JP2014062173A - 樹脂組成物および電子部品装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の樹脂組成物は、一般式(1A)で表されるフェノール樹脂系硬化剤と、一般式(2A)で表されるエポキシ樹脂と、5%重量減少温度(Td5)が240℃以上の低応力剤と、を含有することを特徴とする樹脂組成物である。
【選択図】なし
Description
(1)下記一般式(1A)で表されるフェノール樹脂系硬化剤と、下記一般式(2A)で表されるエポキシ樹脂と、5%重量減少温度(Td5)が240℃以上の低応力剤と、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
(一般式(1A)中、2つのYは、それぞれ互いに独立して、下記一般式(1B)または下記一般式(1C)で表されるヒドロキシフェニル基を表し、Xは、下記一般式(1D)または下記一般式(1E)で表されるヒドロキシフェニレン基を表す。nは0以上の数を表す。さらに、nが2以上の場合、2つ以上のXは、それぞれ互いに独立して、同一であっても異なっていてもよい。R1は、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜5の炭化水素基を表し、aは0〜4の整数を表す。)
(一般式(1B)〜(1E)中、R2およびR3は、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜5の炭化水素基を表し、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜3の整数、eは0〜2の整数を表す。)
(一般式(2A)中、2つのYは、それぞれ互いに独立して、下記一般式(2B)または下記一般式(2C)で表されるグリシジル化フェニル基を表し、Xは、下記一般式(2D)または下記一般式(2E)で表されるグリシジル化フェニレン基を表す。また、nは0以上の数を表す。さらに、nが2以上の場合、2つ以上のXは、それぞれ互いに独立して、同一であっても異なっていてもよい。R1は、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜5の炭化水素基を表し、aは0〜4の整数を表す。)
(一般式(2B)〜(2E)中、R2およびR3は、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜5の炭化水素基を表し、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜3の整数、eは0〜2の整数を表す。)
(ただし、上記一般式(6)において、Pはリン原子を表す。R4、R5、R6およびR7は芳香族基またはアルキル基を表す。Aはヒドロキシル基、カルボキシル基、チオール基から選ばれる官能基のいずれかを芳香環に少なくとも1つ有する芳香族有機酸のアニオンを表す。AHはヒドロキシル基、カルボキシル基、チオール基から選ばれる官能基のいずれかを芳香環に少なくとも1つ有する芳香族有機酸を表す。x、yは1〜3、zは0〜3であり、かつx=yである。)
(ただし、上記一般式(7)において、R8は炭素数1〜3のアルキル基、R9はヒドロキシル基を表す。fは0〜5であり、gは0〜3である。)
(ただし、上記一般式(8)において、Pはリン原子を表す。R10、R11およびR12は炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。R13、R14およびR15は水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよく、R14とR15が結合して環状構造となっていてもよい。)
(ただし、上記一般式(9)において、Pはリン原子を表し、Siは珪素原子を表す。R16、R17、R18およびR19は、それぞれ、芳香環または複素環を有する有機基、あるいは脂肪族基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中R20は、基Y2およびY3と結合する有機基である。式中R21は、基Y4およびY5と結合する有機基である。Y2およびY3は、プロトン供与性基がプロトンを放出してなる基を表し、同一分子内の基Y2およびY3が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。Y4およびY5はプロトン供与性基がプロトンを放出してなる基を表し、同一分子内の基Y4およびY5が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。R20、およびR21は互いに同一であっても異なっていてもよく、Y2、Y3、Y4およびY5は互いに同一であっても異なっていてもよい。Z1は芳香環または複素環を有する有機基、
あるいは脂肪族基である。)
(一般式(2A)中、2つのYは、それぞれ互いに独立して、下記一般式(2B)または下記一般式(2C)で表されるグリシジル化フェニル基を表し、Xは、下記一般式(2D)または下記一般式(2E)で表されるグリシジル化フェニレン基を表す。また、nは0以上の数を表す。さらに、nが2以上の場合、2つ以上のXは、それぞれ互いに独立して、同一であっても異なっていてもよい。R1は、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜5の炭化水素基を表し、aは0〜4の整数を表す。)
(一般式(2B)〜(2E)中、R2およびR3は、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜5の炭化水素基を表し、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜3の整数、eは0〜2の整数を表す。)
ケージを以下PKGと記載する場合がある)は一例であり、半導体素子の好ましい態様としては、本実施形態では、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)に代表される高温にて動作する素子を用いたもので構成される。
