JP2014062369A - 床用目地装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】地震時に左右の躯体が動いた場合、床用目地プレートが重なり合うのを防止し、揺れを吸収し、床用目地プレート上での安全が図れるとともに、通常時の床目地部を隙間が生じることなく覆うことができる床用目地装置の提供。
【解決手段】目地部2を介して、側壁3を有する左右の躯体4の、一方の躯体4の目地部側床面に反目地部側が傾斜面の目地プレートスライド支持凹部6と、先端部がスライド移動可能に支持され、後端部が他方の躯体4の目地部側の床躯体に、上方への回動ができかつ左右の躯体4の側壁3との間に隙間ができるように取付けられた床用目地プレート11と、この床用目地プレート11の側壁側上面にスライド移動可能に取付けた隙間を覆う板状の端部目地カバー12と、この端部目地カバー12を前後方向にスライド移動でき、かつ側壁3に常時当接するように付勢する端部目地カバー取付機構13とで床用目地装置1を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は目地部を介して設けられた側壁を有する左右の躯体間の床目地部を覆う床用目地装置に関する。
従来、左右の躯体間の床目地部を金属材製の浅皿状の目地プレート本体と、この目地プレート本体内に充填されたモルタルあるいはコンクリートと、このモルタルあるいはコンクリートの上面を覆うレンガやタイル等の床化粧板とで構成された床用目地プレートを用いる床用目地装置は、該床用目地プレートの後端部を他方の躯体の目地部側の床躯体にピンやヒンジ部材を用いて、先端部が上方へ回動可能に取付けられている。
このため、地震で左右の躯体が異なる左右方向への揺れ動きは、床用目地プレートの先端部のスライド移動で、その揺れ動きを吸収することができるが、地震で左右の躯体が異なる前後方向に揺れ動くと、床用目地プレートの端部が左右の躯体の側壁面と衝突して、損傷するため、床用目地プレートを突出状態で重ね合うようにして、その揺れ動きを吸収することも考えられているが、この場合、重ね合う部分が上方へ突出する状態となり、人や車が走行する場所には危険で、設置することができないという欠点があった。
特許第4977091号公報
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、地震によって左右の躯体が異なる前後方向に揺れ動いた場合、床用目地プレートが突出状態で重なり合うのを防止して、その揺れ動きを吸収して、地震時の床用目地プレート上での安全性の向上を図ることができるとともに、通常時の床目地部を隙間が生じることなく、安全に覆うことができる床用目地装置を提供することを目的としている。
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。
ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明は目地部を介して設けられた側壁を有する左右の躯体の、一方の躯体の目地部側床面に形成した反目地部側が傾斜面の目地プレートスライド支持凹部と、この目地プレートスライド支持凹部に先端部がスライド移動可能に支持され、後端部が前記左右の躯体の、他方の躯体の目地部側の床躯体に先端部が上方への回動ができ、かつ前記左右の躯体の側壁との間に隙間ができるように係合ピンやヒンジ部材で取付けられた床用目地プレートと、この床用目地プレートの前記側壁側上面にスライド移動可能に取付けられた前記隙間を覆う板状の端部目地カバーと、この端部目地カバーを前後方向にスライド移動でき、かつ前記側壁に常時当接するように付勢する端部目地カバー取付機構とで床用目地装置を構成している。
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1により、地震により左右の躯体が異なる前後方向に揺れ動くと、端部目地カバーが床目地プレート上をスライド移動して、その揺れ動きを吸収する。
したがって、床用目地プレートが従来のように上方へ突出することなく、安全に使用することができる。
(2)前記(1)により、端部目地カバーが常時側壁に当接するように付勢されているので、側壁との間に隙間が生じるのを確実に阻止でき、安全に使用することができる。
(3)前記(1)により、端部目地プレートを板材で形成したものを使用しているので、構造が簡単で、安価に製造することができる。
(4)前記(1)により、板材の端部目地プレートを用いるので、設置作業を容易に行なうことができる。
(5)請求項2も前記(1)〜(4)と同様な効果が得られるとともに、スムーズに端部目地カバーを端部目地カバー取付機構でスライド移動させることができる。
