したインクによりノズルNzからのインク滴の吐出が阻害されてしまうことを防止できる。
なお、所定時間ごとにワイピング処理を実施するに限らず、例えば、パスごとにワイピング処理を実施してもよい。また、本実施形態ではヘッド41に対してワイパー部材81を移動方向に移動させているが、これに限らず、ワイパー部材81に対してヘッド41を移動させてもよいし、ワイパー部材81を搬送方向に移動させてもよい。また、ワイパー部材81を移動方向における両側の非印刷領域に配置してもよい。
===その他の実施の形態===
上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
上記の実施形態では、所定の時間ごとにワイピング処理を実施しているが、プリンター1にワイパー部材81を設けず、ワイピング処理を実施しなくてもよい。
上記の実施形態では、ヘッド41が移動方向に移動しながらインクを吐出する動作と、媒体Sが搬送方向に搬送される動作とが繰り返されるプリンター1を例に挙げているが、これに限らない。例えば、媒体Sの幅長さに亘って延びた固定されたヘッドの下を媒体が通過する際に、ヘッドが媒体に向けてインクを吐出することにより、媒体に2次元の画像を印刷するプリンターでもよい。また、例えば、印刷領域に搬送された媒体Sに対して、ヘッドをX方向に移動しながら画像を印刷する動作と、ヘッドをY方向に移動する動作と、を繰り返して画像を印刷し、その後、未だ画像が印刷されていない用紙Sの部位を印刷領域に搬送するプリンターでもよい。
上記の実施形態では、ピエゾ素子PZTに駆動波形を印加して圧力室411を膨張・収縮させることによりノズルNzからインク滴を吐出させる方式を例に挙げているが、これに限らない。例えば、発熱素子を用いてノズル内に気泡を発生させ、その気泡によってノズルからインク滴を吐出させるサーマル方式でもよい。
1 プリンター、10 コントローラー、11 インターフェース部、
12 CPU、13 メモリー、14 ユニット制御回路、
20 搬送ユニット、21 搬送ローラー、
30 キャリッジユニット、31 キャリッジ、32 ガイドレール、
40 ヘッドユニット、41 ヘッド、411 圧力室、
412 共通インク室、413 弾性板、42 プラテン、
43a インク受け部、43b インク受け部、44 キャップ、
PZT ピエゾ素子、Nz ノズル、
50 乾燥ユニット、51 ヒーター、52 ファン、
60 検出器群、70 コンピューター、
80 ワイパーユニット、81 ワイパー部材

Claims (4)

  1. インク非吸収性の媒体に向けて、熱可塑性樹脂粒子を含むインクであり50℃における粘度が2.1mPa・s以上であるインクを吐出する複数のノズルと、前記ノズル毎に設けられた駆動素子と、を備えるヘッドと、
    前記媒体を加熱する加熱部と、
    駆動波形の印加により前記駆動素子を駆動して、当該駆動素子に対応する前記ノズルからインク滴を吐出させる制御部と、
    を有し、
    前記駆動素子に前記駆動波形が印加されることにより前記ノズルから1番目のインク滴が吐出され、前記1番目のインク滴に付随して吐出される2番目のインク滴および3番目のインク滴のうちの遅い方のインク滴の吐出速度が4.0m/s以上であることを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置であって、
    前記1番目のインク滴の吐出速度が7.0m/s以下である、
    ことを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の印刷装置であって、
    前記ノズルの開口部が設けられた前記ヘッドのノズル開口面に当接するワイパー部材を有し、
    前記制御部は、前記ノズル開口面に前記ワイパー部材を当接させた状態で、前記ノズル開口面と前記ワイパー部材とを相対移動させることにより、前記ノズル開口面に付着した異物を払拭する、
    ことを特徴とする印刷装置。
  4. (1)インク非吸収性の媒体に向けて、熱可塑性樹脂粒子を含むインクであり50℃における粘度が2.1mPa・s以上であるインクを吐出する複数のノズルと、前記ノズル毎に設けられた駆動素子と、を備えるヘッドによる印刷方法であって、
    (2)駆動波形の印加により前記駆動素子を駆動して、当該駆動素子に対応する前記ノズルから、加熱されている前記媒体に向けて、インク滴を吐出し、
    前記駆動素子に前記駆動波形が印加されることにより前記ノズルから1番目のインク滴が吐出され、前記1番目のインク滴に付随して吐出される2番目のインク滴および3番目のインク滴のうちの遅い方のインク滴の吐出速度を4.0m/s以上にする、
    (3)ことを特徴とする印刷方法。
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