図1は、本発明の樹脂組成物を用いた電子部品装置を半導体装置に適用した場合の一例を示す縦断面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」、下側を「下」と言う。
ダイパッド5の外周部には、複数のリード6が、放射状に設けられている。
線、Cu線、Ag線で構成することができる。
<樹脂組成物>
本発明の樹脂組成物は、下記一般式(1A)で表されるフェノール樹脂系硬化剤と、下記一般式(2A)で表されるエポキシ樹脂と、5%重量減少温度(Td5)が240℃以上の低応力剤と、を含有するものである。
(一般式(1A)中、2つのYは、それぞれ互いに独立して、下記一般式(1B)または下記一般式(1C)で表されるヒドロキシフェニル基を表し、Xは、下記一般式(1D)または下記一般式(1E)で表されるヒドロキシフェニレン基を表す。また、nは0以上の数を表す。さらに、nが2以上の場合、2つ以上のXは、それぞれ互いに独立して、同一であっても異なっていてもよい。R1は、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜5の炭化水素基を表し、aは0〜4の整数を表す。)
(一般式(1B)〜(1E)中、R2およびR3は、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜5の炭化水素基を表し、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜3の整数、eは0〜2の整数を表す。)
(一般式(2A)中、2つのYは、それぞれ互いに独立して、下記一般式(2B)または下記一般式(2C)で表されるグリシジル化フェニル基を表し、Xは、下記一般式(2D)または下記一般式(2E)で表されるグリシジル化フェニレン基を表す。また、nは0以上の数を表す。さらに、nが2以上の場合、2つ以上のXは、それぞれ互いに独立して、同一であっても異なっていてもよい。R1は、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜5の炭化水素基を表し、aは0〜4の整数を表す。)
(一般式(2B)〜(2E)中、R2およびR3は、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜5の炭化水素基を表し、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜3の整数、eは0〜2の整数を表す。)
[フェノール樹脂系硬化剤]
フェノール樹脂系硬化剤は、下記一般式(1A)で表される重合体であり、本発明の樹脂組成物に含まれる主材料のうちの1つである。(なお、本発明で重合体とは一般式(1A)におけるn=0の化合物も概念に含むものである)
(一般式(1A)中、2つのYは、それぞれ互いに独立して、下記一般式(1B)または下記一般式(1C)で表されるヒドロキシフェニル基を表し、Xは、下記一般式(1D)または下記一般式(1E)で表されるヒドロキシフェニレン基を表す。また、nは0以上の数を表す。さらに、nが2以上の場合、2つ以上のXは、それぞれ互いに独立して、同一であっても異なっていてもよい。R1は、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜5の炭化水素基を表し、aは0〜4の整数を表す。)
(一般式(1B)〜(1E)中、R2およびR3は、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜5の炭化水素基を表し、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜3の整数、eは0〜2の整数を表す。)
また一般式(1A)〜(1E)中のR1、R2およびR3は、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜5炭化水素基を表す。R1、R2およびR3において、炭素の数が5以下であれば、得られる樹脂組成物の反応性が低下して、成形性が損なわれてしまうのを確実に防止することができる。
D)において、同一のベンゼン環上に結合する置換基R2の数を表し、bは、互いに独立して、0〜4の整数であり、dは、互いに独立して、0〜3の整数であり、さらに、c、eは、一般式(1C)、(1E)において、同一のベンゼン環上に結合する置換基R3の数を表し、cは、互いに独立し、0〜3であり、eは、互いに独立して、0〜2の整数であり、aは好ましくは0〜2の整数であり、b、c、d、eは好ましくは0または1の整数である。
Mass Spectrometry;FD−MS)で測定される相対強度比を質量比とみなして算術計算することによって求めることができる。さらに、H−NMRまたはC−NMR測定によっても求めることができる。
以上のような前記一般式(1A)で表されるフェノール樹脂系硬化剤は、例えば、以下のようにして製造することができる。
(一般式(3)中、Zは、水酸基、ハロゲン原子または炭素数1〜6のアルコキシ基を表し、R1は炭素数1〜5の炭化水素基を表し、aは0〜4の整数を表す)
(一般式(4)中、R2は炭素数1〜5の炭化水素基を表し、bは0〜4の整数を表す。)
(一般式(5)中、R3は炭素数1〜5の炭化水素基を表し、cは0〜3の整数を表す。)
5の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、t−ペンチル基等のアルキル基が挙げられる。
ル、2,3,6−トリメチルフェノール等が挙げられ、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、フェノール、o−クレゾールが好ましく、特にフェノールが、エポキシ樹脂との反応性に優れるという観点から、より好ましく用いられる。