本発明を実施するための第1の形態の平面図。 図1の2−2線に沿う断面図。 図1の3−3線に沿う断面図。 図1の4−4線に沿う断面図。 床用目地プレートの説明図。 端部目地カバーの説明図。 端部目地カバー取付機構の説明図。 地震で目地部が広くなる動作説明図。 地震で目地部が狭くなる動作説明図。 地震で異なる前後方向に揺れ動いた動作説明図。 本発明を実施するための第2の形態の平面図。 図11の12−12線に沿う断面図。 図11の13−13線に沿う断面図。 本発明を実施するための第3の形態の平面図。 図14の15−15線に沿う断面図。 図14の16−16線に沿う断面図。
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
図1ないし図10に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は目地部2を介して設けられた側壁3、3を有する左右の躯体4、4の床目地部2を覆う本発明の床用目地装置で、この床用目地装置1は前記左右の躯体4、4の一方の躯体4の目地部2側床面に、該目地部2の幅寸法Lの約2倍の長さ寸法に形成された反目地部側が傾斜面5の目地プレートスライド支持凹部6と、この目地プレートスライド支持凹部6を必要に応じて設置される支持凹部カバープレート7と、前記目地プレートスライド支持凹部6と対向する、前記他方の躯体4の目地部側床面に形成された目地プレート支持凹部8と、この目地プレート支持凹部8に後端部の両側部が支持金具9、9で支持され、先端部が前記目地プレートスライド支持凹部6あるいは支持凹部カバープレート7に支持された、前記左右の躯体4、4の側壁3、3との間に隙間10ができるように配置された床用目地プレート11と、この床用目地プレート11の前記側壁3、3側上面にスライド移動可能に取付けられた前記隙間10を覆う板状の端部目地カバー12と、この端部目地カバー12を前後方向にスライド移動でき、かつ前記側壁3に常時当接するように付勢する端部目地カバー取付機構13とで構成されている。
前記床用目地プレート11は、金属材製の浅皿状の床用目地プレート本体14と、この床用目地プレート本体14内に充填されたモルタルやセメント15と、このモルタルやセメント15の上面に設けたレンガやタイル等の床化粧板16と、前記床用目地プレート本体14の先端部にヒンジ部材17を介して取付けられたカバーパネル18とで構成されている。
前記支持金具9、9は前記床用目地プレート本体14の後部両側部に形成された底面が開口19、19する支持ボックス20、20と、この支持ボックス20、20内に頭部21、21が挿入される、前記目地プレート支持凹部8に固定された係合ピン22、22とで構成されたものを使用した例について説明したが、本発明はこれに限らず、支持金具としてヒンジ部材を使用したものであっても良い。
前記端部目地カバー取付機構13は前記床用目地プレート11の隙間10側の側面に開口23、23するように所定間隔で軸心が前後方向となるように、該床用目地プレート11に埋設されたガイド筒24、24と、このガイド筒24、24にスライド移動可能で、かつ先端部が端部目地カバー12の側壁3側の取付片12aに固定されたスライド軸25、25と、このスライド軸25、25の外周部に一端部が前記ガイド筒24、24に固定され、他端部が前記取付片12aを押し圧する付勢スプリング26、26とで構成されている。
前記端部目地カバー12は前記床用目地プレート本体14の大きさとほぼ同じ大きさの金属板で形成された端部目地カバー本体27と、この端部目地カバー本体27の先端部にヒンジ部材28を介して取付けられた、前記カバーパネル18の回動で回動するカバー板29とで構成されている。
上記構成の床用目地装置1は通常時は左右の躯体4、4間の床目地部2は左右の床面2a、2aとほぼ同じ上面となる床用目地プレート11および側壁3に当接し、かつ該床用目地プレート11と所定量重なり合う端部目地カバー12で覆われた状態となっているので、安全にその上を人や車が走行することができる。
地震で左右の躯体4、4間の床目地部2が広くなるように揺れ動くと、図8に示すように床用目地プレート11の先端部が一方の躯体4の目地プレートスライド支持凹部6あるいは支持凹部カバープレート7上をスライド移動して、その揺れ動きを吸収する。この時、端部目地カバー12も床用目地プレート11と一体になって移動する。
地震で左右の躯体4、4間の床目地部2が狭くなるように揺れ動くと、図9に示すように床用目地プレート11の先端部が一方の躯体4の目地プレートスライド支持凹部6の傾斜面5あるいは支持凹部カバープレート7の傾斜面5に沿って上方へスライド移動するとともに、カバーパネル18のヒンジ部材17で取付けられた部分が上方へ移動し、先端部が床面2a上に位置した状態となり、安全にその揺れ動きを吸収する。この時、端部目地カバー12も床用目地プレート11と一体になって移動する。