80〜80/20、さらに好ましくは25/75〜75/25となるような任意の条件とすればよいが、一価フェノール化合物および二価フェノール化合物の合計量100mol%に対して、一価フェノール化合物の配合比率が好ましくは15〜85mol%であり、より好ましくは20〜80mol%であり、さらに好ましくは20〜75mol%である。一価フェノール化合物の配合比率が上記下限値以上であれば、原料コストの上昇を抑えることができ、得られる樹脂組成物が、流動性に優れるものとすることができる。一価フェノール化合物の配合比率が上記上限値以下であれば、得られる樹脂組成物が、耐熱性に優れ、成形温度において充分な硬度を有するため、成形性に優れたものとすることができる。一価フェノール化合物の配合比率が上記上限値以下であれば、原料コストの上昇を抑えることができ、得られる樹脂組成物が、流動特性、耐半田性および難燃性に優れ、成形温度において充分な靭性を有するため、成形性に優れたものとすることができる。以上のように2種のフェノール化合物の配合比率を上述の範囲とすることで、流動特性、耐半田性、難燃性、耐熱性、および成形性特に連続成形性のバランスに優れた樹脂組成物を、経済的に得ることができる。
当業者に公知のフェノール樹脂の合成方法の手法を用いて調整することができる。
例えば、フェノール樹脂系硬化剤のk0/m0の比率は、合成に使用する一価フェノール化合物、二価フェノール化合物の配合比率によりを調整することができる。また、分子量や粘度は一価フェノール化合物、および二価フェノール化合物と、ビフェニレン化合物のモル比を1:1に近づける等の方法で、フェノール樹脂系硬化剤を高分子量化、高粘度化させることができる。一方一価フェノール化合物と二価フェノール化合物に対しビフェニレン化合物のモル比を減らす、酸触媒の配合量を減らす、ハロゲン化水素ガスが発生する場合にはこれを窒素気流等で速やかに系外に排出する、反応温度を下げる等の手法によって高分子量成分の生成を低減させ、数平均分子量を前記好ましい範囲とする方法が使用できる。この場合、反応の進行は、一般式(3)で表される化合物と一価フェノール化合物および二価フェノール化合物との反応で副生成するハロゲン化水素、アルコールのガスの発生状況や、あるいは反応途中の生成物をサンプリングしてゲルパーミエーションクロマトグラフ法により分子量で確認することもできる。
官能型フェノール樹脂;テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂のような変性フェノール樹脂;フェニレン骨格および/またはビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂、フェニレンおよび/またはビフェニレン骨格を有するナフトールアラルキル樹脂のようなアラルキル型樹脂;ビスフェノールA、ビスフェノールFのようなビスフェノール化合物等が挙げられ、これらは1種類を単独で用いても2種類以上を併用してもよい。これらのうち、硬化性の点から水酸基当量は90g/eq以上、250g/eq以下のものが好ましい。
エポキシ樹脂は、下記一般式(2A)で表される重合体であり、本発明の樹脂組成物に含まれる主材料のうちの1つである。(なお、本発明で重合体とは一般式(2A)におけるn=0の化合物も概念に含むものである)
(一般式(2A)中、2つのYは、それぞれ互いに独立して、下記一般式(2B)または下記一般式(2C)で表されるグリシジル化フェニル基を表し、Xは、下記一般式(2D)または下記一般式(2E)で表されるグリシジル化フェニレン基を表す。また、nは0以上の数を表す。さらに、nが2以上の場合、2つ以上のXは、それぞれ互いに独立して、同一であっても異なっていてもよい。R1は、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜5の炭化水素基を表し、aは0〜4の整数をあらわす。)
(一般式(2B)〜(2E)中、R2およびR3は、それぞれ互いに独立して、水素原子または炭素数1〜5の炭化水素基を表し、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜3の整数、eは0〜2の整数を表す。)
eは、一般式(2C)、(2E)において、同一のベンゼン環上に結合する置換基R3の数を表し、cは、互いに独立し、0〜3であり、eは、互いに独立して、0〜2の整数であり、aは好ましくは0〜2の整数であり、b、c、d、eは好ましくは0または1の整数である。
以上のような前記一般式(2A)で表されるエポキシ樹脂は、例えば、以下のように、エポキシ樹脂において当業者に公知の方法で製造することができる。
剤の水酸基当量に対して0.8〜1.2倍モル程度に設定されているのが好ましく、0.9〜1.1倍モル程度に設定されているのがより好ましい。
る重合体とが主材料として含まれていることが好ましい。
い。これらのうち、硬化性の点から水酸基当量は90g/eq以上、250g/eq以下のものが好ましい。
既に説明したように、一般式(1A)で表されるフェノール樹脂系硬化剤と、下記一般式(2A)で表されるエポキシ樹脂を含むことで高Tgと重量減少の低減化を両立させることができるが、高温保管特性と高温動作特性をいずれも極めて優れたものとする態様としては、5%重量減少温度(Td5)が240℃以上の低応力剤と、一般式(2A)で表されるエポキシ樹脂と、を含有することを特徴とする樹脂組成物、または5%重量減少温度(Td5)が240℃以上の低応力剤と、一般式(1A)で表されるフェノール樹脂系硬化剤と、下記一般式(2A)で表されるエポキシ樹脂を含有することを特徴とする樹脂組成物が挙げられる。ここで前記5%重量減少温度(Td5)が240℃以上とは、示差熱・熱重量同時測定装置(TG・DTA)を使用して窒素気流下、10℃/分の昇温速度で低応力剤を30℃から加熱していき、初期重量の5%が失われた時の温度が240℃以上のことである。
等のエリア実装タイプの半導体パッケージにおいて反りを低減する、等の機能を有すると当業者において一般に認識されるものである。
本発明の5%重量減少温度が240℃以上の低応力剤としては、半導体封止用樹脂組成物で当業者に公知の低応力剤において5%重量減少温度が240℃以上であれば特に限定されないが、シリコーンゴム、シリコーンオイル、シリコーンパウダー、シリコーンレジン、ポリシルセスキオキサン、ビスA型などのエポキシ樹脂と両末端にカルボキシル基など
が導入されたシロキサンポリマーとの付加物等のシリコーン−樹脂変性物、等のシリコーン化合物において5%重量減少温度が240℃以上のもの、1,2−ポリブタジエン、1,4−ポリブタジエン、前記ポリブタジエンにエポキシ基、カルボキシル基、水酸基、酸無水物基等の官能基を導入した変性プリブタジエンにおいて5%重量減少温度が240℃以上のもの、天然ゴムにおいて5%重量減少温度が240℃以上のもの、アクリルゴム、ニトリルゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリイソブチレンゴム、および前記各種ゴムのモノマーを適宜共重合させたもの、等の合成ゴムにおいて5%重量減少温度が240℃以上のもの、が例示されるが、好ましいものとしては、東レ・ダウコーニング社製FZ3730等が例示されるエポキシ基、カルボキシル基、水酸基、酸無水物基、ポリアルキレンエーテル基等を導入した変性ポリアルキルシロキサン、変性ポリアリールシロキサン、変性ポリアルキルアリールシロキサンに代表される変性シリコーンオイル、東レ・ダウコーニング社製CF2152等が例示されるシリコーンゴム、その他シリコーンパウダー、シリコーンレジン、ポリシルセスキオキサン粉末、ビスA型などのエポキシ樹脂と両末端にカルボキシル基などが導入され
たシロキサンポリマーとの付加物等のシリコーン−樹脂変性物、日本曹達製JP−200等が例示される変性ポリブタジエン、PTIジャパン製CTBN1008SP等が例示されるカルボキシル基末端ブタジエンアクリロニトリル共重合体、において5%重量減少温度が240℃以上のものが特に好ましいものとして例示される。
し合い、その相乗効果で半導体素子と樹脂組成物の硬化物界面やボンディングパッド、ボンディングワイヤーと樹脂組成物の硬化物界面に影響を与え、信頼性が向上するものと推察される。
低応力剤の配合割合の下限値としては、全樹脂組成物中0.01質量%以上が好ましく、より好ましくは0.05質量%以上、特に好ましくは0.1質量%以上である。低応力剤の配合割合の下限値が上記範囲内であれば、成形物に低応力特性を付与することができる。また、低応力剤の配合割合の上限値としては、全樹脂組成物中1.0質量%以下が好ましく、より好ましくは0.8質量%以下、特に好ましくは0.7質量%以下である。低応力剤の配合割合が上記範囲内であれば、流動性の低下による成形時における充填不良の発生や高粘度化による金線変形等の不具合の発生を抑えることができるが、本発明の主眼である高温保管および高温動作特性に顕著な効果を奏する範囲としては、0.1質量%以上0.7質量%以下、より好ましくは0.2質量%以上0.6質量%以下である時、本発明の5%重量減少温度が240℃以上の低応力剤が、一般式(1A)で表されるフェノール樹脂系硬化剤、一般式(2A)で表されるエポキシ樹脂等の成分と適度な分散状態となり、その相乗効果が十分に得られ半導体素子と樹脂組成物の硬化物界面やボンディングパッド、ボンディングワイヤーと樹脂組成物の硬化物界面に影響を与え、信頼性が向上するものである。
また、本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、前記一般式(1A)で表されるフェノール樹脂系硬化剤および前記一般式(2A)で表されるエポキシ樹脂、5%重量減少温度(Td5)が240℃以上の低応力剤の他に、以下に示すようなその他の成分が含まれていてもよい。
無機充填材は、樹脂組成物の硬化に伴う吸湿量の増加や、強度の低下を低減する機能を有するものであり、当該分野で一般的に用いられる無機充填材を使用することができる。
温保管特性のみならず、高温動作特性をも得ることができる。
本発明では、無機充填材の平均粒径は、金型キャビティへの充填性の観点から、0.01μm以上、150μm以下であることが好ましいが、より好ましくは、平均粒径が7μm以上50μm以下の球状シリカを組成物に対し、60質量%以上85質量%以下含むことが好ましく、65質量%以上83質量%以下含むことがより好ましい。前記範囲だと、高温下における半導体素子に十分に密着し、かつ素子に大きなストレスを与えないため、本発明の主眼である優れた高温保管特性のみならず、高温動作特性をも得ることができる。
また、本発明では平均粒径が0.1μm以上6μm以下の球状シリカを組成物に対し、1質量%以上25質量%以下含むことが好ましく、3質量%以上20質量%以下含むことがより好ましい。前記範囲だと、高温下における半導体素子に十分に密着し、かつ素子に大きなストレスを与えないため、本発明の主眼である優れた高温保管特性のみならず、高温動作特性をも得ることができる。
さらに本発明では、平均粒径が7μm以上50μm以下の球状シリカを組成物に対し、60質量%以上85質量%以下含むことに加え、平均粒径が0.1μm以上6μm以下の球状シリカを組成物に対し、1質量%以上25質量%以下含むと、高温下における半導体素子に十分に密着し、かつ素子に大きなストレスを与えないため、本発明の主眼である優れた高温保管特性のみならず、高温動作特性をも得ることができる。
硬化促進剤は、エポキシ樹脂のエポキシ基とフェノール樹脂系硬化剤の水酸基との反応を促進する機能を有するものであり、一般に使用される硬化促進剤が用いられる。
(ただし、上記一般式(6)において、Pはリン原子を表す。R4、R5、R6およびR7は芳香族基またはアルキル基を表す。Aはヒドロキシル基、カルボキシル基、チオール基から選ばれる官能基のいずれかを芳香環に少なくとも1つ有する芳香族有機酸のアニオンを表す。AHはヒドロキシル基、カルボキシル基、チオール基から選ばれる官能基のいずれかを芳香環に少なくとも1つ有する芳香族有機酸を表す。x、yは1〜3、zは0〜3であり、かつx=yである。)
(ただし、上記一般式(7)において、R8は炭素数1〜3のアルキル基、R9はヒドロキシル基を表す。fは0〜5であり、gは0〜3である。)
(ただし、上記一般式(8)において、Pはリン原子を表す。R10、R11およびR12は炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。R13、R14およびR15は水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよく、R14とR15が結合して環状構造となっていてもよい。)