地震で左右の躯体4、4が異なる前後方向へ揺れ動いた場合、図10に示すように端部目地カバー取付機構13の付勢スプリング26、26の付勢力に抗して、側壁3で端部目地カバー12を床用目地プレート11との重なり合いが大きくなるようにスライド移動させたり、端部目地カバー取付機構13の付勢スプリング26、26の付勢力で側壁3に端部目地カバー12を押し付け、床用目地プレート11との重なり合いが小さくなるようにスライド移動させて、その揺れ動きを吸収する。
なお、地震の揺れ動きが停止すると、自動的に元の状態へ戻る。
また、地震で左右の躯体4、4が異なる前後方向に揺れ動いて床目地部2に生ずる隙間は、端部目地カバー12の側壁3側にL字状の手摺を取付けることにより、解消することができる。
この時、他方の側壁3の端部に手摺をスライド移動可能に支持する支持部材を設けることにより、よりスムーズに移動させることができる。
[発明を実施するための異なる形態]
次に、図11ないし図16に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
図11ないし図13に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、ガイド筒24、24内にスライド軸25、25を押し圧することができる付勢スプリング26A、26Aを収納した端部目地カバー取付機構13Aを用いた点で、このような端部目地カバー取付機構13を用いた床用目地装置1Aにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
図14ないし図16に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、床用目地プレート11の後端部に形成したガイドレール30に沿ってスライド移動するガイド片31を端部目地カバー12の後端部に形成し、床用目地プレート11の後端部側のガイド筒24と、このガイド筒24にスライド移動する端部目地カバー12に取付けられたスライド軸25および端部目地カバー12を側壁3方向に付勢する端部目地カバー12の後端部側の部位と側壁3の外方へ突出する取付金具32に取付けられた付勢スプリング26Bとからなる端部目地カバー取付機構13Bを用いた点で、このような端部目地カバー取付機構13Bを用いた床用目地装置1Bにしても、前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。
なお、本発明の各実施の形態では一方にだけ側壁3、3がある左右の躯体4、4について説明したが、本発明はこれに限らず、両方に側壁のある左右の躯体にも同様に設置することができる。
本発明は側壁のある左右の躯体間の床目地部を覆う床用目地装置を製造する産業で利用される。
1、1A、1B:床用目地装置、2:目地部、
3:側壁、 4:躯体、
L:目地部の幅寸法 、 5:傾斜面、
6:目地プレートスライド支持凹部、
7:支持凹部カバープレート、 8:目地プレート支持凹部、
9:支持金具、 10:隙間、
11:床用目地プレート、 12:端部目地カバー、
13、13A、13B:端部目地カバー取付機構、
14:床用目地プレート本体、 15:モルタルやセメント、
16:床化粧板、 17:ヒンジ部材、
18:カバーパネル、 19:開口、
20:支持ボックス、 21:頭部、
22:係合ピン、 23:開口、
24:ガイド筒、 25:スライド軸、
26、26A、26B:付勢スプリング、
27:端部目地カバー本体、 28:ヒンジ部材、
29:カバー板、 30:ガイドレール、
31:ガイド片、 32:取付金具。

Claims (2)

  1. 目地部を介して設けられた側壁を有する左右の躯体の、一方の躯体の目地部側床面に形成した反目地部側が傾斜面の目地プレートスライド支持凹部と、この目地プレートスライド支持凹部に先端部がスライド移動可能に支持され、後端部が前記左右の躯体の、他方の躯体の目地部側の床躯体に先端部が上方への回動ができ、かつ前記左右の躯体の側壁との間に隙間ができるように支持金具で取付けられた床用目地プレートと、この床用目地プレートの前記側壁側上面にスライド移動可能に取付けられた前記隙間を覆う板状の端部目地カバーと、この端部目地カバーを前後方向にスライド移動でき、かつ前記側壁に常時当接するように付勢する端部目地カバー取付機構とからなることを特徴とする床用目地装置。
  2. 端部目地カバー取付機構は床用目地プレートに前後方向に所定間隔で配置された側壁側が開口する、少なくとも2個以上のガイド筒と、この少なくとも2個以上のガイド筒にそれぞれスライド移動可能に取付けられる後端部が端部目地カバーの側壁側に固定されるスライド軸と、前記端部目地カバーを常時側壁側に付勢する付勢スプリングとで構成されていることを特徴とする請求項1記載の床用目地装置。
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