(ただし、上記一般式(9)において、Pはリン原子を表し、Siは珪素原子を表す。R16、R17、R18およびR19は、それぞれ、芳香環または複素環を有する有機基、あるいは脂肪族基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中R20は、基Y2およびY3と結合する有機基である。式中R21は、基Y4およびY5と結合する有機基である。Y2およびY3は、プロトン供与性基がプロトンを放出してなる基を表し、同一分子内の基Y2およびY3が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである
。Y4およびY5はプロトン供与性基がプロトンを放出してなる基を表し、同一分子内の基Y4およびY5が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。R20、およびR21は互いに同一であっても異なっていてもよく、Y2、Y3、Y4、およびY5は互いに同一であっても異なっていてもよい。Z1は芳香環または複素環を有する有機基、あるいは脂肪族基である。)
また、前記従来知られた硬化促進剤の効果に加え、本発明では、硬化促進剤の配合割合が0.11質量%以上、0.70質量%以下、最も好ましくは、0.12質量%以上、0.65質量%以下の時に本発明の優れた高温保管特性のみならず、高温動作特性をも発現するという特異な効果を奏するものである。
芳香環を構成する2個以上の隣接する炭素原子にそれぞれ水酸基が結合した化合物(A)(以下、単に、「化合物(A)」と言うことがある。)は、これを用いることにより、フェノール樹脂系硬化剤とエポキシ樹脂との架橋反応を促進させる硬化促進剤として、潜伏性を有しないリン原子含有硬化促進剤を用いた場合であっても、樹脂組成物の溶融混練中での反応を抑えることができる。
(ただし、上記一般式(10)において、R22、R26はどちらか一方が水酸基であり、片方が水酸基のとき他方は水素原子、水酸基または水酸基以外の置換基である。R23、R24およびR25は水素原子、水酸基または水酸基以外の置換基である。)
(ただし、上記一般式(11)において、R27、R33はどちらか一方が水酸基であり、片方が水酸基のとき他方は水素原子、水酸基または水酸基以外の置換基である。R28、R29、R30、R31およびR32は水素原子、水酸基または水酸基以外の置換基である。)
カップリング剤は、樹脂組成物中に無機充填材が含まれる場合に、エポキシ樹脂と無機充填材との密着性を向上させ機能を有するものであり、例えば、シランカップリング剤等が用いられる。
無機難燃剤は、樹脂組成物の難燃性を向上させる機能を有するものであり、一般に使用される無機難燃剤が用いられる。
、水酸化バリウム、水酸化ジルコニアを挙げることができる。
、200℃の高温槽に前記無機難燃剤を投入し、1000時間加熱処理、デシケータ-内
で冷却後の重量を処理後重量とした場合の初期重量に対する処理後の重量減少率が0.1重量%以上である難燃剤を使用しないことが好ましく、さらには無機難燃剤を使用せず、難燃性を有するレジンのみで樹脂組成物を構成することが望ましい。
ここで離型剤とはトランスファー成形機等で成形する際、成形物を金型から離型させる機能を有するものである。
本発明の離型剤としては、半導体封止用樹脂組成物で当業者に公知の離型剤であれば特に限定されないが、例えばカルナバが挙げられる。
これらの離型剤は1種類を単独で用いても2種類以上を併用しても良い。
離型剤の配合割合の下限値としては、全樹脂組成物中0.01質量%以上が好ましく、より好ましくは0.05質量%以上、特に好ましくは0.1質量%以上である。離型剤の配合割合の下限値が上記範囲内であれば、成形時に金型から硬化物を離型させることができる。また、離型剤の配合割合の上限値としては、全樹脂組成物中1.0質量%以下が好ましく、より好ましくは0.8質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下である。離型剤の配合割合の上限値が上記範囲内であれば、成形品表面に離型剤が染み出すことによる汚れを抑制することができる。
また、上述したその他の成分以外に、カーボンブラック、ベンガラ、酸化チタン等の着色剤等当業者に公知の成分を適宜配合してもよい。
なお、本発明はこれらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
まず、各実施例および各比較例の樹脂組成物で用いた原材料を以下に示す。
なお、特に記載しない限り、各成分の配合量は、質量部とする。
セパラブルフラスコに撹拌装置、温度計、還流冷却器、窒素導入口を装着し、1,3−ジヒドロキシベンゼン(東京化成工業社製、「レゾルシノール」、融点111℃、分子量110、純度99.4%)291質量部、フェノール(関東化学社製特級試薬、「フェノール」、融点41℃、分子量94、純度99.3%)235質量部、あらかじめ粒状に砕いた4,4’−ビスクロロメチルビフェニル(和光純薬工業社製、「4,4’−ビスクロロメチルビフェニル」、融点126℃、純度95%、分子量251)125質量部を、セパラブルフラスコに秤量し、窒素置換しながら加熱し、フェノールの溶融の開始に併せて攪拌を開始した。
った後、油層を125℃減圧処理することによってトルエン、残留未反応成分等の揮発成分を留去し、下記式(12A)で表されるフェノール樹脂系硬化剤1(重合体)を得た。
(式(12A)中、2つのYは、それぞれ互いに独立して、下記式(12B)または下記式(12C)で表されるヒドロキシフェニル基を表し、Xは、下記式(12D)または下記式(12E)で表されるヒドロキシフェニレン基を表す。)
前記(フェノール樹脂系硬化剤1;MFBA型フェノールの合成)において、レゾルシノールを374質量部、フェノールを141質量部、4,4’−ビスクロロメチルビフェニル100質量部とした以外はすべてフェノール樹脂系硬化剤1の合成と同様の操作を行い、式(12A)で表されるフェノール樹脂系硬化剤2(重合体)を得た。
ビフェニレン骨格を有するフェノール(フェノールの水酸基が1個のもの)アラルキル樹脂(明和化成株式会社製、MEH−7851SS。水酸基当量203g/eq)を用意した。
トリフェニルメタン型フェノール樹脂(明和化成株式会社製、MEH−7500。水酸基当量97g/eq)を用意した。
セパラブルフラスコに撹拌装置、温度計、還流冷却器、窒素導入口を装着し、前述のフ
ェノール樹脂硬化剤1を100質量部、エピクロルヒドリン(東京化成工業(株)製)400質量部を秤量し、100℃に加熱して溶解させた後、水酸化ナトリウム(固形細粒状、純度99%試薬)60質量部を4時間かけて徐々に添加し、さらに3時間反応させた。次にトルエン200質量部を加えて溶解させた後、蒸留水150質量部を加えて振とうし、水層を棄却する操作(水洗)を洗浄水が中性になるまで繰り返し行った後、油層を125℃2mmHgの減圧条件でエピクロルヒドリンを留去した。得られた固形物にメチルイソブチルケトン300質量部を加えて溶解し、70℃に加熱し、30質量%水酸化ナトリウム水溶液13質量部を1時間かけて添加し、さらに1時間反応した後、静置し、水層を棄却した。油層に蒸留水150質量部を加えて水洗操作を行い、洗浄水が中性になるまで同様の水洗操作を繰り返し行った後、加熱減圧によってメチルイソブチルケトンを留去し、下記式(13A)で表される化合物を含むエポキシ樹脂1(エポキシ当量200g/e
q)を得た。このエポキシ樹脂の数平均分子量は560であった。
(式(13A)中、2つのYは、それぞれ互いに独立して、下記式(13B)または下記式(13C)で表されるグリシジル化フェニル基を表し、Xは、下記式(13D)または下記式(13E)で表されるグリシジル化フェニレン基を表す。)
フェノール樹脂系硬化剤2(120質量部)を用いること以外はエポキシ樹脂1の手順と同様に合成を行い、上記式(13A)で表される化合物を含むエポキシ樹脂2(エポキシ当量185g/eq)を得た。得られたエポキシ樹脂2の数平均分子量は670であっ
た。
ビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂型エポキシ樹脂(フェノールの水酸基が1個のビフェニレン骨格を有するフェノールアラルキル樹脂を原料とするエポキシ樹脂)(日本化薬株式会社製、NC3000。エポキシ当量276g/eq、軟化点58℃)を用意した。
トリフェニルメタン型エポキシ樹脂(三菱化学株式会社製、1032H−60。エポキシ当量171g/eq、軟化点60℃)を用意した。
離型剤1としては、カルナバ(日興ファイン社製、「ニッコウカルナバ」)を用意した。
無機充填材1としては、溶融球状シリカ(電気化学工業社製「FB560」、平均粒径30μm)を用意した。なお、本発明の平均粒径は島津製作所製レーザー回折散乱式粒度分布計SALD−7000を使用して測定した。
無機充填材2としては、溶融球状シリカ(アドマテックス社製「SO−25R」、平均粒径0.5μm)を用意した。
硬化促進剤1としては、下記式(14)で示される硬化促進剤を用意した。
[硬化促進剤1の合成方法]
撹拌装置付きのセパラブルフラスコに4,4’−ビスフェノールS37.5g(0.15モル)、メタノール100mlを仕込み、室温で撹拌溶解し、更に攪拌しながら予め50mlのメタノールに水酸化ナトリウム4.0g(0.1モル)を溶解した溶液を添加した。次いで予め150mlのメタノールにテトラフェニルホスホニウムブロマイド41.9g(0.1モル)を溶解した溶液を加えた。しばらく攪拌を継続し、300mlのメタノールを追加した後、フラスコ内の溶液を大量の水に撹拌しながら滴下し、白色沈殿を得た。沈殿を濾過、乾燥し、白色結晶の硬化促進剤1を得た。
硬化促進剤2としては、下記式(15)で示される硬化促進剤を用意した。
[硬化促進剤2の合成方法]
冷却管及び攪拌装置付きのセパラブルフラスコに2,3‐ジヒドロキシナフタレン12.
81g(0.080mol)、テトラフェニルホスホニウムブロミド16.77g(0.040mol)およびメタノール100mlを仕込み攪拌し、均一に溶解させた。予め水酸化ナトリウム1.60g(0.04ml)を10mlのメタノールに溶解した水酸化ナトリウム溶液をフラスコ内に徐々に滴下すると結晶が析出した。析出した結晶をろ過、水洗、真空乾燥し、硬化促進剤2を得た。
硬化促進剤3としては、下記式(16)で示される硬化促進剤を用意した。
[硬化促進剤3の合成方法]
メタノール1800gを入れたフラスコに、フェニルトリメトキシシラン249.5g、2,3−ジヒドロキシナフタレン384.0gを加えて溶かし、次に室温攪拌下28%ナトリウムメトキシド−メタノール溶液231.5gを滴下した。さらにそこへ予め用意したテトラフェニルホスホニウムブロマイド503.0gをメタノール600gに溶かした溶液を室温攪拌下滴下すると結晶が析出した。析出した結晶を濾過、水洗、真空乾燥し、桃白色結晶の硬化促進剤3を得た。
硬化促進剤4としては、下記式(17)で示される1,4−ベンゾキノンとトリフェニルホスフィンを付加させた化合物を用意した。
[硬化促進剤4の合成方法]
冷却管及び攪拌装置付きのセパラブルフラスコにベンゾキノン6.49g(0.060mol)、トリフェニルホスフィン17.3g(0.066mol)およびアセトン40mlを仕込み、攪拌下、室温で反応した。析出した結晶をアセトンで洗浄後、ろ過、乾燥し暗緑色結晶の硬化促進剤4を得た。
硬化促進剤5としては、トリフェニルホスフィン(和光純薬製)を用意した。
シランカップリング剤1としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−803)を用意した。
低応力剤1としては、以下の合成方法で得た反応物A(Td5:255℃)を用意した。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン製、YL−6810、エポキシ当量170g/eq、融点47℃)66.1重量部を140℃で加温溶融し、オルガノポリシロキサン(東レ・ダウコーニング(株)製、BY16−750)33.1重量部及びトリフェニルホスフィン0.8重量部を添加して、30分間溶融混合して反応物Aを得た。
(低応力剤2)
低応力剤2としては、FZ−3730(東レ・ダウコーニング製エポキシ基、ポリアルキレンエーテル基、メチル基等を有するシリコーンオイル、Td5:270℃)を用意した
。
(低応力剤3)
低応力剤3としては、CTBN1008SP(PTIジャパン製両末端にカルボキシル基を有するブタジエンとアクリロニトリルの共重合体、Td5:250℃)を用意した。
(低応力剤4)
低応力剤4としては、JP−200(日本曹達製エポキシ化ポリブタジエン、Td5:2
45℃)を用意した。
(低応力剤5)
低応力剤5としては、CF2152(東レ・ダウコーニング製ポリメチルシロキサンゴ
ム、Td5:280℃)を用意した。
(低応力剤6)
低応力剤6としては、BTA751(ローム・アンド・ハース製コアがブタジエンスチレン系エラストマーでシェルが架橋ポリメタクリル酸メチルであるコアシェル微粒子、Td5:200℃)を用意した。
(着色剤1)
着色剤としては、カーボンブラック(三菱化学社製、「MA600」)を用意した。
[実施例1]
エポキシ樹脂1(8.44質量部)、フェノール樹脂系硬化剤1(4.96質量部)、無機充填材1(75.00質量部)、無機充填材2(10.00質量部)、硬化促進剤3(0.31質量部)、シランカップリング剤1(0.20質量部)、離型剤1(0.20質量部)、低応力剤1(0.5質量部)、着色剤1(0.40質量部)をそれぞれ秤量し、これらをミキサーを用いて混合した後、表面温度が95℃と25℃の2本ロールを用いて混練することにより混練物を得た。次いで、この混練物を、冷却後粉砕することで実施例1の樹脂組成物を得た。
原材料の種類および配合量を表1に示すように変更したこと以外は前記実施例1と同様にして、実施例2〜14、比較例1〜4の樹脂組成物を得た。
使用した低応力剤及び得られた各実施例および各比較例の樹脂組成物を、以下の方法で評価した。
サンプル(低応力剤)をPtパンに10mg入れ、窒素気流下10℃/分で30℃から400℃までの熱重量減少量をTG・DTA測定装置(セイコーインスツル株式会社、EXSTAR7000)を用いて測定し、サンプルの初期重量の5%が失われた時の温度(Td5)を測定した。
低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、「KTS−15」)を用いて、ANSI/ASTM D 3123−72に準じたスパイラルフロー測定用金型に、175℃、注入圧力6.9MPa、保圧時間120秒の条件で、各実施例および各比較例の樹脂組成物を注入し、流動長を測定し、これをスパイラルフローとした。
各実施例および各比較例の樹脂組成物のガラス転移温度は、JISK 7244−3に
準じて測定した。
重:800g)、tanδピーク温度をガラス転移温度として読み取った。
低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、「KTS−30」)を用いて、金型温度175℃、注入圧力9.8MPa、硬化時間120sの条件で、各実施例および各比較例の樹脂組成物から、直径50mm、厚さ3mmの円盤状試験片を成形し、175℃で4時間後硬化した。その後、125℃で20時間乾燥処理し、冷却後の重量を初期重量とした。次いで、大気下200℃の高温槽に円盤試験片を投入し、1000時間加熱処理、冷却後の重量を処理後重量とした。
なお、表1には、熱処理前後の重量減少率を百分率で示した。
低圧トランスファー成形機(コータキ精機社製、「KTS−30」)を用いて、金型温度175℃、注入時間15秒、硬化時間120秒、注入圧力9.8MPaの条件で、各実施例および各比較例の樹脂組成物を注入成形して、175℃、4時間で後硬化することで、3.2mm厚の耐燃試験片を作製した。
なお、表1には、判定後の耐燃ランク(クラス)を示した。
トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、圧力9.8MPa、硬化時間2分で、チップサイズ3.5mm×3.5mmの16pSOPを成形し、175℃、4時間で硬化した後、175℃での高温保管試験を行った。配線間の電気抵抗値が初期値の20%増加したパッケージを不良と判定し、不良になるまでの時間を測定した。不良時間はn=4個の平均値。単位は時間である。
トランスファー成形機を用いて、金型温度175℃、圧力9.8MPa、硬化時間2分で、チップサイズ3.5mm×3.5mmの16pSOPを成形し、175℃、4時間で硬化した後、デイジーチェーンにつないだ両端に0.5Aの直流電流を流し、この状態で175℃での高温保管を行った。配線間の電気抵抗値が初期値の20%増加したパッケージを不良と判定し、不良になるまでの時間を測定した。不良時間はn=4個の平均値。単位は時間である。
また、SiCまたはGaNを用いた素子(半導体素子)に代表される過酷な状況下で動作可能となる素子を搭載した半導体装置において極めて優れた信頼性が得られた。
2 半導体チップ
3 電極パッド
4 ワイヤー
5 ダイパッド
6 リード
7 モールド部
8 接着層
Claims (13)
- 下記一般式(1A)で表されるフェノール樹脂系硬化剤と、下記一般式(2A)で表されるエポキシ樹脂と、5%重量減少温度(Td5)が240℃以上の低応力剤と、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
(一般式(1A)中、2つのYは、それぞれ互いに独立して、下記一般式(1B)または下記一般式(1C)で表されるヒドロキシフェニル基を表し、Xは、下記一般式(1D)または下記一般式(1E)で表されるヒドロキシフェニレン基を表す。nは0以上の数を表す。さらに、nが2以上の場合、2つ以上のXは、それぞれ互いに独立して、同一であっても異なっていてもよい。R1は、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜5の炭化水素基を表し、aは0〜4の整数を表す。)
(一般式(1B)〜(1E)中、R2およびR3は、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜5の炭化水素基を表し、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜3の整数、eは0〜2の整数を表す。)
(一般式(2A)中、2つのYは、それぞれ互いに独立して、下記一般式(2B)または下記一般式(2C)で表されるグリシジル化フェニル基を表し、Xは、下記一般式(2D)または下記一般式(2E)で表されるグリシジル化フェニレン基を表す。また、nは0以上の数を表す。さらに、nが2以上の場合、2つ以上のXは、それぞれ互いに独立して、同一であっても異なっていてもよい。R1は、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜5の炭化水素基を表し、aは0〜4の整数を表す。)
(一般式(2B)〜(2E)中、R2およびR3は、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜5の炭化水素基を表し、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜3の整数、eは0〜2の整数を表す。) - 当該樹脂組成物中における前記フェノール樹脂系硬化剤の含有率をA1[質量%]とし、前記エポキシ樹脂の含有率をA2[質量%]としたとき、A1/(A1+A2)が0.2以上、0.9以下なる関係を満足する請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記フェノール樹脂硬化剤は、その水酸基当量が90〜190g/eqである請求項1または請求項2に記載の樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂は、そのエポキシ当量が160〜290g/eqである請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 無機充填材を含有する請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 下記に示す硬化促進剤の少なくとも1種を含有する請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の樹脂組成物。
(ただし、上記一般式(6)において、Pはリン原子を表す。R4、R5、R6およびR7は芳香族基またはアルキル基を表す。Aはヒドロキシル基、カルボキシル基、チオール基から選ばれる官能基のいずれかを芳香環に少なくとも1つ有する芳香族有機酸のアニオンを表す。AHはヒドロキシル基、カルボキシル基、チオール基から選ばれる官能基のいずれかを芳香環に少なくとも1つ有する芳香族有機酸を表す。x、yは1〜3、zは0〜3であり、かつx=yである。)
(ただし、上記一般式(7)において、R8は炭素数1〜3のアルキル基、R9はヒドロキシル基を表す。fは0〜5であり、gは0〜3である。)
(ただし、上記一般式(8)において、Pはリン原子を表す。R10、R11およびR12は炭素数1〜12のアルキル基または炭素数6〜12のアリール基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。R13、R14およびR15は水素原子または炭素数1〜12の炭化水素基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよく、R14とR15が結合して環状構造となっていてもよい。)
(ただし、上記一般式(9)において、Pはリン原子を表し、Siは珪素原子を表す。R16、R17、R18およびR19は、それぞれ、芳香環または複素環を有する有機基、あるいは脂肪族基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。式中R20は、基Y2およびY3と結合する有機基である。式中R21は、基Y4およびY5と結合する有機基である。Y2およびY3は、プロトン供与性基がプロトンを放出してなる基を表し、同一分子内の基Y2およびY3が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。Y4およびY5はプロトン供与性基がプロトンを放出してなる基を表し、同一分子内の基Y4およびY5が珪素原子と結合してキレート構造を形成するものである。R20、およびR21は互いに同一であっても異なっていてもよく、Y2、Y3、Y4およびY5は互いに同一であっても異なっていてもよい。Z1は芳香環または複素環を有する有機基、
あるいは脂肪族基である。) - カップリング剤を含有する請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 離型剤を含有する請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物より得られた硬化物であって、該硬化物のガラス転移温度(Tg)が200℃以上であり、かつ200℃で1000時間放置後の重量減少率が0.3%以下となる請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の樹脂組成物より得られた硬化物を、半導体素子を封止する封止材として備えることを特徴とする電子部品装置。
- 下記一般式(2A)で表されるエポキシ樹脂と、5%重量減少温度(Td5)が240℃以上の低応力剤と、を含有することを特徴とする樹脂組成物。
(一般式(2A)中、2つのYは、それぞれ互いに独立して、下記一般式(2B)または下記一般式(2C)で表されるグリシジル化フェニル基を表し、Xは、下記一般式(2D)または下記一般式(2E)で表されるグリシジル化フェニレン基を表す。また、nは0以上の数を表す。さらに、nが2以上の場合、2つ以上のXは、それぞれ互いに独立して、同一であっても異なっていてもよい。R1は、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜5の炭化水素基を表し、aは0〜4の整数を表す。)
(一般式(2B)〜(2E)中、R2およびR3は、それぞれ互いに独立して、炭素数1〜5の炭化水素基を表し、bは0〜4の整数、cは0〜3の整数、dは0〜3の整数、eは0〜2の整数を表す。) - 請求項11記載の樹脂組成物より得られた硬化物であって、該硬化物のガラス転移温度(Tg)が200℃以上であり、かつ200℃で1000時間放置後の重量減少率が0.3%以下となる請求項11記載の樹脂組成物。
- 請求項11または請求項12記載の樹脂組成物より得られた硬化物を、半導体素子を封止する封止材として備えることを特徴とする電子部品装置。
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